JPH07241412A - 回転ドラム型固液分離装置 - Google Patents

回転ドラム型固液分離装置

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JPH07241412A
JPH07241412A JP6036746A JP3674694A JPH07241412A JP H07241412 A JPH07241412 A JP H07241412A JP 6036746 A JP6036746 A JP 6036746A JP 3674694 A JP3674694 A JP 3674694A JP H07241412 A JPH07241412 A JP H07241412A
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JP
Japan
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drum
filter cloth
filter
solid
raw water
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Application number
JP6036746A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Date
保 伊達
Teruo Senda
輝雄 千田
Kenji Nakaji
憲次 中路
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過ドラムの濾過性能を長期にわたり安定し
て維持し、また、濾過ドラムの回転抵抗の増大を防止可
能とした回転ドラム型固液分離装置を提供する。 【構成】 固液分離装置は、水平に配置され、周面が濾
布42で覆われた濾過ドラム26と、濾過ドラム26を
回転可能に支持する中心軸18と、中心軸18内に形成
された室120と、中心軸18から濾過ドラム26の底
に向かって延び、上端が室120に接続された排出パイ
プ126と、一端が室120に接続されて、濾過ドラム
26の外側に延びる排出配管128と、排出配管128
に介挿された排出ポンプ130とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原水中の固液を分離
する回転ドラム型固液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転ドラム型固液分離装置は、胴に濾布
を装着しかつ水平に配置された濾過ドラムを備えてお
り、この濾過ドラム内に原水が導入されるべく構成され
ている。導入された原水は、回転状態にある濾過ドラム
の濾布を通過して外側に排出され、この濾布により、原
水中の固液が分離される。すなわち、原水中の固形成分
は濾布の内面に捕捉され、固形成分が分離除去された後
の原水、つまり、濾過水が濾過ドラムの外側に排出され
る。
【0003】捕捉した固形成分は、そのままでは濾布を
目詰まりさせるので、濾布、つまり、濾過ドラムの濾過
性能を維持するには、捕捉した固形成分を濾布から除去
する必要がある。このため、濾布が原水中から外側に露
出すると、濾布は洗浄水の噴射を受けて、その捕捉した
固形成分が洗い落とされるようになっている。洗い落と
された固形成分は、濾過ドラム内の回収ホッパに回収さ
れた後、濾過ドラムの外側に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固液分離装
置が長時間にわたって使用されると、濾過ドラムの底
に、原水中の固形成分が堆積する場合がある。このよう
な固形成分の堆積は、濾過ドラム内から濾布を通じて排
出される濾過水の流れを阻害し、濾過ドラムの濾過性能
を著しく低下させてしまうばかりでなく、濾過ドラムの
回転抵抗を増大させることにもなる。
【0005】この発明は上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、濾過ドラムの濾過
性能を長期にわたって維持でき、また、濾過ドラムを安
定して回転させることができる回転ドラム型固液分離装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の固液分離装置
は、胴に濾材を装着してなる濾過ドラムを備え、この濾
過ドラムの内側に導入された原水を濾過ドラムを回転さ
せながら濾材を通過させて原水中の固液を分離するよう
