JPH07246901A - エアーバッグ装置の収納カバー - Google Patents

エアーバッグ装置の収納カバー

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JPH07246901A
JPH07246901A JP6066417A JP6641794A JPH07246901A JP H07246901 A JPH07246901 A JP H07246901A JP 6066417 A JP6066417 A JP 6066417A JP 6641794 A JP6641794 A JP 6641794A JP H07246901 A JPH07246901 A JP H07246901A
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air bag
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豊 江口
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康弘 草ノ瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全確実性、広い温度範囲での適応性、耐久
性、好ましい感触を有し、高生産性と低コストを実現で
き、塗装レスが可能なエア−バッグ収納カバ−の提供。 【構成】 脆弱な構造の破断予定部分を有し、次の
(a)、(b)及び(c)成分とを共重合したポリエ−
テルエステルブロック共重合体100重量部に対し、添
加剤0.01〜5重量部配合し、しかもショアD硬度が
25〜55である熱可塑性エラストマ−組成物を射出成
形した収納カバ−。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
そのエステル形成性誘導体である。(b)短鎖ジオ−ル
成分が脂肪族ジオ−ル及びそのエステル形成性誘導体で
ある。(c)長鎖ジオ−ル成分が特定のネオペンチレン
オキシド構造単位(N)とテトラメチレンオキシド構造
単位(T)よりなり、Nの比率が5〜50モル%である
ポリエ−テルであって、両末端がアルコ−ル性水酸基で
あり、数平均分子量が400〜6000であるポリエ−
テルグリコ−ル

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の高速移動体
が衝突事故等の際に乗員を座席側に拘束して操縦装置や
計器盤等との二次衝突から保護するように設計されたエ
ア−バック装置の収納カバ−に関する。
【0002】
【従来の技術】エア−バッグシステムは原理的には高速
移動体の衝突を関知する衝突感知装置とエア−バッグ装
置とで構成され、後者のエア−バッグ装置はエア−バッ
グ、エア−バッグを膨張させるガスを発生させるガス発
生器、エア−バッグとガス発生器を収納する収納カバ−
及びガス発生器と収納カバ−を取付ける取付具(リテ−
ナ−)からなる。
【0003】エア−バッグ装置は高速移動体中の乗員の
前面に取り付けられ、衝突事故等によって衝突検知装置
が作動すると、ガス発生器から瞬間的にガスが発生し、
ガス発生器、収納カバ−及び取付具によって囲まれて形
成される空間内に折り畳まれて収納されているエア−バ
ッグにガスが充填され、エア−バッグに充填されたガス
の圧力により収納カバ−が展開し、展開によって得た開
口部からエア−バッグが乗員の前面に向けて瞬間的に放
出、膨張することにより、乗員を座席側に拘束し、その
結果乗員が操縦装置や計器盤等に衝突して負傷すること
を防ぐことが出来る。
【0004】従って、エア−バッグ装置の収納カバ−は
衝突事故等が発生しガス発生器が動作した際には、乗員
を傷つける危険性のある破片を飛散することなく確実に
展開しバッグを瞬間的に放出するものでなくてはならな
い。かかるエア−バッグ装置の収納カバ−としては特開
昭50−127336号公報、特開昭55−11064
3号公報、特開昭52−116537号公報、特開平1
−202550号公報或いは特開平5−038996号
公報等に各種提案されている。
【0005】特開昭50−127336号公報や特開昭
55−110643号公報にはウレタン樹脂や弾性材料
から形成されており、しかも破断予定部分以外の部分に
は繊維ネットや金属網等の補強材が埋め込まれた構造の
収納カバ−が提案されている。これらの提案では使用さ
れる樹脂材料が脆弱であるので、エア−バッグ装置が動
作したときの破片飛散防止のために補強材を埋め込む構
造を採らざるを得ず、収納カバ−を製造するとき補強材
をセットするのに手間がかかり、また精度良く予定位置
に補強材が埋め込まれている成形体を得ることが難し
く、更にまた、反応射出成形によるウレタン樹脂の場合
型内で十分に反応が進むための時間をとらなくてはなら
ず、低生産速度、低生産収率である欠点を有する。
【0006】特に、自動車の生産台数は年間一千万台に
も及び、生産速度、生産収率が低いことは致命的であ
る。特開昭52−116537号公報には、脆化温度−
50℃以下、曲げ剛性1,000〜3,000kg/c
2 の熱可塑性エラストマ−から形成され、破断予定部
分を脆弱構造にした収納カバ−が提案されている。この
提案によれば、補強材を埋め込まない構造であるので生
産性は改善されているが、材料の曲げ剛性が1000〜
3000kg/cm2と高いためエア−バッグ装置が動
作したとき収納カバ−を破断、展開させるのに大きな容
量のガス発生器を必要とする難点がある。
【0007】また、曲げ剛性が高い熱可塑性エラストマ
−であるので硬度が高く、乗員が収納カバ−に触れたと
き乗員に適度に軟らかい感触を与えることができず、ひ
いては安全運転に重要な心理的安らかさを醸成する効果
が少なく、さらにまた、衝突事故でエア−バッグ装置が
動作した後、更にスリップ等で二次衝突した場合、一次
衝突で展開後の収納カバ−の破断部が硬いので、これが
乗員に当たると負傷する危険性もあり必ずしも好ましい
ものではない。
【0008】特開平1−202550号公報には、JI
S K6301−A型硬度が30〜70である軟質樹脂
からなる表層と弾性を有する硬質樹脂からなるコア層と
が一体成形され、コア層にカバ−開裂用スリットが設け
られた構造の収納カバ−が提案されている。この提案の
収納カバ−は乗員に適度に軟らかい感触を与えるもので
あるが、コア層と表層の二層成形が必須であり、そのた
めに射出機構を二式持った複雑で高価な成形機を必要と
する大きな欠点がある。
【0009】特開平5−038996号公報には、内側
にエア−バッグ収納用凹部を有すると共に脆弱な構造の
破断予定部分を有し、水素添加スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体、ゴム用可塑剤、オレフィン系樹脂及び
添加剤からなり、JISK6301A型硬度が60以上
85以下である熱可塑性エラストマ−組成物の射出成形
体であるエア−バッグ装置の収納カバ−が提案されてい
る。この提案の収納カバ−は乗員に適度に軟らかい感触
を与え、生産性も高いが、低温下での曲げ剛性が比較的
大きく、場合によっては低温で脆化して展開性能の確実
性を失う可能性もある。さらに、表面の耐傷付性が必ず
しも良好でなく、硬質ウレタン塗装が必要であり、必ず
しもコスト的に有利ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】エア−バッグ装置の収
納カバーが具備すべき用件の第一は、確実に展開すると
共に安全性を有することである。即ち、エア−バッグ装
置が動作した際に収納カバ−は乗員を傷つける危険性の
ある破片を飛散することなく展開し、バッグを瞬間的に
放出しなくてはならない。また、衝突発生後更にスリッ
プ等で二次衝突した場合、一次衝突で展開した収納カバ
−の破片部に当たって乗員が負傷するものであってはな
らない。
【0011】第二は広い温度範囲での適応性である。自
動車の場合、使用される地域、季節、状態により収納カ
バ−の温度は往々−40℃〜90℃になるが、低温で脆
化して確実性を失ったり、高温で軟質変形したりしては
ならない。第三は熱や光に対する耐久性である。自動車
の場合、収納カバ−はフロントガラスを通して入射する
太陽光に照射される部位に往々取り付けて使用されるた
め、光劣化し確実性を失ってはならない。
【0012】第四は高い生産性と安い生産コストであ
る。この用件は大量に生産される自動車用エア−バッグ
装置では特に重要である。第五は感触である。乗員が収
納カバ−に触れたときに適度に軟らかい感触を与え、ひ
いては安全運転に重要な心理的安らかさを醸し出す効果
の大きいものが好ましい。第六は外観上の問題で、表面
の傷付難さである。
【0013】すなわち、本発明の課題は安全確実性、広
い温度範囲での適応性、耐久性、好ましい感触を有し、
高生産性と低コストを実現でき、しかも表面が傷つきに
くい収納カバ−を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、内側にエア−バッグ収納用凹部を有すると
共に脆弱な構造の破断予定部を有し、特殊な構造を有す
るポリエ−テルエステルブロック共重合体100重量部
に添加剤を0.01〜5重量部配合してなり、しかもシ
ョアD硬度が30〜50である熱可塑性エラストマ−組
成物を射出成形法により成形して得られる収納カバ−
が、前記課題を解決するものであることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は: 内側にエア−バッグ収納用凹部を有すると共に脆弱
な構造の破断予定部を有し、次の(a)、(b)及び
(c)成分とを共重合してなるポリエ−テルエステルブ
