JPH07245068A - 偏向コイル - Google Patents

偏向コイル

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Publication number
JPH07245068A
JPH07245068A JP5995294A JP5995294A JPH07245068A JP H07245068 A JPH07245068 A JP H07245068A JP 5995294 A JP5995294 A JP 5995294A JP 5995294 A JP5995294 A JP 5995294A JP H07245068 A JPH07245068 A JP H07245068A
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JP
Japan
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groove
coil
wire
round copper
wound
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Application number
JP5995294A
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English (en)
Inventor
Koji Yatsuhashi
宏治 八橋
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層コイルの占積率を高め、素線の近接効果
が殆どなく、かつ、コイル分布のばらつきが小さいイン
ピーダンス対応可能な偏向コイルを提供する。 【構成】 ボビン2のコイル巻き溝5の両サイドの溝壁
面のうちの外側の溝壁面3と溝底面とを約60°の角度に
形成する。溝幅をW1 としたときに、このコイル巻き溝
5に巻回する丸形銅線20の線径D1 はD1 ≒W1 /{1
+√3/2}の関係をもって形成し、この線径D1 の丸
形銅線20の横並び2列を一層として丸形銅線20を複数の
各コイル巻き溝に一層以上積層巻きする。これにより、
占積率が高く、素線の近接効果のない、コイル分布が安
定し、かつ、インピーダンス対応可能な偏向コイルを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機や
ディスプレイ装置等に装着される偏向ヨークに用いられ
る偏向コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、テレビジョン受像機やデ
ィスプレイ装置等の陰極線管に装着される偏向ヨークは
水平偏向コイルと垂直偏向コイルを備えており、陰極線
管の仕様や画面の特性に対応して偏向磁界の分布が設計
段階で設定され、この偏向磁界の分布となるように、図
9に示すようなボビン2の広幅のコイル巻き溝5にばら
ばらの単線(リッツ線を含む)を巻いて偏向コイルのコ
イル分布を調整していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す如く、前記コイル巻き溝5に捲線11を束ねられない
ばらばらの単線のまま1本〜数本ずつ自動巻線機で積層
巻回する方式は、捲線11を巻くときに張力の方向が変化
する等によって、捲線11は、ずれて片寄って巻かれた
り、捲線11の順番が入れ換わったりして設計指示通りに
巻くことができないという問題が生じ、しかも量産され
る各偏向コイルの捲線11の片寄りの状態も個々の製品毎
にばらつきを生じ、偏向磁界を精度よく制御することが
できないという問題があった。
【0004】前記コイル巻き状態のばらつきを解消する
方法としては、例えば、ボビンのコイル巻き溝5の溝幅
とほぼ同じ線径の丸形銅線をコイル巻き溝5に巻く方法
や、溝幅とほぼ同じ線幅の図5に示すような多芯平行導
線15を用いてコイルを形成する方法等がある。多芯平行
導線15としては、図5に示すように、絶縁層4で被覆さ
れた銅やアルミニウム等の導体線を素線10として高温ホ
ットメルト層6を用いて平行に配列して接着し、その外
