JPH07250323A - ブロック歪除去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブロック歪除去フィルタの演算量を削減し、
効果的にブロック歪を除去すること。 【構成】 本発明のブロック歪除去方法は、入力画像を
複数のブロックに分割し、該ブロック単位で符号化した
出力信号を受けて復号し、画像を復元する画像復号化装
置の出力に対し、演算量を削減し、効果的にブロック歪
を除去できるようにするために、ブロック境界画素の値
をｘ₀、その外側の画素の値をｘ₁，ｘ₂とし、非線形関
数をＦ（ｄ）するとき、ブロック境界画素のフィルタ出
力値を次式とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００５】

【産業上の利用分野】本発明は、ブロック歪除去方法に
関し、より詳細には、ブロック単位の処理を基本とする
画像復号化装置を有し、再生画像のブロック歪を除去し
て画質の向上を図るようにしたブロック歪除去方法に関
する。

【０００６】

【従来の技術】テレビ電話等の動画像伝送装置では、回
線容量によって伝送できるビット数に制限があるため、
高能率符号化によって発生情報量の圧縮を行っている。
高能率符号化方式としては、入力画像を複数のブロック
に分割して、このブロック単位で符号化する方式が提案
されている。画像復号化装置では、前記高能率符号化装
置によって発生された符号化信号を復号して再生画像を
得る。一般に、高能率符号化装置の圧縮率が高い場合に
は、この再生画像中にブロック処理によるブロック歪等
の符号化雑音が含まれている。

【０００７】前記ブロック歪を除去する方式として、例
えば、ジー・シー・テクノロジー（社）のＸ64510のデ
ータ・シート（1993. 11. 30）に記載のブロック歪除去
方式がある。この方式は、ブロック境界画素に対してフ
ィルタリングを行って符号化歪を除去するものである。
すなわち、Ｘ64510は、国際標準規格ＩＴＵ−Ｔ Ｈ.261
で規定された再生画像に含まれるブロック歪およびモス
キート・ノイズを２種類の非線形フィルタにより除去す
るもので、両フィルタのパラメータは、外部設定するこ
とができ、さらに、ブロック歪除去用のフィルタは水
平，垂直方向独立にオン／オフの設定ができ、より効果
的な画質改善が達成できるものである。また、ブロック
歪除去フィルタは、ブロック境界画素に対して３画素入
力の独自な非線形処理を行い、効果的にブロック歪を除
去するものである。

【０００８】図２は、従来のブロック歪除去方法を説明
するための図で、図中、１１はブロック境界、１２はブ
ロック、ｘ₀はブロック境界画素、ｘ₁は外側の画素、ｘ
₂は内側の画素である。図２に示すように、入力のブロ
ック境界画素，外側の画素，内側の画素の値をそれぞれ
ｘ₀，ｘ₁，ｘ₂とするとき、フィルタ出力値ｘ₀′は以下
の式（１）で表される。

【０００９】

【数３】

【００１０】なお、ブロック角にあたる画素は、Ｘ軸方
向とＹ軸方向の両処理を受ける。したがって、ブロック
境界画素のうち、ブロック角以外の画素は、３画素の演
算によってフィルタ出力が得られ、ブロック角の画素は
６画素の演算によってフィルタ出力が得られる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】従来のブロック歪除去
方法は、ブロック境界画素のうちブロック角以外の画素
は３画素の演算を必要とし、ブロック角の画素は６画素
の演算を必要とするなど、多くの演算を必要とする。こ
のように、従来例によれば、復号化装置において高い演
算処理能力をもつブロック歪除去回路が必要となる欠点
があった。

【００１２】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、ブロック歪除去フィルタの演算量を削減し、
効果的にブロック歪を除去できるようにしたブロック歪
除去方法を提供することを目的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、（１）画像符号化装置においては、入力
画像を複数のブロックに分割して前記ブロック単位で符
号化した信号を出力し、該出力信号を受けて復号し、画
像を復元する画像復号化装置においては、ブロック境界
画素の値をｘ₀、その外側の画素の値をｘ₁，ｘ₂とし、
非線形関数をＦ（ｄ）するとき、ブロック境界画素のフ
ィルタ出力値ｘ₀′が、

【００１４】

【数４】

【００１５】の関係を有すること、更には、（２）非線
形関数Ｆ（ｄ）が、

【００１６】

【数５】

【００１７】の関係を有することを特徴とするものであ
る。

【００１８】

【作用】本発明のブロック歪除去方法は、入力画像を複
数のブロックに分割し、該ブロック単位で符号化した出
力信号を受けて復号し、画像を復元する画像復号化装置
の出力に対し、演算量を削減し、効果的にブロック歪を
除去できるようにするために、ブロック境界画素の値を
ｘ₀、その外側の画素の値をｘ₁，ｘ₂とし、非線形関数
をＦ（ｄ）するとき、ブロック境界画素のフィルタ出力
値を次式とし、