ロック共重合体100重量部に対し、添加剤0.01〜
5重量部配合してなり、しかもショアD硬度が25〜5
5である熱可塑性エラストマ−組成物の射出成形体であ
る、エア−バッグ装置の収納カバ−を提供する。また、 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
そのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分 (b)短鎖ジオ−ル成分が脂肪族ジオ−ル及びそのエス
テル形成性誘導体である短鎖ジオ−ル成分 (c)長鎖ジオ−ル成分が下式(1) に示すネオペンチレ
ンオキシド構造単位(以下Nと略す)と下式(2) に示す
テトラメチレンオキシド構造単位(以下Tと略す)より
なり、Nの比率が5〜50モル%であるポリエ−テルで
あって、両末端がアルコ−ル性水酸基であり、数平均分
子量が400〜6,000であるポリエ−テルグリコ−
【0016】
【化3】
【化4】
【0017】 添加剤が熱安定剤及び(1) 紫外線吸収
剤と(2) 光安定剤から選ばれる添加剤のうち少なくとも
一つからなる点にも特徴を有する。また、 表面が光及び/又は熱で硬化された層で被覆されて
いる点にも特徴を有する。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する添加剤としては、少なくとも酸化防止剤、光安
定剤及び熱安定剤が用いられることが望ましい。脆弱な
構造としてはカバ−の部分に細長い凹部、より好ましく
は断面V形状の溝を設けると良い。本発明のエア−バッ
グ装置の収納カバ−は、耐傷付性に優れるため、表面塗
装しなくても(塗装レス)良いが、光安定化効果や耐加
水分解性効果をさらに付与する意味でカバ−の表面に光
及び/または熱によって硬化される層で被覆されるとさ
らに良い。
【0019】以下、本発明のエア−バッグ装置の一例を
示す添付図面を参照して本発明を詳述する。本発明の収
納カバ−の材料の主成分であるポリエ−テルエステルブ
ロック共重合体は、(a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香
族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体であるジ
カルボン酸成分と、(b)短鎖ジオ−ル成分が脂肪族ジ
オ−ル及びそのエステル形成性誘導体である短鎖ジオ−
ル成分と、(c)長鎖ジオ−ル成分が下式(1) に示すN
と下式(2) に示すTよりなり、Nの比率が5〜50モル
%であるポリエ−テルであって、両末端がアルコ−ル性
水酸基であり、数平均分子量が400〜6,000であ
るポリエ−テルグリコ−ルとを共重合して得られるブロ
ック共重合体である。
【0020】
【化5】
【化6】
【0021】この新規ポリエ−テルエステルブロック共
重合体は本発明者らによって、既に特許出願されている
(特願平4−238701号、特願平4−23706
号)。本発明に使用するポリエ−テルエステルブロック
共重合体の重合に用いる(a)成分、即ち、芳香族ジカ
ルボン酸及びそのエステル形成性誘導体としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸及びこ
れらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
【0022】また、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジ酸、ダイマ−酸等の脂環式、脂肪族のジカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いてもよ
い。これらは単独、もしくは2種以上組み合わせて使用
しても構わない。好適にはテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸が用いられる。
【0023】また、(b)成分、即ち、脂肪族ジオ−ル
及びそのエステル形成性誘導体としては通常、分子量が
300以下のジオ−ルが用いられる。例えば、エチレン
グリコ−ル、1,3−プロピレンジオ−ル、1,4−ブ
タンジオ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチ
レングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、デカメチレ
ングリコ−ル及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げ
られる。
【0024】また、1,1−シクロヘキサンジメタノ−
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロ
デカンジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ル、及びこれらの
エステル形成性誘導体;キシリレングリコ−ル、ビス
(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2−ヒ
ドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン
等、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
好適には、エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0025】上記の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエ
ステル形成性誘導体と脂肪族ジオ−ル及びこれらのエス
テル形成性誘導体との組合せによりポリエーテルエステ
ルブロック共重合体のハ−ドセグメント即ち短鎖ポリエ
ステルが構成されるが、好ましい組合せはテレフタル酸
またはテレフタル酸ジエステルとエチレングリコ−ル若
しくは1,4−ブタンジオ−ルとの組合せ(ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト)であ
る。さらに好ましくはポリブチレンテレフタレ−トがハ
−ドセグメントに使用されることが良い。
【0026】この理由はポリブチレンテレフタレ−トは
結晶化速度が大きく成型性が優れること、ポリエ−テル
エステルブロック共重合体にした場合もゴム弾性、機械
的性質、耐熱性、耐化学薬品性等の物性バランスがよく
備わっていること等による。この組合せに他のジカルボ
ン酸及びそのエステル形成性誘導体を15モル%以内、
または他のジオ−ル及びそのエステル形成性誘導体を1
5モル%以内加えて使用することも出来る。
【0027】本発明に用いられるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の(c)成分、即ち、長鎖ポリエステ
ルを構成するポリエ−テルグリコ−ルはNとTよりな
り、Nの比率が5〜50モル%であるポリエ−テルであ
って、両末端がアルコ−ル性水酸基であり、数平均分子
量が400〜6,000であるポリエ−テルグリコ−ル
である。
【0028】好適には上記ポリエ−テルグリコ−ルはそ
の末端にないNについては、Nを挟んで隣接する構造単
位が必ずTであり、Nが末端にある場合には、末端にあ
ってアルコ−ル性水酸基に結合されているNについて
は、アルコ−ル性水酸基の反対側でNに隣接する構造単
位が必ずTである構造を有し、かつNが5〜50モル%
のポリエ−テルグリコ−ルである。このことは実質的に
NN連鎖がないことを意味する。
【0029】本発明に使用されるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられるポリエ−テルグリ
コ−ルは3,3−ジメチルオキセタン(3,3−DM
O)の単独カチオン重合、3,3−DMOとネオペンチ
ルグリコ−ル(NPG)とのカチオン共重合、3,3−
DMOとテトラヒドロフラン(THF)のカチオン共重
合、3,3−DMOとNPGとTHFのカチオン三元共
重合またはネオペンチルグリコ−ルとテトラヒドロフラ
ンを原料として、アルコ−ル性水酸基の存在下で活性を
示す触媒の存在下、純テトラメチレングリコ−ルの解重
合が進行する反応条件下において製造することが出来
る。
【0030】本発明に使用されるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられる好ましい態様のポ
リエ−テルグリコ−ルは、特願平4−238701号公
報及び特願平4−238706号公報に記述されている
ようにNを挟んで隣接する構造単位が必ずTであるか、
Nが末端にある場合には片方がアルコ−ル性水酸基であ
るのでNのモル数は必ず50モル%以下になる。
【0031】このポリエ−テルグリコ−ル中のNが5モ
ル%に満たない共重合組成ではこれをポリエ−テルエス
テルブロック共重合体にした場合、特に低温性能に満足
な物性が得られない場合があるために好ましくない。ポ
リエ−テルエステルブロック共重合体の長鎖ポリエステ
ル、即ちソフトセグメントの含量が比較的少ない場合
(10〜50wt%)には、ポリエ−テルグリコ−ル中
のNの含量が15〜50モル%程度と多いことが性能発
現上、好ましい。一方、ソフトセグメントの含量が比較
的多い場合(50〜90wt%)には、Nの含率が5〜
15モル%程度と少なくても十分低温性能等の物性が良
好である。
【0032】本発明に使用されるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられる好ましいポリエ−
テルグリコ−ルの製造方法は、アルコ−ル性水酸基の存
在化で活性を示す触媒の存在下、多量のネオペンチルグ
