JPH07253272A - ガス分離装置 - Google Patents

ガス分離装置

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JPH07253272A
JPH07253272A JP6046631A JP4663194A JPH07253272A JP H07253272 A JPH07253272 A JP H07253272A JP 6046631 A JP6046631 A JP 6046631A JP 4663194 A JP4663194 A JP 4663194A JP H07253272 A JPH07253272 A JP H07253272A
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JP
Japan
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gas
temperature
liquid
component
liquefied
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JP6046631A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshinaga
宏 吉永
Kazuya Taki
一哉 滝
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合ガスに含まれるガス成分を分離抽出して
ガスの再利用を可能にするガス分離装置を提供する。 【構成】 複数の異なるガス成分からなる混合ガスを導
入する断熱性容器23と、断熱性容器23内の混合ガス
を冷却/加熱して温度を調整する温度調整手段22aと、
温度調整手段22aを制御し、混合ガスの温度を混合ガス
に含まれる特定のガス成分の液化温度以下の温度に維持
する温度制御手段26と、断熱性容器23に設けられて
おり、冷却されて液化した特定のガス成分を含む液体を
取り出す液体抽出口28と、断熱性容器23に設けられ
ており、冷却により液化しなかったガス成分を取り出す
気体抽出口29とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス分離装置に関し、
特に半導体製造工程などで使用され排出された未反応ガ
スなどを含む混合ガスを分離精製することにより、再利
用を可能にしたガス分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造工程などにおいて、た
とえば薄膜形成や拡散の工程ではさまざまな種類のガス
が使用される。たとえば、半導体素子上の配線の下地や
層間絶縁膜として使用されるPSG膜をCVD法で形成
するためには、ソースガスとしてシラン(SiH4)、酸素
(O2)およびホスフィン(PH3 )と、キャリアガスとし
て水素(H2)などが使用される。
【0003】これらのガスは特定の比率でCVD装置の
チャンバー内に供給されて高温下で化学反応し、半導体
基板上にPSG膜が形成される。しかしチャンバー内で
は、供給されたガスの全量が化学反応してPSG膜に変
化するのではなく、ソースガスの一部は反応せずにその
まま排出され、また、キャリアガスなども反応せずにそ
のまま排気される。さらに、形成する膜の種類によって
は、膜形成の反応によって新しいガスが生成され排出さ
れることもある。
【0004】このように、製造装置からの排気ガスは、
さまざまな種類のガスが混合された状態で排出される。
このような半導体製造工程で排出されるガスのうち、シ
ラン、ホスフィンなどは有害なガスであるため、これら
の有害なガスを含む排気ガスは、除害装置で許容濃度以
下に希釈し、または化学処理して無害化され、安全な状
態にした上で大気中に放出されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のガス処理システムでは、つぎのような不都合
が点があった。たとえば半導体素子にPSG膜を形成す
る際に、供給されたガスの一部が反応に関わらない未反
応ガスとして排出されるために、CVD装置のチャンバ
には実際にPSG膜の形成に直接関わるガスの量よりも
多くのガスを供給しなければならない。しかし、これら
の未反応ガスを含む排気ガスは除害装置で無害化されて
大気中に放出されるため、多量のソースガスやキャリア
