JPH07247288A - 2,3−ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

2,3−ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体及びその製造方法

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JPH07247288A
JPH07247288A JP6065424A JP6542494A JPH07247288A JP H07247288 A JPH07247288 A JP H07247288A JP 6065424 A JP6065424 A JP 6065424A JP 6542494 A JP6542494 A JP 6542494A JP H07247288 A JPH07247288 A JP H07247288A
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JP
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lower alkylamino
solvent
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Masaru Matsuoka
賢 松岡
Yoshimasa Matsushima
義正 松嶋
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、Y,Zは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基を示す。ただ
し、Y,Zの少なくとも一方がジ低級アルキルアミノ基
である。)で表される2,3−ジシアノベンゾフロ
[2,3−b]ピラジン誘導体、及びその製造方法。 【効果】 本発明の2,3−ジシアノベンゾフロ[2,
3−b]ピラジン誘導体(1)は、強い蛍光特性を示す
新規な化合物であり、様々な用途に応用することのでき
る、工業的に優れた有用な化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光特性を持つ新規化
合物である2,3−ジシアノベンゾフロ[2,3−b]
ピラジン誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光特性を有する化合物は、インキ、塗
料、情報表示装置、信号器具、光電池における波長変
換、蛍光(発光)材料などの様々な用途に利用されてい
る。蛍光塗料、インキは広告、宣伝、装飾、標識、計器
など広い分野で使用されているが、陽射しの当たる屋外
で使用されることも多いので高い蛍光性はもちろん、光
堅牢性が要求される。又、一般的に蛍光塗料、インキは
隠蔽力、又耐久性に劣るため、下地を白色にしてから2
〜3回重ね塗りすることが必要となる。その作業は煩雑
であり、より隠蔽力、耐久性に優れたものが求められ
る。
【0003】又、蛍光化合物は、光エネルギ−を他のエ
ネルギ−に変換する際に波長変換のために利用される。
例えば、光電池において、入射光の波長が半導体層の吸
収スペクトルに適合していないと電子エネルギ−の変換
効率は低下する。すなわち、エネルギ−の変換効率は入
射光の波長に依存する。よって、このエネルギ−の変換
効率を高めるためには、入射光の波長を半導体の吸収ス
ペクトルに適合するような最も効率の良い波長へ変換す
る必要がある。従って、特定の波長へ変換するべく適切
な蛍光化合物が必要となる。
【0004】又、この場合、吸収と蛍光のスペクトルを
重ね合うべく、複数の色素を選択、組み合わせて、入射
光の波長を必要な波長へ変換することができる(集光色
素系)。たとえれば、いろいろな絵の具を混ぜ合わせて
目的の微妙な色を調製するようなものである。従って、
様々な種類の蛍光化合物が必要となる。
【0005】又、近年、有機化合物のエレクトロルミネ
ッセンス(EL)を利用した素子の研究が活発に行われ
ている。C.W.Tangらは、1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエンを発光材料として用い
た有機エレクトロルミネッセンス素子を作製している
(特開昭59−194393号公報)。又、蛍光性の8
−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体とジアミン系化
合物を用いて、高輝度でかつ低電圧駆動の有機エレクト
ロルミネッセンス素子を得ている報告もある(App
l.Phys.Lett.,51,913,198
7)。
【0006】しかしながら、上述のような1,1,4,
4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンや8−ヒドロ
キシキノリンアルミニウム錯体は発光が劣化し易く、安
定なEL素子を得るにあたってはなお課題があった。従
って、高い発光性(蛍光性)を有し、かつ熱安定性に優
れた、すなわち発光性(蛍光性)を持続できる発光材料
の開発が切望されていた。以上のように様々な用途のニ
−ズに答えるべく新しい蛍光物質の開発が望まれてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
したような様々な用途における要求に答えるべく新しい
蛍光化合物並びにその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者らは様々な化合物について鋭意研究を行っ
た結果、新規化合物である次の一般式(1)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、Y,Zは、水素原子、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基を
示す。ただし、Y,Zの少なくとも一方がジ低級アルキ
ルアミノ基である。)で表される2,3−ジシアノベン
ゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体が、強い蛍光性を
示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、上述した新規化合物
である2,3−ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラ
ジン誘導体(1)を提供する。ここで、本発明化合物
(1)のY,Zは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基を示す。ただ
し、Y,Zの少なくとも一方がジ低級アルキルアミノ基
である。
【0012】低級アルキル基としては炭素数1〜4個の
アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−ブチル基等が挙げられる。低級アルコキシ基と
しては炭素数1〜4個のアルコキシ基、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、n−ブチルオキ
シ基等が挙げられる。又、ジ低級アルキルアミノ基とし
ては、炭素数1〜4個のアルキル基置換のアミノ基、例
えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピ
ルアミノ基等が挙げられる。
【0013】具体的な化合物を以下の表1及び表2に例
示する。なお、表中、Meはメチル基を、Etはエチル
基を、Prはプロピル基を、又Btはn−ブチル基を示
す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】すなわち、 例示化合物NO.1〜8に
代表される、Y,Zのどちらか一方が水素原子で、他方
がジ低級アルキルアミノ基である化合物、 例示化合
物NO.9〜16に代表される、Y及びZが共にジ低級
アルキルアミノ基である化合物、 例示化合物NO.
