JPH0725793A - 分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有する、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素の製法 - Google Patents

分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有する、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素の製法

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JPH0725793A
JPH0725793A JP3021007A JP2100791A JPH0725793A JP H0725793 A JPH0725793 A JP H0725793A JP 3021007 A JP3021007 A JP 3021007A JP 2100791 A JP2100791 A JP 2100791A JP H0725793 A JPH0725793 A JP H0725793A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有
する、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素の製法 【構成】 分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有
する著しくフッ素化された脂肪族炭化水素を対応する、
ヨウ素含有化合物から塩として存在する臭化物又は塩化
物イオンと双極性、非プロトン性溶剤中で中心原子とし
てのクロム、ニッケル、コバルト又はロジウム、中心原
子1個当たり1、2又は3個の臭素又は塩素原子及び少
なくとも1種の付加的リン含有配位子を含有する金属錯
化合物の存在下で20乃至140℃において反応させて
上記化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子中に1又は2個の
臭素又は塩素原子を有する、著しくフッ素化された脂肪
族炭化水素を対応するヨウ素含有化合物から製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第2,678,953号明細書
から、ペルフルオルアルキルカルボン酸の乾燥金属塩か
ら臭素との反応によりペルフルオルアルキル臭化物を
得、その際変換率は可視光線の使用により増大すること
が公知である。好ましい銀塩が唯一の例において使用さ
れている。この方法は経費がかかる。何となればペルフ
ルオルアルキルカルボン酸はまず、例えばペルフルオル
アルキルヨウ化物とSO3又は発煙硫酸との公知反応に
より製造されねばならないからである。次に該酸は金属
塩に変えられねばならず、後者は乾燥されねばならな
い。さらに有毒及び腐食性である臭素との反応は、特別
な注意及び装置に関する増大した経費(安全対策、腐
食)を必要とする。その上ペルフルオルアルキルヨウ化
物のCF2 基は反応連鎖において失われる。
【0003】又、テロゲンとしてのフッ素、臭素及び場
合により塩素により置換された低級炭化水素をフッ素を
含有するオレフイン──これは付加的に塩素原子を含有
することができる──と過酸化物の重合促進剤の存在下
でテロ重合することが米国特許第2,875,253号
明細書から公知である。可能なテロゲンとして該特許明
細書には就中CF3 Br,CF2 BrCl、CF2 Br
2 ,C2 5 Br,C2 4 BrCl,C3 6 BrH
及びC3 6 Br2 が挙げられており、フッ素を含有す
る可能なオレフインの多数の中でテトラフルオルエチレ
ンが挙げられている。これら化合物の反応は、本発明の
意味での著しくフッ素化されたアルキル臭化物に導くこ
とが予想されるが、しかしどの様な正確な条件下及びど
の様な成果をもってテトラフルオルエチレンとの反応を
実施することができることが認められ得られる実施例が
存在しない。実施例中ではCF2 =CFClが常にフッ
素含有オレフインとして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ラジオパクにフッ素化
された炭化水素に関する Long, Higgins, Mattrey,Mitt
en及びMulterによる論文 (R.E. Banks, "Preparation,
Properties andIndustrial Applications of Organoflu
orine Compounds", 1982, EllisHorwood Ltd. Publishe
rs/Chichester, 第139乃至156頁)において、説
明の最後(第154頁の下部)で、実験用に使用された
ペルオルオル -n- ヘキシル臭化物又はペルフルオルイ
ソヘプチル臭化物が対応するペルフルオルアルキルヨウ
化物と元素状臭素との熱臭素化により製造されたことが
示されているが、しかしそれ以上の情報は与えられてい
なかった。疑いもなく既に上で述べた臭素を使用する場
合の装置上の困難は、この攻撃的物質との反応が熱条件
下ですなわち高温において実施される場合に増大する。
【0005】R.N. Haszeldine, J. Chem. Soc., 195
3,第3761乃至3768頁及びHuang Bingnan 及び
Huang Weiyuan, Shanghai Inst. Org. Chem. Acad.Sin
ica, Huaxue Xuebao 42,第1106乃至1108頁
(C.A.102;78312x),1984中には、UV
照射下での臭素によるペルフルオルアルキルヨウ化物
〔例:Rf I又はCl(CF2)4 I〕の光化学臭素化が
記載されている。Rf Br又はCl(CF2)4 Brがそ
れぞれ168乃至50時間の反応時間後非常に良好な収
率で得られる。しかしこの方法は又装置及びエネルギー
の点で経費がかかる。
【0006】又特開昭60−184033号公報(C.
