JPH07246888A - 車両用内装品 - Google Patents

車両用内装品

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JPH07246888A
JPH07246888A JP3716594A JP3716594A JPH07246888A JP H07246888 A JPH07246888 A JP H07246888A JP 3716594 A JP3716594 A JP 3716594A JP 3716594 A JP3716594 A JP 3716594A JP H07246888 A JPH07246888 A JP H07246888A
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JP
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coating layer
vehicle
coating
predetermined
friction coefficient
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JP3716594A
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English (en)
Inventor
Motohiro Kojima
基裕 小嶋
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Kojima Industries Corp
Original Assignee
Kojima Press Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 きしみ音等のスティック・スリップ音や打音
等の異音が、優れた経済性と良好な外観形状とをもっ
て、何れも効果的に防止され得る車両用内装品を提供す
ること。 【構成】 車両内における所定の取付箇所の取付面に対
向する部位14において、該車両内に露呈せしめられる
意匠面18から所定距離隔たった位置に、所定高さの突
出部16を設けると共に、かかる突出部16の表面に、
低摩擦係数を有する塗膜層22を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両内の所定の取付箇所に取り
付けられる車両用内装品に係り、特にかかる取付箇所の
取付面や他の内装品との擦れや衝突により生ぜしめられ
る、きしみ音等に代表される、所謂スティック・スリッ
プ音や打音等の異音が、優れた経済性と良好な外観形状
とをもって、何れも効果的に防止され得るようにした車
両用内装品の改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、車両においては、各種の内装品
が、車両内の所定の箇所に対して、単独で、或いは他の
内装品と共に取り付けられており、例えば、自動車等で
は、センタクラスタやメータクラスタ等が、インストル
メントパネルにおける所定の取付部等に取り付けられて
いる。そして、そのような車両にあっては、走行時にお
ける入力振動等により、それらの車両用内装品とそれが
取り付けられる取付箇所の取付面や他の内装品との間に
おいて擦れが生じ、それによって、きしみ音等のスティ
ック・スリップ音が発生することが、問題となってい
る。
【0003】このため、従来より、そのようなスティッ
ク・スリップ音を防止し得るようにした車両用内装品
が、種々、提案されており、その中でも特に有効なもの
の一つとして、特開平3−143745号公報や特開平
3−143746号公報に開示される如き構造のもの
が、知られている。
【0004】すなわち、それらの公報に開示の車両用内
装品にあっては、車両内における該内装品の取付箇所の
取付面や、かかる取付箇所に対して該内装品と共に取り
付けられる他の車両用内装品との接触部位、換言すれ
ば、該取付箇所の取付面に対向する部位に、滑性を有す
る塗膜層が形成されており、それによって、かかる対向
部位における摩擦係数が低下せしめられ、以て該取付箇
所の取付面や他の車両用内装品との間の擦れによって生
ぜしめられるスティック・スリップ音が、効果的に抑制
され得るようになっているのである。
【0005】また、かくの如き構造とされた車両用内装
品においては、該内装品とその取付箇所の取付面や他の
内装品との衝突に起因する打音等の異音を防止するべ