にし、そして、濾過ドラムの底に堆積する固形成分を原
水とともに排出する排出手段を設けたものとなってい
る。
【0007】好ましくは、排出手段は、濾過ドラムを回
転自在に支持する中心軸内に形成された排出路と、濾過
ドラム内に配置され、一端が排出路に接続され、他端が
濾過ドラムの底に向けて開口した排出パイプと、濾過ド
ラムの外側から排出路に接続された排出配管と、この排
出配管に介挿された排出ポンプとからなっている。
【0008】
【作用】上述した固液分離装置によれば、濾過ドラムの
底に原水中の固形成分が堆積した場合、この堆積した固
形成分は、排出手段より原水とともに濾過ドラムの外側
に排出される。具体的には、排出手段が上述の構成を有
している場合、排出ポンプの駆動により、堆積した固形
成分は排出パイプ、中心軸内の排出路および排出配管を
通じて、濾過ドラムの外側に原水とともに排出される。
【0009】
【実施例】図1を参照すると、回転ドラム型固液分離装
置が概略的に示されている。この固液分離装置は処理槽
2を備えており、この処理槽2内は、隔壁4と放流堰6
により仕切られている。つまり、処理槽2は原水槽8、
濾水槽10および放流槽12を有している。
【0010】隔壁4の一部はシール板14によって形成
されており、このシール板14は、その中央部に連通口
16を有している。濾水槽10内には、中空の中心軸1
8が水平に配置されており、この中心軸18は、連通口
16を通じて濾水槽10から原水槽8内に延び、そし
て、この原水槽8の外側に液密を保持して突出されてい
る。つまり、原水槽8の外壁は、その一部が閉塞プレー
ト20により形成されており、中心軸18は閉塞プレー
ト20を液密にして貫通して、閉塞プレート20に支持
されている。
【0011】中心軸18の一端は開口しており、この開
口はシールディスク22により開閉可能にして閉塞され
ている。原水槽8内に位置する中心軸18には通気手段
が備えられており、この通気手段は、中心軸18から上
方に向けて延びる通気パイプ24を有している。この通
気パイプ24はその下端が中心軸18内に連通し、その
上端は開口されている。
【0012】濾水槽10内には、中空の濾過ドラム26
が配置されており、この濾過ドラム26はその両端面が
軸受28,30を介して中心軸18に回転自在に支持さ
れている。図1から明らかなように、一方の軸受28は
原水槽8に向けて突出しており、また、他方の軸受30
は放流堰6に向けて突出している。なお、中心軸18の
他端は閉塞端であって、軸受30内に位置付けられてい
る。
【0013】軸受30は支持枠32に支持されており、
この支持枠32は図1でみて濾水槽10を横断する方向
に延び、その両端が濾水槽10の内側壁に固定されてい
る。濾過ドラム26の一端外周には、リングギヤ34が
取り付けられており、このリングギヤ34には、モータ
(図示しない)より回転される駆動ギヤ36が噛み合わ
されている。したがって、濾過ドラム26は、前記モー
タの駆動により、一方向に回転される。
【0014】ここで、通常、濾過ドラム26はその一対
の軸受28,30と一体にして回転するものであるが、
しかしながら、必要に応じて軸受28,30上を中心軸
18の軸方向に移動可能となっている。濾過ドラム26
は、グリッド状のフレームを備えており、このフレーム
は中心軸18の軸線方向に所定の間隔を存して配置され
た複数のリング枠38と、これらリング枠38を連結す
る多数の補強リブ40からなっている。各補強リブ40
はリング枠38の周方向に等間隔を存して配置されてい
る。
【0015】リング枠38および補強リブ40の外側に
は、濾材としての濾布42が張り付けられており、この
濾布42は濾過ドラム26の周面を形成している。ここ
で、濾布42は、特開昭58−207917号公報や特
開昭59−115720号公報に記載されているよう
に、その幅方向(中心軸18の軸方向)の緯糸に、単糸
径が0.1μmないし10μmの合成繊維を使用した織
物や編物基材を用い、そして、それら基材の主として緯
糸を長手方向(濾過ドラム26の回転方向)に直接起毛
し、その表面に太さ0.1μmないし10μmの極細繊
維からなる立毛濾層(図示しない)を形成したものであ
る。
【0016】このような濾布42は長手方向に起毛して
いるため、その方向に立毛が横たわっているが、使用に
際しては、前記立毛濾層が濾過ドラム26の内側とな
り、かつ、立毛が濾過ドラム26の回転方向に対して逆
向きとなるように装着されている。濾布42の装着に関
して具体的に説明すると、濾布42は、補強リブ40に
