JPH0725257A - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置Info
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- JPH0725257A JPH0725257A JP17052693A JP17052693A JPH0725257A JP H0725257 A JPH0725257 A JP H0725257A JP 17052693 A JP17052693 A JP 17052693A JP 17052693 A JP17052693 A JP 17052693A JP H0725257 A JPH0725257 A JP H0725257A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yaw rate
- vehicle
- sensor
- lateral acceleration
- dead zone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 センサ信号中のノイズを有効に除去して、ヨ
ーレートフィードバック制御の信頼性を高める。 【構成】 2輪モデルを基に目標ヨーレートを設定し、
実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するように
車載機器をフィードバック制御する。そして、上記フィ
ードック制御に用いるセンサの信号から高周波ノイズを
除去するローパスフィルタ61と、上記センサの信号を
用いた制御則に、低周波ノイズを除去するための不感帯
Gl0を設定する不感帯設定手段62とを設ける。上記セ
ンサは、例えば車両の横加速度を検出する横加速度セン
サであり、上記制御則は、車速Vと舵角θとを基に計算
した横加速度計算値Gltと上記横加速度センサで検出さ
れた横加速度実測値Gl との差に応じて目標ヨーレート
Yt を補正する。上記不感帯補正手段62は、センサ信
号の高周波成分の分散を求め、該分散に応じて不感帯G
l0の幅を変更する。
ーレートフィードバック制御の信頼性を高める。 【構成】 2輪モデルを基に目標ヨーレートを設定し、
実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するように
車載機器をフィードバック制御する。そして、上記フィ
ードック制御に用いるセンサの信号から高周波ノイズを
除去するローパスフィルタ61と、上記センサの信号を
用いた制御則に、低周波ノイズを除去するための不感帯
Gl0を設定する不感帯設定手段62とを設ける。上記セ
ンサは、例えば車両の横加速度を検出する横加速度セン
サであり、上記制御則は、車速Vと舵角θとを基に計算
した横加速度計算値Gltと上記横加速度センサで検出さ
れた横加速度実測値Gl との差に応じて目標ヨーレート
Yt を補正する。上記不感帯補正手段62は、センサ信
号の高周波成分の分散を求め、該分散に応じて不感帯G
l0の幅を変更する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実際のヨーレートが目
標ヨーレートに合致するように車載機器をフィードバッ
ク制御する車両の制御装置に関し、特にその制御に用い
るセンサのノイズ対策に係わる。
標ヨーレートに合致するように車載機器をフィードバッ
ク制御する車両の制御装置に関し、特にその制御に用い
るセンサのノイズ対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の制御装置として、例え
ば特公平4−68167号公報に開示されるように、舵
角を検出する舵角センサと、車速を検出する車速センサ
と、上記両センサで検出された舵角及び車速から目標ヨ
ーレートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車体に
発生する実際のヨーレートを検出するヨーレートセンサ
と、動力伝達経路に介設されたクラッチ手段とを備え、
実際のヨーレートが目標ヨーレートに合致するように上
記クラッチ手段を作動させて各駆動輪へのトルク伝達量
を調整するようにした、いわゆるヨーレートフィーバッ
ク制御装置は知られている。このヨーレートフィードバ
ック制御装置は、車両のステアリング特性を自由に変更
することができ、車両の応答遅れの補償及び横風等の外
乱による影響の抑制等の効果を奏することができる。
ば特公平4−68167号公報に開示されるように、舵
角を検出する舵角センサと、車速を検出する車速センサ
と、上記両センサで検出された舵角及び車速から目標ヨ
ーレートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車体に
発生する実際のヨーレートを検出するヨーレートセンサ
と、動力伝達経路に介設されたクラッチ手段とを備え、
実際のヨーレートが目標ヨーレートに合致するように上
記クラッチ手段を作動させて各駆動輪へのトルク伝達量
を調整するようにした、いわゆるヨーレートフィーバッ
ク制御装置は知られている。このヨーレートフィードバ
ック制御装置は、車両のステアリング特性を自由に変更
することができ、車両の応答遅れの補償及び横風等の外
乱による影響の抑制等の効果を奏することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ヨーレートフィードバック制御装置においては、通常、
ヨーレートセンサ等のセンサの信号から高周波ノイズを
除去するためにローパスフィルタを設けているが、上記
センサの信号には、路面状況に応じて低周波ノイズが含
まれることがあり、この低周波ノイズをも除去すること
が、制御の信頼性を高める上で必要である。
ヨーレートフィードバック制御装置においては、通常、
ヨーレートセンサ等のセンサの信号から高周波ノイズを
除去するためにローパスフィルタを設けているが、上記
センサの信号には、路面状況に応じて低周波ノイズが含
まれることがあり、この低周波ノイズをも除去すること
が、制御の信頼性を高める上で必要である。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、センサ信号中のノイズ
を有効に除去して、ヨーレートフィードバック制御の信
頼性を高め得る車両の制御装置を提供せんとするもので
ある。
あり、その目的とするところは、センサ信号中のノイズ
