JPH0724740A - 研磨剤および研磨方法 - Google Patents

研磨剤および研磨方法

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JPH0724740A
JPH0724740A JP14418093A JP14418093A JPH0724740A JP H0724740 A JPH0724740 A JP H0724740A JP 14418093 A JP14418093 A JP 14418093A JP 14418093 A JP14418093 A JP 14418093A JP H0724740 A JPH0724740 A JP H0724740A
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JP
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water
buff
abrasive
surfactant
polishing
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JP14418093A
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Naoyuki Ito
直行 伊藤
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ITO KUROOMU KK
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ITO KUROOMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削、研削、鋳造、鍛造などにより製造した
金属加工品の表面を研磨する際に用いる研磨剤および研
磨方法であって、塩素系有機溶剤や炭化水素系有機溶剤
などを用いることなく、温水や水などを用いる水系洗浄
システムにおいて、研磨終了後の金属加工品の表面に残
存する研磨剤やバフカスが、容易に除去できるような研
磨剤および研磨方法を提供すること。 【構成】 硬度の高い微粒子とそれを保持する媒体とか
らなる研磨剤において、微粒子を保持する媒体が水溶性
の界面活性剤を含有することを特徴とする研磨剤。前記
研磨剤を回転するバフに付着させ、該バフに金属加工品
を押しつけることによりその表面を研磨することを特徴
とする研磨方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削、研削、鋳造、鍛
造などにより製造した金属加工品の表面を研磨し、光沢
を有する表面仕上げをする際に用いる研磨剤および研磨
方法に関する。
【0002】
【発明の概要】本発明は、切削、研削、鋳造、鍛造など
により製造した金属加工品の表面を研磨し、光沢を有す
る表面仕上げをする際に用いる研磨剤および研磨方法に
おいて、研磨剤に含まれる硬度の高い微粒子を保持する
媒体が水溶性の界面活性剤を含有することにより、研磨
終了後、金属加工品表面に残存する研磨剤を除去するに
あたり、トリクロルエチレンやトリクロルエタンなどの
塩素系有機溶剤や炭化水素系有機溶剤などを用いること
なく、温水や水などを用いる水系洗浄システムにおいて
容易に除去できるような研磨剤を提供することにある。
また、この研磨剤を用いた研磨方法をも提供することに
ある。
【0003】
【従来技術】金属加工品の表面にバフ研磨を施して光沢
を有する表面に仕上げる際に用いる研磨剤として、従来
使用されているものには、固形と液状のものとがある。
固形の研磨剤は、硬化油、牛脂、パラフィン、松脂、脂
肪酸などの油脂類を適当に配合し、これらを加熱、溶融
したのちに硬度の高い微粒子を練り合わせて成型したも
のである。この研磨剤を回転しているバフに圧着し、摩
擦熱により溶融した状態で移転付着させて使用する。硬
度の高い微粒子としては、溶融アルミナ、ケイ石、酸化
鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、炭化ケイ素、トリポリ
などがある。液状の研磨剤は、常温で流動性を有するエ
マルジョン型が一般的に用いられている。エマルジョン
型の研磨剤は、脂肪酸、硬化油、松脂など固形の研磨剤
に使用されている油脂類と水および乳化剤を適当に配合
してエマルジョンを形成したのち、これに固形の研磨剤
と同様な硬度の高い微粒子を均一に分散させた、比較的
粘度の高い組成物である。液状の研磨剤は、圧縮空気を
用いたスプレーガンにより回転するバフ表面に噴射供給