【００１９】

【数６】

【００２０】さらに、上式において非線形関数Ｆ（ｄ）
を次式とするものである。

【００２１】

【数７】

【００２２】このような前記式を用いることにより、ブ
ロック境界画素に付してブロック歪の除去を行うに際
し、ブロック角以外、ブロック角の画素において、各々
２画素，３画素の演算によるフィルタ出力が得られ、演
算量を削減することができる。

【００２３】

【実施例】実施例について、図面を参照して以下に説明
する。図１（ａ）,（ｂ）は、本発明によるブロック歪
除去方法の一実施例を説明するための説明図で、図
（ａ）はブロック角以外、図（ｂ）はブロック角を示す
図である。図中、１はブロック境界、２はブロック、ｘ
₀はブロック境界画素、ｘ₁,x₂は外側の画素である。

【００２４】本発明では、ブロック境界画素のうち、ブ
ロック角以外の画素では、図１（ａ）に示すように、ブ
ロック境界画素の値ｘ₀、外側の画素の値ｘ₁の演算によ
ってフィルタ出力値ｘ₀′を求め、ブロック角の画素で
は、図１（ｂ）に示すように、ブロック境界画素の値ｘ
₀、外側の画素の値ｘ₁，ｘ₂の演算によってフィルタ出
力値ｘ₀′を求める。フィルタ出力値ｘ₀′をブロック境
界画素ｘ₀および外側の画素ｘ₁，ｘ₂の線形処理によっ
て得るには、式（２）とすればよい。

【００２５】

【数８】

【００２６】式（２）の右辺を変形すると以下の式
（３）となる。

【００２７】

【数９】

【００２８】ブロック境界の画像が平坦な場合には、前
記式（３）のようにフィルタを線形処理としても画質を
劣化することなく効果的にブロック歪を除去することが
できるが、ブロック境界の画像が高周波数成分をもち、
平坦でない場合には、式（３）のように線形処理とする
と過補償となり、高周波成分が失われ、画質が劣化して
しまう。前記過補償を回避するためには、式（３）のｄ
に対して非線形処理を行うことが必要である。したがっ
て、ブロック歪除去フィルタの特性方程式は以下の式
（４）となる。

【００２９】

【数１０】

【００３０】このようにして、ブロック境界画素に対
し、ブロック歪除去を行うことによって、ブロック角以
外の画素では、２画素の演算によってフィルタ出力を得
ることができ、ブロック角の画素においても３画素の演
算によってフィルタ出力を得ることができる。前記式
（４）においては、非線形関数としてＦ（ｄ）＝Ｑ・ｄ
／(Ｑ＋|ｄ|)を採用したが、本発明は、この関数に限定
されるものではない、例えば、Ｆ（ｄ）はｄの１／２乗
等の非線形関数であってもよい。さらに、これら非線形
関数を折線近似したものであってもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、ブロック境界画素に対し、ブロック歪除去を
行うにあたり、ブロック角以外、ブロック角の画素にお
いて、それぞれ２画素，３画素の演算によってフィルタ
出力が得られ、演算量を削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるブロック歪除去方法の一実施例を
説明するための図である。

【図２】従来のブロック歪除去方法を説明するための図
である。

【符号の説明】

１…ブロック境界、２…ブロック、ｘ₀…ブロック境界
画素、ｘ₁，ｘ₂…外側の画素。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０３Ｍ 7/30 Ｚ 8842−5Ｊ Ｈ０４Ｎ 1/41 Ｂ 1/415 Ｇ０６Ｆ 15/68 ４１０

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像符号化装置においては、入力画像を
   複数のブロックに分割して前記ブロック単位で符号化し
   た信号を出力し、該出力信号を受けて復号し、画像を復
   元する画像復号化装置においては、ブロック境界画素の
   値をｘ₀、その外側の画素の値をｘ₁，ｘ₂とし、非線形
   関数をＦ（ｄ）するとき、ブロック境界画素のフィルタ
   出力値ｘ₀′が、 【０００１】 【数１】 【０００２】の関係を有することを特徴とするブロック
   歪除去方法。
2. 【請求項２】 非線形関数Ｆ（ｄ）が、 【０００３】 【数２】 【０００４】の関係を有することを特徴とする請求項１
   記載のブロック歪除去方法。