を有効に除去して、ヨーレートフィードバック制御の信
頼性を高め得る車両の制御装置を提供せんとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、実際のヨーレートが該目標ヨーレート
に合致するように車載機器をフィードバック制御する車
両の制御装置において、上記フィードック制御に用いる
センサの信号から高周波ノイズを除去するローパスフィ
ルタと、上記センサの信号を用いた制御則に、低周波ノ
イズを除去するための不感帯を設定する不感帯設定手段
とを備える構成とする。
め、請求項1記載の発明は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、実際のヨーレートが該目標ヨーレート
に合致するように車載機器をフィードバック制御する車
両の制御装置において、上記フィードック制御に用いる
センサの信号から高周波ノイズを除去するローパスフィ
ルタと、上記センサの信号を用いた制御則に、低周波ノ
イズを除去するための不感帯を設定する不感帯設定手段
とを備える構成とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、その一つの態様を示すものである。すなわ
ち、上記センサは、車両の横加速度を検出する横加速度
センサであり、上記制御則は、車速と舵角とを基に計算
した横加速度計算値と上記横加速度センサで検出された
横加速度実測値との差に応じて目標ヨーレートを補正す
るように設けられている。
明に従属し、その一つの態様を示すものである。すなわ
ち、上記センサは、車両の横加速度を検出する横加速度
センサであり、上記制御則は、車速と舵角とを基に計算
した横加速度計算値と上記横加速度センサで検出された
横加速度実測値との差に応じて目標ヨーレートを補正す
るように設けられている。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、その構成要素に加えて、更に上記不感帯を
路面状況に応じて補正する不感帯補正手段を備える構成
とする。
明に従属し、その構成要素に加えて、更に上記不感帯を
路面状況に応じて補正する不感帯補正手段を備える構成
とする。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明に従属し、その一つの構成要素である不感帯補正手段
による補正内容をより具体的に示すものである。すなわ
ち、上記不感帯補正手段は、上記センサ信号の高周波成
分の分散を求め、該分散に応じて不感帯の幅を変更する
ものである。
明に従属し、その一つの構成要素である不感帯補正手段
による補正内容をより具体的に示すものである。すなわ
ち、上記不感帯補正手段は、上記センサ信号の高周波成
分の分散を求め、該分散に応じて不感帯の幅を変更する
ものである。
【0009】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ヨーレートフィードック制御に用いるセンサの信号に含
まれるノイズのうち、高周波ノイズはローパスフィルタ
により除去されるとともに、低周波ノイズは、上記セン
サの信号を用いた制御則に設けた不感帯によって制御則
自体に影響を及ぼすことがなく、除去したと同様にな
る。
ヨーレートフィードック制御に用いるセンサの信号に含
まれるノイズのうち、高周波ノイズはローパスフィルタ
により除去されるとともに、低周波ノイズは、上記セン
サの信号を用いた制御則に設けた不感帯によって制御則
自体に影響を及ぼすことがなく、除去したと同様にな
る。
【0010】ここで、上記低周波ノイズの発生度合い
は、路面状況に応じて異なるが、請求項3記載の発明で
は、上記不感帯は、路面状況に応じて、不感帯補正手段
によって補正されることにより、低周波ノイズの除去が
確実に行われることになる。
は、路面状況に応じて異なるが、請求項3記載の発明で
は、上記不感帯は、路面状況に応じて、不感帯補正手段
によって補正されることにより、低周波ノイズの除去が
確実に行われることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0012】図1は本発明の第1実施例として4輪駆動
車のトルク配分制御装置に適用した場合を示す。この図
において、1及び2は左右の前輪、3及び4は左右の後
輪、5はエンジンであって、該エンジン5の出力は、エ
ンジン出力を前輪側と後輪側とに等分に伝達するセンタ
ーディファレンシャルを有するトランスファ6にトラン
スミッション7を介して入力される。
車のトルク配分制御装置に適用した場合を示す。この図
において、1及び2は左右の前輪、3及び4は左右の後
輪、5はエンジンであって、該エンジン5の出力は、エ
ンジン出力を前輪側と後輪側とに等分に伝達するセンタ
ーディファレンシャルを有するトランスファ6にトラン
スミッション7を介して入力される。
【0013】上記トランスファ6には前輪側プロペラシ
ャフト11を介してフロントディファレンシャル12が
連結され、該フロントディファレンシャル12には左右
の前輪1,2がそれぞれ駆動軸13を介して連結されて
いる。また、トランスファ6には後輪側プロペラシャフ
ト14を介してリヤディファレンシャル15が連結さ
れ、該リヤディファレンシャル15には左右の後輪3,
4がそれぞれ駆動軸16を介して連結されている。
ャフト11を介してフロントディファレンシャル12が
連結され、該フロントディファレンシャル12には左右
の前輪1,2がそれぞれ駆動軸13を介して連結されて
いる。また、トランスファ6には後輪側プロペラシャフ
ト14を介してリヤディファレンシャル15が連結さ
れ、該リヤディファレンシャル15には左右の後輪3,
4がそれぞれ駆動軸16を介して連結されている。
【0014】また、21,22,23及び24はそれぞ
れ各車輪1〜4に設けられたブレーキ装置であり、これ
らのブレーキ装置21〜24に供給される油圧(ブレー
キ圧)は、ブレーキ油圧回路25によって独立的に制御
される。26はエンジン1の吸気系に設けられたスロッ
トル弁、27は該スロットル弁26の開度を調整するス
ロットルモータであって、該スロットルモータ27はエ
ンジンコントローラ28により制御される。上記エンジ
ンコントローラ28は、運転者のアクセル操作量を検出
するアクセルセンサ29からのアクセル信号を受けて上
記スロットルモータ27に作動制御信号を出力し、運転
者のアクセル操作量に対応してスロットル弁26の開度
を調整するとともに、トルク配分コントローラ30から