される。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点および目的】しかし、
前述の従来技術は、以下に述べるような問題点を有す
る。金属加工品の表面をバフ研磨する場合、研磨によっ
て金属加工品の表面が光沢を有する状態となるのに伴
い、研磨剤とバフ材料が混ざり合ってできるバフカスが
表面に多量に付着する。付着量はバフ研磨の方法、条
件、研磨剤の種類と使用量、金属加工品の形状などに大
きく依存する。特に、複雑な形状や凹凸部分を有する金
属加工品の場合、その付着量は著しく増加する。通常、
研磨終了後にこのバフカスを除去するために洗浄を施さ
なければならない。研磨によって金属加工品が完成する
場合には、バフカスの大部分が除去されれば洗浄の目的
は達成されるが、研磨後、金属加工品にメッキや塗装な
どの表面処理を施さなければならない場合、洗浄による
バフカスの除去は厳密に行なう必要がある。このバフカ
スの除去が不完全な場合には、メッキや塗装によって形
成される被膜の密着不良という重大な問題を引き起こす
原因となる。研磨後にメッキや塗装を施して使用する金
属加工品には、亜鉛合金、アルミ合金、銅合金、鋳鉄な
どからなる鋳造品が多く、通常は表面および内部に多く
のピンホールを有している。こうした金属加工品を研磨
するとこのピンホールにバフカスが入ってしまうため、
洗浄は入念に行なわなければならない。従来技術におけ
るバフ研磨剤は、固形、液状のいずれにしても、硬度の
高い微粒子を保持する媒体の主成分が油脂類であるた
め、バフカスの洗浄除去には有機溶剤あるいは特殊な界
面活性剤を高濃度に含む洗浄剤を用いるのが一般的であ
る。バフカスの洗浄、除去に用いられる有機溶剤には大
別してトリクロルエタン、トリクロルエチレンなどの塩
素系有機溶剤と炭化水素系有機溶剤とがあり、以下に述
べるような問題点を有する。トリクロルエタンはオゾン
層破壊物質であるため、1995年に全廃が決定してい
る。また、トリクロルエチレンも環境汚染物質として地
下水や大気の汚染などの環境問題が表面化し、工場排水
濃度が定められ、続いて大気中濃度の指針値が定められ
るにいたり、今後の使用はますます制限されるものと思
われる。また、炭化水素系溶剤に関しては現時点で環境
基準値などの設定はなされていないものの、通常引火性
を有する危険物に属しているため、取り扱いに当たって
は厳重な注意が必要である。特に強固に付着したバフカ
スの除去にあたっては、金属加工品の入った炭化水素系
溶剤に超音波振動を加えたり、あるいは加熱したりしな
ければならないため溶剤の温度上昇をまねき、引火など
の危険性が高くなってしまう。特殊な界面活性剤を高濃
度に含む洗浄剤を用いてバフカスを除去する場合には、
以下に述べるような問題点を有する。通常市販されてい
るバフカス除去用の洗浄剤は、種々の界面活性剤を高濃
度に含んでおり、被洗浄物である金属加工品による洗浄
液の汲み出しのために、工場排水中のBOD、COD濃
度を上昇させてしまう。また、金属加工品から除去され
たバフカスによる洗浄液の汚れ方も著しく、洗浄液の寿
命が短いうえに老化した洗浄液には研磨剤中の油分が大
量に含まれているため、通常の生物化学的な排水処理施
設では処理ができない。このため、廃棄物処理の専門業
者や洗浄剤の販売元に依頼して、老化した洗浄液を有償
で処分してもらわなければならないため、洗浄に伴う経
費が高くなる。そこで、本発明はこのような問題点を解
決するもので、その目的とするところは、有機溶剤や特
殊な界面活性剤を高濃度に含む洗浄剤などを用いること
なく、バフカスの除去が容易にできるような研磨剤を提
供することにある。また、上述の研磨剤を用いた研磨方
法をも提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明に係る研磨剤は、
硬度の高い微粒子を保持する媒体が水溶性の界面活性を
含有することを特徴とする。 また、硬度の高い微粒子
を保持する媒体に含まれるところの界面活性剤が、少な
くとも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩と少なくと
も一種類以上の多糖類とからなる界面活性剤を含有する
ことをも特徴とし、加えて、硬度の高い微粒子を保持す
る媒体が水溶性の界面活性剤と油脂類を含有することを
も特徴とする。本発明に係る研磨方法は、上述の研磨剤
を回転するバフに付着させ、該バフに金属加工品を押し
つけることによって、該金属加工品の表面を研磨するこ
とを特徴とする。
【0006】
【作用】今日、水溶性の界面活性剤は非常に多くの種類
