JPH0725551B2 - Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 - Google Patents
Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法Info
- Publication number
- JPH0725551B2 JPH0725551B2 JP2052423A JP5242390A JPH0725551B2 JP H0725551 B2 JPH0725551 B2 JP H0725551B2 JP 2052423 A JP2052423 A JP 2052423A JP 5242390 A JP5242390 A JP 5242390A JP H0725551 B2 JPH0725551 B2 JP H0725551B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- tas
- structure represented
- system structure
- cubic system
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はAg−Ta−S系化合物に係り、特に半導体電子材
料並びにイオン伝導体などとして有用な新規化合物及び
その製造法に関する。
料並びにイオン伝導体などとして有用な新規化合物及び
その製造法に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 従来、Ag−Ta−S系では、三元系化合物として900℃以
下の温度で合成される六方晶系のAg2/3TaS2や、菱面体
晶系のAg1/3TaS2の存在が知られている。
下の温度で合成される六方晶系のAg2/3TaS2や、菱面体
晶系のAg1/3TaS2の存在が知られている。
しかしながら、Ag−Ta−S系の相関係については、殆ど
報告がなく、立方晶系の三元系化合物の存在については
全く知られていなかった。
報告がなく、立方晶系の三元系化合物の存在については
全く知られていなかった。
本発明は、かゝる事情に鑑みて、Ag−Ta−S系で立方晶
系の新規な三元系化合物を得る技術を提供することを目
的とするものである。
系の新規な三元系化合物を得る技術を提供することを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、石英封管により
500〜600℃の温度範囲で、新規なAg−Ta−S系の三元系
化合物を見い出すべく研究を重ねた結果、ここに、立方
晶系の新規化合物を発見したのである。
500〜600℃の温度範囲で、新規なAg−Ta−S系の三元系
化合物を見い出すべく研究を重ねた結果、ここに、立方
晶系の新規化合物を発見したのである。
すなわち、本発明に係る新規化合物は、化学式Ag7TaS6
で示される立方晶系の構造を有する化合物である。
で示される立方晶系の構造を有する化合物である。
また、その製造法は、硫化銀、二硫化タンタル及び硫黄
のそれぞれの粉末を、AgとTaとSの割合が原子比で7対
1対6となるように混合した後に、加圧して圧粉体と
し、これをアルミナルツボに入れ、真空引きした石英封
管中で500〜600℃の温度に加熱することを特徴とするも
のである。
のそれぞれの粉末を、AgとTaとSの割合が原子比で7対
1対6となるように混合した後に、加圧して圧粉体と
し、これをアルミナルツボに入れ、真空引きした石英封
管中で500〜600℃の温度に加熱することを特徴とするも
のである。
以下に本発明を更に詳述する。
(作用) 本発明に係る化学式Ag7TaS6で示される化合物は、硫黄
が立方密充填し、金属原子がその間隙にある六配位位置
などを占める極めて等方的な構造を有する立方晶系の物
質である。
が立方密充填し、金属原子がその間隙にある六配位位置
などを占める極めて等方的な構造を有する立方晶系の物
質である。
立方晶系としての格子定数は、 a=10.5139±0.0003(Å) V=1162.23±0.09(Å3) で、空間群はF3m(No.216)である。
この化合物についての面指数(hkl)、面間隔d(Å)
(但し、d0は実測値、dcは計算値)及び粉末X線回折強
度I(%)(但し、I0は実測強度)を示すと、第1表の
とおりである。
(但し、d0は実測値、dcは計算値)及び粉末X線回折強
度I(%)(但し、I0は実測強度)を示すと、第1表の
とおりである。
この新規化合物は、以下の方法により製造することがで
きる。
きる。
すなわち、まず、硫化銀、二硫化タンタル及び硫黄のそ
れぞれの粉末を、AgとTaとSの割合が原子比で7対1対
6となるように混合する。次いで、混合粉末を加圧して
圧粉体とし、これをアルミナルツボに入れ、真空引きし
た石英封管中で500〜600℃の温度に加熱する。
れぞれの粉末を、AgとTaとSの割合が原子比で7対1対
6となるように混合する。次いで、混合粉末を加圧して
圧粉体とし、これをアルミナルツボに入れ、真空引きし
た石英封管中で500〜600℃の温度に加熱する。
この方法の場合、出発原料は、市販のものをそのまま使
用してもよいが、得られる化合物を半導体電子材料とし
て用いる場合には、不純物の含まないできるだけ純度の
高いものを用いるのが望ましい。また、製造時には固相
化学反応促進のため、粒径は小さい方が良く、数μm以
下であることが望ましい。
用してもよいが、得られる化合物を半導体電子材料とし
て用いる場合には、不純物の含まないできるだけ純度の
高いものを用いるのが望ましい。また、製造時には固相
化学反応促進のため、粒径は小さい方が良く、数μm以
