JPH07252150A - オザグレル含有経皮吸収型製剤 - Google Patents

オザグレル含有経皮吸収型製剤

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JPH07252150A
JPH07252150A JP4264994A JP4264994A JPH07252150A JP H07252150 A JPH07252150 A JP H07252150A JP 4264994 A JP4264994 A JP 4264994A JP 4264994 A JP4264994 A JP 4264994A JP H07252150 A JPH07252150 A JP H07252150A
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ozagrel
acid
alcohol
percutaneous absorption
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JP4264994A
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English (en)
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Kazutoshi Morimoto
雍憲 森本
Kenji Sugibayashi
堅次 杉林
Toshinobu Seki
俊暢 関
Osamu Hosoya
治 細谷
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T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オザグレルの基剤からの放出性、皮膚に対す
る吸収性および有効血中濃度の優れた持続性を備えた、
オザグレルの経皮吸収型製剤を提供する。 【構成】 有効成分としてオザグレル、またはその薬学
的に妥当な塩、および経皮吸収促進剤、例えば炭素原子
数1〜20の一価および多価のアルコール類、尿素類、
ピロリドン誘導体、炭素原子数6〜20の有機酸類、そ
れのエステル類、環状モノテルペン類、1−ドデシルア
ザシクロヘプタン−2−オン、シクロデキストリンおよ
びチオグリコール酸カルシウムからなる群から選択され
る1種または2種以上を含む経皮吸収型製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オザグレル、またはそ
の薬学的に妥当な塩を有効成分として含有する新規な経
皮吸収型製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】オザグレル〔化学名:(E)-3-[4-(1H-Imi
dazol-1-ylmethyl)-phenyl]-2-propenoic acid〕は、気
管支喘息、クモ膜下出血手術後の脳血管攣縮およびこれ
に伴う脳虚血症状の改善などに著しい効果を示す有用な
医薬化合物であり、従来それの経口剤および注射剤が広
く用いられているが、これまでのところ、オザグレルの
経皮吸収型製剤は未だ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オザグレルを経口剤ま
たは注射剤の形で利用する場合には、オザグレルの有効
血中濃度が短時間で低下する傾向があるために投与回数
が頻繁になるばかりでなく、薬物の最高血中濃度が高く
なる結果、副作用が現れ易くなり、また点滴静注による
投与は患者に苦痛を与えると共に、その処置が面倒で特
別な技術や注意を必要とするという問題があるのに対し
て、このオザグレルを従来の経口剤および注射剤とする
代わりに、経皮吸収型製剤の形で用いると、一般に、有
効血中濃度の持続化が図られて薬剤の投与回数が減少す
るばかりでなく、薬物の最高血中濃度も低下してそれに
よる副作用も回避され、さらに点滴静注回避により投与
時の苦痛が除去されると共に、在宅治療の可能性も増大
して、患者のコンプライアンスおよびクオリティー・オ
ブ・ライフ(QOL)の改善等が容易になる。
【0004】従って、本発明は、オザグレルの基剤から
の放出性、皮膚に対する吸収性および有効血中濃度の優
れた持続性を備えた、オザグレルの経皮吸収型製剤を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために種々研究を重ねた結果、以下に示すよう
な経皮吸収促進剤を用いると、オザグレルの十分な経皮
吸収が達成され、有効血中濃度の優れた持続性を備えた
経皮吸収型製剤が得られることを見出して本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、有効成分としてオザ
グレル、またはその薬学的に妥当な塩、および経皮吸収
促進剤を含む経皮吸収型製剤に係るものである。
【0007】さらに好ましくは、本発明は、有効成分と