が多方面で使用されている。そのなかでも「せっけん」
に代表される脂肪酸のアルカリ金属塩は、固形でも液状
でも使用できる界面活性剤で、特に固形として使用する
場合は比較的容易に成形ができ、しかもバフ用の固形の
研磨剤に必要とされる適当な固さと粘りを持っている。
この脂肪酸のアルカリ金属塩を媒体として、その中に硬
度の高い微粒子を分散させたものを研磨剤として使用す
れば、バフカスとして金属加工品に付着した研磨剤が、
有機溶剤などを使用しなくとも、水または温水などの中
で比較的容易に溶解し、金属加工品から除去される可能
性がある。脂肪酸のアルカリ金属塩のみを媒体として固
形の研磨剤を製造した場合、従来使用されているような
油脂類を媒体とする研磨剤に比べてバフに対する「なじ
み」が悪く、十分な量の研磨剤がバフに付着しないこと
がある。このような場合、脂肪酸のアルカリ金属塩に多
糖類を添加すると油分に対する乳化力が極めて強くなる
ことを利用して適当な油脂類などを適当量添加し、これ
を研磨剤の媒体とすることにより、バフに対する「なじ
み」を向上できる可能性がある。添加した油脂類は脂肪
酸のアルカリ金属塩と多糖類による乳化作用によって媒
体中に均一に分散させることができ、硬度の高い微粒子
も同時に媒体中に均一に分散させることができる。ま
た、上述のごとく、脂肪酸のアルカリ金属塩などのよう
な水溶性の界面活性剤を媒体とする研磨剤を回転するバ
フに付着させ、該バフに金属加工品を押しつけることに
よって、該金属加工品の表面を研磨した場合、バフカス
として金属加工品に付着した研磨剤が水または温水など
の中で比較的容易に溶解し、金属加工品から除去される
可能性がある。
【0007】
【実施例】以下、実施例に従って、本発明の説明をさら
に詳しく行なう。
【実施例1】水400mlにトコロテン(テングサなど
の海藻を熱湯で抽出した成分を冷却凝固したもので、天
然の中性多糖類)300gを加熱溶解して得られる溶
液、あるいは、水600mlにカンテン(前述のトコロ
テンを凍結乾燥したもの)6gを加熱溶解して得られる
溶液に、水酸化ナトリウム300gを加える。均一に溶
解した後、液温を80〜90°Cに保ち、激しく撹拌し
ながらべにばな油2000mlを徐々に加える。添加終
了後、得られた混合液を80〜90°Cに保ちながら、
混合液の粘度が上昇してクリーム状になるまで撹拌を続
ける。以上のようにして、研磨剤の媒体となる水溶性の
界面活性剤であるところの、多糖類を含む脂肪酸のアル
カリ金属塩が製造される。しかる後に、適当な粒度の溶
融アルミナ、ケイ石、酸化鉄、焼成アルミナ、酸化クロ
ム、炭化ケイ素、トリポリなどの微粒子800gを添加
する。十分に撹拌して均一になったら適当な形状の容器
に移し、冷却、放置すると固化して固形の研磨剤が製造
された。上記の工程により製造された本発明に係る研磨
剤を、バフの表面速度毎分1500〜2200メートル
で回転する綿バフに塗布、付着させ、亜鉛合金、銅合金
などの金属加工品を研磨したところ、本発明に係る研磨
方法においては、硬度の高い微粒子の種類、粒度、含有
量が同じ場合、油脂類を媒体とする研磨剤を用いた従来
の研磨方法と同等の研磨性能を示し、光沢面が得られ
た。本発明に係る研磨剤および研磨方法によってバフカ
スが多量に付着したバフ済みの金属加工品を50°C位
に加熱した温水または水に浸せきし、揺動したところ、
バフカスはただちに温水または水の中に溶解、除去され
た。金属加工品の形状が複雑だったり、凹凸を有する場
合には、超音波振動を温水または水および金属加工品に
加えることにより容易にバフカスの除去ができた。以上
のように、本発明に係る研磨剤および研磨方法において
は、有機溶剤や特殊な界面活性剤を含む洗浄剤などを使
用しなくとも温水または水による洗浄のみで、バフカス
が容易に除去できるようになった。研磨を施す金属加工
品に対して、研磨の前工程において切削など油分を必要
とする機械加工が行なわれている場合には、油分も除去
できるような界面活性剤を含む洗浄剤を用いた水系洗浄
システムにおいて洗浄を行なえば、バフカスと油分が同
時に除去できるし、油分を除去してから研磨を行なえば
温水または水のみでバフカスの除去ができる。前述の方
法によって製造される本発明に係る研磨剤において、そ
の媒体となる水溶性の界面活性剤の原料として、脂肪酸
の供給源には上述のべにばな油のほかに、大豆油、コー
ン油、なたね油、オリーブ油、ヤシ油、綿実油などのご
とく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸などの脂肪酸を少な
くとも一種類以上含むものであれば、すべてが使用可能
