JPH07246B2 - 管の内壁の倣い切削装置 - Google Patents

管の内壁の倣い切削装置

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JPH07246B2
JPH07246B2 JP63292154A JP29215488A JPH07246B2 JP H07246 B2 JPH07246 B2 JP H07246B2 JP 63292154 A JP63292154 A JP 63292154A JP 29215488 A JP29215488 A JP 29215488A JP H07246 B2 JPH07246 B2 JP H07246B2
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一政 三浦
玄夫 川合
健介 林田
正一 丸山
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YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD.
Nippon Steel Corp
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YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD.
Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシームレス鋼管のような鋼管の内面を平滑化す
るために切削する装置に関する。
〔従来の技術〕
シームレスパイプのような鋼管において、その用途によ
っては、圧延時に生じる内面の微小疵やしわ疵を除去す
る必要があり、そのためグラインダーによる研削が行わ
れていた。
しかしながら、グラインダーによる研削では能率が悪
く、バイトによる連続内面切削が試みられるようになっ
た。
一方、鋼管の切削刃による内外面、あるいは面取りの加
工は、例えば、特公昭46-20439号公報,特開昭55-90201
号公報,実開昭57-13121号公報等に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、シームレスパイプは、その製作工程上偏肉や
僅かな曲がりによって外径と内径が偏心したり、時には
パイプの内壁の形状は必ずしも真円ではないという問題
がある。しかも、シームレスパイプは、APIという厳し
い規格によって、外径,肉厚及び肉厚の差等が規制され
ている。これに対し、主として切削後の真円度の維持を
目的とした上記の従来の切削刃による加工法をそのまま
適用した場合には、パイプ内径が上述のように撓みや断
面の歪等により真円でないため、部分的な削り過ぎ或い
は空削りによる切削不足を生じてAPI規格を満足し得な
いという結果になっていた。したがって、従来のシーム
レスパイプには切削刃による切削は適合し得ないという
ことで、上述したとおり専らグライダーによる目視研削
が行われていた。
そこで、本発明は鋼管等の管の内面の切削に切削刃を適
用するに際し、鋼管の内径が真円でない場合でもその内
径に沿って一定の厚みでの切削を可能とすると共に良質
の面粗度に仕上げるという手段を見出し、その結果切削
効率を著しく高めんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の管の内壁の倣い切削装置は、管の一端を保持し
てその軸線回りに回転させる回転駆動装置と、前記管の
軸線方向に進退可能なボーリングバーと、該ボーリング
バーの先端に取り付けられて前記管の中に挿入可能な切
削刃を備えたボーリングヘッドとを備えた管の内壁の倣
い切削装置において、前記ボーリングヘッドは、その先
端側の周面から半径方向内方に設けたスプリングを内蔵
した取付ブッシュと該スプリングに支持された保持体と
該保持体の外方端に固定されて出没自在且つ該ボーリン
グヘッドの外側へ向けて付勢された1個の可動シュー
と、該可動シューと相対向する位置で切削刃の近傍に設
けた該ボーリングヘッドの周面から突き出た1個の固定
シューと、該固定シューの管の回転方向の後方側で前記
可動シューとの中間位置に設けた同一高さの1個の固定