の制御信号を受けて、トルク配分の変更に必要なエンジ
ン出力トルクが得られるようエンジン出力を変更するも
のである。
れ各車輪1〜4に設けられたブレーキ装置であり、これ
らのブレーキ装置21〜24に供給される油圧(ブレー
キ圧)は、ブレーキ油圧回路25によって独立的に制御
される。26はエンジン1の吸気系に設けられたスロッ
トル弁、27は該スロットル弁26の開度を調整するス
ロットルモータであって、該スロットルモータ27はエ
ンジンコントローラ28により制御される。上記エンジ
ンコントローラ28は、運転者のアクセル操作量を検出
するアクセルセンサ29からのアクセル信号を受けて上
記スロットルモータ27に作動制御信号を出力し、運転
者のアクセル操作量に対応してスロットル弁26の開度
を調整するとともに、トルク配分コントローラ30から
の制御信号を受けて、トルク配分の変更に必要なエンジ
ン出力トルクが得られるようエンジン出力を変更するも
のである。
【0015】さらに、31は操舵輪である前輪1,2の
舵角を検出する舵角センサ、32は車両の横方向の加速
度を検出する横加速度センサ、33は車両の前後方向の
加速度を検出する前後加速度センサ、34は各車輪1〜
4の回転数を検出する車輪速センサ、35はエンジン回
転数を検出する回転数センサ、36は各車輪1〜4(ブ
レーキ装置21〜24)のブレーキ圧を検出するブレー
キ圧センサ、37はトランスミッション7のギヤポジシ
ョン(変速段)を検出するギヤポジションセンサ、38
はエンジン5のブースト圧を検出するブースト圧セン
サ、39は車両のヨーレートを検出するヨーレートセン
サであり、これら各種センサ31〜39の信号は、上記
アクセルセンサ29の信号と共に、上記トルク配分コン
トローラ30に入力される。該トルク配分コントローラ
30は、各車輪1〜4へのトルク配分を制御するため
に、上記エンジンコントローラ28及びブレーキ油圧回
路25(詳しくは後述の増圧用電磁弁46,47と減圧
用電磁弁48,49)を制御する。
舵角を検出する舵角センサ、32は車両の横方向の加速
度を検出する横加速度センサ、33は車両の前後方向の
加速度を検出する前後加速度センサ、34は各車輪1〜
4の回転数を検出する車輪速センサ、35はエンジン回
転数を検出する回転数センサ、36は各車輪1〜4(ブ
レーキ装置21〜24)のブレーキ圧を検出するブレー
キ圧センサ、37はトランスミッション7のギヤポジシ
ョン(変速段)を検出するギヤポジションセンサ、38
はエンジン5のブースト圧を検出するブースト圧セン
サ、39は車両のヨーレートを検出するヨーレートセン
サであり、これら各種センサ31〜39の信号は、上記
アクセルセンサ29の信号と共に、上記トルク配分コン
トローラ30に入力される。該トルク配分コントローラ
30は、各車輪1〜4へのトルク配分を制御するため
に、上記エンジンコントローラ28及びブレーキ油圧回
路25(詳しくは後述の増圧用電磁弁46,47と減圧
用電磁弁48,49)を制御する。
【0016】次に、上記ブレーキ油圧回路25の構成に
ついて、図2を用いて説明する。
ついて、図2を用いて説明する。
【0017】図2において、41は左前輪1のブレーキ
装置21のための第1油圧ライン、42は右前輪2のブ
レーキ装置22のための第2油圧ラインであって、該各
油圧ライン41,42にはそれぞれブレーキ圧の供給を
制御する圧力制御弁43,44が介設されている。
装置21のための第1油圧ライン、42は右前輪2のブ
レーキ装置22のための第2油圧ラインであって、該各
油圧ライン41,42にはそれぞれブレーキ圧の供給を
制御する圧力制御弁43,44が介設されている。
【0018】上記各圧力制御弁43,44は、シリンダ
43a,44aがピストン43b,44bにより容積可
変室43c,44cと制御室43d,44dとに区画さ
れている。上記容積可変室43c,44cは、マスタシ
リンダ45で発生したブレーキ圧を上記ブレーキ装置2
1,22に供給するものである。上記ピストン43b,
44bは、スプリング43e,44eにより容積可変室
43c,44cの容積が増大する方向に付勢されている
とともに、制御室43d,44dに導入される制御圧に
よりスプリング43e,44eの付勢に抗して容積可変
室43c,44cを縮小する方向に移動するものであ
り、この縮小方向の移動により容積可変室43c,44
cの制動圧入口を閉じるチェックバルブ43f,44f
を備えている。従って、制御室43d,44dに制御圧
が導入されてピストン43b,44bがスプリング43
e,44eに抗して移動すると、マスタシリンダ45と
容積可変室43c,44cとの間が遮断されるととも
に、該容積可変室43c,44c内で発生する制動圧が
ブレーキ装置21,22に供給されることになる。
43a,44aがピストン43b,44bにより容積可
変室43c,44cと制御室43d,44dとに区画さ
れている。上記容積可変室43c,44cは、マスタシ
リンダ45で発生したブレーキ圧を上記ブレーキ装置2
1,22に供給するものである。上記ピストン43b,
44bは、スプリング43e,44eにより容積可変室
43c,44cの容積が増大する方向に付勢されている
とともに、制御室43d,44dに導入される制御圧に
よりスプリング43e,44eの付勢に抗して容積可変
室43c,44cを縮小する方向に移動するものであ
り、この縮小方向の移動により容積可変室43c,44
cの制動圧入口を閉じるチェックバルブ43f,44f
を備えている。従って、制御室43d,44dに制御圧
が導入されてピストン43b,44bがスプリング43
e,44eに抗して移動すると、マスタシリンダ45と
容積可変室43c,44cとの間が遮断されるととも
に、該容積可変室43c,44c内で発生する制動圧が
ブレーキ装置21,22に供給されることになる。
【0019】一方、上記各圧力制御弁43,44を作動
させるために、各々増圧用電磁弁46,47と減圧用電
磁弁48,49とが設けられている。増圧用電磁弁4
6,47は、オイルポンプ50からリリーフ弁51を介
して上記圧力制御弁43,44の制御室43d,44d
に至る制御圧供給ライン52,53上に配置され、減圧
用電磁弁48,49は、上記制御室43d,44dから
導かれたドレンライン54,55上に配置されている。
そして、これらの電磁弁46〜49は上記トルク配分コ
ントローラ30からの信号により開閉制御され、増圧用
電磁弁46,47が開通されかつ減圧用電磁弁48,4
9が遮断されたときに圧力制御弁43,44の制御室4
