JPH07258430A - 冷水崩壊性フィルムの製造方法 - Google Patents

冷水崩壊性フィルムの製造方法

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JPH07258430A
JPH07258430A JP6053612A JP5361294A JPH07258430A JP H07258430 A JPH07258430 A JP H07258430A JP 6053612 A JP6053612 A JP 6053612A JP 5361294 A JP5361294 A JP 5361294A JP H07258430 A JPH07258430 A JP H07258430A
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film
temperature
polydioxolane
cold water
molecular weight
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JP6053612A
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Takashi Nanba
多加志 難波
Hiroya Kobayashi
博也 小林
Kenji Minami
賢次 南
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリジオキソランを含んでなる樹脂からな
り、優れた機械物性、高湿度下での安定性、耐水性を有
し、さらに医薬、農薬、洗剤等の包装材として有用な冷
水崩壊性フィルムの製造方法を提供する。 【構成】 ポリジオキソランを含んでなる特定の分子量
を有する樹脂を、特定の成形条件でフィルム化するか、
或はフィルム化後に特定の熱履歴を与えることを特徴と
する冷水崩壊性フィルムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷水崩壊性フィルムの
製造方法に関するものである。更に詳しくは、ポリジオ
キソランを含んでなる特定の分子量を有する樹脂からな
り、優れた機械物性、高湿度下での安定性及び耐水性を
有する冷水崩壊性フィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンオキシドやポリビニールア
ルコール等の水溶性ポリマーからなるフィルムは公知で
あり、またこれらを水溶性包装材として用いることも公
知である。水溶性包装材は、医薬や農薬、洗剤等を包装
し、使用時には袋ごと水中に投入して内容物を放出させ
るものであり、使用時の計量の手間が省略される他、被
包装物が粉体である場合にはその使用時の取り扱い性を
向上させ、しかも微粉の発生の問題を解決できるといっ
た利点がある。また、包装材の溶解速度を適度に調製す
ることで内容物の放出速度を制御するという効果も有し
ている。
【0003】しかしながら、これらの樹脂よりなるフィ
ルムは水性媒体中に投入された際に溶解・増粘して内容
物を覆い、内容物の円滑な放出・溶解を妨げるという問
題がある。また、これらの樹脂よりなるフィルムは高湿
度下での安定性に問題がある。すなわち、吸湿による機
械的物性の低下やフィルムがカールすることによる取り
扱い性の悪化、フィルム表面の粘着性の発現等の問題が
生じる。さらに、前記の水溶性フィルムは耐水性にも大
きな問題がある。即ち、本来これらのフィルムは使用時
に水と接触して初めて溶解するものであることが望まし
いが、保存中或は使用前であっても水と接触すれば、フ
ィルムが膨潤したり孔が開くといった問題を生じる。こ
のため、前記の樹脂よりなるフィルムは、保存中及び輸
送中には膨湿、防水措置が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記の状
況に鑑み、医薬や農薬、洗剤等の包装材として有用で、
かつポリエチレンオキシドやポリビニルアルコールから
なるフィルムように水性媒体中に投入された際に溶解・
増粘して内容物を覆い、内容物の円滑な放出・溶解を妨
げるという問題を引き起こさず、さらに高湿度下での安
定性及び耐水性にも優れたフィルムを得るべく鋭意検討
を重ねた結果、ポリジオキソランを含んでなる特定の分
子量を有する樹脂を特定の条件でフィルム成形するか或
は前記樹脂よりなるフィルムに成形後に特定の熱履歴を
与えることにより優れた機械的物性を有し、高湿度下で
の安定性及び耐水性に優れ、しかも冷水中では実質的に
溶解せずフィルムの一部が崩壊する(冷水崩壊性)ため
に内容物を円滑に放出・溶解し得るフィルムが得られる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
ジオキソランを含んでなる樹脂であってかつサイズ排除
クロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換
算数平均分子量が5万〜30万である樹脂を、成形機出
口温度が50℃〜200℃でフィルム状に押し出し、次
いでフィルムの温度を18℃〜30℃に15秒〜30分
保持した後、該フィルムの温度を15℃以下に冷却する
事を特徴とする冷水崩壊性フィルムの製造方法を提供す