17〜19、23〜25に代表される、Y,Zのどちら
か一方がジ低級アルキルアミノ基で、他方が低級アルキ
ル基である化合物、例示化合物NO.20〜22、2
6〜28に代表される、Y,Zのどちらか一方がジ低級
アルキルアミノ基で、他方が低級アルコキシ基である化
合物、が挙げられる。この中でも特に好ましいのは、
例示化合物NO.1〜8に代表される、Y,Zのどちら
か一方が水素原子で、他方がジ低級アルキルアミノ基で
ある化合物、である。
【0017】又、本発明は、新規化合物である2,3−
ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体
(1)の製造方法を提供する。すなわち、次の一般式
(2)
【0018】
【化9】
【0019】(式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表
される2,3−ジハロゲノ−5,6−ジシアノピラジン
と、次の一般式(3)
【0020】
【化10】
【0021】(式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基
を示し、A,Bは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基を示す。ただ
し、A,Bの少なくとも一方はジ低級アルキルアミノ基
である。)で表されるフェノ−ル誘導体とを、適当な溶
媒の存在下加熱、及びアルカリ又は酸で処理して環化さ
せることを特徴とする、次の一般式(1)
【0022】
【化11】
【0023】(式中、Y,Zは、YがAのときZはBを
示し、YがBのときZはAを示す)で表される2,3−
ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体の製
造方法を提供するものである。
【0024】上記した一般式(2)と一般式(3)との
反応を反応式で示すと以下のとおりである。
【0025】
【化12】
【0026】(式中、X,R,A,B,Y,Zは前記と
同様の意味を示す) ここで、加熱、及びアルカリ又は酸での処理について
は、その順序はどちらでもよく、上記反応式は加熱を最
初にした場合を説明したものである。
【0027】さらに、本発明反応は、次の反応式、化1
3及び化14に示されるように、さらに詳細に説明され
る。
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】すなわち、化合物(3)のR、A及びBの
関係で、化合物(3)の反応部位が(II)位の場合と
(VI)位の場合とがある。(II)位で反応した場合
には本発明化合物(1)のYはA、ZはBとなるが、一
方(VI)位で反応した場合にはYはB、ZはAとな
る。
【0031】出発化合物(2)のXはハロゲン原子を示
すが、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は
ヨウ素原子を示し、特に塩素原子が好ましい。出発化合
物(3)のRは水素原子又は水酸基の保護基を示し、水
酸基の保護基としては特に限定されないが、具体的には
一般式、−CH2YR’(式中、Yは酸素原子又はイオ
ウ原子を示し、R’は炭素数1〜4の低級アルキル基を
示す。)で表される基、ベンジル基又はテトラヒドロピ
ラニル基が挙げられ、基−CH2YR’が好ましい。そ
の中でも、Yが酸素原子であるメトキシメチル基、エト
キシメチル基に代表される基−CH2OR’が特に好ま
しい。又、出発化合物(3)のA,Bは、上述したよう
にY,Z又はZ,Yに対応し、具体的には前述したY,
Zの例が挙げられる。
【0032】本発明反応は適当な溶媒の存在下行われる
が、溶媒としてはメタノール、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル類、ヘキサン等の脂肪族化合物、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、酢酸エチル
等が挙げられ特に限定されないが、アルコール類が好ま
しい。
【0033】加熱温度は10〜250℃、好ましくは2
0〜150℃、加熱時間は1〜100時間、好ましくは
5〜30時間で行うことができる。
【0034】アルカリ又は酸での処理については、上記
反応溶液にアルカリ又は酸を加えて、必要に応じて加温
することにより行われるが、化合物(3)のRによっ
て、アルカリを用いるか酸を用いるかが左右される。す
なわち、Rが水素原子である場合にはアルカリを用いる
とよく、Rが基−CH2YR’、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基のような水酸基の保護基である場合には
酸を用いるとよい。ここで、フェノール誘導体(3)の
Rが水素原子の場合に、加熱温度を100〜150℃位
