JPH07258171A - 新規なフェニルベンゾエート化合物、これを含む液晶組成物およびこの化合物の製造方法 - Google Patents

新規なフェニルベンゾエート化合物、これを含む液晶組成物およびこの化合物の製造方法

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JPH07258171A
JPH07258171A JP7631294A JP7631294A JPH07258171A JP H07258171 A JPH07258171 A JP H07258171A JP 7631294 A JP7631294 A JP 7631294A JP 7631294 A JP7631294 A JP 7631294A JP H07258171 A JPH07258171 A JP H07258171A
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JP
Japan
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liquid crystal
compound
phase
phenylbenzoate
crystal composition
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JP7631294A
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English (en)
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Hidemi Ishizuka
英美 石塚
Isa Nishiyama
伊佐 西山
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベース液晶に添加することにより、コレステ
リック相およびキラルスメクチックC相を良好に発現
し、良好なコントラストが得られるキラルドーパントと
なる新規なフェニルベンゾエート化合物及びこれを含む
液晶組成物並びにこの化合物の製造方法を提供するこ
と。 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 (式中R、R'は炭素数1〜15個のアルキル基を示
し、RとR'は同じでも異なってもよい。)で表される
新規なフェニルベンゾエート化合物、および前記フェニ
ルベンゾエート化合物の少なくとも1種を含むことから
なる液晶組成物、並びに5-アルコキシ-2-(4-アルコ
キシフェノキシカルボニル)フェノールを3-メチルペン
タン酸あるいはこの酸ハロゲン化物とエステル化させる
ことからなる前記フェニルベンゾエート化合物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェニルベンゾ
エート化合物及びこれを含む液晶組成物並びにこの化合
物の製造方法に関する。このフェニルベンゾエート化合
物は、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリンターヘ
ッド、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素
子を構成する液晶材料として、極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電性液晶の光スイッチング現
象を利用した表示素子が、クラーク(N. A. Clark)とラ
ガーヴァール(S. T. Lagerwall)により提案された〔ア
プライドフィジックス レター(Applied Phys. Let
t.),36,899頁 (1980)〕。この強誘電性液晶を利用し
た素子は双安定性を有し、しかも、従来のTN型あるい
はSTN型と呼ばれる表示方式の液晶素子に比べて光学
的な応答がμsecのオーダーと速いという優れた特徴を
有している。
【0003】これらの強誘電性液晶材料を実際の素子材
料として用いるためには、いくつかの物性及び特性が要
求される。その中でも基本的なものとしては、室温を含
む広い温度範囲でキラルスメクチックC(SC *)相を示す
こと、高速応答をすることが挙げられる。この他にも強
誘電性液晶材料には数多くの物性及び特性が要求される
が、現在、これらの物性及び特性の要求を、単一の化合
物で満たすことはできない。このため、幾つかの化合物
を混合した強誘電性液晶組成物を用いる必要がある。
【0004】強誘電性液晶組成物を得るためには、必ず
しも強誘電性液晶化合物だけを混合する必要はない。非
キラル化合物であってスメクチックC(SC)相を示す、単
一かあるいは複数の化合物の液晶組成物(ベース液晶)に
対し、光学活性な化合物を添加すれば、強誘電性液晶組
成物を得ることができる。このような強誘電性液晶組成
物は、コレステリック(Ch)相およびキラルスメクチック
(SC *)相において、らせんピッチを生じる。
【0005】一方、キラルスメクチックCの状態におい