側に低温ホットメルト層9を形成したものが用いられて
いる。
【0005】ところで、例えば、水平偏向コイルのボビ
ン2は、図7に示されるように半割れの鞍型形状をして
いる。このボビン2の内周面には頭部側とネック側を結
ぶ方向に複数のコイル巻き溝5が配設された分布部14が
設けられ、ボビン2の頭部側には頭部側渡り線部12が、
ネック側にはネック側渡り線部13が設けられている。こ
のボビン2のコイル巻き溝5に、前記多芯平行導線15や
単線を巻く場合、例えば、これらの線は、ネック側のコ
イル巻き溝5のA点から分布部14のコイル巻き溝5の内
周面に沿って頭部側の渡り線部12のB点まで巻き、この
B点から頭部側渡り線部12のC点まで巻く。次いで、C
点から分布部14のコイル巻き溝5に沿ってD点まで巻い
た後、D点からネック側の渡り線部13の溝に巻いてA点
に戻る。このA点からD点までを所定の回数巻き、順
次、隣の左右の溝にこれらの線を同様の巻線順序で巻い
て水平偏向コイルを形成する。
【0006】前記多芯平行導線15は、例えば、図6の
(a)に示すように、窓側の素線No.1は常に窓側
に、セパレータ側の素線No.nは常にセパレータ側に
位置する。この偏向コイルに電流を流すと、図7に示す
ように、電流は多芯平行導線15Aを通ってA点からB点
に流れ、さらに、渡り線側B点からC点を経て多芯平行
導線15Cを通ってD点の方向に流れるが、各素線に流れ
る電流分布は図6の(b)に示されるように均一になら
ず、素線の近接効果によって左右両端側に大きな電流が
流れ、この過大電流によって発熱し、場合によっては致
命的欠陥になりかねないという問題がある。
【0007】また、コイル巻き溝5の溝幅とほぼ同じ線
径の丸形銅線(リッツ線、より線、単線)を用いて偏向
コイルを形成する場合には、コイル巻き溝5の溝数が少
ないと丸形銅線の巻き数(ターン数)が少なくなる。一
方、水平偏向コイルの特性上最適なインピーダンスの目
標インピーダンスになるように丸形銅線のターン数を巻
く必要があるが、例えば、目標インピーダンスを200 μ
H(マイクロヘンリー)とした場合、ターン数は39ター
ン以上巻かなければ、そのインピーダンス値、つまり20
0 μHが得られないが、一列巻きの場合にはターン数が
少なく、200 μHを得ることができず、目標インピーダ
ンスに対応する丸形銅線のターン数を得るためのインピ
ーダンス対応が困難になるという問題がある。
【0008】また、ターン数を増やす場合、溝幅を狭く
し、溝数を増やさなければならない。溝数を増やすと、
溝壁の数も増し、占積率(コイル巻空間内に占めるコイ
ル導体の割合)が低下し、L/R(コイルのインダクタ
ンスLと抵抗Rとの比)が低下して銅損が増え、コイル
性能が悪化するという問題がある。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、積層コイルの占積率を高
め、素線の近接効果が殆どなく、かつ、コイル分布のば
らつきがないインピーダンス対応可能な偏向コイルを提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、第
1の発明の偏向コイルは、ボビンの内周面に頭部側とネ
ック側を結ぶ方向のコイル巻き溝を有し、このコイル巻
き溝に、断面円形状の丸形銅線が巻回されている偏向コ
イルにおいて、前記コイル巻き溝の両サイドの溝壁面の
うちの片側の溝壁面と溝底面とは約60°の角度をもって
形成され、溝幅をWとしたとき、丸形銅線の線径DはD
≒W/{1+√3/2}の関係をもって形成され、この
線径Dの丸形銅線の横並び2列を一層として丸形銅線が
複数の各コイル巻き溝に一層以上積層巻きされているこ
とを特徴として構成されている。但し、複数の溝中には
最終層(積層されていない場合は第1層)に巻かれる丸
形銅線は1本(1列)の場合がある。
【0011】また、第2の発明の偏向コイルは、前記構
成の偏向コイルにおいて、ボビンの内周面に頭部側とネ
ック側を結ぶ方向のコイル巻き溝を有し、このコイル巻
き溝に、断面円形状の丸形銅線が巻回されている偏向コ
イルにおいて、前記コイル巻き溝の両サイドの溝壁面の
うちの片側の溝壁面と溝底面とは約60°の角度をもって
