JPH07250109A - Fsk通信における信号分別方式 - Google Patents
Fsk通信における信号分別方式Info
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- JPH07250109A JPH07250109A JP6465194A JP6465194A JPH07250109A JP H07250109 A JPH07250109 A JP H07250109A JP 6465194 A JP6465194 A JP 6465194A JP 6465194 A JP6465194 A JP 6465194A JP H07250109 A JPH07250109 A JP H07250109A
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- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 商用電力線や電話線を利用して通信を行う場
合にも雑音の影響を受けにくく、また、簡単な処理で信
号の識別が可能となるFSK通信における信号分別方式
を提供する。 【構成】 二つの搬送波の周波数をFHz及び2FHzと
し、それぞれを二値信号に対応させる。受信側では、入
来した搬送波をディジタルデータに変換した後、F分の
1秒間の絶対値をとってこれを積分した値Aと、同じF
分の1秒間の前半の2F分の1秒間と後半の2F分の1
秒間の信号を加算し、この絶対値をとって積分した値B
を求め、これをX=A−2×Bという演算式に代入して
Xを求める。Xの値は、搬送波の有無及び搬送波の周波
数によって異なる値をとるので、これから搬送波の有無
及び入来する搬送波の周波数を正確かつ容易に識別でき
る。
合にも雑音の影響を受けにくく、また、簡単な処理で信
号の識別が可能となるFSK通信における信号分別方式
を提供する。 【構成】 二つの搬送波の周波数をFHz及び2FHzと
し、それぞれを二値信号に対応させる。受信側では、入
来した搬送波をディジタルデータに変換した後、F分の
1秒間の絶対値をとってこれを積分した値Aと、同じF
分の1秒間の前半の2F分の1秒間と後半の2F分の1
秒間の信号を加算し、この絶対値をとって積分した値B
を求め、これをX=A−2×Bという演算式に代入して
Xを求める。Xの値は、搬送波の有無及び搬送波の周波
数によって異なる値をとるので、これから搬送波の有無
及び入来する搬送波の周波数を正確かつ容易に識別でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば家庭用商用電源
などの電力線やその他のシリアル配線を介して通信を行
うFSK通信における信号分別方式に関するものであ
る。
などの電力線やその他のシリアル配線を介して通信を行
うFSK通信における信号分別方式に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周波数変調方式の一つであるFSK(fr
equency-sift keying )通信方式は、シリアル通信の代
表的なものである電話回線モデムなどで広く使用されて
いる。ヨーロッパ、アメリカ等で標準規格となっている
国際無線通信諮問委員会(CCITT)のVシリーズ勧
告においては、電話回線モデムの規格としてV.21で
は1080Hzと1750Hzという二つの周波数を、また
V.23では1500Hzと1700Hzという二つの周波
数を搬送波として用いる旨の勧告がなされている。そし
て、従来は、これらの信号についてゼロクロス間の時間
を計測していずれの周波数であるかを判別したり、又は
それぞれの周波数だけを通過するフィルタを用意してお
いて、いずれのフィルタから信号が得られるかを検出し
て周波数を判別する、といった方法が採られている。
equency-sift keying )通信方式は、シリアル通信の代
表的なものである電話回線モデムなどで広く使用されて
いる。ヨーロッパ、アメリカ等で標準規格となっている
国際無線通信諮問委員会(CCITT)のVシリーズ勧
告においては、電話回線モデムの規格としてV.21で
は1080Hzと1750Hzという二つの周波数を、また
V.23では1500Hzと1700Hzという二つの周波
数を搬送波として用いる旨の勧告がなされている。そし
て、従来は、これらの信号についてゼロクロス間の時間
を計測していずれの周波数であるかを判別したり、又は
それぞれの周波数だけを通過するフィルタを用意してお
