JPH07255603A - 食材焼成器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成された食材が加熱面に付着しやすいとき
でも一方の加熱面を後退させた際に確実に外すことがで
きる食材焼成器を提供しようとするもの。 【構成】 食材を焼成すべき対向する一対の加熱面８の
間に、一方の加熱面８が後退する方向に付勢された食材
押圧体９が具備せしめられ、前記一方の加熱面８が後退
した際、付勢により後退した前記食材押圧体９の食材の
押圧面17の位置よりも後方に、前記後退した一方の加熱
面８が配置することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ハンバーガーのバン
ズなどの各種の食材の食材焼成器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】客の注文に応じた各種のハンバーガーを
提供・販売するファースト・フードのハンバーガー店は
盛況であり、パンを略中央で切断して成る上下バンズを
それぞれ焼成し、これら焼成したバンズにレタス等の野
菜類やソース類、加熱調理したパティー（ patty）など
を組み合わせて客に供している。

【０００３】ところで、特願平５−１８９４９３号に、
対向する一対の熱板を用いて食品・食品種の加熱調理を
行ない、この加熱調理が完了すると、一方の加熱面を後
退させて加熱調理された食品・食品種を取り出すことが
提案されている。

【０００４】しかし、これによりバンズを焼成した場
合、一方の加熱面を後退させた際に、焼成されたバンズ
はその切断面側が対向する加熱面に付着してしまい外れ
にくい傾向があることが見出された。つまり、焼成後の
バンズの取り出しがしにくい。これでは、円滑な調理の
流れを妨げてしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は焼
成された食材が加熱面に付着しやすいときでも一方の加
熱面を後退させた際に確実に外すことができる食材焼成
器を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明では次のような技術的手段を講じている。

【０００７】この発明の食材焼成器は、食材を焼成すべ
き対向する一対の加熱面８の間に、一方の加熱面８が後
退する方向に付勢された食材押圧体９が具備せしめら
れ、前記一方の加熱面８が後退した際、付勢により後退
した前記食材押圧体９の食材の押圧面17の位置よりも後
方に、前記後退した一方の加熱面８が配置することを特
徴とする。

【０００８】また、前記一方の加熱面８が上昇して後退
した際、付勢により後退した前記食材押圧体９の食材の
押圧面17の位置よりも上方に、前記上昇した一方の加熱
面８が配置することとしてもよい。また、前記加熱面８
に、遠赤外線放射物質の固着層を形成したこととしても
よい。

【０００９】

【作用】この発明は、以下のような作用を有する。

【００１０】この発明の食材焼成器によると、食材の焼
成が完了し、一方の加熱面８を後退させた際、付勢によ
り後退した食材押圧体９の食材の押圧面17の位置よりも
後方に、後退した一方の加熱面８が配置する。つまり、
食材押圧体９の食材の押圧面17は、後退した一方の加熱
面８から突出した状態となる。

【００１１】したがって、焼成された食材が対向する加
熱面８に付着してしまい外れにくい傾向がある場合で
も、食材は一方の加熱面８から突出した食材押圧体９の
食材の押圧面17により押圧力を及ぼされる。

【００１２】前記一方の加熱面８が上昇して後退した
際、付勢により後退した前記食材押圧体９の食材の押圧
面17の位置よりも上方に、前記上昇した一方の加熱面８
が配置することとすると、一方の加熱面８から突出した
食材押圧体９の食材の押圧面17により押圧力を及ぼされ
た食材は脱落することにより、他方の加熱面８の上に落
下する。したがって、その後の食材の移動の際の取扱い
の利便性に優れる。

【００１３】前記加熱面８に、遠赤外線放射物質の固着
層を形成したこととすると、食材の焼成効率に優れる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面を参照して説明する。

【００１５】図１及び図２に示すように、この実施例で
はハンバーガーの下側バンズ（ヒールＨと通称される）
を焼成する食材焼成器を形成している。

【００１６】この食材焼成器は、エア・シリンダ１の出
力軸２により昇降可能とした上側焼成ユニット３と、固
定式とした下側焼成ユニット４との一対の焼成ユニット
から基本構成している。双方の焼成ユニットはそれぞれ
アルミニウム（Ａ５０５２−Ｐ）熱板５とヒーター・ホ
ールディング板６との間に薄型セラミック・ヒーター７
を埋設した構造としている。エア・シリンダ１ではなく
アクチュエーター等を用いてもよい。

【００１７】食材を焼成すべき対向する一対の加熱面８
の間には、上側焼成ユニット３の加熱面８（手段の欄の
「一方の加熱面８」に対応する）が上昇して後退する方
向に付勢された食材押圧体９を具備せしめている。

【００１８】この食材押圧体９は、ヒール強制剥離板10
とこれから上方に向けて延在するシャフト11とからな
り、付勢する力は圧縮コイル・バネ12により前記シャフ
ト11の上端のフランジ部13へと及ぼされるようにしてい
る。この圧縮コイル・バネ12はスプリング・ユニット14
内に収容しており、前記スプリング・ユニット14は前記
エア・シリンダ１の本体の下端に取り付けたスプリング
・ユニット取付板15の上に固定している。

【００１９】この食材押圧体９は、上側焼成ユニット３
の加熱面８からより円滑且つ確実にヒールＨを剥離せし
めるために２箇所に設けており、そのシャフト11は上側
焼成ユニット３を貫通せしめてスプリング・ユニット14
へと至らしめている。なお、16はブッシュである。

