JPH07248612A - 投影露光用原図基板および投影露光方法 - Google Patents

投影露光用原図基板および投影露光方法

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JPH07248612A
JPH07248612A JP6219994A JP6219994A JPH07248612A JP H07248612 A JPH07248612 A JP H07248612A JP 6219994 A JP6219994 A JP 6219994A JP 6219994 A JP6219994 A JP 6219994A JP H07248612 A JPH07248612 A JP H07248612A
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light
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projection exposure
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JP6219994A
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Toshiyuki Horiuchi
敏行 堀内
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜入射照明投影露光時に遮光部パタンの側部
先端付近に現れる光強度分布等高線の局部的な膨らみを
低減する。 【構成】 原図基板1に形成される遮光部パタン1の側
部に、この遮光部パタン1の先端から、被露光基板上の
寸法に換算してλ/NAの位置付近に、窪み3(或いは
透過スリット)を設ける。なお、λは露光波長、NAは
投影露光光学系の開口数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、開口数NA,露光波
長λの投影露光装置を用いて半導体集積回路等のパタン
を被露光基板に転写する際に使用する投影露光用原図基
板、および、この投影露光用原図基板上のパタンを被露
光基板上に転写する投影露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体集積回路等のパタンを
基板上に形成するために、投影露光装置が用いられてい
る。この投影露光装置では、投影露光用原図基板(以
下、単に原図基板と言う)上のパタンの光像を被露光基
板上に作り、この被露光基板上の感光性材料を露光して
原図基板上のパタンの形状に感光させ、露光後現像処理
を行うことによって、原図基板上のパタンの形状に対応
したパタンを被露光基板上に転写する。図11に従来の
投影露光装置の構成を示す。同図において、11は水銀
ランプやエキシマレーザ等の光源であり、光源11から
出る光を照明光学系12により集光し、原図基板13を
照明する。14は投影レンズ光学系または投影ミラー光
学系またはレンズとミラーとの組合せ光学系からなる投
影露光光学系であり、原図基板13上のパタンを縮小ま
たは拡大または等倍にして被露光基板15の上に投影露
光する。
【0003】ここで、原図基板13は、レクチルおよび
マスクの総称であり、石英やガラス等の光透過性基板上
にクロム,酸化クロム,モリブデンシリサイド等の遮光
性材料からなる遮光部パタンを設けたものが最も一般的
である。原図基板13としては、この他、遮光性材料の
基板をくりぬいて透過パタンを形成したステンシルレク
チルおよびマスクも使われる。また、遮光部パタンが数
%〜数10%の透過率を有するハーフトーンレクチルお
よびマスクや位相シフタを付したレクチルおよびマスク
も使用される。照明光学系12としては、光源11から
の光を一旦、蠅の目レンズ等に入れ、2次光源を形成す
る形態のものが多い。蠅の目レンズは、水銀ランプやエ
キシマレーザ等の点状の光源11を見かけ上、多点光源
化する役目を果たす。また、蠅の目レンズは、このレン
ズを構成する各要素レンズから出る光束のそれぞれが原
図基板13を重畳して照明し、照明を均一化する目的で
使われる。2次光源の形成は多点化とともに面積を有す