で反応を行うことにより、目的化合物である2,3−ジ
シアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジル誘導体(1)
が直接得られる場合がある。このように、アルカリ又は
酸での処理での処理を行わなくてよい場合がある。
【0035】アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウ
ムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、カリ
ウムメトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウム金属等
が挙げられ、特に水酸化ナトリウムが好ましい。酸とし
ては塩酸、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸が挙げ
られ、特に塩酸が好ましい。処理温度は0〜200℃、
好ましくは0〜100℃、処理時間は0.1〜50時
間、好ましくは1〜10時間で行うことができる。
【0036】ここで、出発化合物(3)のRが基−CH
2YR’、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基のよう
な水酸基の保護基である場合には、本発明の製造方法は
全体を通して不活性ガス雰囲気下で行うことが好まし
い。用いる不活性ガスとしてはアルゴン、窒素、ヘリウ
ム、ネオン等が挙げられ、特にアルゴンが好ましい。
【0037】ここで、特に本発明化合物(1)のY、Z
の一方が水素原子である化合物の合成について説明す
る。特に、Yが水素原子でZがジ低級アルキルアミノ基
である化合物の場合には次の反応式(化15)に従って
合成することができる。
【0038】
【化15】
【0039】すなわち、2,3−ジハロゲノ−5,6−
ジシアノピラジン(2)と、フェノ−ル誘導体(3)の
Bが水素原子である化合物(3d)とを反応させて、
2,3−ジシアノ−5−ハロゲノ−6−(2’−(保
護)ヒドロキシ−4’−置換フェニル)ピラジン(4
d)を合成し、これを、Rに応じてアルカリ又は酸で処
理することにより基A(ジ低級アルキルアミノ基)が7
位に置換した目的化合物(1d)を合成することができ
る。ただし、Rが水素原子の場合には、目的化合物(1
d)の基A(ジ低級アルキルアミノ基)が9位に置換し
た化合物が得られる場合もある。
【0040】このようにして得られる本発明化合物
(1)は、強い蛍光特性のあるきわめて有用な化合物で
あることがわかった。本発明化合物(1)は蛍光素子、
発光素子、表示素子として様々な用途に用いられるが、
利用にあたっては、利用目的に合った媒質に混合して用
いると良い。例えば、本発明化合物(1)を含有する樹
脂組成物を調製するには、適当な溶剤を用いて本発明化
合物(1)を樹脂に混合し、溶剤を蒸発させるか、又は
溶融状態で混練する。この混練された樹脂組成物は射出
成型、押し出し成型、その他の各種の方法により成型さ
れ、又は、微粉砕化、溶剤化され、太陽電池、検出器、
表示装置、信号器具などに利用される。又、特に塗料、
インキに用いる場合には、樹脂、パラフィン又はワック
スと混合して使用することができる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の1H−NMRの測定は、J
EOL社製、JNM−GX270装置(270MHz、
溶剤:CDCl3、内部標準物質:テトラメチルシラ
ン)で行った。MASSスクトルの測定は、QP500
0(島津製作所社製)で行った。
【0042】
【実施例1】 例示化合物(1)(Y=H、Z=NMe2)の合成 表1に例示した例示化合物(1)の製造方法を反応式で
示すと以下の化16のとおりである。
【0043】
【化16】
【0044】(1) 1−ジメチルアミノ−3−メトキ
シメチルオキシベンゼンの合成 3−ジメチルアミノフェノ−ル686mg(5mmo
l)をアルゴン雰囲気下でテトラヒドロフラン(TH
F)50mlに溶解した。ここへ、先に水素化ナトリウ
ム240mg(10mmol)をアルゴン雰囲気下で脱
水したTHF5mlに溶解した調製液を0℃で滴下し
た。1時間攪拌した後、メトキシメチルクロライドを8
mmol加えた。その後、さらに10時間攪拌し、減圧
下で溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−で分離精製して、液
状の1−ジメチルアミノ−3−メトキシメチルオキシベ
ンゼンを680mg(3.75mmol)を得た。
【0045】得られた化合物の物理データは以下のとお
りである。 1H−NMR(δ,ppm):2.94(s,6H),
3.49(s,3H),5.17(s,2H),6.4
0〜6.45(s,3H),7.14(dd,J=8.