く、前記塗膜層に対して弾性が具備せしめられて、かか
る衝突による衝撃が緩和され得るようになっており、更
にそのような緩衝作用をより高める上で、通常、該塗膜
層が、前記取付面との対向部位の全面に、0.2〜2mm
程度の厚い膜厚をもって形成されるようになっている。
それ故、かかる車両用内装品にあっては、所定の塗料が
塗布されて、前記塗膜層が形成せしめられる際、塗布後
にタレが生じ、その結果、該塗膜層が車両内に露呈せし
められる意匠面にはみ出して、外観不良が惹起される恐
れがあった。
【0006】そこで、従来の車両用内装品にあっては、
前記公報や特開平3−143574号公報等に明らかに
されている如く、塗膜層を与える塗料として、所定の滑
剤が配合されると共に、硬化後に所定の弾性を発揮する
紫外線硬化塗料を用い、これを車両用内装品における前
記対向部位にノズルで吹き付けて、厚く塗布し、その
後、これに紫外線を照射して、直ちに硬化せしめ、以て
該塗膜層を形成するようにすることによって、該塗膜層
の意匠面へのはみ出し、ひいては内装品における外観不
良の問題が回避され得るようになっていたのである。
【0007】ところが、そのような従来の車両用内装品
にあっては、かかる塗膜層が、車両内における取付箇所
の取付面に対向する部位の全面に形成されるようになっ
ているがために、実際には、意匠面を被覆するマスクの
ズレや内装品自体の寸法誤差等による固定治具への固定
位置のバラツキ等によって、余分な塗料が意匠面に付着
せしめられて、塗膜層が意匠面にはみ出してしまうこと
が、往々にしてあったのである。しかも、かかる車両用
内装品においては、該塗膜層を形成するに際して、高価
な紫外線硬化塗料と紫外線照射装置が用いられ、しかも
膜厚の厚い塗膜層を得るために、そのような紫外線硬化
塗料が多量に使用されることから、該塗膜層の形成コス
ト、ひいては内装品自体の製造コストが高騰してしまう
ことが避けられなかったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、車両内の取付箇所の取付面や他の内装品と
の衝突を阻止乃至は抑制し得ると共に、それらの部位や
部材との擦れによって発生するきしみ音等のスティック
・スリップ音を防止するための塗膜層を、意匠面にはみ
出させることなく、しかも低コストに形成し得るように
為し、以て打音やスティック・スリップ音等の異音が、
優れた経済性と良好な外観形状とをもって、何れも効果
的に防止され得るようにした車両用内装品の改良された
構造を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、車両内の所定の取付箇所に取り付けられ
る内装品において、かかる取付箇所の取付面に対向する
部位における、車両内に露呈せしめられる意匠面から所
定距離隔たった位置に、所定高さの突出部を設けると共
に、かかる突出部の表面に、低摩擦係数を有する塗膜層
を形成したことを、その特徴とするものである。
【0010】なお、かくの如き本発明に従う車両用内装
品の好ましい態様によれば、前記塗膜層が低摩擦係数の
皮膜を形成し得る材料を含むコーティング剤の塗布によ
って形成され、且つかかるコーティング剤が自己硬化性
を有するように構成されることとなる。
【0011】また、本発明の望ましい態様の一つによれ
ば、前記塗膜層が、皮膜形成材料と低摩擦係数剤とを含
むコーティング剤の塗布により形成されて、構成される
こととなる。
【0012】さらに、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記突出部が、互いに独立した状態で、複数設けら
れることとなる。
【0013】更にまた、本発明の好ましい態様の一つに
よれば、前記突出部の表面において、少なくとも前記低
摩擦係数の塗膜層が形成される部位が粗面化せしめられ
て、構成される。
【0014】
【作用・効果】このような本発明に従う車両用内装品に
あっては、低摩擦係数を有する塗膜層が、車両内の所定
の取付箇所における取付面に対向する部位に設けられた
突出部の表面に形成されていることから、該突出部の表
面における摩擦係数が有利に低減せしめられ得て、車両
内の取付箇所における取付面や他の内装品との擦れによ
るきしみ音等のスティック・スリップ音の発生が効果的
に防止され得るようになっているのであり、またそのよ
うな突出部が、前記対向部位において、車両に露呈せし
められる意匠面から所定距離隔たった位置に設けられて