る光源とする目的も有している。
【0004】投影露光により転写できるパタンの最小寸
法すなわち解像度は、露光波長λと投影露光光学系14
の開口数NAとによって概ね決まる。しかし、上述した
2次光源の大きさや形状の工夫によっても解像度を向上
させることができる。この解像度の向上方法として、
「変形光源」(「斜入射照明」)法と言われている方法
がある。「変形光源」のいわれは、通常照明が円形の2
次光源を用いるのに対し、円形以外の変形形状の2次光
源を用いることから来ている。図12(a)〜(g)は
「変形光源」法に使われる2次光源の形状の例である。
斜線部が2次光源の光が出射する部分であり、中央部に
比して周辺部の光強度が高ければ形や光強度分布は任意
である。
【0005】投影露光装置では、投影露光光学系14の
光軸を延長した光路上に位置する2次光源の中心部分か
ら出る光が原図基板13をほゞ垂直に照明し、2次光源
の周辺部から出る光は中心からの隔たりに応じて原図基
板13を斜めに照明するように、照明光学系12が構成
されている。このため、図12に示したように、2次光
源の中心付近を遮光したり、中心付近の射出光を周辺部
からの射出光より少なくした場合、原図基板13を垂直
に近い角度で照明する光より斜めに照明する光が多くな
る。「斜入射照明」法はこのために付いた呼称であり、
高解像化は原図基板13を斜めに照明することと関係し
ている。
【0006】図13は「斜入射照明」法による高解像化
の原理を説明するための図であり、図13(a)が垂直
照明、図13(b)が斜入射照明の場合を示している。
図13(b)では、説明を簡単にするために、1方向の
みからの斜入射照明を示している。「斜入射照明」法を
採った場合、図13(b)に示すように、原図基板13
上の周期パタンから出る回折光は、0次回折光16が入
射照明光17の角度だけ傾いた方向に出るため、片側の
1次回折光(−1次回折光)18が投影露光光学系14
を通過できない一方、他方の1次回折光(+1次回折
光)19は図13(a)の垂直入射の場合より大きい回
折角のものまで取り込めるようになる。周期パタンの回
折角はパタンピッチが細かくなる程大きくなる関係にあ
るため、片側だけではあるが大きい回折角の1次回折光
まで投影露光光学系14に取り込めるようにした「斜入
射照明」法では、より細かい周期のパタンまで被露光基
板15上に像を結ぶ。したがって、「斜入射照明」法を
採用することにより、転写解像度が向上する。
【0007】ところで、原図基板13を単に斜入射照明
する場合、原図基板13上の細かい周期パタンからの片
側の1次回折光が投影露光光学系14に入らないため、
0次回折光と1次回折光との強度比がアンバランスとな
り、光像のコントラストの低下を生じ易い。そこで、特
開平5−29190号公報に開示されているように、投
影露光光学系14の開口瞳位置に透過率調整フィルタを
置く方法も提案されている。2次光源が投影露光光学系
14の開口瞳面もしくはその近傍に像を結ぶように構成
されている場合、「変形光源」から出て原図基板13を
斜入射照明する光源の0次回折光による像は、投影露光
光学系14の開口瞳面もしくはその近傍に「変形光源」
と同じ形状に形成される。したがって、透過率調整フィ
ルタを「変形光源」の形状や光強度分布に対応させて設
ければ、0次回折光と1次回折光との比率を改善するこ
とができ、その分、被露光基板15上の光像のコントラ
ストが向上する。よって、原図基板13を単に斜入射照
明する場合より、一層高解像となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】こうした「斜入射照
明」法による解像度の向上は、上述の説明からも明らか
なように、周期パタンについて顕著な効果を示すもので
あり、非周期パタンについては効果が十分でない場合が
ある。また、周期パタンでも、周期方向の端部に位置す
るパタンにおいては解像性の劣化を生ずる。このような
周期パタンの周期方向の端部の解像性劣化や、孤立ライ
ンパタン,孤立スペースパタン等の非同期パタンにおけ
る解像性劣化に対しては、これまでに、ダイジェスト
「Digest of Papers MicroProcess'93」の44〜45頁
に報告されているように、解像しないような微細先幅の