である。また、アルカリ金属の原料としては、水酸化ナ
トリウムのほか水酸化カリウムも使用可能である。ま
た、脂肪酸のアルカリ金属塩と同様に、界面活性剤に含
まれる多糖類の供給源としては、前述のトコロテン、カ
ンテンのほか、粉末カンテン(食用として市販されてい
るものでもよい)はもちろんのこと、小麦粉、カタクリ
粉、水あめ、ハチミツなどのごとく、デンプン、サッカ
ロース、アガロース、セルロースなどの多糖類およびそ
れらの誘導体または分解生成物などを、少なくとも一種
類以上含むものであれば、すべてが使用可能である。こ
れらの原料を任意の種類および組成で組み合わせて製造
される研磨剤、すなわち少なくとも一種類以上の脂肪酸
のアルカリ金属塩と少なくとも一種類以上の多糖類から
なる界面活性剤を媒体とする研磨剤は、いずれも前述の
研磨剤と同等の特性を示し、そのすべてが本発明に含ま
れるものである。研磨剤の固さ、脆さ、使用するバフに
対する「なじみ」易さは、脂肪酸の種類と組成により変
えられるので、用途に応じて選択すればよい。このほ
か、水溶性の界面活性剤として溶解性や洗浄力に優れ
た、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、ポ
リオキシエチレン系界面活性剤などの合成界面活性剤ま
たは助剤である炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナ
トリウムなどを前述の製造工程において添加し、脂肪酸
のアルカリ金属塩または多糖類と併用することによりバ
フカスの溶解、除去性が向上できた。これらもすべてが
本発明に含まれるものである。しかし、合成界面活性剤
の使用はバフカスが溶解した温水または洗浄液の排水処
理を困難なものとし、また助剤の使用は金属加工品がア
ルカリと接触することになるので、これらの使用にあた
っては濃度や成分について注意を必要とする。
【実施例2】水600mlに水酸化ナトリウム300g
を加える。均一に溶解した後、液温を80〜90°Cに
保ち、激しく撹拌しながらべにばな油2000mlを徐
々に加える。添加終了後、得られた混合液を80〜90
°Cに保ちながら、混合液の粘度が上昇してクリーム状
になるまで撹拌を続ける。以上のようにして、研磨剤の
媒体となる水溶性の界面活性剤であるところの脂肪酸の
アルカリ金属塩が製造される。しかる後に実施例1と同
様にして、適当な粒度の溶融アルミナ、ケイ石、酸化
鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、炭化ケイ素、トリポリ
などの微粒子800gを添加する。十分に撹拌して均一
になったら適当な形状の容器に移し、冷却、放置すると
固化して固形の研磨剤が製造された。実施例1に示した
各種脂肪酸の供給源すべてに対して、ナトリウム塩、カ
リウム塩、あるいはその混合物からなる界面活性剤、す
なわち少なくとも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩
からなる界面活性剤を媒体とする研磨剤が本実施例と同
様にして製造できた。これらすべてが本発明に含まれる
ものである。本実施例により得られた研磨剤とこれを用
いた研磨方法において、金属加工品に対する研磨能力お
よび付着したバフカスの溶解、除去性は、実施例1に示
した研磨剤および研磨方法における結果と同等であっ
た。
【実施例3】実施例1または2において固形の研磨剤の
媒体となっている水溶性の界面活性剤、具体的には、少
なくとも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩と少なく
とも一種類以上の多糖類を含む界面活性剤または、少な
くとも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩からなる界
面活性剤、あるいは上記の界面活性剤にその他の水溶性
界面活性剤を加えたものなどの適当量を水または温水に
溶解し、しかる後に、実施例1に示したような硬度の高
い微粒子を適当量加えて十分に撹拌することにより、本
発明に係る液状の研磨剤を得た。この場合、液状の研磨
剤は放置すると微粒子が沈澱したり、界面活性剤の一部
が析出したりすることがあるので、使用に先立って加熱
しながら撹拌するなどして均一な液状にする必要があ
る。具体的には、水400ml、トコロテン300g、
水酸化ナトリウム300g、べにばな油2000mlま
たは、水600ml、カンテン6g、水酸化カリウム4
20g、べにばな油2000mlから実施例1と同様に
して製造される界面活性剤あるいは、水600ml、水