してオザグレル、またはその薬学的に妥当な塩、および
炭素原子数1〜20の一価および多価のアルコール類、
尿素類、ピロリドン誘導体、炭素原子数6〜20の有機
酸類、それのエステル類、環状モノテルペン類、1−ド
デシルアザシクロヘプタン−2−オン、シクロデキスト
リンおよびチオグリコール酸カルシウムからなる群から
選択される1種または2種以上の経皮吸収促進剤を含む
経皮吸収型製剤に係るものである。
【0008】本発明による経皮吸収型製剤は、有効成分
であるオザクレル、経皮吸収促進剤、ならびに、通常使
用される基剤、補助剤および/または添加剤を含む。本
発明において、経皮吸収型製剤の剤形は特に限定され
ず、例えば軟膏剤、クリーム剤、液剤、ローション剤、
リニメント剤、パップ剤、プラスター剤、パッチ剤、ゲ
ル剤、硬膏剤またはテープ剤を挙げることができる。
【0009】本発明において、有効成分であるオザグレ
ルは遊離型であっても、その薬学的に妥当な塩、例えば
塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、リン酸塩などの
無機酸付加塩またはナトリウム塩、カリウム塩などの無
機塩基付加塩、さらに酢酸塩、琥珀酸塩、フマル酸塩、
リンゴ酸塩、シュウ酸塩などの有機酸付加塩の形にあっ
てもよい。
【0010】本発明において、有効成分であるオザグレ
ルの製剤中の濃度は、剤形や基剤成分などにより左右さ
れるが、一般に約0.01〜50重量%、好ましくは約
0.1〜20重量%、特に1〜10重量%である。ま
た、経皮吸収促進剤の製剤中の濃度は、一般に約0.0
1〜99.99重量%、好ましくは0.1〜50重量
%、特に0.5〜30重量%である。
【0011】本発明において、経皮吸収促進剤として
は、通常経皮吸収型製剤に使用されるものを使用できる
が、好ましくは、炭素原子数1〜20の一価または多価
のアルコール類、尿素類、ピロリドン誘導体、炭素原子
数6〜12の有機酸類、それのエステル類、環状モノテ
ルペン類、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン
(商品名:エイゾン)、シクロデキストリンまたはチオ
グリコール酸カルシウムが挙げられる。
【0012】アルコール類としては炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜15、特に2〜5の一価アルコール
および多価アルコールが使用でき、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘプチルアル
コール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノ
ニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコ
ール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミ
リスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチル
アルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルア
ルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオールまたはグリセリンが挙げられる。これらの
中で、エチルアルコール、オクチルアルコール、ノニル
アルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールま
たはグリセリンが好ましく、特に1,3−ブタンジオー
ルまたはグリセリンが好ましい。
【0013】尿素類としては、例えば、尿素、チオ尿素
が挙げられ、尿素が好ましい。ピロリドン誘導体として
は、例えば、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリ
ドン、5−メチル−2−ピロリドン、1,5−ジメチル
ピロリドンまたは1−エチルピロリドンが挙げられ、1
−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
【0014】有機酸類としては、炭素原子数2〜20、
好ましくは2〜18、特に3〜6の有機酸類が使用で
き、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプ
ロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸が挙げら
れる。
【0015】有機酸エステル類としては、例えば、乳酸
エステル類またはミリスチン酸エステル類が挙げられ、
この中、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸ラウリルま
たはミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0016】環状モノテルペン類としては、例えば、メ
