JP3720560B2 - 錠剤容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は錠剤容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤容器として、口頚部を起立した容器体と、口頚部外周に螺着させた周壁上端縁より口頚部上端開口を閉塞する頂壁を延設してなる蓋体とからなるものが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種の容器は、一定量を取り出すためには、その都度手のひら等に取り出した錠剤を数えて過剰なものを容器に返す等しており面倒が伴う。特にこの種の容器では、口頚部が錠剤に比較してかなり大きいのが一般的であり、多量に取り出してしまう傾向にある。手のひら等に取り出した錠剤を容器に返すことは、収納錠剤が湿気る等の不都合が生じる虞があり好ましくない。
【0004】
本発明は簡単な操作で定量の錠剤を取り出すことが出来、また、自動的に取り出し口の閉塞状態となり、取り出した錠剤を容器内に戻す等の必要はなく、取り扱いが極めて便利であり、また、錠剤の計量も確実に行える等優れた錠剤容器を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の手段として、胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、口頚部外周に嵌合させた周壁4上端縁より内方へ、口頚部の上端開口の前部を被覆する計量皿5を延設してなるキャップ本体Bと、該本体上面を開閉可能に閉塞する蓋体Cとを備え、口頚部内後部に後部を回動可能に連結した揺動蓋板Dを上下揺動可能に設けるとともに、蓋体頂壁9下面後部より垂設した円弧棒状の連結棒 13 の先端を揺動蓋板D上面前部に連結して、閉蓋時に於ける計量皿5との間に錠剤の通過が可能な隙間をあけた状態と、開蓋時に於ける錠剤の通過が不能な状態との間を、蓋体Cの開閉に伴って揺動蓋板Dが揺動する如く構成した。
【0006】
第2の手段として、前記第1の手段に於いて、上記計量皿5が、容器体口頚部3上端開口前部周縁部を被覆する平面視円弧帯状をなし、且つ、錠剤を一列円弧状に載置する計量皿である如く構成した。
【0007】
第3の手段として、胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、口頚部外周に嵌合させた周壁4上端縁より内方へ、口頚部の上端開口の前部を被覆する計量皿5を延設してなるキャップ本体Bと、該本体上面を開閉可能に閉塞する蓋体Cとを備え、口頚部内後部に後部を回動可能に連結した揺動蓋板Dを上下揺動可能に設けるとともに、蓋体頂壁9裏面より垂設した円弧棒状の連結棒 13 を揺動蓋板Dに穿設した前後に走る切り溝 18 内に挿通させ、蓋体Cを開く際には連結棒下端に突設した係止突起 20 と揺動蓋板下面とが係合し、且つ、蓋体Cを閉じる際には連結棒 13 前面と切り溝 18 内前壁面とが圧接する如く構成して、閉蓋時に於ける計量皿5との間に錠剤の通過が可能な隙間をあけた状態と、開蓋時に於ける錠剤の通過が不能な状態との間を、蓋体Cの開閉に伴って揺動蓋板Dが揺動する如く構成した。
【0008】
第4の手段として、前記第3の手段に於いて、容器体口頚部3上端開口前部周縁部を被覆する平面視円弧帯状をなし、且つ、錠剤を一列円弧状に載置する計量皿である如く構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の錠剤容器1は、容器体Aと、キャップ本体Bと、蓋体Cと、揺動蓋板Dとを備えている。
【0010】
容器体Aは、胴部2より口頚部3を起立して構成している。
キャップ本体Bは、口頚部外周に嵌合させた周壁4上端縁より内方へ、口頚部3上端開口の前部を被覆する計量皿5を延設して構成している。計量皿5の形態は種々採用出来るが、計量皿の被覆部分以外の口頚部上端開口部分は少なくとも容器体内に収納した錠剤が通過可能な広さを必要とするため、それに合わせた大きさとする。
【0011】
図示例では、周壁4上端縁より内方へフランジ状の頂板6を延設するとともに、頂板6の内周縁前半部より内方へ、平面視円弧帯状をなし、且つ、縦断面V字状に形成して錠剤を一列円弧状に載置する計量皿5を突設している。また、図示例のキャップ本体Bは、いずれも頂板の内周縁部より上方へ、蓋体Cを嵌合させるための嵌合筒7を立設している。
【0012】
