JPH0725663Y2 - 測定機用試料皿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、測定機用の試料皿に関し、特に定量の試料を
試料皿に取込んで該試料の水分、油分、蛋白質、澱粉質
などの含有物または白度などを測定する測定機に用いら
れる試料皿に関する。

［先行技術の記載］ 従来測定機の試料皿としては、上部の開放されたいわゆ
る皿に定量カップあるいはスプーンで試料を取込む形式
のものであり、例えば穀類水分計の試料皿では、穀類の
粒子すなわち穀粒に粘性がないためにこの様な形式の試
料皿を用いても問題がなかつた。

［考案が解決しようとしている問題点］ しかしながら高水分試料、例えば、魚のすり身などの粘
性のあるものの試料を定量だけ試料皿に取込む場合に定
量カツプや定量スプーンでの取込みは、こびりつくなど
の問題があるのでかなり困難で煩わしいものであつた。

従来の試料皿は、下ケースが、ほぼ円筒形の浅皿の形状
を有していないため、試料を入れ過ぎると、上ケースを
被せた時に無理がかかり、また試料を少なめにすると中
で隙間や気泡が生じて測定が不正確となる欠点があつ
た。

本考案は以上の従来の測定機用試料皿の問題点を解消す
べくなされたものである。

それゆえ本考案の主たる目的は、高水分試料、特に魚の
すり身などの粘性のあるものを試料として定量取込める
ようにした試料皿を提供することである。

さらに本考案は、測定の温度補正を容易にするべく、試
料の温度を直接計測し得るようにした試料皿を提供する
ことである。

［問題を解決する手段］ 以上の目的を達成するために、本考案は、上ケースと下
ケースとで構成され、所定量の試料を取込んで試料の含
有成分等を測定する測定機に使用される試料皿におい
て、両ケースにそれぞれ雄円錐形部分及び雌円錐形部分
を設け、さらに両ケースを互いに関して錠止する手段が
設けられ、錠止手段は、両ケースが組合された際に、雄
円錐形部分と雌円錐形部分とが互いの間に所定の隙間を
有してはまり合うようになつていることを特徴とする測
定機用試料皿が提供される。

さらに本考案は、以上の試料皿において、上記雄円錐形
部分あるいは上記雌円錐形部分のいずれかの表面に温度
測定用のセンサーが設けられていることを特徴とする測
定機用試料皿を提供するものである。

以下本考案の実施例の形で添付面を参照して詳細に説明
する。

第１図は、本考案の一実施例である試料皿を光学測定機
に使用した構成を概略断面図で示すものである。

第１図において、近赤外線を応用して試料の成分を光学
測定する光学測定機は、赤外線発光ダイオード10と挾帯
域フイルター12の組合せからなる発光素子のアレイと、
赤外線ダイオード10のオンオフを制御するマイクロコン
ピユータ11と、発光素子アレイに対向して設けた受光素
子20と、受光素子アレイと受光素子との間に設けた試料
皿１と、この受光素子からの信号を増幅する増幅器22、
アナログ−デイジタル変換器24ならびに表示器26からな
るものである。当該光学測定機は、公知のものであり、
本考案の対象外であるので詳細な説明は省略する。

本考案の試料皿は、参照番号１で総称して示すものであ
り、上ケース２と下ケース３とで主に形成されている。
上ケース２は、上壁を有する断面円筒形の蓋体であり、
上ケース２の内面からは、雄円錐形部分４がその頂部を
下方に向けて突出している。上壁から円錐形部分４の中
心部分を貫通して貫通開口５が形成され、この貫通開口
にガラスなどの透明板5aがはめ込まれているとともに、
上ケース２の周壁には、第２図で明瞭に示されているよ
うに鈎状の切欠６が３ヵ所等間隔で設けられている（第
２図では、その内の２個だけ図示されている）。なお雄
円錐形部分４の頂部は水平に切断されている。

下ケース３は、正方形のベース板７上に円柱部８を設け
た構成であり、円柱部８の中心は、円錐状にくりぬか
れ、すなわち雌円錐形部分９が形成されている。また円
柱部８の周壁には、第２図で明瞭に示すように、錠止ピ
ンＰが３ヵ所等間隔で設けられている（第２図には、そ
の内の２ヵ所を図示）。またベース板７の中心はくりぬ
かれて、開口7aが形成され、この開口7aにガラスなどの
透明体7bがはめ込まれている。この開口7aは、雌円錐形
部分９の平坦な底部分に連なつている。