ントールが挙げられる。メントールは、オザグレルの経
皮吸収促進作用以外にも、鎮痛作用、局所麻酔作用およ
び止痒作用などの好ましい作用を有する。メントール
は、天然ペパーミントまたは他のミントオイルから得ら
れたものであっても、あるいは、合成されたものでもよ
い。
【0017】上記の経皮吸収促進剤は単独でも組み合わ
せても使用できるが、多価アルコール類を単独でまたは
2種以上組み合わせて、またはメントールを単独で、あ
るいは、多価アルコール類およびメントールを組み合わ
せて使用するのが好ましい。特に好ましい経皮吸収促進
剤は、グリセリンおよび1,3−ブタンジオールからな
るもの(これらの比は好ましくは1:50〜50:1で
ある)、および、グリセリン、1,3−ブタンジオール
およびメントールからなるもの(これらの比は好ましく
は1:50:0.1〜50:1:10である)である。
このことは、基剤に水を含む場合でも含まない場合でも
当てはまる。
【0018】本発明において、経皮吸収促進剤の製剤中
の濃度は、剤形や基剤などの種類により左右されるが、
一般に約0.01〜99.99重量%、好ましくは約
0.1〜50重量%、特に0.5〜30重量%である。
【0019】基剤としては、本発明の経皮吸収製剤の剤
形に応じて、この技術分野において通常使用される基剤
が使用される。本発明の経皮吸収型製剤を軟膏剤または
クリーム剤とする場合には、基剤として、油脂性基剤ま
たは乳剤性基剤が使用され得る。
【0020】油脂性基剤としては、例えば炭化水素、高
級アルコール、グリコール類、高級脂肪酸、高級脂肪酸
エステル、植物油または動物油を使用できる。炭化水素
としては、例えば炭素原子数12〜32の炭化水素、具
体的には、種々の炭化水素の混合物である流動パラフィ
ン、分枝状パラフィン、固形パラフィンまたは白色ワセ
リンが挙げられ、これらの中で、流動パラフィンまたは
白色ワセリンが好ましい。高級アルコールとしては、例
えばラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリ
スチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルア
ルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアル
コール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、
ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリル
アルコール、メリシルアルコール、セチルアルコールま
たはステアリルアルコールが挙げられる。これらの中
で、セチルアルコールまたはステアリルアルコールが好
ましい。グリコール類としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,
3−ブタンジオールまたはポリエチレングリコールが挙
げられ、これらの中で、プロピレングリコール、1,3
−ブタンジオールまたはポリエチレングリコールが好ま
しい。また、ポリエチレングリコールを主成分とする油
脂性基剤、例えばマクロゴール400のような低重合度
のポリエチレングリコールと、マクロゴール4000の
ような高重合度のポリエチレングリコールとを適当な比
率で混合したものも使用できる。高級脂肪酸としては、
例えば、炭素原子数6〜32の飽和または不飽和脂肪
酸、具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリ
ル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、ノナデカン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノ
レン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘブ
タコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、エ
ライジン酸またはブラシジン酸が挙げられる。これらの
中で、ミリスチン酸またはオレイン酸が好ましい。高級
脂肪酸エステルとしては、例えば、(A)炭素原子数1
0〜32の脂肪酸エステルと炭素原子数14〜32の脂
肪族一価アルコールとのエステル、または、(B)炭素
原子数10〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸とグリセ
リンとのエステルまたはそれの水素添加物が挙げられ
る。
【0021】(A)のエステルとしては、例えば、パル
ミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ミリス
チル酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、リグノ
セリン酸セリル、セロチン酸ラクセリル、ラクセル酸ラ
