JPH07246059A - みかん類の貯蔵方法と貯蔵装置 - Google Patents

みかん類の貯蔵方法と貯蔵装置

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JPH07246059A
JPH07246059A JP3741594A JP3741594A JPH07246059A JP H07246059 A JPH07246059 A JP H07246059A JP 3741594 A JP3741594 A JP 3741594A JP 3741594 A JP3741594 A JP 3741594A JP H07246059 A JPH07246059 A JP H07246059A
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air
humidity
temperature
storage chamber
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JP3741594A
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Takeshi Oiwa
毅 大岩
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OIWA SANKI KOGYO KK
OOIWA SANKI KOGYO KK
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OIWA SANKI KOGYO KK
OOIWA SANKI KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 収穫したみかん類を、症病の発生を抑えて高
い鮮度を保ったままで長期間保存する貯蔵方法を提供す
る。 【構成】 みかん類を収容した貯蔵室内に低温・低湿の
空気を連続供給し、且つこの供給に伴う貯蔵室内の余剰
空気を外部へ連続排出すると共に、この連続供給する空
気又は該空気と他の冷却手段により貯蔵室内を間接冷却
してみかん類を低温貯蔵する一方、この低温貯蔵中に貯
蔵室内の湿度が設定値より上昇した際に、前記の連続供
給する空気とは別途に低温・低湿の空気を貯蔵室内に導
入して湿度調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温州みかん等のみかん
類を鮮度を保ちながら長期保存するための貯蔵方法と貯
蔵装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】収穫したみかん類を長期的に保
存する場合、従来では一般的に、採果後の果実を予措室
内で放置して水分を減じたのち、貯蔵室内に移して付属
の冷凍機により温度を2〜3℃に設定して貯蔵してい
る。そして、この貯蔵中においては、貯蔵室内に外気を
導入して果実の呼吸に必要な酸素を取り入れると共に、
この呼吸作用によって発生する炭酸ガス,エチレンガ
ス,水分等による果実の鮮度低下を遅らせるために、貯
蔵室を1日に2回程度開放して換気するのが普通であ
り、また冷凍機の稼働によって貯蔵室内の湿度が低下す
るので加湿器を用いて湿度調整を行っている。
【0003】しかしながら、上記従来の貯蔵方法では、
貯蔵中の温度及び湿度を一定に維持できないため、長期
にわたって腐敗やかび類の発生を抑えることが困難であ
り、貯蔵期間はせいぜい2〜3ヵ月が限度であった。こ
れは、特に低温・加湿条件下において一回15〜30分
程度を要する冷凍機の冷却部の霜取りを一日当たり4〜
6回も行う必要があり、その度に貯蔵室の温度が5〜7
℃上昇し、これに伴って湿度は貯蔵条件より10〜15
%程度も増加して100%近くなり、この高湿度下で収
穫時に果実に付着している雑菌が急速に繁殖すると共
に、一日に何回も温度・湿度の変化を繰り返すことによ