いて、いずれのフィルタから信号が得られるかを検出し
て周波数を判別する、といった方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記二つの
勧告の例では、いずれも比較的近い周波数を有する二つ
の搬送波を用いている。二つの搬送波の周波数が上記の
ように近いと、例えば信号を取り出すためのフィルタを
一つだけ設ければ済むという利点が考えられる反面、商
用電力線や電話線を利用した有線通信を行う場合には、
電力線又は電話線上の雑音の影響を受け易く、信号の判
別を誤る可能性が高まるという問題がある。
勧告の例では、いずれも比較的近い周波数を有する二つ
の搬送波を用いている。二つの搬送波の周波数が上記の
ように近いと、例えば信号を取り出すためのフィルタを
一つだけ設ければ済むという利点が考えられる反面、商
用電力線や電話線を利用した有線通信を行う場合には、
電力線又は電話線上の雑音の影響を受け易く、信号の判
別を誤る可能性が高まるという問題がある。
【0004】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、商用電力線や電話線を利用して通信を行う場合
にも雑音の影響を受けにくく、また、簡単な処理で信号
の識別が可能となるFSK通信における信号分別方式を
提供することを目的とするものである。
であり、商用電力線や電話線を利用して通信を行う場合
にも雑音の影響を受けにくく、また、簡単な処理で信号
の識別が可能となるFSK通信における信号分別方式を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの請求項1記載の発明は、周波数が異なる二つの搬送
波を二値信号のそれぞれの値に対応させて通信を行うF
SK通信における信号分別方式において、送信側で、第
一の搬送波の周波数をFHz、第二の搬送波の周波数を2
FHzとして二値信号のそれぞれの値に対応させて送信す
るとともに、受信側でディジタルデータに変換した後、
F分の1秒間の信号レベルにつき絶対値をとった値をF
分の1秒間にわたり積分した値Aと、前記F分の1秒間
の信号のうち前半の2F分の1秒間の信号レベルと後半
の2F分の1秒間の信号レベルを加算してその絶対値を
とった値を2F分の1秒間にわたり積分した値Bとを求
め、前記A及びBの値を演算式 X = A − (2 × B) に代入して得た結果から、搬送波の有無及び搬送波の種
類を識別することを特徴とするものである。
めの請求項1記載の発明は、周波数が異なる二つの搬送
波を二値信号のそれぞれの値に対応させて通信を行うF
SK通信における信号分別方式において、送信側で、第
一の搬送波の周波数をFHz、第二の搬送波の周波数を2
FHzとして二値信号のそれぞれの値に対応させて送信す
るとともに、受信側でディジタルデータに変換した後、
F分の1秒間の信号レベルにつき絶対値をとった値をF
分の1秒間にわたり積分した値Aと、前記F分の1秒間
の信号のうち前半の2F分の1秒間の信号レベルと後半
の2F分の1秒間の信号レベルを加算してその絶対値を
とった値を2F分の1秒間にわたり積分した値Bとを求
め、前記A及びBの値を演算式 X = A − (2 × B) に代入して得た結果から、搬送波の有無及び搬送波の種
類を識別することを特徴とするものである。
【0006】前記の課題を解決するための請求項2記載
の発明は、請求項1記載の発明において、前記通信線が
商用電力線であることを特徴とするものである。
の発明は、請求項1記載の発明において、前記通信線が
商用電力線であることを特徴とするものである。
【0007】前記の課題を解決するための請求項3記載
の発明は、請求項1記載の発明において、前記通信線が
電話線であることを特徴とするものである。
の発明は、請求項1記載の発明において、前記通信線が
電話線であることを特徴とするものである。
【0008】前記の課題を解決するための請求項4記載
の発明は、請求項1、2又は3記載の発明において、前
記第一の搬送波の周波数Fは4.8KHzであり、前記第
二の搬送波の周波数2Fは9.6KHzであることを特徴
とするものである。
の発明は、請求項1、2又は3記載の発明において、前
記第一の搬送波の周波数Fは4.8KHzであり、前記第
二の搬送波の周波数2Fは9.6KHzであることを特徴
とするものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成により、第一
