JPH0725132B2 - インフレーション成形方法及びその装置 - Google Patents

インフレーション成形方法及びその装置

Info

Publication number
JPH0725132B2
JPH0725132B2 JP3033591A JP3359191A JPH0725132B2 JP H0725132 B2 JPH0725132 B2 JP H0725132B2 JP 3033591 A JP3033591 A JP 3033591A JP 3359191 A JP3359191 A JP 3359191A JP H0725132 B2 JPH0725132 B2 JP H0725132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
film
humidity
inflation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3033591A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04249132A (ja
Inventor
俊夫 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruyasu Co Ltd
Original Assignee
Maruyasu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruyasu Co Ltd filed Critical Maruyasu Co Ltd
Priority to JP3033591A priority Critical patent/JPH0725132B2/ja
Publication of JPH04249132A publication Critical patent/JPH04249132A/ja
Publication of JPH0725132B2 publication Critical patent/JPH0725132B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱可塑性樹脂原料の溶
融、引き伸ばし、冷却を一連の工程で行いフィルム成形
するインフレーション成形方法及びその装置に関する。
さらに詳しくは、その改良に関する。
【0002】
【従来の技術】インフレーション成形は、熱可塑性樹脂
原料の溶融、引き伸ばし、冷却を一連の工程で行うこと
ができ、フィルム成形に適したものである。このインフ
レーション成形を行うには、通常、熱可塑性原料を加熱
して溶融すると共にこれを整流して送出する加熱シリン
ダ部と、該シリンダ部の下流先端に接続され送出される
熔融物を筒状に押し出すインフレーションダイスと、該
ダイスから押し出される筒状熔融物の周囲に開口され、
該筒状熔融物に熱風を噴射するブロワ手段と、上記ダイ
スの上方に設けられ熱風によって引き伸ばされたフィル
ム成形物(フィルムチューブ)を引き取るピンチローラ
部とからなるインフレーション成形装置が汎用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】まず、インフレーショ
ン成形においては、得られる成形品(フィルムチュー
ブ)の品質は、成形系の温度や湿度の変化によって非常
に影響されるものである。例えば1日の内では朝、昼、
夜の外気温度が変化するが、それによってフロストライ
ンが変化しフィルムチューブ幅不良を生ずるという問題
がある。またフィルムは一般に吸収性の特性を有するた
め、湿度が小さい場合フィルムはくっつきやすいが、こ
とに一年の内では、冬場は工場内は乾燥気味であるた
め、静電気を帯びやすくなっており、これに上記フィル
ムの特性が加わってフィルムチューブそのものがくっつ
いて離れない現象が生じる。そのため除電装置を備えた
り、また巻き取る手前にエアを入れたりしてブロッキン
グ現象を回避せざるを得ないが、これらによっても完全
には回避できないものである。 一方夏場は外気温が高
いため冷却能力が低下し、やはりブロッキング現象を引
き起こすため生産力を低下せざるを得ないという問題が
ある。以上のことから、季節によって製品の透明度やツ
ヤ等品質に関してバラツキが生ずる。またさらに成形装
置そのものに由来する温度不均一の問題もある。すなわ
ち、インフレーション成形装置では加熱シリンダ側は樹
脂を熔融するためヒータを使用しているが、このため加
熱シリンダ設置側の周囲雰囲気は例えば 200℃程度の高
温になってしまう。従って引き上げられるフィルムチュ
ーブの加熱シリンダ側とその反対側とでは温度条件が異