3d,44dに制御圧が導入され、増圧用電磁弁46,
47が遮断されかつ減圧用電磁弁48,49が開通され
たときに上記制御室43d,44dの制御圧が排出され
るようになっている。
させるために、各々増圧用電磁弁46,47と減圧用電
磁弁48,49とが設けられている。増圧用電磁弁4
6,47は、オイルポンプ50からリリーフ弁51を介
して上記圧力制御弁43,44の制御室43d,44d
に至る制御圧供給ライン52,53上に配置され、減圧
用電磁弁48,49は、上記制御室43d,44dから
導かれたドレンライン54,55上に配置されている。
そして、これらの電磁弁46〜49は上記トルク配分コ
ントローラ30からの信号により開閉制御され、増圧用
電磁弁46,47が開通されかつ減圧用電磁弁48,4
9が遮断されたときに圧力制御弁43,44の制御室4
3d,44dに制御圧が導入され、増圧用電磁弁46,
47が遮断されかつ減圧用電磁弁48,49が開通され
たときに上記制御室43d,44dの制御圧が排出され
るようになっている。
【0020】尚、左右の後輪3,4のブレーキ装置2
3,24についても、その図示は省略するが、上記前輪
1,2のブレーキ装置21,22と同様の構造が採用さ
れており、かかる構造により各ブレーキ装置21〜24
に独立したブレーキ圧を作用せしめることができるもの
である。
3,24についても、その図示は省略するが、上記前輪
1,2のブレーキ装置21,22と同様の構造が採用さ
れており、かかる構造により各ブレーキ装置21〜24
に独立したブレーキ圧を作用せしめることができるもの
である。
【0021】次に、上記トルク配分コントローラ30の
制御内容について、図3に示すフローチャートに従って
説明する。
制御内容について、図3に示すフローチャートに従って
説明する。
【0022】図3において、スタートした後、先ず、ス
テップS1 で所定の計測タイミングになるのを待って、
ステップS2 で図1に示す各種センサ29,31〜39
からの各信号により、運動量としてのアクセル開度、舵
角、横加速度、前後加速度、各車輪速、エンジン回転
数、各車輪のブレーキ圧、ギヤポジション、ブースト
圧、車両の実際のヨーレートを計測する。
テップS1 で所定の計測タイミングになるのを待って、
ステップS2 で図1に示す各種センサ29,31〜39
からの各信号により、運動量としてのアクセル開度、舵
角、横加速度、前後加速度、各車輪速、エンジン回転
数、各車輪のブレーキ圧、ギヤポジション、ブースト
圧、車両の実際のヨーレートを計測する。
【0023】続いて、ステップS3 で要求トルクを計算
する。この要求トルクの計算は、予め各ギヤポジション
毎に用意された、アクセル開度とエンジン回転数とを関
数とするエンジン出力トルクの算出用マップを用いて行
われる。しかる後、ステップS4 で4車輪1〜4の駆動
トルクの配分量を設定し、ステップS5 でこの配分量を
用いて各車輪1〜4の要求駆動トルクを算出する。上記
配分量は、後述するように左右輪の駆動トルク差ΔT1
と前後輪の駆動トルク差ΔT2 とからなる。
する。この要求トルクの計算は、予め各ギヤポジション
毎に用意された、アクセル開度とエンジン回転数とを関
数とするエンジン出力トルクの算出用マップを用いて行
われる。しかる後、ステップS4 で4車輪1〜4の駆動
トルクの配分量を設定し、ステップS5 でこの配分量を
用いて各車輪1〜4の要求駆動トルクを算出する。上記
配分量は、後述するように左右輪の駆動トルク差ΔT1
と前後輪の駆動トルク差ΔT2 とからなる。
【0024】しかる後、ステップS6 でエンジンコント
ローラ28を介してエンジン出力を制御するとともに、
ステップS7 でブレーキ油圧回路25を介して各車輪1
〜4のブレーキ圧を制御する。上記エンジン出力の制御
は、駆動軸13,16での出力トルクを、各車輪1〜4
の要求駆動トルクのうちの最大値となるようスロットル
開度を制御するものであり、上記ブレーキ圧の制御は、
実際の駆動軸13,16への出力トルクと各車輪1〜4
の要求駆動トルクとの差に相当するブレーキトルクを与
えるようブレーキ圧を各車輪毎に独立して制御するもの
である。この両制御が終了した後、ステップS1 へ戻
る。
ローラ28を介してエンジン出力を制御するとともに、
ステップS7 でブレーキ油圧回路25を介して各車輪1
〜4のブレーキ圧を制御する。上記エンジン出力の制御
は、駆動軸13,16での出力トルクを、各車輪1〜4
の要求駆動トルクのうちの最大値となるようスロットル
開度を制御するものであり、上記ブレーキ圧の制御は、
実際の駆動軸13,16への出力トルクと各車輪1〜4
の要求駆動トルクとの差に相当するブレーキトルクを与
えるようブレーキ圧を各車輪毎に独立して制御するもの
である。この両制御が終了した後、ステップS1 へ戻
る。
【0025】上記配分量の設定は、図4に示すフローチ
ャートに従って行われる。
ャートに従って行われる。
【0026】すなわち、先ず初めに、ステップS11で目
標ヨーレートYt を後述する方法で計算した後、ステッ
プS12でこの目標ヨーレートYt とヨーレートセンサ3
9で検出した実際のヨーレートYとの偏差ΔYを計算
し、ステップS13で該ヨーレート偏差の微分値dΔYを
計算する。この微分値dΔYの計算は、今回のヨーレー
ト偏差ΔYと前回のヨーレート偏差ΔY0 との差分をサ
イクルタイムΔt(約7ms)で除して行われる。しか
る後、ステップS14で今回のヨーレート偏差ΔYを前回
のヨーレート偏差ΔY0 に置き換える。
標ヨーレートYt を後述する方法で計算した後、ステッ
プS12でこの目標ヨーレートYt とヨーレートセンサ3
9で検出した実際のヨーレートYとの偏差ΔYを計算
し、ステップS13で該ヨーレート偏差の微分値dΔYを
計算する。この微分値dΔYの計算は、今回のヨーレー
ト偏差ΔYと前回のヨーレート偏差ΔY0 との差分をサ
イクルタイムΔt(約7ms)で除して行われる。しか
る後、ステップS14で今回のヨーレート偏差ΔYを前回
のヨーレート偏差ΔY0 に置き換える。
【0027】続いて、ステップS15で上記ヨーレート偏
差ΔYに対し、図5に示すように、0を中心にして所定
幅e1 の不感帯を設定する。しかる後、ステップS16で
左右輪の駆動トルク差ΔT1 を、ヨーレート偏差ΔYの
PD計算でもって算出する。つまり、駆動トルク差ΔT
1 は、次のような計算式により、 ΔT1 =PG1 ×ΔY+DG1 ×dΔY 算出されるのである。但し、PG1 は比例係数、DG1