いるため、かかる塗膜層の形成時において、余分な塗料
が、該突出部の周囲のみに付着せしめられ得て、意匠面
側に回り込んだり、或いは意匠面に付着せしめられるよ
うなことが有利に回避され得るようになっているのであ
る。
【0015】さらに、かかる車両用内装品においては、
そのような塗膜層が形成される突出部が所定高さをもっ
て設けられていることから、かかる突出部が、車両内に
おける取付部の取付面や他の内装品等に対して、確実に
接触乃至は組み付けられ得て、従来のものとは異なり、
塗膜層の膜厚を何等厚くすることなく、その取付面や他
の内装品との衝突が効果的に阻止乃至は抑制され得るの
であり、しかも、そのように、塗膜層が薄い膜厚をもっ
て形成され得るものであるが故に、該塗膜層を与える塗
料の使用量が、従来のものに比して、有利に減少せしめ
られ得、更にはかかる塗料の塗布後におけるタレの発生
が効果的に回避乃至は抑制され得て、高価な紫外線硬化
塗料や紫外線照射装置を用いる必要性が完全に解消され
得るのである。
【0016】従って、本発明に係る車両用内装品にあっ
ては、車両内の取付箇所の取付面や他の内装品との衝突
による衝撃が有利に緩衝乃至は解消され得ると共に、ス
ティック・スリップ音を防止するための塗膜層が、意匠
面にはみ出すことなく、しかも低コストに形成され得、
以てそれらの打音やスティック・スリップ音等の異音の
防止が、優れた経済性と良好な外観形状とをもって、何
れも効果的に達成され得るのである。
【0017】また、本発明において、かかる塗膜層を、
低摩擦係数の皮膜を形成し得る材料を含むコーティング
剤の塗布によって形成するようにすると共に、該コーテ
ィング剤として、自己硬化性を有するものを用いること
によって、該塗膜層の形成工程において、特別な硬化用
装置を使用する必要がなくなり、以て該塗膜層、ひいて
は車両用内装品自体の製造コストの低減とその製造作業
における作業能率の向上とが、より効果的に図られ得る
のである。
【0018】さらに、本発明において、前記塗膜層を、
皮膜形成材料と低摩擦係数剤とを含むコーティング剤の
塗布によって形成するようにすれば、含有される低摩擦
係数剤の種類やその含有量等を種々変更することによっ
て、形成せしめられる塗膜層の摩擦係数の値を適宜に変
更し得る利点が得られるのである。
【0019】更にまた、本発明において、前記突出部
を、互いに独立した状態で、複数設けるようにすること
によって、塗膜層が形成されるべき該突出部の表面の面
積が減少せしめられ得て、該塗膜層を与える塗料の使用
量が有効に低減せしめられ得、その結果、車両用内装品
が経済的に有利に製造され得ることとなるのである。
【0020】更にまた、本発明において、前記突出部の
表面における、少なくとも前記低摩擦係数の塗膜層が形
成される部位を粗面化せしめることによって、かかる部
位の摩擦係数がより効果的に低減せしめられ得、以てき
しみ音等のスティック・スリップ音が、更に有効に防止
され得るのである。
【0021】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の幾つかの実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0022】先ず、図1及び図2には、本発明に従う構
造とされた車両用内装品の一例として、本発明を自動車
の内装品たるセンタクラスタに適用した例が、概略的に
示されている。それらの図からも明らかなように、セン
タクラスタ10は、全体として、略平板形状を呈してお
り、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂にて構成されている。そして、従来と同様に、
その内周部に、各種のスイッチ類やラジオ等が嵌め込ま
れて、取り付けられる複数の窓部12が設けられている
一方、その外周縁部には、インストルメントパネル(図
示せず)に対する取付部位たるフランジ部14が、一体
的に形成されている。
【0023】また、このセンタクラスタ10にあって
は、かかるフランジ部14の外周面上に、約0.5mm程
度の高さで突出する複数(ここでは7個)の突出部16
が設けられている。より詳細には、この複数の突出部1
6は、フランジ部14よりも所定寸法狭い幅をもって構
成されていると共に、該フランジ14の幅方向中央よ
り、センタクラスタ10の車両内に露呈せしめられる意
匠面18側とは反対の側に所定寸法偏倚した位置におい
て、該フランジ部14の長さ方向に互いに所定距離隔て
