JPH07251781A - スイングアーム及びその部材の製造法 - Google Patents

スイングアーム及びその部材の製造法

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JPH07251781A
JPH07251781A JP6046743A JP4674394A JPH07251781A JP H07251781 A JPH07251781 A JP H07251781A JP 6046743 A JP6046743 A JP 6046743A JP 4674394 A JP4674394 A JP 4674394A JP H07251781 A JPH07251781 A JP H07251781A
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弘 藤原
Mitsuo Tsuge
光雄 柘植
Harumichi Hino
治道 樋野
Takashi Sasamoto
隆 佐々本
Keiichi Sugiyama
敬一 杉山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】角形断面形状を有する自動二輪車のスイングア
ーム及びその部材の製造法に関し、完全な角形に成形加
工ができ、コストダウン及び工程削減を図る。 【構成】角形断面形状の軽合金製の素管を被加工材と
し、この被加工材の軸方向の前後の端部から中央部に向
って断面積が大きくなるように、角形断面形状を維持し
たままバルジ加工を施し、テーパ角管とするスイングア
ーム用アーム部材の製造法を構成し、また、角形断面形
状の軽合金製の素管を被加工材とし、この被加工材の中
央部から両端部に向って断面積が漸次大きくなるよう
に、角形断面形状を維持したまま成形加工し、両端部を
拡膨するスイングアーム用連結部材の製造法を構成する
とともに、上記により得たアーム部材と連結部材とを、
溶接により一体化接合するスイングアームの製造法を構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角形断面形状を有する
自動二輪車のスイングアーム及びその部材の製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車には、車体を緩衝器を介して
車輪によって支持するため、前端部が車体フレームに設
けられたピボット軸に揺動自在に枢支され、後端部に後
輪が軸支されるスイングアームが一般に用いられる。ス
イングアームの軸方向の中寄りの位置には、後輪懸架装
置のリンク機構が接続されるが、上記のように両端が支
持され荷重が中程に集中する梁構造となっていることか
ら、曲げモーメントは、リンク機構接続部分で最も大き
くなり、前,後端側ほど小さくなる。
【0003】従って、スイングアームは、曲げ剛性が軸
方向の中程で最大となり、前,後端側に向うほど小さく
なる断面形状とすることが、強度上有効である。一方、
このようなスイングアームは、後輪の路面追従性を高め
るため、軽量化が図られ、構成材料にアルミニウム合金
等の軽合金を用いると共に、意匠性から、また、他の部
品等をねじ締結することから、角形中空断面形状のもの
を用いている。スイングアームをこのような形状とする
こと自体は公知である。
【0004】曲げ剛性が軸方向の中程で最大となり、
前,後端側に向うほど小さくなる断面形状としたスイン
グアームは、従来、丸パイプを素管とし、予めその両端
部に向って小径となるようにロータリースエージ加工法
で成形し、さらにこのパイプの外面に所望形状の外型を
配置し、この状態でパイプ内に高圧の作動油を供給して
外型に応じた形状に成形する方法により製造することが
考えられていた。
【0005】一方、スイングアームを構成する左右のア
ーム部材は、これらアーム部材をその前端部側において
結合する連結部材を備える。この連結部材は、従来、横
断面長方形筒状の軽合金の押出し成形品が用いられてい
るが、アーム部材と結合される両端部が、アーム部材と
なじむ形状に加工されておらず、このため、連結部材の
前,後壁に補強ブラケットを固定して強度を保ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、丸パイプ