ガスが無駄になり、半導体素子の製造コストを増大させ
る原因となっていた。
【0006】また、除害装置で処理する排気ガスの量が
多いほど、除害装置の処理コストが大きくなる。したが
って、排気ガスを処理するためのコストが増え結果的に
半導体素子の製造コストの増大を招いていた。本発明
は、係る従来の問題点に鑑みて創作されたもので、半導
体素子などの製造工程において排出される混合ガスを廃
棄するとなく再利用できるようにし、除害装置の処理コ
ストを削減し、使用ガスを節約して、半導体素子製造コ
ストを削減することができるガス分離装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決のため
に、本発明のガス分離装置では、複数の異なるガス成分
からなる混合ガスを導入する断熱性容器と、前記断熱性
容器内の前記混合ガスをを冷却/加熱して温度を調整す
る温度調整手段と、前記温度調整手段を制御し、前記混
合ガスの温度を前記混合ガスに含まれる特定のガス成分
の液化温度以下の温度に維持する温度制御手段と、前記
断熱性容器に設けられており、冷却されて液化した前記
特定のガス成分を含む液体を取り出す液体抽出口と、前
記断熱性容器に設けられており、冷却により液化しなか
ったガス成分を取り出す気体抽出口とを設ける。
【0008】また、複数の異なるガス成分からなる混合
ガスを液化して作成された液体を収容する断熱性容器
と、前記断熱性容器内の前記液体を冷却/加熱して温度
を調整する温度調整手段と、前記温度調整手段を制御し
て前記液体の温度を前記液体に含まれる特定のガス成分
の沸点と等しいかまたはその沸点より高い温度に維持す
る温度制御手段と、前記断熱性容器内の気化したガスを
抽出するための気体抽出口とを設けてもよい。
【0009】
【作用】このように、本発明のガス分離装置によれば、
複数の異なるガス成分からなる混合ガスを導入する断熱
性容器と、混合ガスを冷却する冷却手段と、冷却の温度
をこの混合ガスに含まれる特定のガス成分の液化温度よ
りも低い温度に維持する温度制御手段を有する。
【0010】従って、混合ガスが液体と気体とに分離し
て、液化した特定のガス成分からなる液体を液体抽出口
から抽出し、液化しなかったガス成分からなる気体を気
体抽出口から抽出することにより、混合ガス中の成分ガ
スを液体と気体という異なる状態で別々に分離すること
ができる。また、複数の異なるガス成分を液化して作成
された液体を収容する断熱性容器と、断熱性容器内の液
体の温度を調整する温度調整手段と、その温度を液体に
含まれる特定のガス成分の沸点と等しいかまたはその沸
点より高い温度に維持する温度制御手段とを有する。
【0011】従って、所望の成分ガスを個別に気化させ
ることができるので、液体に含まれる成分ガスをそれぞ
れ分離して抽出することができる。特に、分離すべき成
分ガスを複数含有する場合、液体の温度を液体に含まれ
るそれぞれのガス成分の沸点の低い順に段階的に対応さ
せて変化させることにより、液体に含まれるそれぞれの
成分ガスを個別に気化させることができる。
【0012】これにより、使用済みの混合ガスから有用
な成分ガスを抽出することができるので、排出ガスの再
利用が可能となる。また、液体に含まれるガス成分をそ
れぞれ別々に抽出することができるので、複数の成分ガ
スの再利用が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 (1)本発明の第1及び第2の実施例に係るガス分離装
置についての説明 (A)本発明の第1の実施例に係るガス分離装置Aにつ
いての説明 本発明の第1の実施例に係るガス分離装置Aについて詳
しく図1を参照しながら説明する。
【0014】図1は、ガス分離装置Aの構造を概略的に
示した断面図である。ガス分離装置Aは、外側に断熱槽
21、内側に温度制御槽22があり、中心にガスを導入
するためのガス冷却室(断熱性容器)23が設けられて
いる。断熱槽21は、ガラスや金属などの材料による通
常の真空二重構造であり、外部の熱を遮断する。温度制
御槽22は、液体ヘリウムや液体窒素などの冷媒が循環
する冷却ライン(温度調整手段)22aと、ヒーター制
御装置(温度制御手段)26によって発熱が制御される
ヒーターライン(温度調整手段)22bとがコイル状に
巻かれており、冷媒の種類とヒーターラインの発熱量を
変えることによって、ガス冷却室23の温度を制御でき
るようになっている。冷却ライン22aの冷媒は、冷媒