た状態で、それぞれ、一体的に形成されている。
【0024】そして、そのような突出部16の先端面、
即ち後述するインストルメントパネル24における取付
部26の取付面28との対向面の全面に対して、低摩擦
係数、一般に静摩擦係数が1.0以下で且つ動摩擦係数
が0.5以下の塗膜層22が形成されているのである。
なお、ここでは、かかる塗膜層22は、そのような低摩
擦係数の皮膜を形成し得る材料を含むコーティング剤の
塗布によって形成された、従来より極めて薄い層状形態
をもって、構成されている。また、本実施例にあって
は、特にそのようなコーティング剤として、湿気硬化型
のアクリル変性シリコン樹脂を、ノルマルヘプタン等、
所定の溶剤にて希釈したものが用いられ、これが、フェ
ルトペンやハケ等により、周りに飛散しないように、突
出部16の先端面に対して、0.5μm程度の厚さで、
一様に薄く塗布されることによって、低摩擦係数を有す
る塗膜層22が形成されている。
【0025】かくして、かくの如き構造とされたセンタ
クラスタ10にあっては、図3に示される如く、異なる
3種類の合成樹脂の一体積層構造を有して成るインスト
ルメントパネル24の所定の取付部26内に収容せしめ
られ、そのフランジ部14に設けられた複数の突出部1
6が、前記塗膜層22を介して、該取付部26の取付面
28にそれぞれ圧入固定されることにより、インストル
メントパネル24に対して、取り付けられるようになっ
ている。
【0026】それ故、かかるセンタクラスタ10におい
ては、インストルメントパネル24の取付部26に対し
て、ガタなく取り付けられ得て、各突出部16と該イン
ストルメントパネル24における取付部26の取付面2
8とが衝突するようなことが有効に回避され得るのであ
り、また、各突出部16の先端面の全面に各々形成され
た低摩擦係数を有する塗膜層22の存在によって、該先
端面の摩擦係数が有利に低減せしめられ得るのである。
【0027】しかも、このセンタクラスタ10にあって
は、そのような塗膜層22が、従来のものに比して、極
めて薄い膜厚をもって形成されており、またそれに加え
て、該塗膜層22が形成される各突出部16が、フラン
ジ部14よりも所定寸法狭い幅をもって、且つ意匠面1
8側とは反対の側に所定寸法偏倚せしめられた位置、換
言すれば、インストルメントパネル10との対向部位に
おいて、意匠面18から所定距離隔たった位置に設けら
れていることから、各突出部16の先端面上に該塗膜層
22を与える所定のコーティング剤を塗布する際、若し
くは塗布後に、タレを生じるようなことが有利に抑制さ
れ得るのであり、また仮にタレが生じても、そのような
余分なコーティング剤が各突出部16の周囲にのみ付着
せしめられ得て、該塗膜層22の意匠面18へのはみ出
しが効果的に回避乃至は抑制され得るのである。
【0028】さらに、かかるセンタクラスタ10におい
ては、かくの如きコーティング剤が、従来において使用
される紫外線硬化型樹脂よりも安価なアクリル変性シリ
コン樹脂と、その溶剤とにて、構成され、しかも、上述
の如く、そのようなコーティング剤が、従来よりも極め
て薄く塗布されることによって、塗膜層22が形成され
るようになっていることから、該塗膜層22の形成コス
トが飛躍的に低減され得るのである。
【0029】従って、本実施例に係るセンタクラスタ1
0にあっては、インストルメントパネル24における取
付部26の取付面28との擦れや衝突により生ぜしめら
れるスティック・スリップ音や打音等の異音が、美観を
損なうことなく、優れた経済性をもって、何れも効果的
に防止され得ることとなるのである。
【0030】また、かかるセンタクラスタ10にあって
は、塗膜層22を与えるコーティング剤の構成材料とし
て、湿気硬化型の合成樹脂材料が採用されていることか
ら、該塗膜層22の形成工程において、従来のものにお
ける如き紫外線照射装置等、何等特別な硬化用装置を使
用する必要がなく、塗膜層22、ひいてはセンタクラス
タ10自体の製造コストがより効果的に低下せしめられ
得ると共に、その製造作業における作業能率が有効に高
められ得るのである。
【0031】さらに、かかるセンタクラスタ10おいて
は、突出部16が、フランジ部14の長さ方向に互いに
所定距離隔てた状態で、複数設けられていることから、
塗膜層22の形成箇所たる突出部16の先端面の面積が
有利に減少せしめられ得て、該塗膜層22を与えるコー
ティング剤の使用量が有効に低減せしめられ得、以て塗
膜層22の形成コストが更に効果的に低減され得るので
