JPH07252906A - 吊り下げ器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所要の荷重を支持し得る簡易かつ効果的な連
結を取付部材と細長い支持部材との間にもたらすことを
目的とする。 【構成】 取付部材１と、その取付部材に連結され得る
ワイヤー状の細長い支持部材７とを具える吊り下げ器具
であって、前記取付部材が、取付用部分２と、その取付
用部分に連なりそこから延在する連結用部分３とを有
し、前記連結用部分３が、前記支持部材の長手方向に対
し横断方向へ延在する少なくとも一対の隙間５を有し、
前記支持部材７が、前記連結用部分３の前記隙間５の間
に位置する部分６とその連結用部分３の残りの表面との
間に挿通され得るとともに、その連結用部分３に対する
掛止状態での連結をもたらすために変形され得ることを
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、取付部材とワイヤー
状の支持部材とからなる吊り下げ器具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】上述した種類の吊り下げ器具は、主とし
て、配管や吊り天井やそれらと同様の物の如き対象物を
天井から吊り下げるために使用される。従って、上記吊
り下げ器具の上記取付部材は、天井に固定され、その取
付部材に連結された上記支持部材は、吊り下げられるべ
き対象物に固定される。一般にその支持部材は、ワイヤ
ーもしくはワイヤー状部材である。

【０００３】上述の如き吊り下げ器具は、米国特許第
2,863,149号、特にその図３に示されており、ここでの
取付部材は直角部材の形状を有し、その取付部材の一部
分は、天井への装着用とされている。またここでのワイ
ヤーからなる支持部材は、上記取付部材の連結用部分に
連結されており、その連結用部分は、上記支持部材がそ
こに挿通されてから捩じられるための孔を有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記既知の吊り下げ器
具の取付部材と支持部材とのかかる連結構造には不都合
がある。というのはその支持部材の太さに起因して、そ
れを上記取付部材に通して捩じる作業に比較的負担が大
きく、それを行うためには特別な工具が必要となるから
である。そして、その支持部材の太さを適当に減らすこ
とで上記吊り下げ器具を簡易化することを試みたとして
も、その取付部材と支持部材との間の連結が分離してし
まうかもしれないので、その器具の荷重支持能力が影響
を受けてしまう。

【０００５】それゆえこの発明の主な目的は、取付部材
と支持部材とを具える吊り下げ器具であって、所要の荷
重を支持し得る簡易かつ効果的な連結が取付部材と細長
い支持部材との間にもたらされるような吊り下げ器具を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用】この発明に基
づく吊り下げ器具では、前記取付部材の連結用部分に、
前記支持部材の長手方向に対し横断方向へ延在する少な
くとも二箇所の隙間が設けられ、前記連結用部分のうち
の、それらの隙間の間に位置する部分が、前記取付部材
の連結用表面の平坦な面からその平坦な面に対し垂直な
方向へ変移させられ、そして前記支持部材が、その支持
部材を前記連結用部分の前記変移させられた部分と残り
の連結用表面との間に挿通することによって、前記取付
部材に連結されている。この結果、前記支持部材は、前
記変移させられた部分に当接するとともに、その変移さ
せられた部分とは反対の側で前記連結用表面に当接す
る。

【０００７】この発明における取付部材と支持部材との
間の連結構造は、製作が極めて簡単である。というのは
前記隙間は、前記取付部材の連結用部分に押し切り加工
を施すだけで形成されるからである。かかる隙間の形成
によれば、前記隙間の間に位置する部分と前記連結用部
分の残りの領域との間が離間されるとともに、その隙間
の間に位置する部分が前記連結用部分の前記連結用表面
の平坦な面からそれに対し垂直な方向へ変移させられ
る。この変移させられた部分と残りの連結用表面との間
の離間は、前記ワイヤー状支持部材の太さに応じてなさ
れる。なお、前記支持部材を前記取付部材に、その支持
部材が前記連結用部分の前記変移させられた領域の両側
で前記連結用部分に当接するように固定することも可能
である。従って、前記支持部材を前記取付部材に連結す
るためにその支持部材を捻る必要がないので、その支持
部材の太さを比較的太くし得るという利点が得られる。
この支持部材の太さは、前記変移させられた領域の、前
記連結用部分の連結用表面の平坦な面からの垂直方向へ
の離間の程度を規定するが、その支持部材の太さを、そ
れらの隙間に手当たり次第に支持部材を適用してみて選
ぶこともできる。