A.104;88106p)から、Cn2n+1Iを臭素
とラジカル形成性化合物(例えばアゾジイソブチロニト
リル)の存在下反応させてCn2n+1Br(n=6乃至
11)を製造することが公知である。C6 13Brがこ
の方法で40%の収率で得られる。
【0007】最後に、欧州特許第194781号明細書
からテトラヒドロフルオルエチレンとのテロ重合により
得られた対応するヨウ素化合物を元素状塩素又は臭素と
180℃までの温度においてα,ω- ジクロル- 又は
α, ω- ジブロム- ペルフルオルアルキレン化合物を製
造することが公知である。最後に挙げた二方法において
攻撃的元素状ハロゲンの高温における使用は装置の点で
特殊な対策を必要とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ある金属錯
化合物を使用することにより最後に挙げた方法を改善す
ることができ、著しくフッ素化されたアルキル臭化物ば
かりでなく対応する塩化物を著しく好都合な収率で製造
することができることを見出した。
【0009】ヨウ素化合物における結合ヨウ素原子1モ
ルを次の陽イオン:Li、Na、K、Mg、Ca、Mn
又は置換アンモニウムの少なくとも1個を有する塩とし
て存在する臭化物又は塩化物イオン1乃至4モルと少な
くとも1種の双極性、非プロトン性溶剤中で20乃至1
40℃において常圧下で又は反応混合物の自己圧力下で
反応させて分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有
する著しくフッ素化された脂肪族炭化水素を対応する、
分子中に1又は2個の第一又は第二ヨウ素原子を有す
る、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素から製造する
ための新規な本方法は、反応を中心原子としてクロム、
ニッケル、コバルト又はロジウムを含有し、著しくフッ
素化された脂肪族臭化物を製造する場合には中心原子1
個当たり1、2又は3個の臭素原子を含有するか又は著
しくフッ素化された脂肪族塩化物を製造する場合には中
心原子1個当たり1、2又は3個の塩素原子を含有し、
付加的配位子として次の一般式
【0010】
【化2】
【0011】(式中R1 ,R2 及びR3 は同一であるか
又は異なっており、1乃至8個の炭素原子を有するアル
キル、1乃至8個の炭素原子を有するアルコキシ、フエ
ニル又はフエノキシ──これはアルキル、アルコトシ、
フエニル又はフエノキシ基により置換されていることが
でき、6乃至14個の炭素原子を有する──である)、
又は (フエニル)2P−R4 −P(フエニル)2 (式中R4 は1乃至6個の炭素原子を有するアルキレン
残基である)で示される少なくとも1種の配位子を含有
する金属錯化合物の存在下で実施することを特徴として
いる。
【0012】本発明による方法用の出発物質として、次
の一般式(I) X−R−I (I) (式中XはH又はハロゲン原子であり、Rは、XがH,
F又はClである場合には、1乃至16個の炭素原子を
含有し、XがBr又はIである場合には、3乃至16個
の炭素原子を含有し、又少なくとも4個の炭素原子に対
し1個のエーテル基を含有する線状又は枝分れ過フッ素
化アルキレン残基である)で示される化合物が適する。
適当な化合物の例は、
【0013】
【化3】
【0014】である。エーテル酸素原子を含有しない一
般式(I)なる化合物を使用することが好ましく、別の
好ましい化合物は、XがIである化合物、特にXがFで
あり、Rが線状であるか又はヨウ素原子に対するω- 位
においてメチル基により枝分れされている過フッ素化さ
れたアルキレン残基である化合物である。残基Rが16
個より多い炭素原子を含有する一般式(I)なる化合物
は、一般に一層長い反応時間及びしばしば悪い収率を与
え、これら化合物は又通例使用し難い。その良好な使用
性のために、一般式(I)なる好ましい化合物は、Rが
2乃至12、特に6乃至8個の炭素原子を有するアルキ
レン残基である化合物である。一般式(I)なる化合物
の代りに、第一ヨウ素原子の代りに第二ヨウ素原子を含
有する化合物を使用することも可能である。ここで第一