入口24から配管に入り冷媒出口25から流れ出る。
【0015】ガス冷却室23の中ほどの高さの位置に
は、分離・抽出すべき排気ガスを導入するための導入口
27が設けられている。また、ガス冷却室23の底部に
は、冷却により液化したガスを抽出するための液体抽出
口28が設けられ、ガス冷却室の上部には液化されない
ガスをそのまま気体の状態で抽出する気体抽出口29が
設けられている。
【0016】また、ガス冷却室23のガス導入口27よ
りも上側の部分は、ガス導入口27よりも下側の部分よ
りも温度が低くなるようになっている。これは、たとえ
ば、ガス冷却室23の周囲に巻かれている冷却ライン2
2aとヒーターライン22bの巻き数を、ガス導入口2
7よりも上の部分の方を下の部分よりも、冷却ライン2
2aの巻き数を多く、ヒータライン22bの巻き数を少
なくすることによってこの温度差を実現できる。また、
ガス導入口27の上側に巻かれたヒータラインと下側に
巻かれたヒータラインを、ヒーター制御装置26で別々
に制御することによって、より確実な温度差を設定でき
る。
【0017】上記のガス分離装置Aによれば、ヒーター
ライン22bと冷却ライン22aにより混合ガスを適当
な温度に冷却し、ヒーター制御装置26によってその温
度を成分ガスの液化温度よりも低い値に保持することに
より、混合ガスに含まれる特定のガス成分を液化させる
ことができる。この液化した特定のガス成分を、ガス冷
却室23に設けられた液体抽出口28から抽出し、液化
しなかったガス成分を、ガス冷却室23に設けられた気
体抽出口29から抽出することにより、ガス成分を液体
と気体という異なる状態で別々に分離して抽出すること
ができる。
【0018】また、ガス冷却室23のガス導入口27よ
りも上側の部分の温度は、ガス導入口27よりも下側の
部分の温度よりも低い温度に設定される。下側の温度を
液化すべきガスの液化温度よりも低くしておき、かつ上
側の温度を液化温度よりも更に低い温度とすることによ
り、熱伝導率が低い気体であっても、導入された排気ガ
スを確実に冷却して、気体抽出口29側に流れる排気ガ
スに含まれる液化すべきガス成分を確実に液化すること
ができる。
【0019】なお、本実施例では、ガス分離装置Aのガ
ス冷却室23内部を、ガス冷却室23壁面に設けた冷却
ラインに低沸点の液化ガスを循環させることにより冷却
しているが、ガス冷却室23内部に冷却ユニットを設置
したり、または不活性な液化ガス等を排気ガスの導入と
同時にガス冷却室23内に噴射することによって冷却し
てもよい。
【0020】(B)本発明の第2の実施例に係るガス分
離装置Bについての説明 次に、本発明の第2の実施例に係るガス分離装置Bにつ
いて説明する。図2は、このガス分離装置Bの構造を概
略的に示した断面図である。ガス分離装置Bは、図1に
示すガス分離装置Aと基本的な原理は同じであり、真空
二重構造の断熱槽(図示せず)の内側に温度制御槽42
があり、その内側に回収液貯槽(断熱性容器)43が設
けられている。温度制御槽42は、内部に冷媒を循環さ
せる冷却ライン(温度調整手段)42aとヒーターライ
ン(温度調整手段)42bがコイル状に巻かれており、
ヒーターライン42bの発熱量はヒーター制御装置(温
度制御手段)46によって制御される。
【0021】回収液貯槽43には、混合ガスを冷却し、
液化して作成された液体を導入する液体回収口44が設
けられている。例えば上記のガス分離装置Aの液体抽出
口28と接続することにより、そのような液体としてガ
ス分離装置Aで作成された液体を用いることが出来る。
ガス分離装置Aとの結合により、よりきめ細かい条件
で、多数の成分ガスを分離することができる。
【0022】また、回収液貯槽43からは、この回収液
貯槽43で気化したガスを抽出し、精製装置8に送るた
めの気体抽出口45が設けられている。液体回収口44
には、気化したガスが外に出ないようにバルブ44aが
付けられいる。以上のように、上記のガス分離装置Bに
よれば、複数の異なるガス成分を液化して作成された液
体を回収液貯槽43に収容し、この回収液貯槽43内の
液体を冷却ライン42aとヒーターライン42bにより
適当な温度に冷却し、その温度をヒーター制御装置46
によって制御して、液体に含まれる特定のガス成分の沸
点と等しいかまたはその沸点より高い温度に設定する。
この設定温度を、たとえば、液体に含まれるそれぞれの
ガス成分の沸点の低い順に段階的に対応させて変化させ