クセリルなどの脂肪酸エステル、ラノリン、蜜蝋、鯨
蝋、セラミック蝋などの動物由来の天然蝋、または、カ
ルナウバ蝋、カンデリラ蝋などの植物由来の天然蝋が挙
げられる。
【0022】(B)のエステルとしては、例えば、グリ
セリルモノラウリレート、グリセリルモノミリスチレー
ト、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレ
ート、グリセリルジラウリレート、グリセリルジミリス
チレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリ
ラウリレート、グリセリルトリミリスチレートまたはグ
リセリルトリステアレートが挙げられる。これらの中
で、グリセリルモノラウリレート、グリセリルモノミリ
スチレートまたはグリセリルモノオレートが好ましい。
【0023】植物油としては、例えば、ヒマシ油、オリ
ーブ油、ダイズ油、ゴマ油、ヘントウ油、サフラワー
油、綿実油またはテレピン油、あるいは、これらに水素
添加したものが挙げられる。これらの中、ヒマシ油、オ
リーブ油、ダイズ油、ゴマ油または綿実油が好ましい。
【0024】動物油としては、例えば、ミンク油、卵黄
油、スクワランまたはスクワレン、あるいはそれらの誘
導体が挙げられる。これらの基剤は単独でまたは組み合
わせて使用できる。
【0025】なお、上記油脂性基剤の中、アルコール類
の一部は経皮吸収促進剤としても作用する。従って、こ
のようなアルコール類を基剤として使用する場合には、
さらに別の経皮吸収促進剤を特に使用する必要はない。
【0026】乳剤性基剤としては、O/W型基剤、W/
O型基剤または懸濁性基剤が挙げられる。O/W型基剤
としては、界面活性剤の存在または不存在下にラノリ
ン、プロピレングリコール、ステアリルアルコール、ワ
セリン、シリコン油、流動パラフィン、グリセリルモノ
ステアレートなどの成分を水相中に乳化・分散させて得
られるクリームが挙げられる。W/O型基剤としては、
ワセリン、高級脂肪族アルコール、流動パラフィンなど
の成分に、親水基をあまり持たない非イオン性界面活性
剤の存在下に水を加えて乳化・分散させたものが挙げら
れる。懸濁性基剤としては、水にデンプン、グリセリ
ン、高粘度カルボキシメチルセルロール、カルボキシビ
ニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロ
ピルセルロールなどの懸濁化剤を加えてゲル状にした水
性の懸濁性基剤が挙げられる。
【0027】本発明製剤を液剤とする場合には、基剤と
して水などが使用され得る。本発明製剤をローション剤
とする場合には、懸濁型、乳剤型または溶液型のいずれ
のタイプのローション剤とすることもできる。懸濁型ロ
ーション剤とする場合には、補助剤として、ゴム類、セ
ルロース類、粘土類などの懸濁化剤および基剤として、
水が使用される。
【0028】ゴム類としては、例えば、アルギン酸ナト
リウム、アラビアゴム、ペクチン、トラガントゴムなど
が挙げられ、セルロース類としては、例えば、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキ
シエチルデンプンが挙げられる。粘土類としては、例え
ば、ベントナイトまたはビーガムHVが挙げられる。
【0029】乳剤型ローション剤とする場合には、水
に、脂肪酸、高級アルコールなどの油性物資を乳化させ
た基剤が使用される。溶液型ローション剤とする場合に
は、水、アルコールなどの基剤が使用される。
【0030】本発明製剤をリニメント剤とする場合に
は、基剤として、例えば、オリーブ油、ダイズ油、ゴマ
油、ヘントウ油、綿実油、テレビン油などの植物油類、
エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピル
アルコールなどのアルコール類、あるいは、アルコール
類と水との混合物などが使用される。
【0031】本発明製剤をパップ剤とする場合には、基
剤として、例えば、ポリアクリル酸もしくはその塩、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースま
たはその塩、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子
またはその架橋体が使用される。また、これらの水溶性
高分子をミョウバン、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたは
水酸化カルシウムのような多価金属塩によって架橋させ
たもの、あるいは、水溶性高分子に放射線照射のような
物理的処理を施して架橋させたもの、さらには、凍結解
凍処理によって架橋させたものなどが使用される。パッ
プ剤は支持体上に置かれていることもでき、支持体とし
ては例えば不織布が使用される。
【0032】本発明をゲル剤とする場合には、例えば、
ポリアクリル酸またはその塩、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースまたはその塩、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子または