なり、同一製品内に温度分布の不均一を生じさせるばか
りか、加熱シリンダ設置側の雰囲気の対流を早く引き起
こし、そのため引き上げられるフィルムチューブに揺れ
を生じさせることにもなる。このような温度不均一と揺
れは、幅の不良や強度不良等製品の品質に著しい影響を
与えるものである。上記述べたような問題は、インフレ
ーション成形における温度や湿度を制御できれば解決で
きるものと考えられるが、しかしながら、工場内の熱容
量が大変大きくラニングコストやイニシャルコストの面
からも費用がかかり過ぎるため、これに関する設備投資
ができないのが現状である。
【0004】この発明は上記事情に鑑みなされたもので
あり、その要旨は、インフレーション成形されるフィル
ムチューブと接触する雰囲気の温度及び湿度を制御する
という比較的簡単な構成によって、インフレーション成
形系の温度や湿度を制御し、得られる成形品の品質を一
定とできるのみならず、後述するごとく該成形系やこれ
を設けた工場内全体の環境管理も簡単にできるシステム
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、熱可塑性樹脂原料を熔融して送出し、これを整流し
て筒状にダイスから押し出す第1工程と、第1工程で得
られた筒状熔融物に熱風を噴射してフィルム状に引き伸
ばす第2工程と、第2工程で得られるフィルム状物を引
き取る第3工程とからなるインフレーション成形におい
て、上記第2工程を、フィルム周囲の雰囲気の温度及び
湿度を制御しつつ行うことを特徴とするインフレーショ
ン成形方法及びその装置が提供される。
【0006】本発明において、フィルム周囲の雰囲気の
温度及び湿度を制御するとは、主として、インフレー
ション成形に直接関与する熱風の温度及び湿度を制御す
ること、フィルム周囲にいわゆるエアカーテンを別途
構成し、このエアーカーテンの温度及び湿度を制御する
こと、上記熱風及びエアーカーテンのいずれもの温度
及び湿度を制御すること、をいうがこれらに限定されな
い。
【0007】上記の構成としては、例えば、熱可塑性
原料を加熱して溶融すると共にこれを整流して送出する
加熱シリンダ部と、該シリンダ部の下流先端に接続され
送出される熔融物を筒状に押し出すインフレーションダ
イスと、該ダイスから押し出される筒状熔融物の周囲に
開口され、該筒状熔融物に熱風を噴射するブロワ手段
と、上記ダイスの上方に設けられ熱風によって引き伸ば
されたフィルム成形物を引き取るピンチローラ部とから
なり、上記ブロワ手段が、熱風の温調手段及び加湿手段
を具備したことを特徴とするインフレーション成形装置
を挙げることができる。上記装置は、ブロワ手段を変更
する以外は当該分野で公知の構成を利用することができ
る。
【0008】上記の構成としては、例えば、熱可塑性
原料を加熱して溶融すると共にこれを整流して送出する
加熱シリンダ部と、該シリンダ部の下流先端に接続され
送出される熔融物を筒状に押し出すインフレーションダ
イスと、該ダイスから押し出される筒状熔融物の周囲に
開口され、該筒状熔融物に熱風を噴射するブロワ手段
と、上記ダイスの上方に設けられ熱風によって引き伸ば
されたフィルム成形物を引き取るピンチローラ部とから
なり、筒状溶融物押出位置またはその近傍の周囲に少な
くとも成形されるフィルムよりも大きい径で設けられる
リング状エア噴出部と、フィルム硬化ラインより上方で
かつピンチローラ部より下方に同様な径で設けられるリ
ング状エア吸引部と、上記リング状エア噴出部に供給す
るエアの温度を調節する温調手段及び該エアに加湿する
加湿手段とからなるエアカーテン手段を具備したことを
特徴とするインフレーション成形装置を挙げることがで
きる。 上記装置は、エアカーテン手段を設ける以外
は、当該分野で公知の構成を利用することができる。
【0009】上記の構成としては、例えば、熱可塑性
原料を加熱して溶融すると共にこれを整流して送出する
加熱シリンダ部と、該シリンダ部の下流先端に接続され
送出される熔融物を筒状に押し出すインフレーションダ
イスと、該ダイスから押し出される筒状熔融物の周囲に
開口され、該筒状熔融物に熱風を噴射するブロワ手段
と、上記ダイスの上方に設けられ熱風によって引き伸ば
されたフィルム成形物を引き取るピンチローラ部とから
なり、ブロワ手段が熱風の温調手段及び加湿手段を具備
すると共に、筒状溶融物押出位置またはその近傍の周囲
に少なくとも成形されるフィルムよりも大きい径で設け
られるリング状エア噴出部と、フィルム硬化ラインより
上方でかつピンチローラ部より下方に同様な径で設けら
れるリング状エア吸引部と、上記リング状エア噴出部に
供給するエアの温度を調節する温調手段及び該エアに加
湿する加湿手段とからなるエアカーテン手段を具備した
