JPH07255729A - 多成分組織接着剤の適用装置 - Google Patents

多成分組織接着剤の適用装置

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JPH07255729A
JPH07255729A JP7039883A JP3988395A JPH07255729A JP H07255729 A JPH07255729 A JP H07255729A JP 7039883 A JP7039883 A JP 7039883A JP 3988395 A JP3988395 A JP 3988395A JP H07255729 A JPH07255729 A JP H07255729A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が簡単であるばかりでなく、使用に際し
てもハンディであり、しかも、組織接着剤の噴霧に際し
ては成分の均一にして良好な混合を保証するような装置
を提供する。 【構成】 組織接着剤の成分を供給するために設けら
れ、一体構造部材（１）内で接続部（２）から吐出部
（３）に延びている成分搬送通路（８，９）と、組織接
着剤の成分噴霧に寄与する医療ガスを供給するためのガ
ス搬送通路（１３，１４）とを備えている。総ての搬送
通路（８，９，１３，１４）が、吐出部（３）の先端面
でそれぞれ別の出口開口（１０，１１，１５）を有する
と共に、少なくともそれらの出口開口（１０，１１，１
５）の直後に上流がわへ長手方向に延びている部分で
は、互いに平行に延びている。成分搬送通路（８，９）
は、少なくともそれらの出口開口（１０，１１）の直後
に上流がわへ長手方向に延びている部分で、共にガス搬
送通路（１４）によって囲繞されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、多成分組織接着剤の適
用装置に係り、特に、組織接着剤の各成分を供給するた
めの成分搬送通路が接続部から吐出部へ貫通して延びて
いる一体構造の部材を備えており、同様に、組織接着剤
の成分を噴霧するために用いられる医療ガスの搬送通路
も備えており、総ての通路が、吐出部分の前端部で別々
の出口開口で終わっている、そのような一体構造の部材
を備えた多成分組織接着剤の適用装置に関する。
【０００２】
【従来の技術・発明の解決課題】殆どの組織接着剤は、
使用時に混合される多成分材として提供されている。成
分の反応は（通常は一方がフィブリノーゲン溶液で、他
方がトロンビン溶液）、組織接着剤の凝固をもたらし、
傷口を閉じたり止血したりするべき組織や器官の部分を
適切に結合させる。組織接着剤を用いるためには、最
初、個々の接着剤成分を確実に隔離させておき、その
後、これらをできるだけ適用と同時に混合させることが
必要である。適用するに際しては、組織接着剤を噴霧さ
せるための医療用ガスも用いられる。そのような噴霧に
より、一方の成分と他方の成分との混合物の均一性が保
証され、広い領域に組織接着剤を適用することも可能に
なる。特に好ましい適用の場は、止血や、皮膚移植、火
傷、傷口の閉じ合わせ、そして体腔内でのスプレー（th
e spraying of body cavities）である。実質的な器官
の切除領域は、スプレーによる適用で処置されるのが好
ましい。適用領域の大きさは、通常は適用域から装置ま
での距離によって変化する。
【０００３】欧州特許明細書第３７,３９３号及び対応
米国特許の明細書第４,３５９,０４９号には、組織接着
剤の適用装置が開示されており、その装置は、スプレー
ヘッドを備えてデザインされるかもしれない。そのスプ
レーヘッドは、別々のシリンジボディから組織接着剤の
二つの成分が通って集められるヘッドとしてもデザイン
され、これら二つの成分は、出口開口まで別々の搬送通
路を通って案内される。さらにそのスプレーヘッドは、
滅菌ガスの搬送通路も備えており、この搬送通路はヘッ
ド内で二つに分岐され、それらの出口開口が、二つの成
分搬送通路の入口の領域内に配置されている。これら出
口開口の軸は、組織接着剤の二つの成分が吐出される方
向に対して略９０゜の方向に向いている。このようにし
て二つの別々のスプレーコーンが形成され、スプレーヘ
ッドからある距離の位置で交差し、ないしは一つになっ
