JPH07242479A - 炭化ホウ素転化層を有する炭素材 - Google Patents

炭化ホウ素転化層を有する炭素材

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JPH07242479A
JPH07242479A JP7525594A JP7525594A JPH07242479A JP H07242479 A JPH07242479 A JP H07242479A JP 7525594 A JP7525594 A JP 7525594A JP 7525594 A JP7525594 A JP 7525594A JP H07242479 A JPH07242479 A JP H07242479A
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JP
Japan
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boron carbide
conversion layer
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carbon material
layer
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JP7525594A
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English (en)
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Teruo Matsuda
照生 松田
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素材を基体とし、その表層に炭化ホウ素の
転化層を有する炭素材であって、核融合炉のプラズマ対
向壁やダイバータ板などのプラズマ対向材、金属蒸着用
や金属溶解用のルツボ等に好適に使用できる、熱負荷に
強い炭化ホウ素転化炭素材を提供することを目的とす
る。 【構成】 炭素材を基体とし、その表層に炭化ホウ素の
転化層を20乃至500μmの厚みで形成した炭化ホウ
素転化層を有する炭素材であって、前記炭化ホウ素転化
層表面から深さ3mmまでの熱伝導率が基体の熱伝導率
に対して0.7倍以上であることを特徴とする炭化ホウ
素転化炭素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素材を基体とし(以
下、炭素基体ともいう)、その表層に炭化ホウ素の転化
層を有する炭素材(以下、炭化ホウ素転化炭素材ともい
う)に関する。詳言すれば、核融合炉のプラズマ対向壁
やダイバータ板などのプラズマ対向材、金属蒸着用や金
属溶解用のルツボ等に好適に使用できる炭化ホウ素転化
炭素材に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材は優れた耐熱性や高熱伝導率を示
すことが一般的に知られており、高温下で使用される各
種の部材として極めて有用である。しかしながら、炭素
材は酸素雰囲気中では高温での耐酸化性に劣り、また核
融合炉のプラズマ対向壁等のプラズマにされされる部材
と使用した場合には、化学エロージョンが大きく耐プラ
ズマ性に欠けている。さらには、機械用しゅう動材とし
て使用する場合には、表面硬度が低いため摩耗量が多か
った。
【0003】これを改善するため、不活性ガス雰囲気に
て炭素基体の表面に酸化ホウ素ガスを接触させ、これを
熱処理することにより炭化ホウ素(BC)層を表層部
に形成させる方法、いわゆるコンバージョン(転化)法
が提案されており、耐酸化性、耐プラズマ性又は表面硬
度を向上させている。炭化ホウ素の転化層を形成させる
方法としては、特開昭60−131884号、特公平2
−40033号及び特開平5−201781号公報等で
提案されている。これらの方法は、酸化ホウ素ガスと炭
素基体との反応が炭素基体の表面から深さ方向に向かっ
て順次進行するため、形成された炭素ホウ素転化層は炭
化ホウ素から炭素へと連続的に変化する構造をとり、応
力が緩和され、き裂やはく離が生じにくいものになって
いる。従来このような転化層の形成は、耐酸化性、耐プ
ラズマ性または表面硬度の向上のみを目的としていたた
め、転化層の厚みを重点的に着目して形成させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭化ホ
ウ素転化炭素材は、その製造過程において酸化ホウ素ガ
スと炭素基体との反応によって炭素基体が酸化エッチン
グを受ける場合がある。例えば特公平2−40033号
公報によれば、酸化ホウ素が炭素基体と反応し、炭素基
