JPH07255082A - 無線基地局間の同期確立方法及びこれを用いた移動体通信システム - Google Patents

無線基地局間の同期確立方法及びこれを用いた移動体通信システム

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JPH07255082A
JPH07255082A JP6069040A JP6904094A JPH07255082A JP H07255082 A JPH07255082 A JP H07255082A JP 6069040 A JP6069040 A JP 6069040A JP 6904094 A JP6904094 A JP 6904094A JP H07255082 A JPH07255082 A JP H07255082A
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Takashi Matsuno
敬司 松野
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数の無線基地局からなる移動体通信システ
ムにおいて、多重ゾーンを形成する隣合った無線基地局
間の送信タイミングの同期化の可否を、上位局に依存す
ることなく各無線基地局どうしで判断し、自律的に同期
化を実行する。 【構成】 各無線基地局が送信する制御信号には、自局
が同期確立済みか否かを示す同期確立情報の他、同期確
立に関する優先度情報を含める。無線基地局が隣接する
無線基地局からの制御信号を受信すると、その優先度情
報を参照してその相手局が同期化してよい局か否かを判
定する。優先度は予め各無線基地局に付与するか、又は
上位局からの制御で変更可能とする。無線基地局が隣接
する無線基地局に同期化すると、自局の優先度を同期化
した相手局の優先度に更新する。したがって、新設され
る無線基地局の従属同期が進行すると、同期確立した多
数の無線基地局の優先度は等しくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TDMA(Time Division
Multiple Access )方式やCDMA(Code Division Multip
le Access )方式等によって運用される、移動体通信シ
ステムを構成する複数の無線基地局間の同期確立方法及
びこの方法を用いた移動体通信システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】移動体通信システムにおいては、離間し
た各セルをカバーする複数の無線基地局に同一の周波数
を割当てるセルラー方式を採用することにより、周波数
の有効利用が図られる。また、信号の圧縮・変複調技術
を用いた狭帯域伝送のための各種の方式も検討され、デ
ィジタル方式では音声コーデックのハーフレート化の検
討へと進展中である。
【0003】このような状況のもとで、移動体通信シス
テム、特に自動車用の移動電話システムにおいては、従
来の大ゾーンや中ゾーンを形成する各無線基地局のサー
ビスゾーンを徐々に縮小することにより、例えば半径5
Km〜3Kmへと縮小することにより、トラヒック(通
話量)の増大への対応が図られてきている。この小ゾー
ン化による周波数の有効利用は、実用化が計画されてい
るパーソナル無線通信システムにおいてその利点が最大
限に発揮される。このパーソナル無線通信システムで
は、いわゆるマイクロセルやピコセルと称される半径数
百メートル乃至数十メートルの小ゾーン方式が検討され
ている。
【0004】このような小ゾーン方式では無線基地局の
数が膨大なものとなることもあり、これらの無線基地局
を電柱やビルの壁面などに設置することが計画されてい
る。この場合、無線基地局の低廉化は勿論のこと、大幅
な小型化・軽量化も必要とされている。このような小ゾ
ーン方式では、とりわけ無線基地局を含む端末(移動
局)の自由販売環境のもとでは、高トラヒックに対応す
るため多数の無線基地局が次々と増設されていることに
なるが、これに伴い次のような問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、多数の無線
基地局を次々に増設してゆくと、無線基地局の送信電波
を隣接する別の無線基地局が直接受信できる程度に隣接
無線基地局のゾーンどうしが重なり合うという、いわゆ
る多重ゾーンの形成が予想される。このような多重ゾー
ンのもとでは、隣接無線基地局からの干渉の増大に伴い
呼損率が増大し、甚だしい場合には発呼が不能になる。
【0006】このような多重ゾーンのもとでTDMA方
式を採用しようとすれば、干渉の検出機能や回避機能を
確保するうえで、隣接無線基地局が使用するフレーム間
の同期化(もしくは「同期確立」)、すなわち、多重ゾ
ーンを形成する隣接無線基地局に同一のフレームタイミ
ングで一斉に自ゾーン内の移動局との送受信を行わせる
ことが必要になる。この無線基地局間の同期化の必要性
の根拠として、非同期状態のスロット使用効率が同期状
態に比べて25%〜30%低下することが報告されてい
る。すなわち、一つのゾーン内でこのような干渉か生じ
ると、使用されていない空きチャンネルがあるにもかか
わらず、フレームタイミングのずれで、そのチャンネル
が干渉による雑音によって使用中のチャンネルと認識さ
れ、結局使用できなくなる場合があるからである。
【0007】上述の隣接無線基地局どうしの同期化を、
自動車用電話システムのように上位の交換局からの制御
に基づき実現しようとすると、次のような問題がある。
第一に、各無線基地局と交換局との間を接続するための
多数の制御信号線が必要になり、設備費用の高騰を招
く。第二に、交換局側では同期制御のための大負荷に対
応できる大型のコンピュータが必要になると共に、各無
線基地局側では同期確立のためのハードウエアが必要に
なり、同様に設備費用の高騰を招く。第3に、いわゆる
簡易型携帯電話(パーソナル・ハンディーホーン:「P
HP」)システムの場合には、次のような問題が生じ
る。
【0008】すなわち、PHPは、事務所内や家庭内な
ど屋内の移動端末や公衆電話などの屋外の移動端末を対
象としているが、事務所用としてはビハインドPBXな
どと称される事業所コードレス電話システムが導入され
PBXからの指令に基づき各無線基地局間の同期が確立
されるものも含まれる。この場合、事業所コードレス電
話と家庭用PHPとの間で無線基地局間の同期のために
制御信号を共通化することが必要になり、無線基地局の
増設のたびに複雑な対応が必要になるという問題があ
る。
【0009】また、駅や空港などでは、複数の通信事業
者が異なる仕様の交換局を使用している場合もあるの
で、各交換局間で同期制御に関する仕様を統一するため
の時間と労力のかかる煩雑な調整作業が必要になる。
【0010】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、上述のような多重ゾーンを形成する多数の無線
基地局によって構成される移動体通信システム内の各無
線基地局間の同期確立処理を、上位局の制御に依存する
ことなく、各無線基地局の自律的制御のみによって行
い、上位局の負担を軽減することができる無線基地局間
の同期確立方法及びこれを用いた移動体通信システムを
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、移動体通信システムを構
成する複数の無線基地局間の同期を確立する方法であっ
て、各無線基地局は、送信する制御信号に、同期確立に
関する自局の優先度を示す優先度情報及び自局が他の無
線基地局との間で同期確立済みか否かを示す同期確立情
報を含め、各無線基地局は、自局が同期未確立のときに
前記他の無線基地局から前記制御信号を受信すると、前
記制御信号に含まれる前記優先度情報に基づいて前記他
の無線基地局が同期してよい無線基地局か否かを判定
し、同期してよい無線基地局であるときは、前記同期確
立情報に基づいて前記他の無線基地局が同期確立済みか
否かを判定し、同期確立済みであれば前記他の無線基地
局(「送信基地局」と称する)との間で同期確立を行う
とともに、自局の優先度を送信基地局の優先度にあわせ
て変更することを特徴とするものである。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記優先度情報に基づいた判定は、前記他
の無線基地局の優先度が自局の優先度と等しいか又は自
局の優先度よりも高いときは、前記他の無線基地局を同
期してよい無線基地局と判定することを特徴とするもの
である。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記優先度情報に基づいた判定は、予め自
局の優先度を1だけ下げて新たな優先度としておき、前
記他の無線基地局の優先度が自局の前記新たな優先度よ
りも高いときは、前記他の無線基地局を同期してよい無
線基地局と判定することを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記各無線基地局のうちのいくつか
を同期化キー局に指定することを更に含むと共に、この
同期化キー局に指定された無線基地局は、自局が同期未
確立の場合において、前記送信基地局から所定期間にわ
たって制御信号を受信しないときは、自局からの送信制
御信号に含める前記同期確立情報を同期確立済みを示す
状態に変更することを特徴とするものである。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1又は3記
載の発明において、前記各無線基地局のうちのいくつか
を同期化キー局に指定することを更に含むと共に、この
同期化キー局に指定された無線基地局は、予め自局の優
先度を1だけ下げて新たな優先度としたあと、前記送信
基地局から所定期間にわたって制御信号を受信しないと
きは、前記新たな優先度を1だけ上げて元の優先度と
し、自局からの送信制御信号に含める前記同期確立情報
を同期確立済みを示す状態に変更することを特徴とする
ものである。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記
載の発明において、前記同期化キー局の指定は、指定対
象の無線基地局の設置時に行われることを特徴とするも
のである。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6記載の発明において、前記各無線基地
局は、前記送信基地局との同期確立に際し、この送信基
地局との間の電波の伝播遅延時間に基づき、この送信基
地局が送信した信号の送信開始時点を補正することを特
徴とするものである。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記補正のための電波の伝播遅延時間は、
前記各無線基地局がカバーするゾーンの大きさに基づき
予め定められた時間から決定されることを特徴とするも
のである。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記補正のための電波の伝播遅延時間は、
予め求められて前記各無線基地局に記憶されている電波
の遅延時間から決定されることを特徴とするものであ
る。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項7記載の
発明において、前記補正のための電波の伝播遅延時間
は、前記各無線基地局と送信基地局との間で所定の信号
を所定の時間間隔で反復的に送受信し、前記所定の往復
に要した時間に基づき決定されることを特徴とするもの
である。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項4又は5
記載の発明において、前記所定期間は、前記制御信号を
受信しない旨の判断を連続して所定回数行うのに要する
期間であることを特徴とするものである。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の発明
において、前記各無線基地局は、自局が同期未確立の状
態において同期確立処理を行う場合には、自局の前記同
期確立情報を同期未確立の状態に変更することを特徴と
するものである。
【0023】請求項13記載の発明は、自局ゾーン内の
移動局との間で無線通信を行う複数の無線基地局から構
成される移動体通信システムであって、各無線基地局
は、送信する制御信号に、同期確立に関する自局の優先
度を示す優先度情報及び自局が他の無線基地局との間で
同期確立済みか否かを示す同期確立情報を含める手段
と、自局が同期未確立のときに他局から制御信号を受信
すると、前記制御信号に含まれる前記優先度情報に基づ
いて前記他の無線基地局が同期してよい無線基地局か否
かを判定する優先度判定手段と、前記優先度判定手段の
判定結果に基づいて、前記他の無線基地局が同期してよ
い無線基地局であるときは、前記同期確立情報に基づい
て前記他の無線基地局が同期確立済みか否かを判定し、
同期確立済みであれば前記他の無線基地局(「送信基地
局」と称する)との間で同期確立を行う同期確立手段
と、前記同期確立手段によって同期が確立されたとき
は、送信基地局の優先度を自局の新たな優先度とする優
先度更新手段と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0024】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の発明において、前記優先度判定手段は、前記他の無線