の搬送波の周波数をF、第二の搬送波の周波数をこの2
倍の2Fとすることにより、従来の方式に比べて二つの
搬送波の周波数差が大きくなり、したがって電力線を介
して行う有線通信の場合であっても、雑音の影響を受け
にくく、信号を識別する際の誤りが少なくなる。また、
受信側において入来した搬送波信号をディジタルデータ
に変換するので、加算や積分などの必要な処理がソフト
ウェア的に容易に実行できる。更に、二つの搬送波の周
波数差を2倍とし、かつ上記の処理を行うことにより、
この処理によって得られた値A及びBを前記の演算式に
代入して得られる値Xは、入来した搬送波が第一の搬送
波である場合はほぼ+A、第二の搬送波である場合はほ
ぼ−A、いずれの搬送波も入来していない場合はほぼゼ
ロとなり、信号の有無及び入来した信号の周波数によっ
て明確に区別できる三つの値のいずれかとなる。したが
ってこのXの値から、搬送波の有無及び入来した搬送波
の種類を容易かつ正確に分別することが可能となる。
の搬送波の周波数をF、第二の搬送波の周波数をこの2
倍の2Fとすることにより、従来の方式に比べて二つの
搬送波の周波数差が大きくなり、したがって電力線を介
して行う有線通信の場合であっても、雑音の影響を受け
にくく、信号を識別する際の誤りが少なくなる。また、
受信側において入来した搬送波信号をディジタルデータ
に変換するので、加算や積分などの必要な処理がソフト
ウェア的に容易に実行できる。更に、二つの搬送波の周
波数差を2倍とし、かつ上記の処理を行うことにより、
この処理によって得られた値A及びBを前記の演算式に
代入して得られる値Xは、入来した搬送波が第一の搬送
波である場合はほぼ+A、第二の搬送波である場合はほ
ぼ−A、いずれの搬送波も入来していない場合はほぼゼ
ロとなり、信号の有無及び入来した信号の周波数によっ
て明確に区別できる三つの値のいずれかとなる。したが
ってこのXの値から、搬送波の有無及び入来した搬送波
の種類を容易かつ正確に分別することが可能となる。
【0010】請求項2記載の発明は前記の構成により、
商用電力線は一般家庭の各部屋に広く配線されているの
で、これを通信のための通信線とすることにより、例え
ば離れた部屋の間で必要な情報の授受などが可能とな
る。
商用電力線は一般家庭の各部屋に広く配線されているの
で、これを通信のための通信線とすることにより、例え
ば離れた部屋の間で必要な情報の授受などが可能とな
る。
【0011】請求項3記載の発明は前記の構成により、
電話線は広く普及しているので、ほとんどの家庭で通信
に利用することができ、これを介して例えば離れた部屋
や異なる家屋との間で情報の授受などが可能となる。
電話線は広く普及しているので、ほとんどの家庭で通信
に利用することができ、これを介して例えば離れた部屋
や異なる家屋との間で情報の授受などが可能となる。
【0012】請求項4記載の発明は前記の構成により、
第二の搬送波の周波数9.6KHzは第一の搬送波の周波
数4.8KHzの二倍となっているので、二つの搬送波の
周波数差は従来の方式よりも大きくなり、したがって電
力線を介して行う有線通信の場合であっても、雑音の影
響を受けにくい。また、上記の必要な処理を行い、さら
に所定の演算式に代入することにより、いずれの搬送波
であるかを正確かつ容易に識別することが可能となる。
第二の搬送波の周波数9.6KHzは第一の搬送波の周波
数4.8KHzの二倍となっているので、二つの搬送波の
周波数差は従来の方式よりも大きくなり、したがって電
力線を介して行う有線通信の場合であっても、雑音の影
響を受けにくい。また、上記の必要な処理を行い、さら
に所定の演算式に代入することにより、いずれの搬送波
であるかを正確かつ容易に識別することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は本発明の一実施例のFSK通信に
おける信号分別方式を実行する回路のブロック図、図2
及び図3はFSK通信の搬送波に対して行う処理及び搬
送波の識別を説明するための波形図である。
いて説明する。図1は本発明の一実施例のFSK通信に
おける信号分別方式を実行する回路のブロック図、図2
及び図3はFSK通信の搬送波に対して行う処理及び搬
送波の識別を説明するための波形図である。
【0014】図1において、送信機能及び受信機能を備
えた通信機10は、普通のAC100ボルトの商用電力
線12に接続され、この商用電力線12を通信線として
異なる場所に設置された別の通信機10との間で相互に
情報の授受を行う。各通信機10は、送信の際に必要と