るものである。
【0006】また本発明は、ポリジオキソランを含んで
なる樹脂であって、かつサイズ排除クロマトグラフィー
によって測定されるポリスチレン換算数平均分子量が5
万〜30万である樹脂よりなるフィルムを50℃〜15
0℃に加熱し、該フィルムの温度を18℃〜30℃に1
5秒〜30分保持した後、該フィルムの温度を15℃以
下に冷却する事を特徴とする冷水崩壊性フィルムの製造
方法を提供するものである。
【0007】本発明で用いられるポリジオキソランを含
んでなる樹脂としては、ポリジオキソランのホモポリマ
ーのほか、ポリジオキソランの結晶性を損なわない範囲
で1,3−ジオキソランと1,3−ジオキソランと共重
合可能な単量体とを共重合したブロック又はランダムコ
ポリマーや、ポリジオキソランの結晶性を損なわない範
囲でホモポリマー及び/又はコポリマーと他のポリマー
とを混合した樹脂組成物等が挙げられる。1,3−ジオ
キソランと共重合可能な単量体としては、例えばスチレ
ン、(メタ)アクリル酸、エチレン、プロピレン等の不
飽和炭化水素、トリオキサン、エチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル
類、γ−ブチロラクトン、グリコリド、ラクチド、ε−
カプロラクトン、ε−カプロラクタム等のラクトン又は
ラクタムを挙げることができる。ジオキソランのホモポ
リマー及びコポリマーと混合されて用いられるポリマー
としては、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アク
リル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリアセタール、
ポリテトラメチレンオキシド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロ
キシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−
3−ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクト
ン)、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(テトラメ
チレンサクシネート)、でんぷん、キチン、キトサン、
セルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロ
ース等が挙げられる。
【0008】前記の如きポリジオキソランを含んでなる
樹脂は、従来公知のいかなる合成方法で合成されたもの
でも良いが、サイズ排除クロマトグラフィーによって測
定されるポリスチレン換算数平均分子量が5万〜30
万、更に好ましくは7万〜25万のものが好適に用いら
れる。該樹脂の分子量がこの範囲より低い場合には冷却
後のフィルムがワックス状態を呈し、脆い性質があるの
で本発明の目的である優れた物性を有するフィルムを得
ることができない。また、該樹脂の分子量がこの範囲を
越える高分子量のポリジオキソランは冷水中での崩壊速
度が非常に遅くなる。さらに、フィルムに高い機械強度
と適度な冷水崩壊性及び優れたフィルム成形性とが同時
に要求される場合には、該樹脂の分子量が7万〜25万
のポリジオキソランが好適に用いられる。
【0009】本発明に好適に用いられる分子量を有する
ポリジオキソランを含んでなる樹脂は、1,3−ジオキ
ソランの単独あるいは1,3−ジオキソランと共重合可
能な単量体との混合物をカチオン重合することによって
合成されるが、所望の分子量を有するポリジオキソラン
を簡便に合成できる点で、開始剤としてリンタングステ
ン酸やケイタングステン酸、リンモリブデン酸の如きヘ
テロポリ酸、三フッ化ホウ素や三フッ化ホウ素のエーテ
ラート、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレー
トの如きフッ化ホウ素有機物錯体、トリエチルアルミ、
アルミニウムイソプロポキシド、チタンイソプロポキシ
ドの如き有機金属化合物等を用いることが好ましい。
【0010】本発明のポリジオキソランを含んでなる樹
脂からなるフィルムは、成形機出口温度が50℃〜20
0℃、好ましくは65℃〜150℃でフィルム状に押し
出し、得られたフィルムの温度を18℃〜30℃に15
秒〜30分保持した後、該フィルムの温度を15℃以下
に冷却するか、或は一旦成形されたフィルムを50℃〜
150℃に加熱した後、該フィルム温度を18℃〜30
℃に15秒〜30分保持した後、該フィルム温度を15
℃以下に冷却する事ことにより製造される。成形機出口
温度が200℃より高い温度の場合には樹脂の溶融粘度
が非常に低く、インフレーションによる成形の場合には
樹脂が自重を支えきれなくなるために、フィルムの連続
的な抜取りが困難となる他、Tダイによる成形の場合に
は表面張力によって押出後の溶融フィルムの幅が狭くな
ったり、孔開き・膜切れ等の問題が発生する。更に、ポ
リジオキソランを含んでなる樹脂を200℃より高温に
長時間保持すれば樹脂の劣化を招く場合もあり、得られ
るフィルムの品質の均一性を維持することが困難となる
ので好ましくない。また成形機出口温度が50℃未満で