蓋体Cは、キャップ本体B上面を開閉可能に閉塞するもので、図示例では、キャップ本体周壁4の後部上端に、薄肉ヒンジを介して周壁8の後部下端を回動可能に連結するとともに、周壁8内周面下部を嵌合筒7外面に離脱可能に嵌合させ、また、周壁8上端縁より頂壁9を延設して構成している。蓋体Cとキャップ本体Bとの連結は、図示例の薄肉ヒンジを介したものに限らず、弾性反転を行うことの出来る公知の弾性反転連結機構により連結させることも当然可能である。
【0013】
揺動蓋板Dは、口頚部内後部に後部を回動可能に連結して上下揺動可能に設けたもので、容器体内から計量皿への錠剤の移行を規制するために設けている。
【0014】
図1乃至図4に示す実施例では、頂板6の内周縁後部に突設した突条を、後面に凹設した凹溝に嵌着固定した取り付け基板10を縦設し、この基板10の下端縁に薄肉ヒンジ11を介して揺動蓋板Dの後縁中央部を連結している。また、図5乃至図7に示す実施例では、頂板6の内周縁後部に左右一対の薄肉ヒンジ12を介して揺動蓋板Dの後縁部両側を一体に連結して構成している。
【0015】
本発明では蓋体Cと揺動蓋板Dとを連結棒13で連係させて、閉蓋時に於ける計量皿5との間に錠剤の通過が可能な隙間をあけた状態と、開蓋時に於ける錠剤の通過が不能な状態との間を、蓋体Cの開閉に伴って揺動蓋板Dが揺動する如く構成している。
【0016】
蓋体Cと揺動蓋板Dとの連結棒13による連係は、上記条件を満たしていれば種々の形態を採用することが出来る。
【0017】
図1乃至図4に示す実施例では、蓋体頂壁9下面後部より垂設した、前方へ突出する円弧棒状の連結棒13の先端を、揺動蓋板D上面前部に連結して構成している。更に具体的には、蓋体Cの頂壁9裏面後部に嵌合筒14を垂設し、また、揺動蓋板Dの上面前部両側に、図2に示す如き一対の軸受け15を突設し、半円弧状の連結棒13の上端を嵌合筒14内に抜け出し不能に密嵌させるとともに、連結棒13の下端両側より突設した軸16をそれぞれ軸受け15の軸受け孔17に嵌合させて装着している。連結棒13は、可撓性或いは弾力性或いは可撓性及び弾力性を持つ材質で形成すると良い。
【0018】
そして、閉蓋時には、図1に示す如く、揺動蓋板Dを口頚部3内後部に押しつける状態まで押し下げ、計量皿5との間に錠剤aが通過可能な隙間をあけた状態を維持する。また、開蓋時には、図3に示す如く、揺動蓋板Dを連結棒13が引き上げて、容器体口頚部3の上端開口を、錠剤の通過が不能な状態に閉塞する如く構成している。錠剤通過不能状態では、容器体口頚部上端開口部を悉く閉塞する必要はなく、収納する錠剤が通過出来ない隙間が生じてもかまわない。
【0019】
図5乃至図7に示す実施例では、蓋体頂壁9裏面より垂設した円弧棒状の連結棒13を揺動蓋板Dに穿設した前後に走る切り溝18内を挿通させるとともに、蓋体Cを開く際には連結棒下端に突設した係止突起20と揺動蓋板下面とが係合し、且つ、蓋体Cを閉じる際には連結棒13前面と切り溝18内前壁面とが圧接する如く蓋体Cと揺動蓋板Dとを連係させている。
【0020】
更に具体的には、蓋体頂壁9の裏面中央部に嵌合筒部19を垂設するとともに、揺動蓋板Dの前部中央を前後に走る切り溝18を穿設し、連結棒13の上端を嵌合筒部19内に抜け出し不能に密嵌させるとともに、下部を切り溝18内に挿通させて連結棒13を装着している。また、連結棒13の下端両側からは係止突起20を突設して、切り溝18からの抜け出しが出来ない様に構成している。尚、この係止突起20を切り溝18内に挿通させる場合には連結棒13を捻じる等して行えば良い。
【0021】
そして、閉蓋時には、図5に示す如く、揺動蓋板Dを下方へ押し下げ、連結棒13の前面と切り溝18内前壁面との摩擦力により揺動蓋板Dは係止され、計量皿5との間に錠剤aが通過可能な隙間をあけた状態を維持する。また、開蓋時には、各係止突起20が切り溝18両側の蓋板下面に当接係合することにより、揺動蓋板Dを連結棒13が引き上げて、図6に示す如く、容器体口頚部3の上端開口を錠剤の通過が不能な状態に閉塞する如く構成している。また、この状態から蓋体Cを閉じると、連結棒13が回動下降し、最初は切り溝18内を下降するが、所定位置まで回動下降するとその前面が切り溝内前壁面に圧接して蓋板Dを押し下げ、図5の状態に至る。
【0022】
上記の如く構成した容器を使用する場合に付いて説明すると、蓋体Cを閉じた状態で容器を倒立させた後正立させると、容器体内の錠剤aが揺動蓋板Dと計量皿5との隙間から計量皿5に量り取られる。次いで、蓋体Cを開いて容器を傾けると計量された錠剤を取り出すことが出来る。蓋体Cを開く際に連結棒13により揺動蓋板Dが引き上げられて錠剤通過不能状態となり、容器体内の錠剤が外部へ出るのを防止する。次いで、再び容器を正立させた後蓋体Cを閉じると、連結棒13により揺動蓋板Dが押し下げられて元の状態に戻る。
【0023】