ことを特徴とするインフレーション成形装置を挙げるこ
とができる。上記装置は、ブロワ手段を変更しかつエア
カーテン手段を設ける以外は、当該分野で公知の構成を
利用することができる。
【0010】本発明において、温調手段及び加湿手段を
有するブロワ手段は、具体的にはエア供給部からブロワ
部までの流路に、温調部及び加湿部を設けることにより
構成することができる。上記温調部には通常のヒータ及
び温調計を用いることができる。ヒータの熱源として
は、ラニングコストを押さえるという意味でも深夜電力
を用いた蓄熱方式、チラーを用いた方式、高ジェネ発電
機等適宜選択することができる。また、温調部に温度セ
ンサを用い、該センサからの出力信号に基づいて温調計
を介してヒータをオン・オフ制御するよう構成されてい
てもよい。なお該センサとしては例えば熱電対等を挙げ
ることができる。上記加湿部には、通常の加湿機を用い
ることができる。この加湿部においても湿度センサを用
いこのセンサからの出力信号に基づいて所定の湿度に調
整するよう構成されていてもよい。またさらに、上記ブ
ロワ手段は、温調手段に設けられる温度センサ及び加湿
手段に設けられる湿度センサからの出力に基づいて、熱
風の温度及び湿度を予め設定された至適範囲に設定すべ
くこれらの温調手段及び加湿手段に作動を指令する制御
手段を具備して構成されていてもよい。上記温度及び湿
度の至適範囲は、成形されるフィルムの幅、フィルム表
面の光沢・ツヤ、フィルムの透明度等の点を考慮して設
定されることが好ましく、例えば温度では28〜35℃のう
ちの所定温度、湿度は40〜60%のうちの所定湿度が挙げ
られる。
【0011】上記エアカーテン手段は、主として、リン
グ状エア噴出部、リング状エア吸引部及びリング状エア
噴出部に接続されるエア供給手段から構成され、該エア
供給手段には、供給エアの温度を調節する温調手段及び
該エアに加湿する加湿手段が用いられる。上記リング状
エア噴出部及びリング状エア吸引部は、いずれも、成形
されるフィルムの径よりも大に設定される。上記リング
状エア噴出部は当該装置の筒状溶融物押出位置またはそ
の近傍周囲に設定され、リング状エア吸引部はフィルム
硬化ラインより上方でかつピンチローラ部より下方の周
囲に設けられるが、これらの設定位置は、これらの両リ
ングにより形成されるエアカーテンが、少なくともイン
フレーションの初期からインフレーション後の冷却・硬
化されるまでの間、成形フィルムに対して実質的に周囲
雰囲気の影響を遮断できる位置であることを意味する。
上記エアカーテン手段に用いられる温調手段及び加湿手
段については、上記ブロワ手段における場合と同様な構
成とすることができる。また、上記エアカーテン手段
は、噴出エアの風速及び風量を制御可能に構成されるこ
とが好ましい。上述したエアカーテン手段は、該手段内
の温度及び湿度環境を一定に保持するに止まらず、外部
からの風等を防いでフィルムの揺れを防ぎ、さらに、イ
ンフレーション時に発生する粉塵を集塵することができ
る点で非常に好ましいものである。上記エアカーテン手
段により設定される至適温度及び至適湿度に関しては、
前述のブロワ手段について述べた値を適用することがで
きる。
【0012】
【作用】本発明の1つによれば、ブロワ手段から、所定
の温度及び湿度に調整された熱風がインフレーション成
形初期において噴出されるので、インフレーションダイ
スから押出される筒状熔融物は、その周囲から一定の温
度及び湿度条件に均等に包まれてインフレーション成形
されることとなる。本発明の他の1つによれば、筒状熔
融物押出位置またはその近傍から、フィルム硬化ライン
より上方でかつピンチローラ部より下方までの任意の位
置までの間が、所定の温度及び湿度に調整されたエアか
らなるエアカーテンにより包まれるので、このエアカー
テン内へは外部からの空気の流通は遮断されかつエアカ
ーテン内は常に一定の温度及び湿度条件に保持され、こ
の環境内でインフレーション成形が行われることとな
る。本発明のさらに他の1つによれば、ブロワ手段か
ら、所定の温度及び湿度に調整された熱風がインフレー
ション成形初期において噴出されると共に、筒状熔融物
押出位置またはその近傍から、フィルム硬化ラインより
上方でかつピンチローラ部より下方までの任意の位置ま
での間が、所定の温度及び湿度に調整されたエアからな
るエアカーテンにより包まれるので、外部からの空気の
流通が遮断されかつ一定の温度及び湿度条件に保持され
たエアカーテン内において、インフレーションダイスか
ら押出される筒状熔融物は、さらにその周囲から常に一
定の温度及び湿度条件に包まれて、安定した条件下でイ