リコ−ルを仕込み、純テトラメチレングリコ−ルの解重
合が進む高い温度と、低いTHF濃度、即ち高いポリマ
−濃度での反応条件で行われる。アルコ−ル性水酸基の
存在下で活性を示す触媒としては、特開昭60−203
66号公報にヘテロポリ酸が、特開昭61−12083
0号公報にヘテロポリ酸の塩が記述されているがこれら
を用いることが出来る。この際、触媒に対する水または
ジオ−ルのモル比が10以下であるという要件は本発明
のポリエ−テルグリコ−ルを与える反応条件では不要で
ある。
【0033】なお、アルコ−ル性水酸基の存在下で活性
を示す触媒は特にヘテロポリ酸に限定されるものではな
く、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸なども用
いられる。本発明に使用されるポリエ−テルエステルブ
ロック共重合体の製造に用いられる好ましいポリエ−テ
ルグリコ−ルを与える特殊な反応条件方法に於てネオペ
ンチルグリコ−ルの共重合比率を高めることができる理
由は、触媒に対するジオ−ルのモル比が30であっても
重合を進めることが出来るので、多量のネオペンチルグ
リコ−ルを仕込むことが出来ることによる。また、TH
Fのみが連なるポリマ−分子鎖の形成が純ポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコ−ルの解重合条件で重合を進め
るために抑制されている。
【0034】本発明に使用される好ましいポリエ−テル
グリコ−ルに於てネオペンチルグリコ−ルの共重合比率
が50モル%以下であるのは、NとNが直接連結する構
造が13C−NMRの解析からないことが証明でき、従っ
てネオペンチルグリコ−ルの共重合比率が50%を越え
ることがない。なお、Nが50モル%以上にするには、
出発原料としてネオペンチルグリコ−ルを環化した3,
3−ジメチルオキセタンを用いれば良い。
【0035】本発明に用いられるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体に用いられるポリエ−テルグリコ−ル
を好ましく製造する必要要件をまとめると3要件有り、
第一にアルコ−ル性水酸基の存在下で活性を示す触媒、
例えばヘテロポリ酸やスルホン酸等を用いること、第二
に共重合グリコ−ルとして解重合の伝ぱんを阻止するグ
リコ−ル、すなわちNPGを使用すること、第三に共重
合比率が高くなる重縮合を主反応とするために、純PT
MGの解重合が進む温度、ポリマ−濃度で反応を進める
こと、以上である。
【0036】この重縮合反応を好ましい速度で進めるた
め、反応温度は70℃以上、好ましくは75℃以上の条
件を採ることになる。但し、反応温度を上げすぎると反
応液や触媒の着色が強くなり好ましくない。例えば燐タ
ングステン酸を触媒として用いた場合、通常110℃を
越えると着色がひどくなる。
【0037】先に本発明で使用する触媒を挙げたが、こ
れらのうち好ましい触媒としては、市販されており、高
温度における安定性が良く、反応活性も高い燐タングス
テン酸を挙げることができる。そして、燐タングステン
酸等のヘテロポリ酸を触媒として使用する場合、反応が
進むに従い反応液は触媒濃度が高い触媒層と、触媒を1
%以下の低濃度に含む液層とに分離し、二層の分散状態
で反応が行なわれるようになる。反応終了時に撹拌を止
めて静置すれば、重い触媒層は下に、軽い液層は上に分
かれる。上の液層を取り出し、THF、オリゴマ−、溶
存触媒を除去して目的であるポリマ−を得る。下に残さ
れた触媒層に新しくNPG、THFを供給し、新しいバ
ッチの反応を開始する。このようにして、触媒を繰り返
し使用しながら本発明の原料となるポリエーテルエステ
エルブロック共重合体を得ることが出来る。
【0038】また、スルフォン酸を触媒として使用する
場合、ナフィオンのように反応液に溶解しない触媒が、
触媒の分離が簡単で好ましい。触媒である燐タングステ
ン酸、或いはスルフォン酸の使用量に対しNPGの仕込
量は、触媒1当量に対し2〜10モルのNPGを仕込む
のが適当である。NPGの量が少ないと反応終了時に採
取すべきポリマ−量が少なくなるし、NPGの量が多い
と重縮合反応が遅くポリマ−の重合度が上昇するのに長
時間を要するようになる。
【0039】重縮合によって生成する水は、反応系の気
相水分として取り出し、除くことが出来る。気相の組成
は大部分THFであり、気相水分は0.4〜2.0wt
%含まれているのが通常である。従って、水分を除去す
る際にTHFも共に取り出すことになり新しいTHFを
その分多く補給する必要がある。このように反応系の気
相を取り出す必要があるため、反応液は沸騰温度であ
る。沸騰温度、即ち反応温度を所定にコントロ−ルする
にはTHFの濃度をコントロ−ルするのが容易な方法で
ある。具体的な操作として液温を所定に保つようにTH
Fの補給速度をコントロ−ルすることにすれば、気相水
分と共に取り出されたTHF、反応の進行に伴う組成変
化及び重合によるTHFの消費、これら全ての変化に対
応できる基準操作をTHFに関して定め得たことにな
る。
【0040】反応液にあるTHF濃度は、反応圧力と反
応温度、即ち沸騰圧力、温度で変わる。従って、THF
濃度は反応温度を与件として反応圧力によってコントロ
−ル出来る。反応液にある水濃度は、反応系の気相の水
濃度と動的平衡にある。従って反応液にある水濃度は、
反応系の気相の水濃度によってコントロ−ル出来る。
【0041】本発明に使用されるポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の製造に用いられるポリエ−テルグリ
コ−ルの数平均分子量は400〜6,000のものが使
用される。400未満になると重合する最終ポリエ−テ
ルエステルブロック共重合体のハ−ド/ソフトセグメン
ト比にもよるが通常は短鎖ポリエステル(ハ−ドセグメ
ント)の平均連鎖長が小さくなり、融点降下が激しくな
って耐熱性に劣るため、ポリエ−テルエステルブロック
共重合体としてそのまま材料に使用する場合、或いは組
成物にした場合共に好ましくない。また、6,000を
越えると、単位重量当りのポリエ−テルグリコ−ル中の
末端基濃度が低くなり、重合しにくくなるので好ましく
ない。この重合しやすさと融点のバランスを考慮すると
数平均分子量は800〜4,000が好ましく、1,0
00〜2,500がさらに好ましい。
【0042】このポリエ−テルエステルブロック共重合
体に占める全ポリエ−テルグリコ−ルユニット(ソフト
セグメント)の量は30〜90重量%である。この値は
本発明の用途の要求硬度(ショアD硬度で30〜50)
を満たす範囲である必要がある。この場合のポリエ−テ
ルグリコ−ルユニットの量とはソフトセグメントの重量
比のことであって仕込のポリエ−テルグリコ−ルの全モ
ノマ−中に占める重量比のことではない。
【0043】一般に、ポリエ−テルエステルブロック共
重合体のハ−ドセグメントは短鎖エステルであり、ソフ
トセグメントは長鎖エステルからなるが、ポリエ−テル
部分の末端はジカルボン酸成分とエステル結合にて連結
し、ハ−ドセグメントと連なっている。ポリエ−テル部
分の片末端のエステル結合を構成するユニットも含めた
ものを便宜上ソフトセグメントとした。
【0044】このハ−ド/ソフトセグメントの比率は1
H−NMRにて正確に定量することが可能である。ソフ
トセグメントの量が30重量%より小さいと軟質性に劣
り、特に本発明の熱可塑性エラストマ−組成物成形体の
低温(−40℃)での展開性が良くないため好ましくな
い。また、この量が90重量%を越えると軟質性は相当
付与され、低温展開性は良好となるが耐熱性が悪くな
り、高温(90℃)下、熱変形してしまう。また、成形
性・表面耐傷付性・表面の耐薬品性も悪化するので好ま
しくない。
【0045】より好ましいソフトセグメントの量は40
〜70重量%である。最終的な熱可塑性エラストマ−組
成物の成形体の表面硬度がショアD硬度で25〜55の
範囲に入るようにすれば良く、ソフトセグメント量は適
宜選択される。場合によっては適当な可塑剤を用いても
構わない。
【0046】かかるポリエ−テルエステルブロック共重
合体は公知の方法で製造できる。例えば、ジカルボン酸
の低級アルコ−ルジエステル、過剰量の低分子量グリコ
−ルおよびポリエ−テルグリコ−ルを触媒の存在下エス
テル交換反応させ、続いて得られる反応生成物を減圧下
重縮合する方法、あるいはジカルボン酸とグリコ−ル及
びポリエ−テルグリコ−ルを触媒の存在下エステル化反
応させ、ついで得られる生成物を重縮合する方法、また
予め短鎖ポリエステル(例えばポリブチレンテレフタレ
−ト)を作っておき、これに他のジカルボン酸やジオ−
ルもしくはポリエ−テルグリコ−ルを加えたり、もしく
は他の共重合ポリエステルを添加してエステル交換によ
りランダム化させる方法など何れの方法をとっても良
い。
【0047】ポリエ−テルエステルブロック共重合体を
製造するのに利用するエステル交換反応またはエステル
化反応と重縮合反応に共通の触媒としては、テトラ(イ
ソプロポキシ)チタネ−ト、テトラ(n−ブトキシ)チ
タネ−トに代表されるテトラアルキルチタネ−ト、これ
らテトラアルキルチタネ−トとアルキレングリコ−ルと
の反応生成物、テトラアルキルチタネ−トの部分加水分
解物、チタニウムヘキサアルコキサイドの金属塩、チタ
ンのカルボン酸塩、チタニル化合物等のTi系触媒が好
ましい他:
【0048】モノn−ブチルモノヒドロキシスズオキサ
イド、モノn−ブチルスズトリアセテ−ト、モノn−ブ
チルスズモノオクチレ−ト、モノn−ブチルスズモノア
セテ−ト等のモノアルキルスズ化合物:ジn−ブチルス
ズオキサイド、ジn−ブチルスズジアセテ−ト、ジフェ
ニルスズオキサイド、ジフェニルスズジアセテ−ト、ジ
