JPH07248319A - 探傷検査装置及び探傷検査方法 - Google Patents

探傷検査装置及び探傷検査方法

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JPH07248319A
JPH07248319A JP6041409A JP4140994A JPH07248319A JP H07248319 A JPH07248319 A JP H07248319A JP 6041409 A JP6041409 A JP 6041409A JP 4140994 A JP4140994 A JP 4140994A JP H07248319 A JPH07248319 A JP H07248319A
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JP
Japan
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flaw detection
pipe
inspection
crack
ultrasonic sensor
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Application number
JP6041409A
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English (en)
Inventor
Masaaki Sakai
正明 酒井
Akihiro Tatsuma
章浩 立間
Mamoru Nakada
守 中田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管の周方向に発生した割れの検査に対して作
業性及び検査精度を向上することができる探傷検査装置
及び探傷検査方法を提供する。 【構成】 管100の内外面の周方向に延在する割れを
検出するため上記管内に挿入される超音波センサ10
と、上記超音波センサを管周方向に回転させるとともに
管軸方向へ移動させるセンサ駆動装置20と、上記セン
サ駆動装置の動作制御を行うとともに上記超音波センサ
の位置情報及び上記超音波センサから供給される探傷検
出情報に基づき検査情報の解析を行う制御装置40とを
備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば石油精製、石油
化学等の化学プラントにおいて多用されている熱交換器
等における小口径管の内外周面の周方向に発生する割れ
に対して、回転掃引機構を有する超音波センサによる探
傷検査を行い、かつ探傷検査結果の自動解析を行う探傷
検査装置及び探傷検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】上記熱交換器の小口径管の損
傷検出方法としては、電磁誘導現象を利用した非破壊試
験方法である渦流探傷試験があるが、この渦流探傷試験
は、主として孔食等の腐食損傷を検出対象としており、
応力腐食、疲労等に起因して管の周方向に発生した、い
わゆる割れの検出が困難であるという問題がある。又、
炭素鋼等の磁性材料の管では、渦流探傷試験自体が適用
困難であり、管の周方向に発生した割れの検出に有効な
検査技術はないのが実情である。さらに、特に管端部で
は、熱交換器の管板及び渦流探傷試験の特性に起因す
る、端末効果によるノイズを生じ、事実上探傷検査は困
難である。一方、管周方向の割れの検査方法として、超
音波探傷の汎用手法である手動による斜角探傷での検査
も可能であるが、検査員が探傷器の表示画面に表示され
る探傷波形を目視監視し、割れによる信号が認められる
毎に、割れの存在位置及び割れ深さに関するデータを記
録する必要があり、検査員に対する作業負担が大きく、
作業性及び検査精度の面で問題があった。又、上述した
ような手動による検査方法では、探傷検査に多大な時間
を要するという問題点もある。本発明は、このような問
題点を解決するためになされたもので、管の周方向に発
生した割れの検査に対して作業性及び検査精度を向上
し、かつ短時間にて探傷検査が行える探傷検査装置及び
探傷検査方法を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、管の周方向に
延在する割れを検出するため上記管内に挿入される超音
波センサと、上記超音波センサを管周方向へ回転させる
センサ駆動装置と、上記センサ駆動装置の動作制御を行
う動作制御部と上記超音波センサから供給される探傷検
出情報を記憶する記憶部と上記探傷検出情報の解析を行
う演算部とを備えたことを特徴とする。
【0004】又、上記センサ駆動装置はさらに上記超音
波センサを管軸方向へ移動させるように構成することが
できる。
【0005】又、上記超音波センサの回転数は1秒間当
たり1万回転以下の任意の値であるように構成すること
もできる。
【0006】又、上記超音波センサは、ハウジングと、
上記ハウジング表面近傍部に配置され検査対象物に対し
40度から25度内の任意の値の入射角度となる超音波
ビームを送出しかつ上記検査対象物からの反射波を受信
する振動子と、上記振動子が配置された上記ハウジング
表面近傍部を含む上記ハウジング直径方向に平行でかつ
上記ハウジングの直径方向へ延在し上記ハウジング表面
近傍部を管内周面に密接させる押圧部材とを備えるよう
に構成することもできる。
【0007】又、上記振動子は送出される超音波ビーム
を拡散するタイプであるように構成することもできる。
【0008】又、上記振動子が配置された上記ハウジン
グ表面近傍部を覆い上記ハウジング表面に取り付けられ
る樹脂膜を備えるように構成することもできる。
【0009】又、上記制御装置における検査解析は、割
れの存在が検出された管軸方向の位置毎に割れ深さ寸法
情報を関連付けて出力するように構成することもでき
る。
【0010】又、上記制御装置における検査解析は、割