ある。
【0032】そして、そのようなスティック・スリップ
音や打音等の異音の優れた低減効果が本発明によって良
好に発揮され得ることは、本発明者らにより行なわれた
以下の試験結果によっても、如実に理解されるところで
ある。
【0033】すなわち、先ず、外周縁部に設けられたフ
ランジ部の所定箇所に、図1に示される如き複数の突出
部16が一体的に形成されたセンタクラスタを準備し
た。そして、それと共に、湿気硬化型のアクリル変性シ
リコン樹脂をノルマルヘプタンで希釈して、該樹脂が3
重量%の割合にて含まれる希釈液を得、この希釈液を、
先端開口部にフェルトが取り付けられた容器内に収容せ
しめた。次いで、かかる希釈液をフェルトから染み出さ
せて、前記準備されたセンタクラスタの各突出部16の
先端面に、厚さが約0.5μm程度となるように塗布し
た。引き続き、これを所定時間放置して、かかる希釈液
を湿気硬化せしめ、以て図1に示される如きセンタクラ
スタ10を得た。
【0034】そして、かくして得られたセンタクラスタ
10を、図3に示されるように、インストルメントパネ
ル24に組み付けて、実車走行試験を行なった。その結
果、きしみ音等のスティック・スリップ音や打音等の異
音が、何れも発生しないことが確認された。
【0035】また、車両内における所定の取付箇所の取
付面との対向部位に不織布が接着せしめられた、従来の
車両用内装品におけるスティック・スリップ音の防止効
果と、本発明に従う車両用内装品におけるそれとを比較
するために、以下の如き試験を行なった。
【0036】すなわち、先ず、センタクラスタ10と同
様な材質、即ちABS樹脂からなる試験片Aと、インス
トルメントパネル24の表皮を構成するPVC(ポリ塩
化ビニル)樹脂よりなる試験片Bとを、それぞれ、二つ
ずつ準備した。次いで、それら二つの試験片Aのうちの
一つのものにおいて、その厚さ方向の一方の面に、湿気
硬化型のアクリル変性シリコン樹脂よりなる塗膜層を、
前述の試験と同様にして、約0.5μmの厚さで形成
し、また、もう一つの試験片Aにおける厚さ方向一方の
面に、不織布を所定の接着剤にて接着した。
【0037】そして、それら試験片Aと試験片Bとの間
に生ぜしめられる摩擦力、即ち塗膜層における摩擦係数
と不織布における摩擦係数とを、それぞれ、従来より公
知の手法に従って測定し、その得られた測定値に基づい
て、それら塗膜層と不織布の摩擦係数の経時変化を、図
4の如く、それぞれグラフにて表した。かくして得られ
たグラフより、各試験片Aに形成乃至は接着せしめられ
た塗膜層と不織布とにおける、静摩擦係数(図中、aで
示される数値:即ち、試験片Bの滑り開始時における摩
擦係数の最大値)、動摩擦係数(図中、bで示される数
値:即ち、試験片Bの滑り開始後において周期的に現れ
る摩擦係数の最大値)、スティック・スリップ範囲〔図
中、cで示される数値:試験片Bの滑り開始後において
周期的に現れる摩擦係数の最大値(動摩擦係数)と下限
値との差〕を、それぞれ調べた。その結果を、下記表1
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】かかる表1の結果から明らかなように、塗
膜層の方が、不織布よりも、スティック・スリップ範囲
において、遙に小さな値を示している。これは、塗膜層
の方が、不織布よりも、スティック・スリップ音の防止
効果において優れていることを表している。
【0040】従って、以上二種類の試験結果からも明ら
かなように、本発明に従う車両用内装品にあっては、ス
ティック・スリップ音や打音等の異音が、何れも効果的
に防止され得るのである。
【0041】ところで、前記実施例では、複数の突出部
16が、センタクラスタ10のフランジ部14の外周面
上において、その長さ方向に互いに所定距離を隔てて、
1列に配列せしめられるように形成されていたが、かか
る突出部を複数の配列形態をもって形成することも可能
である。
【0042】例えば、図5及び図6に示される如く、各
突出部16を、フランジ部14の長さ方向または幅方向
に延びるリブ状の突起にて構成すると共に、該フランジ
部14の外周面上において、その長さ方向に互いに所定
間隔を隔てた状態で、それぞれ直列的にまたは並列的
に、複数列に配列するように形成しても良いのである。
それによって、図示しないインストルメントパネルに対
するセンタクラスタ10の良好な組付け状態が有効に確
保されつつ、塗膜層22が形成されるべき突出部16の
先端面の面積の総和がより有利に減少せしめられ得、以