基地局の優先度が自局の優先度と等しいか又は自局の優
先度よりも高いときは、前記他の無線基地局を同期して
よい無線基地局と判定することを特徴とするものであ
る。
【0025】請求項15記載の発明は、請求項13記載
の発明において、前記優先度判定手段は、予め自局の優
先度を1だけ下げて新たな優先度としておき、前記他の
無線基地局の優先度が自局の前記新たな優先度よりも高
いときは、前記他の無線基地局を同期してよい無線基地
局と判定することを特徴とするものである。
【0026】請求項16記載の発明は、請求項13又は
14記載の発明において、前記各無線基地局のうちのい
くつかを同期化キー局に指定する手段を備え、この同期
化キー局に指定された無線基地局は、自局が同期未確立
の場合において、前記送信基地局から所定期間にわたっ
て制御信号を受信しないときは、自局からの送信制御信
号に含める前記同期確立情報を同期確立済みを示す状態
に変更する状態変更手段を更に備えたことを特徴とする
ものである。
【0027】請求項17記載の発明は、請求項13又は
15記載の発明において、前記各無線基地局のうちのい
くつかを同期化キー局に指定する手段を備え、この同期
化キー局に指定された無線基地局は、予め自局の優先度
を1だけ下げて新たな優先度とする手段と、前記送信基
地局から所定期間にわたって制御信号を受信しないとき
は、前記新たな優先度を1だけ上げて元の優先度とする
手段と、前記新たな優先度を1だけ上げて元の優先度と
したあとは自局が送信する制御信号に含める前記同期確
立情報を同期確立済みを示す状態に変更する状態変更手
段を備えたことを特徴とするものである。
【0028】請求項18記載の発明は、請求項16又は
17記載の発明において、前記同期化キー局の指定を、
指定対象の無線基地局の設置時に行う手段を備えたこと
を特徴とするものである。
【0029】請求項19記載の発明は、請求項13、1
4、15、16、17又は18記載の発明において、前
記各無線基地局の同期確立手段は、前記送信基地局との
同期確立に際し、この送信基地局との間の電波の伝播遅
延時間に基づいて、この送信基地局が送信する信号の送
信開始時点を補正することを特徴とするものである。
【0030】請求項20記載の発明は、請求項19記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための電
波の伝播遅延時間を、前記各無線基地局がカバーするゾ
ーンの大きさに基づいて予め定められた時間から決定さ
れることを特徴とするものである。
【0031】請求項21記載の発明は、請求項19記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための電
波の伝播遅延時間を、予め求められて前記各無線基地局
に記憶されている電波の遅延時間から決定することを特
徴とするものである。
【0032】請求項22記載の発明は、請求項19記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための電
波の伝播遅延時間を、前記各無線基地局と送信基地局と
の間で所定の信号を所定の時間間隔で反復的に送受信
し、前記所定の往復に要した時間に基づいて決定するこ
とを特徴とするものである。
【0033】請求項23記載の発明は、請求項16又は
17記載の発明において、前記所定期間は、前記制御信
号を受信しない旨の判断を連続して所定回数行うのに要
する期間であることを特徴とするものである。
【0034】請求項24記載の発明は、請求項13、1
4、15、16、17、18、19、20、21、22
又は23記載の発明において、前記各無線基地局は、同
期確立処理を行う場合には、同期確立に先立って自局の
前記同期確立情報を同期未確立の状態に変更する手段を
有することを特徴とするものである。
【0035】請求項25記載の発明は、自局ゾーン内の
移動局との間で無線通信を行う複数の無線基地局で構成
される移動体通信システムであって、前記複数の無線基
地局は、自局が送信する無線信号が同期に関する優先度
情報を含んだ第一の無線信号を所定の時間間隔で送信す
る第一の無線基地局と、前記第一の無線基地局が送信す
る前記第一の無線信号を受信して、前記第一の無線基地
局がその後に送信する前記第一の無線信号と同期し、か
つ、前記第一の無線基地局が有する優先度と同じ優先度
の優先度情報を含んだ第二の無線信号を送信する第二の
無線基地局と、を有することを特徴とするものである。
【0036】請求項26記載の発明は、請求項25記載
の発明において、前記第二の無線基地局は、前記第一の
無線基地局と自局との間の電波の伝播時間に基づいて、
自局より送信する前記第二の無線信号の送信開始時点を
補正する補正手段を有することを特徴とするものであ
る。
【0037】請求項27記載の発明は、請求項25記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための時
間を前記第二の無線基地局が担当する領域の大きさに基
づいてあらかじめ定められた時間から決定することを特
徴とするものである。
【0038】請求項28記載の発明は、請求項25記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための時
間を、予め求められ所定の記憶手段に記憶されている電
波の伝播遅延時間から決定することを特徴とするもので
ある。
【0039】請求項29記載の発明は、請求項25記載
の発明において、前記補正手段は、前記補正のための時
間を、前記第一の無線基地局と前記第二の無線基地局と
の間で所定の信号を所定の時間間隔で反復的に送受信
し、前記所定の信号の往復に要した時間を測定すること
により決定することを特徴とするものである。
【0040】請求項30記載の発明は、複数の無線基地
局を有する移動体通信システムにおいて、各無線基地局
は、自局が送信する制御信号に、同期確立に関する自局
の優先度を示す優先度情報及び自局が他の無線基地局に
対し同期確立済みか否かを示す同期確立情報を含める手
段と、他の無線基地局に対する同期未確立状態におい
て、前記他の無線基地局から受信した制御信号に含まれ
る優先度情報により前記他の無線基地局の優先度が自局
が同期化してよい優先度を持っているか否かを判断する
優先度判定手段と、前記他の無線基地局の優先度が自局
が同期化してよい優先度を持っている場合において、前
記同期確立情報が同期確立済みであることを示している
場合には前記他の無線基地局への同期化を実行する手段
と、前記他の無線基地局に同期化した場合には、自局の
優先度を前記他の無線基地局の優先度と同じにして前記
制御信号にその旨の優先度情報を含める手段と、を備え
たことを特徴とするものである。
【0041】請求項31記載の発明は、請求項30記載
の発明において、各無線基地局は、更に、同期未確立状
態で他の無線基地局から前記制御信号を所定期間にわた
って受信しないと判定した場合において、自局が同期確
立のためのキー局に指定されているときは、自局の同期
確立情報を同期確立済みであることを示す状態に移行さ
せ、自局が前記キー局に指定されていないときは、自局
の同期確立情報を同期未確立であることを示す状態を維
持する手段を備えたことを特徴とするものである。
【0042】請求項32記載の発明は、請求項30又は
31記載の発明において、前記キー局に関する指定は、
無線基地局の設置時点に行われることを特徴とするもの
である。
【0043】請求項33記載の発明は、請求項32記載
の発明において、前記キー局に関する指定は、各無線基
地局の設置後に上位の装置の制御に基づき指定の変更が
可能であることを特徴とするものである。
【0044】請求項34記載の発明は、請求項30記載
の発明において、前記制御信号は、各無線基地局が自ゾ
ーン内の移動局に向けて送信する報知信号であることを
特徴とするものである。
【0045】請求項35記載の発明は、請求項34記載
の発明において、前記報知信号には発識別符号が含まれ
ており、各無線基地局が前記報知信号を受信したときは
発識別符号の内容を識別することを特徴とするものであ
る。
【0046】請求項36記載の発明は、自局ゾーン内の
移動局との間で無線通信を行う複数の無線基地局を有す
る移動体通信システムであって、各無線基地局は、自局
が他の無線基地局に対して同期確立済みであるか否かを
示す同期確立情報及び同期確立に関する優先度情報を含
む制御信号を送信する送信手段と、他の無線基地局の送
信手段が送信した前記制御情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記制御受信に含まれる前記優
先度情報に基づいて前記他の無線基地局が同期してよい
無線基地局か否かを判定する優先度判定手段と、前記優
先度判定手段の判定結果に基づいて、前記他の無線基地
局が同期してよい無線基地局であるときは、前記制御信
号に含まれる同期確立情報に基づいて前記他の無線基地
局が同期確立済みか否かを判定し、同期確立済みであれ
ば前記他の無線基地局との間で同期確立を行う同期確立
手段と、同期確立を行ったときは自局の優先度が前記他
の無線基地局と等しくなるよう更新する優先度更新手段
と、を備えたことを特徴とするものである。
【0047】請求項37記載の発明は、請求項36記載
の発明において、前記無線基地局間で使用する通信方式
は、TDMA通信方式又はCDMA通信方式を含むこと
を特徴とするものである。
【0048】請求項38記載の発明は、請求項36又は
37記載の発明において、前記送信手段は、前記制御信
号を間欠的に送信することを特徴とするものである。
【0049】請求項39記載の発明は、請求項36、3
7又は38記載の発明において、前記各無線基地局は、
他の無線基地局に対する同期未確立状態において他の無
線基地局から前記制御信号を所定期間にわたって受信し
ない場合において、自局が同期確立のためのキー局に指
定されているときは、自局の同期確立状態を同期確立済
みであることを示す状態に移行させ、自局が前記キー局
に指定されていないときは自局の同期確立状態を同期未
確立であることを示す状態を維持する手段を更に備えた
ことを特徴とするものである。
【0050】請求項40記載の発明は、移動体通信シス
テムを構成する第一の無線基地局と第二の無線基地局と
を同期するための同期システムであって、上記第一及び
第二の無線基地局は、それぞれ、自局の優先度情報を含
んだ信号を送信するための送信手段と、相手局の送信手
段から送信された信号を受信するための受信手段と、こ
の受信手段で受信した相手局の信号に含まれる優先度情
報と自局の優先度情報とを比較するための比較手段と、
この比較手段による比較の結果に基づいて自局の無線送
信信号を相手局の無線送信信号に同期させるための同期
手段と、この同期手段で同期させた上記相手局の優先度
情報にあわせて自局の優先度を変更するための優先度変
更手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0051】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成により、各無
線基地局は、同期確立に関する優先度情報及び自局が他
の無線基地局との間で同期確立済みであるか否かを示す
同期確立情報を制御信号に含めて送信する。この制御信
号を受信した無線基地局のうち同期未確立のものは、優
先度情報によってその制御信号を送信した無線基地局
(相手局)が同期してよい局か否かを判定するととも
に、受信した制御信号に含まれる同期確立情報からこの
相手局が同期確立済みか否かを判定する。そして相手局
が同期して良い局であり、かつ、既に同期確立済みであ
るときは、その相手局との間で同期確立を行う。このよ
うにして、各無線基地局は、上位局による制御になんら
依存することなく、自律的制御のみによって相互の同期
を確立することができる。また、相手局に同期したとき
に、自局の優先度を相手局と同じ優先度に更新すること
により、新たな無線基地局を既に同期化した無線基地局
と多重ゾーンを形成するように増設するときに、新たな
無線基地局に予め低い優先度を与えておくと、同期化に
より両者の優先度は等しくなる。これにより、新たな無
線基地局を次々に増設するとそれらは同期化した無線基
地局の優先度を引き継ぎ、多重ゾーンを形成するすべて
の無線基地局の優先度はすべて等しくなる。
【0052】請求項2記載の発明は前記の構成により、
優先度情報に基づいた判定において、相手局の優先度が
自局の優先度と等しいか又は高いときのみ同期してよい
無線基地局と判定することにより、相手局の優先度が自
局の優先度よりも小さい場合には当該相手局との間で同
期化は行わない。
【0053】請求項3記載の発明は前記の構成により、
予め優先度を1だけ下げておくことによって、優先度情
報に基づいた判定は、相手局の優先度が自局の優先度よ
りも高いか否かのみの判断となり、判定内容が簡素化さ
れる。
【0054】請求項4記載の発明は前記の構成により、
同期化キー局の指定を行うことにより、例えば下位の無
線基地局の制御を行う上位の無線基地局を、優先的に他
局から同期化されるキー局とすることができる。したが
って、新たな移動体通信システム網を構築する場合など
に、最初に設置する無線基地局をキー局に指定しておけ
ば、これが発する制御信号の同期確立情報は既に同期確