ンフレーション成形されることとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。 実施例1 図1は、本発明のインフレーション成形装置の一例の概
略図である。同図において、該成形装置は、原料供給部
(1)と、加熱シリンダ部(2)と、該シリンダ部の下流先端
に接続されるインフレーションダイス(3)と、該ダイス
から押出される筒状熔融物の周囲に略上方に向けて開口
されるエアリング(図示しない)から該筒状熔融物に熱
風を噴射するブロワ手段(4)と、上記ダイスの上方に設
けられ熱風によって引き伸ばされたフィルム成形物を引
き取るピンチローラ部(5)とから主として構成されてい
る。なお、(6)は幅チューブレギュレータ、(7)は自動引
き取り速度制御器、(8)は操作盤、(9)は成形フィルムで
ある。上記原料供給部(1)は、原料貯留部(11)と、開閉
シリンダ(12)と、計量釜(13)とから構成され、計量釜の
計量に基づいて開閉シリンダを操作し、所定量の原料を
加熱シリンダに供給できるように構成されている。上記
加熱シリンダ部(2)は、モータ(21)によって駆動される
スクリュ(22)、整流用アミ(23)、ダイスとの接続用アダ
プタ(24)及び図示しない加熱手段を有し、計量釜から落
下される原料を加熱して熔融すると共にこれを整流して
ダイスに送出するよう構成されている。上記ブロワ手段
(4)は、その詳細を図2に示すが、エア供給部(41)、温
調部(42)、加湿部(43)、ブロワ(44)をこの順に連通して
エアリングに接続される流路(a)及び制御部(45)から主
として構成されている。温調部には温調計(46)及び温度
センサ(47)が設けられ、加湿部には加湿機(48)及び湿度
センサ(49)が設けられている。制御部はCPUを内蔵
し、温度センサ(47)及び湿度センサ(49)からの信号出力
に基づいて温調計及び加湿機を作動して、所定の温度及
び湿度のエアをブロワできるように構成されている。上
記ピンチローラ部(5)は、計量釜の計量に基づいて自動
引き取り速度制御器により設定される速度で成形フィル
ムを引き取るよう構成されている。
【0014】以上のように構成されたインフレーション
成形装置の作動について説明する。予め、ブロワ手段
(4)の制御部(45)において、原料の種類に応じてブロワ
の温度及び湿度を設定し、所定の温度及び湿度のブロワ
を噴出できるようにしておく。例えば原料が低密度ポリ
エチレンの場合、温度は28〜35℃のうちの所定温度、湿
度は40〜65%のうちの所定湿度が選択されることが好ま
しい。次に、原料供給部から供給される熱可塑性樹脂
ペレットはその所定量が計量釜で計量されて加熱シリン
ダに導入され、同シリンダ内で加熱熔融されて送出さ
れ、整流され、アダプタを通じてインフレーションダイ
スから筒状に押し出される。インフレーションダイス
から押出される筒状溶融物は、エアリングから噴出され
る所定の高温でかつ所定の湿度のブロワにより、その周
囲外方から均等に取り巻かれてフィルム状に均質に膨張
された後、その先で空冷されて硬化される。硬化した
フィルム成形物は、さらにその先にあるピンチローラに
よって引き取られながら、幅チューブレギュレータを通
って製品とされる。以上述べたように、上記成形装置で
は、所定の温度及び湿度に設定されたブロワにより全周
が包まれてインフレーションされるため、均質なフィル
ム成形物が得られることとなり、品質を一定とすること
ができる。
【0015】実施例2 図3は、本発明のインフレーション成形装置の他の例の
概略図である。同図の装置は、エアカーテン手段(51)を
設けていること及びブロワ手段(4')が温調機能及び加湿
機能のいずれも有しない従来と同様のものを用いている
こと以外は実施例1におけるものと基本的には同様な構
成であり、従って、同様な部材については実施例1と同
一の番号を付しそれらについての説明は省略する。ここ
でエアカーテン手段(51)の構成について説明する。エア
カーテン手段(51)は、エア噴出リング(52)、エア吸引リ
ング(53)、上記エア噴出リングに接続される図示しない
エア供給部、上記エア吸引リングに接続される図示しな
い吸引部から主として構成されている。エア噴出リング
(52)は、インフレーションダイス(3)の熔融物押出面の
近傍に噴出方向を上方かつやや外向き(図中、点線矢印
参照)にして配設されており、予定する成形物の径より
も大きい径を有するものが用いられている。エア吸引リ
ング(53)は、同図に示すごとく、エア噴出リングよりも
若干径の大きいものが、エア噴出リングと略平行にかつ
エア噴出リングからの噴出エアを効率良く吸引するよう
配設されている。該エア吸引リング(53)は、インフレー
ションダイス(3)からピンチローラ部(5)までの間におい
