JPH07248022A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JPH07248022A
JPH07248022A JP3937894A JP3937894A JPH07248022A JP H07248022 A JPH07248022 A JP H07248022A JP 3937894 A JP3937894 A JP 3937894A JP 3937894 A JP3937894 A JP 3937894A JP H07248022 A JPH07248022 A JP H07248022A
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JP
Japan
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magnet
bearing device
rotating shaft
rotary shaft
cylindrical magnet
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Application number
JP3937894A
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English (en)
Inventor
Masahito Komazaki
雅人 駒崎
Takanori Okawa
高徳 大川
Tsuguo Nakamura
講夫 中村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP3937894A priority Critical patent/JPH07248022A/ja
Publication of JPH07248022A publication Critical patent/JPH07248022A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/0408Passive magnetic bearings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐久性がよく、騒音・振動の少ない軸受装置を
提供する。 【構成】回転軸200に円筒状磁石221を設け、その
円筒状磁石221の回転軸200の端部側の小間隔隔て
た位置に、円筒状磁石221と同極面を対向させて円環
状磁石222を設ける。円環状磁石222は、円筒状磁
石221の外径よりやや大きい内径を有する。回転軸2
00の端部は先細の円錐形状に成形し、硬質材であるス
テージ210に当接させる。このような円筒状磁石22
1には円環状磁石222の環内に引き込まれる磁力が作
用する。つまり、回転軸200を円環状磁石222の中
心で保持しようとするラジアル方向の磁力と、ステージ
210の方向に押すスラスト方向の磁力が作用する。し
たがって、このスラスト方向の負荷をステージ210で
支えれば、ラジアル方向、スラスト方向の双方について
安定して回転軸200を支えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータなどの回転軸を
支持する軸受装置に関し、特に、磁気的な力により非接
触で回転軸を支持する磁気軸受で、一部機械的な力を利
用して回転軸を支持する軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】モータのシャフトなどの回転軸を支持す
る軸受装置としては、通常、滑り軸受あるいは転がり軸
受が用いられている。これら滑り軸受および転がり軸受
は、機械的に接触して回転軸を支持する軸受であるた
め、摩擦・磨耗が生じる、耐久性が短い、振動・騒音が
生じる、潤滑油が必要なため使用環境が制限される、と
いった問題がある。また、回転数を高速にすると所定の
固有回転数で回転軸が共振し、偏心が増大し、その偏心
により軸受から回転軸が抗力を受け、回転速度が限界と
なり高速回転ができないという問題もあった。したがっ
て、この軸受をモータに用いた場合には、軸受の抗力に
より、最大応答周波数が低くなるという問題を生じた。
最近の製造技術の発達や材料の進歩により、それら滑り
軸受および転がり軸受の性能は向上しているものの、前
記問題を十分に解決するものではない。
【0003】一方、前記問題を解決する軸受装置とし
て、回転軸を磁気的な力により非接触で支持する磁気軸