補助パタンや補助パタン群を配置する改良案が提案され
ている。しかし、「斜入射照明」法を採った場合、こう
した、孤立ラインパタン,孤立スペースパタンを含めた
パタンの周期性を考える時の端パタンではなく、各ライ
ンパタンの側部先端付近においてもまた解像性の劣化が
生じる。この斜入射照明時のラインパタン側部先端付近
の解像性の劣化に関しては、これまで殆ど着目されてお
らず、したがって、有効な対策も講じられていなかっ
た。
【0009】図14,図15,図16は「斜入射照明」
法におけるラインパタン側部先端付近の解像性の劣化を
説明するための図である。図14は原図基板13上のパ
タンを示す図であり、被露光基板15上の寸法に換算し
て描いてある。パタンは透過部中に存在する0.35μ
mラインアンドスペースである。斜線部20が遮光部パ
タンを示し、白地21が透過部を示す。図15は図14
に示した原図基板14上のパタンを「通常照明」により
投影露光した際の被露光基板15上の光強度分布の等高
線を示す。図16は図14に示した原図基板14上のパ
タンを「斜入射照明」により投影露光した際の被露光基
板15上の光強度分布の等高線を示す。投影露光波長λ
はともに水銀ランプi線の365nm、投影露光光学系
14の開口数はともにNA=0.52であり、図15の
通常照明はコヒーレンシィファクタσ=0.6の円形2
次光源、図16の斜入射照明はコヒーレンシィファクタ
σ=0.6〜0.5に対応する円環状2次光源であり、
ともに1μmフォーカスをずらした場合の光強度分布等
高線を示している。なお、図15および図16中には、
図14に示した遮光部パタン20の輪郭を重ねて描いて
ある。
【0010】図15と図16とを比較すると、図16の
「斜入射照明」の場合には「通常照明」の場合の図15
には無い光強度0.2の等高線が現れており、また、等
高線の間隔が密である。このことから、「斜入射照明」
の場合には、コントラストが高く、デフォーカス状態で
の解像性が改善されていることが分かる。しかしなが
ら、図16の「斜入射照明」の場合、各遮光部パタン2
0の側部先端付近の光強度分布等高線に、局部的な膨ら
みaが生じる。これは、各遮光部パタン20の側部先端
付近の光強度が局部的に低下し、すなわち各遮光部パタ
ン20の側部先端付近の光強度分布等高線の局部的に膨
らんだ部分に挟まれたスペース部の光強度がパタン長手
方向の中央の辺りに比して低下し、解像し難くなってい
ることを示す。また、仮に解像しても、被露光基板15
との界面における遮光部パタン20の転写パタンの線幅
が、側部先端付近の光強度分布等高線が局部的に膨らみ
を生じている部分とパタン長手方向の中央の辺りとで異
なることになる。
【0011】実際に上記の露光条件で斜入射照明して、
被露光基板15上にノボラック系ポジ形レジストを約1
μm厚さに塗布して投影露光し、アルカリ現像液で現像
してパタンを転写すると、露光量が若干少な目の場合
に、図16に示した光強度分布等高線の局部的な膨らみ
aに対応する形状で、被露光基板15の表面にレジスト
残りが現れる。したがって、パタン全体の解像性はこの
各遮光部パタン20の側部先端付近の解像性で決まって
しまう。また、この各遮光部パタン20の側部先端付近
のレジスト残りをなくすため露光量を十分に増やすと、
パタン長手方向の中央部の線幅が設計値より細くなって
しまうという問題が生ずる。
【0012】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、斜入射照明
投影露光時に遮光部パタンの側部先端付近に現れる光強
度分布等高線の局部的な膨らみを低減し、遮光部パタン
側部先端付近の解像性の劣化を抑制し、局部的なレジス
ト残りの発生や線幅変化を防止することのできる投影露
光用原図基板および投影露光方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、その第1発明(請求項1に係る発明)は、投
影露光用原図基板上に形成される少なくとも解像限界に
近い線幅を有する遮光部パタンの側部に、この遮光部パ
タンの先端から被露光基板上の寸法に換算してλ/NA
の位置付近に窪みを設けたものである。また、その第2
発明(請求項2に係る発明)は、投影露光用原図基板上
