JPH0724388B2 - 送信電力制御方式 - Google Patents

送信電力制御方式

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JPH0724388B2
JPH0724388B2 JP559488A JP559488A JPH0724388B2 JP H0724388 B2 JPH0724388 B2 JP H0724388B2 JP 559488 A JP559488 A JP 559488A JP 559488 A JP559488 A JP 559488A JP H0724388 B2 JPH0724388 B2 JP H0724388B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔目次〕 概要 産業上の利用分野 従来の技術(第5図) 発明が解決しようとする課題(第4図) 課題を解決するための手段(第1図) 作用 実施例(第2図、第3図) 発明の効果 〔概要〕 地上局より衛星に対する送信電力を制御する送信電力制
御方式に係り、 制御誤差を小さくし、またネットワークの構成に依存せ
ずに送信電力制御を行うようにすることを目的とし、 地上局の信号を衛星中継により他局に送信するとき、送
信地上局の気象状態にもとづき送信電力を制御するよう
にした送信電力制御方式において、ビーコン波と自局折
返し波の両方を用いた送信電力制御指示手段と、ビーコ
ン波のみによる送信電力制御指示手段と、ヒステリシス
手段と、セレクタを具備し、自局折返し波が受信可能の
ときはビーコン波と自局折返し波の両方を用いた送信電
力制御指示手段にもとづき精度の良い送信電力制御を行
い、自局折返し波が受信不可能のときには測定可能範囲
の広いビーコン波のみによる送信電力制御指示手段にも
とづき送信電力制御を行うとともに、この切換えにヒス
テリシス特性を持たせることを特徴とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、衛星通信方式に係り、特に送信局側における
気象状態などによって通信状態が左右されることのな
い、安定した通信を可能とする送信電力制御方式に関す
る。
衛星通信においては、地上局(地球局)と衛星との間に
強い降雨域があると、それによって通信信号が減衰さ
れ、安定した交信が不可能となる。そのため、この衛星
通信においては、このような降雨減衰に起因する不稼動
率を低く抑えるために、降雨減衰を補償するように地上
局の送信電力制御を行う必要がある。
〔従来の技術〕
地上局の送信電力制御を行う従来の技術には、例えば、
第5図に示すようなものがある。
第5図(A)は、地上局の送信電力制御に衛星ビーコン
54の受信レベル又はC/N(品質)を用いる例である。第
5図(A)において、衛星51はビーコン波54を出してい
るので、このビーコン波54を受信することにより降雨区
域52で受ける減衰量を知ることができる。この減衰量を
補償するように、地上局の送信電力を制御すれば、衛星
51に届く地上局からの送信波の電力を一定にすることが
でき、安定した通信に寄与することができる。
第5図(B)は、ビーコン波54の受信レベル又はC/N
(品質)のみでなく、地上局からの送信波の衛星折返し
波55の受信レベル又はC/N(品質)を利用するものであ
る。ビーコン波のみでは、本質的に制御が開ループ制御
となるが、衛星折返し波を用いることで、開ループ制御
となり誤差を小さくすることができると共に、衛星への
アップリング側の減衰を計算により知ることができるの
で、より正確な補償が可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながらビーコン波と地上局送信出力とは周波数が
異なるため第5図(A)においては測定したダウンリン
クの減衰量から予め定められた関係式にもとづきアップ
リンクの減衰量を指定しなければならないこと、更に開
ループ制御であることにより誤差が大きいという問題点
があった。逆に、この問題点を解決した第5図(B)の
ものは、降雨によって受信断となる受信限界が第5図
(A)のものより早くなるときがあるという問題点を有
している。即ち、ビーコン波は受信側のみで雨による減
衰を受けるが、自局からの折返し波は、衛星への送信波
のときに一度、そして、衛星から自局側への折返しの時
にもう一度、計2回減衰を受けることとなり、ビーコン
波よりも早い時期で受信不可能となる。従って、ビーコ
ン波のみの制御の場合よりも、折返し波を用いる場合の
方が早い時期で制御不可となる場合がでてくる。
第4図を用いて、これを説明する。
第4図(A)は、横軸に降雨減衰量をとり、縦軸に送信
電力をとった時の地上局の送信電力の制御方式を示す。
P1は晴天時の地上局送信電力であり、P2は地上局送信電
力の最大値である。晴天時には、P1の電力で送信してい
るが、降雨の為減衰量が多くなり、L1に至ると、地上局
の送信電力を増加させ、その最大値P2に対応するL2まで
は、減衰量を補うことができるが、それ以上減衰が大に