酸化ナトリウム300g、べにばな油2000mlまた
は、水600ml、水酸化カリウム420g、べにばな
油2000mlから実施例2と同様にして製造される界
面活性剤のいずれか200gを温水または水1500m
lに溶解した後、撹拌しながら適当な粒度の溶融アルミ
ナ、ケイ石、酸化鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、炭化
ケイ素、トリポリなどの微粒子を300g添加し、均一
になるまで十分に撹拌して本発明に係る液状の研磨剤を
得た。上記の液状の研磨剤を通常用いられているエアー
スプレー方式により、スプレーガンから空気圧を利用し
て、回転する綿バフ表面に噴射供給し、本発明に係る研
磨方法によって金属加工品の研磨を行なったところ、実
施例1および2に従って製造した固形の研磨剤を用いた
場合と同等の研磨能力が確認できた。スプレーガンによ
る液状研磨剤の噴射状態は、主として粘度に依存する
が、これは界面活性剤と添加する微粒子の濃度およびそ
の種類と組成によって変えることができるので、研磨作
業の内容に応じて決めればよい。本発明に係る研磨剤お
よび研磨方法によってバフカスが多量に付着したバフ済
みの金属加工品を50°C位に加熱した温水または水に
浸せきし、揺動したところ、バフカスはただちに温水ま
たは水の中に溶解、除去された。金属加工品の形状が複
雑だったり、凹凸を有する場合には、超音波振動を温水
または水および金属加工品に加えることにより容易にバ
フカスの除去ができた。上述のバフカス除去性について
も、実施例1および2に従って製造した固形の研磨剤と
同等であった。本実施例において使用可能となる、少な
くとも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩と少なくと
も一種類以上の多糖類を含む界面活性剤または、少なく
とも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩からなる界面
活性剤を製造する際の原料としては、実施例1および2
と同様に、脂肪酸の供給源としては、上述のべにばな油
のほかに、大豆油、コーン油、なたね油、オリーブ油、
ヤシ油、綿実油などのごとく、ラウリン酸、ミリスチン
酸、バルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸などの脂肪酸を少なくとも一種類以上含むものであ
れば、すべてが使用可能である。また、アルカリ金属の
供給源としては、水酸化ナトリウムのほか水酸化カリウ
ムも使用可能である。また、脂肪酸のアルカリ金属塩と
同様に、媒体に含まれる多糖類の供給源としては、前述
のトコロテン、カンテンのほか、粉末カンテン(食用と
して市販されているものでもよい)はもちろんのこと、
小麦粉、カタクリ粉、水あめ、ハチミツなどのごとく、
デンプン、サッカロース、アガロース、セルロースなど
の多糖類、およびそれらの誘導体または分解生成物など
を、少なくとも一種類以上含むものであれば、すべてが
使用可能である。これらの原料を任意の種類および組成
で組み合わせて、前述と同様の方法で製造される研磨剤
はいずれも前述の研磨剤と同等の特性を示し、そのすべ
てが本発明に含まれるものである。また、上述の水溶性
界面活性剤に実施例1と同様にして、アルキルベンゼン
スルホン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレン系界
面活性剤などの合成界面活性剤または助剤である炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウムなどを前述の
製造工程において添加し、脂肪酸のアルカリ金属塩また
は多糖類と併用することにより、実施例1と同じくバフ
カスの溶解、除去性が向上できた。これらもすべてが本
発明に含まれるものである。
【実施例4】ヤシ油、パーム油などを脂肪酸の供給源と
して製造した脂肪酸のアルカリ金属塩からなる「純せっ
けん」200gを温水または水1500mlに溶解した
後、撹拌しながら適当な粒度の溶融アルミナ、ケイ石、
酸化鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、炭化ケイ素、トリ
ポリなどの微粒子を300g添加し、均一になるまで十
分に撹拌して本発明に係る液状の研磨剤を得た。上記の
液状の研磨剤とこれを用いた研磨方法において、金属加
工品に対する研磨能力および付着したバフカスの溶解、
除去性は、実施例3の研磨剤および研磨方法における結
果と同等であった。以上の実施例で示した固形の研磨剤