を素管としこれを角形に成形加工する従来のスイングア
ーム用アーム部材の製造法では、完全な角形のアーム部
材に加工し難い欠点がある。そして、丸パイプをその軸
方向の両端部で小径化するためにスエージング加工が必
要であり、また、材料によっては、中間で焼なまし等の
熱処理が必要となる。従って、加工数が多くなり、製造
費が高くなる欠点があった。さらに、左右のアーム部材
の内壁に溶接される連結部材は、結合強度が低く、その
前,後壁に特別な補強部材を必要とする欠点があった。
【0007】本発明は、従来技術のもつこれらの問題点
を解決し、曲げ剛性が軸方向の中程で最大となり、前,
後端側に向うほど小さくなる断面形状としたスイングア
ーム用アーム部材を得るに当り、完全な角形に成形加工
ができ、スエージング加工や中間熱処理を不要とすると
共に、左右のアーム部材と結合される連結部材は、その
両端部がアーム部材となじむ形状に加工されて、アーム
部材に溶接により一体化接合され、高い結合強度を保持
できるようにしたスイングアームの製造法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、第1に、角形断面形状の軽合金製の素
管を被加工材とし、この被加工材の軸方向の前後の端部
から中央部に向って断面積が大きくなるように、角形断
面形状を維持したままバルジ加工を施し、テーパ角管と
することを特徴とするスイングアーム用アーム部材の製
造法を構成したものである。ここで、金型と被加工材間
に生じる摩擦に基づく変形抵抗の差による加工上の不具
合が起きる可能性があるときは、被加工材に加工用内圧
を加え拡膨する過程において、被加工材のバルジ加工用
金型への接触が遅れる面(A) に背圧負荷用可動型を押し
当て、この背圧負荷用可動型により、前記面(A) に背圧
を加えながらバルジ加工を施すとよい。また、アーム部
材の軸方向に曲げ加工を施したいときは、被加工材に、
曲げ加工を施すと同時に、又は、曲げ加工が施された後
に、バルジ加工を施す。
【0009】そして、本発明は、第2に、角形断面形状
の軽合金製の素管を被加工材とし、この被加工材の中央
部から両端部に向って断面積が漸次大きくなるように、
角形断面形状を維持したまま成形加工し、両端部を拡膨
することを特徴とするスイングアーム用連結部材の製造
法を構成した。ここで、機械的な拡膨加工を行うに当
り、第1工程にて、少なくとも拡膨する予定部分に襞部
を形成した被加工材を成形し、第2工程にて被加工材の
襞部を拡膨して所望形状に形成すると、より有効であ
る。
【0010】さらに、本発明は、第3に、角形断面形状
の軽合金製の素管を被加工材とし、この被加工材の軸方
向の前後の端部から中央部に向って断面積が大きくなる
ように、角形断面形状を維持したままバルジ加工を施
し、テーパ角管とした左右一対のアーム部材と、角形断
面形状の軽合金製の素管を被加工材とし、この被加工材
の中央部から両端部に向って断面積が漸次大きくなるよ
うに、角形断面形状を維持したまま成形加工し、両端部
を拡膨した連結部材とを、溶接により一体化接合するこ
とを特徴とするスイングアームの製造法を構成した。
【0011】
【作用】上記の手段により、角形断面形状の軽合金製の
アーム部材用の素管は、角形断面形状を維持したまま、
軸方向の前後の端部から中央部に向って断面積が大きく
なるように、スイングアーム用アーム部材に加工され
る。また、角形断面形状の軽合金製の連結部材用の素管
は、角形断面形状を維持したまま、その中央部から両端
部に向って断面積が漸次大きくなるように、両端部が拡
膨される。さらに、左右一対のアーム部材は、両端部を
拡膨した連結部材と溶接により強固に一体化接合され
る。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1の (a)及び (b)は、本発明の方法によ
りスイングアーム用アーム部材を製造するための装置の
横断面図及び縦断面図である。被加工材としての角形断
面形状の軽合金製の素管、つまりアルミニウム又はアル
ミニウム合金を素材とする素管1は、バルジ加工用の上
下の金型2,3間に挟持され、素管1の両端部に、シー
ル口金4,4が配置される。そして、素管1に、流体