なると、それ以上の補償は不可となる。
第4図(B)は、第4図(A)のような制御を受けた送
信機からの衛星到達電力を示すものである。第4図
(B)は横軸に降雨減衰量をとり、縦軸に到達電力をと
ったものである。減衰量L1までは、送信機出力が増加し
ていないので到達電力は徐々に減ずるが、L1〜L2の間で
は減衰量を補償するように、送信機出力をアップさせて
いるので、一定になる。減衰量がL2を越えると、送信機
はすでに最高出力となり、これ以上降雨減衰を補償しき
れずに到達電力が落ちることになる。
第4図(C)は、地上局での受信の際のC/Nの量を示す
図であり、やはり横軸に降雨減衰量をとっている。
点線44は、ビーコン波の地上局での受信の際のC/Nの状
態を示し、実線43は自局折返し波の地上局での受信の際
のC/Nの状態を示す。ビーコン波の減衰が点線44のとお
りとすると、自局折返し波は衛星に至る際及び、衛星か
ら地上局に折返される際の2回にわたり雨域を通過する
ので、より傾斜の大きい実線43となる。減衰量L1に至る
と、送信機出力が増加されるので、自局折返し波の減衰
の程度は少なくなるが、ビーコン波の減衰と同じ傾斜で
徐々に下がる。地上局での受信限界C/Nが縦軸の45で示
されるところであるとすると、実線43と、受信限界線と
の交点46の減衰量L3が限界となってしまう。このときビ
ーコン波44はまだ受信限界には至っていないので、第5
図(A)に示す方式の方がより強い降雨に対して耐性が
あることになる。
この発明は、このような点に鑑みてなされたものであ
り、制御誤差を小さくできると共に、送信電力制御がで
きる範囲が広い衛星通信における送信電力制御方式を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は、この発明の原理を示す図である。図におい
て、1はビーコン波C/N(キャリア/ノイズ)測定部で
あり、2は自局折返し波C/N測定部である。これらはい
ずれも図示していないアンテナ、受信機等に接続されて
おり、衛星からのビーコン波または自局折返し波を受け
て、それぞれの品質であるC/Nを測定する。
3は、第4図(A)と共に説明したビーコンのみによる
送信電力制御を行うための送信電力制御指示回路であ
り、4は第4図(B)と共に説明したビーコン波と自局
折返し波の双方を用いた送信電力制御を行うための送信
電力制御指示回路である。5はセレクタであり、ビーコ
ン波のみによる制御あるいはビーコン波と自局折返し波
の双方による制御のどちらかを選ぶためのものである。
このセレクタ5は、自局折返し波C/N測定部からの信号
を受けて動作するヒステリシスを持たせる回路6によっ
て制御される。
〔作用〕
今、信号の状態が良くてビーコン波のみならず自局折返
し波も受信可能の時は、セレクタ5は回路4の出力bを
選び、送信機をビーコン波と自局折返し波の双方によっ
て制御する。信号の状態が悪くなってビーコン波のみし
か受信できない時には、セレクタ5は回路3の出力aを
選び、送信機をビーコン波のみによって制御する。信号
状態が回復して、自局折返し波を受信できるようになっ
たときには、直ちに送信機の制御をビーコン波と自局折
返し波の双方による制御に切り換えるのではなく、さら
に受信状態が良くなるのをまってから切り換える。
セレクタ5のこの動作は、ヒステリシスを持たせる回路
6によってなされる。すでに説明したように、ビーコン
波のみによって制御する場合の方が、自局折返し波をも
併せて用いる場合より、より減衰の多い状態でも送信機
を制御することができる。
したがって、この発明によれば、通常は誤差の少ない精
密な制御による通信を行い、減衰が非常に多い場合にの
み、多少の誤差はあるものの最低限の通信を可能にする
ことができ、送信機の送信電力制御可能範囲を広げるこ
とができる。
なお、以上の説明では、さらに切替えにヒステリシスを
持たせることにより制御方式2種を切替える際のチャタ
リングも防止することができる。1、2はそれぞれ、ビ
ーコン波、自局折返し波のC/Nを測定するものとして説
明したが、特にC/Nに限られることなく、それぞれのレ
ベルを用いても良い。
〔実施例〕
第2図は、この発明の一実施例である。第2図におい
て、第1図と同じ部材には同じ番号を付与してあるの
で、この部材の詳細な説明は省く。第2図において、11
は送信データを変調するための変調器であり、12はアッ
プコンバータ、13は増幅率の可変のアンプ、14は高電力
アンプ、15は高電力アンプからの送信波をアンテナに伝
え、アンテナからの受信波を受信機側に伝える直交偏分
波器(以下、OMTという)である。これらは、送信デー
タを衛星23に送るための送信機を構成している。
16は低雑音アンプであり、アンテナ19からOMT15を介し
て伝えられた受信信号である微小信号を増幅する。17は
アンテナからの信号のうち、ビーコン波を受信するビー
コン波受信機であり、これは、ビーコン波C/N測定部1
に接続されている。18はダウンコンバータであり、これ
は自局折返し波C/N測定器2に接続されている。
