JP3529396B2 - フッ素樹脂チューブの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂チューブの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂チューブの
製造方法に関し、特に細径で薄肉であり、なおかつチュ
ーブのカールや径変動の無い高品質のフッ素樹脂チュー
ブを製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】フッ素樹脂チューブは、電気絶縁性、耐
熱性、耐薬品性、抗血栓性などに極めて優れているた
め、様々な用途での需要が増加してきており、近年、カ
テーテルなどの医療分野や電子機器分野を中心にチュー
ブの細径化が強く望まれている。従来、これらフッ素樹
脂チューブの押出成形による製造は、溶融樹脂をダイか
らチューブ状に押出した後、水槽中を通過させる水冷方
法によって冷却固化して製品化していた。 【0003】しかし、この方法では、チューブが細径・
薄肉の場合、冷却後のチューブが湾曲するカール現象を
起こしてしまうという問題があった。これは、薄肉チュ
ーブでは溶融樹脂がダイから押出される際に偏流が起こ
り易く、その偏りが残留したまま急冷されることが原因
になっている。フッ素樹脂の場合、融点が200℃以上
であるため、たとえ冷却水の温度を100℃近くに上げ
たとしても、100度以上の温度差を急冷することとな
り、水冷法を用いる限りそのようなカール現象は防げな
い。また、冷媒としてシリコーンオイルなどを使用して
加熱し、温度差を小さくすることも考えられるが、特に
医療用途では、そのような不純物の残存は許されず、チ
ューブ洗浄を厳格に行なう必要が生じ、コスト的に見合
わないものとなってしまう。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、細径、薄肉であり、なおかつ肉厚や径のばら
つきのない高品質なフッ素樹脂チューブの製造方法を提
供することにある。 【課題を解決するための手段】かかる課題は、フッ素樹
脂またはフッ素樹脂をベースとする樹脂組成物を溶融押
出してチューブ状に成形するフッ素樹脂チューブの製造
方法において、チューブがダイリップから押し出されて
冷却固化するまでの間にわたって、このチューブを冷却
筒内に通過させて、冷却筒内にあるチューブに外部から
気流、風が当たらないようにし、この冷却筒を温度制御
することで、チューブの表面から2cm以内の範囲の空
間を30〜60℃とすることによって解決できる。 【0005】以下に、本発明のフッ素樹脂チューブの製
造方法を図に従って詳述する。図1は本発明の製造方法
を実施するのに好適な装置の一例を示す図である。図中
符号1は押出機本体であり、この押出機本体1の先端に
はチューブ成形用のダイ2が取り付けられている。この
ダイ2の前方には冷却筒3が設けられている。この冷却
筒3は、円筒形の形状のものであって、その中心軸線が
ダイ2の中央のダイリップと一致するように配置されて
いる。また、この冷却筒3の外周壁には水冷管4が螺旋
状に巻き付けられ設けられている。 【0006】上記押出機本体1は、通常の押出成形に使
用されている装置がそのまま使用できる。また、ダイ2
は、通常用いられているものが使用できるが、耐熱耐食
合金製のものを用いるのが好ましい。また、水冷管4
は、図示しない冷却水供給装置に接続され、所定温度の
冷却水が水冷管4に導かれるようになっている。さら
に、冷却筒3は、押出成形されるフッ素樹脂チューブ5
の外径より少なくとも2cm以上大きな内径を有し、か
つその長さはダイリップから溶融樹脂が変形しない温度
まで冷却固化される点までの距離以上であることが好ま
しい。 【0007】このような装置を使って、本発明の具体的
な製造法を説明する。まず、冷却筒3周囲に取り付けら
れた水冷管4に所定温度の恒温水を循環させ、冷却筒3
内部のフッ素樹脂チューブ5が通過する近傍の温度が
0〜60℃になるように調整する。本発明において、チ
ューブが通過する近傍とは、チューブの表面から少なく
とも2cm以内の範囲を指すこととする。 【0008】次に押出機本体1のホッパに、原料となる
フッ素樹脂を投入し、所定温度に加熱して樹脂を溶融さ
せる。溶融したフッ素樹脂をシリンダ内からダイ2のダ
イリップを通してチューブ状に成形して押出す。押出条
件は、材料となるフッ素樹脂の性質によって異なるが、
一般にフッ素樹脂チューブの押出成形に使用されている
条件を用いる。 【0009】押出された溶融樹脂は、冷却筒3内部の3
0〜60℃の温度に保たれた領域を通過する間に、周囲
の空気に熱を放出することによって徐々に冷却され、冷
却筒3を出る時点では変形を起こさない温度まで冷却・
固化される。この時、冷却筒3内にはその外部から気
流、風が意図的に送り込まれることがなく、内部のチュ
ーブ5に外気が当たることがないようになっている。
却・固化されたフッ素樹脂チューブ5は、引き取りロー
ル6を通して切断装置などに移送され製品化される。 【0010】フッ素樹脂チューブ5の原料となるフッ素
樹脂またはフッ素樹脂をベースとする樹脂混和物は、通
常の押出成形で成形しうるフッ素系樹脂はすべて使用で
き、例としてポリ4フッ化エチレン−パーフルオロビニ
ルエーテル共重合体(PFA)、ポリ4フッ化エチレン
−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ4フッ
化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)などが挙げ
られる。また、これらを2種以上混合したもの、フッ素
樹脂以外の樹脂を混合したものも使用できる。 【0011】このような製造方法によれば、ダイ2から