受装置が注目されている。この磁気軸受装置は、回転軸
を非接触で支持するため、摩擦・磨耗の問題が無く、耐
久性がよく、振動・騒音が小さく、高速回転が可能で、
潤滑油を使用しないため特殊雰囲気中(高温、低温、真
空、クリーンルームなど)での使用も可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記磁気軸受
装置においては複雑な制御装置が必要であるという問題
がある。一般に剛体は、並進3方向、回転3方向の計6
つの自由度を有する。回転軸においては、1方向の回転
は軸の回転方向となるので、残りの5つの自由度を拘束
し、回転軸を支持する必要がある。磁気軸受装置におい
て静磁気力だけでは安定に釣合いを保つことはできない
ので、少なくとも1軸について、最大5軸についてフィ
ードバック制御をする必要がある。すなわち、回転軸の
各方向への位置を検出するセンサと、該検出結果より回
転軸の位置ズレを検出する偏差検出手段と、該偏差に基
づき操作量を求める操作量決定手段と、その操作量に基
づいて電磁石に流す電流の量を制御する制御手段を、各
制御方向ごとに設けなければならない。この制御は種々
の方法で可能であるが、一般に複雑で高速な計算を必要
とする。したがって、そのような高性能な制御手段を必
要とするため、装置の価格が高くなるという問題があ
り、汎用的な軸受装置として用いることはできなかっ
た。また、制御手段により軸受装置が大きくなるという
問題も生じた。
【0005】したがって、本発明の目的は、磁気軸受の
特徴を有しながら、非制御で回転軸を支持することので
きる軸受装置を提供することにある。換言すれば、本発
明の目的は、摩擦・磨耗が少なく、耐久性がよく、振動
・騒音が小さく、高速回転が可能で、さらにクリーンル
ームなどの特殊雰囲気中でも使用可能であり、しかも、
制御手段を必要としない軸受装置を提供することにあ
る。また、モータに適用した場合には、応答周波数の高
い、高性能なモータを実現できるような軸受装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本件出願の発明者は、磁気軸受および機械的軸受
(滑り軸受、転がり軸受など)の利点・欠点を十分解析
し、磁気軸受において、回転軸を一部機械的に支持する
ことにより、磁気軸受の利点を保持しつつ、制御系が必
要であるという磁気軸受の最大の課題を解決した。すな
わち、回転軸のラジアル方向に対しては、摩擦や騒音な
どの、接触支持であることに起因する課題が大きいため
磁気的に支持し、スラスト方向については、機械的に支
持するようにした。
【0007】したがって、本発明の軸受装置は、回転軸
方向に沿って対向して磁化された円筒状磁石と、前、回
転軸の周囲に前記円筒状磁石と所定の小間隔を隔てて設
けられた円環状磁石と、前記回転軸の先端に当接する係
止手段とを有する。また、前記円筒状磁石と円環状磁石
とは、同極面を対向させて設けられる。
【0008】好適には、前記円環状磁石は、前記円筒状
磁石より前記係止手段側に設けられるのが望ましい。ま
た好適には、本発明の軸受装置は、前記協働する円筒状
磁石と円環状磁石の組を2組以上有する。さらに好適に
は、本発明の軸受装置は、回転軸方向に沿って対向して
磁化された第2の円筒状磁石と、前記回転軸の周囲に前
記第2の円筒状磁石と所定の小間隔を隔てて設けられ、
前記円筒状磁石と協働して、前記係止手段の向きに該回
転軸を指向させるように磁化されている第2の円環状磁
石とを有する。特定的には、前記回転軸の前記係止手段
と当接する先端部は、先細の円錐形状であり、前記係止
手段は、前記回転軸と当接される面部を有する硬質材で
形成され、前記回転軸は前記係止手段に摩擦が小さくな
るように当接される。
【0009】また特定的には、前記円環状磁石は、永久
磁石により構成される。また特定的には、前記円環状磁
石は、電磁石により構成される。また特定的には、本発
明の軸受装置は、前記円環状磁石として電磁石を用い、
前記回転軸と前記係止手段は適切な摩擦係数で当接し、
さらに、回転軸の回転数を検出する手段と、前記電磁石
に流れる電流を制御する制御手段を有する。また好適に
は、本発明の軸受装置は、回転軸がラジアル方向の負荷
により回転軸が所定の大きさ以上に変位した場合には、
機械的にその回転軸を支持する保護軸受けを有する構成
が望ましい。
【0010】
【作用】本発明の軸受装置は、回転軸に設けられた円筒
状磁石と固定部に設けられた円環状磁石とからなる磁気
的支持部と、回転軸の端部を支持する機械的支持部であ