下であることが望ましい。
原料は、そのまま、望ましくは不活性気体雰囲気中で充
分に混合し、加圧成形して圧粉体とする。加圧条件は特
に限定するものではないが、1〜2ton/cm2の静水圧であ
ることが望ましい。
分に混合し、加圧成形して圧粉体とする。加圧条件は特
に限定するものではないが、1〜2ton/cm2の静水圧であ
ることが望ましい。
原料の混合割合は、AgとTaとSの割合が原子比で7対1
対6の割合であることが必要であり、この割合から組成
がずれると、目的とする化合物の単一相を得ることがで
きない。
対6の割合であることが必要であり、この割合から組成
がずれると、目的とする化合物の単一相を得ることがで
きない。
次いで、該圧粉体をアルミナルツボに入れ、真空引きし
た石英封管中で加熱するが、その焼成温度は500〜600℃
であることが必要である。加熱時間は制限しないが、50
0℃で3〜4日が望ましく、それ以上の加熱は試料と器
壁との反応によりタンタル酸化物の生成が進行するた
め、好ましくない。
た石英封管中で加熱するが、その焼成温度は500〜600℃
であることが必要である。加熱時間は制限しないが、50
0℃で3〜4日が望ましく、それ以上の加熱は試料と器
壁との反応によりタンタル酸化物の生成が進行するた
め、好ましくない。
加熱終了後は、石英封管を水中に急冷する。得られる化
学式Ag7TaS6を有する化合物粉末は黒色であり、粉末X
線回折法によって立方晶系の結晶構造を有することが判
明した。
学式Ag7TaS6を有する化合物粉末は黒色であり、粉末X
線回折法によって立方晶系の結晶構造を有することが判
明した。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 純度99.9%以上の硫化銀(Ag2S)粉末と、純度99.96%
以上の二硫化タンタル(TaS2)粉末と、純度99.9999%
以上の硫黄(S)粉末とを、AgとTaとSの原子比が7対
1対6の割合となるようにグローブボックス中で秤量
し、めのう乳鉢内で約10分間混合し、該混合粉末を加圧
して圧粉体を得た。
以上の二硫化タンタル(TaS2)粉末と、純度99.9999%
以上の硫黄(S)粉末とを、AgとTaとSの原子比が7対
1対6の割合となるようにグローブボックス中で秤量
し、めのう乳鉢内で約10分間混合し、該混合粉末を加圧
して圧粉体を得た。
次いで、これをアルミナルツボに入れ、透明石英管中に
真空封入し、500℃に設定された横型管状電気炉内に入
れ、4日間加熱し、その後、石英管を取り出し、水中に
急冷した。
真空封入し、500℃に設定された横型管状電気炉内に入
れ、4日間加熱し、その後、石英管を取り出し、水中に
急冷した。
得られた試料は、Ag7TaS6単一相であり、粉末X線回折
法により各反射の面間隔d0及び回折強度I0を測定した結
果、第1表に示すとおりであった。
法により各反射の面間隔d0及び回折強度I0を測定した結
果、第1表に示すとおりであった。
また、立方晶系としての格子定数は次のとおりであっ
た。
た。
a=10.5139±0.0003(Å) V=1162.23±0.09(Å3) 上記の格子定数、及び第1表に示した各面指数(hkl)
より計算した面間隔dc(Å)は、実測の面間隔d0(Å)
と極めてよく一致した。
より計算した面間隔dc(Å)は、実測の面間隔d0(Å)
と極めてよく一致した。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、化学式Ag7TaS6
で示される立方晶系の構造を有する新規なAg−Ta−S系
化合物を提供でき、特に半導体電子材料並びにイオン伝
導体などとして有用であり、その効果は大きい。
で示される立方晶系の構造を有する新規なAg−Ta−S系
化合物を提供でき、特に半導体電子材料並びにイオン伝
導体などとして有用であり、その効果は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】化学式Ag7TaS6で示される立方晶系の構造
を有する化合物。 - 【請求項2】硫化銀、二硫化タンタル及び硫黄のそれぞ
れの粉末を、AgとTaとSの割合が原子比で7対1対6と
なるように混合した後に、加圧して圧粉体とし、これを
アルミナルツボに入れ、真空引きした石英封管中で500
〜600℃の温度に加熱することを特徴とするAg7TaS6で示
される立方晶系の構造を有する化合物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052423A JPH0725551B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052423A JPH0725551B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03257022A JPH03257022A (ja) | 1991-11-15 |
JPH0725551B2 true JPH0725551B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=12914374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2052423A Expired - Lifetime JPH0725551B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725551B2 (ja) |
-
1990