に形成される少なくとも解像限界に近い線幅を有する遮
光部パタンに、この遮光部パタンの先端から被露光基板
上の寸法に換算してλ/NAの位置付近に透過スリット
を設けたものである。また、その第3発明(請求項3に
係る発明)は、第2発明において、透過スリットが1本
の場合この透過スリットを遮光部パタンの長手方向に対
し垂直な方向へ設け、透過スリットが複数本の場合その
少なくとも一本を遮光部パタンの長手方向に対し垂直な
方向へ設けたものである。また、その第4発明(請求項
4に係る発明)は、第1,第2又は第3発明の投影露光
用原図基板を使用し、この投影露光用原図基板を斜入射
照明して投影露光を行い、被露光基板上に投影露光用原
図基板上のパタンを転写するようにしたものである。
【0014】
【作用】したがってこの発明によれば、遮光部パタンに
設けた窪みにより、また遮光部パタンに設けた透過スリ
ットにより、遮光部パタンの側部先端付近の局部的な光
強度の低下が改善される。
【0015】
【実施例】
〔実施例1〕以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明
する。図1はこの発明の一実施例を示す原図基板13上
のパタンを示す図である。斜線部1が遮光部パタン、白
地2が透過部を示す。本実施例においては、遮光部パタ
ン1の側部先端付近(図16に示した光強度分布等高線
に局部的な膨らみaを生じる位置に対応する箇所)に、
窪み3を設けている。窪み3の形状、寸法は光強度分布
等高線の形状が改善されさえすれば任意である。後述の
ように、遮光部パタン1の線幅や繰り返し数にあまり依
存せずに、被露光基板15上で遮光部パタン1の投影パ
タンの先端からλ/NAの位置付近に光強度分布等高線
の膨らみのピークがくる。したがって、この位置を含む
範囲に、窪みを設ければよい。
【0016】図1の例では、窪み3の深さdを被露光基
板15上の寸法に換算して片側0.025μmずつ、両
側で合計0.05μmとした。一般に、原図基板13上
の遮光部パタン1の形状を決定するには電子ビーム露光
装置による描画を用いる。すなわち、遮光体上の全面を
レジスト等の感光性材料で覆い、電子ビーム露光装置に
よる描画で一部を露光し、現像によって感光性材料のポ
ジ形、ネガ形に応じて露光部または未露光部を残し、残
った感光性材料のパタンをマスク材として遮光体をエッ
チングする。したがって、遮光部パタン1の形状の最小
単位は、電子ビーム露光装置の描画位置および寸法の最
小単位で決まってしまう。被露光基板15上の寸法に換
算した窪み3の深さdに対し、投影露光倍率が1/mで
あるとすれば、原図基板13上の遮光部パタン1におけ
る窪み3の深さはmdとなる。原図基板13上の遮光部
パタン1を電子ビーム露光装置による描画により形成す
る場合には、上記mdが電子ビーム露光装置の描画単位
の整数倍になるようにdを定める。
【0017】窪み3の深さdは、片側につき、被露光基
板15上の寸法に換算して、λ/NAの1/70〜1/
20が最適である。小さ過ぎると効果がなく、深さ寸法
の精度確保も難しい。また、大き過ぎると、窪み3のパ
タンが細くなり過ぎてしまう。窪み3の長さlは、図1
の例では、被露光基板15上の寸法に換算して、0.3
μmとした。概ねλ/NAの(0.3〜0.8)倍程度
とすればよい。短か過ぎると効果が小さく、大き過ぎる
と遮光部パタン1の先端部の全体が細く転写されてしま
う。窪み3の形状は、矩形に限らず、三角形や台形など
としてもよい。
【0018】図2は図1に示した遮光部パタン1を有す
る原図基板13を用いた場合の被露光基板15上での光
強度分布等高線である。図2中には、図1に示した遮光
部パタン1の輪郭を重ねて描いてある。図2と図16と
を比較してみれば分かるように、本実施例の原図基板1
3を用いると、遮光部パタン1の側部先端付近の光強度
分布等高線の局部的な膨らみが低減し、付近のスペース
部の光強度分布が改善される。したがって、遮光部パタ
ン1の側部先端付近の従来解像し難かったスペース部
が、本実施例の原図基板13を用いることにより解像し
易くなる。また、各遮光部パタン1の側部先端付近の基
板界面付近の裾部における感光性材料の裾引きが減るた
め、転写パタンの線幅が制御し易くなる。