る係止手段よりなる。磁気的支持部において、前記円環
状磁石は、円筒状磁石と所定の小距離を隔てて、円筒状
磁石と同極面を対向させて設けられている。このような
円環状磁石と円筒状磁石の間には、円筒状磁石を円環状
磁石の内部、すなわち環内に引き込もうとする磁力が作
用する。前記円筒状磁石を円環状磁石の環内に引き込も
うとする磁力は、すなわち、ラジアル方向については回
転軸を円環状磁石の中心で保持しようとする力である。
したがって、前述した構成により、回転軸を非接触で円
環状磁石の中心に保持できる。
【0011】そこでさらに、磁力や重力や外部負荷によ
りスラスト方向の所定の向きに回転軸に負荷を与え、該
負荷を簡単な構造の機械的手段により支持すれば、スラ
スト方向についても安定して回転軸を支持できる。前記
機械的手段は、回転軸を硬質面に当接させ支持する係止
手段である。このように、前記構成により、ラジアル方
向については非接触で回転軸を支持でき、また、スラス
ト方向についても1ヵ所で回転軸を係止手段に当接させ
るのみで回転軸を支持できる。
【0012】
【実施例】本発明の軸受装置の第1実施例を図1および
図2を参照して説明する。図1は第1実施例の軸受装置
110の構成および作用を示す概略図である。軸受装置
110は回転軸200、ステージ210、および磁力作
用部220より構成される。なお、磁力線410は円環
状磁石222により作られる磁界を示し、この磁界によ
り円筒状磁石221に作用する磁力を磁力420および
磁力430で示す。
【0013】回転軸200は、先端部を先細な円錐形状
に加工され、その先端の頂点をステージ210に当接さ
れている。ステージ210は回転軸200の先端部と当
接する平面を有し、回転軸200との摩擦係数が小さく
なるように硬質材により形成された支持部材である。磁
力作用部220は回転軸200に設けられた円筒状磁石
221と、図示しない固定部に設けられた円環状磁石2
22とよりなる。円環状磁石222は、円筒状磁石22
1のステージ210側に、円筒状磁石221と所定の小
間隔を隔てて設けられている。また、円環状磁石222
の内径は円筒状磁石221の外径よりもわずかに大き
く、この円筒状磁石221と円環状磁石222は同極面
(本実施例ではS極)を対向させて設けられている。
【0014】このような構成の軸受装置110において
は、円環状磁石222により磁力線410で示すような
磁界が生じる。この磁界中に円環状磁石222と同極の
S極の面を対向させて円筒状磁石221が設けられてい
る。この場合、円筒状磁石221のS面には磁力線41
0に沿って円環状磁石222の環内に引き込む方向に磁
力420が作用する。また、円筒状磁石221のN面に
は磁力線410に沿って円環状磁石222より離れる方
向の磁力430が作用する。磁界は円環状磁石222の
環内を最大として外部に離れるにしたがって弱くなるた
め、磁力430に比して磁力420が円筒状磁石221
に対してより強く働く。その結果、円筒状磁石221に
は円環状磁石222の内部に引き込まれる方向に力が作
用する。つまり、回転軸200には、円環状磁石222
の中心で保持する力と、スラスト方向のステージ210
の向きへ押す力とが作用し、非制御でありながら回転軸
200はラジアル方向、スラスト方向の双方について安
定に支持される。
【0015】このように、回転軸200は、ラジアル方
向については非接触で支持されているため摩擦が生じな
い。したがって、磨耗しないため耐久性が向上し、さら
に騒音・振動を少なくすることができ、高速回転が可能
である。また、回転軸200の先端部はステージ210
に当接され、機械的に回転軸200を支持しているた
め、摩擦が生じるが、該先端部は先細の円錐形状に加工
され非常に小さい面積でステージ210と接触している
ため、たとえば従来の機械軸受などで生じた摩擦に比べ
て無視できる程度に非常に小さい摩擦である。したがっ
て、このような構成の軸受装置110によれば完全非接
触磁気軸受と同等の性能の軸受装置を簡単な構造で、制
御装置を必要とせず実現できる。
【0016】図2は第1実施例の軸受装置110を適用
したモータ300の構成を示す概略図である。なお、本
実施例のモータ300は永久磁石で作られた回転子を、
固定子巻線で作られる電磁力で引きつけて回転するPM
型ステッピングモータである。モータ300は、軸受装
置110に、さらに回転部310および駆動部320が
設けられた構成である。回転部310は回転子311お