シューとを設けたことを特徴とする。
〔作用〕
管の外径と内径が偏心していたり、管の内壁の形状が真
円でなかったりしていると、固定シューと相対向する位
置に設けた可動シューがその管の内径の変化に応じてス
プリングの付勢力により、あるいはこれに抗して出没す
ることで、固定シューの近傍に設けた切削刃は常時管の
内壁に沿って一様な切削代の下での切削が行われる。
〔実施例〕
以下、図面に示す実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。
第1図に本発明の倣い切削装置の概要を示す。図におい
て、ベッド10の一端に回転駆動装置11が配置され、この
回転駆動装置11の駆動軸11aに設けた面板12のチャック1
2aによって鋼管Aが支持されている。ベッド10の上面に
は、駆動軸11aの軸線と平行となるようにガイドレール1
0aが設けられ、このガイドレール10aに沿って移動可能
な管支持枠13及び鋼管Aの内面切削のための送り装置14
がそれぞれ配置されている。管支持枠13は鋼管Aを通し
てこれを回転自在に支持するためのものである。また、
ベッド10の内部にはスクリュー軸15を内蔵し、これに噛
み合うピニオン14aを送り装置14に設ける。そして、ス
クリュー軸15を駆動装置(図示せず)により回転させる
と、スクリュー軸15とピニオン14aとのネジ歯車機構に
よって、送り装置14が図において左右に移動する。
送り装置14には、鋼管Aの軸線にほぼ一致する姿勢の軸
線を持つようにボーリングバー1が取り付けられる。こ
の取付においては、鋼管Aに対する着脱を容易にしたり
装置の保護を図るために、フローティングホルダ14bを
送り装置14に備えることが好ましい。また、送り装置14
の走行によるボーリングバー1の送りのほか、装置自体
に送り機構を備えてボーリングバー1を繰り出せるよう
にすれば、切削点のストロークを長くすることができ
る。
ボーリングバー1の先端には、鋼管Aの中に入り込んで
その内壁を切削するボーリングヘッド2が取り付けられ
ている。第2図はボーリングヘッド2部分の側面図、第
3図は第2図のI−I線矢視方向に見た一部切欠図であ
る。
ボーリングヘッド2の外径は鋼管Aの内径よりも十分に
小さく、先端から距離をおいてバイト3を切削刃として
周面に設けそのチップ3aによって鋼管Aの内壁を切削す
る。また、ボーリングヘッド2の先端の周面には2個の
固定シュー4,5及び1個の可動シュー6がそれぞれ設け
られる。これらの固定シュー4,5及び可動シュー6はい
ずれも超硬合金製である。
一方の固定シュー4は、第3図に示すようにバイト3の
近傍に配置され、ボーリングヘッド2にねじ込むボルト
4aによって固定される。そして、回転駆動装置11による
鋼管Aの回転方向は第3図において矢印方向であり、固
定シュー4はバイト3の切削点の後方に位置することに
なる。なお、チップ3aの切削点と固定シュー4の中心と
がつくる中心角θは、切粉の逃げや噛み込み防止からほ
ぼ15°程度が好ましい。また、他方の固定シュー5も同
様にボルト5aにより固定され、図示の例ではバイト3側
の固定シュー4の取付点とのなす中心角を90度とした配
置となっている。なお、これらの固定シュー4,5の先端
は面取り4b,5bを設け、鋼管Aへの挿入が速やかに行え
るようにすることが好ましい。
また、可動シューは、固定シュー4,5とは異なってボー
リングヘッド2の周面から半径方向に出没可能な構造を
持ち、その位置はバイト3側の固定シュー4と相対向し
ている。可動シュー6の取付けのために、ボーリングヘ
ッド2には円筒状の取付ブッシュ7aが組み込まれると共
に、可動シュー6の外側への突き出しを規制する拘束リ
ング7bがボルト7cによってボーリングヘッド2の周面に
固定されている。可動シュー6は、超硬合金の倣いヘッ
ド6aをボルト6bによって保持体6cに一体化したもので、
保持体6cは拘束リング7bに係合するフランジ6dを形成す
ると共に取付ブッシュ7aを貫通して突き出る部分に雄ネ
ジ6eを形成している。そして、雄ネジ6eにはナット6f及
びロックナット6gを螺合し、可動シュー6が取付ブッシ
ュ7aから脱落しないようにしている。また、固定シュー
4,5と同様に可動シュー6の先端には面取り6hを設けて
おく。
