JPH07246334A - 反応性物質吸着材 - Google Patents

反応性物質吸着材

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JPH07246334A
JPH07246334A JP3959794A JP3959794A JPH07246334A JP H07246334 A JPH07246334 A JP H07246334A JP 3959794 A JP3959794 A JP 3959794A JP 3959794 A JP3959794 A JP 3959794A JP H07246334 A JPH07246334 A JP H07246334A
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JP
Japan
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adsorbent
surface area
specific surface
adsorption
weight
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JP3959794A
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Toshio Tanaka
俊雄 田中
Makoto Inoue
誠 井上
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】反応性物質に対し、高い吸着量を持つと同時
に、吸脱着操作を繰り返した時に吸着性能の低下が生じ
ない吸着材を提供する。 【構成】 比表面積が1000m2 /g以上であり、直
径10〜30Åのミクロ孔の割合が65%以上であり、
かつ膨潤率が100%以下である有機芳香族系高分子を
主体とした反応性物質用吸着材。このような吸着材は、
芳香属モノビニル単量体とポリビニル単量体の共重合体
を、膨潤ゲル化した後、高密度の架橋処理をおこなうこ
とで合成することができる。 【効果】反応性物質の吸着に対し最適な細孔分布を持つ
ことにより、高い吸着量を持つ。同時に触媒活性を持た
ず吸着した反応性物質に変質が生じず、結果吸脱着操作
を繰り返しても吸着性能の低下が生じない。つまり、高
吸着容量と長寿命の2つの特性を同時に有する吸着材を
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性物質の吸着回収
に用いる吸着材に関するものである。より具体的には、
本発明の吸着材を用いた回収装置等により、反応性物質
や反応性物質が混合した溶剤の吸着回収する際に使用す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、反応性物質や反応性物質が混合し
た溶剤の吸着回収する際には、活性炭(粉末状,粒子
状,繊維状)が用いられてきた。分離技術,19巻3
号,p130(1989年)において、反応性物質の代
表であるケトン系溶剤を活性炭で吸着回収する際に、活
性炭の触媒作用により、溶剤が酸化,分解,縮重合を生
成し、脱着不能な物質が生成し、その結果繰り返して使
用した場合活性炭の吸着性能が早期に低下することが示
されている。このため、活性炭を用いた回収装置におい
ては、上記反応が生じにくいように通常100℃以上で
行っていた脱着操作を、低温(80℃),減圧(0.4
7atm)で行い劣化の防止を図っているが、活性炭の
劣化速度が1/2程度に減少するだけで本質的な解決に
は至っていなかった。
【0003】しかしながら、反応性物質や反応性物質が
混合した溶剤のガス成分の吸着回収にこれまで活性炭が
用いられてきた理由は、活性炭が直径30Å以下のミク
ロポアを多量に持つためである。上記ミクロ孔は、上記
ガス成分の吸着に対して有効には働き、逆に30Åを越
える細孔は、被吸着物質が細孔直径10〜30Åのミク
ロ孔へ拡散移動する事を阻害するため吸着速度の低下を
招く。
【0004】これに対し、従来の有機樹脂系の吸着材と
して、特開昭61−69816,特開昭55−1829
7に代表されるようなマクロレティキュラー(macroret
icular )構造を有する多孔性共重合体からなる粒状の吸
着材がに知られている。しかしながら、これら従来の有
機樹脂系の吸着材は、その平均細孔径が40Å以上と大
きな細孔径を持ち、細孔直径10〜30Åのミクロ孔が
少量しか存在しないため、吸着容量が小さく使用できな