よび固定子312よりなる。回転子311は、永久磁石
により構成され、12極に多極励磁されている。固定子
312は24の極歯を有し、2相に励磁される固定子で
ある。駆動部320は、固定子312の励磁巻線に直流
電源を順次切り換え接続する駆動回路である。また、こ
のモータ300の回転速度は、駆動部320内のパルス
発生回路のパルス周波数により制御される。
【0017】このようなモータ300によれば、回転軸
200はラジアル方向については非接触で支持されてい
るので、回転軸200がその偏心によりベアリングから
抗力を受けることが無い。したがって、その抗力が原因
で回転速度が限界となることがなく、より高速回転が可
能となる。すなわち、最大応答周波数が大きく応答性の
よいモータが実現可能となる。また、回転軸200が機
械的に支持されているのは、該回転軸先端部分の円錐形
の頂点を硬質材に当接している部位だけなので、機械音
がほとんど発生せず、騒音が少なく静かに駆動するモー
タが実現できる。さらに、摩擦部分がないため構成部品
が磨耗せず、したがって、耐久性のよいモータが実現で
きる。
【0018】図2に示したモータ300の動特性の実験
結果を示す。表1はモータ300の寸法を示す表であ
り、表2はこのモータ300を駆動したときの実験結果
を示す表である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】このように、軸受部に本発明の軸受装置1
10を用いた場合には、同様の形状、駆動回路で、ボー
ル軸受を用いたモータに比べて、最大応答周波数が大幅
に大きくなっている。また、駆動音も、機械音はほとん
ど聞こえず、電磁音がわずかに聞こえるのみの静かなモ
ータを実現することができた。
【0022】本発明の軸受装置の第2実施例を図3を参
照して説明する。図3は第2実施例の軸受装置120の
構成を示す概略図である。軸受装置120は回転軸20
0、ステージ210、磁力作用部220、および、第2
の磁力作用部230より構成される。回転軸200、ス
テージ210、および、磁力作用部220の構成および
作用は第1実施例と同一である。また、第2の磁力作用
部230は磁力作用部220と同一の構成および作用で
あり、回転軸200に設けられた円筒状磁石231と、
図示しない固定部に設けられた円環状磁石232とを有
する。円環状磁石232は、回転軸200上の円筒状磁
石231のステージ210側に、円筒状磁石231と所
定の小間隔を隔てて設けられている。円環状磁石232
の内径は円筒状磁石231の外径よりもわずかに大き
い。また、円筒状磁石231と円環状磁石232は同極
面を対向させて設けられている。
【0023】このように、第2実施例の軸受装置120
は、前述した第1実施例の軸受装置110の円筒状磁石
と円環状磁石からなる磁力作用部を2つ有する構成の軸
受装置である。そして、このような構成の軸受装置12
0においては、2つの磁力作用部220,230におい
て、各々回転軸200をラジアル方向に支持しているた
め、回転軸200の、軸回り以外の方向の回転移動(図
2においてY軸回りおよびZ軸回りの回転)も停止さ
せ、回転軸200をより安定的に支持することができ
る。
【0024】本発明の軸受装置の第3実施例を図4を参
照して説明する。図4は第3実施例の軸受装置130の
構成を示す概略図である。軸受装置130は回転軸20
0、ステージ210、第1の磁力作用部220、第2の
磁力作用部230、および、第3の磁力作用部240よ
り構成される。回転軸200、ステージ210、第1の
磁力作用部220、および、第2の磁力作用部230の
構成および作用は第2実施例と同一である。第3の磁力
作用部240は回転軸200に設けられた円筒状磁石2
41と、図示しない固定部に設けられた円環状磁石24
2とを有する。円環状磁石242は、円筒状磁石241
のステージ210とは逆側に、円筒状磁石241と所定
の小間隔を隔てて設けられている。円環状磁石242の
外径は円筒状磁石241の外径と同等の径である。ま
た、円筒状磁石231と円環状磁石232は同極面を対
向させて設けられている。
【0025】このように、第3実施例の軸受装置130
は、第2実施例の軸受装置120にさらに第3の磁力作
用部240を設けた構成である。第3の磁力作用部24
0のように円筒状磁石241と円環状磁石242を構成
すると、円筒状磁石241には、円環状磁石242と反
発する力が働く。つまり、円筒状磁石241を設けた回
転軸200に、スラスト方向のステージ210の向きへ
