JPH07244226A - 光コネクタ用接続スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外径の異なるフェルールを有する光コネクタ
同士であっても安定して接続することのできる光コネク
タ用接続スリーブを提供する。 【構成】 長手方向にスリット２が設けられた弾性を有
する円筒状のスリーブ１の内側に対する把持力が、スリ
ーブ１の長手方向両端部３が最も強く、中央部４が弱く
なっている光コネクタ用接続スリーブ。 【効果】 挿入されるフェルールの外径が異なっていて
も、スリーブの内壁とフェルールの外周との間に隙間が
生じずスリーブの把持力が安定し、接続損失の変動がな
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ同士を接続
する際に用いる光コネクタ用接続スリーブに関する。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバ同士を接続する際に用いる光
コネクタ用接続スリーブは図３（Ａ）、（Ｂ）に示すよ
うに長手方向全長に渡って外径も内径も等しくなるよう
に、即ち同一の形状に構成されている。

【０００３】この光コネクタ用接続スリーブ２１はその
両端から光ファイバ３１の端末に固着された光コネクタ
のフェルール３２、３３の部分がそれぞれ挿入され、ス
リーブ２１のほぼ中央部で両フェルール３２、３３の先
端が当接し、光ファイバ３１、３１同士の接続が行われ
る。ここで、前記フェルール３２、３３においては、そ
の中心部に光ファイバ３１の端末部が各フェルール３
２、３３の先端面と面一になるように内挿されている。

【０００４】このスリーブ２１は通常燐青銅等の弾性を
有するバネ材で円筒状に構成され、その長手方向にスリ
ット２２が設けられている。スリーブ２１はその内径が
フェルール３２、３３の外径より若干例えば２〜３ミク
ロン小さく出来ていて、スリーブ２１内に挿入されるフ
ェルール３２、３３をそのバネの作用の把持力で確実に
把持するようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のタイ
プのスリーブ２１は半径方向の肉厚が全長に渡って一定
であるために、変形のし易さやバネの把持力が全長に渡
って一様である。このため、該スリーブ２１を介して接
続される２つの光コネクタのフェルール３４、３５の外
径寸法が図４のように異なる場合には、スリーブ２１が
テーパ状に変形してしまい、外径の大きいフェルール３
４と外径の小さいフェルール３５に対するスリーブ２１
の内側に対する把持力が異なり、スリーブ２１の内壁と
フェルール３４、３５の外周との間に隙間が生じてしま
うことがある。このためにスリーブ２１の把持力が安定
せず、スリーブ２１内でフェルール３４、３５が動き易
くなって接続損失の変動が生じると言う問題があった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的は、互いに外径の異なるフェルール
３４、３５を有する光コネクタ同士であっても安定して
接続することの出来る光コネクタ用接続スリーブを提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は以下のような解決手段を有している。本発明の
うち請求項１の光コネクタ用接続スリーブは長手方向に
スリットが設けられた弾性を有する円筒状のスリーブで
あって、そのスリーブの内側に対する把持力が、スリー
ブの長手方向両端部で最も強く、スリーブの長手方向中
央部に近づくほど弱くなるように変化していることを特
徴とする。

【０００８】本発明のうち請求項２の光コネクタ用接続
スリーブはスリーブの内側に対する把持力が変化するよ
うに、スリーブの半径方向の肉厚が、スリーブの長手方
向両端部が最も厚く、スリーブの長手方向中央部が最も
薄くなるように変化していることを特徴とする。

【０００９】本発明のうち請求項３の光コネクタ用接続
スリーブはスリーブが金属で出来ていることを特徴とす
る。

【００１０】本発明のうち請求項４及び請求項５の光コ
ネクタ用接続スリーブはスリーブがプラスチック又はセ
ラミックで出来ていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明のうち請求項１〜４の光コネクタ用接続
スリーブによれば、長手方向にスリットを有する円筒状
のスリーブの内側に対する把持力が、スリーブの長手方
向両端部が最も強く、スリーブの長手方向中央部に近づ
くほど弱くなるようにしたので、スリーブの内壁とフェ
ルールの外周との間に隙間が生じ難くなり、スリーブの
把持力が安定し、その結果スリーブ内でフェルールの位
置が安定し接続損失の変動がなくなる。

【００１２】本発明のうち請求項２の光コネクタ用接続
スリーブによれば、スリーブの内側に対する把持力が変
化するように、スリーブの半径方向の肉厚が、スリーブ
の長手方向両端部が最も厚く、スリーブの長手方向中央
部で最も薄くなるように変化しているので、スリーブの
内側に対する把持力、即ち半径方向の把持力の変化を容
易に実現出来る。

【００１３】本発明のうち請求項３の光コネクタ用接続
スリーブによれば、スリーブが金属で出来ているので、
スリーブにフェルールを着脱する回数が多くても把持力
が変化せず、繰り返し使用することが可能となる。本発
明のうち請求項４の光コネクタ用接続スリーブによれ
ば、スリーブがプラスチックで出来ているので、射出成
形等が可能となりスリーブの成形が容易となりコストの
低減も容易である。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を図を参照して説明する。図
１（Ａ）、（Ｂ）は本発明の光コネクタ用接続スリーブ
の一実施例を示す正面図及び側面図である。尚、本実施
例において従来のものと同一のものには同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。スリーブ１は燐青銅で円筒
状に形成されたもので、長手方向にスリット２が設けら
れている。このスリーブ１は内径が長手方向に渡って同
一径となっていて、スリーブ１内に挿入される標準寸法
のフェルールに対して２〜３ミクロン小さい径に形成さ
れている。このことによりスリーブ１内に挿入されるフ
ェルールに対してバネによる把持力が作用する。