れの存在が検出された管軸方向の位置における管の横断
面情報を出力するように構成することもできる。
【0011】
【作用】このように構成することで、センサ駆動装置は
検査対象物である管の周方向に制御装置の制御に基づき
超音波センサを作動させる。超音波センサは管の周方向
に存在する割れを検出する。又、制御装置は、超音波セ
ンサの位置情報及び超音波センサから供給される探傷検
出情報に基づき検査情報の解析を行う。このように超音
波センサ、センサ駆動装置及び制御装置は管の周方向に
発生した割れの検査に対して作業性及び検査精度を向上
し、かつ短時間にて探傷検査が行えるように作用する。
【0012】又、超音波センサを高速回転させること
は、より探傷検査時間の短縮を図るように作用する。一
方、適切な傾斜角にて配置された振動子、押圧部材を備
え、上記振動子は超音波ビームを拡散するタイプとする
ことは、高速回転させる超音波センサにてより探傷精度
を向上させるように作用する。
【0013】
【実施例】本発明の探傷検査装置及び探傷検査方法の一
実施例について図を参照しながら以下に説明する。まず
探傷検査装置について説明する。本実施例における探傷
検査装置は、検査対象物の厚さが最小0.5mmまでの
比較的薄い、例えば熱交換器等の管の内外周面にて周方
向に延在するいわゆる割れを従来の検査方法に比べ高速
又は詳細に検出可能とするものである。尚、検出可能な
割れの深さは0.2mm以上のものであり、又、本実施
例では検査対象とする管の内径は15mmから23mm
のものである。尚、検出限界寸法及び検査対象寸法はこ
れらのものに限られるものではない。又、上記割れの深
さとは、検査対象物の厚さ方向、例えば管であれば管の
直径方向への割れの大きさをいう。
【0014】本実施例における探傷検査装置は、図1に
示すように、上記管100内に挿入され探傷検査のため
超音波の送受信を行う振動子2を有する超音波センサ1
0と、該超音波センサ10に機械的に接続され超音波セ
ンサ10を管の周方向及び軸方向へ駆動する駆動装置2
0と、超音波センサ10と電気的に接続され超音波セン
サ10から供給される信号をコントローラ40にて処理
可能な信号に変換するデジタル超音波探傷器30と、デ
ジタル超音波探傷器30の出力側及び駆動装置20の入
出力側と電気的に接続され、探傷検査の解析ソフトに従
い探傷検査の解析を行い、又、駆動装置20の動作制御
を行う、例えばパーソナルコンピュータが使用できるコ
ントローラ40とを備えている。又、コントローラ40
には、検査結果を出力する装置として、CRT表示装
置、プリンタ等を接続することができ、又、検査結果を
例えば磁気媒体に記録するための記録装置を接続するこ
とができる。尚、デジタル超音波探傷器30は従来から
一般に使用されているものであり詳しい説明は省略し、
又、コントローラ40については後述の動作説明にて詳
説する。よって以下には超音波センサ10及び駆動装置
20について説明する。
【0015】超音波センサ10について説明する。図2
に示すように本実施例における超音波センサ10は、ハ
ウジング1と、ハウジング1内に設けられ超音波を送受
信する振動子2と、ハウジング1の表面に設けられる薄
板3と、ハウジング1内に設けられるボールプランジャ
4と、接栓部5と、カップリング6とを備えている。ハ
ウジング1は、検査対象ある管100の内径寸法に応じ
た外径寸法にてなる、円筒状で例えばステンレス製から
なるものである。尚、超音波センサ10は、管100の
内径寸法に応じて適宜な外径寸法を有するものを選択し
て使用する。又、本実施例における超音波センサ10の
軸方向の長さは、約50mmから約60mmである。
【0016】振動子2は、ハウジング1の軸方向のほぼ
中央部であってハウジング1の表面近傍に配置され超音
波の送受信を行うもので、本実施例では5mm×5mm
の方形状であり10MHzの周波数の超音波を発生す
る。又、本実施例の探傷検査装置においては超音波セン
サ10を1秒間当たり例えば数百回転させる場合があ
る。このような高速回転状態においては超音波のビーム
伝搬経路における気泡、検査対象物の腐食、カス等の表
面状態等の妨害因子が探傷検査精度に影響を与える。よ
ってこのような妨害因子の影響を少なくし超音波センサ
10の高速回転においても安定した探傷検査結果を得る
ため、又、当該探傷検査装置が探傷対象とする割れの深
さ及び長さの検出に最も効果的となるように、本実施例
では上述したような大きさの振動子2を使用し超音波セ
ンサ10から送出される超音波のビーム幅(ビーム断面
積)が広がるタイプのものを使用している。具体的に
は、例えば管外周面に存在する欠陥を管内から超音波を
送出し探傷する場合に管外周面におけるビーム断面積
は、従来の超音波センサのようにビーム幅を絞るタイプ
にあっては約3mm2以下であるのに対し、本実施例の
超音波センサ10では8mm2から20mm2とし、好ま
しくは10mm2から15mm2となるようにしている。
尚、振動子2の大きさとしては、5mmないし10mm
四方程度のものが使用できる。又、このような振動子2
は従来と同様に樹脂材2a内に埋設されている。一方、
本実施例のように超音波のビーム幅が広がるタイプの振
動子2を使用することで、探傷検出精度が低下するとい
う問題が生じるが、以下に説明するような検査対象物へ
の超音波ビームの入射角及び探傷検査装置の設定の仕方
によって上記問題を克服している。
【0017】上記入射角について説明する。管100の
材質が炭素鋼の場合、従来は管100の検査対象物に対
して約45度の角度にて超音波を入射するようにしてい
た。一方、本実施例における超音波センサ10では、割
れの検出精度を向上させるため、検査対象物に対する超
音波ビームの入射角が40度から25度の範囲内の任意
の値、好ましくは30度前後の任意の値となるように振
動子2を傾斜させて樹脂材2a内に埋設し、このような
樹脂材2aがハウジング1内に配置される。尚、検査対