押す力が作用する。前述したように第1実施例の軸受装
置110、および、第2実施例の軸受装置120におい
て、既に回転軸200に対してはスラスト方向のステー
ジ210の向きへ押す力が作用した。しかし、たとえば
スラスト方向の負荷が大きい回転軸、あるいは、スラス
ト方向の負荷の変動が激しい回転軸など、回転軸200
に与えられる外部負荷などの影響によりスラスト方向に
回転軸200をより安定して支持したい場合には、本実
施例のようにスラスト方向にのみ直接的に磁力を及ぼす
第3の磁力作用部240を有する構成とするのが有効で
ある。
【0026】なお、第3実施例において第3の磁力作用
部240の円環状磁石242は、円筒状磁石241より
ステージ210とは逆側に同極面を対向させて設けるも
のとしたが、円筒状磁石241のステージ210側に異
極面を対向させて設けても同様の磁気作用を生じ、その
ような構成にしても何ら差し支えない。
【0027】本発明の軸受装置の第4実施例を図5を参
照して説明する。図5は第4実施例の軸受装置140の
構成を示す概略図である。軸受装置140は回転軸20
0、ステージ210、第1の磁力作用部250、第2の
磁力作用部260、および、第3の磁力作用部240よ
り構成される。回転軸200、ステージ210および第
3の磁力作用部240の構成および作用は第3実施例と
同一である。
【0028】第1の磁力作用部250および第2の磁力
作用部260は、各々第3実施例における軸受装置13
0の第1の磁力作用部220および第2の磁力作用部2
30の、円環状磁石と円筒状磁石の位置を入れ換えた構
造を有する磁力作用部である。つまり、第1の磁力作用
部250は回転軸200上に設けられた円筒状磁石25
1と、円筒状磁石251のステージ210の反対側に設
けられた円環状磁石252よりなる。円環状磁石252
は円筒状磁石251と所定の小間隔を隔てて設けられ、
円筒状磁石251の外径よりもわずかに大きい内径を有
する。また、この円筒状磁石251と円環状磁石252
は同極面(本実施例においてはS極)を対向させて設け
られている。第2の磁力作用部260も、第1の磁力作
用部250と同一の構成であり、回転軸200に設けら
れた円筒状磁石261のステージ210の反対側に、円
筒状磁石261と所定の小間隔を隔てて、円筒状磁石2
61の外径よりわずかに大きい内径を有する円環状磁石
262を設けたものである。
【0029】このような構成に各磁力作用部を配置すれ
ば、第1の磁力作用部250および第2の磁力作用部2
60においては、ラジアル方向の支持力とともに、スラ
スト方向のステージ210の逆の向き(─Xの向き)に
磁力f1 およびf2 が生じる。また、第3の磁力作用部
250においては前述のようにステージ210の向き
(Xの向き)に磁力f3 が生じる。回転軸200に接続
された負荷のスラスト方向の力f0 を考慮すると、数式
1に示す条件を満たせば回転軸200はスラスト方向に
安定して支持される。 f0 + f3 > f1 + f2 (1) このように、第4実施例の軸受装置140によれば、ス
ラスト方向のステージ210の向き、および逆向きの両
方について磁力を制御することができる。したがって、
回転軸200にかかる外部負荷の向き、大きさに応じ
て、前記第1〜第3の磁力作用部の磁力を制御すること
により、回転軸200のスラスト方向のステージ210
の向きの負荷を適切な大きさに制御することが可能で、
汎用的で性能の安定した軸受装置を実現できる。
【0030】本発明の第5実施例を図6を参照して説明
する。図6は第5実施例の軸受装置150の構成を示す
概略図である。軸受装置150は回転軸200、ステー
ジ210、第1の磁力作用部250、第2の磁力作用部
260より構成される。回転軸200、ステージ21
0、第1の磁力作用部250および第2の磁力作用部2
60の構成および作用は、いずれも前述した第4実施例
の軸受装置140と同一である。
【0031】第5実施例の軸受装置150は回転軸20
0を鉛直方向にとり、ステージ210により回転軸20
0の荷重を支えるようにして使用する軸受装置である。
第1の磁力作用部250および第2の磁力作用部260
において、円筒状磁石251および261は、各々円環
状磁石252および262の中心に支持されると同時
に、回転軸200に沿ってステージ210とは逆向きの
スラスト方向に磁力f1およびf2 が作用する。しか
し、回転軸200には重力f0 が作用するので、前記第
4実施例における第3の磁力作用部240のような回転