かった。
【0005】上記に関して従来の有機樹脂系の吸着材に
おいては、例えば前述の特開昭55−18297におい
て「直径30Å以下の細孔は、その重合体が乾燥したと
きは重合体構造から消失するので実質的には全く細孔で
はない」と述べられている。上記のように有機樹脂材料
において、30Å以下の安定なミクロ孔を多量に有する
吸着材を製造することは従来困難であると考えられてき
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】反応性物質や反応性物
質が混合した溶剤のガス成分を吸着回収する場合、吸着
性能の高さから活性炭が使用されてきた。しかしなが
ら、活性炭は官能基,ラジカル等の種々の反応サイトを
持つため吸着した反応性溶剤を酸化,分解,重合物生成
するなどの問題が生じていた。これらの生成物は脱着が
困難であり活性炭に蓄積していくため、繰り返しての吸
脱着を行った場合、吸着性能が急激に低下する問題が生
じていた。このため反応性物質に対して活性炭と同様の
高い吸着性能を持ち、同時に触媒作用を持たない吸着材
が必要とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、BET法によ
り求めた全比表面積が1000m2 /g以上であり、か
つ細孔直径10〜30Åの累積比表面積が全比表面積の
65%以上であり、かつ膨潤率が100%以下であるこ
とを特徴とする有機芳香族系高分子を主体とした反応性
物質吸着材である。
【0008】また本発明は、残存塩素量が6重量%以下
であることを特徴とする反応性物質吸着材である。
【0009】本発明における反応性物質とは、分子量1
50以下の低分子であり揮発してガス成分となりうる物
質であり、同時に重合,縮重合,酸化,分解等の反応を
生じ易い物質をさす。具体的には、シクロヘキサノンに
代表されるカルボニル基を持つ環状ケトン及びその誘導
体(メチルシクロヘキサノン,イソホロン等)、及びジ
メチルスルホキシドに代表されるスルフィニル基を持つ
物質が含まれる。またさらにBHT(Butylated hydrox
ytoluene)に代表されるフェノール誘導体の水酸基も上
記のカルボニル基とほぼ同様の反応性を持つため本発明
に含まれる。
【0010】本発明における有機芳香族系高分子とは、
芳香族モノビニル単量体とポリビニル単量体の共重合よ
り合成される。芳香族モノビニル単量体としては、クロ
ロメチルスチレンが最も有効である。ポリビニル単量体
としては、ジビニルベンゼンに代表される芳香族ポリビ
ニル単量体が最適であり、この他トリビニルベンゼン等
も使用可能である。また、エチレングリコールジメタク
リレートに代表される脂肪族2官能性単量体も使用可能
である。
【0011】また、芳香族モノビニル単量体として、ス
チレン又はメチルスチレンを使用し、上記ポリビニル単
量体と共重合の後、クロロメチルメチルエーテルを用い
クロロメチル化することも可能である。クロロメチル化
した処理物は、前述のクロロメチルスチレンを用いた共
重合体と同様に扱う事が可能である。
【0012】本発明におけるビニル単量体の共重合は、
懸濁重合が最も望ましい。懸濁重合は通常水/有機溶剤
の混合溶媒系が使用されるが、本発明のようにミクロ孔
を発達させる場合には、有機溶剤を用いず、水溶媒のみ
での重合が望ましい。懸濁重合粒子は、粒子の直径が1
0μm〜5mmまでの範囲で、ハンドリング性に問題な
く使用可能である。
【0013】本発明における吸着材の、BET法により
求めた全比表面積は1000m2 /g以上が望ましく、
1000m2 /gより低い場合は単位重量当たりの吸着
量が低くなるため望ましくない。また同時に、細孔直径
10〜30Åの累積比表面積が全比表面積の65%以上
であることが望ましく、さらに望ましくは70%以上で
ある。細孔直径10〜30Åの累積比表面積が65%よ
り低い場合は、本発明の目的とするケトン系物質の吸着
において、吸着に実質上作用しない細孔を多く有するこ
とになり吸着容量の低下を招いたり、吸着に有効に働く
細孔直径10〜30Åのミクロ孔へ被吸着物質が拡散移
動する事が直径30Åを越える細孔により阻害されるこ
とが生じ、吸着速度の低下を招くため望ましくない。
【0014】細孔直径10〜30Åの累積比表面積が全
比表面積に占める割合を高める具体的方法に付いて説明
を行う。原料として投入する全ビニル単量体中における
芳香族ポリビニル単量体の含有率は、0.1〜8重量%