その架橋体を、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩化アル
ミニウムなどの多価金属塩を用いて架橋してゲル化させ
るか、あるいはジイソプロパノールアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、トリアミルアミンなど
を用いてpHを調整してゲル化させたものが使用され
る。
【0033】本発明製剤をプラスター剤、パッチ剤、硬
膏剤またはテープ剤とする場合、支持体、弾性体、粘着
付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、架橋剤、剥離処
理剤などの製剤を構成する成分が必要であり、これらの
成分としては、通常使用されている成分が使用され得
る。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどからなるフィ
ルム、不織布などが使用でき、弾性体としては、天然ゴ
ム、SBS、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリビニ
ルアルキルエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ
ウレタン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アクリル酸、アクリル酸エステル−アクリル酸共重
合体、ジメチルポリシロキサン、ポリイソプレンゴム、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体ゴム、
スチレンブタジエンゴム、ポリイソブチレン、ブチレン
ゴムなどが使用できる。粘着付与剤としては、弾性体と
相溶性であるものが好ましく、例えば、ポリテルペン樹
脂、ロジンもしくはそのエステルまたはフェノール性樹
脂が挙げられる。これらの成分は、それぞれ単独でまた
は二種以上組み合わせて使用され得る。
【0034】本発明の経皮吸収型製剤には、さらに、必
要に応じて、保存料、着香料、さらには、乳化剤、分散
剤、湿潤剤、pH調製剤、安定剤、防腐剤、懸濁剤など
を添加することもできる。
【0035】保存料としては、製剤技術の分野で通常使
用されるものであれば使用でき、例えば、パラオキシ安
息香酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパ
ラベン、クロロブタノールまたはベンジルアルコールが
挙げられる。pH調製剤としては、製剤技術の分野で通
常使用されるものであれば使用でき、例えば、塩酸、硫
酸、臭化水素酸、リン酸などの無機酸、酢酸、コハク
酸、フマル酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸、グルタル
酸、サリチル酸、酒石酸などの有機酸、またはこれらの
塩が挙げられる。
【0036】本発明の製剤は、常法により製造すること
ができる。例えば、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤また
はゲル剤とする場合には、それぞれの剤形に応じて、必
要な基剤原料を練合、乳化、懸濁または溶解させて基剤
を製造した後、オザグレルならびに必要な補助剤および
添加剤を添加して、通常使用される混合機、例えばスク
リューミキサー、ホモジナイザー、ニーダーまたはロー
ルミル中で混合することによって製造され得る。
【0037】リニメント剤とする場合には、基剤に、オ
ザグレルを溶解させ、さらに必要な補助剤および添加剤
を添加して混合することによって製造され得る。プラス
ター剤、パッチ剤、硬膏剤またはテープ剤は、ホットメ
ルト法、溶液法、熱圧法などの常法により製造できる。
例えば、ホットメルト法による場合には、弾性体とし
て、特に高温で流動性を持つようなブロックポリマーが
好ましく、例えば、スチレン−イソプレン−スチレン、
スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン
−ブチレン−スチレンまたはエチレン酢酸ビニルが使用
され、このような弾性体と、その他の必要な成分とを混
合し、混合物を高温で溶融してオザグレルを均質に混合
させ、支持体上に塗工することによって製造され得る。
また、溶液法による場合には、基剤をクロロホルム、酢
酸エチル、ヘキサン、メチルエチルケトンなどの有機溶
剤に溶かし、これにオザグレルおよびその他必要な成分
を添加し、これらの成分を均質に溶解または分散させ、
アプリケーターを用いて支持体上に塗工することにより
製造され得る。熱圧法による場合には、オザグレルおよ
びその他の必要な成分をロール機などで均質になるまで
練り合わせ、得られた混合物を、熱および圧を加えたキ
ャレンダーを使用して剥離紙上に均一の厚みとなるよう