て、スプレーされる成分の完全な混合を、最小距離で可
能にしている。
【０００４】ドイツ国マルブルクのベーリングヴェルケ
株式会社によって、『バリイェット（登録商標）』の名
の下に、同様の構成が数多くの形態で販売されている。
これらにおいては、平坦にして一体構造にされたコレク
ティングヘッド及びスプレーヘッドが用いられ、そこか
らガス接続部が直角に突出している。その内部では、ガ
ス搬送通路がこのガス接続部から先端部に延びており、
先端部で突出している仕切壁によって二つのサブ通路に
分けられている。このサブ通路の端部は、先端部で、突
出した仕切壁の両側に互いに分離されており、適用され
る組織接着剤の二つの成分のための各搬送通路は、それ
らの出口先端のサブ通路内へ斜めに入っている。このよ
うにして、そのケースにおいても、二つのガス噴射が行
われ、それぞれ別に噴出した後に一つにされて、二つの
成分が混合される。そして、そこでの混合は不十分なも
のかもしれない。
【０００５】組織接着剤のさらに別の適用装置が、オー
ストリア特許発明明細書第３７９,３１１号に、もしく
はその対応の欧州特許出願公開明細書第１５６,０９８
号および第３１５,２２２号に、あるいは米国特許明細
書第４,６３１,０５５号に、それぞれ開示されている。
そこにはまた、医療ガスの搬送通路を備えたコレクティ
ングヘッドないしスプレーヘッドが示されており、その
ガス搬送通路は、組織接着剤の二つの成分の搬送通路に
対して鋭角で近接して隣り合っており、ヘッドのスリッ
プオン突起の先端がわに通じている。
【０００６】このスリップオン突起には、別々の適合マ
ルチルーメンカテーテル（fittingmulti-lumen cathete
r）が取り付けられ、カテーテルのそれらルーメンは、
搬送通路と中心が一致して接続される。あるいは、混合
カニューレを適用することも可能であり、この混合カニ
ューレでは、個々の成分がガス流の中で混合され、その
目的のために、そこを通る成分の流れに乱流の発生を促
進するような内面がさらに設けられている。しかしなが
ら、そのことは、消費量の増大に直結することになる。
【０００７】『アン胸部外科（Ann Thorac Surg,）』５
５、１５９３−６００（１９９３）、第１５９５−１５
９６頁には、分離カテーテルを有する装置が開示されて
おり、この装置は、胸腔鏡手術における組織接着剤のス
プレーを可能にするものである。組織接着剤の二つの成
分は、別々のシリンジボディを通って接続ヘッドに導か
れ、この接続ヘッドは、二つの成分のために別々の通路
を有しており、カテーテルはこのヘッドに固定されてい
る。このカテーテルは、組織接着剤の各成分用の使い捨
てのプラスチックチューブが２本挿入できるように、内
部がデザインされた鋼製チューブからなっている。プラ
スチックチューブの口は、鋼製チューブの口から突出し
ている。鋼製チューブは、組織接着剤の二つの成分のた
めの二つの通路を有し、それぞれの周囲は窒素ガスが通
過する空間となっている。このガスは、接続ヘッドの近
傍でカテーテル上に設けられた接続体を通ってカテーテ
ルに供給される。
【０００８】同様の装置が、『総合胸部外科（General
Thoracic Surgery）』４２−４８（１９９３）に、胸腔
鏡用に開示されている。これもまた鋼製チューブを用い
るものであり、その鋼製チューブは、組織接着剤の二つ
の成分を搬送するための一つの人工材料製カテーテルを
内蔵するものである。このプラスチックチューブは、鋼
チューブの先端部の突出部によって中心に位置するよう
に配置される。このようにしてプラスチックカテーテル
は、ガスの通過する中空内に配置される。ガスの供給
は、カテーテルに対して直接的に効果的に行われる。
【０００９】鋼チューブカテーテルを有する上述の二つ
の装置においては、医療ガスの接続手段に鋼チューブが
設けられる点に不利があり、外科的な適用において不便
である。すなわち、そのようなカテーテルは、損傷を避
けるためには、かさ張る部分を有するべきではない。
【００１０】
【発明の開示】本発明の目的は、最初に規定したタイプ
の装置を提供することにあり、製造が簡単であるばかり
でなく、使用に際してもハンディであり、しかも、組織
接着剤の噴霧に際しては成分の均一にして良好な混合を
保証するような装置を提供することにある。
【００１１】最初に規定したタイプの本発明に係る装置