(水,油など)5を内蔵させて加工用内圧Pを加える
と、上下の金型2,3間において、側壁の管厚は変化せ
ず、上下壁のみが上下の金型2,3の内壁2′,3′に
沿って塑性変形により伸びて、いわゆるバルジ加工され
て、拡膨する。これにより、図2の (a)及び (b)に示す
ように、軸方向の中程で断面形状が最大となり、前,後
端側に向うほど小さくなるように断面の形状を変化さ
せ、テーパ角管としたスイングアーム用アーム部材20
を得ることができる。なお、本例は、素管1の側壁(短
辺)の管厚は変えることなく、上下壁(長辺)のみを拡
膨したものであるが、側壁及び上下壁の双方を拡膨して
も勿論差し支えない。
【0013】本例により、スイングアーム用アーム部材
を得る場合、素管1は、図1の (b)に示す素管1の側壁
1bの管厚を変えず、上下壁1cのみが塑性変形するこ
とにより拡膨して、角部1aが位置ずれすることなく、
拡管されることが理想的状態である。ところが、加工さ
れるべき素管1は、上下の金型2,3間において、加工
当初又は直後から上下の金型2,3の内壁2′,3′に
接触している面と、遅れてこれに接触する面(A) とがあ
るが、図1に示す装置では、加工当初から接触している
面や先に接触する面は、遅れて接触する面(A) に比べ金
型との間の抵抗がきわめて大きい。従って、拡膨された
スイングアーム用アーム部材20は、図3の (a)に示す
ように、側壁1bが先に大きな変形を受け曲面状となっ
て、素管1の角部1aが引きずられ、同図の (b)に示す
ように、上下壁1cの外面に筋状に現われる。そして、
この角部に多大な応力が発生し、成形が困難となる傾向
があった。
【0014】そこで、図4の (a)及び (b)に示す実施例
は、この点の解決をも図ったものである。同図におい
て、図1の (a)及び (b)で使用した符号と同一の符号
は、共通の部位を示すものであるので、その説明を省略
する。
【0015】バルジ加工用の上下の金型2,3と,加工
用内圧により拡膨されるべき素管1の側壁1bとのスペ
ース6は、余裕をもって構成され、このスペース6に背
圧負荷用可動型8,8を介設する。この背圧負荷用可動
型8,8は、支点となる端部側をピン8a,8aにより
所定の範囲で回動可能に下金型3に支持されており、ま
た、上下の金型2,3の外側であって、この例では、中
央部より左側寄りの位置に、この背圧負荷用可動型8,
8に背圧を加えるための油圧又は空気圧のシリンダ9,
9を有する。図5は、上記の装置によりバルジ成形され
つつある素管1を示す断面図であり、素管1におけるバ
ルジ加工用金型2,3への接触が遅れる面(A) に、背圧
負荷用可動型8,8を押し当て、加工面に背圧(W)を
加えながら加工を施すようにしている。
【0016】背圧負荷用可動型8,8の背圧の調整は、
シリンダ9,9の配管系に設けた例えばリリーフバルブ
等の圧力コントロール用バルブ10により行う。バルジ
加工用金型2,3でのバルジ成形中、シリンダ9,9が
加える荷重(W)により素管1の上下壁1cに加わる背
圧の大きさは、 (1)バルジ成形によって、素管1の上下
壁1cが拡げられるのを拘束することなく、かつ、 (2)
バルジ成形によって、素管1の側壁1bが拡膨し、角部
1aが破断するのを防ぐ程度の大きさとなるようにコン
トロールするものである。また、流体による内圧Pの昇
圧スピードも適宜コントロールする。このように、背圧
負荷用可動型8,8を採用することにより、素管1のバ
ルジ加工用金型への接触が遅れる面(A) と、加工当初又
は先に接触している面との間に、大きな抵抗の差がなく
なり、加工中に素管1の角部がひきずられる恐れが少な
い。したがって、バルジ加工するに当り、素管1の角部
が位置ずれしないように拡膨することができる。
【0017】図6は、図4及び図5に示す装置を用い
て、バルジ成形加工を行う具体例について示すものであ
る。 〔実施例1〕素管1として図6の (a)に示す材質6N0
1−0アルミニウム合金の71.6mm×38.6mm角管( 5mm
t),長さ575mmを使用した。図4及び図5を参照し
て、この素管1を、背圧負荷用可動型8,8を有する上
下のバルジ加工用金型2,3の間に潤滑剤を介して挟持
し、その両端部にシール口金4,4を配置する。シール
口金の両端部に押込力Fを加え、口金と素管1間をシー