n−ブチルスズジオクチレ−ト等のジアルキル(または
ジアリ−ル)スズ化合物等が挙げられる。
【0049】この他、Mg、Pb、Zr、Zn等の金
属、金属酸化物、金属塩触媒が有用である。これらの触
媒は単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用しても
良い。特に単独で使用する場合にはテトラアルキルチタ
ネ−ト、または三酸化アンチモンが、組み合わせて使う
場合はテトラアルキルチタネ−トと酢酸マグネシウムと
の組合せが好適である。
【0050】エステル化あるいは重縮合触媒の添加量は
生成ポリマ−に対して0.005〜0.5重量%が好ま
しく、特に0.03〜0.2重量%が好ましい。 これ
ら触媒はエステル交換またはエステル化反応開始時に添
加した後、重縮合反応時に再び添加してもしなくても良
い。
【0051】また、ジカルボン酸やグリコ−ルの一部と
してポリカルボン酸や他官能ヒドロキシ化合物、オキシ
酸等が共重合されていても良い。他官能成分は高粘度化
成分として有効に作用し、その共重合し得る範囲は3モ
ル%以下である。かかる他官能成分として用いることが
出来るものには、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ブタン
テトラカルボン酸、グリセリン、ペンタエリスリト−ル
およびそれらのエステル、酸無水物等を挙げることがで
きる。
【0052】またさらに必要に応じて本発明に用いられ
るポリエ−テルグリコ−ルをそれ以外のポリエ−テルグ
リコ−ルで一部置換しても良い。かかる置換に用いられ
るポリエ−テルグリコ−ルとしては、ポリ(エチレンオ
キシ)グリコ−ル、ポリ(プロピレンオキシ)グリコ−
ル、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ−ル、ポリ
(1,2−プロピレンオキシ)グリコ−ル、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共
重合体、THFと3−メチルTHFのランダム共重合
体、エチレンオキシドとTHFのブロック又はランダム
共重合体、ポリ(2−メチル−1,3−プロピレンオキ
シ)グリコ−ル、ポリ(プロピレンオキシ)ジイミドジ
酸等が挙げられる。
【0053】これら置換に用いられるポリエ−テルグリ
コ−ルの好ましい数平均分子量は400〜6,000で
あり、特に1,000〜3,000が好適である。好ま
しい置換ポリエ−テルグリコ−ルとしてはポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコ−ルが挙げられる。ポリ(テト
ラメチレンオキシ)グリコ−ルを置換に用いた場合、数
平均分子量(Mn )が1,800を越えると分子量分布
[Mv /Mn :Mn は末端水酸基価より求めた数平均分
子量、Mv は式 Mv =antilog(0.493log
η+3.0646)で規定される粘度平均分子量であ
る。但しηは40℃の温度における溶融粘度をポアズで
示したもの]によっては結晶化が起こって低温性能に好
ましくない結果を与える場合がある。
【0054】この分子量分布(Mv /Mn )の値が1.
6以下と狭いものを用いるほうが好ましい。更に好まし
くは1.5以下である。しかし好適には置換のポリエ−
テルグリコ−ルは本発明に用いられるポリエ−テルグリ
コ−ルの90重量%以下の範囲で用いられる。この値が
90重量%を越えると、本発明に用いられるポリエ−テ
ルグリコ−ル中のネオペンチルオキシドユニットの含量
にもよるが一般的に耐水性や低温性能等の物性に満足な
結果が得られない場合があるので用途に応じた選定が必
要である。
【0055】このように重合したポリエ−テルエステル
ブロック共重合体の重合度は一般には相対溶液粘度(η
rel )や固有粘度([η])、メルトフロ−レ−ト(M
FR)にて表現されるが、本発明ではMFRにて表現さ
れる。本発明ではMFRが0.1〜30g/10分(荷
重2.16kg、230℃:以下L条件)という高分子
量のポリエ−テルエステルブロック共重合体が得られ
る。
【0056】MFRが30以下のポリエ−テルエステル
ブロック共重合体が物性、特に機械強度、体屈曲疲労性
等に良い影響を与える。MFRが30を越えると分子量
が十分上がっていないため特に機械物性(破断強度、破
断伸び等)や耐屈曲摩耗性、c−set等に劣るため、
用途が制限される。また、MFRが0.1より小さいと
これら物性は良好となるが、溶融粘度が上がりすぎてリ
アクタ−からの払い出しが出来にくく、現実的ではな
い。機械物性とリアクタ−からの払い出し易さとのバラ
ンスを考慮すれば、より好ましいMFRはL条件で5〜
25g/10分である。
【0057】本発明に用いられる添加剤としては少なく
とも酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤が用いられるこ
とが望ましい。酸化防止剤はポリエ−テルエステルブロ
ック共重合体の製造中または製造後の任意の時期に加え
ることが出来るが、特にポリエ−テルグリコ−ルが高温
に曝される時点、例えば重縮合反応に入る時点でポリエ
−テルグリコ−ルの酸化劣化を防止するため重縮合反応
を阻害せず、また触媒の機能を損なわない酸化防止剤を
加えることが望ましい。
【0058】これらの酸化防止剤としては燐酸、亜燐
酸、の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステ
ルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネ−
ト、ジアルキルペンタエリスリト−ルジホスファイト、
ジアルキルビスフェノ−ルAジホスファイト等のリン化
合物;フェノ−ル系誘導体特にヒンダ−ドフェノ−ル化
合物、チオエ−テル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベン
ズイミダゾ−ル系、チオカルバニリド系、チオジプロピ
オン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレ−
ト、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用い
ることができる。
【0059】これらはこれらは単独で用いても2種以上
組み合わせて用いても構わない。これら安定剤の添加量
はポリエ−テルエステルブロック共重合体100重量部
に対し、0.01〜2重量部が望ましい。通常、酸化防
止剤は一次、二次、三次老化防止剤に分けることが出来
る。特に一次老化防止剤としてのヒンダ−ドフェノ−ル
化合物としてはIrganox1010(商品名:チバ
ガイギ−社製)、Irganox1520(商品名:チ
バガイギ−社製)等が好ましい。二次老化防止剤として
の燐系化合物はPEP−36、PEP−24G、HP−
10(いずれも商品名:旭電化(株)製)P−16(商
品名:住友化学(株)製)が好ましい。さらに三次老化
防止剤としての硫黄化合物としてはジラウリルチオプロ
ピオネ−ト(DLTP)、ジステアリルチオプロピオネ
−ト(DSTP)等のチオエ−テル化合物が好ましい。
【0060】また必要に応じ、同様な方法で紫外線吸収
剤・光安定剤を加えてもよい。これらの紫外線吸収剤と
してはベンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系化合物
等が挙げられる。光安定剤としてはヒンダ−ドアミン化
合物のようなラジカル捕捉型光安定剤が好適に用いられ
る。
【0061】本願発明のエアバック装置の収納カバ−を
構成する熱可塑性エラストマ−組成物には、必要に応じ
て少なくとも2個のビニル芳香族ユニットを主体とする
重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンユニット
を主体とするブロック共重合体ユニットを水素添加して
得られ、ビニル芳香族化合物ユニットの含有率が20〜
40重量%であり、共役ジエンブロックの炭素/炭素不
飽和二重結合の少なくとも80パ−セントが水素添加さ
れている水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体
をブレンドすることが出来る。水添スチレン−共役ジエ
ン系ブロック共重合体はスチレン−共役ジエン系ブロッ
ク共重合体のジエンブロックを水素添加させることで製
造される。
【0062】水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重
合体の水添させる前のブロック共重合体はビニル芳香族
化合物重合体ブロックを少なくとも2個、共役ジエンを
主体とする重合体ブロックを少なくとも1個含有するも
のである。ここで、共役ジエンを主体とする重合体ブロ
ックは、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との重
量比が0/100〜50/50、好ましくは0/100
〜40/60の組成範囲からなる重合体ブロックであ
り、このブロックにおけるビニル芳香族化合物の分布は
ランダム、テ−パ−(分子鎖に沿ってモノマ−成分が増
加または減少するもの)、一部ブロック状、またはこれ
らの任意の組合せのいずれでもあっても良い。
【0063】なお、本発明における水添する前のブロッ
ク共重合体中にはビニル芳香族化合物重合体ブロックと
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとの遷移
部等にビニル芳香族化合物が50重量%を越えるビニル
芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体部分が存