【0019】すなわち、本実施例によれば、遮光部パタ
ン1に設けた窪み3により、遮光部パタン1の側部先端
付近の局部的な光強度の低下が改善されるものとなり、
斜入射照明投影露光時に遮光部パタン1の側部先端付近
に現れる光強度分布等高線の局部的な膨らみを低減し、
遮光部パタン1の解像性の劣化を抑制し、局部的なレジ
スト残りの発生や線幅変化を防止することができるよう
になる。また、各遮光部パタン1の転写寸法を、転写パ
タンの先端付近でも設計寸法により近づけることができ
る。パタン全体の解像度や焦点深度は、最も解像し難い
場所の解像性で決まる。したがって、「斜入射照明」法
を採る場合にこれまで解像し難かった上記の遮光部パタ
ン1の側部先端付近の解像性を改善することにより、パ
タン全体の解像度や焦点深度を改善することができる。
【0020】また、本実施例によれば、非周期パタンの
解像性や焦点深度を向上させるために用いられていた補
助パタンを配置する方法と比較しても大きな利点を有す
る。一つには、補助パタンを配置する方法では、本来の
パタン以外に補助パタンを配置するため、まず補助パタ
ンが配置できるかどうかから検討しなければならず、本
来のパタンのまわりに配置場所を確保しなければならな
い。これに対し、本実施例では、本来のパタンが占有す
る場所以外に一切の余分の場所を必要としない。さら
に、2番目の利点として、原図基板13上のパタンを電
子ビーム描画する際の描画量の相違がある。補助パタン
を配置する方法では、補助パタン分の描画がそのまま描
画量の増加となる。しかし、本実施例では、描画位置や
描画時のパタン分割位置が変わるだけで、描画量の直接
の増大につながらない部分がかなり生ずる。したがっ
て、本実施例では、原図基板13上のパタンを電子ビー
ム描画する際の描画量の増大が、補助パタンを配置する
方法に比してかなり少なくて済む。
【0021】〔実施例2〕図3は本発明の他の実施例を
示す原図基板13上のパタンを示す図である。斜線部1
が遮光部パタン、白地2が透過部を示す。本実施例にお
いては、遮光部パタン1の側部先端付近(図16に示し
た光強度分布等高線に局部的な膨らみaを生じる位置に
対応する箇所)に複数個の透過スリット4を設けてい
る。図3ではスリット4の幅を被露光基板15上の寸法
に換算して0.02μmとしているが、解像限界である
λ/2NA程度以下であればよく、好ましくは概ねλ/
NAの1/5以下であれば任意でよい。スリット4の幅
は小さ過ぎると効果が少なく、また、大き過ぎるとスリ
ット4に対応する位置に窪みやくびれを生じてしまう。
【0022】スリット4の本数および配置位置も任意で
あるが、1本配置する場合は、遮光部パタン1の先端か
ら被露光基板15上の寸法に換算してλ/NAの位置付
近に設けるのが良く、複数本配置する場合は、被露光基
板15上の寸法に換算して、遮光部パタン1の先端から
λ/NAの位置付近を中心に遮光部パタン1の長手方向
に、λ/NAの±(0.15〜0.4)倍の範囲に設け
るのが良い。各スリットの幅は必ずしも同じである必要
性はない。
【0023】図4は図3に示した遮光部パタン1を有す
る原図基板13を用いた場合の被露光基板15上での光
強度分布等高線である。図4中には、図3に示した遮光
部パタン1の輪郭を重ねて描いてある。図4と図16と
を比較してみれば分かるように、本実施例の原図基板1
3を用いると、遮光部パタン1の側部先端付近の光強度
分布等高線の局部的な膨らみが低減し、付近のスペース
部の光強度分布が改善される。したがって、遮光部パタ
ン1の側部先端付近の従来解像し難かったスペース部
が、本実施例の原図基板13を用いることにより解像し
易くなる。また、各遮光部パタン1の側部先端付近の基
板界面付近の裾部における感光性材料の裾引きが減るた
め、転写パタンの線幅が制御し易くなる。すなわち、本
実施例によれば、遮光部パタン1に設けたスリット4に
より、遮光部パタン1の側部先端付近の局部的な光強度
の低下が改善されるものとなり、斜入射照明投影露光時
に遮光部パタン1の側部先端付近に現れる光強度分布等
高線の局部的な膨らみを低減し、遮光部パタン1の側部
先端付近の解像性の劣化を抑制し、局部的なレジスト残
りの発生や線幅変化を防止することができるようにな