立済みの状態となっており、これに隣接して次々に増設
される新たな無線基地局は、このキー局を基本局として
次々に同期確立がされてゆく。
【0055】請求項5記載の発明は前記の構成により、
同期化するために優先度を1だけ下げたにもかかわら
ず、同期化すべき相手局が見つからないときは、その優
先度を元の優先度に戻すことにより、正しい優先度を維
持することができる。
【0056】請求項6記載の発明は前記の構成により、
キー局とすべきか否かは通常その無線基地局の設置時に
分かるので、無線基地局を新たに設置するときにキー局
に指定しておけば、その後にキー局に指定するという制
御は不要となる。
【0057】請求項7記載の発明は前記の構成により、
送信基地局との同期化は電波で送られてくる制御信号に
基づいて行うので、送信基地局との間の距離によって電
波の遅延に基づくずれは避けられない。この電波の遅延
時間を、自局と相手局との間で何回か電波信号の授受を
行い、それに基づいて所定の演算を行うことにより正確
に求めることができ、この求めた伝播遅延時間から送信
基地局が送信した信号の送信開始時点を補正することに
より、正確な同期化が可能となる。
【0058】請求項8記載の発明は前記の構成により、
隣接する各無線基地局の距離は無線基地局がカバーする
ゾーンの大きさに基づいて定められるので、この距離が
わかれば、電波の遅延時間は求められ、この求めた遅延
時間から送信基地局が送信した信号の送信開始時点を補
正することにより、正確な同期化が可能となる。
【0059】請求項9記載の発明は前記の構成により、
予め求められ記憶されている遅延時間によって電波の伝
播遅延時間を決定することにより、同期化を行うたびに
伝播遅延の測定を行う必要はなく、簡単に送信基地局が
送信した信号の送信開始時点を補正でき、正確な同期化
が可能となる。
【0060】請求項10記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局と送信基地局との間で所定の信号を反
復的に送受信して、それに要する時間から伝播遅延時間
を求めることにより、伝播遅延時間を一層正確に求める
ことができ、より正確な同期化が可能となる。
【0061】請求項11記載の発明は前記の構成によ
り、請求項4又は5記載の発明と同様の作用を奏する。
【0062】請求項12記載の発明は前記の構成によ
り、同期確立処理を行う前に同期確立情報を同期未確立
の状態とすることにより、自局が同期確立中は、他の無
線基地局が同期未確立の自局に対して同期確立処理を行
うことはない。
【0063】請求項13記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局は、同期確立に関する優先度情報及び
自局が他の無線基地局との間で同期確立済みであるか否
かを示す同期確立情報を制御信号に含めて送信する。こ
の制御信号を受信した無線基地局のうち同期未確立のも
のは、優先度判定手段により、優先度情報によってその
制御信号を送信した無線基地局(相手局)が同期してよ
い局か否かを判定する。相手局が同期して良い局である
ときは、同期確立手段により、受信した制御信号に含ま
れる同期確立情報からこの相手局が同期確立済みか否か
を判定し、既に同期確立済みであるときは、相手局との
間で同期を確立する。また、相手局に同期化したとき
に、優先度更新手段により、自局の優先度を相手局と同
じ優先度に更新することにより、新たな無線基地局を既
に同期化した無線基地局と多重ゾーンを形成するよう増
設するときに、新たな無線基地局に予め低い優先度を与
えておくと、同期化により新たな無線基地局の優先度は
既設の無線基地局の優先度と等しくなる。
【0064】請求項14記載の発明は前記の構成によ
り、優先度判定手段は前記の動作を行うことにより、相
手局の優先度が自局の優先度と等しいか又は自局の優先
度よりも高いと判定したときのみ相手局との間で同期化
を行う。
【0065】請求項15記載の発明は前記の構成によ
り、優先度判定手段は前記の動作を行うことにより、優
先度情報に基づいた判定は、相手局の優先度が自局の優
先度よりも高いか否かのみの判断となり、判定内容が簡
素化される。
【0066】請求項16記載の発明は前記の構成によ
り、同期化キー局に指定する手段によっていくつかの無
線基地局に対し同期化キー局の指定を行うことにより、
例えば下位の無線基地局を制御する上位の無線基地局を
優先的に他局から同期化されるキー局とすることができ
る。したがって、新たな移動体通信システム網を構築す
る場合などに、最初の無線基地局をキー局に指定してお
けば、これが送信する制御信号の同期確立情報は既に同
期確立済みの状態となっており、これに隣接して次々に
増設される新たな無線基地局は、このキー局を基本局と
して次々に同期確立されてゆく。
【0067】請求項17記載の発明は前記の構成によ
り、同期化するために優先度を1だけ下げたにもかかわ
らず、同期化すべき相手局が見つからないときは、優先
度変更手段によってその優先度を元の優先度に戻すこと
により、正しい優先度を維持することができる。
【0068】請求項18記載の発明は前記の構成によ
り、キー局とすべきか否かは通常その無線基地局の設置
時に分かるので、無線基地局を新たに設置するたときに
キー局に指定しておけば、その後にキー局に指定すると
いう制御は不要となる。
【0069】請求項19記載の発明は前記の構成によ
り、送信基地局との同期化は電波で送られてくる制御信
号に基づいて行うので、電波の遅延時間を、自局と相手
局との間で何回か電波信号の授受を行い、それに基づい
て所定の演算を行うことにより正確に求めることがで
き、この求めた伝播遅延時間から送信基地局が送信した
信号の送信開始時点を補正することにより、正確な同期
化が可能となる。
【0070】請求項20記載の発明は前記の構成によ
り、隣接する各無線基地局の距離は無線基地局がカバー
するゾーンの大きさに基づいて定められるので、この距
離がわかれば、電波の遅延時間は求められ、この求めた
遅延時間から送信基地局が送信した信号の送信開始時点
を補正することにより、正確な同期化が可能となる。
【0071】請求項21記載の発明は前記の構成によ
り、予め求められ記憶されている遅延時間によって電波
の伝播遅延時間を決定することにより、同期化を行うた
びに伝播遅延の測定を行う必要はなく、簡単に送信基地
局が送信した信号の送信開始時点を補正でき、正確な同
期化が可能となる。
【0072】請求項22記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局と送信基地局との間で所定の信号を反
復的に送受信して、それに要する時間から伝播遅延時間
を求めることにより、伝播遅延時間を一層正確に求める
ことができ、より正確な同期化が可能となる。
【0073】請求項23記載の発明は前記の構成によ
り、請求項16又は17記載の発明と同様の作用を奏す
る。
【0074】請求項24記載の発明は前記の構成によ
り、同期未確立の状態に変更する手段によって同期確立
処理を行う前に同期確立情報を同期未確立の状態とする
ことにより、自局が同期確立中は、他の無線基地局が同
期未確立の自局に対して同期確立処理を行うことはな
い。
【0075】請求項25記載の発明は前記の構成によ
り、第二の無線基地局が第一の無線基地局に同期化する
と、第二の無線基地局が送信する第二の無線信号には、
既に同期確立済みである旨を示す同期確立情報、及び第
一の無線基地局と同じ優先度の優先度情報を含む。した
がって、第二の無線信号を受信する別の無線基地局は、
この第二の無線信号に基づいて第二の無線基地局に同期
化することができる。
【0076】請求項26記載の発明は前記の構成によ
り、電波の伝播時間に基づいて補正することにより、正
確な補正が可能となり、これにより、第一及び第二の無
線基地局の無線信号の送信開始時点を正確に一致させる
ことができる。
【0077】請求項27記載の発明は前記の構成によ
り、隣接する無線基地局の設置間隔は各無線基地局が担
当する領域の大きさに基づいて決められるので、この領
域の大きさから予め補正すべき時間を求めることがで
き、第二の無線基地局の送信時点を補正することができ
る。
【0078】請求項28記載の発明は前記の構成によ
り、すでに伝播遅延時間を求めてあるときは、これを記
憶手段に記憶させておき、後に改めて補正が必要となっ
たときには既に記憶されている伝播遅延時間を読み出す
ことにより、簡単に補正ができ、効率が向上する。
【0079】請求項29記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局と送信基地局との間で所定の信号を反
復的に送受信して、それに要する時間から伝播遅延時間
を求めることにより、伝播遅延時間を一層正確に求める
ことができ、同期化もより正確となる。
【0080】請求項30記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局は、優先度情報及び同期確立情報を含
める手段によって、優先度情報及び同期確立情報が含め
られた制御信号を隣接する無線基地局間どうしで送受信
する。この制御信号を受信した無線基地局のうち同期未
確立のものは、優先度判定手段により、優先度情報によ
ってその制御信号を送信した無線基地局(相手局)が同
期してよい局か否かを判定する。相手局が同期して良い
局であるときは、同期化を実行する手段により、受信し
た制御信号に含まれる同期確立情報からこの相手局が同
期確立済みか否かを判定し、既に同期確立済みであると
きは、相手局との間で同期を確立する。相手局に同期化
したときは、自局の優先度を相手局と同じにしてその旨
を自局が送信する制御信号に含める。
【0081】請求項31記載の発明は前記の構成によ
り、自局が同期化のためのキー局に指定されているか否
かを判定することにより、無線基地局を設置後にキー局
に指定した場合にも、その無線基地局にキー局としての
動作を行わせることができる。
【0082】請求項32記載の発明は前記の構成によ
り、その無線基地局をキー局とすべきか否かは、通常そ
の無線基地局の設置時に分かるので、無線基地局を新た
に設置するときにキー局に指定しておけば、その後にキ
ー局に指定するという制御は不要となる。
【0083】請求項33記載の発明は前記の構成によ
り、上位の装置の制御に基づいてキー局の指定又はその
解除が可能なことにより、多数の無線基地局に対して一
か所で制御ができるので、キー局に関する指定の制御の
ための労力が軽減される。
【0084】請求項34記載の発明は前記の構成によ
り、公知の報知信号を制御信号として送信することによ
り、報知信号の中のユニークワード、チャンネルビッ
ト、発識別符号などの内容を識別することにより、無線
基地局の特定や同期化動作などを行うことができる。
【0085】請求項35記載の発明は、報知信号中に発
識別符号を含むことにより、報知信号を受信した各無線
基地局は、前記発識別符号の内容を識別して、当該報知
信号を送信した無線基地局を特定することができる。
【0086】請求項36記載の発明は前記の構成によ
り、無線基地局どうしの間で制御信号を無線で送受信す
ることにより、制御信号の中の同期確立情報に基づいて
互いに相手局が同期確立済みであるか否かを判定するこ
とができる。同期確立手段は、この判定結果に基づいて
同期化を実行するか否かを決定し、同期化を実行する旨
の決定をしたときは、前記制御信号に基づいて同期化を
実行する。
【0087】請求項37記載の発明は前記の構成によ
り、無線基地局間の通信をTDMA方式又はCDMA方
式などのディジタル通信で行うことができる。
【0088】請求項38記載の発明は前記の構成によ
り、必要となったときに直ちに同期化を実行できる程度
の間をおいた間欠的な信号として制御信号を送信するの
で、無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0089】請求項39記載の発明は前記の構成によ
り、自局が同期化のためのキー局に指定されているか否
かを判定することにより、無線基地局を設置した後でキ
ー局に指定した場合にも、その無線基地局にキー局とし
ての動作を行わせることができる。
【0090】請求項40記載の発明は前記の構成によ
り、各無線基地局は、相手局の優先度情報を比較手段に
よって自局の優先度情報と比較し、この比較結果に基づ
いてその相手局に同期するか否かを判断するので、上位
局の制御を必要としないで自律的に同期処理を行うこと
ができる。また、相手局に同期したときは、優先度更新
手段によって自局の優先度をその相手局の優先度に更新
するので、互いに同期した無線基地局はみな等しい優先
度を有する。
【0091】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施例で
ある無線基地局間の同期確立方法及びこれを用いた移動
体通信システムについて説明する。ここで図1は、本発
明の一実施例の方法を示すフローチャート、図2は本発
明の他の実施例の方法を示すフローチャート、図3は本
発明の一実施例である移動体通信システムの無線基地局
と移動通信制御局の構成を示すブロック図、図4は本発
明の他の実施例である移動体通信システムの無線基地局
と移動通信制御局の構成を示すブロック図、図5は図4
の同期確立制御装置25の構成の一例を示すブロック
図、図6は本発明の一実施例において使用する報知信号
の構成の一例を示す信号フォーマット図、図7は本発明