て、インフレーション成形されるフィルム成形物の硬化
ライン(イ)よりやや上部となるように設定されている。
上記エア噴出リング(52)に接続されている図示しないエ
ア供給部は、実施例1のブロワ手段と同様な構成であ
る。すなわち、エア供給部、温調部、加湿部、ブロワ機
構をこの順に連通して上記エア噴出リングに接続される
流路及び制御部から主として構成されている。そして上
記温調部には温調計及び温度センサが設けられ、加湿部
には加湿機及び湿度センサが設けられている。制御部は
CPUを内蔵し、温度センサ及び湿度センサからの信号
出力に基づいて温調計及び加湿機を作動して、所定の温
度及び湿度のエアをブロワできるように構成されてい
る。またさらに、上記ブロワ機構は、エア噴出リング(5
2)から噴出するエアの風速及び風量を可変に構成されて
おり、上記制御部からCPUを介して予め設定された風
速及び風量でエアを噴出できるものである。
【0016】以上のように構成されたインフレーション
成形装置の作動について説明する。予め、エアカーテ
ン手段(51)の制御部(58)において、原料の種類に応じて
エアの温度及び湿度並びに風速及び風量を設定した後、
エアカーテン手段を作動して所定の温度及び湿度のエア
を所定の風速及び風量で噴出させ、インフレーションダ
イス下部から硬化ライン上部間での間にエアカーテンを
形成する。例えば原料が低密度ポリエチレンの場合、温
度は28〜35℃のうちの所定温度、湿度は40〜65%のうち
の所定湿度が選択されることが好ましい。上記エアカー
テンの形成により、該カーテン内では加熱シリンダ側も
その反対側も同一の温度及び湿度条件が確保される。
次に、原料供給部から供給される熱可塑性樹脂ペレット
はその所定量が計量釜で計量されて加熱シリンダに導入
され、同シリンダ内で加熱熔融されて送出され、整流さ
れ、アダプタを通じてインフレーションダイスから筒状
に押し出される。インフレーションダイスから押出さ
れる筒状溶融物は、形成されたエアカーテンによって外
部環境と遮断された状態の一定の温度及び湿度の空間内
で、上記ダイス出口においてエアリングから噴出される
熱風のブロワにより、その周囲外方から均等に取り巻か
れてフィルム状に均質に膨張され、硬化される。 硬
化したフィルム成形物は、エアカーテンを送り出され、
さらにその先にあるピンチローラによって引き取られな
がら、幅チューブレギュレータを通って製品とされる。
以上述べたように、上記成形装置では、インフレーショ
ンダイス下部から硬化ライン上部までの内部空間が、エ
アカーテンによって一定の温度及び湿度に保持されてお
り、インフレーションダイスによって押し出された筒状
熔融物は、外部からの風等の影響無しに安定した条件で
インフレーション成形されるため、均質なフィルム成形
物が得られることとなり、品質を一定とすることができ
る。またインフレーションされる際に発生する粉塵は、
エアカーテン内で処理することができる。
【0017】実施例3 図4は、本発明のインフレーション成形装置のさらに他
の例の概略図である。同図の装置は、実施例1と同様の
ブロワ手段(4)と実施例2と同様のエアカーテン手段(5
1)を併設したものであり、従って、同装置の構成につい
ての説明は省略する。以上のように構成されたインフレ
ーション成形装置の作動について説明する。予め、エ
アカーテン手段(51)の制御部において、原料の種類に応
じてエアの温度及び湿度並びに風速及び風量を設定した
後、エアカーテン手段を作動して所定の温度及び湿度の
エアを所定の風速及び風量で噴出させ、インフレーショ
ンダイス下部から硬化ライン上部間での間にエアカーテ
ンを形成する。例えば原料が低密度ポリエチレンの場
合、温度は28〜35℃のうちの所定温度、湿度は40〜65%
のうちの所定湿度が選択されることが好ましい。上記エ
アカーテンの形成により、該カーテン内では加熱シリン
ダ側もその反対側も同一の温度及び湿度条件が確保され
る。また、ブロワ手段(4)の制御部(45)において、原料
の種類に応じてブロワの温度及び湿度を設定し、所定の
温度及び湿度のブロワを噴出できるようにしておく。例
えば原料が低密度ポリエチレンの場合、温度は28〜35℃
のうちの所定温度、湿度は40〜65%のうちの所定湿度が
選択されることが好ましい。次に、原料供給部から供
給される熱可塑性樹脂ペレットはその所定量が計量釜で
計量されて加熱シリンダに導入され、同シリンダ内で加
熱熔融されて送出され、整流され、アダプタを通じてイ
ンフレーションダイスから筒状に押し出される。イン
フレーションダイスから押出される筒状溶融物は、形成
されたエアカーテンによって外部環境と遮断された状態
の一定の温度及び湿度の空間内で、上記ダイス出口にお