る鮮度の低下が大きくなること、また貯蔵期間の経過に
したがって果皮の水分が減少して呼吸量は少なくなる
が、加湿によって与えられた水分の吸収により果皮が膨
張して浮き皮状態となり易く、これによって腐りが急激
に増加すること等が原因である。
【0004】また従来の貯蔵方法においては、予措処理
においても温度・湿度が管理されないことから、保存期
間が短くなる傾向があることに加え、発色増進処理を行
わないために未発色果実に虎斑症が発生し易い上、予措
室と貯蔵室を必要とするため、それぞれの設置スペース
及び処理施設を必要とし、それだけ貯蔵コストが高く付
くと共に、予措室での処理を終えた果実を貯蔵室へ移し
替えるために多大な労力及び時間を費やするという難点
もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の状況に
鑑み、みかん類の貯蔵方法として、貯蔵中の腐敗やかび
類の発生が効果的に抑えられると共に、鮮度の低下が極
めて緩慢となり、もって従来に比較して格段に長期間の
保存を可能とする方法を提供することを第一の目的と
し、また低温貯蔵の前に貯蔵室内で発色予措処理を施す
ことにより、未発色果実の虎斑症発生を防止して且つ鮮
度低下をより抑制し得ると共に、貯蔵のコスト及び労力
を低減し得る方法を提供することを第二の目的としてい
る。更に、本発明の第三の目的は、上記貯蔵方法を好適
に適用できると共に構成的に簡素なみかん類の貯蔵装置
を提供することにある。
【0006】上記第一の目的を達成するために、本発明
の請求項1に係るみかん類の貯蔵方法は、みかん類を収
容した貯蔵室内に低温・低湿の空気を連続供給し、且つ
この供給に伴う貯蔵室内の余剰空気を外部へ連続排出す
ると共に、この連続供給する空気又は該空気と他の冷却
手段により貯蔵室内を間接冷却してみかん類を低温貯蔵
する一方、この低温貯蔵中に貯蔵室内の湿度が設定値よ
り上昇した際に、前記の連続供給する空気とは別途に低
温・低湿の空気を貯蔵室内に導入して湿度調節すること
を特徴とする構成を採用したものである。
【0007】同目的において、本発明の請求項2は、上
記請求項1の貯蔵方法における低温貯蔵中の貯蔵室内の
温度を1〜5℃、同湿度を80〜90%に設定すること
を特徴とする構成を採用したものである。
【0008】同目的において、本発明の請求項3は、上
記請求項1又は2の貯蔵方法における低温貯蔵中に、貯
蔵室内の空気を断続的に取り出して殺菌処理し、この処
理後の空気を貯蔵室内へ戻すことを特徴とする構成を採
用したものである。
【0009】また上記第二の目的を達成するために、本
発明の請求項4は、上記請求項1〜3の貯蔵方法におけ
る低温貯蔵の前に、貯蔵室内に温度及び湿度を調整した
空気を連続供給すると共に余剰空気を外部へ連続排出す
ることにより、貯蔵室内の温度を8〜15℃、同湿度を
50〜70%に設定して発色予措処理を施すことを特徴
とする構成を採用したものである。
【0010】更に上記第三の目的を達成するために、本
発明の請求項5に係るみかん類の貯蔵装置は、みかん類
を貯蔵する貯蔵室と、除湿機能付き冷凍機及び電気ヒー
ターを備えた第一及び第二調整室とを有し、貯蔵室に内
部の空気を外部へ放出する排気口と湿度センサーとが設
けられ、第一調整室において外部から取り入れた空気を
前記冷凍機と電気ヒーターとで温度及び湿度を調整して
貯蔵室へ連続供給すると共に、第二調整室において外部
から取り入れた空気を前記冷凍機と電気ヒーターとで低
湿度に調整しておき、この第二調整室内の低湿空気を前
記湿度センサーにより測定される貯蔵室内の湿度が設定
値を越えた際に貯蔵室へ供給するように構成されてなる
ものである。
【0011】同目的において、本発明の請求項6は、上
記請求項5の貯蔵装置において、オゾン殺菌装置を備
え、貯蔵室内の空気を導入してオゾン殺菌して貯蔵室内
へ戻す第三調整室を有してなる構成を採用したものであ
る。
【0012】