なる変調部20及び信号注入部22、受信の際に必要と
なる受信フィルタ24及びA/D変換部26、そして送
信信号の生成及び受信信号の処理等を行う制御部28か
らなる。制御部28は、例えば中央処理装置(CPU)
などから構成し、この中のメモリに信号処理に必要なプ
ログラムが書き込まれる。
えた通信機10は、普通のAC100ボルトの商用電力
線12に接続され、この商用電力線12を通信線として
異なる場所に設置された別の通信機10との間で相互に
情報の授受を行う。各通信機10は、送信の際に必要と
なる変調部20及び信号注入部22、受信の際に必要と
なる受信フィルタ24及びA/D変換部26、そして送
信信号の生成及び受信信号の処理等を行う制御部28か
らなる。制御部28は、例えば中央処理装置(CPU)
などから構成し、この中のメモリに信号処理に必要なプ
ログラムが書き込まれる。
【0015】図1の変調部20は、制御部28から供給
される二値信号に基づいて、例えば二つの発振器から出
力される正弦波を切り換えて搬送波とする、いわゆるF
SK変調を行う。本実施例では、二つの発振器からの搬
送波の周波数を4.8KHz(FHz)及び9.6KHz(2
FHz)とし、4.8KHzをディジタル値の1(又は
0)、9.6KHzをディジタル値の0(又は1)に対応
させる。このように、FSK変調する際の二つの搬送波
の周波数の比を1:2とし、従来の方式に比べて周波数
差を大きくとったことにより、商用電力線上に雑音が生
じてもその影響を受けにくく、受信側で信号の正確な分
別が可能となる。
される二値信号に基づいて、例えば二つの発振器から出
力される正弦波を切り換えて搬送波とする、いわゆるF
SK変調を行う。本実施例では、二つの発振器からの搬
送波の周波数を4.8KHz(FHz)及び9.6KHz(2
FHz)とし、4.8KHzをディジタル値の1(又は
0)、9.6KHzをディジタル値の0(又は1)に対応
させる。このように、FSK変調する際の二つの搬送波
の周波数の比を1:2とし、従来の方式に比べて周波数
差を大きくとったことにより、商用電力線上に雑音が生
じてもその影響を受けにくく、受信側で信号の正確な分
別が可能となる。
【0016】信号注入部22は、送信の際に、変調部2
0でFSK変調された信号を、商用電力線12上の50
Hz又は60HzのAC100ボルトの交流に重畳して送出
するためのもので、商用電力線12から50Hz又は60
Hzの信号が逆流しないよう、コンデンサによるカップリ
ングがなされている。受信フィルタ24は、受信の際
に、商用電力線12から100Vの交流を除去して信号
分だけを取り出す役割を果たす。取り出された信号は、
A/D変換部26によってディジタルデータに変換さ
れ、制御部28へ送られる。
0でFSK変調された信号を、商用電力線12上の50
Hz又は60HzのAC100ボルトの交流に重畳して送出
するためのもので、商用電力線12から50Hz又は60
Hzの信号が逆流しないよう、コンデンサによるカップリ
ングがなされている。受信フィルタ24は、受信の際
に、商用電力線12から100Vの交流を除去して信号
分だけを取り出す役割を果たす。取り出された信号は、
A/D変換部26によってディジタルデータに変換さ
れ、制御部28へ送られる。
【0017】次に、図2及び図3を参照して本実施例の
方式による信号処理及び信号識別の具体的方法を説明す
る。尚、実際の信号処理や演算は、ディジタル値に対す
る数値演算であるが、以下では直観的に理解し易いよう
に、図2及び図3のような波形図を用いて信号処理の様
子を説明する。また、信号処理を行う前の段階では搬送
波がいずれの周波数であるかは不明であり、入来した信
号に対しては同一の処理が行われるが、図2(a)〜
(e)には搬送波が4.8KHz(FHz)の場合に、また
図3(a)〜(e)には搬送波が9.6KHz(2FHz)
の場合に信号がどのように変化するかをそれぞれ別々に
示す。
方式による信号処理及び信号識別の具体的方法を説明す
る。尚、実際の信号処理や演算は、ディジタル値に対す
る数値演算であるが、以下では直観的に理解し易いよう
に、図2及び図3のような波形図を用いて信号処理の様
子を説明する。また、信号処理を行う前の段階では搬送
波がいずれの周波数であるかは不明であり、入来した信
号に対しては同一の処理が行われるが、図2(a)〜
(e)には搬送波が4.8KHz(FHz)の場合に、また
図3(a)〜(e)には搬送波が9.6KHz(2FHz)
の場合に信号がどのように変化するかをそれぞれ別々に