いてエアリングから噴出される所定の高温でかつ所定の
湿度のブロワにより、その周囲外方から均等に取り巻か
れてフィルム状に均質に膨張された後、さらにエアカー
テンにより保護されて硬化される。硬化したフィルム
成形物は、エアカーテンを送り出され、さらにその先に
あるピンチローラによって引き取られながら、幅チュー
ブレギュレータを通って製品とされる。以上述べたよう
に、上記成形装置では、インフレーションダイス下部か
ら硬化ライン上部までの内部空間が、エアカーテンによ
って一定の温度及び湿度に保持されており、インフレー
ションダイスによって押し出された筒状熔融物は、外部
からの風等の影響無しに安定した条件が確保された上
で、所定の温度及び湿度に設定されたブロワにより全周
が包まれてインフレーションされるため、均質なフィル
ム成形物が得られることとなり、品質をより一層安定に
することができる。またインフレーションされる際に発
生する粉塵は、エアカーテン内で処理することができ
る。
【0018】
【発明の効果】ブロワの温度及び湿度を制御することが
できる。これにより常に一定の湿度を有する高温ブロワ
によってインフレーション成形でき、フィルムの特性で
ある吸湿性によっても、ブロッキング等の現象を避ける
ことができる。エアーカーテンを設定することにより、
工場内の気流によるフィルムの揺れを防ぐことができ
る。また外気温や湿度の変動による影響を遮断すること
ができ、加熱シリンダ等装置に起因する温度不均一を解
消することができ、夏場における冷却効率の低下を防ぐ
ことができる。またさらにフィルム成形時に発生する添
加物等の粉塵を効率良く集塵することができる。以上の
ことから、この発明によれば、フロストラインにおける
温度条件及び湿度条件を外部環境の影響を受けずに一定
とすることができ、フロストラインの変動を来さず、一
定の幅、一定のツヤ、一定の強度、一定の透明度の成形
物を作製することができる。また、この発明によれば、
とりわけ重要なフロストラインを外部環境の変動から独
立させることができ、最小の設備投資で、常に安定した
品質のフィルム成形物を製造することができる。またさ
らに、この発明によれば、フロストラインで発生する粉
塵等を簡便に処理することができ、製品の品質は言うま
でもなく工場全体の環境を著しく向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインフレーション成形装置の一例の概
略図。
【図2】図1の装置のブロワ手段の構成説明図。
【図3】本発明のインフレーション成形装置の他の例の
概略図。
【図4】本発明のインフレーション成形装置のさらに他
の例の概略図。
【符号の説明】
(1)…原料供給部 (2)…加熱シリンダ (3)…インフレ
ーションダイス (4)…ブロワ手段 (5)…ピンチローラ部 (6)…幅チュ
ーブレギュレータ (7)…自動引き取り速度制御器 (8)…操作盤 (9)…成
形フィルム (11)…原料貯留部 (12)…開閉シリンダ (13)…計量釜
(21)…モータ (22)…スクリュ (23)…整流用アミ (24)…アダプタ(4
1)…エア供給部 (42)…温調部 (43)…加湿部 (44)…ブロワ (45)…制
御部 (46)…温調計 (47)…温度センサ (48)…加湿機 (49)…湿度センサ (51)…エアーカーテン手段 (52)…エア噴出リング (5
3)…エア吸引リング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂原料を溶融して送出し、
    これを整流して筒状にダイスから押し出す第1工程と、
    第1工程で得られた筒状溶融物に熱風を噴射してフィル
    ム状に引き伸ばす第2工程と、第2工程で得られるフィ
    ルム状物を引き取る第3工程とからなるインフレーショ
    ン成形方法において、上記第2工程で噴射される熱風の
    温度及び湿度を調節することにより、フィルム周囲の雰
    囲気の温度及び湿度を制御することを特徴とするインフ
    レーション成形方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂原料を溶融して送出し、
    これを整流して筒状にダイスから押し出す第1工程と、
    第1工程で得られた筒状溶融物に熱風を噴射してフィル
    ム状に引き伸ばす第2工程と、第2工程で得られるフイ
    ルム状物を引き取る第3工程とからなるインフレーショ
    ン成形方法において、 上記第2工程で得られるフィルム
    周囲にエアカーテンを形成しこのエアカーテンの温度及
    び湿度を調節することにより、フィルム周囲の雰囲気の