は、研磨剤の媒体が水溶性の界面活性剤のみからなるも
のであったが、これらの場合従来使用されている油脂類
を媒体とする固形の研磨剤に比べ、バフに対する「なじ
み」が悪く、回転するバフに同一条件で圧着した場合、
バフへの付着量が少なくなる傾向が見られた。この傾向
は上述の実施例において、研磨剤の製造工程の中で油脂
分を適量添加することにより改善できた。脂肪酸のアル
カリ金属塩と多糖類からなる界面活性剤は多糖類の働き
により油分に対して優れた乳化力を示す。この乳化力に
より、固形の研磨剤中に油脂類を分離することなく均一
に混合でき、研磨剤のバフに対する「なじみ」を向上す
ることができた。添加する油脂類の量が少量のうちは、
研磨剤がバフカスとして金属加工品に付着した場合で
も、界面活性剤に乳化されたままの状態で水または温水
により容易に溶解、除去されるが、油脂類の添加量が過
剰になるとバフカスの溶解、除去性が低下し、油脂類が
金属加工品の表面に残ることがある。このため、添加す
る油脂類の種類と量は、固形の研磨剤の媒体である界面
活性剤の種類と組成および製造された研磨剤の特性など
を考慮しながら決める必要がある。以下に具体例を示
す。
【実施例5】水400mlにトコロテン(テングサなど
の海藻を熱湯で抽出した成分を冷却凝固したもので、天
然の中性多糖類)300gを加熱溶解して得られる溶
液、あるいは、水600mlにカンテン(前述のトコロ
テンを凍結乾燥したもの)6gを加熱溶解して得られる
溶液に、水酸化ナトリウム300gを加える。均一に溶
解した後、液温を80〜90°Cに保ち、激しく撹拌し
ながらべにばな油2000mlを徐々に加える。添加終
了後、得られた混合液を80〜90°Cに保ちながら、
混合液の粘度が上昇してクリーム状になるまで撹拌を続
ける。以上のようにして、研磨剤の媒体となる水溶性の
界面活性剤であるところの、脂肪酸のアルカリ金属塩が
製造される。続いて、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノ
ール酸などの脂肪酸、硬化油、牛脂、パラフィン、松脂
の油脂類を必要とする研磨剤の特性に応じて100〜3
00g程度加える。加える油脂類の種類と量は得られた
研磨剤のバフに対する「なじみ」易さやバフカスの溶
解、除去性などを見ながら調整する。油脂類を添加した
後、前述の脂肪酸のアルカリ金属塩により乳化されて均
一になったら、撹拌しながら適当な粒度の溶融アルミ
ナ、ケイ石、酸化鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、炭化
ケイ素、トリポリなどの微粒子を800g添加し、均一
になるまで十分に撹拌し、適当な形状の容器に移して冷
却、放置すると固化し、本発明に係る固形の研磨剤が製
造された。脂肪酸のアルカリ金属塩にトコロテン、カン
テンなどの多糖類を添加して得られる界面活性剤は油分
の乳化力に優れているので、上述の実施例において添加
した油脂類は一度乳化されて均一になると、固化した後
に油分のみがしみだしてくることもないし、また油脂類
の添加量が適量であれば、バフカスとして研磨後の金属
加工品に付着した場合でも乳化したままの状態で容易に
温水または水に溶解するので、実施例1および2で製造
された研磨剤と同等のバフカスの溶解、除去性を示し
た。上述の研磨剤をバフの表面速度毎分1500〜22
00メートルで回転する綿バフに塗布、付着させたとこ
ろ、実施例1、2における研磨剤に比べてバフに対する
付着性が向上し、研磨剤の損失量が減少した。添加する
油脂類の量が多いほど研磨剤のバフに対する「なじみ」
がよくなり、付着性は向上する傾向にあったが、量が多
過ぎるとバフカスの溶解、除去性が低下したり、洗浄後
の金属加工品の表面に油分が残ったりするので油脂類の
添加量には注意を要する。また、上述の研磨剤を用い
て、本発明に係る研磨方法により金属加工品を研磨した
ところ、実施例1、2における研磨剤および研磨方法に
おける研磨能力と同等の結果が得られた。研磨剤の媒体
となる界面活性剤の原料として用いる脂肪酸、多糖類な
どの供給源としては実施例1に示したものすべてが使用
可能で、原料の供給源の種類と量を自由に組み合わせて
できる研磨剤のすべてが本発明に含まれるものである。
また、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、
ポリオキシエチレン系界面活性剤などの水溶性の界面活
性剤を適量添加して、バフカスの溶解、除去性が向上で
きることも実施例1と同様であり、得られた研磨剤のす
べてが本発明に含まれるものである。本実施例の研磨剤