示す。
【0018】図2(a)及び図3(a)は、それぞれ周
波数FHz及び2FHzの信号が図1のA/D変換部26に
おいてディジタル値に変換された信号と考える。まずこ
れらの信号に対して、図2(b)及び図3(b)に示す
ようにF分の1秒間の周期で基本波形の絶対値をとる。
そしてF分の1秒の期間にわたって積分し、図2(b)
及び図3(b)の斜線部の面積に対応する値を求める。
ここで図2(b)の斜線部の面積に対応する積分値をA
1 、図3(b)の面積に対応する積分値をA2とする。
この場合、二つの搬送波の振幅が等しければA1 とA2
の値は等しく、いずれもゼロでないある大きさを有す
る。尚、上記の処理を行った段階では、まだこの値がA
1 であるかA2 であるかは不明であり、以下では、単に
「A」と記載した場合はA1 とA2 のうちいずれか一方
又は両方を表すものとする。
波数FHz及び2FHzの信号が図1のA/D変換部26に
おいてディジタル値に変換された信号と考える。まずこ
れらの信号に対して、図2(b)及び図3(b)に示す
ようにF分の1秒間の周期で基本波形の絶対値をとる。
そしてF分の1秒の期間にわたって積分し、図2(b)
及び図3(b)の斜線部の面積に対応する値を求める。
ここで図2(b)の斜線部の面積に対応する積分値をA
1 、図3(b)の面積に対応する積分値をA2とする。
この場合、二つの搬送波の振幅が等しければA1 とA2
の値は等しく、いずれもゼロでないある大きさを有す
る。尚、上記の処理を行った段階では、まだこの値がA
1 であるかA2 であるかは不明であり、以下では、単に
「A」と記載した場合はA1 とA2 のうちいずれか一方
又は両方を表すものとする。
【0019】一方、上記と同じ図2(a)及び図3
(a)の信号に対し、F分の1秒間の信号のうち前半の
2F分の1秒間の信号と後半の2F分の1秒間の信号と
を加算して、それぞれ図2(c)及び図3(c)に示す
信号を得る。かかる演算を行うと、周波数FHzの搬送波
の場合には、図2(c)に示すように前半の半周期と後
半の半周期が互いに打ち消し合ってほぼゼロとなる。こ
れに対し、周波数2FHzの搬送波の場合には、図3
(c)に示すように2周期分の信号が対応する位相にお
いて重ね合わされるので、相互に強め合う。そして図2
(d)及び図3(d)に示すように、これらの信号の絶
対値をとったあとで積分して、図2(d)及び図3
(d)の斜線部の面積に対応する値を求める。ここで図
2(d)の面積に対応する積分値をB1 、図3(d)の
面積に対応する積分値をB2 とする。この場合、B1 の
値はほぼゼロとなり、B2 の値はゼロでないある大きさ
を有する。尚、上記の処理を行った段階では、まだこの
値がB1 であるかB2 であるかは不明であり、以下で
は、単に「B」と記載した場合はB1 とB2 のうちいず
れか一方又は両方を表すものとする。
(a)の信号に対し、F分の1秒間の信号のうち前半の
2F分の1秒間の信号と後半の2F分の1秒間の信号と
を加算して、それぞれ図2(c)及び図3(c)に示す
信号を得る。かかる演算を行うと、周波数FHzの搬送波
の場合には、図2(c)に示すように前半の半周期と後
半の半周期が互いに打ち消し合ってほぼゼロとなる。こ
れに対し、周波数2FHzの搬送波の場合には、図3
(c)に示すように2周期分の信号が対応する位相にお
いて重ね合わされるので、相互に強め合う。そして図2
(d)及び図3(d)に示すように、これらの信号の絶
対値をとったあとで積分して、図2(d)及び図3
(d)の斜線部の面積に対応する値を求める。ここで図
2(d)の面積に対応する積分値をB1 、図3(d)の
面積に対応する積分値をB2 とする。この場合、B1 の
値はほぼゼロとなり、B2 の値はゼロでないある大きさ
を有する。尚、上記の処理を行った段階では、まだこの
値がB1 であるかB2 であるかは不明であり、以下で
は、単に「B」と記載した場合はB1 とB2 のうちいず
れか一方又は両方を表すものとする。
【0020】次に、上記のようにして得られた値A及び
Bをそれぞれ X = A − (2 × B) (1) に代入して、Xを求める演算を行う。このとき、入来し
た信号が4.8KHzの搬送波だとすると、図2(b)及
び(d)から明らかなように、上記A1 の値はある大き
さを持つが、B1 はゼロとなる。したがって(1)式に
代入して得られるXの値は+A1 となる。これに対し、
入来した信号が9.6KHzの搬送波だとすると、図3
(b)及び(d)から明らかなように、A2 とB2 の値