て塗膜層22の形成コストが、更に効果的に低減され得
ることとなるのである。なお、そのような突出部の配設
数及び配列形態が、本実施例、更には前記実施例に示さ
れる如きものに何等限定されるものでないことは、言う
までもない。
【0043】また、前記実施例では、複数の突出部16
の先端面が平滑な形状をもって構成されていたが、かか
る複数の突出部16の先端面を粗面化せしめて構成する
ことも可能である。即ち、例えば、図7に示されている
ように、各突出部16の先端面の全面に微小突起34を
設けて、該先端面が、微細な凹凸形状を呈するようにし
ても良いのである。それによって、それら複数の突出部
16の先端面に形成される塗膜層22の表面に対して、
該先端面の凹凸形状に対応した凹凸模様が付与されるこ
ととなり、以て各突出部16の先端面における摩擦係数
がより有効に低減せしめられ得て、スティック・スリッ
プ音が、更に効果的に防止され得ることとなるのであ
る。
【0044】なお、そのような複数の突出部16の先端
面を粗面化するに際しては、バフ加工、ペーパがけ、サ
ンドブラスト加工、金型による成型時シボがけ等、従来
より公知の粗面化加工が、何れも有利に実施され得るこ
とは、勿論である。
【0045】以上、本発明の幾つかの実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、それら例示のものにのみ限定して解釈されるもので
はない。
【0046】例えば、前記実施例では、突出部16が、
車両内における所定の取付箇所の取付面との対向部位た
るフランジ部14の外周面上において、その長さ方向に
互いに所定距離隔てた状態で、換言すれば、互いに独立
した状態で、複数設けられていたが、該取付面との対向
部位において、その長さ方向に、所定の幅をもって連続
する突条を設け、これをかかる突出部として構成するこ
とも可能である。
【0047】また、前記実施例では、突出部16が、フ
ランジ部14の幅方向中央より、意匠面18側とは反対
の側に所定寸法偏倚した位置に形成されていたが、その
ような突出部の配設位置は、何等これに限定されるもの
ではなく、意匠面から所定距離隔たった位置に設けられ
るのであれば、如何なる位置にも配設され得るのであ
る。
【0048】さらに、そのような突出部の高さ寸法は、
車両用内装品が所定の取付箇所に取り付けられた際に形
成される、該内装品と該取付箇所の取付面との間の隙間
の大きさ等によって適宜に変更され得るものであるが、
一般に、0.2〜1.5mm程度とされ、好ましくは0.
3〜0.7mm程度とされる。
【0049】更にまた、前記実施例では、塗膜層22を
与えるコーティング剤が、低摩擦係数の皮膜を形成し得
るアクリル変性シリコン樹脂と、それを希釈するノルマ
ルヘプタン等の溶剤とにて、構成されていたが、そのよ
うなコーティング剤の構成材料は、決してこれに限定さ
れるものではなく、かかるアクリル変性シリコン樹脂以
外のものであっても、低摩擦係数の皮膜を形成し得るも
のであれば、如何なる材料も用いられ得るのであり、ま
た必要であれば、そのような材料を希釈する溶剤とし
て、使用される材料に応じた各種のものが用いられ得、
例えば例示のアクリル変性シリコン樹脂に対する溶剤と
しては、かかるノルマルヘプタンの他に、ノルマルヘキ
サン、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール
等、従来より公知のものが何れも好適に使用され得るの
である。
【0050】さらに、かくの如きコーティング剤中にお
ける、低摩擦係数の皮膜を形成し得る材料の含有量も、
特に限定されるものではなく、形成される塗膜層の摩擦
係数や該コーティング剤の硬化時間等を考慮して、適宜
に決定され得るのであり、例えば、前記実施例の如く、
かかる材料として、アクリル変性シリコン樹脂を、また
その溶剤として、ノルマルヘプタンを選択、使用する場
合には、該樹脂のコーティング剤中における含有量が、
一般に、3〜10重量%程度とされる。それによって、
塗膜層の形成による、前記所定の取付箇所の取付面との
対向部位における摩擦係数の低減効果が十分に確保され
得ると共に、コーティング剤の硬化時間、即ち塗膜層の
形成時間の延長化に伴う、該塗膜層の形成効率、ひいて
は内装品の生産効率の低下が、効果的に回避され得るこ
ととなるのである。
【0051】また、そのような塗膜層を与えるコーティ
ング剤を、皮膜形成材料と低摩擦係数剤とが含まれて構