ヨウ素原子とは、それ自体他の炭素原子への1個の結合
を有するか又は他の炭素原子への結合を有しない炭素原
子に結合したヨウ素原子の意味であるのに対し、第二ヨ
ウ素原子とは、それ自体2個の他の炭素原子の夫々への
単結合を有する炭素原子に結合したヨウ素原子の意味で
ある。異なる置換基X及び/又は異なる過フッ素化され
たアルキレン残基Rを含有する一般式(I)なる化合物
の混合物並びに第一及び第二ヨウ素原子を含有する化合
物の混合物を使用することも可能である。
【0015】本発明により一般式(I)なる化合物又は
第二ヨウ素原子を含有する、対応する化合物における結
合ヨウ素原子1モルを種々な陽イオンを有する塩として
存在していることができる臭化物イオン又は塩化物イオ
ン1乃至4モルと反応させる。一般式(I)なる化合物
又は第二ヨウ素原子を含有する対応する化合物における
ヨウ素原子1モル当たり1モルより少ない臭化物イオン
又は塩化物イオンを使用すれば一層悪い収率が得られ
る。原則としてヨウ素原子1モル当たり4モルより多い
臭化物又は塩化物イオンを使用することが可能である
が、しかし一般にこれにより収率を改善することが認め
られないので、これは不必要な経費である。一般式
(I)なる化合物又は第二ヨウ素原子を含有する対応す
る化合物におけるヨウ素原子1モル当たり1.2乃至2
モルの臭化物又は塩化物イオンを使用することが好まし
い。
【0016】臭化物又は塩化物イオンは置換されたアン
モニウムの塩として存在していることができ、アンモニ
ウムの窒素における可能な置換基の例は、1乃至20個
の炭素原子を有するアルキル基及び/又は2乃至4個の
炭素原子を有するヒドロキシアルキル基であり、置換さ
れたアンモニウムにおける炭素原子の全数は40を超え
てはならない。臭化物又は塩化物イオンは次の陽イオン
の少なくとも1個を有する塩として存在していることも
できる:ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカル
シウム。マンガン又はテトラアルキルアンモニウム臭化
物又は塩化物を使用することが好ましい。特に良好な結
果が、少なくとも若干の臭化物又は塩化物イオンがリチ
ウム塩として存在している場合に、得られる。臭化物イ
オン又は塩化物イオンを含有するが、しかし異なる陽イ
オンを含有する塩の混合物を使用することも好ましい。
【0017】本発明により一般式(I)なる化合物又は
第二ヨウ素原子を含有する対応する化合物と臭化物又は
塩化物イオンを含有する塩との反応は、中心原子として
クロム、ニッケル、コバルト又はロジウムを含有し、著
しくフッ素化された脂肪族臭化物を製造する場合には中
心原子当たり1、2又は3個の臭素原子を含有するか又
は著しくフッ素化された脂肪族塩化物を製造する場合に
は中心原子当たり1、2又は3個の塩素原子を含有する
金属錯化合物の存在下で実施される。中心原子としてニ
ッケルを含有し、2個の臭素原子又は2個の塩素原子を
有する金属錯化合物を使用することが好ましい。
【0018】金属錯化合物は、付加的配位子として下記
の一般式
【0019】
【化4】
【0020】(式中R1 ,R2 及びR3 は同一であるか
又は異なっており、1乃至8個の炭素原子を有するアル
キル、1乃至8個の炭素原子を有するアルコキシ、フエ
ニル又はフエノキシ──これはアルキル、アルコキシ、
フエニル又はフエノキシ基により置換されていることが
でき、6乃至14個の炭素原子を有する──である)、
又は (フエニル)2P−R4 −P(フエニル)2 (式中R4 は1乃至6個の炭素原子を有するアルキレン
残基である)で示される少なくとも1種の配位子を含有
すべきである。その良好な作用及び好都合な入手性のた
めに、R1 ,R2 ,R3 が同一であり、4乃至8個の炭
素原子を有するアルキル残基、2乃至4個の炭素原子を
有するアルコキシ残基、フエニル残基又はフエノキシ残
基である、一般式(II)なる少なくとも1個の配位子
を有する該化合物である。別の好ましい金属錯化合物
は、R4 が2乃至4個の炭素原子を有するアルキレン残
基である、一般式(III)なる少なくとも1個の配位
子を有する該化合物である。