の一実施例において同期確立時に行われる電波の伝播時
間の実測方法の一例を説明する図、図8は本発明の一実
施例において同期確立時に行われる電波の伝播時間の実
測方法の他の一例を説明する図、図9は本発明の一実施
例の移動体通信システムの構成の一例を模式的に示す図
である。
【0092】一般に移動体通信システムでは、各無線基
地局が、報知信号 (broadcast signal) によって代表さ
れる制御信号を、自局がカバーするゾーン内に、所定の
周期で間欠的に送信している。この報知信号は、例え
ば、各ゾーン内の移動局がどのゾーン内に存在するのか
を識別できるように、このゾーンをカバーする無線基地
局を特定するための発識別信号 (transmitter identifi
cation signal)と、このゾーン内で使用する各種の仕様
を示す信号などを含んでいる。
【0093】本実施例の移動体通信システムにおいて
は、各無線基地局どうしの間で多重ゾーンが形成されて
いる。図9はこの様子を示しており、複数の無線基地局
201〜205がカバーするサービスゾーンが互いにオ
ーバーラップして、一つの多重ゾーンを形成している。
同様に、複数の無線基地局207〜213のカバーする
サービスゾーン、及び無線基地局220,221のカバ
ーするサービスゾーンも互いにオーバーラップして一つ
の多重ゾーンを形成している。
【0094】上記無線基地局201〜205は、一つの
交換局または移動通信制御局301に有線伝送路26で
接続され、異なる無線基地局のサービスゾーン内に存在
する移動局間の通信は移動通信制御局301を介して行
われる。同様に、無線基地局207〜213及び22
0,221もそれぞれ移動通信制御局302又は303
に有線伝送路26で接続され、異なる基地局のサービス
ゾーン内に存在する移動局間の通信は移動通信制御局3
02又は303を介して行われる。移動通信制御局30
1〜303は、更に上位の交換局110に接続され、例
えば無線基地局201のサービスゾーン内に存在する移
動局と無線基地局207のサービスゾーン内に存在する
移動局との間の通信は、移動通信制御局301,302
と、更に上位の交換局110とを介して行われる。
【0095】図3は、図9に例示した多重ゾーン構成の
移動体通信システム内の各無線基地局201〜205等
と、その上位の移動通信制御局301等の構成を一つの
無線基地局20とその上位の一つの移動通信制御局30
とによって代表して示すブロック図である。この移動体
通信システムは上記無線基地局(BS)20と、その上
位の移動通信制御局(MCC)30とに加えて、無線基
地局20がカバーするゾーン内に存在する複数の移動局
(MS)41,42・・・とを含んでいる。移動局4
1,42・・・と無線基地局20との間には、移動局4
1,42・・・に備えられたアンテナ61,62・・・
と、無線基地局20に備えられたアンテナ70とを介し
て無線回線が設定される。移動通信制御局30は、例え
ば構内交換機の一部として設置され、有線伝送路26,
29を介して無線基地局20に接続されている。
【0096】移動局41,42・・・のアンテナ61,
62・・・から送信され、無線基地局20のアンテナ7
0に受信された受信信号は、共通増幅器(AMP)21
と変複調装置(MDE)22とを介して多重化装置(M
UX)23に入力される。信号線26と制御信号線29
とを複数図示しているのは、この移動通信制御局30に
無線基地局20の他に多数の無線基地局が接続されてい
ることを示すためである。一つの多重ゾーンに含まれる
複数の無線基地局と上位の移動通信制御局30との間の
通信は、伝送路26の効率的使用のため、例えばTDM
A方式により行われる。すなわち、各無線基地局と移動
通信制御局30との間の通信のために、ディジタル形式
の所定の通信信号中に設けられた複数のタイムスロット
が各無線基地局に割当てられる。各無線基地局と移動通
信制御局との間の通信は、通信しようとする情報を各無
線基地局に割り当てられたタイムスロットに書き込んだ
多重化信号を用いて行われる。
【0097】多重化装置23は、無線基地局20がその
サービスゾーン内に存在する移動局41,42・・・か
ら受信した信号を一旦記憶し、これらをこの無線基地局
20に割当てられたタイムスロットに書き込むことによ
り多重化信号に変換する。この変換された多重化信号
は、伝送路26を介して移動通信制御局30内の多重化
装置(MUX)32に転送される。この多重化装置32
に転送された多重化信号は、多重化前の状態に逆変換さ
れ、音声処理装置(SPE)31を介して移動通信交換
機(MCX)33に転送される。移動通信交換機(MC
X)33の出力信号線34は公衆網(PSTN)へ接続
される。
【0098】公衆網から移動通信制御局30に転送され
てきた移動局への送信信号は、上述の各部内を逆向きに
無線基地局20に転送され、上述の各部による同様な変
換や逆変換を受けてアンテナ70から移動局41,42
・・・に向けて送信される。上記変複調装置22と移動
通信交換機33は、それぞれ双方向のディジタル信号線
27,29を介して基地局制御装置(BCE)24から
同期化を含む各種の制御を受けており、保守・監視等に
不可欠な各種信号もこれらのディジタル信号線27,2
9を通して収集され、必要に応じて保守・監視信号線3
5を介して公衆網のデータベースなどに双方向伝送され
る。基地局制御装置(BCE)24は、同期確立制御装
置を含んでおり、受信した制御信号や報知信号に基づい
て、この受信した報知信号のタイミングと自局から送信
する報知信号のタイミングとを一致させる同期化処理を
行う。この同期化処理については、後に図3を参照して
詳細に説明する。
【0099】図4は、上記実施例の移動体通信システム
に含まれる無線基地局20とその上位の移動通信制御局
30の他の構成例を示すブロック図である。この構成例
は、小規模の無線基地局に適しており、移動通信制御局
30は、公衆電話通信網を構成する加入者交換機の加入
者回路内などに設置されている。尚、図4において、図
3と同一の構成要素については同一の符号を付し、その
詳細な説明を省略する。
【0100】図4の移動体通信システムでは、図3の基
地局制御装置(BCE)24のうち同期確立制御に関す
る部分のみを分離し、同期確立制御装置(SC)25と
して無線基地局20内に設置し、その他の部分を基地局
制御装置(BCE)36として移動通信制御局30内に
設置してある。これに伴い、基地局制御装置36と同期
確立制御装置25との間を接続する制御信号線28が新
たに必要となるが、マイクロゾーン方式の課題である無
線基地局の簡易化、小型化、低廉化が可能となり、実用
化が容易となる。信号線26と制御信号線28とを複数
図示しているのは、複数の無線基地局を想定しているこ
とによる。
【0101】図5は、図4の同期確立制御装置25の構
成の一例を示すブロック図であり、51は制御部、52
はディジタル相関器、53は比較判定回路、54は自局
送信タイミング管理メモリ、55は同期ずれ時間補正回
路、56はデータ配列回路である。この同期確立制御装
置25は、図4の変複調装置22から信号線27上に出
力される同期確立済みの他の無線基地局から受信した受
信報知信号に基づき、この受信報知信号の送信元の無線
基地局における送信タイミングと、自局から送信する送
信報知信号の送信タイミングとを一致させる同期確立制
御を実行する。制御部51は、また、同期確立情報の送
信報知信号への書き込みや変更を行い、更に、上記同期
確立に際し他の無線基地局との間の電波の伝播所要時間
に関するデータを内蔵のメモリ51−2に記憶する。
【0102】上記無線基地局間の同期確立に利用される
報知信号は、各無線基地局が自ゾーン内の全ての移動局
に対してそこが自ゾーンである旨を報知するために、数
秒程度の一定周期で間欠的に送信する所定フォーマット
のディジタル制御信号である。図6は、この報知信号の
構成の一例を示す信号フォーマット図である。SSはこ
の報知信号の先頭を示すスタートシンボルのビット、R
はスタートシンボルのビットSSを確実に受信するため
の余裕を与えるための応答用ランプタイムのビット、P
Rはこの報知信号のデータビットの同期に用いるプリア
ンブルのビット、UWはフレーム同期の検出に用いるユ
ニークワードビットである。
【0103】更に、CIはこの報知信号の通信に用いら
れるチャンネルを示すビット、SIはこの報知信号の送
信元の無線基地局を特定するための発識別符号を示すビ
ット、BCCHは各種報知メッセージを表すビット、C
RCは誤りチェックに用いる巡回符号のビット、Gはス
ロット間のタイミングずれを補正するためのガードビッ
トである。上記各ビットは、全て公知のものである。上
述の発識別符号SIは更に、この報知信号が関連するシ
ステムを識別するためのシステム呼出し符号または事業
者呼出し符号EIDと、付加IDとを含んでいる。同期
確立済みか、同期未確立かを示すビットSEは、付加I
Dの中に含まれている。
【0104】次に、図5の同期確立制御装置25が実行
する受信報知信号を利用した同期確立制御処理を図1及
び図2のフローチャートを参照しながら説明する。尚、
最初に図1に沿って処理動作を説明したあとで、図1と
は別の実施例である図2の動作を説明するが、図2にお
いて、図1と同じ処理内容のステップについては同一符
号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0105】図1の同期確立制御処理は、同期確立制御
装置25の中の制御部51(図5)に組み込まれたマイ
クロコンピュータによって実行される。同期確立制御装
置25は、電源投入によってシステムを立ち上げた時、
あるいは後述のように、例えば運用中に報知信号の電波
が何らかの原因で届かなくなって他の無線基地局との間
で同期未確立状態となったことを比較判定回路52が検
出した時に、図1のフローチャートに示す同期確立制御
処理を開始する。
【0106】同期確立制御処理を開始した制御部51
は、図1のステップS1において、まず自局が他の無線
基地局に対して同期確立状態にあるか否かを示す1ビッ
トの同期確立情報を保持する内蔵のフリップフロップを
“1”(同期確立状態)から“0”(同期未確立状態)
に反転し、ステップS2又はステップS3において他の
無線基地局が送信する報知信号の受信待ち状態に移行す
る。
【0107】無線基地局が、他の無線基地局からの報知
信号を受信すると、ディジタル相関器52と比較判定回
路53とによって、制御部51から設定されたユニーク
ワードと、図4の変複調装置22から双方向の制御信号
線27上に出力されたディジタル受信信号に含まれるユ
ニークワードとの比較判定が行われる。すなわち、比較
判定回路53は、不一致のビット数が所定値以下であれ
ば一致と判定し、不一致のビット数が所定値より大きけ
れば不一致と判定する。比較判定の結果が一致の場合に
は、比較判定回路53から制御部51に報知信号を受信
した旨の通知が行われる。
【0108】報知信号を受信した旨の通知を受けた制御
部51は、受信報知信号に含まれる発識別符号の内容を
識別する(ステップS3)。具体的には、発識別符号に
含まれるシステム呼出し符号または事業者呼出し符号E
IDと、付加IDなどを認識する。これにより、例えば
相手局が自局と同一の事業者に属するものであることな
どが判別される。
【0109】次に、ステップS4において優先度情報の
判別を行う。この優先度に関する情報は図6に示した報
知信号中の付加IDの特定ビットKRに書き込まれてい
る。この優先度は、後述するように、同期化を実行した
後に同期化した相手局と同じ優先度に自動的に更新され
る他、その無線基地局の設置後に上位局の制御によって
変更することも可能である。尚、優先度に基づいて同期
化することに関しては、その無線基地局が同期化キー局
に指定されているか否かとは無関係である。
【0110】ステップS4では、自局の優先度をa、相
手局の優先度をbとし、相手局の優先度bが自局の優先
度aよりも大きいか又は等しい(b≧a)か否かを判定
する。ステップS4において、b≧aと判定されると、
ステップS5以降の動作を行う。これに対し、b<aの
とき、すわなち相手局の優先度が自局の優先度よりも低
いときは、その相手局が同期化を行うべき相手ではない
と判断し、それ以降の同期化動作は行わず、図1の動作
を終了する。
【0111】上記のステップS4でb≧aと判定したと
きは、ステップS5において、発識別符号の中に含まれ
る同期確立情報(SE)を判別する。この同期確立情報
は、その報知信号を送信した無線基地局が別の無線基地
局に対して既に同期確立済みであればオン(“1”)に
設定されており、他の無線基地局に対して同期未確立の
状態であればオフ(“0”)に設定されている。制御部
51は、上記同期確立情報が“1”に設定されていると
判定すると、ステップS6以降の同期化を実行する。
【0112】ところで、同期化を実行するためには電波
の伝播遅延時間の測定データが必要となるが、伝播遅延
時間の測定には、後述のように自局と相手局との間で電
波信号のやりとりが何回か必要となる。したがって、同
期化のたびに伝播遅延時間の測定を行っていたのでは、
通信に使用できる電波が減ることになり、電波の利用効
率が低下するという問題がある。そこで本実施例では、
無線基地局との間で伝播遅延時間の測定を行ったとき
は、そのデータを履歴情報と共に制御部51に内蔵され
たメモリ51−2に格納し、次回に同じ無線基地局との
