JPH07245832A

JPH07245832A - ガス絶縁開閉装置

Info

Publication number: JPH07245832A
Application number: JP6059793A
Authority: JP
Inventors: Eiji Itakura; 英治板倉; Akira Ito; 明伊藤
Original assignee: Takaoka Electric Mfg Co Ltd
Current assignee: Takaoka Toko Co Ltd
Priority date: 1994-03-07
Filing date: 1994-03-07
Publication date: 1995-09-19

Abstract

(57)【要約】【目的】ガス絶縁開閉装置において、事故の検出に零
相電流の大きさを用いて、正確に事故区画の判別を行な
い、事故の情報を早期に得る。【構成】各エレメントを収納する容器が複数のガス区
画に分けられたガス絶縁開閉装置３において、各ガス区
画を区分する絶縁スペーサ１AB、１AC、１CD、１DE、１
DF、１E、１F、１Aに内蔵された三相母線の電流を一括
して検出する零相電流検出部と、零相電流検出部の出力
から時間変化を求める電流変化検出部４と、零相電流の
時間変化の大きさを所定の判定レベルと比較することに
より事故発生のガス区画を判定する事故区画判定部５を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガス絶縁開閉装置（以
下、ＧＩＳと言う）に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ＧＩＳは、変電所の機器のう
ち、遮断器、断路器、接地開閉器、変成器などの変圧器
以外の機器をＳＦ6ガスなどの絶縁ガスを封入した金属
容器に収納し、絶縁スペーサでユニットを各ガス区画に
区分したものである。この結果、ＧＩＳでは、充電部を
露出せずに、ガス絶縁による装置の縮小化、信頼性、運
転保守性や安全性の向上を実現している。しかし、一方
で、ＧＩＳは各機器が金属容器内に密閉されているため
に、万一内部事故が発生した場合に、事故の発生したガ
ス区画の発見が難しく、復旧に時間を要する事がある。

【０００３】内部事故の例としては、容器内部に混入し
た導電性異物による部分放電からの絶縁劣化による尖絡
事故（地絡または相間短絡）や、容器内部の母線接続部
の接触不良から発生する導体溶断から尖絡に至る事など
がある。

【０００４】従来、内部事故発生時には、金属容器内の
圧力上昇が生じるので、ガス圧力をモニタして、事故の
発生したガス区画を的確に判定する事が試られている。

【０００５】図２はＧＩＳの構成例で、ガス区画Ａから
Ｆは絶縁スペーサ１で区分されている。ガス区画Ａには
ケーブル接続部（ＣＨ）が、ガス区画Ｂには計器用変圧
器（ＰＴ）が、ガス区画Ｃには断路器（ＤＳ）および接
地開閉器（ＥＳ）が、ガス区画Ｄには計器用変流器（Ｃ
Ｔ）および遮断機（ＣＢ）が、ガス区画Ｅおよびガス区
画Ｆにはそれぞれ断路器（ＤＳ）が収納されている。ガ
ス区画Ｅおよびガス区画Ｆのもう１端には他の回線と接
続される母線（ＢＵＳ）が接続されている。

【０００６】図３に従来のガス圧力をモニタして事故箇
所を検出する場合の例を示す。ＧＩＳ３は、絶縁スペー
サ１’で、ガス区画Ａ〜Ｆに区分されている。各ガス区
画にはそれぞれ配管６０を介して、バルブ６１、圧力セ
ンサ６２が取り付けられている。各圧力センサ６２で検
出された各ガス区画の圧力信号は各電気ケーブル６３
で、信号処理回路７に送られる。信号処理回路７では、
各増幅器７１でその信号が増幅され、また、ガスの反射
衝突による影響を取除くために、各ローパスフィルタ７
２で高周波成分が除去して、圧力時間変化検出回路７３
に送る。圧力時間変化検出回路７３では、各ガス区画ご
とに圧力の時間変化Δｐを検出し、この圧力時間変化Δ
ｐとガス区画情報Ｎを事故区画判定回路７４に送る。時
間変化Δｐを予め判定レベル設定回路７５で設定してあ
る判定レベルと事故区画判定回路７４で比較して、判定
レベルを越えたガス区画を事故区画Ｎ’として出力す
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス圧
力のモニタにより事故の発生したガス区画を判定する方
法では次の問題がある。