【発明の細部構成と作用】本発明の貯蔵方法では、低温
貯蔵中において、貯蔵室内に低温・低湿の空気を連続供
給すると共に、この供給による余剰空気を外部へ連続的
に排出するから、貯蔵室内の空気は常に一定の割合で供
給空気と置換して更新され、果実の呼吸によって発生す
る炭酸ガス,エチレンガス,水分等が貯蔵室内に蓄積さ
れず、且つ貯蔵室内には果実の呼吸に必要な酸素が常に
一定の割合で存在することになり、もって果実の呼吸障
害による鮮度低下が防止され、しかも貯蔵室内は間接冷
却によって低温状態に保持されるから、従来のような冷
却部の霜取り操作が不要となり、この霜取りに伴う貯蔵
室内の温度・湿度の大きな変化を回避でき、もって高湿
度に起因した雑菌の急速な繁殖が防止されると共に、温
度・湿度の変化に起因した果実の鮮度低下も抑制され
る。
【0013】また、一般的に貯蔵室内の空気が停滞する
場所にはかび類、黒軸病、黒腐病等が発生し易く、特に
ヘタ部分の緑色が黒く変色して商品価値の低下に繋がり
易いが、この貯蔵方法では、空気の連続的な供給・排出
により、貯蔵庫内の空間全体に安定した空気の流れが維
持されるため、上記のような空気の停滞によるかび類や
病症の発生、ヘタ部分の変色等も殆ど生じない。
【0014】一方、貯蔵期間中の果実の呼吸量は一定で
はないから、呼吸に伴って果実から放出される水分量の
変化により貯蔵室内の湿度も変動することになるが、こ
の貯蔵方法においては、低温貯蔵中に貯蔵室内の湿度が
設定値より上昇した際に、前記の連続供給する空気とは
別途に低湿空気を貯蔵室内に導入して湿度調節するよう
にしているから、貯蔵室内は常に一定範囲の湿度に維持
され、過湿度による雑菌の繁殖増大が回避されると共
に、貯蔵期間が長くなって果皮の水分が減少してきても
浮き皮状態になりにくく、もって腐りを生じることなく
高い鮮度を保ったまま、採果後6ヵ月以上という非常に
長期間の貯蔵が可能となる。
【0015】なお、この別途導入するための低湿空気
は、貯蔵室外に適当な湿度調整室を設け、この調整室内
に外気もしくは貯蔵室内の空気の一部を取り込み、この
空気を低湿度に調整して常時保持しておけばよい。
【0016】低温貯蔵中の貯蔵室内の温度は、高過ぎて
は果実の呼吸の増大によって鮮度の低下が早くなり、逆
に低過ぎても組織の壊死によって腐り易くなるため、1
〜5℃の範囲に設定すべきであり、特に2〜3℃の範囲
が好適である。また低温貯蔵中の貯蔵室内の湿度は、高
過ぎては上述した過湿度下での問題があると共に、低過
ぎては果実及び果皮からの水分の喪失が早くなって鮮度
低下に繋がるため、80〜90%に設定すべきであり、
特に82〜85%の範囲が好適である。
【0017】貯蔵室へ連続供給する空気は、温度1〜5
℃程度、特に好適には2〜3℃、湿度60〜80%程
度、特に好適には65〜75%、供給空気量を果実1ト
ン当たり0.05〜0.15m3 /hr程度に設定する
のがよい。また、この連続供給する空気とは別途に、低
温貯蔵中に貯蔵室内の湿度が設定値より上昇した際に供
給する空気の湿度は60〜70%程度に設定するのがよ
い。
【0018】なお、貯蔵室内は上記の連続供給する低温
・低湿の空気のみで間接冷却してもよいが、貯蔵室の容
量が大きい場合等、上記の連続供給する空気のみでは冷
却力が不足する場合には、貯蔵室自体の冷却補助手段を
設けてもよい。このような冷却補助手段は、間接冷却を
行うために、その冷却部が貯蔵室内の空気に対して遮断
された形とし、この遮断部において上記冷却部によって
冷却された空気と貯蔵室内の空気との間で熱交換を行う
ように設定すればよい。
【0019】また、前記の低温貯蔵中において、貯蔵室
内の空気を断続的に取り出して殺菌処理し、この処理後
の空気を貯蔵室内へ戻すように構成すれば、貯蔵中のか
び類や各種病症の発生をより効果的に防止することがで
きる。このような殺菌手段としては、特に制約はない
が、処理効果と設備構成面よりオゾン処理が好適であ
