JPH0724146Y2 - パチンコゲーム機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、操作ハンドルの操作量に応じた初速度で盤面
にパチンコ玉を発射する玉発射装置を備えたパチンコゲ
ーム機に関する。

（従来の技術） 従来より、パチンコゲーム機においては、操作ハンドル
の操作によりパチンコ玉を盤面に発射させる玉発射装置
を備えたパチンコゲーム機が供されている。この種のパ
チンコゲーム機においては、操作ハンドルの操作量（角
度）を変化させることにより、盤面に発射されるパチン
コ玉の発射速度を変化させ、以て盤面に打込まれるパチ
ンコ玉の落下位置を調整できるようにしている。この玉
発射装置は、一般的にはばね部材の弾性変形力を利用し
てパチンコ玉をはじき飛ばす構成となっており、操作ハ
ンドルの操作角度の調整によってばね部材の弾性変形力
を変化させ、以てパチンコ玉の発射速度を調整可能とし
ている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来例の場合、玉発射装置はばね部
材の弾性変形力を利用する構成であるから、長期間の使
用によりばね部材の弾性機能が劣化してしまうことがあ
る。このような場合、玉発射装置によるパチンコ玉の発
射速度が不安定になってしまうから、遊技客が操作ハン
ドルの操作量を一定に保持するにしても、玉発射装置か
ら発射されるパチンコ玉の初速度が変動してしまうこと
になる。従って、このようなパチンコゲーム機は、盤面
に打込まれたパチンコ玉の落下位置が遊技客の意思にか
かわらず変動してしまうことになるので、遊技客に敬遠
され勝ちとなってその稼働率が低下するのが通常であ
る。ところで、パチンコホールにおいて所謂釘調整を行
う場合には、パチンコゲーム機の差玉数等のデータと共
にパチンコゲーム機の稼働率データ（これはアウト玉数
により得るのが通常である）も参考にするものである
が、従来では、稼働率の低下原因が上述したように玉発
射装置側にある場合でも、上記稼働率データを鵜呑みに
して釘調整を行っているのが実情であり、従ってその釘
調整が必ずしも正しいデータに基づいて適正に行われて
いるとは言い難いものであった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、玉発射装置の発射速度がその内部要因により不安定
になった状態を容易に検出することができ、以て釘調整
の適正化を図ることが可能になる等の効果を奏するパチ
ンコゲーム機を提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案のパチンコゲーム機は、操作ハンドルの操作量に
応じた初速度で盤面にパチンコ玉を発射する玉発射装置
を設け、この玉発射装置から前記盤面に至るまでの玉通
路に所定距離離間するように配置された第１及び第２の
玉通過検出手段を設け、前記操作ハンドルの操作量が一
定に保持されたことを検出するハンドル操作検出手段を
設け、このハンドル操作検出手段の検出状態における前
記各玉通過検出手段による検出タイミング差に基づいて
パチンコ玉の初速度の変動を求める演算手段を設けたも
のである。

（作用） 玉発射装置を駆動すると、玉発射装置からパチンコ玉が
発射され、これによりパチンコ玉は玉通路を通過してか
ら盤面に到達する。このとき、パチンコ玉は玉通路に設
けられた第１及び第２の玉通過検出手段を通過するか
ら、各玉通過検出手段は順次検出状態となる。しかし
て、遊技客により操作ハンドルの操作量が一定に保持さ
れた状態ではハンドル操作検出手段が検出状態になる
が、このような検出状態となったとき、つまり玉発射装
置が正常であるとすれば各発射パチンコ玉間の初速度の
変動が小さい状態となったときには、演算手段が、玉通
過検出手段の検出タイミング差に基づいてパチンコ玉の
初速度の変動を演算するようになる。従って、この演算
結果に基づいて玉発射装置が正常であるか否かを判断可
能となる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第２図において、パチンコゲーム機１にはパチンコ玉が
打込まれる盤面2,放出パチンコ玉を受ける玉受台3,パチ
ンコ玉を発射するための玉発射装置４等が設けられてい
る。この玉発射装置４は、例えば図示しないばね部材が
一定時間毎に弾性変形されるように設けられており、そ
の復元力によりパチンコ玉を盤面２にはじき飛ばすよう
になっている。そして、玉発射装置４は、操作ハンドル
５の操作角度を変化させることにより、パチンコ玉をは
じき飛ばす力を変化させ、以てパチンコ玉の初速度を調
整可能としている。

第１図において、玉発射装置４から盤面２に至る玉通路
６には第１の玉通過検出手段たる第１の磁気センサ７及
び第２の磁気センサ８が玉通路６に沿って順次配置され
ている。これらの磁気センサ7,8は玉通路６をパチンコ
玉が通過したタイミングで検出状態となる。玉速度判定
回路９は、各磁気センサ7,8が検出状態となる時間差を
求めるようになっており、その検出時間差に基づいて玉
通路６を通過するパチンコ玉の通過速度を求める。つま
り、玉速度判定回路９は、玉通路６における各磁気セン
サ7,8間の距離を記憶しており、その距離を第１の磁気
センサ７が検出状態となってから第２の磁気センサ８が
検出状態となるまでの時間差で割ることにより、パチン
コ玉が玉通路６を通過するときの速度を検出するのであ
る。