象物に対する超音波ビームの入射角は、検査対象とする
管100を通過する超音波の速度に応じて変化させる必
要があり、上記入射角を変化させるため振動子2の傾斜
角が選択される。よって、超音波センサ10は、検査対
象物の上記超音波の通過速度に応じて振動子2が適切な
傾斜角度を有するものが選択して使用される。
【0018】尚、本実施例の探傷検査装置において、割
れ深さは、後述の動作説明にて詳しく説明するが、図1
9に示すような割れ深さ曲線にて表される関数に基づき
求める。割れ深さ曲線とは、検査対象物から反射してく
る超音波の強度と割れ深さとの関係を示すグラフであ
り、予め模擬検査体(対比試験体)にて反射してくる超
音波の強度と割れ深さとの関係を求めグラフ及びその関
数を求める。かかる割れ深さ曲線の作成に当たり上述し
た40度から25度の入射角となるような超音波センサ
を使用することで、超音波の強度と割れ深さとの関係が
超音波の高強度領域においても飽和しない割れ深さ曲線
を得ることができる。したがって、得られた割れ深さ曲
線の作成時と同様に上記入射角を生じるような同種の振
動子を備えた超音波センサを使用し探傷検査を行うこと
で、超音波の高強度領域においても割れの検出精度を従
来に比べ向上させることができる。尚、従来にあっても
上記割れ深さ曲線に相当する検量線により欠陥深さを求
めるものがあるが、上記入射角は45度程度であり、得
られる検量線は超音波の強度と欠陥深さとの関係が超音
波の高強度領域においては飽和してしまうものとなる。
よって超音波の高強度領域においては欠陥深さが正確に
求められないという問題があった。
【0019】薄板3は、振動子2から管100の内周面
へ向けて送出された超音波が通過する位置であってハウ
ジング1の表面に例えば貼付されて固定されるものであ
り、本実施例では0.2mm厚のアクリル製である。
尚、振動子2が配置された付近のハウジング1部分と管
100の内周面との間にすき間が生じた場合には、探傷
検査精度が劣化することから、薄板3は、振動子2が配
置された付近のハウジング1部分と管100の内周面と
が常に密接するように設けるものである。よって、薄板
3を設けなくとも振動子2が配置された付近のハウジン
グ1部分と管100の内周面とが常に密接する状態を維
持できる場合には薄板3は不要である。尚、超音波セン
サ1の使用時には、薄板3と管100の内周面とをより
密接させるために薄板3の表面にはグリス、水等を介在
させるのが好ましい。尚、薄板3の寸法、材質は上述の
ものに限るものではない。
【0020】ボールプランジャ4は、上記薄板3を管1
00の内周面に密着させるためハウジング1を管100
の内周面へ押圧するためのものであり、ハウジング1内
に設けられる。ボールプランジャ4の構造は、本体4a
内に設けたスプリング4bにて本体4aの軸方向へ付勢
されるボール4cが本体4aの先端から突出した構造を
なし、このようなボールプランジャ4は一般に市販され
ているものを使用することができる。又、ボールプラン
ジャ4には、本体4aの周囲に雄ネジが形成されてお
り、該雄ネジをハウジング1の直径方向形成されている
雌ネジに係合させてハウジング1の周面からボール4c
を突出させることで、ハウジング1は、ボール4cの付
勢力により管100の直径方向へ付勢される。接栓部5
は、駆動装置20から延在するケーブルと超音波センサ
10の振動子2に接続されるケーブルとを着脱自由に機
械的、電気的に接続する接続部分である。
【0021】カップリング6は、回転方向駆動パルスモ
ータ221にて周方向に回転される回転軸223と、超
音波センサ10に付属し超音波センサ10に接続される
パイプ7とを接続するものであり、一般の市販品であ
る。このようなカップリング6は円筒形状であり、図2
0に示すように、カップリング6の軸方向の両端部に
は、該カップリング6を約半周分にわたり輪切りにする
ようにスリット6aが複数形成されている。尚、スリッ
ト6aは他の種々の形態のものを選択することができ
る。このようにスリット6aを有するカップリング6
は、回転軸223におけるぶれがパイプ7さらに超音波
センサ10に伝わらないように緩衝作用をする。特に、
管100の軸方向へ超音波センサ10を手動で移動さ
せ、管100の周方向へ超音波センサ10を高速回転さ
せる場合、カップリング6における緩衝作用が探傷検査
精度に寄与する。
【0022】次に、駆動装置20について説明する。駆
動装置20は、超音波センサ10を管100の軸方向へ
移動させるための掃引駆動部210と、超音波センサ1
0を管100の周方向へ回転させる回転駆動部220と
から構成される。掃引駆動部210は、取付台211
と、送りネジ212と、掃引方向駆動パルスモータ21
3と、スライドユニット214等とからなる。取付台2
11には、送りネジ212の両端が送りネジ212の周
方向に回転可能に支持される。該送りネジ212の一端
は、コントローラ40から供給されるパルス信号にて動
作制御されるステップモータからなる掃引方向駆動パル
スモータ213の出力軸に接続される。よって送りネジ
212は掃引方向駆動パルスモータ213にて回転され
る。又、送りネジ212には、送りネジ212の周方向
への回転により矢印A方向に往復移動を行うスライドユ
ニット214が係合している。送りネジ212の両端部
に対応した取付台211の所定位置にはリミットスイッ
チ215が設置される。リミットスイッチ215は、ス
ライドユニット214が当接もしくは近接することで掃
引方向駆動パルスモータ213の動作を停止させる停止
信号をコントローラ40へ送出する。よってリミットス
イッチ215が作動することで、コントローラ40を介
して掃引方向駆動パルスモータ213の動作が停止さ
れ、スライドユニット214の移動が停止する。
【0023】スライドユニット214には回転駆動部2
20が設置される。回転駆動部220は、回転方向駆動
パルスモータ221と、スリップリング222と、回転