間で同期化を行うときは、メモリ51−2に既に記憶さ
れている伝播遅延時間に関するデータを読み出し、これ
を利用して同期化を行う。
【0113】このために、ステップS6では、メモリ5
1−2に格納された履歴情報を読み出して、発識別符号
の内容から特定した相手局との間で、過去に同期化を行
ったことがあるかどうかを判別する。そして、過去にそ
の相手局との間で同期化を行ったことがある場合には、
その伝播遅延時間に関するデータをメモリ51−2から
読み出し(ステップS14)、このデータを用いて同期
化を実行する(ステップS15)。このようにすると、
ステップS7又はステップS15において同期確立化の
たびに電波の伝播遅延時間の測定を反復するという無駄
を省くことができる。尚、かかる処理は、無線基地局が
一旦設置された後は、電源のオン、オフはあってもその
設置位置が変更されることは稀であるということが前提
となっており、相手局の設置位置が変更された場合には
もう一度伝播遅延時間の測定を行う必要がある。
【0114】一方、ステップS6において、その相手局
との間で過去に同期化を行ったことがないと判断した場
合には、その段階で実際に伝播遅延時間の測定を行い、
このデータに基づいて同期化を実行する(ステップS
7)。この測定で得られた伝播遅延時間のデータは、次
回の同期化のためにメモリ51−2に格納される。尚、
本実施例で行う伝播遅延時間の測定の詳細については、
後述する。
【0115】上記ステップS7又はステップS15にお
ける同期化は、図5の自局送信タイミング管理メモリ5
4で管理中の自局からの送信報知信号の送信タイミング
と、受信した報知信号の受信タイミングとのずれ時間を
算定し、このずれ時間の補正値を同期ずれ時間補正回路
55に設定すると共に、自局送信タイミング管理メモリ
54内の管理データを受信報知信号の送信元の無線基地
局における送信タイミングにほぼ一致するように変更す
ることにより実行される。
【0116】ここで、受信報知信号の受信タイミングか
らその送信元の無線基地局における送信タイミングを正
確に割り出すには、この報知信号を送信した他の無線基
地局との間の電波の伝播遅延時間、すなわち当該他の無
線基地局との間の正確な距離を知ることが必要となる。
一例として、この距離をPHPの平均的なゾーン半径
(例えば100メートル)と見做し、その伝播遅延時間
に等しい0.33μs を補正することにより、自局送信タイ
ミングを受信報知信号の送信元の送信タイミングにほぼ
一致させる。制御部51は、上記同期化の実行が終了す
ると、内蔵のフリップフロップで管理中の同期確立情報
をオフ(“0”)からオン(“1”)に反転する。
【0117】上記伝播遅延時間の補正方法の他の例とし
て、次のような方法を採用することもできる。すなわ
ち、各無線基地局の設置時に各無線基地局と他の各既設
無線基地局との間の電波の伝播遅延時間を両者の既知の
距離から算定して、この伝播遅延時間の算定値を制御部
51内のメモリ51−2に格納しておき、上記ステップ
S15で同期化処理を実行する際に、受信報知信号の送
信元の無線基地局に関する伝播遅延時間の算定値をメモ
リ51−2から読み出して補正に使用する。この場合、
自局や他の無線基地局が設置後に移動した場合には、メ
モリ51−2の内容を修正することが必要となる。
【0118】図1のステップS7又はステップS15に
おいて同期化を実行したら、更に、ステップS8におい
て、自局の優先度(a)を相手局の優先度(b)と等し
くなるよう更新し、自局が送信する報知信号の中の優先
度情報を書き換えて、同期確立処理を終了する。このよ
うに、優先度を同期化した相手局の優先度に更新するこ
とにより、従属的に同期化した側の無線基地局は、同期
化した相手局の優先度を順次引き継いで行くことにな
る。
【0119】本出願人は、先に、特許出願(特願平5−
271286)の明細書において、無線基地局間の同期
確立方法及びこれを用いた移動体通信システムを提案し
た。しかし、この無線基地局間の同期確立方法及びこれ
を用いた移動体通信システムでは、優先度を付与するの
は同期化キー局のみであり、同期化キー局以外の無線基
地局には優先度は付与せず、また同期化の際に優先度の
引き継ぎも行われていない。この場合、サービスゾーン
の拡大に伴って異なる同期化キー局から次々と従属同期
されてきた無線基地局どうしが多重ゾーン状態となった
ときに、この多重ゾーン状態となった無線基地局どうし
だけでは、いずれに同期化するのかが不明確となり、上
位の無線基地局からの制御が必要になるという問題があ
る。
【0120】しかしながら、本実施例のステップS8に
おいて、全ての無線基地局が同期化した際に相手局の優
先度を引き継ぐようにすると、異なる同期化キー局から
従属同期されてきた無線基地局どうしが多重ゾーン状態
となった場合にも、上位の無線基地局からの制御を必要
とせずに自律的に優先度に基づく同期化が行われる。
【0121】ステップS2及びステップS9の所定回数
の反復動作が終了するまでに、制御部51が報知信号を
受信しない場合には、自局との間で多重ゾーン状態とな
った他の無線基地局が存在しないものと判定し、ステッ
プS12に移行する。尚、ステップS9では、所定の時
間が経過したか否かを判定するようにしてもよい。制御
部51は、ステップS12において、自局が同期化キー
局に指定されているか否かを判定し、同期化キー局に指
定されている場合にはステップS13に移行し、同期確
立情報をオン(“1”)に変更し、同期確立制御処理を
終了する。これに対して、制御部51は、ステップS1
2において、自局が同期化キー局に指定されていないと
判定すると、同期確立情報をオフ(“0”)状態に保っ
たまま同期確立制御処理を終了する。
【0122】このように動作することの背景には次のよ
うな事情がある。すわなち、自局が他の無線基地局との
間で多重ゾーン状態になっていない場合にステップS
2、ステップS9、及びステップS12の経路において
同期化を行わないのは、多重ゾーン状態になっていない
ので他局との干渉は生ぜず、したがって同期化しなくて
も正常な動作が可能となるからである。その際、ステッ
プS12において、自局が同期化キー局に指定されてい
るときに同期確立情報をオンとするのは、自局よりも優
先度の低い無線基地局が隣接して設置されたときに、そ
の新しい無線基地局を同期化キー局である自局に対して
同期化させるためである。この場合、この新たに設置さ
れた無線基地局は、同期化キー局である自局の優先度を
引き継ぐことになる。尚、各無線基地局を同期化キー局
に指定するか否かは、各無線基地局の設置時に上位局に
よって決定される。同期化キー局の指定及び指定の取消
しは、その無線基地局の設置後に上位局の制御により行
うことも可能である。
【0123】上記のように優先度情報を用いて同期化を
行うと、図1の場合において、ある無線基地局Bが、自
局と多重ゾーン状態にあり、かつ優先度が自局と等しい
か又は自局より高い他の無線基地局A(同期化キー局に
指定されているとする)からの報知信号を受信すると、
この無線基地局Bは無線基地局Aへの同期化を実行し、
同時に無線基地局Aの優先度と等しくなるように自局の
優先度を更新する。その後、別の無線基地局C(優先度
は無線基地局B及びAに等しいか又は低いとする)が、
無線基地局Bからの報知信号を受信すると、この無線基
地局Cは無線基地局Bへの同期化を実行するとともに、
無線基地局Bの優先度と等しくなるように自局の優先度
を更新する。
【0124】このようにして、優先度の高い無線基地局
Aの周囲に多重ゾーンを形成する無線基地局B、C等が
設置されると、これらの無線基地局は、無線基地局Aを
起点として連鎖反応的あるいは将棋倒し状に周辺の無線
基地局へと同期化が進行し、いわゆる従属同期が行われ
る。そして各無線基地局B,Cは、無線基地局Aと等し
い優先度を持つようになる。
【0125】ところで、図1のステップS5において、
同期化しようする相手局の同期確立情報がオフである場
合として、例えばその相手局が何らかの原因で一時的に
電源が切られ、再度電源を立ち上げられた直後の状態な
どが考えられる。この場合、同期化を実行しようとする
無線基地局は、上記相手局以外の無線基地局とも多重ゾ
ーン状態になっている可能性があるので、ステップS1
0〜ステップS2〜ステップS5のループを何回か繰り
返し、自局と多重ゾーン状態となっており、かつ自局と
等しいか又は自局より高い優先度を持った無線基地局で
あるかどうかを判断する。特に、駅や空港などのように
多くの無線基地局が密集していると考えられる場所で
は、かかる動作が必要となる。
【0126】そして上記ステップを所定回数繰り返して
も他に同期化可能な相手局がないと判断した場合には、
ステップS11において同期確立情報がオフとなってい
る最初の相手局が同期化キー局か否かを判断し、同期化
キー局であればステップS7において伝播遅延時間を測
定し、同期化を実行する。相手局が同期化キー局でない
場合は同期化を行わず、同期確立情報もオフの状態を維
持する。尚、いずれの無線基地局も電源が立ち上げられ
た際には、その段階で何処かの無線基地局との間で同期
化を行うはずであり、実際にステップS5において同期
確立情報がオフであることは稀であると考えられる。
【0127】次に、図2に示したフローチャートの動作
について説明する。図2では、ステップS101(図1
のステップS1に対応する)において、まず、同期確立
状態にあるか否かを示す1ビットの同期確立情報を保持
する内蔵のフリップフロップを“1”(同期確立状態)
から“0”(同期未確立状態)に反転するとともに、自
局の優先度aを一つだけ下げてa−1とし、これを自局
の新たな優先度とする。この点が図1の場合と異なる。
【0128】これにより、ステップS104(図1のス
テップS4に対応する)では、相手局の優先度bが自局
の優先度aよりも大きい(b>a)か否かを判定するこ
とになり、図1のステップS4における動作に比べ、判
定内容が簡素化される。また、図2では、ステップS2
及びステップS9において、所定回数の反復動作が終了
するまでに制御部51が報知信号を受信せず、自局との
間で多重ゾーン状態となる他の無線基地局が存在しない
と判定すると、ステップS116において、優先度aを
優先度a+1に変更し、その後に図1の場合と同様にス
テップS12に移行する。これは、ステップS101に
おいて1だけ下げた優先度を元に戻すためである。尚、
前述のように図2のフローチャートにおいて、図1と同
じ処理内容のステップについては、同一の符号を付する
ことにより、その詳細な説明を省略する。
【0129】上述した実施例においては、同期化ずれ時
間の補正は、多重ゾーンを形成する複数の無線基地局間
の平均的距離に対する電波の伝播遅延時間や、他の無線
基地局との実際の距離から算定しメモリに格納済みの電
波の伝播遅延時間に基づいて行われる。しかしながら、
無線基地局間の正確な同期化を実現するには、無線基地
局間の電波の伝播遅延時間を実測によって正確に求める
ことが必要となる。従って、本発明の他の実施例は、複
数の無線基地局間の平均的距離や実際の距離から算定し
た電波の伝播遅延時間に代えて、実測によって基地局間
の電波の伝播遅延時間を正確に求めるように構成されて
いる。まず、本実施例の説明に先立って、無線基地局間
の電波の伝播遅延時間の実情とこれを正確に実測する際
の問題点について説明する。
【0130】マイクロセル移動体通信システムにおいて
は、半径数百メートル〜数十メートルの小ゾーン構成と
なるため、ある無線基地局から放射された電波が隣接の
無線基地局に到達するまでの伝播遅延時間は、通常数百
nsから数μsとなる。この程度の伝播遅延時間は、典
型的な移動体通信システムの制御データの伝送速度と比
較して無視できるほど小さくなる。例えば、実用化が期
待されているPHP (Persnol Handy Phone)では、制御
信号の伝送速度は384Kbps(周期約2.6μs)
となるが、この場合セルの半径として100メートル〜
200メートルが想定されているため、隣接基地局間の
伝播遅延時間は約0.33μs〜0.66μsとなる。
【0131】1991年電子情報通信学会春季全国大会
B344、同秋期大会B251に記載された赤岩らによ
る自律的な基地局間の相互同期方式においても、次のよ
うな問題がある。すなわち、最近の移動体通信システム
では、1992年電子情報通信学会春季大会B−319
などに記載されたように、トラヒックの増減に応じて基
地局の送信電力を増減する方式が提案されているが、こ
の場合各無線基地局の送信電力の増減に伴いフレーム位
相が偏位して信号タイミングの測定値に誤差が生じその
ぶん同期化が不正確になる。さらに、平均的な送信電力
を増減しない場合であっても、TDMA方式では各スロ
ット内にバースト状の電波を放射することから急激な電
力の変動に伴いフレーム位相が偏位し、同期化が不正確
になるという問題もある。
【0132】一般に、移動体通信システムでは、周波数
の有効利用とハンドオーバー機能の高速移動体への対応
などを考慮して、基地局の送信電力の制御は一層複雑に
なる傾向にあり、マイクロセルのセル半径(換言すれば
電波の平均受信レベル)はトラヒックや場所率、さらに
は利用周波数の選定などの条件により動的に変化し一定
ではない。特に、TDMA方式による将来の移動体通信
システムでは、既存の自動車電話システムに相当するセ
ル半径1km〜15kmの大ゾーン(マクロセル)とマ
イクロセルとが混在(オーバーレイ)した構成のシステ
ムが提案されている。