更に、取付ブッシュ7aの内部には、可動シュー6を外側
へ付勢するスプリング8が弾性体として備えられる。こ
のスプリング8は、複数枚の皿バネを配列一体化したも
ので、可動シュー6に与える付勢力の大きさに応じて枚
数やバネ定数の異なるものを採用する。そして、スプリ
ング8の一端は保持体6cのフランジ6dに突き当たり、こ
れを外側へ付勢する。
なお、スプリング8の付勢力の調整や倣いヘッド6aの突
き出し量の設定は、ナット6fと雄ネジ6eとの螺合量によ
って行なう。すなわち、付勢力を大きくしたり倣いヘッ
ド6aの突き出し量を小さくするときは、ナット6fを深く
(第3図において左側)螺合すれば、保持体6cを取付ブ
ッシュ7a側に引かれる。また、逆の条件を与えるとき
は、螺合を緩めるように取り扱えばよい。
ボーリングヘッド2を鋼管Aに挿入したときには、第3
図のように固定シュー4,5及び可動シュー6はそれぞれ
鋼管Aの内壁に突き当たる。この切削のとき、切削点の
直ぐ後方に位置する固定シュー4は、チップ3aに対する
スペーサとして機能する。すなわち、チップ3aと鋼管A
の内壁との間に或る一定の距離をこの固定シュー4によ
って持たせ、チップ3aが切削面に切り込み過ぎることの
ない切削ができるようになる。また、切粉の逃げやチッ
プ3aへの噛み込みの防止のためにも、固定シュー4のス
ペーサ機能は有効である。このように、固定シュー4は
特にチップ3aによる切削に必要な条件を造りだすものと
なる。
また、他方の固定シュー5は、可動シュー6を含めて3
点支持でボーリングヘッド2と鋼管Aの内壁とを接触さ
せるために設ける。すなわち、鋼管Aの内壁を真円と仮
定したとき、管Aの中でボーリングヘッド2が同軸上で
芯がずれることなく相対回転させるためには、少なくと
も3点支持とすることが好ましいからである。そして、
この固定シュー5は先行する切削点に対して90度より少
し大きく中心角がずれているので、チップ3aによる主切
削力を受けるものともなる。更に、可動シュー6は、ス
プリング8の付勢力によって常に倣いヘッド6aが鋼管A
の内壁に押し付けられている。このため、鋼管Aが第3
図の矢印方向へ回転するときには、鋼管Aの内壁の周方
向の形状変化に対応してスプリング8の弾性変形によっ
て可動シュー6が出没する。したがって、鋼管Aの内壁
が真円でなかったり凹凸があったりしても、可動シュー
6は内壁に倣って出没し、他の固定シュー4,5を常に鋼
管Aの内壁に一定の圧力で押し付けることができる。
また、固定シュー4,5及び可動シュー6は、第2図に示
したようにバイト3よりも先端側に位置している。この
ため、ボーリングヘッド2を鋼管Aの中に挿入して切削
するとき、バイト3に先行してこれらの固定シュー4,5
及び可動シュー6が鋼管Aの内壁に接触する。したがっ
て、ボーリングヘッド2は可動シュー6によって鋼管A
の内壁形状を走査するようにして固定シュー4,5を一定
圧力で鋼管Aの内壁に押し当てると同時にバイト3も内
壁に常に一定圧で突き当たるようになる。
このように可動シュー6を設けたことにより、鋼管Aの
内壁が偏心円であったり真円度が低いものであっても、
ボーリングヘッド2による切削が可能となる。
以上の構成を持つ切削装置を用いて鋼管Aの内壁を切削
する要領を第1図によって説明する。
まず、送り装置14を左に移動させてボーリングヘッド2
を退避位置にセットしておき、鋼管Aを鋼管支持枠13に
通すと共に一端を面板12のチャック12aで保持する。こ
の後、回転駆動装置11を作動させて面板12を回転させ、
これと同時に送り装置14を右側に一定速度で移動させ
る。送り装置14の移動によってボーリングヘッド2が鋼
管Aの中に挿入され、鋼管Aの回転とボーリングヘッド
2の送りとによってバイト3が鋼管Aの内壁を切削して
ゆき、内壁の切削加工が行われる。
切削過程では、既に述べたように、可動シュー6によっ
て鋼管Aの内壁の形状に倣ってボーリングヘッド2が鋼
管Aの中に保持される。つまり、内壁が偏心していたり
真円でない場合でも、ボーリングヘッド2は常に内壁を
基準として鋼管Aの中での位置が決められる。このた
め、バイト3による切削代は内壁の全周に亘つて一定と
なり、空切削や切り込み過ぎ等のない一様な切削が可能
となる。また、このような切削は、鋼管Aの縦断面形状