はほぼ等しくなり、(1)式に代入して得られるXの値
は−A2 となる。更に、いずれの搬送波も入来していな
い場合は、上記A1 、A2 、B1 、B2 の値はいずれも
ゼロとなるので、(1)式から得られるXの値もゼロと
なる。したがって、(1)式より得られるXの値を検出
することにより、搬送波の有無及び入来した搬送波の波
数が4.8KHzであるか9.6KHzであるかを分別でき
る。
Bをそれぞれ X = A − (2 × B) (1) に代入して、Xを求める演算を行う。このとき、入来し
た信号が4.8KHzの搬送波だとすると、図2(b)及
び(d)から明らかなように、上記A1 の値はある大き
さを持つが、B1 はゼロとなる。したがって(1)式に
代入して得られるXの値は+A1 となる。これに対し、
入来した信号が9.6KHzの搬送波だとすると、図3
(b)及び(d)から明らかなように、A2 とB2 の値
はほぼ等しくなり、(1)式に代入して得られるXの値
は−A2 となる。更に、いずれの搬送波も入来していな
い場合は、上記A1 、A2 、B1 、B2 の値はいずれも
ゼロとなるので、(1)式から得られるXの値もゼロと
なる。したがって、(1)式より得られるXの値を検出
することにより、搬送波の有無及び入来した搬送波の波
数が4.8KHzであるか9.6KHzであるかを分別でき
る。
【0021】尚、図2及び図3では、分かり易くするた
めに、ゼロクロスの位置を基準点としてF分の1秒又は
2F分の1秒の期間を考えたが、これ以外の任意の位置
を基準とした場合であっても上記の議論はそのまま適用
され、特定の位相に依存することなく信号処理及び信号
分別が可能となる。また、上記(1)式で得られるXの
値である+A、−A、ゼロは、いずれも理論上の値であ
って、実際には雑音の混入やその他の原因で若干のずれ
が生じる。したがって、予め適当な閾値を設定してお
き、Xの値が正のある閾値以上であれば+Aと判断し、
Xの値が負のある閾値以下であれば−Aと判断し、ま
た、Xの絶対値がある閾値以下である場合にはゼロと判
断するようなソフトウェアを用意しておくことが望まし
い。
めに、ゼロクロスの位置を基準点としてF分の1秒又は
2F分の1秒の期間を考えたが、これ以外の任意の位置
を基準とした場合であっても上記の議論はそのまま適用
され、特定の位相に依存することなく信号処理及び信号
分別が可能となる。また、上記(1)式で得られるXの
値である+A、−A、ゼロは、いずれも理論上の値であ
って、実際には雑音の混入やその他の原因で若干のずれ
が生じる。したがって、予め適当な閾値を設定してお
き、Xの値が正のある閾値以上であれば+Aと判断し、
Xの値が負のある閾値以下であれば−Aと判断し、ま
た、Xの絶対値がある閾値以下である場合にはゼロと判
断するようなソフトウェアを用意しておくことが望まし
い。
【0022】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例
えば、上記実施例では通信を行うための通信線として商
用電力線を用いたが、この他にも例えば電話線などを通
信線とする通信にも本発明を適用できる。また、搬送波
の周波数についても、一方の搬送波の周波数が他方の搬
送波の周波数の二倍であればよく、上記実施例の4.8
KHz及び9.6KHzには限定されることはない。
なく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例
えば、上記実施例では通信を行うための通信線として商
用電力線を用いたが、この他にも例えば電話線などを通
信線とする通信にも本発明を適用できる。また、搬送波
の周波数についても、一方の搬送波の周波数が他方の搬
送波の周波数の二倍であればよく、上記実施例の4.8
KHz及び9.6KHzには限定されることはない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
方の搬送波の周波数が他方の搬送波の周波数の2倍とな
る二つの搬送波を用いてFSK変調を行うことにより、
二つの搬送波の周波数差を大きくとることができるの
で、通信線として商用電力線や電話線などを用いた場合
でも、雑音の影響を受けにくく、受信側で正確な信号の
分別が可能となり、更に、搬送波の周波数を2倍とし、
またディジタルデータに変換した後に適当な信号処理及
び演算を行うことにより、搬送波の有無及び入来する搬
送波の種類を明確に識別でき、誤りの少ないFSK通信
における信号分別方式を提供することができる。