の範囲にある事が望ましい。これは最終的に得られる吸
着材において、細孔直径10〜30Åの累積比表面積
(S10−30)の全比表面積(S)に対する比率(S10−
30/S)と細孔径と芳香族ポリビニル単量体の含有率が
図1に示した関係になるためである。図1より、比率
(S10−30/S)が65%以上となるには芳香族ポリビ
ニル単量体の含有率は8重量%以下である事が望まし
く,さらに70%以上となるには芳香族ポリビニル単量
体の含有率は5重量%以下である事が望ましい。また芳
香族ポリビニル単量体の含有率が0.1重量%より低い
場合には、後述のゲル化処理において使用する溶剤に共
重合体が溶解してしまう問題が生じるため望ましくな
い。
【0015】ただし細孔安定化の処理がなされていない
場合は、先に述べた通りゲル化溶剤を乾燥した時に、細
孔直径10〜30Åのミクロ孔は分子の熱運動で消失す
る。このため図1に示した関係は、後述の細孔安定化処
理がなされた時にのみ成立する。
【0016】本発明において最も重要な点は、高密度の
架橋により細孔を固定化し安定化する処理にある。架橋
反応性の官能基をモノビニル単量体又はポリビニル単量
体に付与し反応させることにより、架橋処理が可能であ
る。細孔固定化処理においては、実際に反応した架橋基
の密度が高いことが重要であり、架橋性官能基が多量に
存在しても未反応のまま残存したり、加水分解で親水性
基に変化し架橋に使用されなかった量が多い場合は本発
明の目的を達成することはできない。特に従来の有機樹
脂系の吸着材は、水溶液中での吸着が主目的とされてい
たため、吸着材の表面は疎水性よりむしろ親水性である
ことが望ましかった。このため、架橋性官能基の加水分
解を厳密に避け、高い反応効率で架橋性官能基を架橋処
理に使用させ高密度架橋を得ようとする努力は、本発明
以前にはなされていなかった。
【0017】架橋度は膨潤率によって評価することが可
能である。本発明においては、膨潤率が100%以下の
範囲に相当する高い架橋度とした場合において、安定し
た細孔直径10〜30Åのミクロ孔が得られる。この細
孔はスチーム加熱等で行われる120〜130℃の加熱
によっても変化しない。
【0018】膨潤率の測定は、先ず吸着材(乾燥重量
0.5g)を粉砕しふるい分けにより25±5ミクロン
のサイズとし、20ccのメスシリンダーに全量を投入
する。さらに水を張っておいた小型超音波洗浄器(出力
60w)を用い、メスシリンダー内に浸水しないように
注意しながら、上記サンプルに10分間超音波振動を与
え十分に充填を行う。この状態の吸着材の体積をメスシ
リンダーの目盛りにより読み取り、見かけ体積(V0)
とする。さらに分子サイズが小さく膨潤の効果が高いク
ロロホルム(15g)を加え、室温(25℃)で24時
間放置する。膨潤した吸着材層とクロロホルム層は、比
重差により上下2層に分離が生じる。膨潤した吸着材層
の体積を、メスシリンダーの目盛りより求め、吸着材の
膨潤後の体積(V1)とする。膨潤率(%)は次式、膨
潤率(%)=((V1−V0)/V0)×100により
求めた。
【0019】上記の高い架橋密度を達成するためには、
クロロメチル基を用いた架橋方法が最も有効である。ク
ロロメチルスチレンと前述のポリビニル単量体を含有す
る共重合体において、クロロメチルスチレンの割合が8
5重量%以上である事が、架橋度を高める望ましい。ク
ロロメチルスチレンの割合が85重量%より低い場合に
は、架橋反応性の官能基量が不足するため十分な架橋度
が得られない。また吸着材に残存する塩素含有量は6重
量%以下であることが望ましく、さらに望ましくは4重
量%以下である。残存塩素量が6重量%より高い場合、
架橋反応性のクロロメチル基が未反応のまま多量に残存
していることを示すため望ましくない。クロロメチル基
が残存することは架橋度の低下につながると同時に、ク
ロロメチル基が反応性物質と反応を生じたり触媒作用を
示したりするため望ましくない。
【0020】細孔固定化処理の具体的方法は、まず始め
に前述の共重合体を容量にして2倍以上の溶剤に2時間
以上浸漬膨潤させ、ゲル状態にする。溶剤の種類として
は、ジクロロエタン(二塩化エチレン)が最も望まし
く,クロルベンゼン,ジクロロベンゼン,トリクロロエ
チレン,パークロロエチレン等の塩素系溶剤がも使用可
能である。溶剤の沸点範囲は十分な加熱を行うため75
℃以上である事が望ましい。
【0021】さらに上記ゲル状態において、フリーデル
クラフツ触媒(塩化アルミニウム,塩化錫,塩化亜鉛
等)を加えた上で加熱を行い、クロロメチル基(−CH