て良好なコントラストを得るためには、液体-コレステ
リック(Ch)相-スメクチックA(SA)相-SC *相という相系
列をとり、かつCh相、SC *相のらせんピッチが長いこと
が好ましい。
【0006】このため、ベース液晶に対して加える光学
活性化合物として、自発分極が大きく、しかもCh相およ
びSC *相において誘起されるらせんピッチが長いという
特性を有する化合物が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決したもので、本発明の目的は、ベース液晶に添加す
ることにより、コレステリック相およびキラルスメクチ
ックC相を良好に発現し、良好なコントラストが得られ
るキラルドーパントとなる新規なフェニルベンゾエート
化合物及びこれを含む液晶組成物並びにこの化合物の製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)
【化2】 (式中R、R'は炭素数1〜15個のアルキル基を示
し、RとR'は同じでも異なってもよい。)で表される
新規なフェニルベンゾエート化合物で、特には、前記化
合物がメチル基とメチレン基の結合しているメチン炭素
上に不斉中心を持つ光学活性体、および前記フェニルベ
ンゾエート化合物またはその光学活性体の少なくとも1
種を含むことからなる液晶組成物、並びに5-アルコキ
シ-2-(4-アルコキシフェノキシカルボニル)フェノー
ルを3-メチルペンタン酸あるいはこの酸ハロゲン化
物、特に好ましくはこの光学活性体とエステル化させる
ことからなる前記フェニルベンゾエート化合物の製造方
法である。
【0009】なお、上記一般式(I)のR、R'のアルキ
ル基の炭素数は液晶をとる領域の温度範囲に若干影響を
与えるが特に制限されない。しかし、原料の入手のし易
さ等から炭素数1〜15、特には3〜10のものを用い
ると良い。RとR'は同じでも異なっても、その性質は
あまり変わらない。
【0010】上記一般式(I)で表される化合物のうち、
代表的な化合物についてその理化学的性質を示す。(S)-3-メチルペンタン酸 5-オクチルオキシ-2-(4-
オクチルオキシフェノキシカルボニル)フェニル 1 H-NMR(TMS基準,CDH3)δppm:8.13(d,1H,J=8.7H
z)、7.03(d,2H,J=8.7Hz)、6.88(d,2H,J=8.7Hz)、6.83(d
d,1H,J=8.7,2.4Hz)、6.60(d,1H,J=2.7Hz)、4.01(t,2H,J
=6.2Hz)、3.93(t,2H,J=6.6Hz)、2.61-2.34(m,2H)、2.06
-1.93(m,1H)、1.88-1.69(m,4H)、1.49-1.16(m,22H)、0.
99(d,3H,J=6.6Hz)、0.89(t,9H,J=7.4Hz) IR(KBr)cm-12910、2850、1779、17
3616101500、1468、1331、12
371195、1129、1100、1048、10
20 MASS(m/z):137、249、347、470、
569 融点(℃):30〜31
【0011】上記一般式(I)で示されるフェニルベンゾ
エート化合物は、5-アルコキシ-2-(4-アルコキシフ
ェノキシカルボニル)フェノールと3-メチルペンタン酸
とをエステル化することによって得ることができる。こ
のエステル化反応は、3-メチルペンタン酸に対し、当
量の前記フェノール化合物、当量のジシクロヘキシルカ
ルボジイミドと触媒量のジメチルアミノピリジンの存在
下、脱水縮合することにより行うことができる。また、
3-メチルペンタン酸を酸ハロゲン化物とし、これを塩
基性条件下に当量の前記フェノール化合物と反応させる
ことでもエステル化を行うことができる。尚、このと
き、3-メチルペンタン酸の光学活性体を用いると、一
般式(I)で示されるフェニルベンゾエート化合物は光学
活性体が得られる。
【0012】上記一般式(I)の化合物の光学活性体は、
ベース液晶に添加することにより、コレステリック相お
よびキラルスメクチックC相を良好に発現し、かつこれ
らの相におけるピッチが非常に長く、キラルドーパント
として好適なものである。この場合、ベース液晶の種類
にもよるが、ベース液晶に対して0.5〜20重量%の
範囲で適宜添加すると良い。
【0013】
【発明の効果】本発明のフェニルベンゾエート化合物
は、ベース液晶に添加することによって、Ch相及びSmC*
相を良好に発現できるという格別の効果を奏し、またこ
れを含む液晶組成物によって、応答速度が速く、しかも
ピッチが非常に長いためコントラストの良好な光学素子
を作製することができ、さらにこの化合物の製造方法に
よって前記化合物を簡便に得ることができるという効果
を奏する。
【0014】
【実施例】(S)-3-メチルペンタン酸 5-オクチルオキシ-2-(4-
オクチルオキシフェノキシカルボニル)フェニルの合成 5-オクチルオキシ-2-(4-オクチルオキシフェノキシ
カルボニル)フェノール0.70g(1.49mmol)、4-ジ
メチルアミノピリジン0.02g(0.16mmol)、(S)-3-
メチルペンタン酸0.2ml(1.5mmol)を15mlのジクロ