【0021】一般式(II)又は(III)なる配位子
のほかに金属錯化合物は、この様な化合物に関して公知
な別の配位子、例えばCO,NO,NZ3 ,AsZ3
びSbZ3 (式中Zは1乃至6個の炭素原子を有するア
ルキル残基又は6乃至12個の炭素原子を有するアリー
ル又はアルキルアリールである)並びに環中に窒素原子
を有する複素環式化合物、例えばピリジンを含有するこ
ともできる。金属錯化合物は、適当な陽イオン、例えば
アルカリ金属又はアルカリ土類金属と共に塩様化合物を
形成する陰イオンとして存在していることもできる。
【0022】適当な金属錯化合物の例は次の通りであ
る:〔(C4H9)3P〕2NiBr2; 〔(C2H5O)3P 〕2NiBr2;〔
(フエニル)3P 〕2NiCl2; 〔 (フエニル)3P 〕2 NiBr2;
〔 (フエニル)3P 〕2Ni2Br4;Li〔 (フエニル)3PNiB
r3〕;〔(p- トリル)3P 〕2NiCl2; 〔 (フエニル)3P 〕2
Ni(NO)Br;〔 (フエニル)2P-(CH2)2-P( フエニル)2〕Ni
Cl2;〔 (フエニル)2P-(CH2)4-P( フエニル)2〕NiBr2;
〔 (フエノキシ)3P 〕2 NiBr2;〔 (フエニル)3P 〕2 Co
Cl2;〔 (p-トリル)3P 〕2 CoBr2;〔 (フエニル)2P-(C
H2)2-P( フエニル)2〕CoBr2;〔 (フエニル)3P 〕2 Rh(C
O)Br; 〔 (フエニル)3P 〕4 CrBr2 金属錯塩が重合体鎖中に含まれている異種金属錯化合
物、例えば
【0023】
【化5】
【0024】が適する。上記金属錯化合物の製造は公知
である(例えば Gmelins Handbuch deranorganischen C
hemie (Gmelins Handbook of Inorganic Chemistry),
第8版、Chemie/Weinheim 出版社、西ドイツ、第52巻、
C部、第19頁、第57巻、C部、第2分冊、第103
1頁以下、及び第64巻(Rh)、増補第B1巻、第9
2頁参照)。金属錯化合物は、該化合物を使用する前に
それ自体製造することができるか、又は該化合物は有利
には若干の場合には既に一般式(I)なる化合物又は第
二ヨウ素原子を含有する対応する化合物及び臭化物又は
塩化物塩を含有する反応混合物に出発物質を添加するこ
とによりその場で製造することもできる。
【0025】金属錯化合物0.001乃至1モルはヨウ
素化合物における結合ヨウ素原子1モル当たり使用され
る。金属錯化合物0.001モル以下では所望の収率増
大が一般にもはや認められず、1モル以上では一般に本
発明による方法の範囲内の発明的効果の改善が生じな
い。しかし一般式(I)なる化合物又は第二ヨウ素原子
を含有する化合物におけるヨウ素原子1モル当たり1モ
ルより多い、例えば1.1乃至2モルの金属錯化合物を
使用することも可能であり、その際塩として存在する臭
化物又は塩化物イオンを添加することがもはや必要でな
い。しかしこの方法は比較的経費がかかるので、たとえ
使用する場合でも、特殊な場合にしか使用する価値がな
い。ヨウ素含有化合物におけるヨウ素原子1モル当たり
0.02乃至0.2モルの金属錯化合物を使用すること
が好ましい。
【0026】本発明による反応は、双極性、非プロトン
性溶剤中で実施され、その際一般式(I)なる化合物又
は第二ヨウ素原子を含有する対応する化合物1g当たり
0.5乃至50cm3 の溶剤が使用される。これらの限
界は、臨界的でなく、例えばヨウ素含有化合物1g当た
り50cm3 より多い溶剤を使用することも可能である
が、しかし一般に上記の範囲内で溶剤の量を選択するこ
とが十分であり、ヨウ素含有化合物1g当たり1乃至2
0cm3 の溶剤を使用することが好ましい。適当な双極
性、非プロトン性溶剤の例は、ジオキサン、アセトン、
アルキルカルボキシレート、例えばエチルアセテート、
グリコール及びポリグリコールのジアルキルエーテル、
例えばテトラエチレングリコールジメチルエーテル、メ
チレンクロリド及びN,N- ジメチルホルムアミドであ
る。特に良好な結果は、本発明による反応を次の溶剤の
少なくとも1種中で実施する場合に、得られる:テトラ