軸200にステージ210向きの力を加える手段がなく
とも、回転軸200は安定して支持される。このよう
に、重力、あるいは、回転軸200に接続される負荷に
より、外部からスラスト方向のステージ210向きの力
が加えられている場合には、磁力作用手段は回転軸20
0をラジアル方向にのみ支えればよいため、第5実施例
のように簡単な構造で実現できる。
【0032】本発明の軸受装置の第6実施例を図7を参
照して説明する。図7は第6実施例の軸受装置160の
構成を示す概略図である。軸受装置160は、回転軸2
90、ステージ210、第1の磁力作用部270、第2
の磁力作用部280、回転数検出部510、および、電
流制御部520より構成される。回転軸290は、先端
部がやや細くなり、所定の摩擦係数を有してステージ2
10と当接する。
【0033】ステージ210は、第1実施例と同一の構
成である。第1および第2の磁力作用部270および2
80は、第1実施例の磁力作用部220と同様の構成で
ある。すなわち、磁力作用部270、280は円筒状磁
石271、281と円環状磁石272、282よりな
る。円環状磁石272、282は回転軸290上の円筒
状磁石271、281のステージ210側に、円筒状磁
石271、281と所定の小間隔を隔てて設けられる。
その円環状磁石272、282の内径は、円筒状磁石2
71、281の外径よりもわずかに大きい。また、この
円筒状磁石271、281と円環状磁石272、282
は各々同極面を対向させて設けられている。さらに、円
環状磁石272、282は電磁石により構成されてい
る。回転数検出部510は回転軸290の回転数を検出
して、電流制御部520に出力する。
【0034】電流制御部520は、回転数検出部510
から入力された回転軸290の回転数に基づいて、円環
状磁石272、282に流す電流量を制御する。すなわ
ち、前記検出結果の回転数を予め定めた回転数と比較
し、その検出結果の回転数が予め定めた回転数より少な
い場合には円環状磁石272、282を構成する電磁石
に流す電流量を少なくし、検出結果の回転数が予め定め
た回転数よりも多い場合には、前記電流量を多くする。
これにより、電流量が少なくなると、円環状磁石27
2,282に励磁される磁界の強さが弱くなり、その結
果円筒状磁石271,281を円環状磁石272,28
2内に引き込む磁力も弱くなる。その結果、回転軸29
0をステージ210に押しつける力が弱くなり、回転軸
290とステージ210との当接部の摩擦が少なくなる
ため、回転軸290の負荷が少なくなり回転数が上が
る。また、前記電流量が多くなると、円環状磁石27
2,282に励磁される磁界が強くなり、円筒状磁石2
71,281を円環状磁石272,282内に引き込む
磁力が強くなり、その結果、回転軸290がステージ2
10に押しつける力が強くなる。したがって、回転軸2
90の回転方向の負荷が大きくなり回転数が下がる。
【0035】このように、第6実施例の軸受装置160
によれば、簡単な制御装置を用いることにより、回転軸
290の回転数をフィードバック制御することができ
る。回転軸290の駆動部にフィードバック制御を行う
のが困難な場合や、回転数の微調整を行う場合などに有
効である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の軸受装置に
おいては、回転軸を、ラジアル方向については磁気的に
非接触で支持し、また、スラスト方向についても簡単な
機械的手段により支持する。したがって、摩擦・磨耗が
非常に少なく、したがって耐久性があり、騒音・振動が
非常に少ない軸受装置が実現できる。また、本発明の軸
受装置においては、回転軸が高速回転し、偏心が生じて
も軸受装置からの抗力を受けないので、高速回転が可能
である。さらに、潤滑油が不必要なので、クリーンルー
ムなどの特殊雰囲気中でも使用可能である。また、完全
非接触な磁気軸受装置に比べ、性能はほぼ同等でありな
がら、制御装置が不要で、構造が簡単なので、安価で小
型な軸受装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の軸受装置の構成および作用を示す
概略図である。
【図2】第1実施例の軸受装置を適用したモータの構成
を示す概略図である。
【図3】第2実施例の軸受装置の構成を示す概略図であ
る。
【図4】第3実施例の軸受装置の構成を示す概略図であ
る。
【図5】第4実施例の軸受装置の構成を示す概略図であ
る。
【図6】第5実施例の軸受装置の構成を示す概略図であ