方の搬送波の周波数が他方の搬送波の周波数の2倍とな
る二つの搬送波を用いてFSK変調を行うことにより、
二つの搬送波の周波数差を大きくとることができるの
で、通信線として商用電力線や電話線などを用いた場合
でも、雑音の影響を受けにくく、受信側で正確な信号の
分別が可能となり、更に、搬送波の周波数を2倍とし、
またディジタルデータに変換した後に適当な信号処理及
び演算を行うことにより、搬送波の有無及び入来する搬
送波の種類を明確に識別でき、誤りの少ないFSK通信
における信号分別方式を提供することができる。
【図1】本発明の一実施例であるFSK通信における信
号分別方式を実行する通信機のブロック図である。
号分別方式を実行する通信機のブロック図である。
【図2】4.8KHzの搬送波に対して所定の信号処理を
行った場合の処理の経過を示す波形図である。
行った場合の処理の経過を示す波形図である。
【図3】9.6KHzの搬送波に対して所定の信号処理を
行った場合の処理の経過を示す波形図である。
行った場合の処理の経過を示す波形図である。
10 通信機 12 商用電力線 20 変調部 22 信号注入部 24 受信フィルタ 26 A/D変換部 28 制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 27/14
Claims (4)
- 【請求項1】 周波数が異なる二つの搬送波を二値信号
のそれぞれの値に対応させて通信線を介して通信を行う
FSK通信における信号分別方式において、 送信側で、第一の搬送波の周波数をFHz、第二の搬送波
の周波数を2FHzとして二値信号のそれぞれの値に対応
させて送信するとともに、受信側でディジタルデータに
変換した後、F分の1秒間の信号レベルにつき絶対値を
とった値をF分の1秒間にわたり積分した値Aと、前記
F分の1秒間の信号のうち前半の2F分の1秒間の信号
レベルと後半の2F分の1秒間の信号レベルを加算して
その絶対値をとった値を2F分の1秒間にわたり積分し
た値Bとを求め、前記A及びBの値を演算式 X = A − (2 × B) に代入して得た結果から、搬送波の有無及び搬送波の種
類を識別することを特徴とするFSK通信における信号
分別方式。 - 【請求項2】 前記通信線は商用電力線であることを特
徴とする請求項1記載のFSK通信における信号分別方
式。 - 【請求項3】 前記通信線は電話線であることを特徴と
する請求項1記載のFSK通信における信号分別方式。 - 【請求項4】 前記第一の搬送波の周波数FHzは4.8
KHzであり、前記第二の搬送波の周波数2FHzは9.6
KHzであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
FSK通信における信号分別方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6465194A JPH07250109A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | Fsk通信における信号分別方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6465194A JPH07250109A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | Fsk通信における信号分別方式 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07250109A true JPH07250109A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=13264358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6465194A Withdrawn JPH07250109A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | Fsk通信における信号分別方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07250109A (ja) |
-
1994
- 1994-03-07 JP JP6465194A patent/JPH07250109A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010508 |