    温度及び湿度を制御することを特徴とするインフレーシ
    ョン成形方法
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂原料を溶融して送出し、
    これを整流して筒状にダイスから押し出す第1工程と、
    第1工程で得られた筒状溶融物に熱風を噴射してフィル
    ム状に引き伸ばす第2工程と、第2工程で得られるフィ
    ルム状物を引き取る第3工程とからなるインフレーショ
    ン成形方法において、 上記第2工程で噴射される熱風の
    温度及び湿度を調節すると共に、該工程で得られるフィ
    ルム周囲にエアカーテンを形成しこのエアカーテンの温
    度及び湿度を調節することにより、フイルム周囲の雰囲
    気の温度及び湿度を制御することを特徴とするインフレ
    ーション成形方法
  4. 【請求項4】 熱可塑性原料を加熱して溶融すると共
    にこれを整流して送出する加熱シリンダ部と、該シリン
    ダ部の下流先端に接続され送出される溶融物を筒状に押
    し出すインフレーションダイスと、該ダイスから押し出
    される筒状溶融物の周囲に開口され、該筒状溶融物に熱
    風を噴射するブロワ手段と、上記ダイスの上方に設けら
    れ熱風によって引き伸ばされたフィルム成形物を引き取
    るピンチローラ部とからなり、上記ブロワ手段が、熱風
    の温調手段及び加湿手段を具備したことを特徴とするイ
    ンフレーション成形装置。
  5. 【請求項5】 ブロワ手段が、温調手段に設けられる
    温度センサ及び加湿手段に設けられる湿度センサからの
    出力に基づいて、熱風の温度及び湿度を予め設定された
    至適範囲に設定すべくこれらの温調手段及び加湿手段に
    作動を指令する制御手段を具備したことを特徴とする請
    求項記載のインフレーション成形装置。
  6. 【請求項6】 熱可塑性原料を加熱して溶融すると共
    にこれを整流して送出する加熱シリンダ部と、該シリン
    ダ部の下流先端に接続され送出される溶融物を筒状に押
    し出すインフレーションダイスと、該ダイスから押し出
    される筒状溶融物の周囲に開口され、該筒状溶融物に熱
    風を噴射するブロワ手段と、上記ダイスの上方に設けら
    れ熱風によって引き伸ばされたフィルム成形物を引き取
    るピンチローラ部とからなり、筒状溶融物押出位置また
    はその近傍の周囲に少なくとも成形されるフィルムより
    も大きい径で設けられるリング状エア噴出部と、フィル
    ム硬化ラインより上方でかつピンチローラ部より下方に
    同様な径で設けられるリング状エア吸引部と、上記リン
    グ状噴出部に供給するエアの温度を調節する温調手段及
    び該エアに加湿する加湿手段とからなるエアカーテン手
    段を具備したことを特徴とするインフレーション成形装
    置。
  7. 【請求項7】 ブロワ手段が、熱風の温調手段及び加
    湿手段を具備したことを特徴とする請求項記載のイン
    フレーション成形装置。
JP3033591A 1991-02-01 1991-02-01 インフレーション成形方法及びその装置 Expired - Lifetime JPH0725132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3033591A JPH0725132B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 インフレーション成形方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3033591A JPH0725132B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 インフレーション成形方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04249132A JPH04249132A (ja) 1992-09-04
JPH0725132B2 true JPH0725132B2 (ja) 1995-03-22

Family

ID=12390746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3033591A Expired - Lifetime JPH0725132B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 インフレーション成形方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0725132B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR0176286B1 (ko) * 1995-06-12 1999-05-15 이종학 농업용 폴리염화비닐 관형 필름의 제조방법