は微分係数である。
差ΔYに対し、図5に示すように、0を中心にして所定
幅e1 の不感帯を設定する。しかる後、ステップS16で
左右輪の駆動トルク差ΔT1 を、ヨーレート偏差ΔYの
PD計算でもって算出する。つまり、駆動トルク差ΔT
1 は、次のような計算式により、 ΔT1 =PG1 ×ΔY+DG1 ×dΔY 算出されるのである。但し、PG1 は比例係数、DG1
は微分係数である。
【0028】続いて、ステップS17で前後輪の横すべり
角差dβを計算する。その計算式は、 dβ=|θ|−|Y×C/V| である。但し、θは舵角、Yはヨーレート、Vは車速で
ある。Cは係数であって、下記の式により、 C=(1+SF×V2 )×Lw 算出されるものである。但し、SFはスタビリティファ
クタ、Lw はホイールベースである。
角差dβを計算する。その計算式は、 dβ=|θ|−|Y×C/V| である。但し、θは舵角、Yはヨーレート、Vは車速で
ある。Cは係数であって、下記の式により、 C=(1+SF×V2 )×Lw 算出されるものである。但し、SFはスタビリティファ
クタ、Lw はホイールベースである。
【0029】続いて、ステップS18で前後輪のトルク配
分比sを、図6に示すようなマップを用いて計算する。
このマップでは、前後輪のトルク配分比sは、上記前後
輪の横すべり角差dβに応じて変化するとともに、その
横すべり角差dβが零の時を中心に所定幅e2 の不感帯
が設けられている。尚、トルク配分比sは、0で前後均
等配分とし、+0.5で後輪の駆動トルクを最大にかつ
前輪の駆動トルクを0にし、−0.5で逆の関係にする
ようになっている。
分比sを、図6に示すようなマップを用いて計算する。
このマップでは、前後輪のトルク配分比sは、上記前後
輪の横すべり角差dβに応じて変化するとともに、その
横すべり角差dβが零の時を中心に所定幅e2 の不感帯
が設けられている。尚、トルク配分比sは、0で前後均
等配分とし、+0.5で後輪の駆動トルクを最大にかつ
前輪の駆動トルクを0にし、−0.5で逆の関係にする
ようになっている。
【0030】続いて、ステップS19で前後輪の駆動トル
ク差ΔT2 を計算する。その計算式は、 ΔT2 =s×TRQ である。つまり、前後輪の駆動トルク差ΔT2 は、前後
輪のトルク配分比sとエンジン出力トルクTRQとの積
算値である。しかる後、リターンする。
ク差ΔT2 を計算する。その計算式は、 ΔT2 =s×TRQ である。つまり、前後輪の駆動トルク差ΔT2 は、前後
輪のトルク配分比sとエンジン出力トルクTRQとの積
算値である。しかる後、リターンする。
【0031】以上の配分量設定の制御のうち、左右輪の
駆動トルク差ΔT1 の計算部分において、実際のヨーレ
ートYが目標ヨーレートYt に合致するように車載機器
としてのブレーキ油圧回路25(ブレーキ圧)及びエン
ジンコントローラ28(スロットル開度)をフィードバ
ック制御するようになっている。
駆動トルク差ΔT1 の計算部分において、実際のヨーレ
ートYが目標ヨーレートYt に合致するように車載機器
としてのブレーキ油圧回路25(ブレーキ圧)及びエン
ジンコントローラ28(スロットル開度)をフィードバ
ック制御するようになっている。
【0032】上記目標ヨーレートYt の計算は、図7に
示すフローチャートに従って行われる。
示すフローチャートに従って行われる。
【0033】すなわち、先ず初めに、ステップS21で横
加速度センサ32で検出された横加速度の実測値Gl を
読み込んだ後、ステップS22でその横加速度実測値Gl
から高周波(約10Hz 以上)のノイズを除去するため
にフィルタ処理を行う。このフィルタ処理は、ローパス
フィルタによって行われる。尚、説明の便宜上、ステッ
プS22自体に、ローパスフィルタとしての符号61を付
す。
加速度センサ32で検出された横加速度の実測値Gl を
読み込んだ後、ステップS22でその横加速度実測値Gl
から高周波(約10Hz 以上)のノイズを除去するため
にフィルタ処理を行う。このフィルタ処理は、ローパス
フィルタによって行われる。尚、説明の便宜上、ステッ
プS22自体に、ローパスフィルタとしての符号61を付
す。
【0034】続いて、ステップS23で2輪モデルを基に
した横加速度計算値Gltを算出する。その計算式は、 Glt={V2 /(1+A0 ×V2 )}×θ/L である。但し、Vは車速、θは舵角、Lはホイールベー
ス、A0 はスタビリティファクタである。
した横加速度計算値Gltを算出する。その計算式は、 Glt={V2 /(1+A0 ×V2 )}×θ/L である。但し、Vは車速、θは舵角、Lはホイールベー
ス、A0 はスタビリティファクタである。
【0035】上記横加速度計算値Gltの算出後、ステッ
プS24でその横加速度計算値Gltに対しフィルタ処理を
行う。このフィルタ処理は、ノイズを除去すること以外
に、上記横加速度実測値Gl に対するフィルタ処理によ
る出力の時間遅れと相殺するために行うものである。
プS24でその横加速度計算値Gltに対しフィルタ処理を
行う。このフィルタ処理は、ノイズを除去すること以外
に、上記横加速度実測値Gl に対するフィルタ処理によ
る出力の時間遅れと相殺するために行うものである。
【0036】続いて、ステップS25で横加速度計算値G
ltと横加速度実測値Gl とが同符号であるか否かを判定
する。横加速度計算値Glt及び横加速度実測値Gl は、
左旋回の時と右旋回の時とで符号が逆になるが、この両
者の符号が逆になるのは、旋回中にその旋回方向と反対
方向にハンドルを操作するいわゆるカウンターステア状
態の時である。従って、ステップS25の判定は、通常の
旋回操作状態であるか、あるいはカウンターステア状態
であるかを判定しているのである。
ltと横加速度実測値Gl とが同符号であるか否かを判定
する。横加速度計算値Glt及び横加速度実測値Gl は、
左旋回の時と右旋回の時とで符号が逆になるが、この両
者の符号が逆になるのは、旋回中にその旋回方向と反対
方向にハンドルを操作するいわゆるカウンターステア状
態の時である。従って、ステップS25の判定は、通常の
旋回操作状態であるか、あるいはカウンターステア状態
であるかを判定しているのである。
【0037】そして、上記ステップS25の判定がYES
のとき、つまり通常の旋回状態の時には、ステップS26
で横加速度計算値Gltの絶対値と横加速度実測値Gl の