5Hz,1H)
【0046】(2) 5−クロロ−2,3−ジシアノ−
6−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシメチルオ
キシ−フェニル)ピラジンの合成 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノピラジン756m
g(3.96mmol)を0℃、アルゴン雰囲気下で、
クロロホルム85mlに溶解した。この溶液中に、0
℃、アルゴン雰囲気下、1−ジメチルアミノ−3−メト
キシメチルオキシベンゼン680mg(3.75mmo
l)のクロロホルム(40ml)溶液を滴下した。さら
に同条件下で3時間攪拌した後、徐々に昇温して室温と
しさらに11時間攪拌した後、アルゴン雰囲気下で20
時間還流させた。溶媒を減圧下で留去し、残留物をクロ
ロホルムに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
−で分離精製した。得られた化合物を少量のアセトンに
溶解させn−ヘキサンで再結晶し、88mg(0.26
mmol)の黄色結晶の5−クロロ−2,3−ジシアノ
−6−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシメチル
オキシ−フェニル)ピラジンを得た。
【0047】得られた化合物の物理データは以下のとお
りである。 1H−NMR(δ,ppm):3.18(s,6H),
3.47(s,3H),5.19(s,2H),6.5
6(d,J=2.45Hz,1H,a),6.78(d
d,J=2.45,8.55Hz,1H,c),7.3
6(d,J=8.55Hz,1H,b)
【0048】
【化17】
【0049】 MASSスペクトル(m/e):343(M+)
【0050】(3) 例示化合物(1)(Y=H、Z=
NMe2)の合成 5−クロロ−2,3−ジシアノ−6−(4’−ジメチル
アミノ−2’−メトキシメチルオキシ−フェニル)ピラ
ジン88mg(0.26mmol)をメタノ−ル35m
lに溶解し、この溶液に塩酸1.0mlを滴下した。こ
の溶液を1時間攪拌した後、さらに塩酸0.5mlを滴
下して5時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去した後、少
量のジクロロメタンを加えた。ここへ、少量のシリカゲ
ルを加えた後、ジクロロメタンを減圧下で留去した。析
出した沈殿物をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲル
カラムクロマトグラフィ−で分離精製した。さらに析出
した固形物をジクロロメタンに溶解させ、アルミナクロ
マトで分離精製して、アセトン/n−ヘキサンの混合溶
媒から再結晶して橙黄色の例示化合物(1)(Y=H、
Z=NMe2)を得た。
【0051】得られた化合物の物理データは以下のとお
りである。 m.p.288℃ 1H−NMR(δ,ppm):3.23(d,6H),
6.79(d,J=2.44Hz,1H,a),6.9
1(dd,J=9.16,2.44Hz,1H,b),
8.00(d,J=9.16Hz,1H,c)
【0052】
【化18】
【0053】 MASSスペクトル(m/e):263(M+) 又、得られた例示化合物(1)を表3に示す各溶媒に溶
かし、蛍光性を調べた。いずれも強い蛍光性を示した。
各溶媒についての吸収波長(λmax)及び蛍光波長
(Fmax)を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【実施例2】 例示化合物(1)(Y=H、Z=NMe2)の合成 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノピラジン398m
g(2mmol)をトルエン50mlに溶解した。この
溶液中に、トルエン5mlに溶解した3−ジメチルアミ
ノフェノ−ル274mg(2mmol)溶液を滴下した
後、24時間還流させた。還流の後、溶媒を留去し、こ
こへ50mlのジクロロエタンを加え、水洗、飽和水溶
液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶
媒を留去した。残留物をジクロロメタンに溶解させ、ア
ルミナカラムクロマトグラフィ−で分離精製し、306
mgの橙黄色固体を得た。
【0056】得られた化合物の物理データは以下のとお
りである。 m.p. 288℃ 1H−NMRスペクトル(δ,ppm):3.23
(s,6H),6.79(d,J=2.44Hz,1
H,a),6.91(dd,J=9.16,2.44H
z,1H,b),8.00(d,J=9.16Hz,1
H,c) MASSスペクトル(m/e):263(M+) 又、得られた化合物(1)を表3に示す各溶媒に溶か
し、蛍光性を調べた。いずれも、実施例1の表3に示す
のと同様、強い蛍光性を示した。
【0057】
【実施例3】 例示化合物(5)(Y=NMe2、Z=H)の合成 表1に例示した例示化合物(5)の製造方法を反応式で