ルする。はじめに、左側の口金の排気口4aより排気し
ながら右側の口金より流体(防食剤入りの水)を注入し
て素管1内を満たし、排気口4aを塞ぐ。次に、流体に
対する加工用内圧Pを徐々に昇圧させ、背圧負荷用可動
型8,8に背圧を加えながら流体に所定の加工用内圧P
を与えることにより、素管1にバルジ加工を施す。この
場合、使用したバルジ加工装置の最大内圧力(P)2000
kgf/cm2 、加工時の最大内圧 600kgf/cm2 であり、
また、シリンダが加える荷重(W)により背圧負荷用可
動型8,8を介して素管1に加えられる背圧は、 100〜
500kgf/cm2 に設定してある。なお、加工後T5処理
を行い、強度を上げる。図6の (b)は、上記により素管
1をバルジ成形及び両端の不要部切断をして得たスイン
グアーム用アーム部材20の斜視図であて、成形後寸法
は、両端部寸法(a×b)71.6mm×38.6mm角(5mm
t)、最大拡管部寸法(c×b)89.5mm×38.6mm角、両
端部から最大拡管部に至る長さ 242.5mm(d), 229.0
mm(e)、全長 471.5mm(L)のものであった。なお、
素管1の角部1a(図4の (b)参照)の上下壁1c面側
への引きずられ現象は、完全に消失させることはでき
ず、部分的に生じはしたが、背圧負荷のない場合に比べ
れば、ほとんど無視できる程度にすぎないものであっ
た。
【0018】〔実施例2〕素管1として、材質6N01
−T4アルミニウム合金の67.6mm×34.6mm角管(5mm
t),長さ575mmを使用した以外は、実施例1と同一
条件により、バルジ成形加工を施し、成形後の両端部寸
法(a×b)67.6mm×34.6mm角( 5mmt)、最大拡管部
寸法(c×b)89.5mm×34.6mm角、両端部から最大拡管
部に至る長さ242.5mm(d), 229.0mm(e)、全長 47
1.5mm(L)のスイングアーム用アーム部材20を得
た。
【0019】〔実施例3〕素管1として、材質7003
−0アルミニウム合金の71.6mm×38.6mm角管( 5mm
t),長さ575mmを使用した以外は、実施例1と同一
条件により、バルジ成形加工を施し、成形後の両端部寸
法(a×b)71.6mm×38.6mm角( 5mmt)、最大拡管部
寸法(c×b)89.5mm×38.6mm角、両端部から最大拡管
部に至る長さ 242.5mm(d), 229.0mm(e)、全長 4
71.5mm(L)のスイングアーム用アーム部材20を得
た。
【0020】本発明の方法により得られるスイングアー
ム用アーム部材20は、軸方向の前後の端部から中央部
に向って断面積が大きくなる形状を有するが、その端部
の寸法が前後で異なる場合あるいは端部において極端に
小径化する必要がある場合などは、図7の (a)に示すよ
うに、バルジ成形後、端部に切り込み20aを入れ、外
力によってこの切り込み20aを塞ぎ,溶接(20b)
することによって、同図の (b)に示すように、必要な端
部寸法を有するアーム部材が得られる。
【0021】また、スイングアームのアーム部材は、後
端部に自動二輪車の後輪を軸支するため、その中央部か
ら後端部側に向って所定の角度例えばR200 に曲げられ
ることが多いが、このような場合、本発明では、曲げ加
工を、1)バルジ成形と同時、2)バルジ成形後、3)端部溶
接前又は後のいずれの時点でも行い得る。
【0022】図8は、バルジ成形と同時に曲げ加工を行
う具体例について示す断面図であって、被加工材である
素管1は、その両端部に押込みシリンダ7,7により押
し込まれるシール口金4,4を配置し、図1の (a)及び
(b)に示すバルジ加工を行うと同時に、所定の角度に曲
げられている上下のバルジ加工用金型2,3により強制
的に曲げ加工される。
【0023】次に、スイングアーム用連結部材の製造法
について説明する。図9の (a)及び(b)は、本発明の製
造法を説明するための装置の横断面図及び製造された連
結部材の斜視図である。図9の (a)に示すように、被加
工材としてのアルミニウム又はアルミニウム合金を素材
とする素管11としての角管は、左右に配置された成形用
雌型12,12間に挟持され、上下よりパンチ等の雄型13,
13が圧入され、プレス成形を行うことにより、素管11の