雄円錐形部分４の外周壁と雌円錐形部分９の内周壁と
は、互いに相補的であり、すなわち両者の円錐頂角は等
しくされている。

本考案の試料皿の使用方法について以下に説明する。

魚などのすり身Ｇを先ず試料皿１の下ケース３の雌円錐
形部分９につめてから、上ケース２を下ケース３の円柱
部８に被せる。その際、切欠６と錠止ピンＰとを合せ
て、ピンＰが切欠６に入るようにする。ピンＰが切欠６
の上端に当たるまで、上ケース２をはめ込んで後、上ケ
ース２を水平にねじると上ケース２は、下ケース３に錠
止される。

この状態で、雄円錐形部分４は、雌円錐形部分９に挿入
され、互いの間に所定の容積の試料収容空間が形成され
る。なお両円錐形部分4,9周壁間には所定の間隙が形成
される。この間隙は、試料収容空間の余剰の試料を逃す
ものであり、これにより定量の試料が試料皿に取込める
ものである。

上下ケース2,3を組合せた際に、それぞれの開口5,7a
は、整合して光学経路を形成する。

この様にして定量試料Ｇを取込んだ試料皿１は、測定機
に装着され、発光素子アレイからの光を以上の光学経路
に通し、試料Ｇを透過させる。透過した光は、受光素子
20で捉えられて測定解析がなされる。

なお、魚のすり身などの場合、低温保存されているので
測定解析に際し、試料温度の補正がしばしば必要とな
る。このために下ケース３の雌円錐形部分7aには、温度
検出センサーＴが設けられている。

以上本考案を実施例の形で説明してきたが、本考案は、
上記実施例に限定されずに様々なる変形態様が考えられ
る。

例えば、上記実施例では、光学測定機用の試料皿として
説明したが、電気抵抗あるいは電気容量を測定する電気
的な水分測定器などにも使用し得るものである。ただし
この場合は、開口5,7aを設ける必要はなく、代りに電極
部を設ければよい。

さらに上記試料皿を小麦粉、そば粉、薬品、精白米等、
粉、粒状物の白度計にも使用可能である。

また雄円錐形部分４を上ケース２に設けるようにし、雌
円錐形部分９を下ケース３に設けるようにしたが、下ケ
ース３に雄円錐形部分を設け、上ケース２に雌円錐形部
分を設ける逆の形態も本考案の技術的範囲である。

さらに上下ケースの錠止手段も、ベース板７にねじを垂
直方向に向けて固定し、さらにこれに対応して上ケース
に孔を設けて蝶ねじなどで上下ケースを締め付けるよう
にしても良い。さらにベース板の一辺に丁番を固着する
ように、上下ケースを開き戸の様に閉じるようにするこ
とも可能である。

［本考案による効果］ 上ケース１と下ケース２とを鈎状切欠６と錠止ピンＰと
を互いに錠止して組合せ、雌円錐形部分４と雄円錐形部
分９との間に所定容積の収容空間を形成し、また両円錐
形部分の周壁の間に余剰の試料を逃す隙間が形成される
ので、上下ケースを組合せるだけで独りでに試料皿に定
量の試料を取込むことが可能となる。

互いに雄雌の円錐体のはめ合いとしたので、斜に余剰の
試料の逃げ通路ができるので、試料の逃げを容易にする
ことができるとともに、上下ケースのはめ合せが容易と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の試料皿を断面図で示した
ものであり、光学測定機に装着した状態を示す概略図。 第２図は、第１図に示す試料皿の斜視図。 １……試料皿、２……上ケース、３……下ケース、４…
…雄円錐形部分、5,7a……開口、６……切欠、７……ベ
ース板、８……円柱部、９……雌円錐形部分、Ｐ……錠
止ピン、Ｇ……試料、Ｔ……温度測定センサー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上ケースと下ケースとで構成され、所定量
   の試料を取込んで該試料の含有成分等を測定する測定機
   に使用される試料皿において、 前記両ケースにそれぞれ雄円錐形部分および雌円錐形部
   分を設け、さらに両ケースを互いに関して錠止する手段
   が設けられ、該錠止手段は、前記両ケースが組合された
   際に、前記雄円錐形部分と前記雌円錐形部分とが互いの
   間に所定の隙間を有してはまり合うようになつているこ
   とを特徴とする測定機用試料皿。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲の第１項記載の装
   置において、前記雄円錐形部分あるいは前記雌円錐形部
   分のいずれかの表面に温度測定用のセンサーが設けられ
   ていることを特徴とする測定機用試料皿。