軸223とを備え、回転方向駆動パルスモータ221の
出力軸と同芯上に回転軸223が配置される。又、スラ
イドユニット214には、回転方向駆動パルスモータ2
21及びスリップリング222が固定され、スライドユ
ニット214の移動に伴い回転方向駆動パルスモータ2
21及びスリップリング222、ひいては回転軸223
及び超音波センサ10がスライドユニット214の移動
方向に移動する。
【0024】回転方向駆動パルスモータ221は、コン
トローラ40に電気的に接続され、コントローラ40か
ら供給される制御信号に従い動作する。回転軸223
は、管100内に挿入可能な外径寸法を有する円筒形状
のもので、一端が超音波センサ10のパイプ7に接続さ
れるカップリング6に接続され、他端近傍がスリップリ
ング222にて周方向に回転可能に支持され、他端が回
転方向駆動パルスモータ221の出力軸に連結体を介し
て接続される。よって、回転方向駆動パルスモータ22
1の作動により回転軸223は周方向に回転する。又、
回転軸223におけるスリップリング222と超音波セ
ンサ10との区間は、取付台211に固定された支持部
材216にて回転軸223の軸方向及び周方向に滑動可
能に支持される。スリップリング222は、超音波セン
サ10に電気的に接続されたケーブルとデジタル超音波
探傷器30との電気的接続を行う装置であり、超音波セ
ンサ10に接続されるケーブルが回転軸223の回転に
よりねじれるのを防止する。
【0025】又、検査対象である管100と同芯上にて
延在する回転軸223に対し、送りネジ212は回転軸
223の延在方向と同方向でかつ平行に配置される。こ
のように送りネジ212と回転軸223とを配置するこ
とで、掃引方向駆動パルスモータ213にて送りネジ2
12を回転させることで、スライドユニット214を介
して回転軸223を管100の軸方向に沿って移動させ
ることができ、したがって超音波センサ10を管100
の軸方向に沿って移動させることができる。
【0026】次に、このように構成される探傷検査装置
の動作について以下に説明する。本実施例における探傷
検査装置における基本的な探傷動作は、検査対象である
管100における検査開始位置から、超音波センサ10
をまず管100の周方向へ1秒間当たり例えば数百回転
させながら管100の軸方向へ1秒間当たり例えば50
mmの速さにて掃引しながら管100の探傷検査を行う
ものである。尚、上記周方向への超音波センサ10の回
転速度及び掃引速度は、上述のものに限るものではな
く、詳細検査の場合には例えば周方向へ1回転させて探
傷検査を行った後、超音波センサ10を管100の軸方
向へ所定量移動させ、その位置において同様に周方向へ
の探傷検査を行うようにすることもできる。さらに、管
100の周方向の所定範囲のみを探傷しながら管100
の軸方向へ移動していくような探傷動作も可能である。
又、超音波センサ10の軸方向への移動速度について
も、一定速度、可変速度とすることができる。尚、これ
らの速度制御は、後述の動作説明に記載するように、入
力される検査条件に従いコントローラ40にて演算され
る。
【0027】図を参照して本実施例の探傷検査装置にお
けるコントローラ40が行う動作について説明する。図
4に、コントローラ40の基本動作を示す。基本動作と
して、「初期設定」、「主処理」、「後処理」の各動作
がある。ステップ(図内ではSにて示す)3000に示
す「初期設定」とは、図5に示すように、Aドライブ、
Bドライブ等の選択(S3020)を行い、探傷結果デ
ータを記録する記録媒体である例えばフロッピディスク
における記憶容量のチェック(S3040)を行い、表
示装置(以下、CRTと記す)の画面へのタイトルの表
示(S3060)を行い、システムの開始メッセージの
CRTへの表示(S3080)を行う動作をいう。
【0028】ステップ4000に示す「主処理」とは、
図6に示すように、探傷検査を実行するに当たりコント
ローラ40内において使用するバッファの記憶内容をク
リアした後(S4020)、いわゆるメニュー画面と呼
ばれる、実行する動作を選択するためのタイトルを表し
た画面を表示し(S4040)、選択されたタイトルの
動作を実行する動作をいう。尚、上記タイトルである、
動作の選択枝としては、「探傷検査」、「解析」、「フ
ァイル操作」、「印字」、「終了」を設けている。「探
傷検査」とは探傷検査を行いその結果について、CRT
への表示、フロッピディスクへの記録、割れ位置とその
深さとの関係を示す割れ深さ断面図の印字の各動作を行
うものである。「解析」とはフロッピディスクに記録さ
れている探傷結果データに基づき上記割れ深さ断面図を
印字する動作である。「ファイル操作」とは探傷結果を
顧客への報告書としてまとめる動作である。「印字」と
は上記報告書を印字する動作であり、「終了」とはシス
テムの動作を終了する動作である。
【0029】ステップ6000に示す「後処理」とは、
図7に示すように、検査動作を終了することのメッセー
ジが表示される最終画面をCRTに表示し(S602
0)、CRTをクリアする(S6040)動作をいう。
【0030】上記「探傷検査」動作について、図8から
図12を参照して説明する。尚、図8は「探傷検査」動
作の全体の流れを示し、図9から図12は図8に示す所
定ステップのサブルーチンを示す。尚、探傷検査を実行
する予定がある場合には、検査を行うに当たり予め、ス
ライドユニット214を原点位置(検査開始位置)にセ
ットし、かつ上述したように送りネジ212及び回転軸
223を管100の軸方向に合わせ、かつ回転軸223
と管100とを同芯上に配置し、かつ超音波センサ10
が検査開始位置となるように探傷検査装置を設置してお
く。
【0031】上述したメニュー画面にて「探傷検査」を
選択した場合、まず探傷条件をキーボード等にてコント
ローラ40に入力する(S4120)。尚、探傷条件と
しては、本実施例においては図9に示すように、管の標
