JPH07241722A - クランプ装置のクランプセグメント交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトな設備で安価であり、しかもクラ
ンプセグメントの交換時間を短縮できるクランプセグメ
ント交換装置を提供する。 【構成】 クランプ装置10のパスライン入側または出側
に取付けられたガイド板20と、ガイド板20に挿入抜去自
在に保持されるセグメント受台30とからなり、セグメン
ト受台30は、クランプ装置10のセグメントベース４と同
心状に取付けられたライナー40を備え、ライナー40はク
ランプ装置10のセグメントベース４との間でクランプセ
グメント５を摺動させて、引込み操作および押出し操作
を案内することができ、ガイド板20はセグメント受台30
の挿入抜去を案内すると共に、挿入状態で、ライナー40
をクランプ装置10のセグメントベース４と同心位置に保
持するガイドブロック23，24，25，26を備えている

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はクランプ装置のクランプ
セグメント交換装置に関する。パイプのクランプ装置は
パイプ切断機に付設され、種々の大きさのパイプを切断
する際にパイプを固定するために用いられる。基本的な
構造は図７〜８に示すように、クランプシリンダの作動
ロッドの先端にセグメントベース４を取付け、該セグメ
ントベース４にクランプセグメント5a，5bをパスライン
方向摺動可能に取付けたものである。ところで、切断さ
れるパイプＰのサイズが図７のように小さい場合は幅の
小さいクランプセグメント5aを用い、図８のようにサイ
ズが大きい場合は幅の大きいクランプセグメント5bを用
いなければクランプすることができないので、パイプサ
イズ毎にクランプセグメントを交換する必要がある。本
発明は、上記のようなクランプセグメントの交換に利用
されるクランプセグメント交換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記のクランプセグメントは重量が約50
kg以上あり、人力だけでは持ち運べないため、クレーン
で吊って１個づつ交換していたが、交換作業に多くの時
間がかかり、ライン休止時間が増して、非常に効率の悪
いものであった。そのため、クランプセグメントを機械
的に交換する装置が提案された。たとえば、特公昭63−
32568 号公報に記載の交換装置（従来例Ｉ）は、４個の
クランプセグメントを自動交換するもので、短時間に一
度で交換することができるものである。また、実開平４
−83524 号公報記載のクランプセグメント交換装置（従
来例II）は、図９〜10に示すように、クランプスタンド
102 の入側のガイドローラスタンド111 の上部にクラン
プ交換治具117 をボルト119 とナット120 により着脱自
在に取付け、クランプ交換治具117 内にクランプセグメ
ント108 を保持する収納ベース118 を取付けたものであ
る。この交換装置においては、クランプセグメント108
をクランプベース101 上からサブベース109 上をスライ
ドさせて収納ベース118 まで引き出し交換治具117内に
収納する。このようにしてクランプセグメント108 を取
り出した後、新サイズのクランプセグメント108 を収納
した交換治具117 を再びガイドローラスタンド111 上に
取付け、スライド操作によりクランプスタンド102 のク
ランプベース101 に装着するのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが従来例Ｉで
は、大がかりな設備で高価な装置となる欠点があり、ス
ペース的コスト的に採用し難いものであった。また、従
来例IIは交換治具117 を着脱するに際し、一々ボルト11
9 とナット120 を締めたり緩めたりしなければならない
ので、やはり交換作業時間の大幅な短縮はできず、ライ
ン休止時間が長く効率が必ずしも良くなかった。

【０００４】本発明は上記の事情に鑑み、コンパクトな
設備で安価であり、しかもクランプセグメントの交換時
間を短縮できるクランプセグメント交換装置を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のクランプセグメ
ント交換装置は、作動ロッドに取付けられたセグメント
ベースがパスラインの周囲に複数基配置され、該セグメ
ントベースにクランプセグメントがパスライン方向に摺
動可能に取付けられているクランプ装置のパスライン入
側または出側に取付けられたガイド板と、該ガイド板に
挿入抜去自在に保持されるセグメント受台とからなり、
前記セグメント受台は、クランプ装置のセグメントベー
スと同心状に取付けられたライナーを備え、該ライナー
はクランプ装置のセグメントベースとの間でクランプセ
グメントを摺動させて、引込み操作および押出し操作を
案内すると共に、クランプセグメントを仮保持すること
ができる摺動部を有しており、前記ガイド板は、前記セ
グメント受台の挿入抜去を案内すると共に、挿入状態
で、前記ライナーをクランプ装置のセグメントベースと
同心位置に保持するガイド体を備えていることを特徴と
する。