においては、媒体である水溶性の界面活性剤と添加する
油脂類の種類と組み合わせをそれぞれ適当に変えること
により、研磨剤の固さ、脆さ、バフに対する付着性など
を広範囲にわたって変えることができるので用途に応じ
て決めればよい。
【0008】
【効果】以上述べたように、本発明によれば、硬度の高
い微粒子とそれを保持する媒体とからなる研磨剤におい
て、硬度の高い微粒子を保持する媒体が水溶性の界面活
性剤を含有することにより、また、硬度の高い微粒子を
保持する媒体に含まれるところの界面活性剤が、少なく
とも一種類以上の脂肪酸のアルカリ金属塩と少なくとも
一種類以上の多糖類とからなる界面活性剤を含有するこ
とにより、あるいは、硬度の高い微粒子を保持する媒体
が水溶性の界面活性剤と油脂類を含有することにより、
金属加工品に付着して残留するバフカスを除去する際
に、有機溶剤や特殊な界面活性剤などを含む洗浄剤を使
用することなく、温水または水などを用いる水系洗浄シ
ステムにより容易に除去できるようになった。また、本
発明によれば、上述の研磨剤を回転するバフに付着さ
せ、該バフに金属加工品を押しつけることによって、該
金属加工品の表面を研磨する際に、金属加工品に付着し
て残留するバフカスを、温水または水などを用いる水系
洗浄システムにより容易に除去できるようになった。し
かも、バフカスを溶解、除去させた温水または水などの
排水中に含まれる成分は、研磨剤の媒体である水溶性の
界面活性剤と金属加工品が研磨されて生ずる金属分であ
る。特に、水溶性の界面活性剤が合成界面活性剤などを
含まず、脂肪酸のアルカリ金属塩と多糖類または脂肪酸
のアルカリ金属塩のみからなる場合、バフカスを溶解、
除去させた排水は金属分に対して通常の凝集、沈澱処理
を施せば、残留する成分は生物化学的分解性のよいもの
だけであるため、通常の生物化学的な排水処理方法によ
り処理できるほか、下水道や一般河川に放流しても環境
保護上の問題はまったくない。地球環境の保護に対する
意識が高まり、有機溶剤などの使用制限が進むなかで、
本発明に係る研磨剤および研磨方法が環境保全に寄与し
つつ、金属加工品の研磨作業やその表面処理などに関す
る分野に対して貢献するところ極めて大きいものと確信
する。
【図面の簡単な説明】
図面なし。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】削除

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬度の高い微粒子とそれを保持する媒
    体とからなる研磨剤において、前記微粒子を保持する媒
    体が水溶性の界面活性剤を含有することを特徴とする研
    磨剤。
  2. 【請求項2】 硬度の高い微粒子を保持する媒体に含
    まれるところの界面活性剤が、少なくとも一種類以上の
    脂肪酸のアルカリ金属塩と少なくとも一種類以上の多糖
    類とからなる界面活性剤を含有することを特徴とする請
    求項1の研磨剤。
  3. 【請求項3】 硬度の高い微粒子を保持する媒体が水
    溶性の界面活性剤と油脂類を含有することを特徴とする
    請求項1の研磨剤。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の研磨剤を回転
    するバフに付着させ、該バフに金属加工品を押しつける
    ことによって、該金属加工品の表面を研磨することを特
    徴とする研磨方法。
JP14418093A 1993-05-10 1993-05-10 研磨剤および研磨方法 Pending JPH0724740A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09232260A (ja) * 1996-02-22 1997-09-05 Sony Corp 研磨板、その製造方法および研磨方法
US6383240B1 (en) 1999-09-30 2002-05-07 Jsr Corporation Aqueous dispersion for chemical mechanical polishing

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US6383240B1 (en) 1999-09-30 2002-05-07 Jsr Corporation Aqueous dispersion for chemical mechanical polishing

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