2 Cl基)を反応させ架橋反応させる。この場合、架橋
反応の反応効率を高めるため、反応時に乾燥窒素を導入
する操作の他に、後述の各種方法により反応系に水分が
混入する事を避けることが必要である。加熱温度は溶剤
の還流温度で実施し、反応時間は反応効率を高め十分な
架橋を得るために少なくとも10時間の加熱が必要であ
り、望ましくは15時間以上である。
【0022】架橋反応の反応率を高めるには、水分の混
合を避けることが最も有効であり、以下の方法が有効で
ある。懸濁重合を実施した後に重合サンプルを多量のメ
タノールに室温で3時間以上攪拌状態で浸漬するか、又
はメタノールに浸漬した状態で加熱還流を30分以上行
うことで完全にメタノールと水とを置換する。この操作
の後乾燥を実施すれば、細孔内部まで水分が残存するこ
とがなくなり、続く架橋反応において反応効率を高め、
結果として架橋密度の向上が可能である。また脱水剤を
上記架橋反応の反応系に添加することも有効である。脱
水剤としては、上記反応系に添加した時に分解したり、
副反応を生じない物であればいづれの物でも使用可能で
ある。硫酸ナトリウム等の無機塩や活性炭等の吸着材も
脱水剤として使用可能である。さらにポリプロピレンや
フッ素樹脂製の多孔性不織布や微細な穴を開けた容器に
上記脱水剤を包んだ状態で用いると、反応後に分離が容
易であるため非常に有効である。また膨潤化剤として用
いる溶剤は、モレキュラーシーブを用い脱水した後、ろ
紙を用いモレキュラーシーブをろ過した後使用する事が
望ましい。
【0023】塩素含有量、つまり残存塩素量の定量は、
フラスコ燃焼法により行った。十分に洗浄した後、乾燥
したサンプルを用い高温燃焼し、過酸化水素水に塩素を
吸収させたのち、滴定により塩素量を求めた。フラスコ
燃焼法の詳細は、穂積啓一郎,基礎分析化学講座−有機
定量分析(日本分析化学会),11巻,p38(196
5年)に詳細に述べられている。
【0024】本発明における比表面積の求め方を以下に
示す。液体窒素温度での窒素ガスの吸着量の測定を行
い、BET法により全比表面積を求め、さらにCranston
−Inkley法により細孔分布を求めさらに細孔直径10Å
〜30Åの累積比表面積を計算により求めた。具体的に
は、カルロエルバ社,ソープトマチック,SS2−80
を用い測定を行った。測定法,計算法に関しては、慶伊
富長,「吸着」,共立出版,1965に詳細に示されて
いる。
【0025】市販の芳香族ポリビニル単量体の代表であ
るジビニルベンゼンには、エチルビニルベンゼン等の芳
香族モノビニル単量体が多量に含まれている。このため
本発明における芳香族ポリビニル単量体の量は、不純物
を含んだ原料の投入量ではなく、純度換算した純粋な各
単量体の量で全て表示を行うものとする。
【実施例】以下実施例をあげて、本発明を説明する。
【0026】実施例1 攪拌機,還流冷却管,温度計,窒素導入管を備えた10
00ccの4つ口フラスコに、脱イオン水750ccに
ポリビニルアルコール(重合度500)1gを前もって
溶解ておき、攪拌機を300回転/分の速度とし、窒素
を導入した状態でクロロメチルスチレン98g,ジビニ
ルベンゼン1.1g及びエチルビニルベンゼン0.9
g,過酸化ベンゾイル(25%含水物)7gの投入を行
う。オイルバスを加熱し混合物を80℃で8時間保持し
た。放冷した後水洗ろ過を十分に行う。重合物を上記と
同様の反応容器に入れ、メタノール900cc,過酸化
ベンゾイル(25%含水物)2gを投入した後、攪拌機
を150回転/分の速度で5時間還流を行った。得られ
サンプルは、300ccのメタノールで洗浄ろ過した
後、60℃で10時間,100℃で10時間真空乾燥を
行った。(ポリビニル単量体割合=1.1%)さらに続
いて、攪拌機,還流冷却管,温度計,窒素導入管を備え
た1000ccの4つ口フラスコに、上記乾燥済サンプ
ル30g及び、モレキュラーシーブ4Aで40時間以上
脱水処理したジクロロエタン400ccを投入した。さ
らに無水硫酸ナトリウム20gをポリブロピレン製の不
織布で完全に包み込み、ジクロロエタン中に投入した。
ここで外部より水分が進入しない密閉状態にし、室温で
20時間放置しゲル化した。続いて窒素を導入した状態
で、塩化第二すず50gを加え、そのまま窒素雰囲気下
で攪拌加熱し20時間還流した。放冷しの後、水浴中で
冷却しながらアセトン300ccを約15分かけてゆっ
くりと滴下した。サンプルをろ過し、不織布で包まれた
脱水剤を除去した後、各々1000ccの10%塩酸水