体の還元作用で酸化ホウ素の酸素が取り除かれ、ホウ素
だけが基体表面の炭素と結合する。言い換えると、炭素
基体は酸化エッチングを受けているのである。炭化ホウ
素転化層は硬く脆い層であるが、かかる酸化エッチング
の影響で転化層は多孔質になり更に脆くなる。そこで、
特開平5−139870号公報に示すように、転化層の
上に溶射または化学蒸着(CVD)法で溶射膜または蒸
着膜を更に被覆しなければならず、製造工程が複雑で工
業性が悪かった。
【0005】また、炭化ホウ素転化炭素材に大きな熱負
荷がかかると、炭化ホウ素転化層は多孔質で脆いため、
転化層といえどもはく離やき裂を起こしたり、転化層か
ら粒子が脱離したりする場合があった。特に、急激な熱
負荷によってはく離等を引き起こし易い、すなわち耐熱
衝撃性があまり良くない。したがって、金属溶解用等の
ルツボ及び核融合炉の対向壁やダイバータ板として使用
したとき、熱負荷によって炭化ホウ素転化層にはく離や
き裂が生じたり、転化層から脱離した粒子が溶解金属中
やプラズマ中に混入したりする場合があり、満足に使用
できなかった。
【0006】そこで本発明は、熱負荷に強い炭化ホウ素
転化炭素材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため検討した結果、炭素材を基体とし、その表層
に炭化ホウ素の転化層を20乃至500μmの厚みで形
成した炭化ホウ素転化層を有する炭素材において、前記
炭化ホウ素転化層表面から深さ3mmまでの熱伝導率が
基体の熱伝導率に対して0.7倍以上である炭化ホウ素
転化炭素材であれば、上記の目的を達成できる十分に優
れた材料になることを見いだした。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。
【0009】本発明において、基体として使用できる炭
素材は特に制限はなく、等方性や異方性の人造黒鉛材、
炭素繊維強化炭素複合材(C/C複合材)等を例示する
ことができ、各用途に応じて任意に選択すれば良い。ま
た基体の熱伝導率の値も制限はない。
【0010】炭化ホウ素転化層を形成させる方法は公知
の方法で良く、酸化ホウ素ガスと炭素基体との反応によ
り基体表層に転化層を形成させる方法、いわゆるCVR
法であればれば良い。例えば、不活性ガス雰囲気にした
炉内で酸化ホウ素ガスと炭素基体とを約1000℃以上
で反応させれば、基体表層に炭化ホウ素転化層を形成で
きる。また、炭化ホウ素転化層を含む表層の熱伝導率
は、反応時の温度や圧力、反応速度、転化反応に使用す
る例えば酸化ホウ素ガスB(ただし、xを1とし
た場合にyは1から3/2までの範囲である)の組成あ
るいは混合ガスを用いる場合の配合割合等を適宜調整し
て転化層の密度を変化させれば良い。
【0011】このような転化層形成方法のうち、プラズ
マ対向材用部材として転化層を形成させる場合には、転
化層のはく離やき裂、転化層から脱離した微粒子の混入
以外に転化層中の不純物も問題になる。特に不純物とし
て酸素や窒素が転化層中に含まれていると、プラズマに
悪影響を与えてしまう。このため、転化層の形成を高純
度アルゴン等の高純度不活性ガス下または真空下で行っ
た方が好ましい。
【0012】以上により、本発明に係る炭化ホウ素転化
炭素材を得ることができるが、そのうち、基体となる炭
素材の熱伝導率は60〜500W/(m・K)が特に好
ましい。酸化ホウ素ガスは炭素材の黒鉛化度に依存して
反応性が異なり、黒鉛化度の低い炭素材になるほど反応
性は良くなるが、基体の熱伝導率が60W/(m・K)
未満の場合は、黒鉛化度が低すぎるため転化反応が急激
に進行し均質な転化層を形成することが難しい。その結
果、表層の熱伝導率がばらついてしまい、熱応力集中が
生じ易く、はく離等が発生し易くなる場合があるからで
ある。また、基体の熱伝導率が500W/(m・K)を
超える場合は、基体に対する表層の熱伝導率が0.7倍
以上、すなわち表層が350W/(m・K)を超える値
であっても、基体と表層との熱伝導率の差(150W/
(m・K))が非常に大きくなってしまう。その結果、
熱応力の値が大きくなりすぎてしまい、転化層の厚みが
比較的小さい場合等には、はく離等が生じる場合がある
からである。
【0013】本発明者は、基体である炭素材の熱伝導率
と転化層形成後における基体表層の熱伝導率に着目し
た。すなわち、基体内部と表層の熱伝導率の違いが炭化
ホウ素転化層に与える影響を調査したのである。その結
果、炭化ホウ素転化層の厚みが20乃至500μmの炭
化ホウ素転化炭素材のうち、基体の熱伝導率と炭化ホウ
素転化層の表面から深さ3mmまでの熱伝導率との差が
小さい程良いが、基体に対して0.7倍以上に形成され
た炭化ホウ素転化層であれば、はく離やき裂、微粒子の
発生を十分に抑えることができることを見いだしたので