に対してのみだけでなく、軸線方向へ撓み等が生じてい
ても可能である。これは、可動シュー6によるボーリン
グヘッド2が鋼管Aの中を撓みに倣いながら進むことが
できるからである。
このように、鋼管Aの中をその内壁に倣って進むボーリ
ングヘッド2によって切削でき、従来のグラインダによ
る加工方法に比べると、大幅に作業時間が短縮され、生
産性の向上が可能となる。また、内壁を一様な切削代で
切削するので、表面粗さも低く抑えることができる。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、鋼管等の管
の内壁の形状に倣ってボーリングヘッドを進ませながら
内壁を切削加工するようにしている。このため、管の外
径と内径が偏心していたり管の内壁の形状が真円でなか
ったりしても、管の内壁に沿って一様な切削代での切削
を行うことができる。また、ボーリングヘッドに設けた
バイト等の切削刃は、管の内壁に対して空切削したり切
り込み過ぎることもないので、刃こぼれ等を生じること
がない。このため、管の内壁の切削面も粗くならず、面
粗度も良好な製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の切削装置の概要を示す図、第2図はボ
ーリングヘッド部分の側面図、第3図は第2図のI−I
線矢視方向に見た一部切欠図である。 1:ボーリングバー、2:ボーリングヘッド 3:バイト(切削刃)、3a:チップ 4,5:固定シュー、4a,5a:ボルト 4b,5b:面取り、6:可動シュー 6a:倣いヘッド、6b:ボルト 6c:保持体、6d:フランジ 6e:雄ネジ、6f:ナット 6g:ロックナット、6h:面取り 7a:取付ブッシュ、7b:拘束リング 7c:ボルト、8:スプリング 10:ベッド、10a:ガイドレール 11:回転駆動装置、11a:駆動軸 12:面板、12a:チャック 13:鋼管支持枠、14:送り装置 14a:ピニオン 14b:フローティングホルダ 15:スクリュー軸、A:鋼管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川合 玄夫 福岡県北九州市八幡西区泉ケ浦1丁目13― 10 (72)発明者 林田 健介 福岡県宗像郡福間町若木台4丁目15―12 (72)発明者 丸山 正一 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番1 号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭51−106289(JP,A) 実開 昭59−17109(JP,U) 特公 昭53−38836(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管の一端を保持してその軸線回りに回転さ
    せる回転駆動装置と、前記管の軸線方向に進退可能なボ
    ーリングバーと、該ボーリングバーの先端に取り付けら
    れて前記管の中に挿入可能な切削刃を備えたボーリング
    ヘッドとを備えた管の内壁の倣い切削装置において、 前記ボーリングヘッドは、その先端側の周面から半径方
    向内方に設けたスプリングを内蔵した取付ブッシュと該
    スプリングに支持された保持体と該保持体の外方端に固
    定されて出没自在且つ該ボーリングヘッドの外側へ向け
    て付勢された1個の可動シューと、該可動シューと相対
    向する位置で切削刃の近傍に設けた該ボーリングヘッド
    の周面から突き出た1個の固定シューと、該固定シュー
    の管の回転方向の後方側で前記可動シューとの中間位置
    に設けた同一高さの1個の固定シューとを設けたことを
    特徴とする管の内壁の倣い切削装置。
JP63292154A 1988-11-17 1988-11-17 管の内壁の倣い切削装置 Expired - Lifetime JPH07246B2 (ja)

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JPH02139108A JPH02139108A (ja) 1990-05-29
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