り、実施例1と同様の効果を奏する。
【0024】なお、図3では、スリット4を原図基板1
3の遮光部パタン1の線幅の全幅に渡って設けたが、線
幅の一部にスリット4を設けても良いことは言うまでも
ない。図5にスリット4を遮光部パタン1の線幅の一部
に設けた原図基板13上のパタン例を示す。この図で
は、1本の遮光部パタン1の例を示したが、遮光部パタ
ンの本数が多くても、また、任意に遮光部パタンが配置
されていても同様にすればよい。また、図3,図5では
スリット4を原図基板13の遮光部パタン1の長手方向
に垂直な方向に設けたが、スリット4を遮光部パタン1
の長手方向または遮光部パタン1と任意の角度傾斜した
方向に設けてもよい。あるいは、それらを任意に混在さ
せたスリット4を設けてもよい。その場合も、スリット
4の存在範囲は、被露光基板15上の寸法に換算して、
遮光部パタン1の先端からλ/NAの位置を中心に遮光
部パタン1の長手方向に、λ/NAの±(0.15〜
0.4)倍の範囲に設けるのがよい。
【0025】図6に遮光部パタン1の長手方向にスリッ
ト4を設けた原図基板13上のパタン例を示す。図7に
遮光部パタン1の長手方向とそれに垂直な方向のスリッ
ト4を組み合わせて設けた原図基板13上のパタン例を
示す。図8に遮光部パタン1の長手方向に対して斜めに
スリット4を設けた原図基板13上のパタン例を示す。
図6,図7,図8の場合も、1本の遮光部パタン1の例
を示したが、遮光部パタンの本数が多くても、また、任
意に遮光部パタンが配置されていても同様にすればよ
い。図5〜図8いずれの場合も、図2および図4に示し
たのとほゞ同様に光強度分布等高線の改良がなされる。
【0026】図1に示した窪み3を設ける手法では、光
強度分布等高線の膨らみを減らす量が、窪み3の深さd
に直接関係し、深さdにかなり敏感である。すなわち、
窪み3の深さdが深すぎると転写パタンのその部分が細
くなり過ぎ易い。したがって、窪み3の深さdの寸法精
度が十分に高いことが要求される。これに対し、図3,
図5,図6,図7,図8に示したスリット4を設ける手
法では、スリット4の幅もさることながら、その配置お
よび数が光強度分布等高線の膨らみの除去に影響する。
そのため、スリット4の幅の精度は図1における窪み3
の深さdの精度程、膨らみの減少量に敏感に影響しな
い。すなわち、例えば、スリット4の幅が多少大き過ぎ
ても光強度分布等高線の膨らみを補正した転写パタン部
分が過剰に細くなる危険度は低い。
【0027】特に、スリット4を遮光部パタン1の長手
方向に対して垂直に入れる場合には、スリット4の幅と
転写パタン線幅との直接の関係が弱まり、スリット4の
配置および数が転写パタン線幅の主たる決定要因とな
る。以上の理由から、スリット4を設ける手法は、窪み
3を設ける手法に比して製作精度にあまり依存せずに、
光強度分布等高線の膨らみ改善に良い結果が得られる利
点があり、特に、スリット4を遮光部パタン1の長手方
向に対して垂直に入れるとその利点を活かし易い。別の
観点で窪み3を設ける手法に対するスリット4を設ける
手法の利点を言うならば、窪み3を設ける手法では、制
御できるのが窪み3の「位置」、「長さ」、「深さ」の
みであるのに対し、スリット4を設ける手法では、スリ
ット4の「数」、「配置」という新たな自由度が加わ
る。したがって、その分良く改善ができ、かつ、製作誤
差に対する余裕度が大きい。
【0028】ところで、上述では、図2および図4に示
したように、0.35μm線幅のラインアンドスペース
パタンを例にとって説明したが、遮光部パタン1の側部
先端付近の光強度分布等高線の局部的な膨らみは、遮光
部パタン1の線幅や本数にはあまり関係せず、ほゞ照明
光学系12における斜入射照明の条件のみに依存する。
そして、膨らみの量は垂直照明光に対する斜入射照明光
の比率により変化するが、膨らむ場所は通常用いられる
開口数NA=0.3〜0.7程度、波長λ=150〜5
50nm程度の投影露光条件では、NAとλとによって
決まる大略同じ場所になる。すなわち、遮光部パタン1
の側部先端付近の光強度分布等高線の局部的な膨らみが
生じる位置は、被露光基板15の寸法に換算して、遮光
部パタン1の先端からλ/NAの付近となる。
【0029】例えば、図9は円環状斜入射照明時の0.