溶液,脱イオン水,アセトンの3種の洗浄液に、サンプ
ルを順に投入し攪拌洗浄した後ろ過を行った。サンプル
は真空乾燥機中100℃で24時間乾燥を行った。サン
プルの特性は、全比表面積(S)1350m2 /g,細
孔直径10〜30Åの累積比表面積(S10−30)102
0m2 /g(S10−30/S×100=75.6%),膨
潤率74%,残存塩素量3.2重量%であった。
【0027】実施例2 クロロメチルスチレン90g,ジビニルベンゼン5.5
g及びエチルビニルベンゼン4.5g,過酸化ベンゾイ
ル(25%含水物)7gを用い、混合物を80℃で6時
間保持し重合を行った後、実施例1と同様の処理を施し
た。。(ポリビニル単量体割合=5.5%)さらに、ジ
クロロエタン400ccでゲル化の後、触媒として塩化
亜鉛70gを加え48時間還流した。他の条件は、実施
例1と同様に処理を行った。サンプルの特性、全比表面
積(S)1050m2 /g,細孔直径10〜30Åの累
積比表面積(S10−30)760m2 /g(S10−30/S
×100=72.3%),膨潤率76%,残存塩素量
2.8重量%であった。
【0028】実施例3 スチレン88g,ジビニルベンゼン6.6g及びエチル
ビニルベンゼン5.4g,過酸化ベンゾイル(25%含
水物)7gを用い、実施例1と同様の条件で重合を行っ
た。(ポリビニル単量体割合=6.6%)さらに、攪拌
機,還流冷却管,温度計,窒素導入管を備えた300c
cの4つ口フラスコに、上記重合品の乾燥済サンプル1
5g及びクロロメチルメチルエーテル50gを入れ30
分放置した。この時重合サンプルは、クロロメチルメチ
ルエーテルにより膨潤状態になっていた。窒素を導入し
た状態で、乾燥したジクロロエタン50ccを加え、さ
らに氷水により反応系を約0〜3℃に冷却した。冷却状
態のまま、塩化第二すず25gを約20分かけてゆっく
りと滴下し、そのまま2時間放置しクロロメチル化反応
を進めた。次に窒素雰囲気下のままジクロロエタン15
0ccを加えた後、反応系を室温に戻し3時間放置しゲ
ル化を行った後、反応系を加熱し20時間還流を行っ
た。この後、実施例1と同様の洗浄処理を行った。サン
プルの特性、全比表面積(S)1050m2 /g,細孔
直径10〜30Åの累積比表面積(S10−30)750m
2 /g(S10−30/S×100=71.4%),膨潤率
76%,残存塩素量2.3重量%であった。
【0029】実施例4 クロロメチルスチレン98g,ジビニルベンゼン1.1
g及びエチルビニルベンゼン0.9g,過酸化ベンゾイ
ル(25%含水物)7g,脱イオン水350g及びポリ
ビニルアルコール0.2gを用い、80℃で6時間保持
し懸濁重合を行った。重合物を濾過し、メタノール30
0gに浸漬し6時間攪拌状態で放置した。濾過の後、6
0℃で10時間,同じく60℃で真空乾燥を10時間行
った。(ポリビニル単量体割合=1.1%)続いて、上
記乾燥済重合体30gを脱水ジクロロエタン400cc
に浸漬し、攪拌を加えながら20時間膨潤させた。さら
に塩化アルミニウム(AlCl3 )25gを加え20時
間加熱還流を行った。その他の合成条件は、実施例1と
同様の方法で行った。サンプルの特性は、全比表面積
(S)1600m2 /g,細孔直径10〜30Åの累積
比表面積(S10−30)1180m2 /g(S10−30/S
×100=73.8%),膨潤率70%,残存塩素量
3.4重量%であった。
【0030】比較例1 クロロメチルスチレン40g,ジビニルベンゼン33g
及びエチルビニルベンゼン27g,過酸化ベンゾイル
(25%含水物)7g,脱イオン水350g及びポリビ
ニルアルコール0.2gを用い、他の条件は実施例4と
同様の方法で行った。(ポリビニル単量体割合=33
%)サンプルの特性は、全比表面積(S)980m2
g,細孔直径10〜30Åの累積比表面積(S10−30)
580m2 /g(S10−30/S×100=57.4
%),膨潤率69%,残存塩素量3.0重量%であっ
た。
【0031】比較例2 クロロメチルスチレン40g,スチレン58g,ジビニ
ルベンゼン1.1及びエチルビニルベンゼン0.9,過
酸化ベンゾイル(25%含水物)7g,脱イオン水35
0g及びポリビニルアルコール0.2gを用い他の条件
は実施例4と同様の方法で行った。(ポリビニル単量体
割合=1.1%)サンプルの特性は、全比表面積(S)
は0m2 /gであり、細孔直径10〜30Åの累積比表
面積(S10−30)は測定できなかった。膨潤率210
%,残存塩素量3.9重量%であった。