【００２０】また、上側焼成ユニット３の加熱面８はこ
れが上昇した際には、圧縮コイル・バネ12が伸張しよう
とすることにより及ぼされる付勢力によって後退せしめ
られた食材押圧体９の食材の押圧面17（図２参照）の位
置よりも上方に配置するように設定している。

【００２１】双方の焼成ユニットのアルミニウム熱板５
の加熱面８には遠赤外線放射物質の固着層（図示せず）
を形成している。この遠赤外線放射物質の固着層は、加
熱されると遠赤外線を放射するアルミナやジルコニア等
のセラミック材料を、アルミニウム熱板５の加熱面８に
公知の方法で溶射することにより形成している。なお、
前記遠赤外線放射物質として、ジルコニアやアルミナ等
の公知のセラミック材料を採用することができるが、遠
赤外線放射率（エミシビティ）が高い材料であればある
ほど望ましい。上記のようにして形成した遠赤外線放射
物質の固着層には、食材の焼成効率を向上させることが
できるという利点がある。

【００２２】次に、上記のような構成の食材焼成器の使
用状態を説明する。上側焼成ユニット３の加熱面８が約
２００℃程度に、下側焼成ユニット４の加熱面８が約１
１０℃程度に昇温するように薄型セラミック・ヒーター
７を加熱し、相互の加熱面８の間でヒールＨを挟圧加熱
することにより焼成する。この実施例では、約１５秒の
挟圧加熱により焼成が完了した。焼成の完了後、エア・
シリンダ１の駆動により上側焼成ユニット３を上昇せし
めて下側焼成ユニット４から後退・離反させ、バンズを
取り出した。この際、ヒールＨの切断面18（図２参照）
は、上側焼成ユニット３の加熱面８に付着して上昇しよ
うとしたが、食材押圧体９により強制的に脱落せしめら
れた。

【００２３】すなわち、この実施例の食材焼成器による
と、ヒールＨの焼成が完了し、上側焼成ユニット３の加
熱面８を上昇させた際、付勢により後退した食材押圧体
９の食材の押圧面17の位置よりも上方に、後退した上側
焼成ユニット３の加熱面８が配置する。つまり、食材押
圧体９の食材の押圧面17は、上昇した上側焼成ユニット
３の加熱面８から突出した状態となる。

【００２４】したがって、焼成されたヒールＨはその切
断面18が対向する加熱面８に付着してしまい外れにくい
傾向があるが、ヒールＨは一方の加熱面８から突出した
食材押圧体９の食材の押圧面17により押圧力を及ぼされ
る。よって、焼成されたヒールＨはその切断面18が加熱
面８に付着しやすい傾向があるにも関わらず、上側焼成
ユニット３の加熱面８を上昇させた際に確実に外すこと
ができるという利点がある。

【００２５】また、一方の加熱面８から突出した食材押
圧体９の食材の押圧面17により押圧力を及ぼされたヒー
ルＨは脱落することにより、下側焼成ユニット４の加熱
面８（手段の欄の「他方の加熱面８」に対応する）の上
に落下する。したがって、その後の食材の移動の際の取
扱いの利便性に優れる。すなわち、剥離し下側焼成ユニ
ット４の加熱面８の上に落下した焼成後のヒールＨをエ
ア・シリンダやアクチュエーターなどの押圧装置（図示
せず）等によって横方向に押し出し、その取出しを円滑
に行うことができる。

【００２６】以上のように、この実施例の食材焼成器は
焼成効率に優れるとともにこの利点と併せて食材の剥離
性、焼成後の食材の移動の取扱いの利便性にも優れる。
したがって、短時間での食材の焼成が可能であるととも
に、自動化への対応が容易であり、ハンバーガー調理装
置などの自動化装置ないしは半自動化装置等にも好適に
使用することができるという利点がある。

【００２７】なお、ハンバーガーのバンズ等の他に、各
種の食材（例えばホット・ケーキ等）にも好適に適用す
ることができる。

【００２８】

【発明の効果】この発明は上述のような構成を有するも
のであり、次の効果を奏する。

【００２９】食材を取出すとき、食材は一方の加熱面８
から突出した食材押圧体９の食材の押圧面17により押圧
力を及ぼされるので、焼成された食材が加熱面８に付着
しやすいときでも一方の加熱面８を後退させた際に確実
に外すことができる食材焼成器を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の食材焼成器の実施例を説明するため
の断面図。

【図２】図１の食材焼成器の上側焼成ユニットを上昇さ
せた状態を説明する断面図。

【符号の説明】

８ 加熱面 ９ 食材押圧体 17 食材の押圧面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食材を焼成すべき対向する一対の加熱面
   （８）の間に、一方の加熱面（８）が後退する方向に付
   勢された食材押圧体（９）が具備せしめられ、 前記一方の加熱面（８）が後退した際、付勢により後退
   した前記食材押圧体（９）の食材の押圧面（17）の位置
   よりも後方に、前記後退した一方の加熱面（８）が配置
   することを特徴とする食材焼成器。
2. 【請求項２】 前記一方の加熱面（８）が上昇して後退
   した際、付勢により後退した前記食材押圧体（９）の食
   材の押圧面（17）の位置よりも上方に、前記上昇した一
   方の加熱面（８）が配置する請求項１記載の食材焼成
   器。
3. 【請求項３】 前記加熱面（８）に、遠赤外線放射物質
   の固着層を形成した請求項１又は２記載の食材焼成器。