JPH0724694Y2

JPH0724694Y2 - 移動農機における作業部変速装置

Info

Publication number: JPH0724694Y2
Application number: JP1988151024U
Authority: JP
Inventors: 克佐々木; 芳樹横山
Original assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Current assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority date: 1988-11-19
Filing date: 1988-11-19
Publication date: 1995-06-05
Anticipated expiration: 2003-11-19
Also published as: JPH0271149U

Description

【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本考案は点播式の播種機又は苗植機等の移動農機におけ
る作業部変速装置に関する。

（ロ）従来技術従来、この種移動農機において、走行速度に対して作業
部の駆動速度を変更して株間等を調節する装置は、使用
者、又は地方により要望される株間が異なるところ、す
べての要望に対応するためには変速装置の段数が多くな
って、著しくコスト高になるばかりでなく、実際に使用
されるのはその地方に適合する一部のものに過ぎず無駄
であった。

そこで一般的に広く使用される装置の仕様により、指定
された変速装置を組み込むようにしていた。

（ハ）考案が解決しようとする問題点このように指定された変速装置を組み込むようにしたも
のにおいて、前述の如く一部の使用者、又は地域におい
てその仕様が合わない場合には、該変速装置のミッショ
ンケースを分解して一部の歯車を組替える必要があり、
この作業は多大の工数を要するのでコスト高になると共
に納期が短い場合は大変であった。

（ニ）問題点を解決するための手段本考案はミッションケース11内の駆動軸16に複数段の駆
動歯車17・・を取付け、上記駆動軸16と平行な変速軸28
に前記駆動歯車17・・に選択的に噛合する変速歯車20・
・及び、PTO軸12の従動傘歯車38に噛合する駆動傘歯車3
0を設け、該両傘歯車30,38は夫々の軸28,12に着脱自在
に設けてなる移動農機において、前記ミッションケース
11の一端部に、中空軸25をベアリング23を介して支承
し、該中空軸25の外周に前記変速歯車20のボス22を伝動
可能に嵌合し、中空軸25の内周には前記変速軸28の一端
を伝動可能でかつ挿脱可能に嵌挿せしめ、上記変速軸28
の他端部をベアリング34を介して支持部材35に支承し、
該支持部材35をミッションケース11の側壁に設けた孔36
に嵌合して着脱可能に固着すると共に、前記両傘歯車3
0,40を前記孔36側で噛合させたことにより、ミッション
ケースを分解しなくとも傘歯車を簡単に組替えることが
できるようにして、前述の問題点を解決したものであ
る。

（ホ）作用走行速度はミッションケース内の走行変速部により変速
され、作業機の作動速度は作業機変速部の変速歯車をシ
フトすることにより変速する。

そして、必要により作業機変速部の変速仕様を組み替え
る場合には、変速軸の一端を支持している支持部材の取
付ボルトをミッションケースから取外し、該支持部材を
外側に向け引張ると、変速軸はその先端が中空軸から抜
け出すとともに、該変速軸に取付けた駆動傘歯車がPTO
軸の従動傘歯車から離脱し、そのまま変速軸を駆動傘歯
車とともに機外に取出すことができる。そして該変速軸
を取出したミッションケース側壁の孔からPTO軸上の従
動傘歯車を取外し、歯数の異なる別の従動傘歯車と交換
するとともに、変速軸上の駆動傘歯車は機外で取り替
え、前述とは逆の手順で変速軸をミッションケースに組
付け収納することにより変速仕様の組替えを行うもので
ある。

（ヘ）実施例本考案の一実施例を図面について説明すると、前輪１と
後輪２を有する機体フレーム４の前部にエンジン３を搭
載し、操向ハンドル５の後方に運転席６を設け、後部に
は、トップリンク７とロワリンク８とにより植付装置
（又は点播種型の播種装置）を作業機として装着し、ト
ップリンク７は油圧シリンダ10により前部を中心にして
昇降する。