絶対値との差が所定値Gl0以上であるか否かを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS27で補正値
Ac に0をセットする一方、判定がYESのときには、
ステップS28で補正値Ac を下記の式により、 Ac =K{(|Glt|−|Gl |)−Gl0} 算出する。但し、Kは正の係数である。
のとき、つまり通常の旋回状態の時には、ステップS26
で横加速度計算値Gltの絶対値と横加速度実測値Gl の
絶対値との差が所定値Gl0以上であるか否かを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS27で補正値
Ac に0をセットする一方、判定がYESのときには、
ステップS28で補正値Ac を下記の式により、 Ac =K{(|Glt|−|Gl |)−Gl0} 算出する。但し、Kは正の係数である。
【0038】一方、上記ステップS25の判定がNOのと
き、つまりカウンターステア状態のときには、ステップ
S29で補正値Ac に最大値Acmaxをセットする。
き、つまりカウンターステア状態のときには、ステップ
S29で補正値Ac に最大値Acmaxをセットする。
【0039】上記ステップS27〜S29のいずれかで補正
値Ac を設定した後、ステップS30でこの補正値Ac と
補正前のスタビリティファクタA0 とを加算して新たな
スタビリティファクタAを算出する。次いで、ステップ
S31で上記補正後のスタビリティファクタAに対し、そ
の最大値を規制するリミット処理をした後、ステップS
32で2輪モデルを基にした目標ヨーレートYt を下記の
式により、 Yt ={V/(1+A×V2 )}×θ/L 算出し、リターンする。
値Ac を設定した後、ステップS30でこの補正値Ac と
補正前のスタビリティファクタA0 とを加算して新たな
スタビリティファクタAを算出する。次いで、ステップ
S31で上記補正後のスタビリティファクタAに対し、そ
の最大値を規制するリミット処理をした後、ステップS
32で2輪モデルを基にした目標ヨーレートYt を下記の
式により、 Yt ={V/(1+A×V2 )}×θ/L 算出し、リターンする。
【0040】以上のフローチャートにおいては、結局、
横加速度計算値Gltと横加速度実測値Gl との差に応じ
てスタビリティファクタAを変更して目標ヨーレートY
t を設定するものである。また、ステップS26の判定式
中の所定値Gl0は、このような目標ヨーレートYt 設定
の制御則において、横加速度実測値Gl の低周波ノイズ
を除去するための不感帯としての意義を有しており、よ
って、このステップS26により、請求項1記載の発明に
いう不感帯設定手段62が構成されている。
横加速度計算値Gltと横加速度実測値Gl との差に応じ
てスタビリティファクタAを変更して目標ヨーレートY
t を設定するものである。また、ステップS26の判定式
中の所定値Gl0は、このような目標ヨーレートYt 設定
の制御則において、横加速度実測値Gl の低周波ノイズ
を除去するための不感帯としての意義を有しており、よ
って、このステップS26により、請求項1記載の発明に
いう不感帯設定手段62が構成されている。
【0041】そして、上記所定値Gl0は、固定された一
定値ではなく、路面状況に応じて変更されるものであ
り、この所定値Gl0(つまり不感帯幅)の設定は、図8
に示すフローチャートに従って行われる。
定値ではなく、路面状況に応じて変更されるものであ
り、この所定値Gl0(つまり不感帯幅)の設定は、図8
に示すフローチャートに従って行われる。
【0042】すなわち、先ず初めに、ステップS41で横
加速度センサ32で検出された横加速度実測値Gl を読
み込み、ステップS42で該横加速度実測値Gl のバンド
パスフィルタ処理を行う。バンドパスフィルタ処理は、
横加速度実測値Gl の信号のうち、高周波成分である1
0〜20Hz の信号を通過させて収集することである。
加速度センサ32で検出された横加速度実測値Gl を読
み込み、ステップS42で該横加速度実測値Gl のバンド
パスフィルタ処理を行う。バンドパスフィルタ処理は、
横加速度実測値Gl の信号のうち、高周波成分である1
0〜20Hz の信号を通過させて収集することである。
【0043】続いて、ステップS43で上記バンドパスフ
ィルタ処理で収集した横加速度実測値Gl の信号のうち
の高周波成分の分散Ac を算出する。この分散Ac の算
出式は、 Ac =Σ(Av −wi )2 (i=1
〜n)である。但し、Av は高周波成分の平均値、wi
は各周波数である。
ィルタ処理で収集した横加速度実測値Gl の信号のうち
の高周波成分の分散Ac を算出する。この分散Ac の算
出式は、 Ac =Σ(Av −wi )2 (i=1
〜n)である。但し、Av は高周波成分の平均値、wi
は各周波数である。
【0044】しかる後、ステップS44で上記分散Ac に
応じた不感帯幅Gl0を計算し、リターンする。上記不感
帯幅Gl0は、分散Ac が0から所定値Ac1までの間は分
散Ac が大きくなるに従って一次関数的に増加し、分散
Ac が所定値Ac1以上では一定値となるように設定され
ている。
応じた不感帯幅Gl0を計算し、リターンする。上記不感
帯幅Gl0は、分散Ac が0から所定値Ac1までの間は分
散Ac が大きくなるに従って一次関数的に増加し、分散
Ac が所定値Ac1以上では一定値となるように設定され
ている。
【0045】次に、上記第1実施例の作用・効果につい
て説明するに、目標ヨーレートYtの計算では、2輪モ
デルを基に舵角θと車速Vとから横加速度計測値Gltを
計算するとともに、該横加速度計測値Gltと横加速度セ
ンサ32で検出した横加速度実測値Gl との差に応じた
スタビリティファクタA(詳しくはAc )を求め、該ス
タビリティファクタAを用いて2輪モデルを基に目標ヨ
ーレートYt を計算している。そして、この目標ヨーレ
ートYt に実際のヨーレートYが合致するように左右輪
の駆動トルクがフィードバック制御され、これにより、
所望のステアリング特性が得られる。
て説明するに、目標ヨーレートYtの計算では、2輪モ
デルを基に舵角θと車速Vとから横加速度計測値Gltを
計算するとともに、該横加速度計測値Gltと横加速度セ
ンサ32で検出した横加速度実測値Gl との差に応じた
スタビリティファクタA(詳しくはAc )を求め、該ス
タビリティファクタAを用いて2輪モデルを基に目標ヨ
ーレートYt を計算している。そして、この目標ヨーレ