は樹脂の溶融粘度が高すぎるためにフィルムの生産性が
著しく低下することがある。押出後のフィルムを18℃
未満に直ちに冷却した場合にはフィルムの冷水中での崩
壊時間が長くなる。一方、押出後のフィルムを30℃を
超える温度に保持した場合にはフィルムの固化が不十分
であったり、また所望の冷水崩壊性を有するフィルムを
得るためには長時間その温度に保持する必要があるため
に生産性著しく低下する場合がある。また、押出後のフ
ィルムの温度を18℃〜30℃に保持する時間が15秒
より短い場合にはフィルムの冷水崩壊時間が長くなり、
一方30分より長い場合には、フィルム生産性が低下す
るのに加え、得られるフィルムの均一性、表面の平滑性
及び伸びが低下する場合がある。
【0011】一旦成形されたフィルムに熱履歴を与える
ことで本発明の冷水崩壊性フィルムを得ようとする場合
には、フィルムを50℃〜150℃に加熱することが必
須である。フィルムの加熱温度がこの温度範囲より低い
場合にはその後の工程を実施しても冷水崩壊速度の非常
に遅いフィルムしか得られない。一方、フィルムの加熱
温度がこの温度範囲を超えて加熱した場合にはフィルム
の溶融粘度が非常に低くなるためにフィルム形状を保持
することができなくなる。
【0012】本発明で製造されるフィルムはその厚みに
特に制限はないが、10μm以上250μm以下、好ま
しくは30μm以上150μm以下であることが好まし
い。フィルムの厚みが10μm未満ではフィルムに実用
的な強度が非常に低く、一方厚みが250μmより厚い
場合にはフィルムの崩壊時間が長くなる。
【0013】本発明のポリジオキソランを含んでなるフ
ィルムの成形方法については特に制限は無く、本発明の
フィルム成形条件を満足できるものであれば従来既知の
如何なるフィルム製造方法をも適用することができる。
具体的には、インフレーション法、Tダイ法、カレンダ
ー法等が挙げられ、他の樹脂よりなるフィルムと同様一
軸又は二軸方向に熱間延伸あるいは冷間延伸することも
可能である。また、他の基材と重ね合わせて多層構造と
することも可能である。さらに、ポリエチレンオキシド
やポリビニルアルコールと張り合わせて、これらのフィ
ルムの表面に耐水性層を形成させることもできる。多層
化する場合、重ね合わせる基材によって必要な強度を確
保できる場合には10μmよりも薄くても問題は無い。
【0014】また、本発明のポリジオキソランを含んで
なる樹脂よりなるフィルムは、これに種々の安定化剤、
核剤、増量剤等の添加剤を混合した状態で成形しても良
い。また、親水性の有機物及び/または無機物、例えば
ポリエチレンオキシドやポリビニルアルコール、高吸水
性樹脂、ステアリン酸塩や酢酸塩、炭酸塩等を添加する
ことで水崩壊速度を制御することも可能である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0016】参考例1 攪拌機、冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた4つ口
フラスコに、1,3−ジオキソラン(和光純薬工業
(株)製)60.00gを入れ、0℃の氷水浴にて内部
温度を3℃にした。これに、重合開始剤として減圧下1
20℃で20時間乾燥することにより得られたリンタン
グステン酸の5重量%メチルエチルケトン溶液0.6m
lを攪拌下添加した。重合は開始剤投入後直ちに開始
し、約6分で発熱ピーク55℃を迎えた。氷水浴を50
℃の温水浴に換えて反応器を保温してポリマーを15分
間熟成した後、濃度0.1重量%のトリエチルアミンの
1,3−ジオキソラン溶液5mlを添加して、反応を停
止した。
【0017】得られたポリジオキソランのサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算数
平均分子量は7万であった。
【0018】参考例2 1,3−ジオキソラン(大阪有機化学(株)製)を用い
た以外は参考例1と同様にして重合を行った。重合は、
開始剤投入後直ちに開始し、約6分で発熱ピーク55℃
を迎えた。その後の熟成及び開始剤の中和も参考例1と
同様に行った。ポリジオキソランを得た。
【0019】得られたポリジオキソランのサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算数
平均分子量は15万であった。
【0020】参考例3 使用する重合開始剤の量を0.3mlとした以外は参考
例1と同様にして重合を行った。重合は開始剤投入後直
ちに開始し、約6分で発熱ピーク45℃を迎えた。その
後の熟成及び開始剤の中和も参考例1と同様に行った。
【0021】得られたポリジオキソランのサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算数
平均分子量は23万であった。
【0022】参考例4 参考例1と同様の4つ口フラスコに、1,3−ジオキソ
ラン(和光純薬工業(株)製)60.00gを入れ、3
0℃の水浴にて内部温度を30℃にした。これに、重合
開始剤として減圧下120℃で20時間乾燥することに
より得られたリンタングステン酸の5重量%メチルエチ
ルケトン溶液0.6mlを攪拌下添加した。重合は開始
剤投入後直ちに開始し、約15分で発熱ピーク45℃を