【０００８】配管を介して、圧力センサを取り付けるた
めに、圧力センサで検出する圧力と実際のガス区画の中
の圧力に差があり、事故時の衝撃圧など時間変化の早い
圧力を検出する時には、特に配管の形状や内部機器の構
造によって圧力変化検出の精度が悪くなる事がある。

【０００９】ガス区画の大きさや収納機器の構造によっ
て、判定レベルを設定する必要があり、その設定を誤る
と、圧力の時間変化が緩慢な事故を検出できなかった
り、逆に事故ではない緩慢な圧力の時間変化を事故と判
定してしまう事がある。このことを避けるためには、ガ
ス区画ごとに実験を繰り返して、正確な判定レベルを設
定しなければならず、判定レベルの設定が繁雑である。

【００１０】また、圧力は温度により変化するので、日
射や風速等外部環境条件やガス区画によって流れる電流
の大きさが異なってガス区画によるガス温度上昇に差が
ある場合、ガス圧力の時間変化に差が生じ、温度上昇の
大きいガス区画の圧力時間変化が大きくなるが、当該ガ
ス区画を事故と判定しないためには、判定レベルを高く
設定せざるを得ず、判定の分解能に限界がある。

【００１１】そこで、本発明では、ガス区画の大きさや
収納機器、温度の影響を受けることなく、正確に事故区
画の判別を行なうようにするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、各
エレメントを収納する容器が複数のガス区画に分けられ
たＧＩＳにおいて、各ガス区画を区分する絶縁スペーサ
に内蔵された三相母線の電流を一括して検出する零相電
流検出部と、この各区分の零相電流検出部からの信号に
基づいて零相電流の時間的変化を検出する零相電流変化
検出部と、零相電流の時間変化の大きさを予め設定した
所定の判定レベルと比較して事故発生のガス区画を判定
する事故区画判定部を設ける。

【００１３】請求項２の発明では、予め設定した所定の
判定レベルに代って、他の零相電流変化検出部の出力か
ら算出して、事故区画判定部の判定レベルとして用い
る。

【００１４】請求項３の発明では、電流検出部を光電流
検出器で構成する。

【００１５】

【作用】請求項１の発明では、零相電流は通常平衡負荷
下では０アンペアであるので、零相電流の時間変化を検
出する事で、急激に零相電流が増加して、所定のレベル
を超えた場合を事故の発生として検出できる。また、事
故の生じたガス区画より電源側のみで、零相電流が増大
するので、零相電流の増大した区画としなかった区画を
判別し、その境界を知る事で、容易に事故区画を判別で
きる。

【００１６】請求項２の発明では、上記の所定のレベル
を他の零相電流出力を用いるので、所定の判定レベルを
用いる場合では検出できない微小な零相電流増加をとも
なう事故も検出できるので、事故区画がより正確に判別
できる。

【００１７】請求項３の発明では、光電流検出器を用い
るので、主回路と電流検出器の絶縁が容易になるととも
に、事故時の大電流によって生ずるノイズの影響を受け
なくなり、事故区画の判定が正確にできる。

【００１８】

【実施例】図１は請求項１の発明のＧＩＳの一例であ
る。ＧＩＳ３の、ガス区画Ａにはケーブル接続部（Ｃ
Ｈ）が、ガス区画Ｂには計器用変圧器（ＰＴ）が、ガス
区画Ｃには断路器（ＤＳ）および接地開閉器（ＥＳ）
が、ガス区画Ｄには計器用変流器（ＣＴ）および遮断機
（ＣＢ）が、ガス区画Ｅおよびガス区画Ｆにはそれぞれ
断路器（ＤＳ）が収納されている。ガス区画Ｅおよびガ
ス区画Ｆのもう１端には他の回線と接続される母線（Ｂ
ＵＳ）が接続されている。

【００１９】ガス区画ＡからＦはそれぞれ絶縁スペーサ
１AB、１AC、１CD、１DE、１DF、１E、１F、１Aによっ
て各ガス区画に区分されている。各絶縁スペーサ１AB、
１AC、１CD、１DE、１DF、１E、１F、１Aは零相電流検
出部を内蔵し、その出力は電流信号伝送部２を介して、
電流変化検出部４に伝えられる。各電流変化検出部４で
は、各零相電流検出部の出力の時間変化ΔＩｚ／Δｔを
求め、この時間変化ΔＩｚ／Δｔの大きさと検出対象の
ガス区画情報Ｎを事故区画判定部５に送る。事故区画判
定部５では、予め設定してある判定レベルとこの時間変
化ΔＩｚ／Δｔを比較し、判定レベルよりも大きけれ
ば、事故発生と判定する。全区画の判定結果から、異常
電流を検出した区画としなかった区画の境界を知り、そ
の境界の電源側のガス区画を、事故区画と判定して、そ
の区画情報Ｎ’を出力する。