【０００８】好ましくは、前記支持部材の長手方向に対
し横断方向へ延在する前記隙間としては、前記隙間の互
いに異なる対の間の各々に位置する二つの部分をもたら
す、少なくとも四箇所すなわち二対の隙間が設けられ
る。この、より多い数の隙間によれば、連結用部分の、
支持部材に適用し得る当接表面を増大させることができ
る。従って、この、より多い数の隙間によれば、吊り下
げ可能荷重の増加を可能にしつつ支持部材と取付部材と
の間の固着を改良することができる。

【０００９】隙間の間に位置する変移可能な部分を伴う
前記隙間の数は、前記支持部材の長手方向へ延在する前
記連結用部分の寸法を増大させることで、上述した、隙
間の間に位置する二つの変移可能な部分を伴う四箇所の
場合に代えて、任意に増加させることができる。

【００１０】好ましくは、前記支持部材は、前記取付部
材の前記連結用部分の、前記複数の隙間と残りの平坦な
表面との間の位置で曲げられる。前記取付部材の前記連
結用表面に適合されたそれらの支持部材の曲がりは、前
記取付部材と前記支持部材との間に積極的に掛止された
連結構造をもたらすので、吊り下げ得る、あるいは掛け
得る荷重を増加させることができる。

【００１１】前記積極的に掛止された連結構造の形成
は、前記連結用部分の前記連結用表面の平坦な面へ向け
てのその平坦な面に対し垂直な方向への変移が行われる
二次的な変形あるいは変移工程によって、簡単な方法で
達成される。この変形あるいは変移は、押し出し加工、
プレス加工、ローリング加工あるいはスエージ加工等に
よって達成することができる。

【００１２】従来技術の吊り下げ器具で経験された問題
点の一つに、その器具の出荷と貯蔵に関するものがあ
る。すなわちもしもその器具が製造場所で組み立てられ
ると、その組上がった器具は、嵩張るとともに荷造りが
困難なものになるため、出荷と貯蔵の問題を生じさせ
る。一方、この発明によれば、前記取付部材と前記支持
部材とは別々に出荷できるのでコンパクトな荷造りが可
能になる。すなわち前記支持部材は、その器具が使用さ
れるべき場所で前記取付部材に挿通されることができ、
その連結用部分は、前記取付部材と前記支持部材との間
の掛止された連結をもたらすために、例えばスエージ加
工等によって変形される。従って、この発明は、出荷と
取扱いのコストの低減をもたらす。

【００１３】この発明を特徴づける種々の新規な構成
は、この明細書に含まれるとともにその一部を構成して
いる請求項において詳細に指摘されている。この発明
と、その作用、利点、そしてその使用によって達成され
る特別な事項の、より良い理解のためには、この発明の
好ましい実施態様が記述された添付図面および詳細な説
明が参照されるべきである。

【００１４】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。ここに、図１は、この発明の一実施態様
である吊り下げ器具の取付部材を示す斜視図であり、ま
た図２は、上記実施態様の吊り下げ器具を、支持部材が
取付部材に挿通されるとともに掛止されて連結された状
態で示す斜視図である。図１に示すように、吊り下げ器
具の取付部材１は、取付用部分２と、その取付用部分に
対し直角に配置された連結用部分３とによって構成され
ており、その取付用部分２は、取付部材１を天井や他の
支持面に固着するためのクギやネジ等の装着用要素を受
け入れる開口部あるいは孔４を有している。

【００１５】一方、上記取付部材１の連結用部分３は、
図２に示す支持部材７の長手方向に対し横断方向へ延在
する複数箇所の隙間５を有しており、その連結用部分３
の、互いに隣接して対をなす上記隙間５の間にそれぞれ
位置する複数の部分６は、その連結用部分３の平坦な表
面から変移させられ、その連結用部分３の表面の平坦な
面からその平坦な面に対し垂直な方向へ拡張されてい
る。これらの部分６は、種々の金属加工工程によって、
連結用部分３の残りの表面領域の平坦な面から外れるよ
うに変移させることができる。

【００１６】図２には、図１に示すものに対応する取付
部材１と、その取付部材１の上記連結用部分３に固着さ
れた細長い支持部材７とを具える完成された吊り下げ器
具が示されている。

【００１７】上述したように取付部材１は、装着用要素
を受け入れるために取付用部分２を貫通している孔ある
いは開口部４を有するとともに、支持部材７の長手方向
に対し横断方向へ延在する複数箇所の隙間５を持つ連結
用部分３を有しており、図１および図２に示す例では、
隙間５の各対の間に位置する部分６を伴って、二対の隙
間５が設けられている。そして上記各部分６は、支持部
材７を受け入れるための開口部がその部分６と連結用部
分３の残りの連結用表面との間に設けられるよう、連結
用部分３の残りの連結用表面の平坦な面から外れるよう
に変移させられている。