形成され、溝幅をWとしたとき、丸形銅線の線径DはD
≒W/(1+√3)の関係をもって形成され、この線径
Dの丸形銅線の横並び3列を一層として丸形銅線が複数
の各コイル巻き溝に一層以上積層巻きされていることを
特徴として構成されている。但し、複数の溝中には最終
層(積層されていない場合は第1層)に巻かれる丸形銅
線は1本(1列)又は2本(2列)の場合がある。
【0012】
【作用】ボビンのコイル巻き溝に丸形銅線を、例えば、
横並び2列を一層として巻く際に、第1番目の線は溝内
の角度60°に形成した深部に自然に落ち込んで巻かれ、
第2番目の横並び2列目の線は、第1番目の線と内側壁
面間の深部に自然に落ち込んで巻かれる。同様に、第3
番目の線は、第1番目の線と外側壁面間の深部に自然に
落ち込んで巻かれ、第4番目〜n番目の線と順次積層さ
れる。このとき、順番に巻かれる3本の線の断面の中心
を結ぶ線は正三角形を形成し、丸形銅線の積層コイルは
高密度に巻かれる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一の
名称部分には同一符号を付し、その詳細な重複説明は省
略する。図1には、第1の実施例の偏向コイルのコイル
巻き状態が示されている。
【0014】本実施例の偏向コイルは従来例と同様に、
ボビン2のネック側と頭部側を結ぶコイル巻き溝5、お
よび、ネック側と頭部側の渡り線部に巻線を積層巻回し
て水平偏向コイルを形成するものである。
【0015】図1に示す第1の実施例の偏向コイルは、
ボビン2の複数の各コイル巻き溝5に巻線として断面円
形状のリッツ線、より線、単線等の丸形銅線20を横並び
2列を一層として丸形銅線20を一層以上積層巻きしたも
のである。前記コイル巻き溝5は図1の(b)に示され
るように、コイル巻き溝5の両サイドの溝壁面のうちの
外側(セパレータ側)の溝壁面3と溝底面7との延長線
の交点が約60°の角度をもって形成され、溝壁面3と溝
底面7との挟角領域は丸形状8となっている。この延長
線の60°の角部分を成型時に丸形状としたのは、ボビン
成型時の離型上の容易さと、60°に形成するボビンの角
の強度を保持するためである。前記第1の実施例のコイ
ル巻き溝5の溝幅をW1 とすると、丸形銅線20の線径D
1 は、D1 ≒W1 /{1+√3/2}の関係をもって形
成される。
【0016】また、図4の(a)に示すように、ボビン
2のネック側と頭部側の渡り線部12,13に丸形銅線20を
巻くときに、例えば、外側に巻かれる1番目の線A1
内側に巻かれる2番目の線A2 とは交差することなく整
列巻きすることが望ましいが、図4の(b)に示される
ように、例えば、最初に溝の外端側に巻かれる線A1
内側(窓側)の矢印Fの方向に引っ張られるため、矢印
Eの方向に力が加わって矢印Eの方向に位置ずれし、2
番目の線A2 の巻線経路内側に入り込んで巻かれる。そ
のため、2番目の線A2 を巻くときに、線A1 が線A2
の巻線経路内側に入り込んでいるので、線A1 と線A2
が交差し、線A1 が邪魔になって両者が整列巻きできな
いということが度々発生する。なお、リブ22は、渡り線
部のリブである。
【0017】本実施例では、1番目の線A1 が矢印Eの
方向に位置ずれして線A2 の巻線経路内側に入り込むの
を防ぐために、図1の(c)および図4の(a)に示す
ように、分布部14と渡り線部12,13の境界領域の内側の
溝壁21に突起状のガイド17を設け、外側半分の巻線領域
を丸形銅線20の線型D1 とほぼ同寸法の位置ずれ防止用
の段差16を設ける。
【0018】上記構成のボビン2のコイル巻き溝5に丸
形銅線20を巻くときに、図1の(b)に示すように、コ
イル巻き溝5の底面7と外側溝壁面3との角度が約60°
に形成されているため、外側溝壁面側は深い溝となって
おり、1番目のA1 の丸形銅線20は約60°の角度に形成
した底面7と外側溝壁面3との溝内の深部に自然に落ち
込んで、その深部位置に固定されて巻かれ、2番目のA
2 の銅線20はA1 の線と内側の溝壁面間の深部に自然に
落ち込んでA1 と横並び2列に巻かれる。次いで、3番
目のA3 の線はA1 の線と外側溝壁面3間の深部に自然