ヒドロフラン、N,N- ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、ベンゾニトリル及びニトロベンゼン。異なる
双極性、非プロトン性溶剤の混合物も使用することがで
きる。常圧下で製造されるべき著しくフッ素化された臭
素又は塩素含有化合物より少なくとも10℃、有利には
少なくとも20℃以上又は以下で沸とうする溶剤又は溶
剤混合物を使用することが好都合である。
【0027】上記の反応は20乃至140℃の温度にお
いて実施され、有利には常圧下又は反応混合物の自己圧
力下で行われる。通例一層高い圧力の適用は必要でな
く、不必要な経費を与える。20℃以下では反応は一般
に非常に徐々に進行し、140℃以上では不所望な副生
成物の生成が増大することが認められる。反応は、好ま
しくは50乃至90℃の温度において実施される。
【0028】反応時間は、使用される温度及び出発物質
に依存し、一般に1乃至20時間であり、それより長い
反応時間が可能であるが、しかし付加的効果が通常認め
られず、このことはますます悪い空時収率により証明さ
れる。良好な結果は2乃至8時間の反応時間でしばしば
得られる。
【0029】本発明による反応は、有利には不活性ガ
ス、例えば窒素又はアルゴン中で酸素のしゃ断下実施さ
れる。
【0030】反応が完結したとき混合物を種々な方法
で、例えば溶剤を包含する全ての揮発性成分を減圧下最
高約100℃までの底部温度に於いて留出することによ
り後処理することができる。このように得られる留出物
を、次に分別蒸留により成分(製造した、著しくフッ素
化された塩素又はフッ素含有化合物、非変換ヨウ素含有
化合物及び溶剤)に分離し、その際最後の二種を再使用
することが可能である。好ましい態様において製造した
粗留出物における著しくフッ素化されたヨウ素含有化合
物の量を分析により測定し、本発明による方法を小量の
みの溶剤を添加せずに又は添加して実施し、その後再び
全ての揮発性成分を留出し、次に分別蒸留により分離す
る。
【0031】反応混合物を後処理するための可能な別の
方法は、反応混合物をアルキル基中に2乃至8個の炭素
原子を有するジアルキルエーテル、例えばジエチルエー
テル又はジアリルエーテル、メチレンクロリド又は1,
1,2- トリクロル- 1,2,2- トリフルフルオルエ
タン(F113)で稀釈し、その際使用される、著しく
フッ素化されたヨウ素含有化合物のそれより少なくとも
2倍容量が使用される。次に混合物を水で、有利には1
8乃至50℃、好ましくは20乃至30℃の温度におい
て十分に混合し、水性相を有機相から分離し、後者を水
で再び洗浄し、ろ過し、乾燥し、次に直ちに分別蒸留す
るか又は、上記の如く、再び本発明により反応させ、次
に分別蒸留する。
【0032】金属錯化合物中に中心原子として含まれる
金属陽イオンを後処理後残留する残留物から回収するこ
とができ、金属錯化合物の再生後添加前又はその場で反
応混合物において再使用することができる。
【0033】本発明による方法により製造された1又は
2個の臭素原子を含有する、著しくフッ素過された脂肪
族炭化水素は、医薬分野、例えば腫瘍の視覚化、器官潅
流のための、例えばX線又は超音波による試験における
造影剤として、並びに血液代替物として水性乳化液中で
使用することができる。1又は2個の臭素又は塩素原子
を含有する著しくフッ素過された脂肪族炭化水素は、高
温において不活性な液体として及び19F分析及びX線断
層写真撮影用造影剤として使用することができる。
【0034】既に最初に述べたように、本発明による方
法は腐食上の問題又は特殊な安全対策なしに経費がかか
らない装置において実施することを可能にする。新規な
本方法は時々慣用法で単離することができ、種々な用途
を有する少量の副生成物が得られる。ヨウ素原子の代り
に水素原子を含有する化合物は、例えば熱伝達液体とし
て使用することができる。
【0035】
【実施例】次の例により本発明を詳細に説明する。
【0036】分析結果が次のように得られた:試料をC
DCl3 の添加後19FNMRにより試験した。RF Y化
合物(Y=I、Br、Cl)に関してYに対するα- 及