【００２０】ガス区画ＣでＳ相とＴ相の間で相間短絡事
故が発生した時を考える。電流はガス区画でいうと、
Ａ、Ｃ、Ｄ、と流れ、ＥまたはＦを通って、他回線へ流
れる。ガス区画Ｃで事故が生じると、絶縁スペーサ１AC
に内蔵した零相電流検出部の出力は、Ｓ相、Ｔ相のみ電
流が増える事によって、電流変化検出手段の出力ΔＩｚ
／Δｔが増大し、判定レベルを越え、事故が検出され
る。また、絶縁スペーサ１CDの零相電流検出器の出力は
増大しないので、絶縁スペーサ１CDと１ACの間で事故が
起きた事が分かる。

【００２１】三相短絡もしくは三相地絡事故時は、電源
位相によって、事故電流が変化するので、零相電流の大
きさが変わるので、事故の検出が可能である。

【００２２】零相電流の大きさを用いて、事故の判定は
可能であるが、例えば、三相不平衡が大きく、零相電流
が大きくなっている場合には、誤って、事故と判定した
り、逆に零相電流が微小に増加しかしない事故の場合に
事故を見落す可能性がある。このような誤りをなくすた
めに、零相電流の時間変化を見る必要がある。

【００２３】もし、１A、１AC、１CD、１DEと１Eもしく
は１DFと１Fのすべてが零相電流が増大していれば、こ
のＧＩＳ外部の事故であると判定する。

【００２４】請求項２の発明では、事故区画判定部５の
判定レベルとして、他の零相電流検出部の出力を用い
る。例えば、その零相電流検出部を内蔵する絶縁スペー
サより負荷側の零相電流検出部の出力を用いることがで
きる。この場合、事故の生じた区画の電源側のスペーサ
で検出される零相電流は、事故により増大するが、負荷
側のスペーサで検出される零相電流は変らない。そこ
で、負荷側のスペーサの零相電流の電流変化検出部４の
出力を、事故区画判定部５の判定レベルとして用いれ
ば、電源側のスペーサの零相電流検出部出力、すなわち
零相電流の増大を、固定の判定レベルより、精度よく検
出できる。

【００２５】請求項３の発明では、零相電流検出部とし
て、光電流検出器を用いる。検出する電流の範囲が広い
場合には、磁気飽和のある鉄心を使用しないファラデー
効果を用いた周回積分型の光電流検出器が適している。
材質としては鉛ガラスのブロックを用いることができ
る。事故区画の判定方法は請求項１または２の発明と同
じである。

【００２６】この他にも、光ファイバのファラデー効果
を利用した光電流検出器も適用できる。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のガス絶縁開
閉装置では、正確に事故の生じたガス区画を判定でき、
かつ事故発生時の情報を早期に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガス絶縁開閉装置の構成の一例を示す
図である。

【図２】ガス絶縁開閉装置の構成の一例を示す図であ
る。

【図３】本発明に関する従来技術のガス絶縁開閉装置の
一例を示す図である。

【符号の説明】１絶縁スペーサ２電流信号伝送部３ガス絶縁開閉装置（ＧＩＳ）４電流変化検出部５事故区画判定部７信号処理回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】各エレメントを収納する容器が複数のガス
区画に分けられたガス絶縁開閉装置において、各ガス区画を区分する絶縁スペーサに内蔵された三相母
線の電流を一括して検出する零相電流検出部と、この各区分の零相電流検出部からの信号に基づいて零相
電流の時間的変化を検出する零相電流変化検出部と、零相電流の時間変化の大きさを予め設定した所定の判定
レベルと比較して事故発生のガス区画を判定する事故区
画判定部と、を設けたガス絶縁開閉装置。
【請求項２】事故区画判定部の判定レベルを、他の零相
電流変化検出部の出力から算出し、事故発生のガス区画
を判定する事故区画判定部で構成させた請求項１記載の
ガス絶縁開閉装置。
【請求項３】零相電流検出部を、光電流検出器で構成さ
せた請求項１または２記載のガス絶縁開閉装置。