る。しかして、このオゾン処理を貯蔵室内の空気に対し
て直接施した場合は、果実にオゾン障害を発生する恐れ
があるが、上述のように貯蔵室内の空気を取り出して殺
菌処理後に貯蔵室内へ戻す方法によれば、例えば2〜3
PPM程度の高濃度オゾンによって殺菌処理を施したの
ち、例えばオゾン濃度が0.01PPM程度と低下して
から貯蔵室内へ戻せばよいから、オゾン障害を招くこと
なく高い殺菌効果をあげることができる。
【0020】一方、本発明の貯蔵方法においては、未発
色果実の多いものを貯蔵対象とする場合等で、必要に応
じて上記の低温貯蔵の前に発色予措処理を施すことがで
きる。この処理は、低温貯蔵時と同様に貯蔵室内に温度
及び湿度を調整した空気を連続供給すると共に余剰空気
を外部へ連続排出して行うが、貯蔵室内の温度を8〜1
5℃、特に好適には10〜12℃程度、同湿度を80〜
90%、特に好適には82〜85%に設定することによ
り、果皮の発色増進と共に予措としての果実の水分減量
を行うものである。しかして、この温度は、低過ぎては
発色増進効果が不充分となり、逆に高過ぎては果実の呼
吸増進によって鮮度低下が早くなる。また湿度は、低過
ぎては果実の水分減量が過度になり、逆に高過ぎては水
分減量が不充分になる。なお、上記の予措としての水分
減量は、果皮を引き締めて浮き皮を防止する効果があ
る。
【0021】この発色予措処理では、低温貯蔵時と同様
に、貯蔵室内の空気は常に一定の割合で供給空気と置換
して更新され、果実の呼吸によって発生する炭酸ガス,
エチレンガス,水分等が貯蔵室内に蓄積されず、且つ貯
蔵室内には果実の呼吸に必要な酸素が常に一定の割合で
存在することになるから、果実の鮮度低下が抑えられ、
従来のような予措室による処理を行う場合に比較して全
体としての貯蔵期間が長くなると共に、未発色果実の発
色によって虎斑症を防止できる。また、温度及び湿度の
設定を変えるだけで、発色予措処理と次の低温貯蔵とを
同じ貯蔵室内で且つ同じ付帯設備を利用して続けて行え
るので、従来のような予措室から貯蔵室への移し替えの
ための労力及び時間が不要となる上、これら両室を設け
る場合に比べて設置場所を取らず設備コストも安く付
く。
【0022】しかして、発色予措処理において貯蔵室へ
連続供給する空気は、温度8〜15℃程度、特に好適に
は10〜12℃、湿度45〜75%程度、特に好適には
50〜70%、供給空気量を果実1トン当たり0.3〜
0.8m3 /hr程度に設定するのがよい。また発色予
措処理の期間は8〜15日程度、特に10〜12日程度
が望ましい。
【0023】この発色予措処理においても、低温貯蔵時
と同様に、貯蔵室内の湿度が設定値より上昇した際に、
前記の連続供給する空気とは別途に低湿空気を貯蔵室内
に導入して湿度調節すると共に、貯蔵室内の空気を断続
的に取り出してオゾン処理等で殺菌し、この殺菌処理後
の空気を貯蔵室内へ戻す手段を採用することが推奨され
る。上記の連続供給する空気とは別途に供給する低湿空
気は湿度60〜70%程度に設定するのがよい。
【0024】なお、貯蔵対象とする果実は、貯蔵中の共
腐れを防ぐために収穫前に消毒剤散布処理を施しておく
ことが望ましく、また商品価値の点からは浮き皮状態の
ものを排除することが推奨される。ただし、本発明の貯
蔵方法によれば、収穫段階で浮き皮を生じている果実で
も、その浮き皮の度合を進行させずに貯蔵できるという
いう利点がある。
【0025】上述した本発明の貯蔵方法を適用するため
の貯蔵装置としては、特に制約はないが、みかん類を貯
蔵する貯蔵室とと共に、外部から取り入れた空気を温度
及び湿度調整して貯蔵室へ連続供給するための第一調整
室と、貯蔵室内の湿度が設定値を越えた際に該貯蔵室の
高湿空気と置換するための低湿空気を調整する第二調整
室とを設け、これら第一及び第二調整室の各々における
温度及び湿度の調整用として除湿機能付き冷凍機及び電
気ヒーター使用し、且つ貯蔵室に湿度センサーを設置し
た、本発明構成の貯蔵装置が推奨される。