は、以下の点に特徴を有するものである。すなわち、複
数の成分搬送通路が、少なくともそれらの出口直後に上
流がわで長手方向に延びている部分で、共にガス搬送通
路によって囲繞されている。好ましくは、少なくともそ
れらの出口直後に上流がわで長手方向に互いに平行に延
びている部分総てが、共にガス搬送通路によって囲繞さ
れている。
【００１２】そのようなデザインによって、特に、組織
接着剤の成分の、スプレージェット内での均一な混合が
達成される。これは、それらの搬送通路の出口を通って
吐出される成分が、それらの通路を環状に囲繞する一つ
のガスジェットによって総ての包含されという点で利点
があり、そのガスジェットは、それら成分を搬送するだ
けでなく、よく混合されるように渦に巻いて搬送する。
装置先端部の出口開口の幾何学的形状にもよるが、非常
に狭いスプレージェットを得ることもできる一方、放射
状に広がる円錐状のスプレーを得ることもできる。後者
の場合においては、ガス搬送通路の環状出口開口を、そ
の径方向外側の面が僅かに放射状に広がるようにデザイ
ンすることは適切である。この装置は、特に使用時に有
利であり、組織接着剤を使用するための準備作業中の取
り扱いも、組織接着剤自体のスプレー適用と同様に簡単
且つ便利である。
【００１３】ガス搬送通路の出口開口は、その後に続く
ガス搬送続くの部分と同様に、どのような断面形状でも
所望の形状とすることができ、例えば、本装置の取り扱
いに支障がなければ平坦な楕円とすることも可能であ
る。この断面形状は、スプレー中に向いているどの方向
にも無関係であり、このことは、ガス搬送通路が、円形
断面形状の環状通路のようにデザインされている場合
に、少なくとも成分搬送通路を囲繞して長手方向に延在
している部分の外側でそのようにデザインされている場
合に、有利な点であることが証明されている。
【００１４】本発明に係る特に有利な装置は以下の点に
特徴を有している。すなわち、成分搬送通路の出口開口
が、ガス搬送通路の出口開口の面内で最も遠い位置にあ
り、そして、それら出口開口は、さらに後方に配置され
ているのが好ましい。そのようなデザインによれば、こ
の装置が、その使用に際して適用域に十分に接近して保
持される場合、組織接着剤の成分の均一な混合が保たれ
る。
【００１５】スプレーの円錐状を可変にするために、ガ
ス搬送通路の外周を規定する別体の規定部分が、それら
搬送通路の方向で長手方向に移動可能なように吐出部分
に配置されていれば、特に好都合である。その場合、そ
の規定部分は、螺子接続または差し込み接続によって装
置に移動可能に接続でき、その移動は、組織接着剤の小
領域への適用、特に、正確な場所への適用を可能にし、
また、所定の適用域からの距離が決められている場合
に、所望の大きさの領域に組織接着剤を適用することが
可能になる。デザインおよび製造が簡単であるので、規
定部分がスリーブ形状を有していても適用可能である。
さらには、円錐状スプレーを可変とするためには、規定
部分の内面が拡張していることが好ましい。例えば、隣
接する先端面がわに向かって拡張している円錐面が好ま
しい。
【００１６】本発明はさらに、到達困難な箇所にでさえ
も組織接着剤の適用を可能にするように、カテーテルを
一体的に構成することもできる。したがって、本発明に
係る装置の他の実施例は、吐出部が、マルチルーメンカ
テーテルによって、装置の多の部分と一体的に形成さ
れ、そのカテーテルは、組織接着剤の各成分の搬送通路
としてルーメンを有しており、さらにこのマルチルーメ
ンカテーテルは、成分搬送通路を囲繞するガス搬送通路
としてのルーメンを含んでいる。均一なガス供給と、組
織接着剤の成分の均一な適用を守るためには、カテーテ
ルが、少なくなくともその出口開口に接近した位置に、
そのガス搬送通路ルーメンないに放射状の支持ウェブを
有して、その支持ウェブが、周囲のガス搬送通路内に成
分搬送通路を中心にして保持することが、そして、それ
らウェブの先端が、カテーテルの先端から幾分距離をお
いて終わっているのが好都合である。さらに、カテーテ
ルは可撓性であるか、もしくは人工的に前以て成形可能
であることが好ましく、これらのことは、本発明を構成
する一体構造部分のために材料を適切に選択することに
よって保証できる。この場合では、カテーテルが、形状
維持ワイヤのための付加的なルーメンを含んでいること