準肉厚、探傷検査を行う長さ、探傷検査物の名称、探傷
検査を開始する位置、探傷検査を終了する位置の各情報
がある(S4121からS4125)。これらの探傷条
件の情報入力が終了した時点でこれらの入力情報に基づ
きこれから行う探傷検査の設定状況がCRTに表示され
(S4126)、表示された設定状況が正しい場合には
検査員がキーボード上の所定キーを押下することで(S
4127)、検査条件が確定される。尚、上記設定状況
に誤りがある場合には、再度ステップ4121に戻り探
傷条件の再入力を行う。
【0032】探傷条件の入力後、今回行う探傷検査を他
の探傷検査と識別するため探傷番号を検査員が入力する
ことで(S4140)、コントローラ40は探傷検査結
果を記憶するデータファイルを作成する(S416
0)。データファイルの作成が終了した時点で探傷動作
が始まりデータの取り込み動作が開始する(S418
0)。データ取り込みについては、図10に示す動作が
行われる。データ取り込みについて説明する。まずコン
トローラ40は、データ入力部(RS232C)並びに
掃引方向駆動パルスモータ213及び回転方向駆動パル
スモータ221の制御部の初期化を行い(S4181,
4182)、上記データ入力部におけるデータ通信状態
を示すステータス情報を取得した後(S4184)、作
成した上記データファイルを開き(S4185)、さら
に通信バッファをクリアする(S4186)。又、コン
トローラ40は、入力された検査条件に最適な探傷検査
が行えるように超音波センサ10を駆動すべく、掃引方
向駆動パルスモータ213へ供給するパルス数、回転方
向駆動パルスモータ221の回転速度を演算する(S4
187)。以上のステップ4181からステップ418
7の動作にて検査準備が完了し、検査員の検査実行又は
検査中止のキー操作により検査実行又は検査中止のいず
れかの動作が行われる(S4188,4189)。検査
中止の場合には、コントローラ40は上記データファイ
ルを閉じ(S4192)、入力された探傷条件、上記探
傷番号を保存ファイルに書き込む(S4193)。
【0033】検査実行の場合には、コントローラ40
は、掃引方向駆動パルスモータ213及び回転方向駆動
パルスモータ221を駆動し、演算結果に基づき掃引方
向駆動パルスモータ213及び回転方向駆動パルスモー
タ221の動作を制御する。又、超音波センサ10は超
音波の送受信を開始する。これによって掃引方向駆動パ
ルスモータ213及び回転方向駆動パルスモータ221
の動作に従い超音波センサ10からは探傷情報がデジタ
ル超音波探傷器30へ供給される。尚、超音波センサ1
0からは、割れの発生箇所に応じて探傷情報が送出され
るもので、よって同一位置情報内に複数の割れが存在す
る場合にはそのそれぞれに対応して探傷情報が送出され
る。尚、割れを検出した管100の軸方向における位置
情報は、検査条件として入力した探傷開始点情報と、超
音波センサ10が管100の軸方向へ単位長さ分移動す
るのに必要なパルス数が分かっていることとから、掃引
方向駆動パルスモータ213へ供給したパルス数からコ
ントローラ40にて算出される。
【0034】コントローラ40がデジタル超音波探傷器
30へ送信を要求することで、デジタル超音波探傷器3
0からコントローラ40への有効データの転送が開始さ
れ(S4190)、コントローラ40における通信バッ
ファへ有効データが格納されていく(S4191)。
尚、有効データとは、割れの深さに対する、送出した超
音波の反射波の強度に関するデータをいい、上記反射波
の最大強度を103%として、得られた反射波の強度に
対応した割合にて示されるデータである。尚、上記反射
波の最大強度を100%ではなく103%としたのは単
に装置側の信号処理上の都合からである。又、有効デー
タが得られた、管100の軸方向の位置を示す位置情報
も上記通信バッファへ格納されていく。尚、デジタル超
音波探傷器30において有効データとは、超音波センサ
10から供給される探傷情報の内、一つのデータとみな
せるビット数を有するデータをいう。したがって、所定
ビット数に達する割れが検出された場合にのみ上記有効
データ及び上記位置情報とが通信バッファに格納されて
いくことになる。又、上述したように、同一位置情報に
複数の割れが存在する場合にはそのそれぞれに対応して
有効データが存在することになる。所定のビット数とな
り有効データとなったときには、有効データは処理され
上記データファイルへ書き込まれ、(S4194,41
95)、又、CRTに表示される(S4196)。尚、
ここでCRTに表示される有効データは、反射波の強度
が上述した、%の単位にて表示される。
【0035】これにて検査長内の1箇所における探傷動
作が終了し、コントローラ40は演算結果に基づき掃引
方向駆動パルスモータ213へ所定量のパルス信号を送
出し超音波センサ10を所定量分、管100の軸方向へ
移動させ、次の箇所における探傷検査を上述と同様に実
行する(S4197,4198)。このようにして検査
長にわたり探傷検査を実行し順次その有効データをデー
タファイルに書き込んでいく。そして検査長分の探傷検
査が終了した時点で、コントローラ40は上記1箇所毎
についてそれぞれ割れ深さの最大値を計算する(S50
00)。
【0036】割れ深さ最大値計算工程(S5000)に
ついて図11を参照し説明する。コントローラ40は、
最大値の初期値を「0」にセットした後(S501
0)、上記データファイルを開き該データファイルから
各位置情報毎に上記有効データを読み出し(S502
0,5030)、読み出したそれぞれの位置情報におけ
るそれぞれの有効データに基づき割れ深さを求める。割
れ深さの算出には、上述した割れ深さ曲線が用いられ
る。尚、超音波センサ10から供給される受信超音波の
強度は、上述したように%単位にて表わされた有効デー
タであり、割れ深さ曲線は、この有効データと割れ深さ
との関係を示す、例えば図19に示す曲線である。又、