【０００６】

【作用】本発明では、ガイド板のガイド体にセグメント
受台を挿入し、クランプ装置のクランプセグメントをセ
グメント受台のライナー上に引き込みクレーン等を用い
てセグメント受台をガイド板から抜き取る。ついで新サ
イズのクランプセグメントをライナーに保持させた別の
セグメント受台をガイド板のガイドに挿入する。挿入が
完了した状態で、セグメント受台のライナーとクランプ
装置のセグメントベースは同心位置にあるので、クラン
プセグメントをクランプ装置内へ押し込むことにより新
サイズのクランプセグメントをクランプ装置に装着する
ことができる。上記の着脱操作において、セグメント受
台はガイド体で案内することにより着脱ガイド板に挿入
抜去でき、ボルト等の着脱は必要なく、しかも挿入する
だけでクランプ装置と心合せした状態で保持できるの
で、クランプ装置に対する取付け取外しに手間がかから
ない。

【０００７】

【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。図１はクランプ装置にクランプセグメント交換装
置を取付けた状態の縦断面側面図、図２は同正面図であ
る。図１〜２において、10はクランプ装置であり、20は
ガイド板、30はセグメント受台である。クランプ装置10
は従来のクランプ装置と基本構造を同じくするものであ
り、クランプスタンド１内にクランプシリンダ２でパス
ラインＬ方向に進退させられる作動ロッド３と、作動ロ
ッド３の先端に取付けられたセグメントベース４からな
るクランプユニットが設けられている。クランプセグメ
ント５は前記セグメントベース４にパスライン方向に沿
って摺動させて挿脱できるようになっており、挿着した
状態で固定ボルトにより固定されるようになっている。

【０００８】ガイド板20は、クランプスタンド１の入側
または出側に常時固定された状態で使用される。また、
セグメント受台30はセグメント交換時にガイド板30に挿
入脱去される。図４は前記ガイド板20の正面図、図５は
図４の (a)線断面図、 (b)線断面図および (c)線断面図
であり、21は基板、22はクランプすべきパイプを通す孔
である。基板21の前面の上方部分には左右の上ガイドブ
ロック23，24、上下方向中間部分の右側には右ガイドブ
ロック25、下方部分の左側には左ガイドブロック26が取
付けられている。

【０００９】上ガイドブロック23は、下板23ａと上板23
ｂを重ねて基板21にボルト等で固定して形成され、下板
23ａより内側に突出した部分の上板23ｂと基板21の間に
インロー部23ｄが形成されている。また下板23ａの内側
上部にはセグメント受台30の基板31を挿入しやすくする
ため傾斜面23ｃに形成されている。上ガイドブロック24
は、下板24ａと上板24ｂを重ねて基板21にボルト等で固
定して形成され、下板24ａより内側に突出した部分の上
板24ｂと基板21の間にインロー部24ｄが形成されてい
る。そして下板24ａの内側上部にはセグメント受台30の
基板31を挿入しやすくするため傾斜面24ｃに形成されて
いる。右ガイドブロック25は、下板25ａと上板25ｂを重
ねて基板21にボルト等で固定して形成され、下板25ａよ
り内側に突出した部分の上板25ｂと基板21の間にインロ
ー部25ｄが形成されている。また下板25ａの内側上部に
はセグメント受台30の基板31を挿入しやすくするため傾
斜面25ｃに形成されている。左ガイドブロック26は、下
板26ａと上板26ｂを重ねて基板21にボルト等で固定して
形成され、下板26ａより内側に突出した部分の上板26ｂ
と基板21の間にインロー部26ｄが形成されている。そし
て下板26ａの内側上部にはセグメント受台30の基板31を
挿入しやすくするため傾斜面26ｃに形成されている。そ
して、これら上ガイドブロック23，24、右ガイドブロッ
ク25、左ガイドブロック26でセグメント受台30のガイド
体が構成されている。なお、基板21の裏面にはクランプ
スタンド１に取付けるためのボルト27が固定されてい
る。

【００１０】図６はセグメント受台30の正面図であり、
同図において、31は基板、32はクランプすべきパイプを
通す孔である。基板31の上端から左右に突出している部
分は懸架部33であり、右側縁34と左側縁35は共に垂直に
形成されている。また右側縁34に続く下側は傾斜縁34ａ
に形成され、左側縁35に続く下側も傾斜縁35ａに形成さ
れている。前記傾斜縁34ａ，35ａはガイド板20をガイド
ブロック23〜26で形成するインロー部23ｄ，24ｄ，25
ｄ，26ｄに挿入するとき挿入しやすくガイドするもので
あり、右側縁34と左側縁35はインロー部23ｄ，24ｄ，25
ｄ，26ｄに嵌って、セグメント受台30の左右方向の取付
位置を規制するものであり、懸架部33は上ガイドブロッ
ク23，24の上面に載せられて、セグメント受台30の上下
方向の装着位置を規制するものである。