中央部から両端部に向って断面積が漸次大きくなるよう
に、角形断面形状を維持したまま上下両端部が拡膨され
る。これにより同図の (b)に示す中央部11aに対し両端
部11b,11bが両側に拡膨されたスイングアーム用連結
部材30を得る。
【0024】図10の (a)及び (b)は、図9の (a)及び
(b)の例では、素管11の中央部11aに対し両端部11b,
11bが両側に拡膨された場合について示したのに対し、
両端部11b,11bが片側にのみ拡膨されたスイングアー
ム用連結部材30′の例を示したものである。
【0025】図11の (a)〜 (c)は、第1工程にて、少
なくとも拡膨する予定部分に襞部を形成した被加工材を
成形し、第2工程にて被加工材の襞部を拡膨して所望形
状に形成するスイングアーム用連結部材の製造法につい
ての説明図である。図11の(a)は、第1工程について
示し、アルミニウム又はアルミニウム合金を素材とした
被加工材11に、押出成形時に同図の( b-1)又は( b-
2)に示すように複数の波状の襞部12a又は12bが同時
に形成される。この襞部12a又は12bは、この例におい
ては、被加工材11の軸方向全長にわたって形成されてい
るが、ダイカスト法を用い、拡膨加工を行う部位のみに
部分的に形成するようにしてもよい。
【0026】図11の (c)は、第2工程について示し、
被加工材11の襞部12a又は12bを、図9の (a)において
説明したと同様にパンチによるプレスによる方法により
拡膨し、中央部11aに対し両端部11b,11bが両側に拡
膨されたスイングアーム用連結部材30を得るものであ
る。
【0027】このように、第1工程にて、少なくとも拡
膨する予定部分に襞部を形成した被加工材を成形し、第
2工程にて被加工材の襞部を拡膨して所望形状に形成す
る手段により、被加工材の伸展に余裕のある部位に対し
て拡膨が行われ、最小の圧入力で拡膨加工を施すことが
できる。また、拡膨加工による被加工材の部分的な薄肉
化が生じることもなく、大きな断面変化を伴う拡膨部分
を有する被加工材への加工を容易に行うことができる。
【0028】図12及び図13は、図1ないし図8に基
づき製造したアーム部材と、図9ないし図11に基づき
製造した連結部材とを、結合して製造されたスイングア
ーム40の平面図および側面図である。
【0029】素管を、その軸方向の前後の端部から中央
部に向って断面積が大きくなるように、角形断面形状を
維持したままバルジ加工を施しテーパ角管とした、左右
一対のアーム部材20,20と、素管を成形加工し、そ
の両端部を拡膨させた連結部材30とは、アーム部材の
両内壁と連結部材の両端部とがなじむ形状に加工されて
いる結果、接合部30a,30aにおいて溶接により一体化
接合される。アーム部材20,20の前端部には、ピボ
ット軸枢支部22が溶接結合されており、後端部には、後
輪車軸が挿入・固定される車軸孔24,24を設けてある。
また、連結部材30には、その両端部側の上面に突出し
た状態で、緩衝器支持部32,32を設け、軸孔34が貫通さ
れている。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明に係るスイングアー
ム及びその部材の製造法によれば、次の効果がある。第
1に、スイングアーム用アーム部材の製造するに際し、
角形断面形状の軽合金製の素管を被加工材とし、この被
加工材の軸方向の前後の端部から中央部に向って断面積
が大きくなるように、角形断面形状を維持したままバル
ジ加工を施しテーパ角管とするので、従来の丸パイプを
素管としこれを角形に成形加工する方法に比べ、スエー
ジング加工を必要とせず、完全な角形のアーム部材に加
工ができ、コストダウン及び工程削減を図ることができ
る。そして、材料に与える歪が少なく中間焼鈍等を不要
とし、健全な品質を保証できる。
【0031】この場合、被加工材に加工用内圧を加え拡
膨する過程において、被加工材のバルジ加工用金型への
接触が遅れる面(A) に背圧負荷用可動型を押し当て、こ
の背圧負荷用可動型により、前記面(A) に背圧を加えな
がらバルジ加工を施す手段をとれば、バルジ加工の際、
被加工材のバルジ加工用金型への接触が遅れる面(A)が
受ける抵抗と、加工当初又は先に接触している面が受け