【0133】このようなオーバーレイ・システムにおけ
る無線基地局の同期化については、各無線基地局内の水
晶発振器の周波数偏差によって無線基地局間のフレーム
長がばらつくことによって生ずる同期化誤差よりも、伝
播遅延時間などを補償し切れないことによって生ずる同
期化誤差の方が大きくなる。なお、受信レベルから無線
基地局間の距離を算定することは原理的にも困難であ
り、多重反射によって生じた遅延波(干渉波)を受信す
る場合を考慮すればなおさら困難である。
【0134】次に、本実施例において用いられる無線基
地局間の電波の伝播遅延時間を正確に測定する方法の一
例を図7を参照して説明する。まず、互いに多重ゾーン
を形成するに至った隣接基地局AとBとは、共通の制御
チャネルf1 を使用して伝播遅延時間の測定を行う。図
中f1 に付加した記号TとRはそれぞれ送信用、受信用
を示している。隣接無線基地局AとBは、この伝播遅延
時間の測定の開始に先立って、適当な制御チャネル、例
えば報知信号の所定のスロットを用いて上記無線基地局
間の伝播遅延時間の測定に使用する制御チャネルの周波
数f1 や通信手順について打合せておく。図7の例で
は、無線基地局Aが同期確立済みであり、この無線基地
局Aに対して無線基地局Bが同期化を実行するものとす
る。
【0135】無線基地局AとBの間の電波の伝播遅延時
間をτ1 とすれば、基地局Aから送信された報知信号に
含まれるユニークワード(UW)がτ1 遅れて無線基地
局Bで検出される。無線基地局Bでは、無線基地局Aか
ら受信したユニークワードを検出してから所定時間τ2
経過後に、ユニークワードを含む報知信号の送信が開始
され、これが伝播遅延時間τ1 遅れて無線基地局Aで検
出される。このユニークワードを検出した無線基地局A
は、所定時間経過後にユニークワードを含む報知信号を
再度無線基地局Bに送信する。ここで、無線基地局Aと
Bが同一のハードウエア及びソフトウェアで動作するも
のとすると、報知信号を受信しユニークワードを検出し
て次の報知信号の送信を開始するまでの時間τ2 は無線
基地局A及びBにおいて等しくなる。同様に、報知信号
の送信を開始してからユニークワードの送信を終了する
までの時間τ3 も無線基地局Aと無線基地局Bにおいて
等しくなる。
【0136】したがって、図7を参照すれば、無線基地
局Bが無線基地局Aから送信されたユニークワードを検
出してからこれを再度検出するまでの時間TB は、 TB =τ2 +τ3 +τ1 +τ2 +τ3 +τ1 =2τ1 +2(τ2 +τ3 ) ・・・(1) となる。(1)式から、伝播遅延時間τ1 は、 τ1 =TB /2 −(τ2 +τ3 ) ・・・(2) となる。上述のように、τ2 +τ3 はジッタなどを無視
すれば一定値と見做すことができる。
【0137】上記伝播遅延時間を、無線基地局Bの代わ
りに無線基地局Aで測定し、適当な制御チャネルを利用
して測定結果を無線基地局Bに通知するようにしてもよ
い。この場合、無線基地局Aがユニークワードの送信を
終了してから無線基地局Bから送信されたユニークワー
ドを検出するまでの所要時間をTA とすれば、 τ1 =TA /2 −(τ2 +τ3 )/2 ・・・(3) となる。
【0138】さらに、上記ユニークワードを含む報知信
号の通信シーケンスを連続して多数回反復することによ
ってTB やTA の多数フレームにわたる平均値を測定
し、これらの平均値と(2)式や(3)式とから伝播遅
延時間τ1 の平均値を算定する構成とすれば、ジッタな
どによるτ2 +τ3 の揺らぎの影響が軽減された一層正
確な伝播遅延時間を求めることができる。
【0139】また、各無線基地局内で実行するソフトウ
ェアの相違や各無線基地局内のハードウエア構成の相違
などに起因して、上記τ2 が各無線基地局ごとに異なる
場合には、自局内のτ2 の値を制御信号などに含めて隣
接無線基地局に通知する構成とすることもできる。
【0140】図8は電波の伝播遅延時間の実測方法の他
の例を示す。図8においては、伝播遅延時間を測定する
ための通信シーケンスにとって適当と考えられる周波数
1,f2 の二つの制御チャネルを割当てておき、これ
らの制御チャネルを交番させて使用する。この方法で
は、制御チャネルの切替えに時間がかかるが、この切替
えに必要な時間を含めて上記τ2 の値を設定しておくこ
とにより、図7の場合と同様にして伝播遅延時間の測定
を行うことができる。
【0141】上記実施例の移動体通信システムと無線基
地局間の同期確立方法について、再び図9を参照して補
足する。図9において、PBXや末端交換局などの下位
の移動通信制御局301や移動通信制御局302,30
3は、通信回線341,342,343を介して上位交
換局110に接続されている。上位交換局110は、信
号線340によって更に上位の交換網に接続されてい
る。移動通信制御局301に信号線26(図3の信号線
29や図4の信号線28も含む)を介して収容される各
戸所有の電話機や公衆電話機などの無線基地局201〜
205は、それぞれのサービスゾーン201a〜205
a内に他の無線基地局を含み合うような多重ゾーンを形
成しながら配置されている。ただし、この下位の移動通
信制御局301に収容される無線基地局206は、その
サービスゾーン206a内に他の無線基地局を含んでい
ない。
【0142】一方、移動通信制御局302に信号線26
を介して収容される無線基地局207〜213は、それ
ぞれのサービスゾーン207a〜213a内に他の無線
基地局を含み合うような多重ゾーンを形成しながら配置
されている。ただし、この移動通信制御局302に接続
される無線基地局214と215は、それぞれのサービ
スゾーン214aと215a内に他の無線基地局を含ん
でいなかったが、その後、新たに無線基地局216が設
置されるものとする。ここで、サービスゾーン216a
は、後から設置される無線基地局216のサービスゾー
ンである。
【0143】移動通信制御局303に信号線26を介し
て収容される無線基地局220,221は、それぞれの
サービスゾーン220a,221a内に互いの無線基地
局を含み合うような多重ゾーンを形成しながら配置され
ている。また、無線基地局222も後から新設される無
線基地局とし、その場合図9に示すように、自局のサー
ビスゾーン222a内に他の移動通信制御局301に収
容される無線基地局205を含むように配置されるもの
とする。なお、無線基地局223のサービスゾーン22
3a内には他の無線基地局が含まれていない。
【0144】図9に例示する移動体通信システムでは、
隣接ゾーンと多重ゾーン状態にある無線基地局201〜
205は、これらの中に含まれる適当な相手局との間
で、優先度情報にもとづいて同期化される。なお、同期
化キー局の指定は移動通信制御局301を介してなされ
るが、同期化キー局の指定がない場合は、これらの無線
基地局の同期化では図1又は図2のステップS12にお
いて同期化キー局の指定がされていると判断されること
はなく、優先度に基づいた同期化がなされる。また、互
いに多重ゾーン状態にある無線基地局220と221同
士も同期化され、互いに多重ゾーン状態にある無線基地
局207〜213同士も同期化される。そして、隣接無
線基地局のいずれとも多重ゾーン状態にない無線基地局
206,214,215,223は、他の無線基地局と
は非同期の状態で動作する。この場合、孤立局である無
線基地局206,214,215,223の優先度は、
移動通信制御局301〜303を介して設定された適宜
なレベルの同期化キー局の優先度を引き継いでいるが、
必要に応じて0(優先度なし)を含むより低い優先度に
設定しなおすことも可能である。そのようにすると、多
重ゾーン状態となったときに同期化が容易になる。
【0145】この状態で、移動通信制御局302に収容
される無線基地局として、子機(PHP)付きの無線基
地局216が新たに設置されたものとする。新たに設置
された無線基地局216は、既に同期確立済みの隣接無
線基地局213及び214と多重ゾーンの状態となる。
この場合、無線基地局214は孤立局であるため予め低
い優先度が与えられているとし、また無線基地局213
は既に同期化されたときに移動通信制御局302を介し
て設定された適宜なレベルの優先度を引き継いでいるも
のとする。すると、無線基地局216は、無線基地局2
13及び214の両方から報知信号を受け取った場合、
優先度を判定して無線基地局213への同期化動作を実
行する。この際、自局の優先度を、より高い優先度であ
る相手局213の優先度に更新する。
【0146】その後、無線基地局214が、工事による
電源の切断やその他の理由で同期未確立の状態になった
とする。その場合は、無線基地局214は、新たに同期
化状態に移行した無線基地局216から報知信号を受信
すると、無線基地局216への同期化状態に移行し、同
時に優先度も無線基地局216の優先度と等しくなるよ
うに更新する。このように、無線基地局216が新たに
追加されたことに伴い、これと多重ゾーン状態となった
周辺の無線基地局が連鎖反応的あるいは将棋倒し状に従
属同期の状態に移行し、優先度もそれぞれ更新される。
【0147】また、移動通信制御局303に接続される
新たな無線基地局222が図9に示すような配置で設置
されたとする。無線基地局222のゾーン222a内に
は移動通信制御局301を介して設定された適宜なレベ
ルの同期化キー局として別の優先度を有する無線基地局
205が含まれ、両者は多重ゾーン状態を形成する。こ
の場合、この無線基地局222は、移動通信制御局30
3を介して設定された適宜なレベルの同期化キー局とし
ての優先度を引き継いでいるものとする。
【0148】このように、新設された無線基地局222
が、異なる移動通信制御局に接続された無線基地局20
5との間で多重ゾーン状態を形成する場合にも、無線基
地局222の制御部51が、図1又は図2のステップS
4において相手局の優先度を判定することにより、同期
化を行うか否かを判定する。この同期化動作においては
上位の移動通信制御301等の制御を必要とせず、した
がって無線基地局同士だけでの自律的な同期化が実行さ
れる。そして無線基地局205の優先度が自局の優先度
と等しいか又はより高い場合には、無線基地局222
は、自局とは異なる移動通信制御局301に接続されて
いるにもかかわらず無線基地局205に対して同期化を
行う。
【0149】優先度に基づく同期化を行う場合には、そ
の無線基地局が同期化キー局であっても同期化キー局で
ない無線基地局と同等であり、電源再投入、電界強度の
低下その他の原因によって同期未確立の状態になると、
直接他の同期化キー局又はこの同期化キー局に同期した
同期化キー局ではない無線基地局から優先度情報及び同
期確立情報を含む報知信号を受信すると、上記他の同期
化キー局に対して直接的に、あるいはこれに同期化した
同期化キー局ではない無線基地局を介して間接的に、同
期確立動作を実行する。
【0150】仮に、優先度に基づいた同期化を行わず、
同期化キー局に指定されているか否かという二段階のみ
の処理で同期化を行う場合を考えると、同期化キー局か
ら離れて多重ゾーン状態となった同期化キー局ではない
複数の無線基地局どうしの間では、いつまでも同期化が
行われないという不都合を生じる。しかしながら、本実
施例のように、予め各無線基地局に優先度を与えておく
と共に、同期化を行う際にこの優先度を判定し、その結
果に基づいてその相手局に同期化することになった場合
には当該相手局の優先度をそのまま引き継ぐという方式
を採ることにより、同期化キー局に指定されているか否
かという二段階のみの処理での同期化の際の不都合を回
避できる。
【0151】マイクロセルのサービスゾーンが次第に拡
大してゆき、それまで独立していたサービスゾーンが拡
大されてきたサービスゾーンに併合される場合も想定さ
れる。このような場合にも、上記のような処理を行うこ
とにより、上位の移動通信制御局や更に上位の交換局な
どからの優先度情報に基づく制御を行うことによって、
一定時間経過後に相互にかつ拡大されたサービスゾーン
内の無線基地局を同期化させることができる。
【0152】隣接する各無線基地局同士が同期されるこ
とにより、ハンドオフ等においても無線基地局間の同期
化によりゾーン切替のための制御が容易となる。また、
マイクロセル方式の無線基地局が端末売り切りとなって
順次増設される場合においても、特別の回路追加を必要
とすることなく自律的・自動的に無線基地局間の同期が
確立されるため、複数の事業者間或いは高トラヒックゾ
ーンの周辺に位置する無線基地局等においても確実に同
期がとれ、家庭・事業所・屋外(公衆)にわたる同一端
末の使用における無線回線制御が容易化かつ効率化され
る。
【0153】更に、無線基地局間の電波の伝播所要時間
を実測し、この実測値に基づいて同期を確立することに
より、各無線基地局内の送受信装置のジッタに起因する
変動誤差程度の極めて高い精度のもとに各無線基地局間
の同期化を実現できる。
【0154】尚、本発明は上記に限定されるものではな
く、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例え
ば、上記実施例の図9では、▲印で示した各無線基地局
のうちのいくつかを同期化キー局に指定する場合につい
て説明したが、移動通信制御局301〜303にも無線
基地局としての機能を持たせ、同期化キー局の一つとし
て指定することも可能である。また、例えば、相互に同
期確立済みの状態にある複数の無線基地局のうち一つが