ートYt に実際のヨーレートYが合致するように左右輪
の駆動トルクがフィードバック制御され、これにより、
所望のステアリング特性が得られる。
【0046】このような制御において、上記横加速度実
測値Gl は重要な要素であるが、横加速度センサ32で
検出する横加速度実測値Gl にはノイズが含まれる。こ
れに対し、本実施例では、上記ノイズのうち、高周波ノ
イズはローパスフィルタ61により除去することができ
る。また、上記横加速度計測値Gltと横加速度実測値G
l との差が所定値Gl0より小さいときには、スタビリテ
ィフィクタAをA0 に維持し変更しないようなってい
る。このため、横加速度実測値Gl に低周波ノイズが含
まれ、横加速度実測値Gl が僅かに変化してもスタビリ
ティフィクタAひいては目標ヨーレートYt が変化する
ことはない。その結果、横加速度実測値Gl に含まれる
ノイズが制御自体に影響を及ぼすのを防止することがで
き、制御の信頼性を高めることができる。
測値Gl は重要な要素であるが、横加速度センサ32で
検出する横加速度実測値Gl にはノイズが含まれる。こ
れに対し、本実施例では、上記ノイズのうち、高周波ノ
イズはローパスフィルタ61により除去することができ
る。また、上記横加速度計測値Gltと横加速度実測値G
l との差が所定値Gl0より小さいときには、スタビリテ
ィフィクタAをA0 に維持し変更しないようなってい
る。このため、横加速度実測値Gl に低周波ノイズが含
まれ、横加速度実測値Gl が僅かに変化してもスタビリ
ティフィクタAひいては目標ヨーレートYt が変化する
ことはない。その結果、横加速度実測値Gl に含まれる
ノイズが制御自体に影響を及ぼすのを防止することがで
き、制御の信頼性を高めることができる。
【0047】ここで、上記低周波ノイズの発生度合い
は、路面状況に応じて異なり、横加速度実測値Gl の信
号のうち、高周波成分の分散Ac が大きい程低周波ノイ
ズの発生度合いは高くなる。本実施例では、このことに
対応して、上記不感帯幅である上記所定値Gl0を、高周
波成分の分散Ac が大きい程大きくするように設定して
いるので、低周波ノイズの除去を確実に行うことができ
る。
は、路面状況に応じて異なり、横加速度実測値Gl の信
号のうち、高周波成分の分散Ac が大きい程低周波ノイ
ズの発生度合いは高くなる。本実施例では、このことに
対応して、上記不感帯幅である上記所定値Gl0を、高周
波成分の分散Ac が大きい程大きくするように設定して
いるので、低周波ノイズの除去を確実に行うことができ
る。
【0048】図9は本発明の第2実施例に係わる車両の
4輪操舵装置を示し、この4輪操舵装置は、左右の前輪
101,102を操舵する前輪操舵部110と、左右の
後輪103,104を操舵する後輪操舵部120とから
なる。
4輪操舵装置を示し、この4輪操舵装置は、左右の前輪
101,102を操舵する前輪操舵部110と、左右の
後輪103,104を操舵する後輪操舵部120とから
なる。
【0049】上記前輪操舵部110は、ステアリングシ
ャフト111と、該ステアリングシャフト111の一端
に設けられたステアリングハンドル112と、上記ステ
アリングシャフト111の他端にラック&ピニオン(図
示せず)を介して連結された車幅方向に延びるロッド部
材113と、該ロッド部材113の両端と左右の前輪1
01,102とを連結する左右一対のタイロッド11
4,114とを備え、ステアリングハンドル112の回
転操作により前輪101,102が左右に操舵されるよ
うになっている。
ャフト111と、該ステアリングシャフト111の一端
に設けられたステアリングハンドル112と、上記ステ
アリングシャフト111の他端にラック&ピニオン(図
示せず)を介して連結された車幅方向に延びるロッド部
材113と、該ロッド部材113の両端と左右の前輪1
01,102とを連結する左右一対のタイロッド11
4,114とを備え、ステアリングハンドル112の回
転操作により前輪101,102が左右に操舵されるよ
うになっている。
【0050】一方、上記後輪操舵部120は、車幅方向
に延びるロッド部材121と、該ロッド部材121の両
端と左右の後輪103,104とを連結する左右一対の
タイロッド122,122と、上記ロッド部材121を
作動ロッドとする油圧シリンダ123とを備えている。
上記油圧シリンダ123内の左右のシリンダ室には、油
圧ポンプ124から圧油が制御弁(図示せず)を介して
選択的に供給され、それにより後輪103,104が前
輪101,102の操舵方向と同じ方向の同位相に、ま
たは反対方向の逆位相に操舵されるようになっている。
上記制御弁の切換えはサーボコントローラ125により
制御され、該サーボコントローラ125には、マイクロ
コンピータ等よりなるメインコントローラ126からの
制御信号が入力される。
に延びるロッド部材121と、該ロッド部材121の両
端と左右の後輪103,104とを連結する左右一対の
タイロッド122,122と、上記ロッド部材121を
作動ロッドとする油圧シリンダ123とを備えている。
上記油圧シリンダ123内の左右のシリンダ室には、油
圧ポンプ124から圧油が制御弁(図示せず)を介して
選択的に供給され、それにより後輪103,104が前
輪101,102の操舵方向と同じ方向の同位相に、ま
たは反対方向の逆位相に操舵されるようになっている。
上記制御弁の切換えはサーボコントローラ125により
制御され、該サーボコントローラ125には、マイクロ
コンピータ等よりなるメインコントローラ126からの
制御信号が入力される。
【0051】上記メインコントローラ126には、ハン
ドル操舵角を検出するハンドル操舵角センサ131の信
号と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ1
32の信号と、車両の横加速度を検出する横加速度セン
サ133の信号と、従動輪(後輪)の車輪速から車速を
検出する車速センサ134の信号と、ロッド部材121
の軸方向変位量から後輪103,104の操舵角を検出
する後輪操舵角センサ135の信号とが入力される。メ
インコントローラ126は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、上記ヨーレートセンサ132で検出さ
れた実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するよ
うに後輪操舵部120(サーボコントローラ125)を