示すと以下の化19のとおりである。
【0058】
【化19】
【0059】2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノピラ
ジン398mg(2mmol)をエタノ−ル50mlに
溶解した。この溶液中に、エタノ−ル5mlに溶解した
3−ジメチルアミノフェノ−ル274mg(2mmo
l)溶液を滴下した後、24時間還流させた。さらに1
N−水酸化ナトリウム水溶液を4ml滴下し、3時間還
流した。還流の後、溶媒を留去し、ここへ50mlのジ
クロロエタンを加え、水洗、飽和水溶液で洗浄、硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残
留物をジクロロメタンに溶解させ、アルミナカラムクロ
マトグラフィ−で分離精製し、286mgの橙黄色固体
を得た。
【0060】得られた化合物の物理データは以下のとお
りである。 m.p. 308℃ 1H−NMRスペクトル(δ,ppm):3.21
(s,6H),6.78(s,1H),6.90(d,
J=9.16Hz,1H),7.99(d,J=8.5
5Hz,1H) MASSスペクトル(m/e):263(M+)
【0061】又、得られた化合物(5)を表4に示す各
溶媒に溶かし、蛍光性を調べた。いずれも強い蛍光性を
示した。各溶媒についての吸収波長(λmax)及び蛍
光波長(Fmax)を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【発明の効果】上述したように、本発明の2,3−ジシ
アノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体(1)
は、強い蛍光特性を示す新規な化合物であり、様々な用
途に応用することのできる、工業的に優れた有用な化合
物である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、Y,Zは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基を示す。ただ
    し、Y,Zの少なくとも一方がジ低級アルキルアミノ基
    である。)で表される2,3−ジシアノベンゾフロ
    [2,3−b]ピラジン誘導体。
  2. 【請求項2】 次の一般式(2) 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表される2,3
    −ジハロゲノ−5,6−ジシアノピラジンと、次の一般
    式(3) 【化3】 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を示し、A,
    Bは、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又
    はジ低級アルキルアミノ基を示す。ただし、A,Bの少
    なくとも一方がジ低級アルキルアミノ基である。)で表
    されるフェノ−ル誘導体とを、溶媒の存在下加熱、及び
    アルカリ又は酸で処理して環化させることを特徴とす
    る、次の一般式(1) 【化4】 (式中、Y,Zは、YがAのときZはBを示し、YがB
    のときZはAを示す)で表される2,3−ジシアノベン
    ゾフロ[2,3−b]ピラジン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 次の一般式(2) 【化5】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表される2,3
    −ジハロゲノ−5,6−ジシアノピラジンと、次の一般
    式(3d) 【化6】 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を示し、A
    は、ジ低級アルキルアミノ基を示す。)で表されるフェ
    ノ−ル誘導体とを、溶媒の存在下加熱、及びアルカリ又
    は酸で処理して環化させることを特徴とする、次の一般
    式(1d) 【化7】 (式中、Aは、前記と同様の意味を示す。)で表される
    2,3−ジシアノベンゾフロ[2,3−b]ピラジン誘
    導体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011084531A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
US9324949B2 (en) 2013-07-16 2016-04-26 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
CN109232592A (zh) * 2018-09-27 2019-01-18 广西师范大学 一种苯并呋喃[2,3-b]吡嗪衍生物的合成方法

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