【００１５】また、スリーブ１の外径は両端部３、３が
その長手方向中央部４より大きくなっている。即ち、中
央部が最少外径となっていて両端部が最大外径となるよ
うに中央部４から両端部３、３に向かってテーパ状に大
きくなっている。一例としてフェルールの標準外径が
２．４９９ｍｍのとき、スリーブ１の内径は２．４９３
ｍｍ、そして両端部３、３の半径方向の肉厚は中央部４
より０．０３ｍｍ程度厚くなっている。尚、この厚みの
差は上記厚みの差に限定されるものではなく、スリーブ
１内に挿入されるフェルールの外径の寸法の許容範囲の
大きさによって適宜決定される。要は、スリーブ１内に
挿入されるフェルールに対して、スリーブ１の両端部
３、３のバネの把持力が中央部４より強くなるようにな
っていることと、中央部４は両端部３、３よりバネが弱
くその把持力が弱いことにより変形し易くなっていれば
よい。

【００１６】このように構成されていることにより、図
２に示すように、スリーブ１に両側から外径の異なるフ
ェルール３４、３５が挿入された場合、相対的に曲がり
易いスリーブ１の中央部４付近が変曲点となり、また把
持力の強い両端部３、３がそれぞれの側に挿入されたフ
ェルール３４、３５の外周に密着するようにスリーブ１
が全体的に変形する。

【００１７】この結果、スリーブ１の内壁とフェルール
３４、３５の外周との隙間が小さくなり、スリーブ１の
バネによる把持力が十分に両フェルール３４、３５に伝
わるので、２つのフェルール３４、３５の位置関係が安
定することになり、接続損失の変動がなくなる。

【００１８】尚、上記実施例においては、スリーブの材
質が燐青銅を用いた例を説明したがスリーブの材質は燐
青銅に限るものではなく、弾性を有しバネが作用するも
のであれば良いので、例えば、ベリリウム銅、黄銅、ス
テンレス等の他の金属やプラスチック、セラミック等に
も使用出来る。プラスチックの場合は成形が簡単で安価
にスリーブを製作出来る利点がある。

【００１９】尚、上記実施例において、中央部が最少径
で、両端部が最大径となるようにテーパ状に大きくなっ
ているが、テーパ状に大きくなるのではなく、階段状に
大きくなっても良し、両端部のみ外径が大きくても良
い。

【００２０】

【発明の効果】本発明のうち請求項１〜４記載の光コネ
クタ用接続スリーブによれば、長手方向にスリットを有
する円筒状のスリーブの内側に対する把持力が、スリー
ブの長手方向両端部が最も強く、スリーブの長手方向中
央部に近づくほど弱くなるようにしたので、スリーブの
内壁とフェルールの外周との間に隙間が生じ難くなり、
スリーブの把持力が安定し、接続損失の変動がなくな
る。

【００２１】本発明のうち請求項２の光コネクタ用接続
スリーブによれば、スリーブの内側に対する把持力が変
化するように、スリーブの半径方向の肉厚が、スリーブ
の長手方向両端部が最も厚く、スリーブの長手方向中央
部が最も薄くなるように変化しているので、スリーブの
内側に対する把持力の変化を容易に出来る。

【００２２】本発明のうち請求項３の光コネクタ用接続
スリーブによれば、スリーブが金属で出来ているので、
スリーブにフェルールを着脱する回数が多くても把持力
が変化せず、繰り返し使用することが可能となる。

【００２３】本発明のうち請求項４の光コネクタ用接続
スリーブによれば、スリーブがプラスチックで出来てい
るので、スリーブの成形が容易で安価に製作することが
出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光コネクタ用接続スリーブの一実施例
を示す正面図及び側面図である。

【図２】本発明の光コネクタ用接続スリーブの一実施例
の使用状態を示す縦断面図である。

【図３】従来の光コネクタ用接続スリーブの正面図であ
る。

【図４】従来の光コネクタ用接続スリーブの使用状態を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ スリーブ ２ スリット ３ 端部 ４ 中央部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心部に光ファイバが内挿されている光
   コネクタのフェルール同士を接続する光コネクタ用接続
   スリーブにおいて、該スリーブは長手方向にスリットが
   設けられた弾性を有する円筒状のスリーブであって、そ
   のスリーブの内側に対する把持力が、スリーブの長手方
   向両端部で最も強く、スリーブの長手方向中央部に近づ
   くほど弱くなるように変化していることを特徴とする光
   コネクタ用接続スリーブ。
2. 【請求項２】 スリーブの内側に対する把持力が変化す
   るように、スリーブの半径方向の肉厚が、スリーブの長
   手方向両端部で最も厚く、スリーブの長手方向中央部が
   最も薄くなるように変化していることを特徴とする請求
   項１記載の光コネクタ用接続スリーブ。
3. 【請求項３】 スリーブが金属で構成されている請求項
   １又は請求項２記載の光コネクタ用接続スリーブ。
4. 【請求項４】 スリーブがプラスチックで構成されてい
   る請求項１又は請求項２記載の光コネクタ用接続スリー
   ブ。
5. 【請求項５】 スリーブがセラミックで構成されている
   請求項１又は請求項２記載の光コネクタ用接続スリー
   ブ。