対し、図2および図3に示すようにして取り付けられて
いる。図2は、濾布42の中間領域と補強リブ40との
間の接続構造を示し、これら濾布42および補強リブ4
0は、面ファスナ44を介して相互に連結されている。
ここで、面ファスナ44の一方のファスナシート44a
は補強リブ40に直接固定されており、他方のファスナ
シート44bは、ウレタン樹脂からなるバンド46を介
して濾布42に固定されている。
【0017】図3は、濾布42の両端縁と補強リブ40
との間の接続構造を示している。先ず、濾布42両端縁
は、ウレタン樹脂からなるバンド48を介して相互に接
続され、そして、補強リブ40に対し、押さえバンド5
0および取付ボルト52を介して固定されている。ここ
で、バンド48の幅は、図3から明らかなように押さえ
バンド50や補強リブ40の幅よりも広くなっている。
【0018】上述したように濾布42の中間領域が面フ
ァスナ44を介して各補強リブ40に固定できると、前
記フレームに対する濾布42の装着を簡単に行うことが
できる。また、補強リブ40に対する濾布42の固定に
関しては、面ファスナ44を使用するものに限らず、図
4に示されているように濾布42を一対のゴムシート5
4で挟み、そして、これらを押さえバンド56と取付ボ
ルト58を介して補強リブ40に固定するようにしても
よい。ゴムシート54の幅は、補強リブ40や押さえバ
ンド56の幅よりも広く、その両側縁は、濾布42から
離間する方向に折り曲げた形状となっている。
【0019】このような押さえバンド56を使用すれ
ば、濾布42が一対のゴムシート54により挟み付けら
れているので、濾過ドラム26の回転中、押さえバンド
56や補強リブ40のエッジが濾布42に食い込むこと
はなく、濾布42の寿命を長くすることができる。図4
に示した一対のゴムシート54は、図3の場合にも適用
することができる。
【0020】一方、リング枠38に対する濾布42の固
定には、図5に示すように分割型の押さえバー60が使
用されている。これら押さえバー60は、リング枠38
との間で濾布42を挟み付け、図示しない取付ボルトを
介してリング枠38に固定されている。濾過ドラム26
の一方の端面、すなわち、隔壁4側に位置する端面62
は、図5からも明らかなようにその中央部が開放構造と
なっており、他方の端面64は密閉構造となっている。
【0021】濾過ドラム26の一方の端面と隔壁4のシ
ール板14との間には、リングシール66が配置されて
おり、このリングシール66は、原水槽8と濾過ドラム
26内とを接続して、原水槽8から濾過ドラム26内に
原水を導く原水導入路を形成している。図6にその詳細
が示されているように、リングシール66は、濾過ドラ
ム26の端面62から突出された取付リング68を備え
ており、この取付リング68には、環状をなしたリップ
シール70の基端が複数の取付ボルト72およびナット
74により固定されている。リップシール70の先端側
は内側に向けて湾曲形成され、その先端部が隔壁4のシ
ール板14に液密にして当接されている。なお、リップ
シール70の固定は、バンド止め(図示しない)であっ
てもよい。
【0022】図7に示されているように濾過ドラム26
内には、バックアップスプレイ76と、このバックアッ
プスプレイ76を下方から覆う回収ホッパ78が配置さ
れている。また、濾過ドラム26の外側には、洗浄スプ
レイ80が配置されており、この洗浄スプレイ80は、
濾布42を挟み、バックアップスプレイ76と対向しす
るように配置されている。
【0023】これらバックアップスプレイ76および洗
浄スプレイ80は、濾過ドラム26の軸方向に延びるパ
イプ部材と、このパイプ部材にその長手方向に間隔を存
して取り付けられた多数のノズルからなり、図中、バッ
クアップスプレイ76および洗浄スプレイ80の各ノズ
ルは、参照符号82,84で示されている。ここで、図
8に示されているように、バックアップスプレイ76に
おけるノズル82の噴射軸線は、洗浄スプレイ80のノ
ズル84の噴射軸線から濾過ドラム26の回転方向でみ
てその下流側に、所定の距離(たとえば約5mm)だけ偏
位しているのが好ましい。
【0024】バックアップスプレイ76は、配管86を
介して中心軸18に接続されており、配管86は、中心
軸18の内部通路88を介して配管90の一端に接続さ
れている。この配管90の他端は濾水槽10の後述する
濾過水中に開口しており、その途中には供給ポンプ94
が介挿されている。この供給ポンプ94は濾水槽10、
すなわち、処理槽2の外側に配置されている。