超音波センサ10の説明箇所にて述べたように、検査対
象物内における超音波の進行速度に応じて検査対象物に
対する超音波の入射角を変化させるように振動子2の傾
斜角が異なる超音波センサ10を使い分けることから、
本実施例におけるコントローラ40には、検査対象物内
における超音波の進行速度にて使用を選択する2種類の
割れ深さ曲線の関数データを格納しており、割れ深さ曲
線の選択は検査条件を設定するときに行う。
【0037】それぞれの有効データは、その値が80%
以下、80%を越え100%以下、100%を越える、
のいずれの範囲に該当するのかが判断され(S504
0)、割れ深さ曲線において判断された範囲に対応した
曲線に従い割れ深さが求められる(S5050)。求め
られた割れ深さ値は、同一位置情報内で前最大値と比較
(第1回目のときは「0」との比較)され(S506
0)、今回求まった割れ深さ値が上記前最大値を越える
ものであれば今回求まった割れ深さ値を新たな最大値と
して更新してデータファイルに書き込む(S5060,
5070,5080)。さらに今回求まった割れ深さ値
が存在する位置情報もデータファイルに書き込まれる。
例えば、検査開始点から50mm進んだ位置に、深さ
0.5mm,1.0mm,0.8mmの3つの周方向へ
の割れが検出された場合、最大割れ深さ値は1.0mm
であり、位置情報として50mmが格納される。このよ
うにデータファイルには、各位置情報毎に割れ深さの最
大値が書き込まれる。以下、ステップ5030からステ
ップ5080が各位置情報毎に繰り返された後、データ
ファイルを閉じる(S5090)。尚、最大値計算工程
では、さらに検査長全体における最大値を求め、その最
大値とその最大値が存在する位置情報とのみを上記デー
タファイルに記憶するようにしてもよい。
【0038】このようにして割れが検出された位置とそ
の位置における割れ深さの最大値が求まることから、横
軸に管の軸方向の長さ、縦軸に割れの深さを表した図
(以下、「割れ深さ断面図」と記す)を作成する(S5
200)。尚、上述した最大値計算工程に続いて上記割
れ深さ断面図の作成、表示工程を実行する場合には、上
述したステップ5080から後述のステップ5250へ
移行する。以下に、上記割れ深さ断面図の作成、表示工
程(S5200)について説明する。上記データファイ
ルが開かれ(S5210)、記憶されている上記有効デ
ータ、位置情報の全データ数が計算された後(S522
0)、これら上記有効データ、位置情報が読み込まれる
(S5230)。コントローラ40は、読み込んだそれ
ぞれの有効データについて、ステップ5050と同様に
割れ深さ曲線に基づき割れ深さを求め(S5240)、
例えば図17に示すような、割れ検出位置毎にその位置
における割れ深さの最大値を表した割れ深さ断面図をC
RT上に表示するために必要な演算を行い(S5250
からS5280)、その演算した結果である検査結果デ
ータをフロッピディスクに保存する(S5290)。そ
して上記検査結果データをCRT上に表示するか否かの
判断を介して(S5300)、表示が選択された場合に
はCRT上に割れ深さ断面図が表示される(S531
0)。以上の説明が、図6に示す「探傷検査」に関する
動作説明である。
【0039】次に、図6に示す「解析」に関する動作説
明を行う。上述したように各探傷検査毎に有効データが
データファイルに記憶されていくが、「解析」動作(S
4300)はこのようにして記憶された有効データをフ
ロッピディスクのデータファイルから読み出し、割れが
検出された位置毎に割れ深さの最大値計算を行うもので
ある。「解析」動作について図13を参照し以下に説明
する。「解析」動作が選択された場合、保存されている
有効データの有無が確認された後(S4310)、検査
された管のすべての検査結果数、即ち、上記の有効デー
タのすべてが計数され(S4320)その数がCRTに
表示される(S4330)。次に、選択した管の有効デ
ータについて、図11に示す割れ深さ最大値計算(S5
000)に従い割れ深さの最大値が計算され、求まった
割れ深さの最大値がバッファに格納された後(S434
0)、図12に示す上述した断面表示工程(S520
0)によってバッファに格納されたデータから割れ深さ
断面図がCRT上に表示される。
【0040】一つの検査結果について位置及び最大値が
表示された後、次データの表示指示、前データの表示指
示、又は動作終了のいずれかをキー入力する(S435
0,4360)。次データの表示指示又は前データの表
示指示が選択された場合には、割れ深さ最大値計算工程
(S5000)に従い割れ深さの最大値が計算され、求
まった割れ深さの最大値がバッファに格納された後(S
4380)、図12に示す上述した断面表示工程(S5
200)によって割れ深さ断面図がCRT上に表示され
る。一方、動作終了キーが選択された場合には、解析動
作が終了する(S4390)。
【0041】次に、「ファイル操作」に関する動作説明
を行う。「ファイル操作」動作(S4500)とは、フ
ロッピディスクに記憶された検査結果データに従い、顧
客への検査報告書を作成する動作をいう。「ファイル操
作」動作について図14及び図15を参照し以下に説明
する。「ファイル操作」が選択された場合、当該ファイ
ル操作における注意事項に関するメッセージがCRTに
表示された後(S4520)、フロッピディスクに検査
結果データが記憶されているか否かが確認され(S45
40)、検査した管の総本数が計算され(S4560)
その本数がCRT上に表示される(S4580)。操作
者はCRT上に表示された検査結果の中から報告書とし
て出力したいものを選択する。選択された検査結果デー
タはテンポラリファイルに書き込まれる(S460
0)。そして該テンポラリファイルから読み出されるデ
ータに従い図15に示す報告書用データファイル作成動
作にて所定の形式にて報告書が作成され(S462
0)、動作終了可否判断を介して(S4640)、動作