5μm線幅のラインアンドスペースパタンの光強度分布
等高線である。図16の場合と同じ投影露光条件で、す
なわちNA=0.52、σ=0.6〜0.5、水銀ラン
プi線(波長λ=365nm)の投影露光条件で、0.
5μm線幅のラインアンドスペースパタンの側部先端付
近の光強度分布等高線の局部的な膨らみを調べたもので
あるが、図16に示した0.35μm線幅のラインアン
ドスペースパタンの場合の光強度分布等高線の局部的な
膨らみと大体同じ位置に大体同じ量生じている。また、
図10は同じ円環状斜入射照明時の0.35μm線幅の
孤立遮光ラインパタン対する光強度分布等高線である。
この場合も、図16に示した0.35μm線幅のライン
アンドスペースパタンの場合の光強度分布等高線の局部
的な膨らみと大体同じ位置に大体同じ量生じている。
【0030】上述した窪み3やスリット4等は、遮光部
パタン1毎に最適の寸法、形状を与えればよいことは言
うまでもないが、遮光部パタン1の側部先端付近の光強
度分布等高線の局部的な膨らみは遮光部パタン1の線幅
や本数にはあまり関係しなので、解像限界付近の遮光部
パタン1に対し全部同じように付与してもよい。パタン
は線幅の許容値が、例えば線幅の±10%というよう
に、パタンの線幅に応じて許容値も大きくなる場合が多
い。また、パタン寸法が大きくなるにつれて概ね解像度
や焦点深度もよくなる。したがって、原図基板13上の
遮光部パタン1に対する工夫(窪み、スリット)は、解
像限界付近の遮光部パタン1に対してだけ行っても十分
な場合が多い。
【0031】なお、本発明は主として「斜入射照明」時
に用いるため考案したものであるが、従来の円形の2次
光源を用いる「通常照明」で投影露光する場合にも適用
することができる。通常照明でも斜入射光は含まれてお
り、その斜入射光成分が「斜入射照明」法と同様の遮光
部パタンの側部先端付近における光強度分布等高線の局
部的な膨らみを生じさせるためである。通常照明では、
垂直入射に近い光成分が多いため元々光強度分布等高線
の膨らみが小さいので効果はあまり大きくなく、また、
窪み3やスリット4の寸法を上記の実施例に示した斜入
射照明の場合より小さ目にする必要がある。しかし、窪
み3やスリット4の寸法を適切に選べば、本発明の適用
は可能である。また、遮光部パタンに故意に透過率を付
与したハーフトーンの原図基板や位相シフタを付けた原
図基板、あるいは透過率と位相シフタの両方を付与した
原図基板でも、斜入射照明により遮光部パタンの側部先
端付近に光強度分布等高線の局部的な膨らみを生ずるの
で本発明の適用が可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、その第1発明では、投影露光用原図基板
上に形成される少なくとも解像限界に近い線幅を有する
遮光部パタンの側部に、この遮光部パタンの先端から被
露光基板上の寸法に換算してλ/NAの位置付近に窪み
を設けたので、また、その第2発明では、投影露光用原
図基板上に形成される少なくとも解像限界に近い線幅を
有する遮光部パタンに、この遮光部パタンの先端から被
露光基板上の寸法に換算してλ/NAの位置付近に透過
スリットを設けたので、第1発明では遮光部パタンに設
けた窪みにより、また第2発明では遮光部パタンに設け
た透過スリットにより、遮光部パタンの側部先端付近の
局部的な光強度の低下が改善されるものとなり、斜入射
照明投影露光時に遮光部パタンの側部先端付近に現れる
光強度分布等高線の局部的な膨らみを低減し、遮光部パ
タン側部先端付近の解像性の劣化を抑制し、局部的なレ
ジスト残りの発生や線幅変化を防止することが可能とな
る。なお、透過スリットを設ける第2発明では、窪みを
設ける第1発明に比して、製作精度にあまり依存せず
に、光強度分布等高線の膨らみ改善に良い結果を得るこ
とができるという利点がある。また、その第3発明で
は、第2発明において、透過スリットが1本の場合この
透過スリットを遮光部パタンの長手方向に対し垂直な方
向へ設け、透過スリットが複数本の場合その少なくとも
一本を遮光部パタンの長手方向に対し垂直な方向へ設け
たので、遮光部パタンの長手方向に対し垂直な方向へ設
けた透過スリットにより、透過スリットの幅と転写パタ
ン線幅との直接の関係が弱まり、透過スリットの配置お
よび数が転写パタン線幅の主たる決定要因となり、透過
スリットを設ける場合の利点を活かし易くなる。また、