びβ- 位におけるフッ素原子の化学的シフトが典型的方
法で区別され、RF Iと比較してRgBrのα- 及びβ
- 共鳴は一層高い場に移動され、RF Clのそれはさら
に一層高い場に移動される。第二の試料をガスクロマト
グラフィーにより試験する。これは、Embacel(大なる表
面積を有するSiO2 、60乃至100メッシュ粒子)
上でUCCW(Hewlett Packard 社のポリビニルメチル
シリコーン)10%を含有するカラムを使用してなされ
る。キヤリヤーガスはヘリウムであり、熱伝導率検出器
が使用される。ガスクロマトグラフィーピークの配位
は、純物質による対照ガスクロマトグラフィーにより実
証される。19FNMR及びクロマトグラフィーから得ら
れる結果は通常良好に一致する。下記の値(モル%)は
NMR及びガスクロマトグラフィーデータからの平均値
である。
【0037】例1乃至14を次の通り実施する:種々な
反応に使用される化学薬剤をまず慎重に乾燥する。使用
されるペルフルオルアルキルヨウ化物は少なくとも9
9.5%の純度を有し、これを存在しているこん跡の遊
離ハロゲンを除去するために銅粉末で処理し、暗がりで
褐色びん中で貯蔵する。
【0038】50cm3 の容量を有し、凝縮器、ガス導
入口及び接触温度計を備えた四首フラスコを脱気し、強
力熱気送風機で乾燥する。真空度が乾燥アルゴンにより
下降した後、シリコーン油を充填したバルブを恐縮器に
固定し、ポリテトラフルオルエチレンで被覆した磁気撹
拌棒をフラスコ中に導入し、フラスコを加熱浴中に置
く。
【0039】次に次の表中に示した溶剤の量をフラスコ
中に導入し、アルゴンで飽和させる。次に撹拌下に表中
に示した反応成分を、これらが固体である場合、微細分
散形で添加し、混合物を表中に記載の温度に加熱し、こ
の温度において記載した時間保つ。次に反応混合物を2
0℃に冷却し、ジエチルエーテル4cm4 をまず添加
し、次に水20cm3 を添加する。次に撹拌を停止さ
せ、混合物を水性層及びエーテル含有層に分離する。後
者を分離し、3回水による振とうにより抽出し、乾燥
し、一試料を19FNMRにより一試料をガスクロマトグ
ラフィーにより試験する。両分析法からの平均値を次表
に示す。
【0040】表中で各記号は次の意味を有する: I =(Ph3P)2NiBr2 Ph=フエニル II =〔(C4H9)3P〕2NiBr2 III=〔(C2H5O)3P 〕2NiBr2 IV =〔(PhO)3P 〕2NiBr2 V =(Ph3P)2NiCl2 VI =(Ph3P)2Rh(CO)Br VII=〔Ph2P(CH2)2PPh2〕NiBr2 DMA=ジメチルアセトアミド 1)=+1モルのセチルトリメチルアンモニウ臭化物 2)49.8モル%の I(CF2)4Br+9.5モル%のBr(C
F2)4Br C6F13Br は例1乃至5及び9で製造され、C8F17Br は例
6、8、10、11及び13で製造され、C8F17Cl は例
7で製造され、CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2CF2Br は例14で
製造される。
【0041】「H含有化合物」とは、夫々の場合出発物
質中で存在するヨウ素原子の代りに水素原子を含有する
化合物の意味である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明による方法に
よれば、元素状ハロゲンを使用して高温において実施す
る公知方法によりもたらされる困難なしに、良好な収率
が得られるという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/12 7419−4H // C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ素化合物における結合ヨウ素原子1
    モルを次の陽イオン:Li、Na、K、Mg、Ca、M
    n又は置換アンモニウムの少なくとも1個を有する塩と
    して存在する臭化物又は塩化物イオン1乃至4モルと少
    なくとも1種の双極性、非プロトン性溶剤中で20乃至
    140℃において常圧下で又は反応混合物の自己圧力下