が、さらに適切である。この形状維持ワイヤの助けによ
って、カテーテルは、到達困難な体内の箇所にも適用可
能にするために必要な形状に、前以て合わせることがで
きる。
【００１７】特に、装置を構成する構造部分は、選択的
にはカテーテルを含み得るが、カテーテルの可撓性を保
証する人工材料によって形成される。好ましくは、可撓
性カテーテルは、外径が２．５ｍｍよりも小さい。
【００１８】カテーテルはまた、それが剛性のスリーブ
（取付手段）によって囲繞されているならば、またはそ
れ自身が剛性にデザインされているならば、最小侵襲手
術での使用に適しており、したがって、カテーテルをト
ロカール内に導入して、例えば腹腔内に導入するのが簡
単になる。特に、剛性カテーテルの外径は４〜６ｍｍで
あり、好ましくは約５ｍｍであり、これは市販されてい
るトロカールの内径にちょうどよい。
【００１９】この装置では、組織接着剤の成分のスプレ
ーもしくは噴霧のために供給される医療ガスは、装置後
部の接続部内に直接供給され、この接続部では、装置は
同時にシリンジボディの接続体として機能する。ガス供
給のための接続体は、斜めに配置されている。すなわ
ち、装置の基部に対しては鋭角に、あるいは装置の吐出
部に対しては鈍角に延びている。このことは、使用時
に、ガス接続体が使用者にとって邪魔にならないという
利点がある。このような関係においては、ガス搬送通路
の接続体が、吐出部での搬送通路に対して１２０゜から
１５０゜の角度で配置される場合に、特に改善された利
点となる。
【００２０】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付図面を
参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【００２１】図面に示された実施例の総ての装置は、特
に人工材料の一体構造部材１を有しており、この部材
は、組織接着剤の成分（通常はフィブリノーゲン溶液お
よびトロンビン溶液）の供給のためと同様に、噴霧用医
療ガス（通常は滅菌された圧縮空気、窒素もしくは二酸
化炭素）の供給のための接続部２と、そして吐出部３と
を含んでいる。組織接着剤の成分供給のため、接続部２
は、二つの差し込み円錐部４（好ましくはルエル円錐
（Luer coni))を含んでおり、この円錐部には、接着剤
成分を収納した使い捨てシリンジボディ５が、その目的
に応じてデザインされた接続円錐部６を介して接続され
る。装置のコレクティングヘッド７の内部では、差し込
み円錐部４が成分搬送通路８，９として続けられてお
り、これらの通路は差し込み円錐部４から吐出部３の先
端の出口開口１０，１１に続いている。組織接着剤の成
分を案内するための、この場合の成分搬送通路８，９
は、図３（Ａ）に示すように円形の断面形状を有してい
るか、図３（Ｂ）に示すように。半円の断面形状を有し
ており、これは、出口開口１０，１１が設けられた先端
に近い部分で、少なくとも吐出部分３でそのようになっ
ている。
【００２２】コレクティングヘッド７は実質的には平坦
にして板状の構造部材１によって構成され、且つ図１か
ら図５に示す実施例では同時にスプレーヘッドを構成し
ているが、さらに、このコレクティングヘッド７の下部
には、例えば窒素、滅菌圧縮空気あるいは二酸化炭素の
医療ガスのための接続体１２が、接続部２に配置されて
いる。この接続体１２は、吐出側でのコレクティングヘ
ッド７の長手方向平面に対して１２０°から１５０°の
鈍角で配置されている。一つもしくは幾つかのガス搬送
通路１３は、このガス接続体１２からスプレーヘッド７
の先端側へ向かっおり、吐出部３で円形環状の出口１５
を有する環状通路１４内に合流している（図３（Ａ）及
び（Ｂ）参照）。環状ガス搬送通路部分１４は、特に、
図３（Ａ）及び（Ｂ）、あるいは図５及び７、さらには
図９（Ａ）及び（Ｂ）の各正面図に示すように、このよ
うにして成分搬送通路８，９をそれらの出口開口１０，
１１の領域で環状に囲繞する。吐出部３においては、全
ての通路８，９及び１４が平行に延びている。
【００２３】操作中に、ガス流が接続体１２及び一つも
しくは幾つかの搬送通路１３，１４を経て出口開口１５
に放出されるとき、シリンジピストンの圧力によって成
分搬送通路８，９に供給されて、出口開口１０，１１で
吐出される組織接着剤の二つの成分は、出口開口１５か