【0026】すなわち、本発明構成の貯蔵装置では、貯
蔵室へ連続供給するための空気を外気から第一調整室内
に一旦取り込み、室内空間全体で温度及び湿度を調整で
きるので、設定した温度及び湿度の変動を生じにくい
上、第二調整室において低湿度に調整した空気を常時保
持しておくことにより、湿度センサーにより貯蔵室内の
湿度が設定値以上になったことが検知された際に、直ち
に第二調整室の低湿空気を貯蔵室内へ供給でき、もって
貯蔵室内の湿度変動を極力小さく抑えることができる。
また第一及び第二調整室の各々における温度及び湿度を
除湿機能付き冷凍機と電気ヒーターの発停によって非常
に容易に確実に調整でき、冷凍機を一定温度以上で作動
するように設定しておけば、取り入れた空気が低温・高
湿である場合でも、電気ヒーターを作動して室内温度を
上げることよって自動的に冷凍機を働かせ、その除湿作
用により低湿度に調整でき、加えて冷凍機と電気ヒータ
ーの設定温度を変えるだけで発色予措処理と低温貯蔵の
切り換えを行える。
【0027】なお、上記の貯蔵装置として、第一及び第
二調整室と共にオゾン殺菌装置を備えた第三調整室を設
け、貯蔵室内の空気を断続的に第三調整室内へ取り出し
てオゾン殺菌し、この処理後の空気をオゾン濃度が低下
した段階で貯蔵室内へ戻すように設定すれば、果実にオ
ゾン障害を生じることなく、貯蔵室内の雑菌の増殖を効
果的に抑制できる。
【0028】図1及び図2は、本発明の貯蔵装置の一構
成例を示す。この貯蔵装置は一棟の貯蔵庫1より構成さ
れており、該貯蔵庫1内は、みかん類の果実Fをコンテ
ナー等に入れた状態で収納するスペースの大きい貯蔵室
10と、その搬出入口10aとは反対側に併設されたス
ペースの小さい第一〜第三調整室11〜13とに区画さ
れている。しかして、貯蔵室10と第一及び第二調整室
11,12のそれぞれ天井部には、一般的な除湿機能及
び温度設定機能付きの冷凍機2A〜2Cが設置されてい
る。また、第一調整室11には電気ヒーター3Aと加湿
用水中バブリング装置4、第二調整室12には電気ヒー
ター3B、第三調整室にはオゾン発生器5がそれぞれ設
置されている。
【0029】貯蔵室10は、天井近くには合成樹脂シー
ト6が水平に張設されており、このシート6によって冷
凍機2Aの冷却部2aが貯蔵空間Sから遮断されてお
り、また天井部には前記シート6を貫通して貯蔵空間S
と外部とを連通する排気口10bが設けられる共に、該
貯蔵室10の内奥側には、上部に複数基の送風機7A…
を備えた偏平な縦箱型の空気循環ボックス8が設置され
ている。9Aは貯蔵室10の内壁面に設置された湿度セ
ンサーである。
【0030】第一調整室11は、空気導入口11aから
取り入れた外気を、所定の温度及び湿度に調整した上で
風量調整用インバーター付き送風機7Bを介して空気供
給口11bより貯蔵室10内に連続供給するようになさ
れている。しかして、取り入れた外気の温度及び湿度は
温湿度センサー9Bにて測定し、温度は外気温に応じて
冷凍機2Bと電気ヒーター3Aの発停によって自動調整
するように設定されている。また湿度は、冷凍機2Bの
除湿能力によって調整するが、外気湿度が低過ぎる場合
には水中バブリング装置4によって自動的に加湿し、逆
に外気湿度が高過ぎる場合には、電気ヒーター3Aが自
動的に作動して室内温度を上昇させることにより、冷凍
機2Bが作動して除湿するように設定されている。この
設定温度と湿度は前述のように、発色予措処理時には、
温度8〜15℃程度、特に好適には10〜12℃、湿度
45〜75%程度、特に好適には50〜70%であり、
低温貯蔵時には、温度1〜5℃程度、特に好適には2〜
3℃、湿度60〜80%程度、特に好適には65〜75
%である。
【0031】第二調整室12は、空気導入口12aから
取り入れた外気を60〜70%程度の低湿度に調整した
状態で保持しておき、湿度センサー9Aにて検出される
貯蔵室10内の湿度が設定値(通常85%)以上に上昇