工事などのために電源を切られ、その後再び電源が再投
入される場合には、その無線基地局の優先度が最も低く
なるようなアルゴリズムを組み込んでおくことも可能で
ある。このようにすると、電源が回復した無線基地局
は、迅速に周囲の無線基地局との間で以前と同様の同期
化状態に移行する。
【0155】更に、例えば、無線基地局間の同期確立ま
での時間を短縮するうえで、以下の種々の構成を適用で
きる。すわなち、通常の報知信号には複数のキァリアが
割当てられているが、同期確立に利用する報知信号に
は、これらのキァリアのうち特定のものを割当てること
により、受信側の無線基地局が受信報知信号の検出に要
する時間を短縮する構成、同期化キー局などの特定の無
線基地局のみが、同期確立用の報知信号を送信する構
成、あるいは、いくつかのフレームごとに送信される報
知信号の繰り返し周期を最小繰り返し周期(例えばPH
Pにおけるスーパーフレームに相当する周期)に設定す
る構成などである。
【0156】また、上記実施例ではTDMA方式の場合
を説明したが、ディジタル方式による小ゾーン構成にお
ける基地局間の同期という点では、TDMA方式に限ら
ずCDMA方式においても本発明を応用できる。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、隣接する無線基地局間どうしで優先度情報及
び同期確立情報を含んだ制御信号を送受信し、無線基地
局がこの制御信号を受信したときは、この中の前記優先
度情報及び同期確立情報から隣接する他の無線基地局の
優先度が自局の優先度よりも高いかどうか、また、他の
無線基地局が同期確立されているかどうかを判断した上
で相手局との同期化を実行するので、多重ゾーン状態と
なった無線基地局間の同期化を、上位局の制御に依存す
ることなく無線基地局どうしで自律的に実行でき、更
に、同期化したときには相手の優先度を自局の優先度と
して引き継ぐので、その後自局に隣接して新設される無
線基地局に対して制御信号を送ることにより、新設され
た無線基地局はこの送られた制御信号の中の優先度情報
に基づいて同期化され、以下同様にして同期化が進行す
るので、無線基地局どうしの制御だけで移動体通信シス
テム全体が同期化され、多数の無線基地局を同期化する
際の上位局の負担が軽減される無線基地局間の同期確立
方法を提供することができる。
【0158】請求項13記載の発明によれば、上記と同
様に、多重ゾーン状態となった無線基地局間の同期化
を、上位局の制御に依存することなく無線基地局どうし
で自律的に実行でき、無線基地局どうしの制御だけで無
線基地局全体を同期化することができるので、多数の無
線基地局を同期化する際の上位局の負担が軽減される移
動体通信システムを提供することができる。
【0159】請求項25記載の発明によれば、第二の無
線基地局は、第一の無線基地局が送信する第一の無線信
号を受信し、そして例えばこの無線信号に含まれる報知
信号に基づいて第一の無線基地局に同期化し、同期化し
たあとは、第一の無線信号に含まれる優先度情報の優先
度と同じ優先度をもつ優先度情報を含んだ第二の無線信
号を送信することにより、別の無線基地局がこの第二の
無線信号を新たな第一の無線信号として同期化を実行
し、以後同様の動作を繰り返して次々と同期化が進行す
るので、上位局の制御に依存することなく無線基地局ど
うしの制御だけで無線基地局全体を同期化することがで
きるので、各無線基地局間の同期化の際の上記局の負担
を軽減することができる移動体通信システムを提供する
ことができる。
【0160】請求項30記載の発明によれば、優先度情
報及び同期確立情報を含める手段によって優先度情報及
び同期確立情報が含められた制御信号を隣接する無線基
地局間どうしで送受信し、無線基地局がこの制御信号を
受信したときは、優先度判定手段によって優先度情報か
ら隣接する他の無線基地局の優先度が自局の優先度より
も高いかどうかを判定し、また、他の無線基地局が同期
確立されているかどうかを判断した上で同期化を実行す
る手段により相手局との同期化を実行するので、多重ゾ
ーン状態となった無線基地局間の同期化を、上位局の制
御に依存することなく無線基地局どうしで自律的に実行
でき、更に、同期化したときには相手の優先度を自局の
優先度として引き継ぐので、その後自局に隣接して新設
される無線基地局に対して制御信号を送ることにより、
新設された無線基地局はこの送られた制御信号の中の優
先度情報に基づいて同期化され、以下同様にして同期化
が進行するので、無線基地局どうしの制御だけで移動体
通信システム全体が同期化され、多数の無線基地局を同
期化する際の上位局の負担が軽減される移動体通信シス
テムを提供することができる。
【0161】請求項36記載の発明によれば、各無線基
地局は、他の無線基地局の送信手段によって送信された
制御信号を受信手段によって受信し、優先度判定手段に
よって当該他の無線基地局が同期してよい無線基地局か
否かを判定し、更に、同期確立手段によって、当該他の
無線基地局が同期確立済みか否かを判定して同期化を実
行するので、上位局の制御に依存することなく無線基地
局どうしだけで無線基地局全体を同期化することができ
るので、多数の無線基地局間の同期化の際の上位局の負
担を軽減できる移動体通信システムを提供することがで
きる。
【0162】請求項40記載の発明によれば、各無線基
地局は、相手局の優先度情報を比較手段によって自局の
優先度情報と比較し、この比較結果に基づいてその相手
局に同期するか否かを判断するので、上位局の制御を必
要としないで自律的に同期処理を行うことができ、した
がって、下位局として多数の無線基地局が帰属する上位
局の負担が軽減される移動体通信システムにおける無線
基地局間の同期システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である同期確立方法を説明す
るフローチャートである。
【図2】本発明の他の実施例である同期確立方法を説明
するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例である移動体通信システムの
無線基地局と移動通信制御局の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例である移動体通信システム
の無線基地局と移動通信制御局の構成を示すブロック図
である。
【図5】図4の同期確立制御装置25の構成の一例を示
すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例で使用する報知信号の構成の
一例を示す信号フォーマット図である。
【図7】本発明の一実施例において同期確立時に行われ
る電波の伝播時間の実測方法の一例を説明する図であ
る。
【図8】本発明の一実施例において同期確立時に行われ
る電波の伝播時間の実測方法の他の一例を説明する図で
ある。
【図9】本発明の一実施例である移動体通信システムの
構成の一例を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
20,201〜205,207〜213,220〜22
3 無線基地局 21 共通増幅器 22 変復調装置 23,32 多重化装置 24 基地局制御装置 25 同期確立制御装置 26 有線伝送路 27,28,29 制御信号線 25 同期確立制御装置 30,301〜303 移動通信制御局 31 音声処理装置 33 移動通信交換機 34 出力信号線 35 保守・監視信号線 41,42 移動局 51 制御部 51−2 メモリ 52 ディジタル相関器 53 比較判定回路 54 自局送信タイミング管理メモリ 55 同期ずれ時間補正回路 56 データ配列回路 61,70 アンテナ 110 上位の交換局

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体通信システムを構成する複数の無
    線基地局間の同期を確立する方法であって、 前記各無線基地局が送信する制御信号は、同期確立に関
    する自局の優先度を示す優先度情報及び自局が他の無線
    基地局との間で同期確立済みか否かを示す同期確立情報
    を含み、 前記各無線基地局は、自局が同期未確立のときに前記他
    の無線基地局から前記制御信号を受信すると、前記制御
    信号に含まれる前記優先度情報に基づいて前記他の無線
    基地局が同期してよい無線基地局か否かを判定し、同期
    してよい無線基地局であるときは、前記同期確立情報に
    基づいて前記他の無線基地局が同期確立済みか否かを判
    定し、同期確立済みであれば前記他の無線基地局(「送
    信基地局」と称する)との間で同期確立を行うととも
    に、自局の優先度を送信基地局の優先度にあわせて変更
    することを特徴とする無線基地局間の同期確立方法。
  2. 【請求項2】 前記優先度情報に基づいた判定は、前記
    他の無線基地局の優先度が自局の優先度と等しいか又は
    自局の優先度よりも高いときは、前記他の無線基地局を
    同期してよい無線基地局と判定することを特徴とする請
    求項1記載の無線基地局間の同期確立方法。
  3. 【請求項3】 前記優先度情報に基づいた判定は、予め
    自局の優先度を1だけ下げて新たな優先度としておき、
    前記他の無線基地局の優先度が自局の前記新たな優先度
    よりも高いときは、前記他の無線基地局を同期してよい
    無線基地局と判定することを特徴とする請求項1記載の
    無線基地局間の同期確立方法。
  4. 【請求項4】 前記各無線基地局のうちのいくつかを同
    期化キー局に指定することを更に含むと共に、この同期
    化キー局に指定された無線基地局は、自局が同期未確立
    の場合において、前記送信基地局から所定期間にわたっ
    て制御信号を受信しないときは、自局が送信する制御信
    号に含める前記同期確立情報を同期確立済みを示す状態
    に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の無線
    基地局間の同期確立方法。
  5. 【請求項5】 前記各無線基地局のうちのいくつかを同
    期化キー局に指定することを更に含むと共に、この同期
    化キー局に指定された無線基地局は、予め自局の優先度
    を1だけ下げて新たな優先度としたあと、前記送信基地
    局から所定期間にわたって制御信号を受信しないとき
    は、前記新たな優先度を1だけ上げて元の優先度とし、
    自局が送信する制御信号に含める前記同期確立情報を同
    期確立済みを示す状態に変更することを特徴とする請求
    項1又は3記載の無線基地局間の同期確立方法。
  6. 【請求項6】 前記同期化キー局の指定は、指定対象の
    無線基地局の設置時に行われることを特徴とする請求項
    4又は5記載の無線基地局間の同期確立方法。
  7. 【請求項7】 前記各無線基地局は、前記送信基地局と
    の同期確立に際し、この送信基地局との間の電波の伝播
    遅延時間に基づき、この送信基地局が送信した信号の送
    信開始時点を補正することを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の無線基地局間の同期確立方法。
  8. 【請求項8】 前記補正のための電波の伝播遅延時間
    は、前記各無線基地局がカバーするゾーンの大きさに基
    づき予め定められた時間から決定されることを特徴とす
    る請求項7記載の無線基地局間の同期確立方法。
  9. 【請求項9】 前記補正のための電波の伝播遅延時間
    は、予め求められ前記各無線基地局に記憶されている電
    波の遅延時間から決定されることを特徴とする請求項7
    記載の無線基地局間の同期確立方法。
  10. 【請求項10】 前記補正のための電波の伝播遅延時間
    は、前記各無線基地局と送信基地局との間で所定の信号
    を所定の時間間隔で反復的に送受信し、前記所定の往復
    に要した時間に基づき決定されることを特徴とする請求
    項7記載の無線基地局間の同期確立方法。
  11. 【請求項11】 前記所定期間は、前記制御信号を受信
    しない旨の判断を連続して所定回数行うのに要する期間
    であることを特徴とする請求項4又は5記載の無線基地
    局間の同期確立方法。
  12. 【請求項12】 前記各無線基地局は、自局が同期未確
    立の状態において同期確立処理を行う場合には、自局の
    前記同期確立情報を同期未確立の状態に変更することを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10又は11記載の無線基地局間の同期確立方法。
  13. 【請求項13】 自局ゾーン内の移動局との間で無線通
    信を行う複数の無線基地局から構成される移動体通信シ
    ステムであって、前記各無線基地局は、 送信する制御信号に、同期確立に関する自局の優先度を
    示す優先度情報及び自局が他の無線基地局との間で同期
    確立済みか否かを示す同期確立情報を含める手段と、 自局が同期未確立のときに他の無線基地局から制御信号
    を受信すると、前記制御信号に含まれる前記優先度情報
    に基づいて前記他の無線基地局が同期してよい無線基地