フィードバック制御するヨーレートフィードバック制御
部(図示せず)を有している。
ドル操舵角を検出するハンドル操舵角センサ131の信
号と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ1
32の信号と、車両の横加速度を検出する横加速度セン
サ133の信号と、従動輪(後輪)の車輪速から車速を
検出する車速センサ134の信号と、ロッド部材121
の軸方向変位量から後輪103,104の操舵角を検出
する後輪操舵角センサ135の信号とが入力される。メ
インコントローラ126は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、上記ヨーレートセンサ132で検出さ
れた実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するよ
うに後輪操舵部120(サーボコントローラ125)を
フィードバック制御するヨーレートフィードバック制御
部(図示せず)を有している。
【0052】そして、このようなヨーレートフィードバ
ック制御部において、目標ヨーレートの計算及び不感帯
の設定等は、上記第1実施例の場合と同様な構成になっ
ており、また、それにより同様な作用・効果を奏するこ
とができる。
ック制御部において、目標ヨーレートの計算及び不感帯
の設定等は、上記第1実施例の場合と同様な構成になっ
ており、また、それにより同様な作用・効果を奏するこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、本発明における車両の制御
装置によれば、ヨーレートフィードック制御に用いるセ
ンサの信号に含まれるノイズのうち、高周波ノイズをロ
ーパスフィルタにより除去することができるとともに、
低周波ノイズを、上記センサの信号を用いた制御則に設
けた不感帯によって除去することができるので、ノイズ
による誤制御を防止することができ、制御の信頼性の向
上を図ることができる。
装置によれば、ヨーレートフィードック制御に用いるセ
ンサの信号に含まれるノイズのうち、高周波ノイズをロ
ーパスフィルタにより除去することができるとともに、
低周波ノイズを、上記センサの信号を用いた制御則に設
けた不感帯によって除去することができるので、ノイズ
による誤制御を防止することができ、制御の信頼性の向
上を図ることができる。
【0054】特に、請求項3記載の発明によれば、路面
状況に応じて、上記不感帯が補正されるので、低周波ノ
イズの除去を確実に行うことができる。
状況に応じて、上記不感帯が補正されるので、低周波ノ
イズの除去を確実に行うことができる。
【図1】本発明の第1実施例に係わる4輪駆動車のトル
ク配分制御装置の全体構成図である。
ク配分制御装置の全体構成図である。
【図2】ブレーキ油圧回路の構成図である。
【図3】トルク配分制御のフローチャート図である。
【図4】配分量設定のフローチャート図である。
【図5】ヨーレート偏差に対する不感帯設定に用いるマ
ップを示す図である。
ップを示す図である。
【図6】前後輪のトルク分配比の計算に用いるマップを
示す図である。
示す図である。
【図7】目標ヨーレート計算のフローチャート図であ
る。
る。
【図8】不感帯設定のフローチャート図である。
【図9】本発明の第2実施例に係わる車両の4輪操舵装
置の全体構成図である。
置の全体構成図である。
25 ブレーキ油圧回路(車載機器) 28 エンジンコントローラ(車載機器) 61 ローパスフィルタ 62 不感帯設定手段 120 後輪操舵部(車載機器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 109:00 111:00 113:00 125:00 137:00
Claims (4)
- 【請求項1】 2輪モデルを基に目標ヨーレートを設定
し、実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するよ
うに車載機器をフィードバック制御する車両の制御装置
において、 上記フィードック制御に用いるセンサの信号から高周波
ノイズを除去するローパスフィルタと、 上記センサの信号を用いた制御則に、低周波ノイズを除
去するための不感帯を設定する不感帯設定手段とを備え
たことを特徴とする車両の制御装置。 - 【請求項2】 上記センサは、車両の横加速度を検出す
る横加速度センサであり、上記制御則は、車速と舵角と
を基に計算した横加速度計算値と上記横加速度センサで
検出された横加速度実測値との差に応じて目標ヨーレー
トを補正するように設けられている請求項1記載の車両
の制御装置。 - 【請求項3】 上記不感帯を路面状況に応じて補正する
不感帯補正手段を備えた請求項1記載の車両の制御装
置。 - 【請求項4】 上記不感帯補正手段は、上記センサ信号
の高周波成分の分散を求め、該分散に応じて不感帯の幅
を変更するものである請求項2記載の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17052693A JPH0725257A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17052693A JPH0725257A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0725257A true JPH0725257A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15906574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17052693A Pending JPH0725257A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725257A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001114120A (ja) * | 1999-10-15 | 2001-04-24 | Koyo Seiko Co Ltd | 車両用操舵装置 |
KR100469057B1 (ko) * | 2002-10-18 | 2005-02-02 | 현대모비스 주식회사 | 조향감 보존기능이 구비된 횡측외력억제 조향 장치 |
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