終了の選択によりファイル操作の動作を終了する。尚、
上記報告書用データファイルとは、上記テンポラリファ
イルから後述の報告書用保存ファイルを作成する中間的
なファイルをいう。
【0042】上記報告書用データファイル作成動作につ
いて説明する。上記テンポラリファイルが開かれ(S4
621)、格納されている検査結果データが読み込まれ
る(S4622)。読み込まれた検査結果データに基づ
きフロッピディスク内のデータファイルが開かれ(S4
623)、該データファイルから読み出された上記有効
データについて上述した割れ深さ最大値計算工程(S5
000)に従い割れ深さの最大値が計算され、計算され
た最大値及びその位置の情報がバッファに格納される
(S4624)。そして上記最大値及びその位置の情報
がバッファから報告書用保存ファイルに書き込まれ(S
4625)、上記データファイルは閉じられる(S46
26)。そして動作終了可否判断を介して(S462
7)動作終了の選択により上記テンポラリファイルが閉
じられ(S4628)報告書用データファイル作成動作
が終了する。
【0043】次に、「印字」動作(S4700)につい
て説明する。「印字」動作とは、上述した報告書をプリ
ントアウトする動作をいう。「印字」動作について、図
16を参照し以下に説明する。「印字」が選択された場
合、上述した報告書用保存ファイルが開かれ(S472
0)、報告書用保存ファイルから読み出されたデータが
プリンタにて印字される(S4740)。印字されるも
のとしては、本実施例においては、例えば図17に示す
ような割れ深さ断面図、若しくは図18に示すような、
検査した管毎に割れ深さの最大値、その最大値が検出さ
れた管軸方向における位置等の情報を表した一覧表等で
ある。印字が終了すると、報告書用保存ファイルが閉じ
られ(S4760)、動作終了可否判断を介して(S4
780)、動作終了の選択により印字の動作が終了す
る。
【0044】尚、すべての動作を終了する場合には、上
記メニュー画面に表示される「終了」を選択することで
動作は終了する。
【0045】以上説明したように本実施例の探傷検査装
置によれば、従来の探傷検査装置に比べ超音波センサ1
0を管100の周方向へ高速で回転させ、かつ超音波セ
ンサ10から供給される探傷結果情報をコントローラ4
0にてリアルタイムに解析し、その解析結果をCRT上
に表示したり、例えばフロッピディスクに記憶したり、
印字したりするようにしたことから、管の周方向に発生
した割れの検査に対して作業性及び検査精度を向上し、
かつ短時間にて探傷検査を行うことができる。
【0046】尚、上述した実施例は、管100に対して
管100の軸方向及び周方向の両方向に超音波センサ1
0を自動的に移動させる探傷検査装置であるが、管10
0の軸方向への移動は検査員が手動にて行い、さらに超
音波センサ10における管100の周方向への回転を市
販の可変速モータにて行うことで、探傷検査装置の構造
を簡素化することができる。尚、このような簡易タイプ
の探傷検査装置は、上述した実施例の探傷検査装置に比
べ、管100の周方向及び軸方向への超音波センサ10
の回転、移動がコントローラ40にて制御されないだけ
であり、その他の検査結果解析等の各動作は上述したよ
うに行われる。したがってこのような簡易タイプの探傷
検査装置は、高速に探傷検査が実行でき、かつ検査解析
等も高速に行われ、さらに探傷検査装置全体構成が簡易
であるので検査対象物への設置を容易に行え、かつ安価
であるという利点を有する。特に、割れが発生している
正確な位置情報は不要であり単に割れの有無のみを確認
するような探傷検査において、上記簡易タイプの探傷検
査装置は有益である。
【0047】又、詳細な探傷検査を行う場合には、超音
波センサ10の回転速度を例えば1回転/秒のような低
速度として探傷検査を行い、超音波センサ10が1回転
した管軸方向の位置における管の輪切り状態の断面図、
即ち管の横断面図をコントローラ40から出力すること
もできる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、検
査対象物である管の周方向及び軸方向へ制御装置の制御
に基づき超音波センサを作動させ、管の周方向に存在す
る割れを検出し、超音波センサの位置情報及び超音波セ
ンサから供給される探傷検出情報に基づき制御装置にて
検査情報の解析を行うように構成したことより、管の周
方向に発生した割れの検査に対して作業性及び検査精度
を向上し、かつ短時間にて探傷検査を行うことができ
る。
【0049】又、請求項3記載の発明によれば、超音波
センサを高速回転させることにより、より探傷検査時間
の短縮を図ることができる。
【0050】又、請求項3ないし8記載の発明によれ
ば、超音波センサは適切な傾斜角にて配置された振動
子、押圧部材を備え、上記振動子は超音波ビームを拡散
するタイプとすることにより、高速回転させる超音波セ
ンサにおいてより探傷精度を向上させることができる。
さらに、超音波センサを低速回転させることで制御装置
から管の輪切り状態の断面情報を出力することもでき
る。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の探傷検査装置の一実施例における構
成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す超音波センサの構造例を示す断面
図である。
【図3】 図1に示す駆動装置の一構成例を示す図であ
る。
【図4】 図1に示す探傷検査装置の動作の大略を示す
フローチャートである。
【図5】 図4に示す初期設定の動作を説明するための
フローチャートである。