ら吐出されるガス流に巻き込まれて円錐状のスプレー内
で噴霧され、それと同時によく混合される。
【００２４】図４から図７に大きく示す実施例は、医療
ガスの出口開口が可変調整式である点以外は、図１から
図３に示した実施例と同じである。したがって、以下の
説明では、図１から図３の実施例との相違点についての
み述べる。
【００２５】詳細に述べると、成分搬送通路８，９の先
端の端部は、前述したように、その出口開口１０，１１
で、例えば円形の断面形状を有するものである。図１か
ら図３の実施例と対比すると、ガス搬送通路１３に続く
環状ガス搬送通路部分１４は、一体の外壁部に替わっ
て、別体でスリーブ形状の、且つ長手方向に移動可能に
設けられた外壁規定部１６となっている。この規定部１
６は、一体構造部材１の円筒状突出部１７に対して例え
ば摺動可能に嵌められるか、あるいは螺子結合されるよ
うに取り付けることができる。その目的のためには、適
当な外螺子および内螺子が、あるいは適当なラッチング
ノブ（図示せず）が形成され、これらは、規定部１６が
脱落するのを防止するように設けられる。図４及び図６
には、螺合関係にある内螺子と外螺子が模式的に図示さ
れている。
【００２６】スリーブ形状の規定部１６の内面は、図４
に１８で示すように、その前方端で広がっている円錐形
状を有しており、規定部１６の先端面に隣接している。
このスリーブ形状の規定部１６を軸方向に移動させるこ
とにより、成分搬送通路８，９の出口開口１０，１１の
周囲を囲繞するガス搬送通路１３，１４の出口開口が素
早く変化するので、円錐状スプレーの広がり角を可変に
できる。こうして、図４に示す位置では、規定部１６が
その長手方向に最大限前方へ出されているが、狭い出口
開口１５及び広がりの小さい円錐状スプレーが得られ
る。図６に示す位置では、規定部１６が最大限奥に引き
込まれているが、広い出口開口１５及び広がりの大きい
円錐状スプレーが得られる。規定部１６がその中間位置
にあるときには、それに応じた中程度の広がりの円錐状
スプレーが得られる。
【００２７】コレクティングヘッド７については、図８
及び図９に示す装置も、これまでに述べた実施例と略同
様であるが、また、この実施例で述べる新たな点は、特
に必須のものではない。図８及び図９の実施例で、搬送
通路８，９（組織接着剤の成分のための）及び１３（医
療ガスのための）は、マルチルーメンカテーテル１９内
の対応通路に続いており、コレクティングヘッド７と一
体の部材で形成されている。そしてこのカテーテルは、
この装置では吐出部３を形成している。環状ガス搬送通
路１４（圧縮空気隙間）内には、放射状に延びる支持ウ
ェブ２０が設けられており、カテーテル１９内で通路１
４のリング形状を保持している。すなわち、成分搬送通
路８，９を中心に有する内部カテーテルの部分を保持し
ている。これらのウェブ２０は、出口開口１０，１１，
１５の先端で短く終わっており、カテーテル１９の先端
でガス出口が再びリング形状に、特に円形に続いてい
る。
【００２８】装置（カテーテル１９を含むコレクティン
グヘッド７）を形成する一体構造部分１の材料を適切に
選択することによって、カテーテル１９は剛性にも可撓
性にもデザインすることができる。
【００２９】カテーテル１９が可撓性に形成される場
合、その直径は２．５ｍｍよりも小さくされるのが好ま
しく、さらには、図９（Ｂ）に示されるように、形状維
持ワイヤ２２のために、さらに別のルーメン２１を含ん
でいてもよい。こうして、可撓性カテーテル１９は、所
望の如何なる形状にも変形することができる。
【００３０】カテーテル１９を含む実施例が、最小侵襲
手術で使用される場合、カテーテルチューブ１９は剛性
に形成され、その外径は５ｍｍにされる。その目的のた
めに、カテーテル１９は、それを挿入できる直径を有し
たアダプターチューブ（図示せず）を用い、アクセス器
具を経て挿入される。
【００３１】この発明は、好ましい実施例によって上述
のように詳細に説明されたが、本発明の技術的思想から
逸脱することなくさらに変形できることは勿論である。
例えば、図８及び図９に示す一体化されたカテーテル１
９を有する実施例においても、図３または図５に示した
ような円形出口開口１０，１１と同様の断面形状の成分
搬送通路８，９を有するものも考えられる。あるいは、