る抵抗との間に大きな差が生じることがなく、加工中に
素管の角部がひきずられる恐れが少ない。したがって、
バルジ加工されるべき素管を、その角部が位置ずれする
ことなく拡膨させることができ、外観良好に成形でき
る。
【0032】また、被加工材に、曲げ加工を施すと同時
に、又は、施した後に、バルジ加工を施すことにより、
曲げ加工を効率的に行うことができる。さらに、上記の
スイングアーム用アーム部材の端部に切り込みを入れ、
外力によってこの切り込みを塞ぎ、溶接することによ
り、アーム部材の端部の加工を容易に行うことができる
効果がある。
【0033】第2に、スイングアーム用連結部材の製造
するに際し、角形断面形状の軽合金製の素管を被加工材
とし、この被加工材の中央部から両端部に向って断面積
が漸次大きくなるように、角形断面形状を維持したまま
成形加工し、両端部を拡膨するので、アーム部材の内壁
の形状となじみがよく、溶接による結合強度を高めるこ
とができる。したがって、従来のような連結部材の前,
後壁に特別な補強部材を設ける必要がない。
【0034】この場合、第1工程にて、少なくとも拡膨
する予定部分に襞部を形成した被加工材を成形し、第2
工程にて被加工材の襞部を拡膨して所望形状に形成する
手段をとることにより、最小の圧入力で、アーム部材の
内壁の形状となじみのよい所望の端部形状に拡膨加工が
できる。そして、被加工材の薄肉化を伴うことなく拡膨
加工ができるので、溶接による接合強度をより高めるこ
とができる。
【0035】第3に、角形断面形状の軽合金製の素管を
被加工材とし、この被加工材の軸方向の前後の端部から
中央部に向って断面積が大きくなるように、角形断面形
状を維持したままバルジ加工を施し、テーパ角管とした
左右一対のアーム部材と、角形断面形状の軽合金製の素
管を被加工材とし、この被加工材の中央部から両端部に
向って断面積が漸次大きくなるように、角形断面形状を
維持したまま成形加工し、両端部を拡膨した連結部材と
を、溶接により一体化接合してスイングアームを得るの
で、接合強度の大きい所望の形状のスイングアームを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び (b)は、本発明の方法によりスイング
アーム用アーム部材を製造するための装置の横断面図及
び縦断面図である。
【図2】(a)及び (b)は、本発明の方法により製造され
たスイングアーム用アーム部材の正面図及び側面図であ
る。
【図3】(a)及び (b)は、一般的バルジ成形方法を使用
したとして製造されたスイングアーム用アーム部材の一
例を示す斜視図及び平面図である。
【図4】(a)及び (b)は、本発明の方法によりスイング
アーム用アーム部材を製造するための装置の他の実施態
様について示す横断面図及び縦断面図である。
【図5】図4に示す装置によりバルジ成形されつつある
被加工材の断面図である。
【図6】(a)及び (b)は、本発明の方法によりバルジ成
形される被加工材及び成形後のスイングアーム用アーム
部材の形状を示す斜視図である。
【図7】(a)及び (b)は、本発明の方法により製造され
たスイングアーム用アーム部材における端部加工につい
て説明する正面図である。
【図8】本発明の方法により、バルジ加工を行うと同時
に、曲げ加工を行う装置の断面図である。
【図9】(a)及び (b)は、本発明の方法によりスイング
アーム用連結部材を製造するための装置の断面図及び製
造された連結部材の斜視図である。
【図10】(a)及び (b)は、本発明の方法によりスイン
グアーム用連結部材を製造する他の態様を示す装置の断
面図及び製造された連結部材の斜視図である。
【図11】(a), (b-1) (b-2)及び (c)は、本発明によ
るスイングアーム用連結部材の製造法を説明する素管の
正面図,平面図及び拡膨された連結部材の正面図であ
る。
【図12】本発明の方法により製造されたスイングアー
ムの平面図である。
【図13】本発明の方法により製造されたスイングアー
ムの側面図である。
【符号の説明】
