JPH072480U

JPH072480U - クリールの糸カット具

Info

Publication number: JPH072480U
Application number: JP3864093U
Authority: JP
Inventors: 博菅原
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】整経工程における巻き糸立替え工程の糸条カ
ットを効率良く行える用具を提供すること。【構成】床面を走行可能な台車（１）と、該台車上に
立設した支柱（２）と、該支柱の前面部に沿って分断し
て設けられた複数の電熱線（３）とからなり、該電熱線
間には台車走行時支柱前方に架空された糸条を集束する
ガイド（４）が設けられていることを特徴とするクリー
ルの糸カット具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、織編物製造の整経工程等で、クリールに仕掛った多数のボビンから引き出されている糸条を切断する用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

織編物製造の整経工程等は、１０００個前後もの巻き糸ボビンをクリールに仕掛け、該巻き糸ボビンより糸条を引き出しこれを集めてビームに捲き取ることにより、経糸を準備する工程である。かかる工程において、従来巻き糸ボビンを掛け替える所謂立替え工程は、古い巻き糸ボビンに底糸を残したままクリールから引き出されている糸条を鋏等で一本毎カットし、次いで新しい巻き糸ボビンに掛け替えて糸条を引き出し、カットした糸条と引き出した糸条とを一本毎結ぶという作業を行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の如き方法では、１０００本前後もの糸条を一本毎カットしなければならず、作業効率が極めて悪かった。本考案はかかる問題点を解決するものであって、その目的は、整経工程における巻き糸立替え工程の糸条カットを効率良く行える用具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、床面を走行可能な台車と、該台車上に立設した支柱と、該支柱の前面部に沿って分断して設けられた複数の電熱線とからなり、該電熱線間には台車走行時支柱前方に架空された糸条を集束するガイドが設けられていることを特徴とするクリールの糸カット具である。

【０００５】

【実施例】

以下、図面を用いて本考案を説明する。図１は本考案の糸カット具の実施例を示す正面図であり、同図において、１は台車、２は支柱、３、・・・は電熱線、４、・・・はガイドを示す。

【０００６】台車１は床面を走行移動可能なものであれば特に限定されず、車輪１１を有するものや、キャタピラを有するもの等種々のものが用い得るが直進性に優れたものが好ましい。また、台車１は駆動系を設けて自走式としてもよいが、同図に示す如く、手押し枠１２等を設けて手押し式とすると機構が簡易となり好ましい。かかる台車１の前部には、支柱２が垂直に立設している。支柱２の高さは本用具が対象とするクリールの高さに適応して決定すれば良い。また本実施例では、支柱２に副支柱２１を併設して、支柱２の強度を保つと共に、該副支柱２１に電熱線３、・・・の通電を制御するスイッチ２２を設けている。

【０００７】該支柱２には、台車１が前方（図１では左方向）に走行した際の前面部にあたる位置に電熱線３、・・・が設けられている。電熱線３、・・・は該前面部に沿って設けられる必要があるが、支柱２の前面に連続して架設すると電力を多量に消費するので、３ｃｍ程度に分断して複数個設け、その数としては適応するクリールの巻き糸ボビンの段数に相当する個数が好ましい。電熱線３、・・・の分断点４１、・・・にはガイド４、・・・が設けられている。ガイド４、・・・は台車１が前方に走行した際、支柱２の前方に架空されている糸条を集束する形状のものであれば限定されない。図１の場合、Ｖ字状に屈曲せしめた表面の滑らかな金属パイプを台車１正面より見て鋸歯形状に支柱２に取り付け、該鋸歯形状の谷部４２、・・・に相当する位置に電熱線３、・・・を設けている。

【０００８】電熱線３、・・・は商用電源に接続して加熱を行ってもよいが、この場合電源コードが台車１に接続され作業性が阻害されるので、バッテリー３１等を台車１に積載し、台車１が独立したままでも糸カットを行えるようにすることが好ましい。図２は、バッテリー３１を搭載した場合の充電機構を備えた通電回路の回路図である。

【０００９】次に、本用具Ｃを用いて、糸カットを行う作業について説明する。図３は該作業状態を示す斜視図である。すなはち、クリール台車５には１０００個前後の巻き糸ボビン６、・・・が仕掛けられ、各巻き糸ボビン６からは糸条７、・・・が引き出されてクリールガイド８を経て整経機（図示しない）に糸条７、・・・が集められている。糸カット作業を行う際は、本用具Ｃをクリール台車５とクリールガイド８間へ移動せしめ、電熱線３、・・・を加熱して、本用具Ｃを前方に走行せしめる。本用具Ｃが走行するにつれて、巻き糸ボビン６から引き出されている糸条７、・・・は、ガイド４、・・・に導かれ、電熱線３、・・・上に集束され、電熱線３、・・・に触れて加熱切断される。

【００１０】従って、本用具Ｃをクリール台車５とクリールガイド８間に１回通過せしめた後は、古い巻き糸ボビンと新しい巻き糸ボビンを取り替えて糸条を引き出し、切断された糸条と結び合わせればよい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案を用いれば、１０００回前後の糸カット作業が必要であった整経工程の巻き糸立替え作業を、本用具を１回作動させるだけに短縮でき、該作業効率を著しく高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の糸カット具の実施例を示す正面図であ
る。

【図２】本用具の通電回路の回路図である。

【図３】本用具を用いた糸カット作業状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１台車２支柱３電熱線４ガイド５クリール台車６巻き糸ボビン７糸条８クリールガイド

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】床面を走行可能な台車（１）と、該台車
上に立設した支柱（２）と、該支柱の前面部に沿って分
断して設けられた複数の電熱線（３）とからなり、該電
熱線間には台車走行時支柱前方に架空された糸条を集束
するガイド（４）が設けられていることを特徴とするク
リールの糸カット具。