    局か否かを判定する優先度判定手段と、 前記優先度判定手段の判定結果に基づいて、前記他の無
    線基地局が同期してよい無線基地局であるときは、前記
    同期確立情報に基づいて前記他の無線基地局が同期確立
    済みか否かを判定し、同期確立済みであれば前記他の無
    線基地局(「送信基地局」と称する)との間で同期確立
    を行う同期確立手段と、 前記同期確立手段によって同期が確立されたときは、送
    信基地局の優先度を自局の新たな優先度とする優先度更
    新手段と、 を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  14. 【請求項14】 前記優先度判定手段は、前記他の無線
    基地局の優先度が自局の優先度と等しいか又は自局の優
    先度よりも高いときは、前記他の無線基地局を同期して
    よい無線基地局と判定することを特徴とする請求項13
    記載の移動体通信システム。
  15. 【請求項15】 前記優先度判定手段は、予め自局の優
    先度を1だけ下げて新たな優先度としておき、前記他の
    無線基地局の優先度が自局の前記新たな優先度よりも高
    いときは、前記他の無線基地局を同期してよい無線基地
    局と判定することを特徴とする請求項13記載の移動体
    通信システム。
  16. 【請求項16】 前記各無線基地局のうちのいくつかを
    同期化キー局に指定する手段を備え、この同期化キー局
    に指定された無線基地局は、自局が同期未確立の場合に
    おいて、前記送信基地局から所定期間にわたって制御信
    号を受信しないときは、自局が送信する制御信号に含め
    る前記同期確立情報を同期確立済みを示す状態に変更す
    る状態変更手段を更に備えたことを特徴とする請求項1
    3又は14記載の移動体通信システム。
  17. 【請求項17】 前記各無線基地局のうちのいくつかを
    同期化キー局に指定する手段を備え、この同期化キー局
    に指定された無線基地局は、予め自局の優先度を1だけ
    下げて新たな優先度とする手段と、前記送信基地局から
    所定期間にわたって制御信号を受信しないときは、前記
    新たな優先度を1だけ上げて元の優先度とする手段と、
    前記新たな優先度を1だけ上げて元の優先度としたあと
    は自局が送信する制御信号に含める前記同期確立情報を
    同期確立済みを示す状態に変更する状態変更手段を備え
    たことを特徴とする請求項13又は15記載の移動体通
    信システム。
  18. 【請求項18】 前記同期化キー局の指定を、指定対象
    の無線基地局の設置時に行う手段を備えたことを特徴と
    する請求項16又は17記載の移動体通信システム。
  19. 【請求項19】 前記各無線基地局の同期確立手段は、
    前記送信基地局との同期確立に際し、この送信基地局と
    の間の電波の伝播遅延時間に基づいて、この送信基地局
    が送信する信号の送信開始時点を補正することを特徴と
    する請求項13、14、15、16、17又は18記載
    の移動体通信システム。
  20. 【請求項20】 前記補正手段は、前記補正のための電
    波の伝播遅延時間を、前記各無線基地局がカバーするゾ
    ーンの大きさに基づいて予め定められた時間から決定さ
    れることを特徴とする請求項19記載の移動体通信シス
    テム。
  21. 【請求項21】 前記補正手段は、前記補正のための電
    波の伝播遅延時間を、予め求められて前記各無線基地局
    に記憶されている電波の遅延時間から決定することを特
    徴とする請求項19記載の移動体通信システム。
  22. 【請求項22】 前記補正手段は、前記補正のための電
    波の伝播遅延時間を、前記各無線基地局と送信基地局と
    の間で所定の信号を所定の時間間隔で反復的に送受信
    し、前記所定の往復に要した時間に基づいて決定するこ
    とを特徴とする請求項19記載の移動体通信システム。
  23. 【請求項23】 前記所定期間は、前記制御信号を受信
    しない旨の判断を連続して所定回数行うのに要する期間
    であることを特徴とする請求項16又は17記載の移動
    体通信システム。
  24. 【請求項24】 前記各無線基地局は、自局が同期未確
    立の状態において同期確立処理を行う場合には、同期確
    立に先立って自局の前記同期確立情報を同期未確立の状
    態に変更する手段を有することを特徴とする請求項1
    3、14、15、16、17、18、19、20、2
    1、22又は23記載の移動体通信システム。
  25. 【請求項25】 自局ゾーン内の移動局との間で無線通
    信を行う複数の無線基地局で構成される移動体通信シス
    テムであって、前記複数の無線基地局は、 自局が送信する無線信号が同期に関する優先度情報を含
    んだ第一の無線信号を所定の時間間隔で送信する第一の
    無線基地局と、 前記第一の無線基地局が送信する前記第一の無線信号を
    受信して、前記第一の無線基地局がその後に送信する前
    記第一の無線信号と同期し、かつ、前記第一の無線基地
    局が有する優先度と同じ優先度の優先度情報を含んだ第
    二の無線信号を送信する第二の無線基地局と、 を有することを特徴とする移動体通信システム。
  26. 【請求項26】 前記第二の無線基地局は、前記第一の
    無線基地局と自局との間の電波の伝播時間に基づいて、
    自局より送信する前記第二の無線信号の送信開始時点を
    補正する補正手段を有することを特徴とする請求項25
    記載の移動体通信システム。
  27. 【請求項27】 前記補正手段は、前記補正のための時
    間を前記第二の無線基地局が担当する領域の大きさに基
    づいてあらかじめ定められた時間から決定することを特
    徴とする請求項26記載の移動体通信システム。
  28. 【請求項28】 前記補正手段は、前記補正のための時
    間を、予め求められ所定の記憶手段に記憶されている電
    波の伝播遅延時間から決定することを特徴とする請求項
    26記載の移動体通信システム。
  29. 【請求項29】 前記補正手段は、前記補正のための時
    間を、前記第一の無線基地局と前記第二の無線基地局と
    の間で所定の信号を所定の時間間隔で反復的に送受信
    し、前記所定の信号の往復に要した時間を測定すること
    により決定することを特徴とする請求項26記載の移動
    体通信システム。
  30. 【請求項30】 複数の無線基地局を有する移動体通信
    システムにおいて、前記各無線基地局は、 自局が送信する制御信号に、同期確立に関する自局の優
    先度を示す優先度情報及び自局が他の無線基地局に対し
    同期確立済みか否かを示す同期確立情報を含める手段
    と、 他の無線基地局に対する同期未確立状態において、前記
    他の無線基地局から受信した制御信号に含まれる優先度
    情報により前記他の無線基地局の優先度が自局が同期化
    してよい優先度を持っているか否かを判断する優先度判
    定手段と、 前記他の無線基地局の優先度が自局が同期化してよい優
    先度を持っている場合において、前記同期確立情報が同
    期確立済みであることを示している場合には前記他の無
    線基地局への同期化を実行する手段と、 前記他の無線基地局に同期化した場合には、自局の優先
    度を前記他の無線基地局の優先度と同じにして前記制御
    信号にその旨の優先度情報を含める手段と、 を備えたことを特徴とする移動体通信システム。
  31. 【請求項31】 前記各無線基地局は、更に、同期未確
    立状態で他の無線基地局から前記制御信号を所定期間に
    わたって受信しないと判定した場合において、自局が同
    期確立のためのキー局に指定されているときは、自局の
    同期確立情報を同期確立済みであることを示す状態に移
    行させ、自局が前記キー局に指定されていないときは、
    自局の同期確立情報を同期未確立であることを示す状態
    を維持する手段を備えたことを特徴とする請求項30記
    載の移動体通信システム。
  32. 【請求項32】 前記キー局に関する指定は、無線基地
    局の設置時点に行われることを特徴とする請求項30又
    は31記載の移動体通信システム。
  33. 【請求項33】 前記キー局に関する指定は、各無線基
    地局の設置後に上位の装置の制御に基づき指定の変更が
    可能であることを特徴とする請求項32記載の移動体通
    信システム。
  34. 【請求項34】 前記制御信号は、各無線基地局が自ゾ
    ーン内の移動局に向けて送信する報知信号であることを
    特徴とする請求項13又は30記載の移動体通信システ
    ム。
  35. 【請求項35】 前記報知信号には発識別符号が含まれ
    ており、各無線基地局が前記報知信号を受信したときは
    発識別符号の内容を識別することを特徴とする請求項3
    4記載の移動体通信システム。
  36. 【請求項36】 自局ゾーン内の移動局との間で無線通
    信を行う複数の無線基地局を有する移動体通信システム
    であって、前記各無線基地局は、 自局が他の無線基地局に対して同期確立済みであるか否
    かを示す同期確立情報及び同期確立に関する優先度を示
    す優先度情報を含む制御信号を送信する送信手段と、 他の無線基地局の送信手段が送信した前記制御情報を受
    信する受信手段と、 前記受信手段が受信した前記制御信号に含まれる前記優
    先度情報に基づいて前記他の無線基地局が同期してよい
    無線基地局か否かを判定する優先度判定手段と、 前記優先度判定手段の判定結果に基づいて、前記他の無
    線基地局が同期してよい無線基地局であるときは、前記
    制御信号に含まれる同期確立情報に基づいて前記他の無
    線基地局が同期確立済みか否かを判定し、同期確立済み
    であれば前記他の無線基地局との間で同期確立を行う同
    期確立手段と、 同期確立を行ったときは自局の優先度が前記他の無線基
    地局と等しくなるよう更新する優先度更新手段と、 を備えたことを特徴とする移動体通信システム。
  37. 【請求項37】 前記無線基地局間で使用する通信方式
    は、TDMA通信方式又はCDMA通信方式を含むこと
    を特徴とする請求項36記載の移動体通信システム。
  38. 【請求項38】 前記送信手段は、前記制御信号を間欠
    的に送信することを特徴とする請求項36又は37記載
    の移動体通信システム。
  39. 【請求項39】 前記各無線基地局は、他の無線基地局
    に対する同期未確立状態において他の無線基地局から前
    記制御信号を所定期間にわたって受信しない場合におい
    て、自局が同期確立のためのキー局に指定されていると
    きは、自局の同期確立状態を同期確立済みであることを
    示す状態に移行させ、自局が前記キー局に指定されてい
    ないときは自局の同期確立状態を同期未確立であること
    を示す状態を維持する手段を更に備えたことを特徴とす
    る請求項36、37又は38記載の移動体通信システ
    ム。
  40. 【請求項40】 移動体通信システムを構成する第一の
    無線基地局と第二の無線基地局とを同期するための同期
    システムであって、上記第一及び第二の無線基地局は、
    それぞれ、 自局の優先度情報を含んだ信号を送信するための送信手
    段と、 相手局の送信手段から送信された信号を受信するための
    受信手段と、 この受信手段で受信した相手局の信号に含まれる優先度
    情報と自局の優先度情報とを比較するための比較手段
    と、 この比較手段による比較の結果に基づいて自局の無線送
    信信号を相手局の無線送信信号に同期させるための同期
    手段と、 この同期手段で同期させた上記相手局の優先度情報にあ
    わせて自局の優先度を変更するための優先度変更手段
    と、 を備えた移動体通信システムにおける無線基地局間の同
    期システム。
JP6069040A 1992-10-07 1994-03-14 無線基地局間の同期確立方法及びこれを用いた移動体通信システム Withdrawn JPH07255082A (ja)

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JP6069040A Withdrawn JPH07255082A (ja) 1992-10-07 1994-03-14 無線基地局間の同期確立方法及びこれを用いた移動体通信システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1094704C (zh) * 1996-02-22 2002-11-20 韩国移动通信株式会社 异、准同步码分多址系统中用双导频信道接入小区的方法
JP2009529841A (ja) * 2006-03-16 2009-08-20 ジーエヌ リザウンド エー/エス 適応可能なデータ受信タイミングを有する補聴器

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