迎えた。水浴を50℃の温水浴に換えて反応器を保温し
てポリマーを15分間熟成した後、濃度0.1重量%の
トリエチルアミンの1,3−ジオキソラン溶液5mlを
添加して、反応を停止した。
【0023】得られたポリジオキソランのサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算数
平均分子量は4万であった。
【0024】参考例5 500℃で乾燥したモレキュラーシーブズを用いて乾燥
後蒸留した1,3−ジオキソラン(大阪有機化学(株)
製)を用い、重合開始剤の量を0.2mlとした以外は
参考例1と同様にして重合を行った。重合は開始剤投入
後直ちに開始し、約3分で発熱ピーク52℃を迎えた。
その後の熟成及び開始剤の中和も参考例1と同様に行っ
た。
【0025】得られたポリジオキソランのサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算数
平均分子量は40万であった。
【0026】実施例1 CS−194AV マックスミキシングエクストルーダ
ー(カスタム・サイエンティフィック・インストルメン
ツ社製)を用い、ローター温度100℃、軸回転数12
0回転/分、Tダイ温度115℃、Tダイクリアランス
0.5mmの条件で、参考例1で得られたポリスチレン
換算数平均分子量7万のポリジオキソランを押し出し、
2倍に延伸しつつ、20℃の圧縮空気を吹き付けて約3
分間かけてフィルム温度を22℃にまで冷却し、その後
さらに10℃の圧縮空気で12℃に冷却することにより
実施例1のフィルムを得た。
【0027】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ、引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0028】尚、表1に示したフィルムの評価は、以下
のように行った。
【0029】<引張強度及び引張破壊伸び>引張強度及
び引張破壊伸びの測定方法は、JIS K−7127に
従い、1号型試験片を用い、試験速度E(毎分20m
m)で行った。
【0030】<崩壊速度の測定>直径9cmのフィルム
をブフナーロートを吸引瓶に固定し、瓶を真空ポンプで
1mmHgに減圧した。瓶を減圧した状態で30℃の冷
水をブフナーロートに100ml注ぎ、この時点を0と
してフィルムが破れて冷水が吸引瓶に落ち始めるまでの
時間をフィルムの崩壊時間とした。
【0031】実施例2 フィルム化装置の各設定条件は実施例1と同様にして、
参考例2で得られたポリスチレン換算数平均分子量15
万のポリジオキソランのフィルム化を行った。押し出さ
れたフィルムを4倍に延伸しつつ、15℃の圧縮空気を
吹き付けて約30秒かけてフィルム温度を20℃にまで
冷却し、その後さらに10℃の圧縮空気で12℃に冷却
することにより実施例2のフィルムを得た。
【0032】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ、引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0033】実施例3 フィルム化装置の各設定条件は実施例1と同様にして、
参考例3で得られたポリスチレン換算数平均分子量23
万のポリジオキソランのフィルム化を行った。押し出さ
れたフィルムを4倍に延伸しつつ、15℃の圧縮空気を
吹き付けて約1分間かけてフィルム温度を20℃にまで
冷却し、その後さらに10℃の圧縮空気で12℃に冷却
することにより実施例3のフィルムを得た。
【0034】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ、引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0035】実施例4 フィルム化装置の各設定条件は実施例1と同様にして、
参考例2で得られたポリスチレン換算数平均分子量15
万のポリジオキソランのフィルム化を行った。押し出し
後のフィルムを2倍に延伸しつつ、5℃の圧縮空気を吹
き付けて約10秒間でフィルム温度を15℃にまで冷却
することによりフィルム(熱履歴前フィルム)を得た。
【0036】得られたフィルムを70℃で3分間保持し
た後15℃の圧縮空気を吹き付けて約1分間かけてフィ
ルム温度を20℃にまで冷却し、その後さらに10℃の
圧縮空気で12℃に冷却することにより実施例4のフィ
ルムを得た。
【0037】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0038】実施例5 実施例4と同様にして熱履歴前のフィルムを得た。
【0039】得られたフィルムを100℃で1分間保持
した後15℃の圧縮空気を吹き付けて約1分間かけてフ
ィルム温度を20℃にまで冷却し、その後さらに10℃
の圧縮空気で12℃に冷却することにより実施例5のフ
ィルムを得た。
【0040】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0041】比較例1 参考例4で得られたポリスチレン換算数平均分子量4万
のポリジオキソランを用いた以外は実施例1と同様にし
てフィルムを得ようとしたが、押し出されたフィルムが
非常に脆いために2倍に延伸することができなかった。