に落ち込んで巻かれ、順次A4 〜An の順に横並び2列
に所定のターン数積層される。
【0019】また、コイル巻き溝5の溝幅をW1 とした
ときに、丸形銅線20の線径D1 をD1 ≒W1 /{1+√
3/2}の関係に形成したので、前記構成のコイル巻き
溝5に線径D1 の丸形銅線20を2列を横並びを一層とし
て積層巻きするときに、丸形銅線20はコイル巻き溝5の
両溝壁にがたつきなく当接して巻かれる。
【0020】また、図4の(a)に示されるように、分
布部のコイル巻き溝と渡り線部の溝との境界領域では、
一番目の線A1 は段差16部分からガイド17の裏側を通
り、線が内側(右側)に引っ張られても、ガイド17によ
り線A1 は図4の(b)に示すような矢印Eの方向に位
置ずれして巻かれることがなく、線A1 の本来の巻線経
路23に巻かれ、2番目の線A2 の本来の巻線経路24には
線A1 が位置ずれして入り込むことがないため、線A2
は線A1 に邪魔されることなく両者が整列巻きされ、水
平偏向コイルが形成される。
【0021】上記構成の水平偏向コイルは、図1の
(b)に示されるように、順番に巻かれたA1 〜A3
3本の銅線20の断面中心を結ぶと、その結んだ線が正三
角形になっている。このように、断面を結ぶ線が正三角
形になる状態は、各線間にずれがなく、コイル巻き状態
が隙間を生じないため、高密度状態である。
【0022】上記のように、コイル巻き溝5の溝底面7
と外側の溝壁面3との角度を約60°に形成すると、コイ
ル巻き状態は高密度となるが、60°以外の角度では高密
度のコイル巻きを達成することは困難である。たとえ
ば、図3の(a)に示されるように、溝底面7と溝壁面
3との角度を60°より小さい角度(図では30°)とした
場合には、1番目の線A1 と2番目の線A2 と3番目の
線A3 との接点と外側の溝壁面3Aとの間に大きな隙間
19を生じ、同様に、線A2 ,A3 ,A4 と内側の溝壁面
3B間に大きな隙間19を生じ、コイル巻き状態が粗とな
って占積率が低下し、偏向コイルの磁界密度が低下して
コイル性能が悪化するようになる。
【0023】また、図3の(b)に示すように、角度を
60°よりも大きい角度、例えば、80°とした場合には、
線A1 ,A3 ,A5 と溝壁面3A間に大きな隙間19を、
同様に、線A2 ,A3 ,A5 と内側の溝壁面3B間にも
大きな隙間19が生じて、占積率が低下する。このよう
に、溝底面7と溝壁面3との角度が約60°よりも小さい
場合、あるいは、60°よりも大きい場合、いずれでも大
きな隙間19が発生してコイル巻き状態が粗となって占積
率が低下し、また、各丸形銅線の位置が不安定となり、
特性も不安定となる。したがって、角度60°が最適であ
ることがわかる。
【0024】第1の実施例によれば、ボビン2のコイル
巻き溝5の溝底面7と外側の溝壁面3との角度を約60°
に形成し、溝幅をW1 としたときに、この溝に巻く丸形
銅線20の線径D1 をD1 ≒W1 /{1+√3/2}の関
係とし、線の横並び2列を一層として、一層以上積層巻
きする構成としたので、線間にずれがなく、高密度に巻
かれてコイル分布のばらつきが解消され、占積率を増す
ことができるため、磁界密度を高めてコイル性能を向上
させ、また、ターン数を増すことができるので、インピ
ーダンス対応が可能となり、また、少ない列数の横並び
2列を一層として巻くので素線の近接効果を解消するこ
とができ、丸形銅線として、リッツ線を用いる場合には
素線の近接効果を解消することがさらに効果的にでき
る。
【0025】図2には、第2の実施例の偏向コイルのコ
イル巻き状態が示されている。この第2の実施例は、コ
イル巻き溝5に丸形銅線20を横並び3列を一層として丸
形銅線20を複数層積層巻きするものである。このコイル
巻き溝5は、図2の(b)に示されるように、コイル巻
き溝5の底面7と外側の溝壁面3の延長線を結ぶ角度が
60°に形成されている。このコイル巻き溝5の溝幅をW
2 とすると、丸形銅線20の線径D2 はD2 ≒W2 /1+
√3の関係をもって形成される。
【0026】上記構成の3列横並びを1列として丸形銅
線を巻く方式では、第3番目に巻く線A3 と第4番目に
巻く線A4 の溝の深さがほぼ同じレベルに形成されるた