円錐状スプレーの調整のために長手方向に移動可能な規
定スリーブ１６を有する図４及び図６に示した実施例
で、その出口開口１０，１１およびそれに続く成分搬送
通路８，９を、図３（Ｂ）または図９（Ａ）に示すよう
な半円の断面形状とすることも考えられる。装置（コレ
クティングヘッド／スプレーヘッド７の、あるいはカテ
ーテル１９を含むスプレーヘッド７の）を形成する一体
構造部分１は、医学において用いられる人工材料で形成
されるのが好ましい。それらの材料としては、例えば、
射出成型もしくは押し出し成型されるポリオレフィン
（ポリエチレン、ポリプロピレン）、ポリウレタン、Ｐ
ＶＣあるいはＡＢＳ（アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン）が考えられる。同様に、スリーブ形状の規定
部１６もまた、そのような人工材料で形成されるのは勿
論である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る組織接着剤の適用装置の実施例
を示す横断面図である。
【図２】 図１の装置のII−II線に沿う縦断面図であ
る。
【図３】 （Ａ）は図１の装置を矢印IIIの方向に見た
正面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の変形例を示す正面図で
ある。
【図４】 本発明に係る組織接着剤の適用装置の他の実
施例を示す横断面図である。
【図５】 図４の装置の吐出部の先端面を示す正面図で
ある。
【図６】 図４の装置のスリーブ形状の規定部を図４と
異なる位置で示した横断面図である。
【図７】 図６の装置の吐出部の先端面を示す正面図で
ある。
【図８】 本発明に係る組織接着剤の適用装置のさらに
別の実施例を示す横断面図である。
【図９】 （Ａ）は図８の装置の正面図であり、（Ｂ）
は（Ａ）の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
１ 一体構造部材 ２ 接続部 ３ 吐出部 ４ 差し込み円錐部 ５ シリンジボディ ６ 接続円錐部 ７ コレクティングヘッド ８,９ 成分搬送通路 １０,１１ 出口開口 １２ 接続体 １３ ガス搬送通路 １４ 環状ガス搬送通路部分 １５ 出口開口 １６ 外壁規定部 １７ 円筒状突出部 １８ 規定部の内面 １９ カテーテル ２０ 支持ウェブ ２１ ルーメン ２２ 形状維持ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドレアス・ケルナー オーストリア、アー−2122ウルリッヒスキ ルヒェン、ゼーグラーベンヴェーク６番 (72)発明者 ゲオルク・ハビソン オーストリア、アー−1040ヴィーン、タウ プシュトゥンメンガッセ15番 (72)発明者 ギュンター・ツェロウ オーストリア、アー−1090ヴィーン、ポル ツェランガッセ41／10番

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 組織接着剤の成分を供給するために設け
    られ、一体構造部材（１）内で接続部（２）から吐出部
    （３）に延びている成分搬送通路（８，９）と、 組織接着剤の成分噴霧に寄与する医療ガスを供給するた
    めのガス搬送通路（１３，１４）とを備え、 上記総ての搬送通路（８，９，１３，１４）が、上記吐
    出部（３）の先端面でそれぞれ別の出口開口（１０，１
    １，１５）を有する多成分組織接着剤の適用装置におい
    て、 上記成分搬送通路（８，９）が、少なくともそれらの出
    口開口（１０，１１）の直後に上流がわへ長手方向に延
    びている部分で、共に上記ガス搬送通路（１４）によっ
    て囲繞されていることを特徴とする多成分組織接着剤の
    適用装置。
  2. 【請求項２】 上記総ての搬送通路（８，９，１３，１
    ４）が、少なくともそれらの出口開口（１０，１１，１
    ５）の直後に上流がわへ長手方向に延びている部分で
    は、互いに平行に延びていることを特徴とする請求項１
    記載の多成分組織接着剤の適用装置。
  3. 【請求項３】 上記ガス搬送通路（１４）が、上記成分
    搬送通路（８，９）を囲繞して長手方向に延びている少
    なくともその部分で、円形断面形状の環状通路としてデ