一方、操作ハンドル５にはこれの操作角度を検出するた
めの角度センサ10が設けられている。ハンドル保持状態
判定回路11は、角度センサ10からの角度情報に基づいて
操作ハンドル５が一定角度に保たれていると判断したと
きはそのことを報知する。この場合、以上の角度センサ
10及びハンドル保持状態判定回路11によりハンドル操作
検出手段12が構成されている。ハンドル不良判定回路13
は、ハンドル保持状態判定回路11による報知結果に基づ
いて操作ハンドル５が一定の角度に保持されていると判
断したときは、その判断期間中において玉速度判定回路
９による通過速度の最大値及び最小値を記憶する。そし
て、ハンドル不良判定回路13は、判断期間が終了した時
点で通過速度の最大値及び最小値の差が判定基準設定回
路14により設定された判定基準値から外れたと判断した
ときは警報信号を出力する。この場合、以上の玉速度判
定回路9,ハンドル保持状態判定回路11及びハンドル不良
判定回路13により演算手段15が構成されている。そし
て、ハンドル不良検出回路13からの警報信号は例えばホ
ール用コンピュータに出力されるようになっており、ホ
ール用コンピュータは、警報信号が入力するとそれを出
力したパチンコゲーム機の台番号を表示する。

次に上記構成の作用について説明する。

遊技客が操作ハンドル５を回転操作すると、その操作に
応じた初速度でパチンコ玉が玉発射装置４から発射され
る。すると、玉発射装置４により発射されたパチンコ玉
は、玉発射装置４に続く玉通路６を通過して盤面２に落
下する。

さて、玉発射装置４は、長期間の使用によりその発射能
力が時間の経過に伴って変動してしまうことがある。こ
のため、遊技客が操作ハンドル５を一定角度に保持する
にしても、玉発射装置４から発射されるパチンコ玉の初
速度が変動してしまうので、パチンコ玉を番面２の同一
地点に落下させることが困難となってしまう。このよう
にパチンコ玉の落下位置が遊技客の意思にかかわらず変
動してしまうことは、そのパチンコゲーム機の出玉率の
低下の要因となるから、遊技客はそのパチンコゲーム機
を敬遠し勝ちとなる。このため、パチンコゲーム機の稼
動率が低下してしまうので、出玉率に基づいて釘調整を
実行するにしても、その釘調整が不適正なものとなって
しまう。従って、本実施例では次のようにして玉発射装
置４の発射能力の変動を検出してそれに対処可能にして
いる。即ち、玉発射装置４から発射されたパチンコ玉
は、玉通路６を通過するときに第1,第２の磁気センサ7,
8を純に通過し、これに伴って第１の磁気センサ７が検
出状態となるのに続いて第２の磁気センサ８が検出状態
となる。すると、玉速度判定回路９は第１の磁気センサ
７が検出状態となってから第２の磁気センサ８が検出状
態となるまでの通過時間を測定すると共に、各磁気セン
サ7,8間の距離をその通過時間で除算することによりパ
チンコ玉の通過速度を求めそれをハンドル不良判定回路
13に出力する。

さて、遊技中に操作ハンドル５が一定角度に保持される
と、角度センサ10からの角度情報により操作ハンドル５
の操作角度が一定であることが分るから、ハンドル保持
状態判定回路11は検出状態となる。すると、ハンドル不
良判定回路13は、ハンドル保持状態判定回路11の検出期
間中において玉速度判定回路９から与えられる玉速度の
最大値及び最小値を求めると共に、その最大値及び最小
値の差が判定基準設定回路14の設定基準を超えていると
判断したときは、ホール用コンピュータに警報信号を出
力する。従って、ホール用コンピュータは警報信号を出
力したパチンコゲーム機の台番を表示するから、そのこ
とに基づいて発射機能が低下した玉発射装置４を判断す
ることができる。

要するに、上記実施例のものによれば、玉発射装置４の
操作ハンドル５が一定角度に維持されているにもかかわ
らず、玉発射装置４からのパチンコ玉の初速度が基準限
度値以上変動したときは、そのことをホール用コンピュ
ータに報知するようにしたので、ホール用コンピュータ
による表示に基づいて異常を来した玉発射装置４を修理
若しくは交換することが可能となる。従って、玉発射装
置の玉発射能力の異常を判断することが困難な従来例と
違って、玉発射装置４の不具合を確実に検知してそれに
対処することにより、稼動率データに基づく釘調整を適
正なものとすることができる。

尚、上記実施例では、玉発射装置４の異常発生をパチン
コ玉の玉速度の変動幅により検出するようにしたが、こ
れに代えて、パチンコ玉が各磁気センサ7,8を通過する
時間差の変動幅に基づいて判定するように構成してもよ
い。

また、ハンドル保持状態判定回路11の検出状態及び玉速
度判定回路９からの玉速度を直接ホール用コンピュータ
若しくは専用の記憶装置に出力することにより、玉発射
装置の稼動状態を逐一記録するように構成してもよい。

さらに、磁気センサに代えて例えば光センサによりパチ
ンコ玉の通過を検出するようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案のパチンコゲー
ム機によれば、操作ハンドルが一定角度に保持された状
態において玉発射装置から発射されたパチンコ玉の初速
度の変動を求めることができるので、玉発射装置の発射
速度がその内部要因により不安定になった状態を容易に
検出することが可能となる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は電気的
構成を示すブロック図、第２図はパチンコゲーム機の正
面図である。 図中、１はパチンコゲーム機、２は盤面、４は玉発射装
置、５は操作ハンドル、７は第１の磁気センサ（第１の
玉通過検出手段）、８は第２の磁気センサ（第２の玉通
過検出手段）、15は演算手段、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】操作ハンドルの操作量に応じた初速度で盤
   面にパチンコ玉を発射する玉発射装置と、この玉発射装
   置から前記盤面に至るまでの玉通路に所定距離離間する
   ように配置された第１及び第２の玉通過検出手段と、前
   記操作ハンドルの操作量が一定に保持されたことを検出
   するハンドル操作検出手段と、このハンドル操作検出手
   段の検出状態における前記各玉通過検出手段による検出
   タイミング差に基づいてパチンコ玉の初速度の変動を求
   める演算手段とを備えたことを特徴とするパチンコゲー
   ム機。