ある。
【0014】炭化ホウ素転化層の厚みは20乃至500
μmでなければならない。なぜならば、炭化ホウ素転化
層が耐酸化性、耐プラズマ性、高い表面硬度を有するた
めには、少なくとも20μm以上は必要であり、厚み5
00μmを超えると、最早、熱伝導率の規定でけでは転
化層のはく離やき裂及び微粒子の発生を十分に防止でき
ないからである。
【0015】表層の熱伝導率は室温での値であり、測定
方法は厚み3mmのものを測定できる方法であれば良
く、例えばレーザーフラッシュ法で測定すれば良い。基
体の熱伝導率は、転化層形成前の炭素材の値でも良い
し、転化層形成後の材料の転化反応が行われていない内
部部分から試料を採取して測定しても良い。
【0016】
【作用】炭化ホウ素転化炭素材は、炭化ホウ素転化層の
形成時に酸化エッチングを受け易く、形成された炭化ホ
ウ素転化層は多孔質になり易い。したがって、表層と基
体内部の熱伝導率が大きく異なっている場合があり、大
きな熱負荷が加わると材料に熱分布が生じ転化層に熱応
力がかかり、転化層といえどもはく離やき裂が発生する
ものと考えられる。さらに、炭化ホウ素転化層は硬いけ
れども脆いため、多孔質の炭化ホウ素転化層になると、
特に敏感に熱伝導率に反応するものと思われる。
【0017】また、本発明に係る炭化ホウ素転化炭素材
を核融合炉のプラズマ対向壁やダイバータ板などのプラ
ズマ対向材として使用した場合には、基体のみならず表
層も高い熱伝導率を有しているため、プラズマによる熱
負荷が転化層にかかっても除熱を十分に行うことがで
き、表層の蒸発量も低減することができるという相乗的
な作用効果を奏する。金属蒸着用や金属溶解用のルツボ
として使用した場合には、基体と表層の熱伝導率がほぼ
同程度なので熱効率やルツボの温度分布にも優れた材料
になる。
【0018】
【実施例】
実施例1〜3、比鮫例1〜3 アルゴンガス雰囲気にした炉内において、炭素材(東洋
炭素社製炭素繊維強化炭素複合材、寸法50×50×2
5mm、かさ密度1.65Mg/m、熱伝導率300
W/(m・K))に酸化ホウ素ガスを100Pa〜常圧
の各種炉内圧力により1000〜2000℃で反応さ
せ、基体表層に熱伝導率の異なる炭化ホウ素転化層を形
成させた。転化層の厚み、酸化消耗及び表層の熱伝導率
の値を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1において、酸化消耗試験は大気中80
0℃で2時間保持して酸化させた結果であり、質量減少
率が1%未満であれば○印、1%以上のときは×印で示
してある。熱伝導率は直径φ10×厚み3mmの形状で
レーザーフラッシュ法により室温で測定した値であり、
表層の熱伝導率測定用試料は表面から3mmの厚みで採
取している。また、それぞれの試料に熱負荷として5M
W/mの電子ビームを5秒間照射して、表面の温度と
転化層の健全性を調べた。その結果も表1に合わせて示
す。
【0021】表1より、表層の熱伝導率が0.7倍以上
であれば、はく離等が発生しておらず、十分に転化層の
健全性を保っていることが分かる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、基体の熱伝導率に対し
て、炭化ホウ素転化層を含む表層の熱伝導率が0.7倍
以上になるように形成させた炭化ホウ素転化炭素材は、
熱負荷に強く、硬く脆い炭化ホウ素転化層の健全性を十
分に保つことができる。更に、本発明に係る炭化ホウ素
転化炭素材を核融合炉のプラズマ対向壁やダイバータ板
などのプラズマ対向材として使用した場合には、基体の
みならず表層も高い熱伝導率を有しているため、プラズ
マによる熱負荷が転化層にかかっても除熱を十分に行う
ことができ、表層の蒸発量も低減できる。金属蒸着用や
金属溶解用のルツボとして使用した場合には、基体と表
層の熱伝導率がほぼ同程度なので熱効率やルツボの温度
分布にも優れた材料になる。これらの用途以外にも、耐
酸化性を有し熱負荷に強い部材としても好適に使用でき
るものになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素材を基体とし、その表層に炭化ホウ
    素の転化層を20乃至500μmの厚みで形成した炭化
    ホウ素転化層を有する炭素材において、前記炭化ホウ素
    転化層表面から深さ3mmまでの熱伝導率が基体の熱伝
    導率に対して0.7倍以上であることを特徴とする炭化
    ホウ素転化炭素材。
JP7525594A 1994-03-07 1994-03-07 炭化ホウ素転化層を有する炭素材 Pending JPH07242479A (ja)

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