また、前記前輪１及び後輪２はミッションケース11内の
走行変速装置により駆動され、作業機の入力軸はミッシ
ョンケース11から後方へ突出したPTO軸12により伝動軸1
3を介して駆動される。

また、前記ミッションケース11にベアリング15,15によ
り支承した駆動軸16は走行変速部の変速歯車の他に、作
業機用の駆動歯車17,18,19を有し、外端部にはエンジン
３の出力プーリによりベルトを介して駆動される入力プ
ーリ16aを取付けてある。

そして、前記各駆動歯車17・・に、選択的に噛合する変
速歯車20,21のボス22は、外端が前記ミッションケース1
1の側壁にベアリング23により回転自在に保持すると共
に止め輪24で止着された中空軸25の外周に、摺動自在で
かつ伝動可能にスプライン嵌合しており、株間調節レバ
ー26を操作すると左右動するシフター27により摺動し、
変速軸28の一端は前記中空軸25に挿入されていてベアリ
ング23と対応する部位でスプライン嵌合している。

変速軸28の他端には、回転自在な駆動傘歯車30、及び内
外で噛合すると共に回転自在な一対のクラッチ体31,3
2、外端にスプライン嵌合したスプリング受33、及び外
側のクラッチ体32とスプリング受33との間に介装した圧
縮スプリング33aにより構成したトルクリミッターを装
着してあり、駆動傘歯車30と内側のクラッチ体31とはド
ッククラッチにより連動連結し、外側のクラッチ体32と
スプリング受33間は、過負荷により両クラッチ体31,32
の連結が断たれた場合でも、クラッチ体32は駆動するよ
うに軸方向に相互摺動し得る長い爪により連繋してあ
る。

更に、前記内側のクラッチ体31はベアリング34を介して
リング状の支持部材35に支承されており、該支持部材35
はミッションケース11の側壁に設けた孔36にリングを介
して嵌装し、ボルト37・・により螺着固定してあり、30
aはカラー、55はトルクリミッターのカバーでボルト56
により支持部材35に取着されている。

PTO軸12の前端に回動自在に嵌装して止め輪により止着
した従動傘歯車38は、前記駆動傘歯車30に噛合してお
り、該従動傘歯車38のボスの後端面のクラッチ部は、定
位置停止クラッチ39に噛合している。

また、ボンネット40とその左右にあるサイドステップ4
1,41は一体に成型されていて、前端下部をフレームに支
点軸42により開閉自在に連結してあり、操作盤43のリヤ
カバー44は上部寄りをボルト45でステアリングコラム47
に螺着し、下部両側をボルト46,46により機体フレーム
４に螺着することにより着脱自在になっており、運転ス
テップ48も機体フレーム４に着脱自在に螺着してあるの
で、ボンネット40をサイドステップ41,41と共に開き、
リヤカバー44及び運転ステップ48を取外すと、エンジン
３、ミッションケース11、操舵装置等の上面がすべて開
放され、それらの整備点検を容易に行なうことができ
る。

50は変速レバー、51は主変速レバー、52は条合わせマー
カーであってその支持腕53の基部はサイドステップ41の
側面に螺着したブラケット54に取付けてある。

次に作用について説明すると、エンジン３の動力は、変
速軸28から走行変速部と作業機変速部とに分配され、PT
O軸12の回転は、作業中、変速歯車20,21を駆動歯車17,1
8,19のいずれか１つを選択して噛合させることにより変
速される。

そして、株間の調節範囲を所定範囲外に調節できるよう
に仕様変更する場合には、ボルト37・・を抜き取り、ト
ルクリミッターと共に変速軸28を外方へ引張ると、変速
軸28はその先端が中空軸25から抜け出し、トルクリミッ
ター、支持部材35、ベアリング34、及び駆動傘歯車30を
共に機外に取り出すことができるから、前記変速軸28を
取り出したミッションケース11側壁の孔36から手を入れ
てPTO軸12前端の止め輪を外すと、従動傘歯車38を取出
すことができる。そこで、歯数の異なる別の従動傘歯車
38に交換し、変速軸28上の駆動傘歯車30は、機外におい
て歯数の異なる別の駆動傘歯車30に交換する。しかる
後、変速軸28の一端を孔36からミッションケース11内に
挿入し、その先端部を中空軸25のスプラインに嵌合する
とともに、支持部材35を孔36に嵌合してからボルト37で
ミッションケース11に締め付け固定するものである。