在していてもよいが、かかる重合体部分は前記の共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックに含めるものと
する。上記ブロック共重合体において、ビニル芳香族化
合物の含有量と共役ジエン化合物の含有量の重量比は、
10/90〜90/10であり、20/80〜85/1
5の範囲が好ましい。
【0064】上記水添前のブロック共重合体を構成する
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン等の中から1種、または2
種以上が選ばれ、中でもスチレンが特に好ましい。ま
た、共役ジエン化合物としてはブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン等のうちから1種または2種
以上が選ばれ、中でもブタジエンおよび/またはイソプ
レンが特に好ましい。
【0065】上記ブロック共重合体は、数平均分子量が
20,000〜500,000の範囲であり、分子量分
布(重量平均分子量と数平均分子量の比)は1.05〜
10の範囲が好ましい。また、ブロック共重合体の分子
構造は直鎖状、分岐状、放射状、またはこれらの組合せ
などいずれでも良い。
【0066】さらに、ブロック共重合体において共役ジ
エン化合物としてブタジエンを使用した場合には、ブタ
ジエン部分のミクロ構造の1,2ビニル結合量が全ポリ
ブタジエン中に10〜80%の範囲が好ましい。水添ブ
ロック共重合体にゴム弾性を持たせることを必要とする
場合には、1,2ビニル結合は全ポリブタジエン中の2
5〜55%の範囲が特に好ましい。
【0067】上記ブロック共重合体がビニル芳香族化合
物を主体とするブロックを2個以上含有する場合におい
ては、各ブロックは同一の構造であっても良いし、モノ
マ−成分含有量、それらの分子鎖における分布、ブロッ
クの分子量、ミクロ構造等の各構造が異なるものであっ
ても良い。
【0068】上記のブロック共重合体は通常、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の不活性炭
化水素溶媒中でn−ブチルリチウム等の有機リチウム化
合物を触媒として、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物をリビングアニオン重合することによって得られ
る。さらに、上記方法によって得られるリチウム活性末
端を有するブロック共重合体を多官能のカップリング
剤、例えば四塩化炭素、四塩化珪素等とカップリング反
応させることにより分岐状、放射状のブロック共重合体
とすることも可能である。さらにブロック共重合体は1
種のみならず2種以上の混合物として使用することも可
能である。
【0069】上記ブロック共重合体を公知の方法、例え
ば特公平2−9041〜9043号公報に記載の方法で
水添することにより、ビニル芳香族化合物ブロックAの
芳香族二重結合を実質的に水添しないで共役ジエンブロ
ックの炭素/炭素不飽和二重結合の少なくとも80%が
水素添加される水添ブロック共重合体が合成できる。
【0070】かかる水添ブロック共重合体の共役ジエン
ブロック部分の炭素/炭素不飽和二重結合の水添率が8
0%に満たないと、ポリエ−テルエステルブロック共重
合体との溶融混練時のゲル化・分子鎖切断等の好ましく
ない副反応が起こったり、最終熱可塑性エラストマ−組
成物成形体の耐熱老化性、耐候性も充分で無くなるため
好ましくない。好ましい水添率は90%以上、さらに好
ましくは95%以上である。
【0071】また、かかる水添ブロック共重合体中に含
まれる重合触媒及び/または水添触媒の残査は好適には
脱灰等の処理により、除去しておくことが望ましい。金
属種にもよるが100ppm以下、好ましくは50pp
m以下、さらに好ましくは20ppm以下である。
【0072】本願発明のエアバック装置の収納カバ−を
構成する熱可塑性エラストマ−組成物に前記水添スチレ
ン・共役ジエン系ブロック共重合体をブレンドする際の
相容性・分散性を高めるために、かかる水添スチレン・
ジエン系ブロック共重合体は酸無水物基、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキサゾ
リン基、イミド基、イソシアナ−ト基、スルホニル基及
びスルホネ−ト基から選ばれた少なくとも1種の官能基
を有する不飽和化合物をグラフト・或いは後反応させた
変性水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体を用
いても良い。この中でも特に不飽和カルボン酸及びその
誘導体で変性した水添スチレン−共役ジエン系ブロック
共重合体が展開性能の温度域が最も広く、好ましい。
【0073】変性水添スチレン−共役ジエン系ブロック
共重合体を製造する一例を以下に示す。変性されるブロ
ック共重合体に炭素/炭素不飽和二重結合が全く存在し
ないかあるいは不飽和度が10%(水添率90%)以
下、好ましくは3%(水添率97%)以下の場合には後
述する化合物で変性する際に、通常使われるラジカル開
始剤を共存させてラジカル付加させることによって得ら
れる。これら変性エラストマ−の製造方法に関しては、
本発明に於て特に限定されないが、得られた変性エラス
トマ−がゲル等の好ましくない成分を含んだり、その溶
融粘度が著しく増大して加工性が極端に悪化したりする
製造方法は好ましくない。
【0074】好ましい製造方法としては、例えば押出機
中で不活性ガス存在下、ラジカル開始剤を共存させ、未
変性の水添ブロック共重合体と不飽和カルボン酸または
その誘導体とを反応させる方法がある。また未変性の水
添ブロック共重合体をトルエン、キシレン等の溶媒に溶
解させ、ラジカル開始剤の存在下、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体とを反応させる方法も用いられる。未反
応の不飽和カルボン酸またはその誘導体は真空脱気、抽
出、沈澱等の適当な後処理によって除いた方が好まし
い。
【0075】また、変性される水添ブロック共重合体が
炭素/炭素不飽和二重結合をその分子中に多量に含む場
合や不飽和度が10%を越える(水添率が90%以下)
ような場合は上記方法を用いると著しいゲル化を生じ、
最終組成物の物性を悪化させたり、加工性を悪化させる
ので好ましくない。このような場合は水添ブロック共重
合体と不飽和カルボン酸またはその誘導体を加熱混合し
て炭素/炭素不飽和二重結合に「エン反応」させること
によって変性エラストマ−を製造させる。この際、必要
に応じて例えばフェノチアジン等の安定剤等を共存させ
て熱によるゲル化を防止させることもできる。
【0076】かかる変性ブロック共重合体に結合してい
る不飽和カルボン酸またはその誘導体の結合量は該ブロ
ック共重合体100重量部当り0.05〜5重量部であ
る。スチレン系飽和型熱可塑性エラストマ−の変性に用
いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体の例として
は、マレイン酸、マレイン酸エステル、マレイン酸アミ
ド、マレイン酸イミド、無水マレイン酸、フマル酸、フ
マル酸エステル、フマル酸アミド、フマル酸イミド、フ
タル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、イタコン酸エス
テル、イタコン酸アミド、イタコン酸イミド、ハロゲン
化マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸エステル、ハロゲ
ン化マレイン酸アミド、ハロゲン化マレイン酸イミド、
アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、シス−4−シ
クロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、そのエステル、
その無水物、そのアミド、およびそのイミド、
【0077】エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−
5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、そのエステル、
その無水物、そのアミド、およびそのイミド:(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ア
ミド等が挙げられる。特に無水マレイン酸と(メタ)ア
クリル酸グリシジルが好ましい。
【0078】この他、ビニルグリシジルエ−テル、ビニ
ルオキサゾリン等の非不飽和カルボン酸化合物、その誘
導体である含官能基ビニル化合物も好適に用いられる。
これら変性スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体は
水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体の全部ま
たは一部置換させることが可能である。
【0079】これらブロック共重合体は、本願発明のエ
アバック装置の収納カバ−を構成する熱可塑性エラスト
マ−組成物100重量部に対し、5〜100重量部の範
囲で好適にブレンドされる。
【0080】また必要に応じて得られる組成物に可塑剤
の添加を行なっても良い。かかる可塑剤の例としてジオ
クチルフタレ−ト、ジブチルフタレ−ト、ジエチルフタ
レ−ト、ブチルベンジルフタレ−ト、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレ−ト、ジイソデシルフタレ−ト、ジウンデ
シルフタレ−ト、ジイソノニルフタレ−ト等のフタル酸