尚、上記各部材は全て合成樹脂等により形成することが出来る。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明容器は、既述構成としたことにより、容器体を倒立した後正立するという簡単な操作で所定量の錠剤を計量することが出来、また、開蓋すると揺動蓋板が引き上げられて錠剤の取り出し口が閉塞されるため、容器体内の余分な錠剤の飛びだしを自動的に防止し、次いで容器を傾ければ計量した所定量の錠剤を取り出すことが出来、再び容器を正立させて蓋体を閉じれば、計量可能な元の状態に戻るため、極めて使勝手が良い。
【0025】
また、錠剤は計量させて取り出されるため、手のひら等に取り出した後再び容器体内に戻す等の不都合を生じる虞はない。
【0026】
また、蓋体頂壁下面後部より垂設した円弧棒状の連結棒の先端を、揺動蓋板上面前部に連結して、蓋体と揺動蓋板とを連係させたもの、或いは、蓋体頂壁裏面より垂設した円弧棒状の連結棒を揺動蓋板に穿設した前後に走る切り溝内に挿通させるとともに、蓋体を開く際には連結棒下端に突設した係止突起と蓋板下面とが係合し、且つ、蓋体を閉じる際には連結棒前面と切り溝内前壁面とが圧接する如く蓋体と揺動蓋板とを連係させたものにあっては、蓋体の開閉による揺動蓋板の揺動を無理なく行えて、容器体口頚部上端開口の開閉を蓋体の開閉に合わせて確実に行えるという効果を併せて発揮するものである。
【0027】
また、容器体口頚部上端開口前部周縁部を被覆する平面視円弧帯状をなし、且つ、錠剤を一例円弧状に載置する計量皿を設けたものにあっては、容器倒立時に計量された錠剤上に余分な錠剤が重なる場合があっても、正立時に確実に容器体内に戻り、より正確な計量が行える利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す閉蓋状態の縦断面図である。
【図2】同実施例の揺動蓋板連結部分の拡大説明図である。
【図3】同実施例の開蓋状態の縦断面図である。
【図4】同実施例のキャップ本体部分の平面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す閉蓋状態の縦断面図である。
【図6】同実施例の開蓋状態の縦断面図である。
【図7】同実施例のキャップ本体部分の平面図である。
【符号の説明】
2…胴部,3…口頚部,4…キャップ本体周壁,5…計量皿,
9…蓋体頂壁,13…連結棒,18…切り溝,A…容器体,B…キャップ本体,
C…蓋体,D…揺動蓋板
Claims (4)
- 胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、口頚部外周に嵌合させた周壁4上端縁より内方へ、口頚部の上端開口の前部を被覆する計量皿5を延設してなるキャップ本体Bと、該本体上面を開閉可能に閉塞する蓋体Cとを備え、口頚部内後部に後部を回動可能に連結した揺動蓋板Dを上下揺動可能に設けるとともに、蓋体頂壁9下面後部より垂設した円弧棒状の連結棒 13 の先端を揺動蓋板D上面前部に連結して、閉蓋時に於ける計量皿5との間に錠剤の通過が可能な隙間をあけた状態と、開蓋時に於ける錠剤の通過が不能な状態との間を、蓋体Cの開閉に伴って揺動蓋板Dが揺動する如く構成してなることを特徴とする錠剤容器。
- 上記計量皿5が、容器体口頚部3上端開口前部周縁部を被覆する平面視円弧帯状をなし、且つ、錠剤を一列円弧状に載置する計量皿である請求項1記載の錠剤容器。
- 胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、口頚部外周に嵌合させた周壁4上端縁より内方へ、口頚部の上端開口の前部を被覆する計量皿5を延設してなるキャップ本体Bと、該本体上面を開閉可能に閉塞する蓋体Cとを備え、口頚部内後部に後部を回動可能に連結した揺動蓋板Dを上下揺動可能に設けるとともに、蓋体頂壁9裏面より垂設した円弧棒状の連結棒 13 を揺動蓋板Dに穿設した前後に走る切り溝 18 内に挿通させ、蓋体Cを開く際には連結棒下端に突設した係止突起 20 と揺動蓋板下面とが係合し、且つ、蓋体Cを閉じる際には連結棒 13 前面と切り溝 18 内前壁面とが圧接する如く構成して、閉蓋時に於ける計量皿5との間に錠剤の通過が可能な隙間をあけた状態と、開蓋時に於ける錠剤の通過が不能な状態との間を、蓋体Cの開閉に伴って揺動蓋板Dが揺動する如く構成してなることを特徴とする錠剤容器。
- 上記計量皿5が、容器体口頚部3上端開口前部周縁部を被覆する平面視円弧帯状をなし、且つ、錠剤を一列円弧状に載置する計量皿である請求項3記載の錠剤容器。
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