    で反応させて分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を
    有する著しくフッ素化された脂肪族炭化水素を対応す
    る、分子中に1又は2個の第一又は第二ヨウ素原子を有
    する、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素から製造す
    る方法において、反応を中心原子としてクロム、ニッケ
    ル、コバルト又はロジウムを含有し、著しくフッ素化さ
    れた脂肪族臭化物を製造する場合には中心原子1個当た
    り1、2又は3個の臭素原子を含有するか又は著しくフ
    ッ素化された脂肪族塩化物を製造する場合には中心原子
    1個当たり1、2又は3個の塩素原子を含有し、付加的
    配位子として下記の一般式 【化1】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は同一であるか又は異なっ
    ており、1乃至8個の炭素原子を有するアルキル、1乃
    至8個の炭素原子を有するアルコキシ、フエニル又はフ
    エノキシ──これはアルキル、アルコキシ、フエニル又
    はフエノキシ基により置換されていることができ、6乃
    至14個の炭素原子を有する──である)、又は (フエニル)2P−R4 −P(フエニル)2 (式中R4 は1乃至6個の炭素原子を有するアルキレン
    残基である)で示される少なくとも1種の配位子を含有
    する金属錯化合物の存在下で実施することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 2乃至12個の炭素原子を有するペルフ
    ルオルアルキルヨウ化物をペルフルオルアルキル臭化物
    又はペルフルオルアルキル塩化物を製造するための反応
    に使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 反応を、著しくフッ素化された脂肪族臭
    化物を製造する場合には2個の臭素原子を有するか又は
    著しくフッ素化された脂肪族塩化物を製造する場合には
    2個の塩素原子を有するニッケルの金属錯化合物の存在
    下で実施することを特徴とする請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 反応を次の溶剤:テトラヒドロフラン、
    N,N- ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベン
    ゾニトリル及びニトロベンゼンの少なくとも1種中で実
    施することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つ
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応を50乃至90℃において実施する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 臭化物イオン又は塩化物イオンがリチウ
    ム塩として存在することを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか一つに記載の方法。
JP3021007A 1990-02-16 1991-02-14 分子中に1又は2個の臭素又は塩素原子を有する、著しくフッ素化された脂肪族炭化水素の製法 Withdrawn JPH0725793A (ja)

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US5051535A (en) 1991-09-24
DE59101902D1 (de) 1994-07-21
DE4004783A1 (de) 1991-08-22
EP0442400A1 (de) 1991-08-21
EP0442400B1 (de) 1994-06-15

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