ロメタンに溶解した。N,N'-ジシクロヘキシルカルボジ
イミド0.41g(2.0mmol)を加え、室温で4日間撹拌
した。生じた固体をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。得ら
れた固体をヘキサン/トルエン(1/1)を展開溶媒と
してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さ
らにエタノールで再結晶して、前述した理化学的性質を
有する(S)-3-メチルペンタン酸 5-オクチルオキシ-2
-(4-オクチルオキシフェノキシカルボニル)フェニル
0.49g(0.893mmol、純度99.2%、収率58%)
を得た。
【0015】液晶組成物および光スイッチング素子の作
表1の組成からなるベース液晶を調製し、このベース液
晶95重量%と上記で得たフェニルベンゾエート化合物
5重量%を混合して強誘電性液晶組成物Aを得た。
【0016】
【表1】
【0017】この強誘電性液晶組成物Aの降温時の相転
移温度(℃)は表2の通りであった。
【0018】
【表2】 尚、表2中のIは等方相、Chはコレステリック相、SmA
はスメクチックA相、SmC*はキラルスメクチックC相、
Crは結晶相を示す。
【0019】この強誘電性液晶組成物Aを、ポリイミド
を塗布し、ラビング処理を施した透明電極付きガラスか
らなる厚さ2.8μmのセルに注入し、等方性液体の状態
から緩やかに降温し、コレステリック相を配向させた。
さらに、温度を下げ、スメクチックA相を経てキラルス
メクチックC相の状態にしたところ、良配向のセルが容
易に得られた。そのセルをクロスニコルの偏光顕微鏡下
で観察しながらセルに電界を印加すると、明瞭なスイッ
チング動作が観測された。そのセルに35.0℃で40V
ppの矩形波を印加し、透過光量をフォトダイオードで測
定し、光スイッチング動作を検出したところ、その透過
光量が10%から90%まで変化するのに要する時間は
6msecであった。
【0020】らせんピッチの測定 4-ヘキシル-4'-シアノビフェニル98.0重量%と上
記で得たフェニルベンゾエート化合物2.0重量%とを
混合した。この液晶組成物は、常温でコレステリック相
が発現した。この液晶組成物をピッチ測定用くさび形セ
ルに注入し、常温で観察したが、ピッチに相当する線状
の模様は観察されず、ピッチが非常に長いことが確認さ
れた。
【0021】また、上記で調製した強誘電性液晶組成物
Aを、ポリイミドを塗布しラビング処理を行ったガラス
板を用いて作製した厚さ200μmのガラスセルに注入
し、25℃で、SmC*相とし、偏光顕微鏡で観察した。こ
の結果、ピッチに相当する線状の模様は観察されず、ピ
ッチが非常に長いことが確認された。
【0022】以上の結果から、上記本発明の化合物は、
ベース液晶に添加することにより、Ch相及びSmC*相を良
好に発現できるとともに、ピッチが非常に長いためコン
トラストのよい液晶素子を作製できることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/58 9279−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される新規なフェ
    ニルベンゾエート化合物。 【化1】 (式中R、R'は炭素数1〜15個のアルキル基を示
    し、RとR'は同じでも異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物がメチル基とメ
    チレン基の結合しているメチン炭素上に不斉中心を持つ
    ことを特徴とするフェニルベンゾエート化合物の光学活
    性体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のフェニルベン
    ゾエート化合物またはその光学活性体の少なくとも1種
    を含むことを特徴とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】 5-アルコキシ-2-(4-アルコキシフェ
    ノキシカルボニル)フェノールを3-メチルペンタン酸あ
    るいはこの酸ハロゲン化物とエステル化させることを特
    徴とする請求項1に記載のフェニルベンゾエート化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の3-メチルペンタン酸
    としてメチル基とメチレン基の結合しているメチン炭素
    上に不斉中心を持つ光学活性な3-メチルペンタン酸を
    用いることを特徴とする請求項2に記載のフェニルベン
    ゾエート化合物の光学活性体の製造方法。
JP7631294A 1994-03-24 1994-03-24 新規なフェニルベンゾエート化合物、これを含む液晶組成物およびこの化合物の製造方法 Pending JPH07258171A (ja)

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