ることにより、液体に含まれるそれぞれのガス成分を個
別に気化させることができる。この気化したガスは、回
収液貯槽43に設けられた気体抽出口45から抽出する
ことにより、液体に含まれるガス成分をそれぞれ分離し
て抽出することができる。 (2)本発明の第3及び第4の実施例に係る上記のガス
分離装置A,Bを利用したガス処理システムの説明 (A)第3の実施例に係るガス処理システムの説明 図3は、上記のガス分離装置A,Bを利用した第3の実
施例に係るガス処理システムを示すブロック図である。
【0023】このガス処理システムを概略的に説明する
と、ガス供給装置2から供給されたガスが製造装置1で
使用され、使用後排出された排気ガスがまず、フィルタ
3、圧縮機4および吸着機5で粗精製される。そして次
に、ガス分離装置A6とガス分離装置B7によって単一
のガス成分に分離され、分離されたガス成分のうち有害
なガス成分および破棄するガス成分を除害装置9と放出
装置10で処理し、再利用するガス成分を精製装置8で
精製して製造装置1に復元供給するものである。
【0024】次に、図3のガス処理システムの構成を詳
しく説明する。製造装置1としては、例えば半導体基板
に薄膜を形成するCVD装置などの半導体製造装置があ
る。この製造装置1に、ボンベなどのガス供給装置2か
らソースガスやキャリアガスなどが供給される。製造装
置1では、これらのガスを利用して、シリコン酸化膜、
PSG膜、シリコン窒化膜などの膜形成が行われるが、
供給されたガスのうち、膜形成に直接使用されなかった
未反応ガスや、膜形成の反応によって生成したガスなど
は、製造装置1から排気ガスとして排出される。この排
気ガスは、複数種類のガス成分が混じった混合ガスであ
る。
【0025】製造装置1から排出された排気ガスは、ま
ずフィルタ3に送られる。フィルタ3では、排気ガスに
含まれるパーティクル等(固形不純物)が取り除かれ
る。次に、排気ガスは圧縮機4に送られ、圧縮により排
気ガス中に含まれる水蒸気が液化され除去される。圧縮
機4を通過した排気ガスは吸着機5に送られ、排気ガス
中に含まれる圧縮機4では除去しきれなかった水分や、
CO2 、O2、COなどが吸着剤により吸着除去される。ここ
で使用される吸着剤は、再利用可能なものが好ましいが
特に限定されない。
【0026】この段階で、排気ガスに含まれる不純物が
ある程度除去され粗精製が終了する。粗精製が終了した
排気ガスは、次に、ガス分離装置Aに送られる。ガス分
離装置Aでは、排気ガスに含まれるそれぞれのガス成分
の液化温度(沸点)の違いを利用して選択的に液化し、
排気ガスに含まれるガス成分を液体と気体の状態に分離
してそれぞれ別々に抽出する。
【0027】ガス分離装置A6で、気体の状態で分離抽
出されたガス成分は、次のように処理される。まず、無
害なガス成分については放出装置10に送られ、そのま
ま大気中に放出される。また、有害なガス成分は除害装
置9に送られ、許容濃度以下に希釈するなどの方法によ
り、安全な状態にされ無害化される。十分に希釈されて
安全になったガスは放出装置10に送られ、大気中に放
出される。また、ガス分離装置A6から抽出されたガス
のうち、製造装置1で再利用可能なものは、精製装置8
に送られる。
【0028】また、ガス分離装置A6で、液体の状態で
分離抽出されたガス成分は、ガス分離装置B7に送られ
る。ガス分離装置B7では、液体に含まれるそれぞれの
ガス成分の沸点が異なることを利用して、それぞれのガ
ス成分を別々に分離して抽出する。ガス分離装置B7
で、それぞれの種類ごとに分離し抽出されたガスは、そ
の種類ごとに精製装置8に送られる。精製装置8は、Ni
吸着など、精製するガス成分の種類に応じた数が設けら
れており、それぞれのガス成分に適切な方法で不純物が
除去される。精製装置8で、不純物が除去されたガス成
分のうち製造装置1で再利用できるものは、製造装置1
に再び供給され膜形成に利用される。再利用できないガ
スは除害装置9に送られ、無害化されて放出装置10か
ら大気中に放出される。これで、一連の排気ガスの処理
が終了する。
【0029】なお、ガス分離装置のトラブルにより緊急
排気する場合に備えて、図5に示すように、気体抽出口
29と接続された放出装置10にガス検知器30と連動
して作動する緊急除害装置31を設置してもよい。ま
た、装置のトラブルにより緊急排気を必要とする場合に
は、製造装置1から除害装置9に直接排気ガスがバイパ
スするようにすることができる。
【0030】次に、以上説明したガス処理システムの動
作を図3に基づき説明する。このガス処理システムは、
様々なガス成分を含む排気ガスを処理することができる
が、ここでは、その一例として、半導体基板上にCVD
法によりPSG膜を形成する際の排気ガスの処理につい
て説明する。製造装置1でPSG膜を形成するために、
ガス供給装置2からソースガスとしてシラン(SiH4)とホ
スフィン(PH3)と酸素(O2)、キャリアガスとして水素
(H2)などが、CVD装置のチャンバ内に供給される。製
造装置1内では、膜形成の処理が行われ、CVD装置の
チャンバからは未反応のシラン、ホスフィンおよび酸素
と、水素との混合ガスが排気ガスとして排出される。こ
の排気ガスは、フィルタ3、圧縮機4、吸着機5の順に
通過され、排気ガス中に含まれる固形不純物や水分など
の不純物が除去され粗精製される。
【0031】粗精製された排気ガスは、次にガス分離装
置A6に導入される。このガス分離装置A6の動作を、
再び図1を参照して説明する。説明を簡単にするため
に、このガス分離装置A6、および次に説明するガス分
離装置B7で扱われるガスは、1気圧の条件で処理され
るものとする。ガス分離装置A6では、排気ガス中の複
数のガス成分を液体と気体に分離して抽出する。ここで
は、排気ガスの成分のうち、比較的液化温度(沸点)が
高いシラン(沸点:−111.9℃)とホスフィン(沸
点:−87.7℃)を液体の状態で抽出し、比較的液化
温度が低い酸素(沸点:−183.0℃)と水素(沸
点:−252.9℃)を気体の状態で抽出する。これ
は、一般に、CVD法において使用される水素や窒素な
どのキャリアガスの液化温度が低く、シランやホスフィ
ンなどのプロセスガスの液化温度が高いことを利用して
いる。
【0032】排気ガスをガス冷却室23に導入する前
に、ガス冷却室23の内部はあらかじめ特定の温度に設
定されている。この特定の温度とは、この場合、液化さ
せて抽出するガス成分のうちの最も液化温度が低いシラ
ンの沸点と、気体のままで抽出するガス成分のうち最も
液化温度の高い酸素の沸点との間の温度、すなわち−1
83.0℃よりも高く−111.9℃よりも低い温度
が、ガス冷却室23の内部の温度として選択される。ガ
ス冷却室23の内部の温度がこの範囲にあるとき、ガス
冷却室23に排気ガスが導入されると、酸素と水素は気
体のまま変化しないが、シランとホスフィンは液化す
る。
【0033】ガス冷却室23の内部を、上記の−18
3.0℃よりも高く−111.9℃よりも低い温度に設
定するためには、たとえば、冷却ライン22aに冷媒と
して液体窒素(沸点−195.1℃)を流し、ガス冷却
室23内部の温度を検出しながら、ヒーター制御装置2
6でヒーターライン22bの発熱量を制御して温度を少
し高めることによって実現できる。またこのとき、ガス
冷却室23のガス導入口27よりも上側の部分の温度
は、ガス導入口27よりも下側の部分の温度よりも低い
温度に設定される。しかし、これらの両方の温度は、い
ずれも上記の−183.0℃よりも高く−111.9℃
よりも低い温度の範囲内でければならない。この温度差
を設けることにより、熱伝導率が低い気体であっても、
導入された排気ガスを確実に冷却して、気体抽出口29
側に流れる排気ガスに含まれる液化すべきガス成分を確
実に液化することができる。
【0034】こうして、ガス導入口27から導入された
排気ガスのうちシランとホスフィンが液化され、ガス冷
却室23底部にある液体抽出口28から抽出される。ま
た、酸素と水素は気体のまま、ガス冷却室27の上部に
ある気体抽出口29から抽出される。このとき気体の状
態で抽出された酸素と水素の混合ガスは無害なガスなの
で、放出装置10へ送られそのまま大気に放出される。
また、このとき、水素ガスを再利用する場合は、ガス冷
却室27の冷却温度を酸素の沸点と水素の沸点の間の温
度に設定し、水素だけをガスとして抽出して精製装置8
に送ってもよい。また反対に、ガス冷却室27内の温度
をホスフィンの沸点とシランの沸点の間の温度に設定す
ることにより、一番沸点の高いホスフィンだけを液体と
して単体で抽出することもできる。また、このガス分離
装置A6により、再利用できない有害なガスが抽出され
た場合には、除害装置9に送られて無害化され放出装置
10に送られる。
【0035】ガス分離装置A6で液化されたシランとフ