【００１１】図３はガイド板20にセグメント受台30を装
着した状態を示すものであり、インロー部23ｄ，24ｄに
セグメント受台30の左側縁35と右側縁34が嵌っている。
上記図３および図６に示すように、基板31の前面には
六角筒状のライナー支持箱36が固定されており、このラ
イナー支持箱36の内側に４個のライナー40が固定されて
いる。このライナー40はクランプセグメント５の摺動が
可能であり、かつ仮保持できる摺動部41を備えている。
また、クランプセグメント５を保持するための着脱ボル
ト42を備えている。そして、ライナー40の取付位置は、
クランプ装置10のセグメントベース４と同じ位置関係で
あり、図１〜２に示すようにセグメント受台30をガイド
板20に挿入するとセグメントベース４とライナー40が同
心位置に合うようになっている。したがって、クランプ
セグメント５を手動で押し引きすることにより、セグメ
ントベース４からライナー40へ引き込み、またライナー
40からセグメントベース４へ押し出すことができる。な
お、図１に示すようにライナー支持箱36の上面にはセグ
メント受台30をクレーン等で吊上げるための吊り環37お
よび吊り孔38が形成されている。

【００１２】つぎに、本実施例によるセグメント交換作
業を説明する。まず、セグメント受台30をクレーンで吊
りクランプ装置10に取付けられているガイド板20の上方
まで運び、ついでガイドブロック23，24，25，26で案内
して、インロー部23ｄ，24ｄ，25ｄ，26ｄにセグメント
受台30の基板31を挿入する。この作業はクレーンの降下
操作により容易に行いうる。基板31の懸架部33が上ガイ
ドブロック23，24に当って停止するところまで降下させ
ると、セグメント受台30内のライナー40とクランプ装置
10のセグメントベース４の心が一致する。ここで、クラ
ンプ装置10内のクランプセグメント５をセグメント受台
30へ手動で引き出す。引き出されたクランプセグメント
５はライナー40で仮保持された状態となるので、クレー
ンでセグメント受台30を吊り上げ、所定の場所へ移動さ
せる。このクレーンによる吊り上げもガイドブロック2
3，24，25，26で案内されるので円滑に行われる。

【００１３】つぎに、新サイズのクランプセグメントが
装着されている別のセグメント受台30をクレーンで吊っ
てガイド板20の上方まで運び、前記インロー部23ｄ，24
ｄ，25ｄ，26ｄにクレーンを降下させて挿入する。そし
て、前記の引出しと逆方向に、すなわちクランプセグメ
ントをライナー40からセグメントベース５へ押し込み、
クランプ装置10に新サイズセグメントを装着する。この
ようにして交換を終えると、セグメント受台30をクレー
ンで吊り上げて所定の場所へ返却する。

【００１４】なお、上記の交換作業を円滑にすすめるた
め、クランプ装置10はライン外へシフトできるように構
成するのが好ましい。また、ガイド板20はクランプスタ
ンドに溶接で一体的に固定されているものでもよい。

【００１５】本実施例のクランプ装置10によれば、セグ
メント受台30をガイドブロック23，24，25，26で案内す
ることにより、クレーンを用いて簡単に挿入と位置決め
を同時に行え、ボルト等による締結を要しないので、ク
ランプセグメントの交換が短時間で行え、ライン休止時
間を短くすることができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、コンパクトな設備で安
価であり、しかもクランプセグメントの交換時間を短縮
できるクランプセグメント交換装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係わるクランプセグメント
交換装置とクランプ装置の縦断側面図である。

【図２】図１のクランプセグメント交換装置の正面図で
ある。

【図３】ガイド板20とセグメント受台30の一部断面平面
図である。

【図４】ガイド板20の正面図である。

【図５】ガイド板20の断面図であって、 (a)は図４の
(a)線、 (b)は図４の (b)線、 (c)は図４の (c)線に沿
う断面図である。

【図６】セグメント受台30の正面図である。

【図７】小サイズパイプ用のクランプセグメントを示す
説明図である。

【図８】大サイズパイプ用のクランプセグメントを示す
説明図である。

【図９】従来のクランプセグメント交換装置の一部断面
側面図である。

【図１０】従来のクランプセグメント交換装置の正面図
である。

【符号の説明】

４ セグメントベース ５ クランプセグメン
ト 10 クランプ装置 20 ガイド板 21 基板 23 上ガイドブロック 24 上ガイドブロック 25 右ガイドブロック 30 セグメント受台 31 基台 33 懸架部 40 ライナー 41 摺動部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】作動ロッドに取付けられたセグメントベー
   スがパスラインの周囲に複数基配置され、該セグメント
   ベースにクランプセグメントがパスライン方向に摺動可
   能に取付けられているクランプ装置のパスライン入側ま
   たは出側に取付けられたガイド板と、該ガイド板に挿入
   抜去自在に保持されるセグメント受台とからなり、前記
   セグメント受台は、クランプ装置のセグメントベースと
   同心状に取付けられたライナーを備え、該ライナーはク
   ランプ装置のセグメントベースとの間でクランプセグメ
   ントを摺動させて、引込み操作および押出し操作を案内
   すると共に、クランプセグメントを仮保持することがで
   きる摺動部を有しており、前記ガイド板は、前記セグメ
   ント受台の挿入抜去を案内すると共に、挿入状態で、前
   記ライナーをクランプ装置のセグメントベースと同心位
   置に保持するガイド体を備えていることを特徴とするク
   ランプ装置のクランプセグメント交換装置。