に塗布して、剥離紙上にオザグレル含有層を形成し、こ
れを支持体表面に積層、密着させることにより製造され
る。
【0038】液剤、ローション剤とする場合には、水
に、種々の基剤成分を添加し、混合・攪拌した後、オザ
グレルおよび添加剤を加えて混合することにより製造さ
れ得る。
【0039】
【実施例】本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0040】実施例1 雄性ヘアレスラット(体重160〜200g)の腹部摘
出皮膚を37℃の水を循環させた縦型拡散セルに挟み、
レシーバー(真皮側)に水を4.4ml入れてマグネテ
ィックスターラーにより攪拌しておいた。ドナー(角
質)側に、表1に示した処方の、オザグレルナトリウム
または塩酸オザグレルを6重量%含む製剤A1 、A2
1 またはB2 を、ヘアレスラット皮膚に適用されるオ
ザグレルの量が4mg/cm2 となるように入れた。
【0041】 表1 成分 製剤A1 製剤A2 製剤B1 製剤B2 グリセリン 20重量% 20重量% 20重量% 20重量% 1,3−ブタンジオール 5 5 5 5 l−メントール − − 0.6 0.6 オザグレルナトリウム − 6 − 6 塩酸オザグレル 6 − 6 − 水 69 69 68.4 68.4 レシーバー中の溶液を経時的に採取して、その中のオザ
グレル濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定
し、ヘアレスラット皮膚を透過したオザグレルの量を求
めた。
【0042】ヘアレスラット皮膚を透過したオザグレル
の累積量を図1に示す。 実施例2 カルボキシビニルポリマー10mgを673mgの水に
溶解させ、トリエチルアミン1mgを加えて中和し、次
いで、グリセリン200mg、1,3−ブタンジオール
50mgおよびl−メントール6mgを加えて十分に攪
拌した後、オザグレルナトリウム60mgを加えて均質
として1gの親水性ゲル軟膏剤を得た。
【0043】このゲル軟膏剤を用いて、オザグレルのヒ
ト皮膚透過実験を行なった。凍結保存されていたヒト皮
膚を室温で解凍し、皮膚の厚さが750μmになるよう
に真皮側をスプリットし調整し、これを拡散セルに挟
み、37℃の水で一晩前処理した後、実施例1と同様に
して、ヒト皮膚を透過したオザグレルの量を求めた。
【0044】ヒト皮膚を透過したオザグレルの累積量を
図2に示す。ここで、オザグレルの薬物速度論的パラメ
ータを表2に示す。 表2 静脈内注射(単回) 用量(dose)(mg/body) 5 最高血中濃度(Cmax )(ng/ml) 576.5 AUC(ng・hr/ml) 197.4 半減期(T1/2 )(hr) 2.09 分布容積(Vd)(l/kg) 1.29 総クリアランス値(CL)(ml/hr/kg) 422.7 ヒト皮膚における皮膚透過実験より得られた、定常状態
での単位面積あたりのFlux値10.0±0.8(μ
g/cm2 /hr)、および静脈内注射(単回)のヒト
における総クリアランス値422.7±16.4(ml
/hr/kg)から、ゲル軟膏剤の皮膚適用面積を10
0cm2 (10cm×10cm)、患者の体重を60k
gとして、本発明によるゲル軟膏剤による経皮投与時の
血中オザグレル濃度(予測値)を求めた: さらに、同様にしてヒトにおけるオザグレルの経時的な
予測血中濃度を求めた。その結果を図3に示す。
【0045】対比のために、健常成人男性にオザグレル
ナトリウムを1μg/kg/minで3時間持続して静
脈内投与した時のオザグレルの血中濃度および塩酸オザ
グレル200mgを経口投与した時のオザグレルの血中
濃度を図4(注射用カタクロートインタビューフォーム
より)および図5(ドメナン錠インタビューフォームよ
り)に示す。
【0046】本発明によるオザグレルの経皮吸収による
予測血中濃度は、健常成人男性にオザグレルナトリウム
を1μg/kg/minで3時間静脈内投与した時のオ
ザグレルの血中濃度および塩酸オザグレル200mgを
経口投与した時のオザグレルの血中濃度と比べても、十
分な薬効を期待できるレベルにある。また、皮膚適用面
積を変えることによって、各疾患および各患者の状態に
合わせて血中濃度を容易に増減できるので、臨床上有用
である。
【0047】実施例3 クロロホルムと、粘着剤のスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック重合体を重量比3:1の割合で加え、よく
攪拌して粘着剤のクロロホルム溶液とした。この溶液2
00mgに、オザグレルナトリウムまたは塩酸オザグレ
ル50mgを加え、スパーテルで均質になるまで攪拌し
て、オザグレル溶液を得た。この際、クロロホルムが揮
発しやすいので、素早く操作を行なった。ガラス板上に
バッキングレイヤーとしてPETフィルムを載せ、当該
フィルム上に適量の上記オザグレル溶液を滴下し、これ
をフィルム上で厚さ70μmになるように、アプリケー
ター(10.ML 八幡精機製作所製)を用いて素早く