その第4発明では、第1,第2又は第3発明の投影露光
用原図基板を使用し、この投影露光用原図基板を斜入射
照明して投影露光を行い、被露光基板上に投影露光用原
図基板上のパタンを転写するようにしたので、遮光部パ
タンの側部先端付近に現れる光強度分布等高線の局部的
な膨らみを低減し、遮光部パタン側部先端付近の解像性
の劣化を抑制し、局部的なレジスト残りの発生や線幅変
化を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す原図基板上のパタンを
示す図である。
【図2】図1に示したパタンを有する原図基板を用いた
場合の被露光基板上での光強度分布等高線を示す図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例を示す原図基板上のパタン
を示す図である。
【図4】図3に示したパタンを有する原図基板を用いた
場合の被露光基板上での光強度分布等高線を示す図であ
る。
【図5】線幅の一部にスリットを設けた原図基板上の遮
光部パタンを示す図である。
【図6】長手方向にスリットを設けた原図基板上の遮光
部パタンを示す図である。
【図7】長手方向とそれに垂直な方向にスリットを組み
合わせて設けた原図基板上の遮光部パタンを示す図であ
る。
【図8】長手方向に対して斜めにスリットを設けた原図
基板上の遮光部パタンを示す図である。
【図9】円環状斜入射照明時の0.5μm線幅のライン
アンドスペースパタンの光強度分布等高線を示す図であ
る。
【図10】円環状斜入射照明時の0.35μm線幅の孤
立遮光ラインパタンに対する光強度分布等高線を示す図
である。
【図11】投影露光装置の構成図である。
【図12】「変形光源」法(「斜入射照明」法)に使わ
れる2次光源の形状を例示する図である。
【図13】「斜入射照明」法による高解像化の原理を説
明するための図である。
【図14】原図基板上の0.35μm幅のラインアンド
スペースパタンの従来例を示す図である。
【図15】図14に示した原図基板上のパタンを通常照
明により被露光基板上に投影露光した際の光強度分布等
高線を示す図である。
【図16】図14に示した原図基板上のパタンを斜入射
照明により被露光基板上に投影露光した際の光強度分布
等高線を示す図である。
【符号の説明】
1 遮光部パタン 2 透過部 3 窪み 4 透過スリット 11 光源 12 照明光学系 13 投影露光用原図基板 14 投影露光光学系 15 被露光基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口数NA,露光波長λの投影露光装置
    を用いてパタンを被露光基板に転写する際に使用する投
    影露光用原図基板において、 この基板上に形成される少なくとも解像限界に近い線幅
    を有する遮光部パタンの側部に、この遮光部パタンの先
    端から前記被露光基板上の寸法に換算してλ/NAの位
    置付近に窪みが設けられていることを特徴とする投影露
    光用原図基板。
  2. 【請求項2】 開口数NA,露光波長λの投影露光装置
    を用いてパタンを被露光基板に転写する際に使用する投
    影露光用原図基板において、 この基板上に形成される少なくとも解像限界に近い線幅
    を有する遮光部パタンに、この遮光部パタンの先端から
    前記被露光基板上の寸法に換算してλ/NAの位置付近
    に透過スリットが設けられていることを特徴とする投影
    露光用原図基板。
  3. 【請求項3】 請求項2において、透過スリットが1本
    の場合この透過スリットが遮光部パタンの長手方向に対
    し垂直な方向へ設けられ、透過スリットが複数本の場合
    その少なくとも一本が遮光部パタンの長手方向に対し垂
    直な方向へ設けられていることを特徴とする投影露光用
    原図基板。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載した投影露光
    用原図基板を使用し、この投影露光用原図基板を斜入射
    照明して投影露光を行い、被露光基板上に前記投影露光
    用原図基板上のパタンを転写するようにしたことを特徴
    とする投影露光方法。
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