送信データ変調器11、アップコンバータ12、可変増幅度
アンプ13、高出力アンプ14、OMT15を介してアンテナ19
より衛星23に向けて伝送される。衛星23からは、ビーコ
ン波20と共に、自局からの送信波の折返し波22が送り返
されてくる。これらビーコン波20、自局折返し波22はOM
T15を介して低雑音アンプ16に伝えられ、さらに、それ
ぞれビーコン受信機17あるいはダウンコンバータ18に送
られる。
ビーコン受信機17、ダウンコンバータ18はビーコン波C/
N測定部1、自局折返し波C/N測定部2に接続されてお
り、さらに第1図と共に説明したとおり、ビーコンのみ
による送信電力制御を行うための送信電力制御指示回路
3、ビーコン波と自局折返し波の双方を用いた送信電力
制御を行うための送信電力制御指示回路4に接続されて
いる。これらの出力は、セレクタ5によって選択されて
可変増幅度アンプ13に加えられ、このアンプ13の増幅度
を制御する。セレクタ5はヒステリシス回路6からの信
号によって制御される。
ヒステリシス回路6の動作を第3図を用いて説明する。
第3図は横軸を時間軸として、ヒステリシス回路6の出
力(c)、セレクタ5の出力(d)、自局折返し波C/N
測定部2の受信可能、不可能を示す出力(e)の関係を
示すものである。
今、T0〜T1及びT2以後において、自局折返し波が受信可
能であり、T1〜T2において、自局折返し波の受信が不可
能であるとする。(第3図(e)参照)。T0〜T1におい
ては、ヒステリシス回路6はセレクタ入力の(a)、
(b)のうちビーコン波と自局折返し波の双方を用いた
送信電力制御指示回路4の出力(b)を選択している
が、T1になって自局折返し波の受信が不可能になると、
ビーコン波のみによる送信電力制御指示回路3の出力
(a)を選ぶ。
次に、T2になって、再び自局折返し波の受信が可能にな
ったとしても、直ちに、ビーコン波と自局折返し波の双
方を用いた送信電力制御指示回路4の出力(b)を選ぶ
のではなく、さらに受信状態が良くなるのを待つ。T3
なって、はじめてビーコン波と自局折返し波の双方を用
いた送信電力制御指示回路4の出力(b)を選ぶ。
この動作を第4図(C)で説明する。T1で自局折返し波
43の受信限界点46に達すると、直ちに点47のビーコン波
44による制御に移る。この状態から、受信状態が回復し
ても直ちに点46に戻るのではなく、更に、受信状態が回
復する点48までビーコン波44による制御を受ける。T3
点48にきたときはじめて点49に移り、ビーコン波と自局
折返し波の双方を用いた送信電力制御を行う。
このような、ヒステリシス特性を持った制御を、回路6
が受け持つことになる。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、この発明によれば、できるだけ
誤差の少ない制御を行いつつ、更に送信電力制御ができ
る範囲を広くすることができる。
なお、原理の説明のときにも述べたとおり、以上の説明
では、1、2はそれぞれビーコン波、自局折返し波のC/
Nを測定するものとして説明した、特にC/Nに限られるこ
となく、それぞれの信号レベルを用いても良いし、また
ビットエラーレートを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の原理説明図、 第2図はこの発明の一実施例を示す図、 第3図はこの発明のヒステリシス部の動作を説明するた
めの図、 第4図は受信状態を説明するための図、 第5図は従来の技術を説明するための図である。 1……ビーコン波C/N(キャリア/ノイズ)測定部、 2……自局折返し波C/N測定部 3……ビーコン波のみによる送信電力制御指示回路 4……ビーコン波と自局折返し波による送信電力制御指
示回路 5……セレクタ 6……ヒステリシス回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上局の信号を衛星中継により地局に送信
    するとき、送信地上局の気象状態にもとづき送信電力を
    制御するようにした送信電力制御方式において、 ビーコン波と自局折返し波の両方を用いた送信電力制御
    指示手段(4)と、 ビーコン波のみによる送信電力制御指示手段(3)と、 ヒステリシス手段(6)と、 セレクタ(5)を具備し、 自局折返し波が受信可能のときはビーコン波と自局折返
    し波の両方を用いた送信電力制御指示手段(4)にもと
    づき精度の良い送信電力制御を行い、自局折返し波が受
    信不可能のときには測定可能範囲の広いビーコン波のみ
    による送信電力制御指示手段(3)にもとづき送信電力
    制御を行うとともに、この切換えにヒステリシス特性を
    持たせることを特徴とする送信電力制御方式。
JP559488A 1988-01-13 1988-01-13 送信電力制御方式 Expired - Lifetime JPH0724388B2 (ja)

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