る。
【図7】第6実施例の軸受装置の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
110,120,130,140,150,160 軸
受装置 200,290 回転軸 210 ステージ 220,230,240,250,260,270,2
80 磁力作用部 221,231,241,251,261,271,2
81 円筒状磁石 222,232,242,252,262,272,2
82 円環状磁石 300 モータ 310 回転部 311 回転子 312 固定子 320 駆動部 410 磁力線 420,430 磁力 510 回転数検出部 520 電流制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 講夫 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社メカトロ・生産システム開発 センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸と、 前記回転軸に設けられ、その回転軸方向に沿って対向し
    て磁化された円筒状磁石と、 前記回転軸の周囲に前記円筒状磁石と所定の間隔を隔て
    て設けられ、前記円筒状磁石と協働してラジアル方向に
    前記回転軸を支持するように磁化されている円環状磁石
    と、 該回転軸のスラスト方向の移動を停止させるため回転軸
    の先端に当接させて設けられた係止手段とを有する軸受
    装置。
  2. 【請求項2】前記円環状磁石は、前記円筒状磁石の前記
    係止手段側に設けられ、前記円環状磁石および円筒状磁
    石は協働して、前記スラスト方向の前記係止手段の向き
    に該回転軸を指向させる請求項1記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】前記協働する円筒状磁石と円環状磁石を2
    組以上有し、前記回転軸の軸回り以外の方向の回転移動
    を抑止し、該回転軸を支持する請求項1または2記載の
    軸受装置。
  4. 【請求項4】前記回転軸に設けられ、該回転軸方向に沿
    って対向して磁化された第2の円筒状磁石と、前記回転
    軸の周囲に前記円筒状磁石と所定の間隔を隔てて設けら
    れ、前記円筒状磁石と協働して、前記スラスト方向の前
    記係止手段の向きに該回転軸を指向させるように磁化さ
    れている第2の円環状磁石とをさらに有する請求項1〜
    3いずれか記載の軸受装置。
  5. 【請求項5】前記回転軸は前記係止手段と当接する先細
    の円錐形状の先端部を有し、前記係止手段は硬質材によ
    り前記回転軸の前記先端部を当接させる面部を有するよ
    うに形成され、前記回転軸と前記係止手段とを摩擦が小
    さくなるように当接させた請求項1〜4いずれか記載の
    軸受装置
  6. 【請求項6】前記円環状磁石の少なくとも1つは永久磁
    石により構成される請求項1〜5いずれか記載の軸受装
    置。
  7. 【請求項7】前記円環状磁石の少なくとも1つは電磁石
    により構成される請求項1〜5いずれか記載の軸受装
    置。
  8. 【請求項8】前記係止手段は、前記回転軸の先端と所定
    の摩擦係数を有して当接し該回転軸をスラスト方向に支
    え、前記回転軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記検出された回転数に基づいて、前記電磁石の電流量
    を制御する制御手段とをさらに有し、前記回転軸のスラ
    スト方向に加わる負荷を制御し、該回転軸の回転数を制
    御する請求項7記載の軸受装置。
  9. 【請求項9】前記回転軸のラジアル方向の所定の大きさ
    以上の移動を機械的に停止させる保護軸受をさらに有す
    る請求項1〜8いずれか記載の軸受装置。
JP3937894A 1994-03-10 1994-03-10 軸受装置 Pending JPH07248022A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103089811A (zh) * 2011-11-02 2013-05-08 卓向东 具有磁稳定结构的多环互套轴向磁悬浮轴承

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