US6610163B1 (en) * 1997-12-17 2003-08-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Enhanced barrier film and laminate and method for producing same
IT201800001787A1 (it) * 2018-01-24 2019-07-24 Selene Spa Metodo e dispositivo per controllare la temperatura di componenti refrigerati di un apparato di estrusione in bolla e apparato comprendente detto dispositivo
JP7393182B2 (ja) * 2019-10-31 2023-12-06 住友重機械工業株式会社 インフレーション成形装置
CN115824770B (zh) * 2022-12-06 2024-06-11 西北工业大学太仓长三角研究院 一种用于测量复合材料性能的试验工装

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「現場マニュアルX延伸加工技術編」総合化学研究所編集丸善(昭和46年11月発行)P.143−146

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04249132A (ja) 1992-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1050795C (zh) 使可结晶的热塑性塑料同时干燥和结晶的方法
EP0508167B1 (en) Air ring and method for controlling blown film thickness
JP2579874B2 (ja) 溶融ストランドを冷却しペレット化するための方法
ITMI20001937A1 (it) Procedimento e dispositivo per comandare e regolare il profilo di spessore nella produzione di film soffiati
JPH0725132B2 (ja) インフレーション成形方法及びその装置
US6273699B1 (en) Device for manufacturing plastic film
CN213137794U (zh) 一种提高薄膜吹胀比的吹膜机
US5928587A (en) Process and apparatus for cooling melt spun filaments during formation of a multi-filament yarn
KR20100013906A (ko) 선형 저밀도 폴리에틸렌 필름 제조장치
US20100219558A1 (en) Melt extruder and process for producing thermoplastic resin film
JP4824003B2 (ja) プラスチックペレット形成装置
JP2000062019A (ja) 延伸フィルムの製造方法および製造装置
KR100984493B1 (ko) 플라스틱 펠릿 형성 장치
CN109571975B (zh) 烤拉绳生产设备以及生产工艺
JPH0575574B2 (ja)
US6254368B1 (en) Plastic molding machine
JPH11300827A (ja) 補助エアーリング、及びそれを用いたインフレーション成形のための厚み精度改良システム
JPH0631804A (ja) インフレーション成形用偏肉調整システム
JP3529396B2 (ja) フッ素樹脂チューブの製造方法
JP4657486B2 (ja) 結晶性樹脂のペレット成形用連続結晶化方法
JPH05338010A (ja) 押出成形機用熱回収システム及びこれを用いたインフ レーション成形システム
JP3626791B2 (ja) シート製造装置
JP2554836Y2 (ja) 電線予熱装置
CN207049663U (zh) 一种led灯带与硅胶一体挤出流水线
JPH08296109A (ja) 合成繊維の溶融紡糸方法