した際に、自動的に風量調整用インバーター付き送風機
7Cを介して空気供給口12bより貯蔵室10内に供給
するようになされている。しかして、取り入れた外気の
温度及び湿度は温湿度センサー9Cにて測定し、温度は
外気温に応じて冷凍機2Cと電気ヒーター3Bの発停に
よって自動調整するように設定されている。この設定温
度は、発色予措処理時には、温度8〜15℃程度、特に
好適には10〜12℃、低温貯蔵時には、温度1〜5℃
程度である。また湿度は、冷凍機2Cの除湿能力によっ
て自動調整するが、外気湿度が低い場合にはそのままで
保持され、外気湿度が高過ぎる場合には第一調整室11
と同様に電気ヒーター3Bにより室内温度を上昇させる
ことによって冷凍機2Bを作動させて自動的に除湿する
ように設定されている。
【0032】第3調整室13は、空気取入口13aより
定期的に貯蔵室10内の空気を取り入れ、この空気をオ
ゾン発生器5から放出される濃度2〜3PPM程度のオ
ゾンによって殺菌したのち、オゾン濃度が0.01PP
M程度まで減少したのちに送風機7Dを介して空気供給
口13bより貯蔵室10内へ戻すように設定されてい
る。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例では、図1及び図2に示す構成にお
いて、貯蔵室10の容積11,664m3 、第一調整室
11の容積3,888m3 、第二調整室12の容積5,
184m3 、第三調整室13の容積1,944m3 、オ
ゾン発生器9のオゾン発生能力50mg/hrである貯
蔵装置を使用した。
【0034】実施例 1992年12月2日〜6日に収穫した和歌山県産の普
通温州みかんを10Kgずつコンテナーに収容し、この
コンテナー120ケース(みかん総量1,200Kg)
を貯蔵室10に収納し、外気から第一調整室11に取り
入れた空気を温度12℃、湿度60%に調整して0.4
8m3 /hrの割合で貯蔵室10内に連続供給し、貯蔵
室10内を温度10〜12℃、湿度82〜85%に維持
して12日間の発色予措処理を施した。かくして発色予
措処理を終えたみかんは、全てオレンジ色に発色し、水
分が1〜2%減少したものとなった。
【0035】なお、この処理期間中、貯蔵室10内の空
気を第三調整室13に取込み、オゾン発生器9を10分
間作動させて殺菌処理(オゾン濃度2〜3PPM)し、
8時間経過後(オゾン濃度は0.01PPM程度まで低
下)に貯蔵室10内へ戻す操作を一日2回の割合で行っ
た。また、第二調整室11では取り込んだ外気を湿度6
0〜70%に調整して常時保持しておき、この保持した
空気を貯蔵室10内の湿度が85%よりも高くなった際
に自動的に貯蔵室10内に供給するように設定した。
【0036】次に、貯蔵室10と第一及び第二調整室1
1,12の温度をいずれも2〜3℃に調整した上で、外
気から第一調整室11に取り入れた空気を温度2〜3
℃、湿度70%として0.096m3 /hrの割合で貯
蔵室10内に連続供給し、貯蔵室10内を温度2〜3
℃、湿度82〜85%に維持して5月20まで165日
間の低温貯蔵を行った。なお、この低温貯蔵中、発色予
措処理時と同様に、貯蔵室10内の空気を第三調整室1
3に取込み、オゾン発生器9を10分間作動させて殺菌
処理し、8時間経過後に貯蔵室10内へ戻す操作を一日
2回の割合で行った。また第二調整室11では取り込ん
だ外気を温度2〜3℃、湿度60〜70%に調整して常
時保持しておき、この保持した空気を貯蔵室10内の湿
度が85%よりも高くなった際に自動的に貯蔵室10内
に供給するように設定した。
【0037】上記の低温貯蔵中の各段階で、腐敗果実の
歩合とその症病種を調べると共に、コンテナー単位の果
実重量の減量歩合を測定したところ、次の表1の結果が
得られた。
【0038】
【表1】
【0039】上表の結果から、本発明の貯蔵方法によれ
ば、貯蔵期間中の症病の発生が極めて少なく、しかも果
実重量の減量も非常に僅かであって高い鮮度が長期にわ