- 1990-03-02 JP JP2052423A patent/JPH0725551B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03257022A (ja) | 1991-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0244263B2 (ja) | Ingazn7o10deshimesarerurotsuhoshokeinosojokozoojusurukagobutsuoyobisonoseizoho | |
Vasylechko et al. | Crystal structure of LaGaO3 and (La, Gd) GaO3 solid solutions | |
Takahashi et al. | Synthesis and crystallographic properties of lanthanum transition metal sulfides LaMS3; M= Cr, Mn, Fe, and Co | |
Feger et al. | Synthesis and structural characterization of reduced ternary tantalum oxides in the tetragonal tungsten bronze structure | |
Pöttgen et al. | Crystal Structure, Specific Heat, and119Sn Mössbauer Spectroscopy of CeRu4Sn6: A Ternary Stannide with Condensed, Distorted RuSn6Octahedra | |
Kjekshus et al. | On phase relationships in titanium–antimony system—crystal structures of Ti3sb | |
MacDonald et al. | Preparation and crystal chemistry of some mixed metal sesquioxides containing Fe, Al, Ga, Cr, Sc and In | |
Franceschi et al. | The crystal structure of RE 5Tl3 and Y5Tl3 compounds | |
JPH0725551B2 (ja) | Ag▲下7▼TaS▲下6▼で示される立方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 | |
Niepmann et al. | The order of the palladium and germanium atoms in the germanides LnPdGe (Ln= La–Nd, Sm, Gd, Tb) and the new compound Yb3Pd4Ge4 | |
JPH0725552B2 (ja) | AgTaS▲下3▼で示される斜方晶系の構造を有する化合物及びその製造法 | |
JPH0639332B2 (ja) | Cu▲下2▼Ta▲下5▼S▲下8▼で示される単斜晶系の構造を有する化合物及びその製造法 | |
De Mooij et al. | The crystal structure of Eu3Ga8 | |
JP2730672B2 (ja) | Ag−Ti−S三元系化合物とその製造方法 | |
Denis et al. | Two alternative products from the intercalation of alkali metals into cation-defective Ruddlesden–Popper oxysulfides | |
JP2526415B2 (ja) | Ag4Hf3S8立方晶系構造化合物とその製造方法 | |
Hung et al. | Synthesis, Structure, and Electrical Properties of a New Family of Mixed-Metal Sulfides Containing Rutile-like [InS4]. infin./[TiS4]. infin. Chains:(RE) 6In1-xTi1+ xS12 (RE= Nd, Sm, Gd) | |
JPH04119914A (ja) | イットリウムアルミニウムガーネットの製造方法 | |
JPH0623045B2 (ja) | Ta―S系化合物とその製造法 | |
JP2958445B2 (ja) | Li5Ag2Hf3S8で示される立方晶系の構造を有する化合物およびその製造法 | |
JP3049311B2 (ja) | Cu2HfS3とその製造方法 | |
JP2526416B2 (ja) | Ag2HfS3で表わされる斜方晶系構造を有する化合物とその製造方法 | |
Pottgen et al. | Crystal Structure, Specific Heat, and 119Sn Mossbauer Spectroscopy of CeRu4Sn6: A Ternary Stannide with Condensed, Distorted RuSn6 Octahedra | |
JPS63236707A (ja) | 黒リン−シリコン結晶体 | |
Welter et al. | LaRuSi2: a monoclinic variant of the orthorhombic CeNiSi2-type structure |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |