JP3017552B2 - 圧力変動吸着法による富酸素ガスの製造方法 - Google Patents

圧力変動吸着法による富酸素ガスの製造方法

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JP3017552B2 JP3083081A JP8308191A JP3017552B2 JP 3017552 B2 JP3017552 B2 JP 3017552B2 JP 3083081 A JP3083081 A JP 3083081A JP 8308191 A JP8308191 A JP 8308191A JP 3017552 B2 JP3017552 B2 JP 3017552B2
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常雄 三好
正明 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力変動吸着法(PSA
法)による空気の酸素富化方法に係り、特に吸着塔の周
囲温度の変化に対しPSA性能を良好に保持して、富酸
素ガスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒素を選択的に吸着する吸着剤、例えば
CaゼオライトA分子ふるいを用いたPSA法による空気
からの酸素富化分離法は安価に酸素を製造でき、その装
置はほとんど保守を要しない簡便性の故に、小型から大
型に至る装置が開発され、電炉、紙パルプ、化学反応、
水処理等の分野において、深冷分離装置に代って代替が
進んでいる。
【0003】これ等のPSA装置には窒素吸着剤として
モレキュラシーブゼオライトが使用されているが、吸着
剤の特性として吸着量qは温度T及び圧力Pの函数q=
f(T,P)として示される。例えばCaゼオライトA分
子ふるいにおいては吸着量qは圧力Pの増大によって増
加し、温度Tの上昇によって減少する。
【0004】従ってPSA装置を雰囲気中に設置した場
合、その性能は通常、気温の変化の影響を受け、高気温
時にはその装置における最大酸素発生量は減少し、低気
温時にはその装置における最大酸素発生量は増加してい
る。
【0005】また、これに加えて吸着剤を充填した吸着
塔内の温度勾配の問題も挙げられる。吸着剤が窒素吸着
工程中に発生する熱量は吸着塔内の空気の流れに伴って
移動し、その一部は分離された酸素によって塔外に持ち
去られる。続いて行われる窒素脱着工程ではこの持ち去
られた熱量のために熱収支が合わず空気流入側にある吸
着剤の温度は低下する。この不足分の一部は塔外からの
熱侵入によって補われるが完全ではなく、従って空気の
流入方向に沿って、場合によっては50℃以上もの温度
勾配が出来、吸着剤の窒素吸着量は塔内各部の温度に影
響される。また当然のことながら、この塔内温度勾配は
周囲温度の影響を受ける。
【0006】このため、これらの対策として、例えば塔
内にサーマルプレートを設置し、高温部の熱を低温部に
移動させる方法(特開昭50−79481号公報、及び
特開昭52−2891号公報)、吸着塔内の一部に熱交
換ゾーンを設ける方法(特開昭47−38880号公
報)、さらには吸着塔を氷点以下の恒温槽に収納する方
法(特開昭60−90509号公報)等が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は吸着塔を複雑な構造にしたり、デットスペース
を大きくしたり、また冷却するためには余分なエネルギ
ーを必要としている。そして上述の方法では十分な対策
が取り得ないので、PSA装置の設計条件として与えら
れた周囲温度のうちでも最もPSA性能の低い条件を採
用しないと満足したPSA性能を常に確保できない。
【0008】一方、このような低い条件を採用するとP
SA能力が増加する季節には、吸着剤の量は過量とな
り、吸着塔へ空気を流入させる空気ブロワや、窒素脱着
用の真空ポンプの設備能力も過大になってしまうという
問題があった。
【0009】また吸着塔に吸着特性の異なる複数の吸着
剤を充填する方法は例えば、特開昭60−120272
号公報、特開昭62−148304号公報、特開平2−
227112号公報等に記載されているが、いずれの方
法でも周囲温度の変化に対して安定したPSA性能を確