そこで、37t熱プレスを用い、ラム圧力150kgf
/cm2、80℃でプレス成形することでフィルムを作
成し、これを30℃にて1分間冷却した後さらに10℃
に冷却することで比較例1のフィルムを得た。
【0042】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0043】比較例2 参考例5で得られたポリスチレン換算数平均分子量40
万のポリジオキソランを用いた以外は実施例1と同様に
して比較例2のフィルムを得た。
【0044】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0045】比較例3 実施例4と同様にして熱履歴前のフィルムを得た。
【0046】得られたフィルムを80℃で30分間保持
した後30℃の圧縮空気を吹き付けて30℃までフィル
ムを冷却しさらに約1時間30℃で保持し、その後さら
に10℃の圧縮空気で12℃に冷却することにより比較
例3のフィルムを得た。
【0047】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0048】比較例4 実施例4と同様にして熱履歴前のフィルムを得た。
【0049】得られたフィルムを45℃で1時間保持し
た後15℃の圧縮空気を吹き付けて約1分間かけてフィ
ルム温度を20℃にまで冷却し、その後さらに10℃の
圧縮空気で12℃に冷却することにより比較例5のフィ
ルムを得た。
【0050】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0051】比較例5 実施例4と同様にして熱履歴前のフィルムを得た。
【0052】得られたフィルムを180℃で保持しよう
としたがフィルムの溶融粘度が低すぎるために、その形
状を維持することが出来なかった。
【0053】比較例6 実施例4と同様にして熱履歴前のフィルムを得た。これ
を比較例6のフィルムとした。
【0054】得られたフィルムの厚み、装置方向の引張
破壊強さ引張破壊伸び及び冷水崩壊時間を表1に示し
た。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明のポリジオキソランを含んでなる
樹脂よりなるフィルムは、フィルムとして優れた機械的
物性を有しており、かつ冷水中で崩壊するという従来の
ポリエチレングリコールやポリビニルアルコールといっ
た水溶性ポリマーとは全くことなる特徴を有している。
フィルムが従来の水溶性ポリマーのように溶解せずに崩
壊することは、フィルムを医薬や農薬、洗剤等のための
水溶性包装材として用いた際に特に有利である。すなわ
ち、従来の水溶性ポリマーのフィルムを包装材として用
いた場合には溶解・増粘したフィルムが内容物を内包し
てしまうために内容物の円滑な放出や水性媒体との接触
を妨げる。これに対して、本発明のフィルムを用いれ
ば、フィルムは溶解せずに崩壊するため内容物の放出・
溶解や水性媒体との接触を妨げることがない。
【0057】また、特筆すべき事に本発明のフィルムは
高湿度環境下での安定性に極めて優れている。すなわ
ち、本発明のフィルムは高い親水性を有していながら、
ポリエチレンオキサイドやポリビニールアルコールとい
った他の親水性ポリマーからなるフィルムで見られるよ
うな吸湿による機械的物性の低下やフィルムがカールす
ることによる取り扱い性の悪化、表面の粘着等の問題を
全く生じない。
【0058】更に特筆すべき事に、本発明のフィルムは
非常に高い耐水性をも有しており、水と直接接触しても
ポリエチレンオキシドやポリビニルアルコールからなる
フィルムの様に膨潤や孔開き等の問題を全く生じない。
このことから、前記親水性ポリマーからなるフィルムと
は異なり、輸送中及び使用中に於ける防湿、防水措置が
必要無いという優れた特徴を有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリジオキソランを含んでなる樹脂であ
    ってかつサイズ排除クロマトグラフィーによって測定さ
    れるポリスチレン換算数平均分子量が5万〜30万であ
    る樹脂を、成形機出口温度が50℃〜200℃でフィル
    ム状に押し出し、得られたフィルムの温度を18℃〜3
    0℃に15秒〜30分保持した後、該フィルムの温度を
    15℃以下に冷却する事を特徴とする冷水崩壊性フィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリジオキソランを含んでなる樹脂であ
    ってかつサイズ排除クロマトグラフィーによって測定さ
    れるポリスチレン換算数平均分子量が5万〜30万であ
    る樹脂からなるフィルムを50℃〜150℃に加熱し、
    次いで該フィルムの温度を18℃〜30℃に15秒〜3
    0分保持した後、該フィルムの温度を15℃以下に冷却
    する事を特徴とする冷水崩壊性フィルムの製造方法。
JP6053612A 1993-07-29 1994-03-24 冷水崩壊性フィルムの製造方法 Pending JPH07258430A (ja)

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