ォスフィンはガス分離装置B7に送られる。このガス分
離装置B7の動作について、再び図2を参照して説明す
る。シランとホスフィンが液化された液体は、液体回収
口44から回収液貯槽43に注入され蓄えられる。回収
液貯槽43内の温度は、回収液貯槽43内に所定量の液
体が溜まるまでは、その溜まった液体が気化しないよう
な十分に低い温度に維持されている。この場合、シラン
の沸点よりも低い温度に維持される。したがって、冷却
ライン41aに循環させる冷媒は液体窒素、液体水素、
液体酸素などを使用することができる。
【0036】回収液貯槽43内に液体が所定量溜まった
ところで、ヒーターライン42bがヒーター制御装置4
6により発熱され、回収液貯槽43内の温度が特定の温
度に高められる。この温度は、まず第1段階として、シ
ランの沸点より高くホスフィンの沸点よりも低い温度に
選択される。これにより、まず回収液貯槽43の液体か
らシランだけが気化して気体抽出口45から抽出され、
シラン用の精製装置に送られる。
【0037】回収液貯槽43内の気化したシランが抽出
された後、第2段階として、ヒーターライン42bの発
熱により、回収液貯槽43内の温度がホスフィンの沸点
よりも高い温度に高められる。これにより、回収液貯槽
43内の液化していたホスフィンが気化し、気体抽出口
45から抽出され、ホスフィン用の精製装置に送られ
る。
【0038】このように、ガス分離装置A6とガス分離
装置B7によって単体のガス成分に分離して抽出された
ガスは、精製装置8により純粋なガスに戻され、再びソ
ースガスまたはキャリアガスとして製造装置1に供給さ
れる。以上のように、本発明の第3の実施例のガス処理
システムによれば、PSG膜を形成する製造装置などか
ら排出された未反応ガスなどを含む混合ガスを、それぞ
れの沸点の違いを利用して分離して抽出し、精製するこ
とにより、ソースガスやキャリアガスとして再び使用す
ることができる。
【0039】また、除害装置9で処理されるガスの量が
減少するので、除害装置9の負担が軽減される。なお、
上記の実施例では、PSG膜を形成するための反応ガス
の場合について適用しているが、BSG膜を形成するた
めの反応ガス、例えばSiH4+B2H6+O2の混合ガス,BP
SG膜を形成するための反応ガス、例えばSiH4+B2H6
PH3 +O2の混合ガス,シリコン酸化膜を形成するための
反応ガス、例えばSiH4+O2の混合ガスやSiH4+N2O の混
合ガス,塩素含有シリコン酸化膜を形成するための反応
ガス、例えばSiH4+HCl +O2の混合ガスや,シリコン窒
化膜を形成するための反応ガス、例えばSiH4+NH3 +N2
の混合ガスの場合に適用することができる。これらの成
分ガスのうち、B2H6の沸点は-92.6 ℃、N2O の沸点は-8
9.5 ℃、HCl の沸点は-85 ℃、NH3 の沸点は-33.4 ℃で
ある。その他用いられるガスとしてCl2 (沸点は-34.1
℃)やNF3 (沸点は-129℃)等がある。
【0040】また、半導体素子の製造工程で排出される
ガスを処理する場合について説明したが、半導体製造工
程で排出されるガス以外にも、沸点の異なる複数のガス
を含む混合ガスからそれぞれのガスを分離するために本
発明のガス分離装置および分離方法を適用することがで
きる。 (B)第4の実施例に係るガス処理システムの構成につ
いての説明 更に、図3のガス処理システムでは、説明を簡略化する
ため、吸着機5と精製装置8を、ガス分離装置A6とガ
ス分離装置B7の前後に1台づつ示しているが、実際に
使用されるガス処理システムにおいては、連続運転の際
の保守による運転中断を回避するために、吸着機と精製
装置は複数台並列に設けられるのが好ましい。
【0041】この具体的な例を図4に示す。図4では、
図1と同じ機能の装置には同じ番号を付けてある。この
図からわかるように、ガス分離装置A6の前に、吸着機
5a、5bを2台並列に設けることにより、たとえば吸
着機5aの吸着剤を交換する際でも、吸着機5bを使用
することにより、ガス処理システムを運転停止する必要
がない。
【0042】また同様に、ガス分離装置A6とガス分離
装置B7の後には、精製装置8a、8bが設けられてい
るので、一方を保守し他方を使用することにより、ガス
処理システムを停止させることを回避できる。なお、図
4に示した1組の精製装置8a、8bは、一種類のガス
を精製するためのものであり、実際には、精製するガス