たって保たれ、6ヵ月以上もの長期保存か可能であるこ
とが判る。なお、上記低温貯蔵を終えたみかんを5人で
試食したところ、各人共に、糖の減量はなく、むしろ甘
味が増加しているとの評価であった。また、貯蔵中の浮
き皮の発生はなく、収穫時に浮き皮状態であった果実の
浮き皮の度合は貯蔵後でも増大していなかった。
【0040】なお、上記実施例は、本発明の構成をより
具体的に説明するための例示であるから、本発明はこの
実施例の内容に限定されるものではない。例えば、貯蔵
室10の冷却補助手段として冷凍機2Aを用いている
が、該貯蔵室10の容量、外気温度、第一調整室11の
冷凍機2Bの冷却能力等によっては、冷凍機2Aを省略
可能である。また、第二調整室12に保持させておく低
湿空気は、実施例のように外気から取り入れる代わり
に、貯蔵中に貯蔵室内の空気の一部を取り入れ、これを
低湿度に調整する構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、みかん類の貯
蔵方法として、貯蔵室内の空気が常に一定の割合で新鮮
な空気と置換して更新され、且つ貯蔵室の湿度が高くな
った際に別途に低湿空気が供給されることから、貯蔵室
内が低温で安定した低湿度に保たれて果実の鮮度低下が
抑制され、しかも貯蔵室内が間接冷却によって低温状態
に保持されるため、従来のような冷却部の霜取りに伴う
貯蔵室内の温度・湿度の大きな変化がなく、霜取り時の
過湿度に起因した雑菌の急速な繁殖が回避され、また貯
蔵庫内の空間全体に安定した空気の流れが維持されるた
め、空気の停滞によるかび類や病症の発生、ヘタ部分の
変色等も殆ど生じず、貯蔵期間が長くなって果皮の水分
が減少してきても浮き皮状態になりにくく、もって腐り
を生じることなく高い鮮度を保ったまま、非常に長期間
の貯蔵が可能となる方法が提供される。
【0042】請求項2の発明によれば、上記のみかん類
の貯蔵方法において、低温貯蔵中の貯蔵室内の温度と湿
度を特定範囲に設定することから、果実の鮮度維持と症
病防止がより効果的となり、より長期間の貯蔵が行える
という利点がある。
【0043】請求項3の発明によれば、上記のみかん類
の貯蔵方法において、貯蔵室内の空気を断続的に取り出
して殺菌処理し、この処理後の空気を貯蔵室内へ戻すこ
とから、症病の発生をより確実に抑制できるという利点
がある。
【0044】請求項4の発明によれば、上記のみかん類
の貯蔵方法における低温貯蔵の前に、貯蔵室内に温度及
び湿度を調整した空気を連続供給して貯蔵室内の空気を
置換しつつ、該貯蔵室の温度及び湿度を特定範囲に設定
して発色予措処理を施すため、予措としての水分減量と
共に未発色果実の発色によって虎斑症を防止でき、且つ
果実の鮮度低下が抑えられ、従来のような予措室による
処理を行う場合に比較して全体としての貯蔵期間も長く
なり、また発色予措処理と次の低温貯蔵とを同じ貯蔵室
内で続けて行えるので、従来のような予措室から貯蔵室
への移し替えのための労力及び時間が不要となる上、こ
れら両室を設ける場合に比べて設置場所を取らず設備コ
ストも安く付くという利点がある。
【0045】請求項5の発明によれば、上記のみかん類
の貯蔵方法を好適に適用でき、貯蔵室へ連続供給する空
気の温度及び湿度の設定、ならびに貯蔵室内の湿度が上
昇した際に供給する空気の温度及び湿度の設定が容易で
あり、もって貯蔵室内を常に一定した温度・湿度条件に
維持できると共に、低温貯蔵の前に発色予措処理を行う
場合にも対処でき、しかも構成的に簡素な貯蔵装置が提
供される。
【0046】請求項6の発明によれば、上記のみかん類
の貯蔵装置として、特に症病の抑制に効果的なものが提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るみかん類の貯蔵装置の一構成例
を模式的に示す横断平面図。
【図2】 図1のII−II線の断面図。
【符号の説明】