このような組替えを行なって仕様の変更を行うものであ
るが、該仕様の変更でPTO軸12を減速した場合には、変
速歯車20・・の切換えにより株間を所定のものより広い
範囲で３段階に変更することができ、また、増速すると
株間を所定のものより狭い範囲で３段階に変速すること
ができる。

（ト）考案の効果本考案は、前述のようにミッションケース11内の駆動軸
16に複数段の駆動歯車17・・を取付け、上記駆動軸16と
平行な変速軸28に前記駆動歯車17・・に選択的に噛合す
る変速歯車20・・及び、PTO軸12の従動傘歯車38に噛合
する駆動傘歯車30を設け、該両傘歯車30,38は夫々の軸2
8,12に着脱自在に設けてなる移動農機において、前記ミ
ッションケース11の一端部に、中空軸25をベアリング23
を介して支承し、該中空軸25の外周に前記変速歯車20の
ボス22を伝動可能に嵌合し、中空軸25の内周には前記変
速軸28の一端を伝動可能でかつ挿脱可能に嵌挿せしめ、
上記変速軸28の他端部をベアリング34を介して支持部材
35に支承し、該支持部材35をミッションケース11の側壁
に設けた孔36に嵌合して着脱可能に固着すると共に、前
記両傘歯車30,40を前記孔36側で噛合させたので、株間
の調節範囲を仕様変更する時、変速軸28を支持部材35に
支承させた状態で、該支持部材35のミッションケース11
への取付孔36から駆動傘歯車30とともに容易に機外に抜
き出すことができ、これにより前記孔36からPTO軸12上
の従動傘歯車38を、歯数の異なるものに容易に交換する
ことができると共に、また、変速軸28に装着されている
駆動傘歯車30も機外にて簡単に歯数の異なるものにに交
換することがでる。そして新たな駆動傘歯車30を装着し
た変速軸28を、ミッションケース11の孔36から挿入し
て、その先端を中空軸25に挿入し、支持部材35を上記孔
36に嵌合して螺着するだけで組み付けることができる。

従って、従来のようにミッションケース11を分解する等
の面倒な手数を要することがなく、必要な地域において
容易かつ迅速に仕様変更を行なうことができ、コストも
安く、汎用性の高い装置が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
ミッションケースの要部の展開断面図、第２図は乗用田
植機の作業部を省略した側面図、第３図は同上前部の斜
視図である。 11……ミッションケース、12……PTO軸、16……駆動
軸、17,18,19……駆動歯車、20,21……変速歯車、23,24
……ベアリング、25……中空軸、28……変速軸、35……
支持部材、36……孔、30……駆動傘歯車、38……従動傘
歯車

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ミッションケース11内の駆動軸16に複数段
の駆動歯車17・・を取付け、上記駆動軸16と平行な変速
軸28に前記駆動歯車17・・に選択的に噛合する変速歯車
20・・及び、PTO軸12の従動傘歯車38に噛合する駆動傘
歯車30を設け、該両傘歯車30,38は夫々の軸28,12に着脱
自在に設けてなる移動農機において、前記ミッションケ
ース11の一端部に、中空軸25をベアリング23を介して支
承し、該中空軸25の外周に前記変速歯車20のボス22を伝
動可能に嵌合し、中空軸25の内周には前記変速軸28の一
端を伝動可能でかつ挿脱可能に嵌挿せしめ、上記変速軸
28の他端部をベアリング34を介して支持部材35に支承
し、該支持部材35をミッションケース11の側壁に設けた
孔36に嵌合して着脱可能に固着すると共に、前記両傘歯
車30,40を前記孔36側で噛合させたことを特徴とする移
動農機における作業部変速装置。