【0025】一方、洗浄スプレイ80は配管96の一端
に接続されており、この配管96の他端もまた、濾水槽
10内の濾過水の水面下に開口し、その途中には供給ポ
ンプ98が介挿されている。さらに、濾過ドラム26内
には、別の洗浄スプレイ100が配置されており、この
洗浄スプレイ100は、図7中矢印Aで示した濾過ドラ
ム26の回転方向でみて、回収ホッパ78よりも下流側
に位置付けられている。洗浄スプレイ100は、前述し
たバックアップスプレイ76や洗浄スプレイ80と同様
に、そのパイプ部材に多数のノズル102を取り付けた
ものであり、バックアップスプレイ76から延びる配管
86に分岐配管104を介して接続されている。
【0026】供給ポンプ94,98の吐出側には、Y型
ストレーナ170,171がそれぞれ設けられており、
これらストレーナ170,171は、各ノズル82,8
4,102の詰まりを防止する。なお、これらストレー
ナ170,171は、供給ポンプ94,98の吸い込み
側に配置してもよい。また、濾過ドラム26の外側には
薬洗スプレイ106が配置されており、この薬洗スプレ
イ106もまた、そのパイプ部材に多数のノズル108
を取り付けたものである。薬洗スプレイ106は、配管
110を介して薬液タンク112に接続されており、そ
の途中には供給ポンプ114が介挿されている。薬液タ
ンク112内には、濾布42を滅菌する上で好適した薬
液が蓄えられている。薬洗スプレイ106は、濾過ドラ
ム26の回転方向でみて、洗浄スプレイ80の下流側
で、かつ、回収ホッパ78にてカバーされる領域に位置
付けられている。なお、薬洗スプレイ106の各ノズル
108からの薬液の噴出は、所望の時期、または、定期
的に行われる。
【0027】回収ホッパ78は中心軸18に固定される
一方、配管116を介して中心軸18内に接続されてい
る。より詳しくは、中心軸18内は仕切壁118によ
り、2つの室120,122に区画されており、配管1
16は一方の室120に接続されている。また、前述し
た内部通路88は、仕切壁118内から他方の室122
を貫通して延び、室122とは独立して形成されてい
る。
【0028】中心軸18の室120には配管124が接
続されており、この配管124は中心軸18の一端部、
つまり、図1に示されているように原水槽8の外側に突
出した端部から下方に向けて延び、図示しない回収タン
クに接続されている。一方、中心軸18の他方の室12
2には、排出パイプ126が接続されており、この排出
パイプ126は、図1及び図7から明らかなように中心
軸18から下方に向けて延び、その下端は濾過ドラム2
6の内面近傍にて開口している。
【0029】さらに、中心軸18の他方の室122には
排出配管128が接続されている。この配管128は濾
水槽10の外側に延び、固液分離装置外に排水する構造
となっている。排出配管128には、濾水槽10の外側
に位置して排出ポンプ130が介挿されている。上述し
た排出パイプ126、室122、排出配管128および
排出ポンプ130は、濾過ドラム26内に堆積する固形
成分の排出手段を構成しており、したがって、室122
は中心軸18内の排出路となっている。
【0030】次に、上述した固液分離装置の作用を説明
する。先ず、濾過ドラム26は、図示しないモータの駆
動により、ギヤ34,36の噛み合いを介して一定の速
度で回転された状態にある。この状態で、図1から明ら
かなように処理槽2の原水槽8に供給された原水は、環
状のリップシール66により形成された原水導入路およ
び濾過ドラム26における一端面62の開口を通じて、
濾過ドラム26内に導入される。ここで、濾過ドラム2
6の一端面62と隔壁4との間がリップシール66にて
シールされ、しかも、濾過ドラム26の他端面が密閉構
造となっているので、導入された原水は濾過ドラム26
内に貯められることになる。
【0031】しかしながら、濾過ドラム26の濾布42
は透水性を有しているので、その内部に導入された原水
は、その濾布42を通過して濾水槽10内に流出する。
より詳しくは、濾過ドラム26内の原水は、その水面レ
ベルと放流堰6により決定される濾水槽10の水面レベ
ルとの間の水面差H(図7参照)に基づく位置エネルギ
を受け、原水の液成分のみが濾布42を通過して濾水槽
10に流出し、原水中の固形成分は濾布42に補足され
る。濾水槽10に貯まる原水の液成分、すなわち、濾過
水はその水面レベルが放流堰6を越えると、放流槽12
に流出し、そして、固液分離装置外に排出される。
【0032】濾布42に補足された固形成分は、濾過ド