    ザインされていることを特徴とする請求項１または２記
    載の多成分組織接着剤の適用装置。
  4. 【請求項４】 上記成分搬送通路の出口開口（１０，１
    １）が、ガス搬送通路（１３，１４）の出口開口（１
    ５）の面内で最も遠くに配置され、好ましくは該ガス搬
    送通路（１３，１４）の出口開口（１５）に対して後方
    に配置されていることを特徴とする請求項１ないし３の
    いずれかに記載の多成分組織接着剤の適用装置。
  5. 【請求項５】 ガス搬送通路（１４）の外周を規定する
    別体の規定部材（１６）が、上記吐出部（３）上に、上
    記搬送通路（８，９，１４）の延びている長手方向へ移
    動可能に配置されていることを特徴とする請求項１ない
    し４のいずれかに記載の多成分組織接着剤の適用装置。
  6. 【請求項６】 上記規定部材（１６）が、スリーブ形状
    であることを特徴とする請求項５記載の多成分組織接着
    剤の適用装置。
  7. 【請求項７】 上記規定部材（１６）の内面（１８）
    が、例えば該規定部（１６）の先端面に隣接する領域で
    該先端面に向かって広がっている円錐形状のように、前
    方へ広がっていることを特徴とする請求項５または６記
    載の多成分組織接着剤の適用装置。
  8. 【請求項８】 上記吐出部（３）が、該装置の残り部分
    （７）と一体的に形成されたマルチルーメンカテーテル
    （１９）で構成され、該マルチルーメンカテーテルは、
    組織接着剤の各成分のための搬送通路（８，９）として
    ルーメンを有し、さらに該マルチルーメンカテーテル
    （１９）は、ガス搬送通路（１４）としてこれら成分搬
    送通路（８，９）を囲繞するルーメンをも有することを
    特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の多成分
    組織接着剤の適用装置。
  9. 【請求項９】 上記カテーテル（１９）が、少なくとも
    上記出口開口（１０，１１，１５）に近い領域で、上記
    ガス搬送通路のルーメン（１４）内で放射状の支持ウェ
    ブ（２０）を有し、該ウェブ（２０）は、ガス搬送通路
    （１４）内で成分搬送通路を中心に保持し、任意的に
    は、上記先端面から距離をおいた位置で終わっていても
    よいことを特徴とする請求項８記載の多成分組織接着剤
    の適用装置。
  10. 【請求項１０】 上記カテーテル（１９）が、可撓性で
    ある、もしくは、必要な形状に前以て合わせることがで
    きる（pre-shapable）ことを特徴とする請求項８または
    ９記載の多成分組織接着剤の適用装置。
  11. 【請求項１１】 上記カテーテル（１９）が、形状維持
    ワイヤ（２２）のための付加的なルーメン（２１）を有
    することを特徴とする請求項１０記載の多成分組織接着
    剤の適用装置。
  12. 【請求項１２】 上記カテーテル（１９）が、２．５ｍ
    ｍよりも小さい外径を有することを特徴とする請求項１
    ０または１１記載の多成分組織接着剤の適用装置。
  13. 【請求項１３】 上記カテーテル（１９）が剛性である
    ことを特徴とする請求項８または９記載の多成分組織接
    着剤の適用装置。
  14. 【請求項１４】 上記カテーテル（１９）が、４ｍｍか
    ら６ｍｍの外径を有し、好ましくは約５ｍｍの外径を有
    することを特徴とする請求項１３記載の多成分組織接着
    剤の適用装置。
  15. 【請求項１５】 ガス搬送通路（１３，１４）のための
    接続部として、接続体（１２）が、上記吐出部（３）に
    対して鈍角に配置されていることを特徴とする請求項１
    ないし１４のいずれかに記載の多成分組織接着剤の適用
    装置。
  16. 【請求項１６】 ガス搬送通路（１３，１４）の上記接
    続体（１２）が、吐出部（３）内の搬送通路（８，９，
    １４）に対して１２０゜から１５０゜の角度で配置され
    ていることを特徴とする請求項１５記載の多成分組織接
    着剤の適用装置。
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