エステル類:トリクレジルホスフェ−ト、トリエチルホ
スフェ−ト、トリブチルホスフェ−ト、トリ−2−エチ
ルヘキシルホスフェ−ト、トリメチルヘキシルホスフェ
−ト、トリス−クロロエチルホスフェ−ト、トリス−ジ
クロロプロピルホスフェ−ト等の燐酸エステル類:
【0081】トリメリット酸オクチルエステル、トリメ
リット酸イソデシルエステル、トリメリット酸エステル
類、ジペンタエリスリト−ルエステル類、ジオクチルア
ジペ−ト、ジメチルアジペ−ト、ジ−2−エチルヘキシ
ルアゼレ−ト、ジオクチルアゼレ−ト、ジオクチルセバ
ケ−ト、ジ−2−エチルヘキシルセバケ−ト、メチルア
セチルリシノケ−ト等の脂肪酸エステル類:ピロメリッ
ト酸オクチルエステル等のピロメリット酸エステル:エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪
酸アルキルエステル等のエポキシ系可塑剤:アジピン酸
エ−テルエステル、ポリエ−テル等のポリエ−テル系可
塑剤:液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジ
エン等の液状ゴム:プロセスオイル等を挙げることが出
来る。
【0082】これら可塑剤は単独、あるいは2種以上組
み合わせて使用することが出来る。可塑剤の添加量は要
求される硬度、物性に応じて適宜選択されるが、組成物
100重量部当り1〜50重量部が好ましい。
【0083】また、物性を損なわない範囲でカオリン、
シリカ、マイカ、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、珪酸カルシウム、クレ−、カオリン、ケイソウ
土、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブ
デン、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等の充填剤
や補強材:ステアリン酸亜鉛やステアリン酸ビスアマイ
ドのような滑剤ないしは離型剤:着色のためのカ−ボン
ブラック、群青、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、
紺青、アゾ顔料、ニトロ顔料、レ−キ顔料、フタロシア
ニン顔料等の染顔料:オクタブロモジフェニル、テトラ
ブロモビスフェノ−ルポリカ−ボネ−ト等の難燃化剤:
発泡剤:エポキシ化合物やイソシアネ−ト化合物等の増
粘剤:シリコ−ンオイルやシリコ−ン樹脂等、公知の各
種添加剤を用いることが出来る。
【0084】本発明のエアバック装置の収納カバ−を構
成する熱可塑性エラストマ−組成物は、各種押出機、バ
ンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、ロ−ル、さらにこれらを
組み合わせたもの等により、溶融混練後、造粒すること
により容易にペレットの形態で得られる。この熱可塑性
エラストマ−組成物を一般の熱可塑性樹脂や熱可塑性エ
ラストマ−の成形に使用される汎用の単純な射出成形機
で成形することにより高い生産性で収納カバ−を得るこ
とが出来る。
【0085】成形体の表面硬度がショアD硬度で25以
下であるとエアバックカバ−は軟質性が相当付与される
ために、低温下での展開性や曲げ剛性が低くなり有利で
あるが、高温下(90℃)での展開性能がエアバッグカ
バ−の形状によっては好ましくない場合もある。また、
ショアD硬度で55を越えると高温下での展開性は良好
であるが低温下では逆に硬くなり、展開性能が悪くなる
場合もある。ショアD硬度が50より高くなった場合に
はエア−バッグカバ−の内側の脆弱な構造の破断予定線
(ティアライン)の深さを浅くすれば高温下の展開性能
は良好になる。
【0086】成形体の表面硬度はショアD硬度で25〜
55が好ましく、より好ましくは30〜50である。収
納カバ−が確実に展開しエア−バッグを瞬間的に放出す
るために、収納カバ−には予め計画したティアラインに
沿って脆弱な構造の破断予定部分を配設する必要があ
る。ティアラインは乗員の位置、エア−バッグ装置の設
計位置、エア−バッグの放出方向、収納カバ−の形状、
その他を勘案して設定することができる。
【0087】図に従って、本発明の収納カバ−の構造を
具体的に説明する。図1は本発明による運転席用エア−
バッグ装置の収納カバ−の一例を示す斜視図である。図
5は本発明による助手席用エア−バッグ装置の収納カバ
−の一例を示す斜視図である。図8は本発明による助手
席用エア−バッグ装置の収納カバ−の他の例を示す図6
と同様の断面を示す模式図である。図9は図8に示す収
納カバ−の図7と同様の断面を示す模式図である。
【0088】収納カバ−の天面は、図1に示すようなH
字状、図5に示すようなコの字状、その他X字状、放射
状、円弧状、U字状等に設定できる。また、収納カバ−
の側壁は、図8、9に示すように設定することが出来
る。脆弱な構造の破断予定部分は、収納カバ−の設定さ
れた破断予定線に沿った部分にV字状溝、U字状溝、コ
の字状溝、その他の断面形状の溝を設けたり他の部分の
肉厚より薄くしたり、スリットや切込みを断続的に設け
ることにより実現できる。また、収納カバ−表面をシボ
加工することにより表面の耐傷付性をさらに改善するこ
とが出来る。
【0089】
【実施例】以下に実施例、比較例に基づき本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。 <評価方法>はじめに実施例及び比較例において用いら
れた物性評価項目と、その評価方法について以下に説明
する。 〔メルトフロ−レ−ト(MFR)〕 各熱可塑性エラストマ−組成物のペレット約5gを、真
空乾燥器にて70℃で約12時間真空乾燥させた後、直
ちに、直径2.090mm、長さ8mmのオリフィスに
より、荷重2.16kg、測定温度230℃のL条件で
MFRを測定した。
【0090】 〔融点〕 各熱可塑性エラストマ−組成物約10mgを、SEIK
O電子工業社製の示差熱量計(DSC−200)にか
け、昇温速度10℃/分の条件で、窒素雰囲気下(10
cc/分)、標準物質との温度差ΔTの変化を調べて、
得られた温度−温度差(ΔT)曲線から吸熱ピ−クのト
ップの温度を融点とした。 〔表面硬度〕 ショアD硬度を25℃で測定した。 〔曲げ弾性率(kg・f/cm2 )〕 JIS K7203に従って、長さ125mm×幅1
2.5mm×長さ3mmの射出成形試験片を用い、曲げ
速度2mm/分の条件で、−50℃、−40℃、−25
℃、0℃、100℃の各温度において曲げ弾性率を測定
した。
【0091】 〔破断強度(kg・f/cm2 )、破
断伸び(%)〕 JIS K6301に従って、長さ20mm×幅3mm
×厚さ2mmの射出成形試験片を用い、25℃で、ヘッ
ドスピ−ド20mm/分の条件で引張試験を行うことに
より測定した。 〔捻り弾性率(kg・f/cm2 )〕 捻り弾性率はクラッシュ・バ−グ試験機を用い、JIS
K6745の方法に従って−50℃〜10℃まで測定
した。−50℃における弾性率を示す。
【0092】 〔収納カバ−の展開性能〕 鉄製の取付金具(リテ−ナ−)にエア−バッグと収納カ
バ−を取り付け、更にガス発生器を取り付けてエア−バ
ッグ装置を組み立てる。次にこのエア−バッグ装置を展
開温度(−40℃、室温あるいは90℃)の空気恒温槽
に入れ、内温が安定してから更に2時間放置した後エア
−バッグを取り出し、架台に取付け通電し展開する。
(空気恒温槽からエア−バッグ装置を取り出してから一
分以内に通電する。) 収納カバ−が破断片を発生することなく破断予定部分で
開裂しエア−バッグが展開すれば収納カバ−の展開性は
良好とする。 〔表面耐傷付性〕 荷重を340gとして鉛筆硬度(9B〜9H)にて評価
した。
【0093】なお、ポリエ−テルエステルブロック共重
合体のソフトセグメントに用いるポリオキシアルキレン
グリコ−ルとしては、以下に示す二種類を使用した。 (a)ネオペンチルグリコ−ル共重合ポリ(テトラメチ
レンオキシ)グリコ−ル(TとNとの共重合体で両末端
がアルコ−ル性水酸基であるもの):旭化成工業(株)
製、Mn =1825、Mv /Mn =1.75、N含率=
10.8モル%
【0094】(b)ポリ(テトラメチレンオキシ)グリ
コ−ル:保土ヶ谷化学(株)製、PTG−1, 800、
Mn=1828、Mv /Mn =2.11
【0095】(実施例1)15リットルの三菱重工業
(株)製円錐型リアクタ−(VCR)に、ジメチルテレ
フタレ−ト(三菱化成(株)製、以下同じ)1520
g、1,4−ブタンジオ−ル(和光純薬(株)製、試薬
特級、以下同じ)1062g、(a)のポリオキシアル
キレングリコ−ルを3,201g、イルガノックス10
10(チバガイギ−社製)15gを仕込み、窒素置換
後、窒素雰囲気下で200℃まで昇温した。ついでテト
ライソプロポキシチタネ−ト(東京化成製試薬1級、以
下同じ)を1.5g添加した。そして、200℃に30
分間保持した後に230℃まで昇温し、回転数150r
pmで撹拌しながら2時間かけてエステル交換反応を行
った。留出してきたメタノ−ル量は理論量の95%であ
った。ついで温度を250℃にし、回転数50rpmで
撹拌しながら30分かけて0.5mmHgまで減圧し、
その後約3時間かけて、トルク上昇が起こらなくなるま
で縮合反応を行った。
【0096】リアクタ−の内容物を下部より抜きだした
ところ、ポリエ−テルエステルブロック共重合体が透明
な粘ちょう重合体として得られた。これをストランドカ
ッティングすることでペレット化し、70℃で12時間
真空乾燥した。このペレット100重量部に対し、カ−
ボンブラックマスタ−ペレット(ロイヤルブラックRB
9005)を1重量部、Irganox1010を0.