の種類に相当する数の組の精製装置が設けられる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明のガス分離装置に
よれば、複数の異なるガス成分からなる混合ガスを導入
する断熱性容器と、混合ガスを冷却/加熱し、温度を調
整する温度調整手段と、温度をこの混合ガスに含まれる
特定のガス成分の液化温度よりも低い温度に維持する温
度制御手段を有する。
【0044】従って、混合ガス中の成分ガスを液体と気
体という異なる状態で別々に分離することができる。ま
た、複数の異なるガス成分を液化して作成された液体を
収容する断熱性容器と、断熱性容器内の液体の温度を調
整する温度調整手段と、その温度を液体に含まれる特定
のガス成分の沸点と等しいかまたはその沸点より高い温
度に維持する温度制御手段とを有する。
【0045】従って、液体に含まれるそれぞれの成分ガ
スを成分ガスごとに気化させることができるので、成分
ガスの分離が可能である。これにより、半導体製造工程
などで排出される混合ガスを成分ごとに分離して精製す
ることができるので、排気ガスを再生して製造工程に還
元して再利用することができる。これにより、大気に廃
棄されるガスを少なくして、使用されるガスの無駄が減
少する。
【0046】また、廃棄されるガスが減少するので、除
害装置の負担が軽減されて除害装置が長寿命化し、除害
装置に関わるコストが削減され、半導体素子の製造コス
トを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るガス分離装置の構
造を示す側面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るガス分離装置の構
造を示す側面図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係るガス処理システム
の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係るガス処理システム
の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るガス処理システム
に付加する緊急除害装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 製造装置、 2 ガス供給装置、 3 フィルタ、 4 圧縮機、 5、5a、5b 吸着機、 6 ガス分離装置A、 7 ガス分離装置B、 8、8a、8b 精製装置、 9 除害装置、 10 放出装置、 21 断熱槽、 22、42 温度制御槽、 22a、42a 冷却ライン(温度調整手段)、 22b、42b ヒーターライン(温度調整手段)、 23 ガス冷却室(断熱性容器)、 24 冷媒入口、 25 冷媒出口、 26、46 ヒーター制御装置(温度制御手段)、 27 ガス導入口、 28 液体抽出口、 29,45 気体抽出口、 43 回収液貯槽(断熱性容器)、 44 液体回収口、 44a バルブ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なるガス成分からなる混合ガス
    を導入する断熱性容器と、 前記断熱性容器内の前記混合ガスを冷却/加熱して温度
    を調整する温度調整手段と、 前記温度調整手段を制御し、前記混合ガスの温度を前記
    混合ガスに含まれる特定のガス成分の液化温度以下の温
    度に維持する温度制御手段と、 前記断熱性容器に設けられており、冷却されて液化した
    前記特定のガス成分を含む液体を取り出す液体抽出口
    と、 前記断熱性容器に設けられており、冷却により液化しな
    かったガス成分を取り出す気体抽出口とを備えることを
    特徴とするガス分離装置。
  2. 【請求項2】 複数の異なるガス成分からなる混合ガス
    を液化して作成された液体を収容する断熱性容器と、 前記断熱性容器内の前記液体の温度を冷却/加熱して温
    度を調整する温度調整手段と、 前記温度調整手段を制御して前記液体の温度を前記液体
    に含まれる特定のガス成分の沸点と等しいかまたはその
    沸点より高い温度に維持する温度制御手段と、 前記断熱性容器内の気化したガスを取り出す気体抽出口
    とを備えることを特徴とするガス分離装置。
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