保することは困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するためになされたものであって、その要旨は窒素
を選択的に吸着する吸着剤を充填した複数の吸着塔を用
い、これらの吸着塔に空気を流入させて窒素を吸着除去
することにより富酸素ガスを製造方法において、前記吸
着塔の空気流入側にCaゼオライトAを、その下流側にCa
ゼオライトXをそれぞれ充填して圧力変動吸着法によっ
て富酸素ガスを製造する方法にある。
【0011】本発明において使用するCaゼオライトA分
子ふるいとしては、例えば5Aタイプがあり、空気分離
のPSA装置用として一般に知られている。一方、Caゼ
オライトX分子ふるいは、例えば米国特許明細書4,4
81,018号に記載されているものである。
【0012】本発明において、吸着塔は2塔以上の複数
の塔を組合せることができ、圧力を変動させる圧力分布
は大気圧以下の真空吸着法や加圧系の圧力吸着法に適用
できる。
【0013】図2は一例として3塔の吸着塔を用いたP
SA装置の気体の流れとシーケンスを示したものであ
る。図において、吸着塔1のA,B,Cにはそれぞれ、
吸着塔1の下部にCaゼオライトAが一様に充填されてお
り、その上部にはCaゼオライトXが充填されている。同
図の第1の吸着塔Aに注目すると、1サイクルは1〜6
工程から成り立っている。工程1は空気11が吸着塔A
の下部すなわち空気流入側から空気ブロワ(図示せず)
等で供給される。同時に塔の出口から製品である富酸素
ガス12が流出し、その一部は吸着塔Bに流入させてい
る。一方、吸着塔Cは真空ポンプ(図示せず)等により
真空排気13されている。
【0014】次に工程2は引き続き空気11が吸着塔A
の下部に供給されており、同時に塔の出口から富酸素ガ
ス12が流出し、その一部は吸着塔Bに流入させ、さら
に一部は吸着塔C内を向流方向に洗滌(パージ)しなが
ら系外に排出されている。工程3は空気11が吸着塔B
に供給され、同時に塔の出口から富酸素ガス12を流出
させ、その一部は吸着塔Cに流入させている。吸着塔A
は真空排気13されている。
【0015】工程4は引き続き空気11が吸着塔Bに供
給されており、同時に塔の出口から富酸素ガス12が流
出し、その一部は吸着塔Cに流入させ、さらに一部は吸
着塔A内を向流方向に洗滌(パージ)しながら系外に排
出されている。工程5は空気11が吸着塔Cに供給さ
れ、同時に塔の出口から富酸素ガス12を流出させ、そ
の一部は吸着塔Aに流入させている。吸着塔Bは真空排
気13されている。
【0016】工程6は引き続き空気11が吸着塔Cに供
給されており、同時に塔の出口から富酸素ガス12が流
出し、その一部は吸着塔Aに流入させ、さらに一部は吸
着塔B内を向流方向に洗滌(パージ)しながら系外に排
出されている。
【0017】以上のサイクルを連続的に繰り返すことに
よって、富酸素ガス12は連続的に製造することができ
る。なお、本発明においては、複数の使用する塔数およ
びシーケンスサイクルが図2に限定されるものではな
い。
【0018】
【実施例】次に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説
明する。 〔実施例1〕内径が600mmの円筒状の吸着塔の底端部
に4〜8φの活性アルミナを200mmの高さに充填し、
その上に2〜3φのCaゼオライトA分子ふるいを20
7.5kg、さらにその上に2〜3φのCaゼオライトX分
子ふるいを178kg充填してゼオライトモレキュラシー
ブの充填高さを2100mmとした。さらにその最上部に
は8〜12φのセラミックボールを100mm充填して吸
着塔の充填物の総高さを2400mmとした。そしてこれ
らの吸着塔を3塔用意した。
【0019】図1はこれら3塔の吸着塔を組み込んで実
験に使用したPSA装置の構成図である。図においてCa
ゼオライトA8とCaゼオライトX9とを充填した吸着塔
1A,B,Cと開閉弁2……は恒温槽3中に収納されて
おり、温湿度調整機4によって恒温槽3内の温度を−1
0〜40℃、相対湿度を30〜80%の範囲で任意にコ
ントロールできるようにした。空気ブロワ5は吐出圧6
00mm H2Oにおいて吸入量約200m3 /HRの能力を有
するターボ型で同様に恒温槽3内に設置した。真空排気
用の真空ポンプ6は吸入量約375m3 /HRの水封式2