広げてオザグレル含有層をフィルム上に形成した。次に
PETフィルムをガラス板から外し、40℃で30分間
乾燥した後、リリースレイヤーとしてシリコーン処理済
みのPETフィルムを、乾燥したオザグレル含有層に密
着させてテープ剤とした。
【0048】実施例4 表3に示す割合でaおよびbを調製し、これを60℃で
一晩放置した後、不織布に厚さ1.5mmで密着させて
パップ剤とした。
【0049】 表3 a b ポリアクリル酸 30重量% 30重量% ポリアクリル酸ナトリウム 7 7 グリセリン 20 20 1,3−ブタンジオール 5 5 l−メントール 0.6 0.6 アルミニウム化合物 0.2 0.2 オザグレルナトリウム 6 − 塩酸オザグレル − 2 水 31.2 35.2 実施例4 表4に示す割合で、グリセリン、1,3−ブタンジオー
ル、l−メントールおよびオザグレルをよく混合した
後、ポリビニルアルコールと水との混合物を加えて均質
になるまで攪拌した。これによって得られたゲルを凍結
し融解して、保形性のあるゲルを得た。
【0050】 表4 a b ポリビニルアルコール 10重量% 10重量% グリセリン 20 20 1,3−ブタンジオール 5 5 l−メントール 0.6 0.6 オザグレルナトリウム 6 − 塩酸オザグレル − 6 水 58.4 58.4
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オザグレルの、基剤からの放出性、皮膚への吸収性およ
びそれらの有効血中濃度の持続性に優れたオザグレル含
有経皮吸収型製剤が提供される。さらに、本発明のオザ
グレル含有経皮吸収型製剤によれば、投与時に患者に与
えられる精神的ならびに肉体的な苦痛や不安が取り除か
れると共にQOLの改善にも寄与し、臨床上有利な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘアレスラット皮膚を透過したオザグレルの累
積量を示すグラフである。
【図2】ヒト皮膚を透過したオザグレルの累積量を示す
グラフである。
【図3】ヒトにおけるオザグレルの経時的な予測血中濃
度を示すグラフである。
【図4】オザグレルナトリウムを1μg/kg/min
で3時間持続して静脈内投与した時のオザグレルの経時
的な血中濃度を示すグラフである。
【図5】塩酸オザグレル200mgを経口投与した時の
オザグレルの経時的な血中濃度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/14 N 47/16 N

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分としてオザグレル、またはその
    薬学的に妥当な塩、および経皮吸収促進剤を含む経皮吸
    収型製剤。
  2. 【請求項2】 経皮吸収促進剤が、炭素原子数1〜20
    の一価および多価のアルコール類、尿素類、ピロリドン
    誘導体、炭素原子数6〜20の有機酸類、それのエステ
    ル類、環状モノテルペン類、1−ドデシルアザシクロヘ
    プタン−2−オン、シクロデキストリンおよびチオグリ
    コール酸カルシウムからなる群から選択される1種また
    は2種以上である、請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  3. 【請求項3】 オザグレルの製剤中の濃度が、0.01
    〜50重量%であり、経皮吸収促進剤の製剤中の濃度
    が、0.01〜99.99重量%である、請求項1また
    は2記載の経皮吸収型製剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001076608A1 (en) * 2000-04-07 2001-10-18 Schering Aktiengesellschaft Compositions for use as penetration promoters in transdermal formulations for highly lipophilic active ingredients
US9402802B2 (en) 1998-12-03 2016-08-02 Meda Pharma Sarl Topical compositions comprising ascomycins

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WO2001076608A1 (en) * 2000-04-07 2001-10-18 Schering Aktiengesellschaft Compositions for use as penetration promoters in transdermal formulations for highly lipophilic active ingredients

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