成されるようにすることも可能であり、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、アクリル等の各合成樹脂と、二硫化モリブデン、フ
ッ素樹脂粉末、窒化ホウ素粉末、カーボン粉末、シリコ
ーン油等の滑剤(低摩擦係数剤)とを配合せしめたもの
等も、かかるコーティング剤の構成材料として、好適に
用いられ得るのである。そして、それらの皮膜形成材料
と低摩擦係数剤との配合割合は、特に限定されるもので
はないものの、前記所定の取付箇所の取付面との対向部
位における摩擦係数の低減効果を十分に確保する上で、
形成される塗膜層において、その静摩擦係数が1.0以
下で且つ動摩擦係数が0.5以下となるように、配合さ
れることが好ましい。
【0052】さらに、そのようなコーティング剤にあっ
ては、前記実施例におけるものの如く、湿気硬化特性や
その他の自己硬化特性を有していることが望ましいが、
本発明において、そのような特性を何等具備しないもの
も良好に使用され得ることは、勿論である。
【0053】さらに、前記実施例では、塗膜層22が
0.5μmの膜厚をもって形成されていたが、かかる塗
膜層の膜厚は、何等これに限定されるものではなく、優
れた経済性を得るために、また硬化時間の短縮を図る上
で、0.1μm〜10μm程度とされることが望まし
い。
【0054】更にまた、前記実施例では、所定のコーテ
ィング剤が、フェルトやハケ等にて塗布されることによ
って、塗膜層22が形成されていたが、そのような塗膜
層の形成手法が決してこれに限定されるものでないこと
は、言うまでもない。
【0055】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
のセンタクラスタに対して適用したものの具体例を示し
たが、本発明は、その他、自動車のメータクラスタやコ
ンソールボックス等の内装品、更には自動車以外の車両
に取り付けられる内装品に対しても有利に適用され得る
ことは、勿論である。
【0056】その他、一々列挙はしないが、本発明が、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う車両用内装品の一例を示す正面説
明図である。
【図2】図1に示された車両用内装品の右側面説明図で
ある。
【図3】図1に示された車両用内装品を車両における所
定の取付箇所に取り付けた状態を示す要部拡大横断面説
明図である。
【図4】図1に示された車両用内装品におけるスティッ
ク・スリップ音の防止効果と従来の車両用内装品におけ
るそれとを比較するための試験に供された各試験片の所
定部位における摩擦係数の経時変化を概略的に示す図で
ある。
【図5】本発明に従う車両用内装品の別の例を示す図2
に対応する図である。
【図6】本発明に従う車両用内装品の更に別の例を示す
図2に対応する図である。
【図7】本発明に従う車両用内装品の更に別の例を示す
要部拡大説明図である。
【符号の説明】
10 センタクラスタ 14 フランジ部 16 突出部 18 意匠面 22 塗膜層 24 インストルメントパネル 28 取付面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内の所定の取付箇所に取り付けられ
    る内装品にして、かかる取付箇所の取付面に対向する部
    位において、車両内に露呈せしめられる意匠面から所定
    距離隔たった位置に、所定高さの突出部を設けると共
    に、かかる突出部の表面に、低摩擦係数を有する塗膜層
    を形成したことを特徴とする車両用内装品。
  2. 【請求項2】 前記塗膜層が低摩擦係数の皮膜を形成し
    得る材料を含むコーティング剤の塗布によって形成さ
    れ、且つかかるコーティング剤が自己硬化性を有するも
    のである請求項1に記載の車両用内装品。
  3. 【請求項3】 前記塗膜層が、皮膜形成材料と低摩擦係
    数剤とを含むコーティング剤の塗布によって形成されて
    いる請求項1に記載の車両用内装品。
  4. 【請求項4】 前記突出部が、互いに独立した状態で、
    複数設けられている請求項1乃至3の何れかに記載の車
    両用内装品。
  5. 【請求項5】 前記突出部の表面において、少なくとも
    前記低摩擦係数の塗膜層が形成される部位が粗面化され
    ている請求項1乃至4の何れかに記載の車両用内装品。
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