め、予め巻線機側に巻き順通りに巻かれるように、3番
目の線A3 を内側の溝壁面側に移動するだけの簡単なガ
イド手段が設けられる。
【0027】上記構成のコイル巻き溝5に、前記線径D
2 の丸形銅線20を巻くときに、コイル巻き溝5の底面7
と外側溝壁面3との角度が約60°に形成されているた
め、外側溝壁面側は深い溝となっており、線径D2 の第
1番目の線A1 は溝内の深部に自然に落ち込んで、その
深部位置に固定されて巻かれ、2番目の線A2 はA1
底面側間との深部に自然に落ち込んで巻かれ、3番目の
線A3 はA2 と内側壁面間との深部に巻線機のガイド手
段によって横並び3列目の線として巻かれる。4番目の
線A4 はA1 と外側壁面間の深部に巻かれ、順次A5
6 ・・・・・と積層巻回される。
【0028】この積層コイルは、図2の(b)に示すよ
うに、1番目の線A1 と3番目の線A3 および7番目の
線A7 の断面中心を結ぶと、その結んだ線は正三角形と
なっている。また、線A1 ,A2 ,A4 の中心を結ぶ
線、線A2 ,A3 ,A5 の中心を結ぶ線および線A4
5 ,A7 の中心を結ぶ線もそれぞれ正三角形となる。
【0029】また、ボビン2のネック側と頭部側の渡り
線部12,13に丸形銅線20を巻くときには、第1の実施例
と同様に丸形銅線20は内側に引っ張られ、リブ22側に位
置ずれするので、第2の実施例では、線がリブ側に位置
ずれするのを防ぐために、図2の(c)に示すように、
分布部14と渡り線部12,13の境界領域の内側の溝壁に突
起状のガイド17を設けて、丸形銅線20の線径D2 にほぼ
等しい寸法の階段状3段の段差16A,16B,16Cを形成
する。この渡り線部12,13に丸形銅線20を巻くときに、
例えば、1番目の線A1 は段差16Aの後ろを通ってガイ
ド17により渡り線部に位置ずれすることなく巻かれ、2
番目の線A2 は段差16Bの後ろを通って線A1 に邪魔さ
れずに位置ずれなく渡り線部に巻かれる。同様に、3番
目の線A3 も段差16Cの後ろを通って線A1 ,A2 に邪
魔されることなく渡り線部に巻かれ、水平偏向コイルが
形成される。
【0030】第2の実施例によれば、ボビン2のコイル
巻き溝5の溝底面7と外側の溝壁面3との延長線を結ぶ
角度を、第1の実施例と同様に約60°に形成し、溝幅を
2としたときに、丸形銅線20の線径D2 をD2 ≒W2
/1+√3の関係とし、丸形銅線の横並び3列を一層と
して丸形銅線を積層巻きする構成としたので、線間にず
れがなく、コイル巻き状態は高密度に巻かれて、コイル
分布のばらつきが解消され、占積率を増すことができる
ため、磁界密度を高めてコイル性能を向上させ、また、
ターン数を増すことができるので、インピーダンス対応
がより容易となる。また、列数の小さい横並び3列を一
層として巻くので、素線の近接効果を解消することがで
き、丸形銅線として、リッツ線を用いる場合には素線の
近接効果を解消することがさらに効果的にできる。
【0031】なお、上記第1の実施例、第2の実施例の
説明では、コイル巻き溝5に一層以上の丸形銅線が積層
巻きされる場合を例にして説明したが、最後の層に巻か
れる丸形銅線は必ずしも一層分の本数とは限らず、第1
の実施例の場合は1本の場合があり、第2の実施例の場
合は1本又は2本の場合もあり得る。また、複数のコイ
ル巻き溝中には丸形銅線が積層されない溝もあり、この
溝に巻かれる丸形銅線の本数は一層分の本数の場合もあ
り、一層の本数(第1の実施例では2本(2列)、第2
の実施例では3本(3列))よりも少ない本数が巻かれ
る場合がある。
【0032】本発明は上記実施例に限定されることはな
く、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例
では、水平偏向コイルについて説明したが、本発明の構
成を垂直偏向コイルに適用することもできる。
【0033】また、上記実施例では、丸形銅線20として
単線やより線やリッツ線を用いることができるが、その
うち、リッツ線が最も望ましく、単線束ね線、単線の順
となる。つまり、線の巻き易さではリッツ線が最も曲り
易く、次いでより線、単線の順となり、また、近接効果