【００１８】上記支持部材７は、上記連結用部分３の、
上記複数の部分６と連結用表面の残りの平坦な表面との
間に延在しており、図２から判明するように支持部材７
は、その支持部材７の上端部が連結用部分３の連結用表
面に当接支持された状態で、上記各部分６と上記連結用
表面との間に延在している。ここで、それら支持部材７
と連結用部分３との間には、上記各部分６を連結用部分
３の上記残りの連結用表面へ向かう方向へ変移あるいは
変形させることによって、積極的に掛止された連結構造
がもたらされている。すなわち上記各部分６の変移の結
果として、上記支持部材７には、積極的に掛止された連
結構造をもたらす複数の曲げ部８が形成され、図２に示
すように、ワイヤー状の上記支持部材７のそれら複数の
曲げ部８は、その支持部材の長手方向に順次に配置され
ており、上記各部分６の上記変形は、それら複数の曲げ
部８を、上記連結用部分３に支持され掛止される位置に
位置させる。

【００１９】図示例では、取付部材１は直角な部材とし
て示されているが、その角度は、使用状態に応じて変更
しても良い。そして取付用部分２と連結用部分３とは、
同一平面内に配置することもできる。

【００２０】上記隙間５の対の数および、支持部材７の
長手方向の上記連結用部分３の寸法は、取付部材１から
吊り下げられるべき荷重に応じたものとされる。

【００２１】以上、この発明の原理を示すためにこの発
明の特定の実施態様について詳細に説明したが、上述し
たこの発明の原理の範囲内で、他の実施態様も可能であ
ることは理解されるであろう。

【００２２】

【発明の効果】かくしてこの発明の吊り下げ器具によれ
ば、所要の荷重を支持し得る簡易かつ効果的な連結を取
付部材と細長い支持部材との間にもたらすことができ、
しかも吊り下げ器具の出荷と取扱いのコストの低減をも
もたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施態様である吊り下げ器具の取
付部材を示す斜視図である。

【図２】上記実施態様の吊り下げ器具を、支持部材が取
付部材に挿通されるとともに掛止されて連結された状態
で示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 取付部材 ２ 取付用部分 ３ 連結用部分 ４ 開口部もしくは孔 ５ 隙間 ６ 隙間の間に位置する部分 ７ 支持部材 ８ 曲げ部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付部材(1) と、ワイヤー状の細長い支
   持部材(7) とを具える吊り下げ器具であって、前記取付
   部材が、支持表面に取り付けられる取付用部分(2) と、
   前記支持部材(7) の長手方向へ延在する連結用表面を持
   つとともに前記取付用部分から延在する連結用部分(3)
   とを有し、前記連結用部分(3) が、前記支持部材の長手
   方向に対し横断方向へその連結用部分を貫通して延在す
   る少なくとも一対の隙間(5) を有し、前記連結用部分
   (3) の、前記少なくとも一対の隙間(5) の間に位置する
   部分(6) が、前記連結用表面の平坦な面からその平坦な
   面に対し直角な方向へ外れるように変移させられること
   ができ、前記支持部材(7)が、前記変移可能な部分(6)
   と前記連結用表面との間にその支持部材の長手方向へ向
   けて挿通されることができるとともにそれら変移可能な
   部分(6) と前記連結用表面とに当接され、そして前記変
   移可能な部分(6) が、前記支持部材と前記取付部材との
   間の掛止された連結をもたらすべく、前記連結用表面に
   対し横断方向へ曲がった曲げ部分(8) を前記支持部材に
   形成するために、前記連結用表面へ向かう方向へ変移さ
   せられることができるものである、吊り下げ器具。
2. 【請求項２】 前記連結用部分(3) には、前記支持部材
   (7) の長手方向に対し横断方向へ延在する前記隙間(5)
   が少なくとも二対設けられ、前記各対における前記隙間
   (5) は、支持部材の長手方向へ互いに離間されており、
   これにより前記連結用部分(3) には、少なくとも二つの
   前記変移可能な部分(6) が形成されている、請求項１記
   載の吊り下げ器具。
3. 【請求項３】 前記取付部材(1) は、前記連結用部分
   (3) に対し実質的に直角に延在する前記取付用部分(2)
   を有するものである、請求項１記載の吊り下げ器具。
4. 【請求項４】 前記支持部材(7) は、円弧状ワイヤーを
   具えるものである、請求項３記載の吊り下げ器具。