押出された溶融樹脂は、冷却筒3内部の30〜60℃の
温度に保たれた領域を通過する間に、熱伝導率の低い空
気に徐々に熱を放出しながら、押出時に残った応力の偏
りを緩和しつつ冷却固化する。したがって、カール現象
も見られず、なおかつ成形後の洗浄も必要ない。しか
も、局所的な温度分布によるチューブの外径や内径のば
らつきもなく、冷却固化されるまでの間にチューブに気
流・風などが当たり、偏肉したり、径の変動を生じたり
するという問題も発生しない。 【0012】なお、上記の説明では、ダイニップルから
チューブが冷却固化するまでの間にわたって、チューブ
が通過する近傍の空気の温度を30〜60℃とする手段
としては、外周に螺旋状に形成された水冷管を持つ冷却
筒を使用したが、この冷却筒としては、目的に合致する
ものならば、形状、材質などは特に限定されず、種々の
ものが用いられる。 【0013】例えば、冷却筒自体を二重筒とし、内筒と
外筒の間を水冷部としてもよいし、螺旋状の水冷筒を間
隔があかないように密に巻き、内筒なしで上述の説明と
同様に使用してもよい。さらに、チューブが通過する領
域を取り囲むような形状のセラミック・ヒーターやラバ
ー・ヒーターなどを使用してもよい。いずれの場合も、
冷却固化する前のチューブに気流や塵等が当たらないよ
う、チューブを取り囲んだ形態で設置する。 【0014】また、上記冷却筒の内部に温度検出手段を
設けて、その出力に応じて循環させる水の温度や、ヒー
ターに供給する電力を調整する。また、それら冷却筒
は、ダイ2から押出された溶融樹脂が、気流・風などが
当たらないよう、即座に冷却筒内部に入るように設置さ
れるものであって、押出機に直接固定してもよいし、他
の固定手段を用いて固定してもよい。 【0015】以下に本発明の製造法を、具体例を挙げて
説明する。 (実施例1) 押出機に外径2mmのニップル、内径3mmのチューブ
成形用ダイを取り付けた。外径15cm、内径10c
m、長さ1mの鉄管の周囲に螺旋状に鉄製水冷管を巻い
た冷却筒を用意し、その円筒の中心が、およそ樹脂の
押出方向と一致するように押出機に固定した。冷却筒の
水冷管に15℃の水を循環させて冷却筒内が30℃とな
るよう温度調節した。押出機のホッパにPFAを投入
し、シリンダ温度を360℃、ヘッド温度を380℃と
して加熱溶融させた。50g/min.の速度で溶融樹
脂を押出し、冷却筒内を通して引き取り機に引き取っ
た。成形されたチューブを適当な位置で垂直に切断し、
ルーペで断面からチューブの外径を測定した。同様に、
FEP、ETFEを用いてチューブを成形し、断面から
チューブの外径を測定した。結果を表1に示す。 【0016】 【表1】 【0017】(実施例2)水冷管に流す水の温度を45
℃として冷却筒内が60℃となるよう温度調節した以外
は実施例1と同様の実験を行った。結果を表2に示す。 【0018】 【表2】 【0019】(比較例1)水冷管に流す水の温度を10
℃として冷却筒内が20℃となるよう温度調節した以外
は実施例1と同様の実験を行った。結果を表3に示す。 【0020】 【表3】 【0021】(比較例2)実施例1の装置から冷却筒を
取り外し、温度制御することなしに、その他は実施例1
と同条件でチューブを成形し、切断してチューブ外径を
測定した。結果を表4に示す。 【0022】 【表4】 【0023】以上の結果から明らかなように、いずれの
フッ素樹脂においても、冷却筒の温度を20℃とした場
合には冷却速度が大きすぎ、水中で急冷したものと同様
にチューブがカールしてしまい、冷却筒を設けないもの
は、大きな外径変動を起こしている。それに対して、3
0℃以上の温度に保たれた冷却筒を設けた場合には、チ
ューブがカールすることもなく、外径変動もほとんど無
い。 【0024】 【発明の効果】本発明のフッ素樹脂チューブの製造方法
では、チューブがダイから押出されたあと冷却固化する
までの間に、冷却筒内部の30〜60℃の温度に保たれ
た領域を通過するため、この間に熱伝導率の低い空気に
徐々に熱を放出しながら、押出時に残った応力の偏りを
緩和しつつ冷却固化する。したがって、カール現象も見
られず、なおかつ成形後の洗浄も必要ない。しかも、局
所的な温度分布によるチューブの外径や内径のばらつき
もなく、冷却固化されるまでの間にチューブに気流・風
などが当たり、偏肉したり、径の変動を生じたりすると
いう問題も発生しない。よって、径変動がほとんどない
高品質なチューブを作製することができる。また、通常
の押出成形機をそのまま利用できるため、設備費等のコ
ストもかからない。 【0025】
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の製造方法を実施するのに好適な装置
の一例を側面からみた概略構成図である。 【符号の説明】 1…押出機、2…ダイ、3…冷却筒、4…水冷管、5…
フッ素樹脂チューブ、6…引き取り機

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】フッ素樹脂またはフッ素樹脂をベースとす
    る樹脂組成物を溶融押出してチューブ状に成形するフッ
    素樹脂チューブの製造方法において、 チューブがダイリップから押し出されて冷却固化するま
    での間にわたって、このチューブを冷却筒内に通過させ
    て、冷却筒内にあるチューブに外部から気流、風が当た
    らないようにし、 この冷却筒を温度制御することで、チューブの表面から
    2cm以内の範囲の空間を30〜60℃とすることを特
    徴とするフッ素樹脂チューブの製造方法。
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