1重量部、ジラウリルチオプロピオネ−ト(DLTP、
吉富製薬(株)製)を0.15重量部、及びTINUV
IN327(チバガイギ−社製)を0.1重量部それぞ
れ230℃、押出機で溶融ブレンドすることで熱可塑性
エラストマ−組成物を得た。
【0097】この熱可塑性エラストマ−組成物の表面硬
度はショアD硬度で33であった。射出成形した試験片
の物性評価一覧を表1〜2に示した。次に、この熱可塑
性エラストマ−組成物のペレットを射出成形し、複数の
運転席用エア−バッグ装置の収納カバ−を得た。成形サ
イクルは80秒であり、得られた収納カバ−を使って組
み立てたエア−バッグ装置の感触は最高であった。この
収納バッグの−40℃、常温、90℃での展開性能をま
とめて表1に示す。
【0098】実施例1の収納カバ−の形状を図1〜図4
を参照して以下具体的に説明する。図1は本発明による
運転席用エア−バッグ装置の収納カバ−の一例を示す斜
視図である。図2は図1のII−II線による収納カバ
−の断面を示す模式図である。図3は図2の収納カバ−
のV字状溝の拡大断面を示す模式図である。図4は図2
の収納カバ−のV字状溝の拡大断面を示す模式図であ
る。
【0099】図1に示すように、収納カバ−はリテ−ナ
−(図字せず)に取り付けるためのボルト穴を有するフ
ランジ5を周囲に有し、一方が開き、内側にエア−バッ
グを収納できる空間8を有して箱状に形成されており、
天面2に脆弱な構造の破断予定部分3が図1の点線で示
すようにH字状に配設され、天面2の二個所に図1の一
点鎖線で示すようにヒンジ部4が配設されている。
【0100】破断予定部分3は図2及び図3に示すよう
に天面2の裏側の破断形状がV字状のV溝6により形成
されている。ヒンジ部4は図2、図4に示すように天面
2の裏側の断面形状がU字状のU溝7により形成されて
いる。エア−バッグ(図字せず)が膨張すると収納カバ
−1は破断予定部分3で破断し、二つの扉2a、2bが
それぞれヒンジ部4を軸に展開し、エア−バッグが放出
され膨張する。
【0101】破断予定部分3の寸法はH字の縦の二本の
棒に相当する部分が12cm、横の棒に相当する部分が
15cmであり、破断予定部分の肉厚が1mm、ヒンジ
部の肉厚が2.5mm、その他の部分は5mmである。
また、実施例1の収納カバ−は最大型締力150kg/
cm2 、最大射出圧力60kg/cm2 の汎用型射出成
形機に上記収納カバ−用金型を取付け、運転温度200
〜230℃で成形した。また、実施例1では内容積60
リットルのエア−バッグを使用し、ガス発生量が約1モ
ルであるガス発生器1個を使用した。
【0102】(実施例2)実施例1で仕込のジメチルテ
レフタレ−ト2,072g、1,4−ブタンジオ−ル
1,442g、(a)のポリオキシアルキレングリコ−
ル2,750g仕込んだ以外は同様にして、エステル交
換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比率
も実施例1同様に行い、得られた熱可塑性エラストマ−
組成物の表面硬度はショアD硬度で40であった。
【0103】同様に射出成形した試験片の物性評価一覧
を表1〜2に示した。次に、この熱可塑性エラストマ−
組成物のペレットを実施例1と同様に射出成形して複数
の収納カバ−を使って組み立てたエア−バッグ装置の感
触は何れも非常に良好であった。また、−40℃、常
温、90℃の展開性は表1に示すように良好であった。
【0104】(実施例3)実施例1で仕込の(a)のポ
リオキシアルキレングリコ−ルを2500g仕込んだ以
外は同様に、エステル交換反応と縮合反応を行った。添
加剤の種類及び調合比率も実施例1同様に行い、得られ
た熱可塑性エラストマ−組成物の表面硬度はショアD硬
度で45であった。同様に射出成形した試験片の物性評
価一覧を表1に示した。次に、この熱可塑性エラストマ
−組成物のペレットを実施例1と同様に射出成形して複
数の収納カバ−を使って組み立てたエア−バッグ装置の
感触は何れも良好であった。また、−40℃、常温、9
0℃の展開性は表1に示すように良好であった。
【0105】(比較例1)東レ・デュポン社製のポリエ
−テルエステルブロック共重合体であるHytrel(
登録商標) 4047(ソフトセグメント:ポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコール)に実施例1と同じ配合で
添加剤を添加し、押出機で溶融ブレンドすることで表面
硬度40(ショアD硬度)の熱可塑性エラストマ−組成
物を得た。同様に射出成形した試験片の物性評価一覧を
表1〜2に示した。
【0106】次に、実施例1と同様に射出成形して複数
の収納カバ−を使って組み立てたエア−バッグ装置の感
触は何れも良好であった。また、−40℃、常温、90
℃の展開性を表1〜2に示す。
【0107】( 比較例2)GE(ゼネラルエレクトリッ
ク)社製のポリエ−テルエステルブロック共重合体であ
るLOMOD( 登録商標) B0220(ソフトセグメン
ト:ポリ(プロピレンオキシ)グリコ−ルジイミドジ
酸)に実施例1と同じ配合で添加剤を添加し、押出機で
溶融ブレンドすることで表面硬度48(ショアD硬度)
の熱可塑性エラストマ−組成物を得た。射出成形した試
験片の物性評価一覧を表1〜2に示した。次に、実施例
1と同様に射出成形して複数の収納カバ−を使って組み
立てたエア−バッグ装置の感触は何れも良好であった。
また、−40℃、常温、90℃の展開性を表1に示す。
【0108】(比較例3)仕込のポリオキシアルキレン
グリコ−ルを(b)のポリ(テトラメチレンオキシ)グ
リコ−ルにした以外は実施例1と同様に行った。得られ
た組成物の表面硬度はショアD硬度で31であった。射
出成形した試験片の物性評価一覧を表1〜2に示した。
次に、実施例1と同様に射出成形して複数の収納カバ−
を使って組み立てたエア−バッグ装置の感触は何れも良
好であった。また、−40℃、常温、90℃の展開性を
表1〜2に示す。
【0109】(比較例4)共重合体の構造が順に10重
量%の水素添加ポリブタジエンブロック(水素添加率9
9%以上、以下EBブロックと略す)、17.5重量%
のポリスチレンブロック(以下Sと略す)、55重量%
のEB、17.5重量%のSの四ブロックからなり、E
B部のエチレンユニットとブチレンユニットの重量比が
64対36であり、数平均分子量が12.0万であるス
チレン系飽和型熱可塑性エラストマ−(以下SEB)4
7.8重量部、パラフィン系オイル(平均分子量75
0、比重0.877)28.3重量部、ホモポリプロピ
レン(MFR(L)=14、ビッカット軟化点152
℃)23.9重量部、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止
剤0.6重量部、燐系熱安定剤0.15重量部、ベンゾ
トリアゾ−ル系光安定剤0.1重量部、ヒンダ−ドアミ
ン系光安定剤0.1重量部、カ−ボンブラック0.3重
量部を二軸押出機で溶融、混練、押出造粒してSEBの
ペレットを得、さらにブロッキング防止剤としてステア
リン酸カルシウム粉末を0.2重量部まぶした。
【0110】得られた組成物の表面硬度はショアD硬度
で32であった。射出成形したSEB試験片の物性評価
一覧を表1〜2に示した。次に、このSEBペレットを
射出成形して複数の収納カバ−を得た。成形サイクルは
93秒であった。また、−40℃、常温、90℃の展開
性を表1〜2に示す。
【0111】(比較例5)比較例4でSEB42.7重
量部、パラフィン系オイル25.3重量部、ホモポリプ
ロピレン32.0重量部にした以外は全く同じに行っ
た。得られた組成物の表面硬度はショアD硬度で40で
あった。射出成形したSEB試験片の物性評価一覧を表
1〜2に示した。次に、このSEBペレットを射出成形
して複数の収納カバ−を得た。成形サイクルは93秒で
あった。また、−40℃、常温、90℃の展開性を表1
〜2に示す。
【0112】(比較例6)仕込の(a)のポリオキシア
ルキレングリコ−ルを3693gにした以外は実施例1
と同様に行った。この熱可塑性エラストマ−組成物の表
面硬度はショアD硬度で23であった。射出成形した試
験片の物性評価一覧を表1〜2に示した。次に、この熱
可塑性エラストマ−組成物のペレットを射出成形し、複
数の運転席用エア−バッグ装置の収納カバ−を得た。成
形サイクルは80秒であり、得られた収納カバ−を使っ
て組み立てたエア−バッグ装置の感触は良好であった。
この収納バッグの−40℃、常温、90℃での展開性能
をまとめて表1〜2に示す。