【図6】 図4に示す主処理の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図7】 図4に示す後処理の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図8】 図6に示す「探傷検査」の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図9】 図8に示す「探傷条件入力」の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図10】 図8に示す「データ取り込み」の動作を説
明するためのフローチャートである。
【図11】 図8に示す「割れ深さ最大値計算」の動作
を説明するためのフローチャートである。
【図12】 図8に示す「断面表示」の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図13】 図6に示す「解析」の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図14】 図6に示す「ファイル操作」の動作を説明
するためのフローチャートである。
【図15】 図14に示す「報告書用データファイル作
成」の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】 図6に示す「印字」の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図17】 探傷検査結果の一例である断面表示の例を
示す図である。
【図18】 探傷検査結果の一例であるリストアップの
例を示す図である。
【図19】 割れ深さ曲線の一例を示すグラフである。
【図20】 カップリングの断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…振動子、3…薄板、4…ボールプ
ランジャ、5…接栓部、6…カップリング、10…超音
波センサ、20…駆動装置、30…デジタル超音波探傷
器、40…コントローラ、100…管、210…掃引駆
動部、213…掃引方向駆動パルスモータ、214…ス
ライドユニット、220…回転駆動部、221…回転方
向駆動パルスモータ、222…スリップリング、223
…回転軸。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管の周方向に延在する割れを検出するた
    め上記管内に挿入される超音波センサと、 上記超音波センサを管周方向へ回転させるセンサ駆動装
    置と、 上記センサ駆動装置の動作制御を行う動作制御部と上記
    超音波センサから供給される探傷検出情報を記憶する記
    憶部と上記探傷検出情報の解析を行う演算部とを備えた
    制御装置と、を備えたことを特徴とする探傷検査装置。
  2. 【請求項2】 上記センサ駆動装置はさらに上記超音波
    センサを管軸方向へ移動させる、請求項1記載の探傷検
    査装置。
  3. 【請求項3】 上記超音波センサの回転数は1秒間当た
    り1万回転以下の任意の値である、請求項1又は2記載
    の探傷検査装置。
  4. 【請求項4】 上記超音波センサは、 ハウジングと、 上記ハウジング表面近傍部に配置され検査対象物に対し
    40度から25度内の任意の値の入射角度となる超音波
    ビームを送出しかつ上記検査対象物からの反射波を受信
    する振動子と、 上記振動子が配置された上記ハウジング表面近傍部を含
    む上記ハウジング直径方向に平行でかつ上記ハウジング
    の直径方向へ延在し上記ハウジング表面近傍部を管内周
    面に密接させる押圧部材と、を備えた請求項1ないし3
    のいずれかに記載の探傷検査装置。
  5. 【請求項5】 上記振動子は送出される超音波ビームを
    拡散するタイプである、請求項4記載の探傷検査装置。
  6. 【請求項6】 上記振動子が配置された上記ハウジング
    表面近傍部を覆い上記ハウジング表面に取り付けられる
    樹脂膜を備えた、請求項4ないし5のいずれかに記載の
    探傷検査装置。
  7. 【請求項7】 上記制御装置における検査解析は、割れ
    の存在が検出された管軸方向の位置毎に割れ深さ寸法情
    報を関連付けて出力する、請求項1ないし6のいずれか
    に記載の探傷検査装置。
  8. 【請求項8】 上記制御装置における検査解析は、割れ
    の存在が検出された管軸方向の位置における管の横断面
    情報を出力する、請求項6又は7に記載の探傷検査装
    置。
  9. 【請求項9】 管の内外面の周方向に延在する割れを検
    出するため上記管内に挿入された超音波センサから超音
    波を送出しかつその反射波を受信し探傷情報を検出する
    検出工程と、 割れ情報と割れの管直径方向への大きさである割れの深
    さ情報との予め求めた関係に基づき上記検出工程によっ
    て得られた割れ情報から上記割れ深さ情報を演算する割
    れ深さ演算工程と、 上記割れ深さ演算工程によって得られる上記割れ深さ情
    報に基いて、割れを検出した管軸方向の位置毎に対応す
    る割れ深さ寸法を出力する解析工程と、を備えたことを
    特徴とする探傷検査方法。
  10. 【請求項10】 上記解析工程では、さらに割れの存在
    が検出された管軸方向の位置における管の横断面情報を
    出力する、請求項9記載の探傷検査方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111044606A (zh) * 2019-12-26 2020-04-21 爱德森(厦门)电子有限公司 一种提高自然裂纹涡流测深准确度的方法
CN114324602A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 马鞍山马钢华阳设备诊断工程有限公司 一种适用于管件全面检测的无损检测装置及其使用方法

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