1 貯蔵庫 2A〜2C 冷凍機 3A,3B 電気ヒーター 4 加湿用水中バブリング装置 5 オゾン発生器 6 合成樹脂シート 7A〜7D 送風機 8 空気循環ボックス 9A 湿度センサー 9B,9C 温湿度センサー 10 貯蔵室 10a 搬出入口 10b 排気口 11 第一調整室 11a 空気導入口 11b 空気供給口 12 第二調整室 12a 空気導入口 12b 空気供給口 13 第三調整室 13a 空気取入口 13b 空気供給口 F みかん類 S 内部空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 みかん類を収容した貯蔵室内に低温・低
    湿の空気を連続供給し、且つこの供給に伴う貯蔵室内の
    余剰空気を外部へ連続排出すると共に、この連続供給す
    る空気又は該空気と他の冷却手段により貯蔵室内を間接
    冷却してみかん類を低温貯蔵する一方、この低温貯蔵中
    に貯蔵室内の湿度が設定値より上昇した際に、前記の連
    続供給する空気とは別途に低温・低湿の空気を貯蔵室内
    に導入して湿度調節することを特徴とするみかん類の貯
    蔵方法。
  2. 【請求項2】 低温貯蔵中の貯蔵室内の温度を1〜5
    ℃、同湿度を80〜90%に設定することを特徴とする
    請求項1記載のみかん類の貯蔵方法。
  3. 【請求項3】 低温貯蔵中に、貯蔵室内の空気を断続的
    に取り出して殺菌処理し、この処理後の空気を貯蔵室内
    へ戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載のみかん
    類の貯蔵方法。
  4. 【請求項4】 低温貯蔵の前に、貯蔵室内に温度及び湿
    度を調整した空気を連続供給すると共に余剰空気を外部
    へ連続排出することにより、貯蔵室内の温度を8〜15
    ℃、同湿度を50〜70%に設定して発色予措処理を施
    すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のみ
    かん類の貯蔵方法。
  5. 【請求項5】 みかん類を貯蔵する貯蔵室と、除湿機能
    付き冷凍機及び電気ヒーターを備えた第一及び第二調整
    室とを有し、貯蔵室に内部の空気を外部へ放出する排気
    口と湿度センサーとが設けられ、第一調整室において外
    部から取り入れた空気を前記冷凍機と電気ヒーターとで
    温度及び湿度を調整して貯蔵室へ連続供給すると共に、
    第二調整室において外部から取り入れた空気を前記冷凍
    機と電気ヒーターとで低湿度に調整しておき、この第二
    調整室内の低湿空気を前記湿度センサーにより測定され
    る貯蔵室内の湿度が設定値を越えた際に貯蔵室へ供給す
    るように構成されてなるみかん類の貯蔵装置。
  6. 【請求項6】 オゾン殺菌装置を備え、貯蔵室内の空気
    を導入してオゾン殺菌して貯蔵室内へ戻す第三調整室を
    有してなる請求項5記載のみかん類の貯蔵装置。
JP3741594A 1994-03-08 1994-03-08 みかん類の貯蔵方法と貯蔵装置 Pending JPH07246059A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009017542A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Oce Technol Bv 走査画像要素位置合わせ方法
CN102940029A (zh) * 2012-11-02 2013-02-27 浙江大学 一种椪柑果实贮藏方法
CN110207451A (zh) * 2019-07-04 2019-09-06 长虹美菱股份有限公司 一种具有果蔬愈伤功能的冰箱及其控制方法

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