1 …素管(被加工材) 2 …バルジ加工用金型 3 …バルジ加工用金型 4 …シール口金 5 …流体 8 …背圧負荷用可動型 9 …シリンダ 11 …素管(被加工材) 12 …成形用雌型 13 …雄型 20 …スイングアーム用アーム部材 30 …スイングアーム用連結部材 40 …スイングアーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柘植 光雄 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 樋野 治道 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 佐々本 隆 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 杉山 敬一 東京都港区三田3丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角形断面形状の軽合金製の素管を被加工
    材とし、この被加工材の軸方向の前後の端部から中央部
    に向って断面積が大きくなるように、角形断面形状を維
    持したままバルジ加工を施し、テーパ角管とすることを
    特徴とするスイングアーム用アーム部材の製造法。
  2. 【請求項2】被加工材に加工用内圧を加え拡膨する過程
    において、被加工材のバルジ加工用金型への接触が遅れ
    る面(A) に背圧負荷用可動型を押し当て、この背圧負荷
    用可動型により、前記面(A) に背圧を加えながらバルジ
    加工を施す請求項1に記載のスイングアーム用アーム部
    材の製造法。
  3. 【請求項3】被加工材に、曲げ加工を施すと同時に、バ
    ルジ加工を施す請求項1又は請求項2に記載のスイング
    アーム用アーム部材の製造法。
  4. 【請求項4】曲げ加工が施された被加工材に、バルジ加
    工を施す請求項1又は請求項2に記載のスイングアーム
    用アーム部材の製造法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のスイングアーム用アーム
    部材の端部に切り込みを入れ、外力によってこの切り込
    みを塞ぎ、溶接することを特徴とするスイングアーム用
    アーム部材の製造法。
  6. 【請求項6】角形断面形状の軽合金製の素管を被加工材
    とし、この被加工材の中央部から両端部に向って断面積
    が漸次大きくなるように、角形断面形状を維持したまま
    成形加工し、両端部を拡膨することを特徴とするスイン
    グアーム用連結部材の製造法。
  7. 【請求項7】第1工程にて、少なくとも拡膨する予定部
    分に襞部を形成した被加工材を成形し、第2工程にて被
    加工材の襞部を拡膨して所望形状に形成することを特徴
    とする請求項6に記載のスイングアーム用連結部材の製
    造法。
  8. 【請求項8】前記第1工程は、押出成形により襞部の形
    成された部材が成形されることを特徴とする請求項7に
    記載のスイングアーム用連結部材の製造法。
  9. 【請求項9】前記第2工程は、パンチによるプレスにて
    拡膨部分が形成されることを特徴とする請求項7に記載
    のスイングアーム用連結部材の製造法。
  10. 【請求項10】角形断面形状の軽合金製の素管を被加工
    材とし、この被加工材の軸方向の前後の端部から中央部
    に向って断面積が大きくなるように、角形断面形状を維
    持したままバルジ加工を施し、テーパ角管とした左右一
    対のアーム部材と、角形断面形状の軽合金製の素管を被
    加工材とし、この被加工材の中央部から両端部に向って
    断面積が漸次大きくなるように、角形断面形状を維持し
    たまま成形加工し、両端部を拡膨した連結部材とを、溶
    接により一体化接合することを特徴とするスイングアー
    ムの製造法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247723A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Press Kogyo Co Ltd ハイドロフォーム装置および方法

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