段ルーツ型であり、吸着塔から発生する酸素はターボ型
酸素ポンプ7によって大気圧で放出した。
【0020】このPSA装置は図2に示したシーケンス
によって1塔当り50秒のサイクルタイムで運転した。
そして恒温槽の温度と相対湿度をそれぞれ(−10℃、
なりゆき)、(0℃、50%)、(25℃、70%)、
(40℃、50%)の4段階にコントロールして酸素濃
度93%における脱着最終圧力(mmHg)、ベッドサイズ
ファクタ(kg−モレキュラシーブゼオライト/トン酸素
/日)(B.S.F.と称する)、及び電力原単位(kw
h / Nm3 酸素)を測定した。その測定結果を図3に示
し、図中が実施例1の結果である。
【0021】図3は横軸に恒温槽内温度すなわち周囲温
度、縦軸にはそれぞれ脱着最終圧力、B.S.F.及び
電力原単位を示してある。
【0022】なお、脱着最終圧力とは脱着工程で真空ポ
ンプで排気した時の最終真空度であり、電力原単位には
空気ブロワ5と真空ポンプ6の消費電力を加算した。
【0023】〔比較例1〕実施例1においてCaゼオライ
トA分子ふるいとCaゼオライトX分子ふるいの吸着剤の
代りにCaゼオライトA分子ふるいのみを使用し、1塔当
りの充填量は415kgで、充填高さは2100mmであっ
た。そしてその他の条件は実施例1と同様にして運転し
た。その結果を図3のに示した。
【0024】〔比較例2〕比較例1においてCaゼオライ
トA分子ふるいとCaゼオライトX分子ふるいのみを使用
し、1塔当りの充填量は356kgで、充填高さは210
0mmであった。そしてその他の条件は比較例1と同様に
して運転した。その結果を図3のに示した。
【0025】図3において、モレキュラシーブゼオライ
トとしてCaゼオライトA分子ふるいのみを充填したの
結果では、周囲温度の上昇によって急激にB.S.F.
及び電力原単位が悪化している。またモレキュラシーブ
ゼオライトとしてCaゼオライトX分子ふるいのみを充填
したの結果では、周囲温度の低下によってB.S.
F.及び電力原単位が悪化している。一方、本発明のCa
ゼオライトA分子ふるいとCaゼオライトX分子ふるいと
を組合せて充填したの結果では、周囲温度の変化に対
してB.S.F.及び電力原単位の変動が極めて小さい
ことが明らかである。
【0026】
【発明の効果】本発明は吸着塔に充填しているモレキュ
ラシーブゼオライトを空気の流入側にはCaゼオライトA
を、そしてその下流側にはCaゼオライトXを組合せて充
填しているので、周囲温度の変化に対してPSA性能の
変動が極めて小さく、従ってPSA装置自体を恒温にす
ることなく安定した生産能力を維持することができる。
また吸着塔の構造も特別な部材を付加することなく、在
来の構造のものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験に使用したPSA装置の構成図である。
【図2】PSA装置の操作の一例を示すシーケンス図で
ある。
【図3】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸着塔 2 開閉弁 3 恒温槽 4 温湿度調整機 5 空気ブロワ 6 真空ポンプ 7 酸素ポンプ 8 CaゼオライトA 9 CaゼオライトX 11 空気 12 富酸素ガス 13 真空排気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填し
    た複数の吸着塔を用い、これらの吸着塔に空気を流入さ
    せて窒素を吸着除去することにより富酸素ガスを製造方
    法において、前記吸着塔の空気流入側にCaゼオライトA
    を、その下流側にCaゼオライトXをそれぞれ充填してい
    ることを特徴とする圧力変動吸着法による富酸素ガスの
    製造方法。
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DE19518407A1 (de) * 1995-05-19 1996-11-21 Bayer Ag Verfahren zur adsorptiven Sauerstoffanreicherung von Luft mit Mischungen aus Molekularsieb-Zeolithen
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