【0032】比較例3 塩化第二すずを加えた後の、窒素雰囲気下での攪拌加熱
を2時間とした以外は実施例1と同様の条件で合成を実
施した。サンプルの特性は、全比表面積(S)810m
2 /g,細孔直径10〜30Åの累積比表面積(S10−
30)540m2/g(S10−30/S×100=66.7
%),膨潤率98%,残存塩素量7.6重量%であっ
た。
【0033】比較例4 比較例として、従来市販の有機樹脂系吸着材(スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体)の代表例であるXAD−
4(オルガノ株式会社)、さらに炭素系吸着材の代表例
として活性炭素繊維KF−1500GK(東洋紡積株式
会社)の特性を、実施例の結果と共に表1に示した。
【0034】ケトン系物質の吸着特性として、シクロヘ
キサノンの吸着特性を測定した。試験方法は、JIS−
K1474に準じて行い、1/10飽和度のシクロヘキ
サノン蒸気に対する平衡吸着量を求めた。吸着後、10
0℃での加熱状態で窒素ガス300cc/分の割合で1
時間流すことで脱着を行った。「吸着−加熱による脱
着」この一連の操作を1サイクルの操作とし、これを1
0サイクル繰り返した。各サイクルでのシクロヘキサノ
ンの平衡吸着量を、吸着前後での重量増加により求め、
初期吸着材重量(吸着材の真の重量)当たりの重量増加
値(重量%)として示した。1サイクル目の初期吸着量
をAD1(重量%)とし、10サイクル目の吸着量をA
D10(重量%)と表記して表1に示した。AD1は3
0重量%以上であることが望ましい。さらに、(AD1
0/AD1)×100(%)は、10サイクルでの吸着
容量の低下度を示し、90%以上であることが望まし
い。またさらに、10サイクルの脱着操作後に残存す
る、変質したシクロヘキサノンの残存総量を初期吸着材
重量(吸着材の真の重量)当たりの重量増加値(重量
%)で示した。これは、10サイクル目の脱着操作の後
の吸着材の重量と、上記吸着操作を行う前の初期吸着材
重量との差として求めた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明による吸着材
は、安定に存在する細孔直径30Å以下のミクロ孔を多
量に持ち活性炭と同様の優れた反応性物質に対する吸着
性を示す。同時に、触媒活性が極めて小さいため、吸着
した反応性物質を安定に脱着回収する事が可能である。
このため反応性物質の分解,反応生成物による吸着性能
の低下がほとんど無く、長寿命で安定した吸着性能を示
し、結果として経済的であり、工業的に多大な実用性を
もたらすことができる。
【0036】実施例及び比較例の、特性をまとめた表で
ある。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】芳香族ポリビニル単量体の含有率と、10〜3
0Åのミクロ孔の割合との関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BET法により求めた全比表面積が100
    0m2 /g以上であり、かつ細孔直径10〜30Åの累
    積比表面積が全比表面積の65%以上であり、かつ膨潤
    率が100%以下であることを特徴とする有機芳香族系
    高分子を主体とした反応性物質吸着材。
  2. 【請求項2】残存塩素量が6重量%以下であることを特
    徴とする請求項1の範囲の反応性物質吸着材。
JP3959794A 1994-03-10 1994-03-10 反応性物質吸着材 Pending JPH07246334A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060653B2 (en) 1998-07-03 2006-06-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of producing gas occluding material

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US7060653B2 (en) 1998-07-03 2006-06-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of producing gas occluding material

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