を解消する上でもリッツ線は細線が内部でよじれて一方
側に片寄らず、ランダムの位置に配置される構造のた
め、最も有力であり、次いで単線束ね線、単線の順とな
る。
【0034】
【発明の効果】第1の発明は、ボビンのコイル巻き溝の
溝底面と外側の溝壁面との角度を約60°に形成し、溝幅
をWとしたときに、この溝に巻く丸形銅線の線径をDと
すると、D≒W/{1+√3/2}の関係とし、線の横
並び2列を一層として、一層以上積層巻きする構成とし
たので、線間にずれがなく、コイル巻き状態は高密度に
巻かれて、コイル分布のばらつきが解消され、占積率を
増すことができるため、磁界密度を高めてコイル性能を
向上させ、また、ターン数を増やすことができるので、
インピーダンス対応が可能となる。また、少ない列数2
列の丸形銅線を一層として巻くので、素線の近接効果を
解消することができ、丸形銅線としてリッツ線を用いる
場合には近接効果の解消にさらに効果がある。
【0035】また、第2の発明は、ボビンのコイル巻き
溝の溝底面と外側溝壁面との角度を約60°に形成し、溝
幅をWとしたときに、この溝に巻く丸形銅線の線径Dを
D≒W/(1+√3)の関係とし、丸形銅線の横並び3
列を一層として一層以上積層巻きする構成としたので、
第1の発明と同様に、線間にずれがなく、高密度に巻か
れてコイル分布のばらつきが解消され、占積率を増すこ
とができるため、磁界密度を高めてコイル性能を向上さ
せ、また、ターン数をより増すことがでるので、インピ
ーダンス対応がより容易となる。また、少ない列数3列
の丸形銅線を一層として巻くので、素線の近接効果を解
消することができ、丸形銅線としてリッツ線を用いる場
合には近接効果の解消にさらに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の偏向コイルのコイル巻き状態の
説明図である。
【図2】第2の実施例の偏向コイルのコイル巻き状態の
説明図である。
【図3】コイル巻き溝の底面と外側壁面との延長線の角
度を約30°又は約80°としたときの巻線状態を示す説明
図である。
【図4】第1の実施例の渡り線部に巻線を巻くときの線
の状態を示す説明図である。
【図5】多芯平行導線の一例の説明図である。
【図6】多芯平行導線の素線の近接効果による芯線の位
置と電流との関係を示す説明図である。
【図7】従来の鞍型ボビンに巻線を巻く順序を示す説明
図である。
【図8】従来の偏向コイルのコイル巻き状態の一例の説
明図である。
【図9】一般的な偏向ボビンの説明図である。
【符号の説明】
2 ボビン 3 溝壁面 5 コイル巻き溝 7 底面 10 素線 16 段差 17 ガイド 20 丸形銅線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンの内周面に頭部側とネック側を結
    ぶ方向のコイル巻き溝を有し、このコイル巻き溝に、断
    面円形状の丸形銅線が巻回されている偏向コイルにおい
    て、前記コイル巻き溝の両サイドの溝壁面のうちの片側
    の溝壁面と溝底面とは約60°の角度をもって形成され、
    溝幅をWとしたとき、丸形銅線の線径DはD≒W/{1
    +√3/2}の関係をもって形成され、この線径Dの丸
    形銅線の横並び2列を一層として丸形銅線が複数の各コ
    イル巻き溝に一層以上積層巻きされた部分を有している
    ことを特徴とする偏向コイル。
  2. 【請求項2】 ボビンの内周面に頭部側とネック側を結
    ぶ方向のコイル巻き溝を有し、このコイル巻き溝に、断
    面円形状の丸形銅線が巻回されている偏向コイルにおい
    て、前記コイル巻き溝の両サイドの溝壁面のうちの片側
    の溝壁面と溝底面とは約60°の角度をもって形成され、
    溝幅をWとしたとき、丸形銅線の線径DはD≒W/(1
    +√3)の関係をもって形成され、この線径Dの丸形銅
    線の横並び3列を一層として丸形銅線が複数の各コイル
    巻き溝に一層以上積層巻きされた部分を有していること
    を特徴とする偏向コイル。
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