【0113】(比較例7)仕込の(a)のポリオキシア
ルキレングリコ−ルを1970gにした以外は実施例1
と同様に行った。この熱可塑性エラストマ−組成物の表
面硬度はショアD硬度で57であった。射出成形した試
験片の物性評価一覧を表1〜2に示した。次に、この熱
可塑性エラストマ−組成物のペレットを射出成形し、複
数の運転席用エア−バッグ装置の収納カバ−を得た。成
形サイクルは80秒であり、得られた収納カバ−を使っ
て組み立てたエア−バッグ装置の感触は良好であった。
この収納バッグの−40℃、常温、90℃での展開性能
をまとめて表1〜2に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】*1:(a)のポリオキシアルキレングリ
コールをソフトセグメントとするポリエーテルエステル
ブロック共重合体(エラストマー) *2: 東レ・デュポン社製 ポリエーテルエステルブ
ロック共重合体(エラストマー) Hytrel(登録商標) 40
47 *3: GE社製 ポリエーテルエステルブロック共重
合体(エラストマー)LOMOD(登録商標) B0220 *4:(b)のポリオキシアルキレングリコールをソフ
トセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重
合体(エラストマー)
【0117】(実施例4)実施例2で使用したものと同
じ熱可塑性エラストマ−組成物のペレットを射出成形し
て複数の助手席用エア−バッグ装置の収納カバ−を得
た。成形サイクルは75秒であり、得られた収納カバ−
を使って組み立てたエア−バッグ装置の感触は良好であ
り、−40℃、常温、90℃での展開性はいずれも良好
であった。
【0118】図5は本発明による助手席用エア−バッグ
装置の収納カバ−の一例を示す斜視図である。図6は図
5のVI−VI線による収納カバ−の断面を示す模式図
である。図7は図5のVII−VII線による収納カバ
−の断面を示す模式図である。
【0119】なお、この実施例9の収納カバ−の形状を
図5、図6及び図7に示す。即ち、収納カバ−11は天
板12と四枚の側壁18とからなる。天板12は側壁1
8の外側まで庇状に張り出しており、側壁は下端外周に
つば15がつけられている。収納カバ−11は側壁18
に配置されている穴19を使ってリテ−ナ−(図字せ
ず)に取り付けることが出来、リテ−ナ−にはガス発生
器(図字せず)が取り付けられる。
【0120】収納カバ−の天板12、側壁18、リテ−
ナ−、ガス発生器で形成される空間にエア−バッグ(図
字せず)を収納することが出来る。脆弱な構造の破断予
定部分13、13’が図5、図6、図7に示すように天
面12の側壁18より内側に配設され、ヒンジ部14が
図5、図6に示すように配設されている。破断予定部分
13、13’は図5、6に示すように配設されている。
【0121】破断予定部分13、13’は図6、図7に
示すように天板12の裏側の断面形状がV字状のV溝1
6、16’により形成されている。ヒンジ部14は図6
に示すように天板12の裏側の断面形状がU字状のU溝
17により形成されている。
【0122】エア−バッグが膨張すると収納カバ−11
は破断予定部分13、13’で破断し、破断予定部1
3、13’とヒンジ部で囲まれる部分12aがヒンジ部
14を軸−して展開し、エア−バッグが放出され膨張す
ることになっている。収納カバ−11の寸法は、(イ)
天板12の長辺34cm、短辺14cm、厚さ5mm、
(ロ)側壁18の長辺約28cm、短辺約10cm、高
さ約6.8cm、厚さ約5mm、(ハ)破断予定部の肉
厚0.8mm、(ニ)ヒンジ部の肉厚2.5mmであ
る。
【0123】また、実施例4の収納カバ−は最大型締力
215kg/cm2 、最大射出圧力60kg/cm2
汎用型射出成形機に上記収納カバ−用金型を取付け、運
転温度200〜230℃で成形した。また、実施例4で
は内容積120リットルのエア−バッグを使用し、ガス
発生量が約1モルであるガス発生器2個を使用した。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、 第
一、−50℃より低い脆化温度と120℃を越える熱変
形温度を有し、曲げ弾性率の温度変化が小さく、耐油・
耐薬品性に優れ、かつ安定剤が配合されていることによ
り熱や光に対する耐久性が優れている、特殊な構造を有
する熱可塑性ポリエ−テルエステルブロック共重合体組
成物を採用したこと、
【0125】 第二、この熱可塑性エラストマ−組成
物を射出成形法により成形することを採用したこと、 第三、脆弱な構造の破断予定部分を配設したことに
より、耐久性に優れ、優れた感触を有し、広い温度範囲
で確実に展開し、衝突後のスリップ等による二次衝突で
破断部に当たって負傷する危険性も大幅に低減されてお
り、高生産性、塗装レスが可能となり、低コストが実現
されるエア−バッグ収納カバ−を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による運転席用エア−バッグ装置の収納
カバ−の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線による収納カバ−の断面を
示す模式図である。
【図3】図2の収納カバ−のV字状溝の拡大断面を示す
模式図である。
【図4】図2の収納カバ−のV字状溝の拡大断面を示す
模式図である。
【図5】本発明による助手席用エア−バッグ装置の収納
カバ−の一例を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線による収納カバ−の断面を
示す模式図である。
【図7】図5のVII−VII線による収納カバ−の断
面を示す模式図である。
【図8】本発明による助手席用エア−バッグ装置の収納
カバ−の他の例を示す図6と同様の断面を示す模式図で
ある。
【図9】図8に示す収納カバ−の図7と同様の断面を示
す模式図である。
【符号の説明】
1、11、21・・・収納カバ− 2・・・天面 2a・・・扉 3、13、13’、23、23' ・・・破断予定部分 4、14、24・・・ヒンジ部 5・・・フランジ 6、16、16’、26、26’・・・V溝 7、7’、17、27・・・U溝 8・・・空間 9・・・穴 12、22・・・ 天板 12a・・・天板の開口部 18・・・側板 19・・・穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 五郎 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側にエア−バッグ収納用凹部を有する
    と共に脆弱な構造の破断予定部を有し、次の(a)、
    (b)及び(c)成分とを共重合してなるポリエ−テル
    エステルブロック共重合体100重量部に対し、添加剤
    0.01〜5重量部配合してなり、しかもショアD硬度
    が25〜55である熱可塑性エラストマ−組成物の射出
    成形体であることを特徴とする、エア−バッグ装置の収
    納カバ−。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び
    そのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分 (b)短鎖ジオ−ル成分が脂肪族ジオ−ル及びそのエス
    テル形成性誘導体である短鎖ジオ−ル成分 (c)長鎖ジオ−ル成分が下式(1) に示すネオペンチレ
    ンオキシド構造単位(以下Nと略す)と下式(2) に示す
    テトラメチレンオキシド構造単位(以下Tと略す)より
    なり、Nの比率が5〜50モル%であるポリエ−テルで
    あって、両末端がアルコ−ル性水酸基であり、数平均分
    子量が400〜6,000であるポリエ−テルグリコ−
    ル 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 添加剤が熱安定剤及び(1) 紫外線吸収剤
    と(2) 光安定剤から選ばれる添加剤のうち少なくとも一
    つからなることを特徴とする、請求項1記載のエア−バ
    ッグ装置の収納カバ−。
  3. 【請求項3】 表面が光及び/又は熱で硬化された層で
    被覆されていることを特徴とする、請求項1記載のエア
    −バッグ装置の収納カバ−。
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