ラム26の回転に伴い、回収ホッパ78の上方に至り、
そして、洗浄スプレイ80の各ノズル84から噴出され
る濾過水により洗い落とされて回収ホッパ78に回収さ
れる。つまり、濾過ドラム26の回転中にあっては、供
給ポンプ98が駆動されており、この供給ポンプ98は
濾水槽10から吸い上げた濾過水を洗浄水として、洗浄
スプレイ80の各ノズル84から濾布42に向けて噴出
させている。
【0033】一方、このとき、供給ポンプ94もまた駆
動されており、この供給ポンプ94は、濾水槽10内の
濾過水をバックアップ水として、配管90、中心軸18
の内部通路88および配管86を通じてバックアップス
プレイ76の各ノズル82に供給し、これらノズル82
から濾布42に向けて噴出させている。また、配管86
は配管104を通じ、洗浄スプレイ100にも接続され
ているので、この洗浄スプレイ100の各ノズル102
からも濾布42に向けて濾過水が噴出されている。
【0034】洗浄スプレイ80の各ノズル84から濾過
水が噴出されると、この濾過水の噴出圧は、濾布42の
自重と相まって、補強リブ40間の濾布42の部位に弛
みを発生させてしまう。しかしながら、バックアップス
プレイ76は、濾布42を挟んで洗浄スプレイ80と対
向しているので、バックアップスプレイ76のノズル8
2から噴出されるバックアップ水は、図8に示されてい
るように濾布42の弛みを防止する。
【0035】したがって、洗浄スプレイ80の各ノズル
84とその直下を通過する濾布42との間の距離が均一
に保持され、洗浄スプレイ80から噴射された濾過水
は、濾布42の外面に対して一定の噴射圧を付与するこ
とができ、また、バックアップスプレイ76から噴射さ
れた濾過水もまた、濾布42の内面に対して一定の噴射
圧を付与することができる。ここで、バックアップスプ
レイ76のノズル82と洗浄スプレイ80のノズル84
とは前述したように濾過ドラム26の回転方向に互いに
偏位しているので、バックアップスプレイ76から濾布
42に噴射されるバックアップ水は、洗浄スプレイ80
から濾布42噴射される濾過水の衝撃力を打ち消すこと
はない。
【0036】このように濾布42はその外面及び内面の
両面に濾過水の噴射を同時に受けることから、濾布42
に対する逆洗及び表洗が同時に行われ、さらに、濾布4
2に微振動が引き起こされて、いわゆる手揉み効果を生
じ、濾布42に捕捉した固形成分を効率良く洗い落とし
て、その目詰まりを防止することができる。この結果、
洗浄スプレイ80やバックアップスプレイ76に要求さ
れる濾過水の噴出圧やその噴出量を低減できるばかりで
なく、濾過水の噴射により濾布42が受ける衝撃力もま
た軽減され、濾布42の耐久性を大幅に向上することが
できる。
【0037】しかも、前述したように濾過ドラム26の
回転方向でみて、回収ホッパ78の下流側に位置する洗
浄スプレイ100の各ノズル102からも濾過水が濾布
42に向けて噴出されているので、この濾過水によって
も濾布42の洗浄が行われる。濾布42から洗い落とさ
れた固形成分は回収ホッパ78に回収され、そして、そ
の固形成分は、濾過水とともに回収ホッパ78から配管
116、中心軸18の室120および配管124を経
て、回収タンクに向けて排出される。
【0038】回収ホッパ76から中心軸18の室120
を通じ、濾過水とともに固形成分が排出される際、中心
軸18の室120側の部分がその両端を閉塞したパイプ
からなっていると、濾過ドラム26内が負圧になってし
まう場合がある。すなわち、濾過ドラム26の濾布42
自体は通気性が低いため、その中空軸18の室120を
通じて濾過水が急激に流れると、濾過ドラム26内の空
気もまた多量に排出され、この結果、濾過ドラム26内
が負圧になる。この場合、濾布42に捕捉した固形成分
は、負圧による吸引作用を受けて剥がれ、そして、濾過
ドラム26内の原水中に落下してしまい、固形成分の回
収性能を大きく低下させる。
【0039】一方、中心軸18の室120から延びる配
管124中に固形成分の詰まりが発生すると、バックア
ップスプレイ76から噴射されたバックアップ水の排出
が不能になり、室120内が加圧されることにもなる。
しかしながら、前述したように中心軸18の一端側から
は上方に向けて通気パイプ24が延びているので、中心
軸18の室120内を常時、大気に連通させておくこと
ができる。したがって、大気との連通により、濾過ドラ
ム26内が負圧になることはなく、濾布42に捕捉した
固形成分は、濾布42の洗浄により効率良く回収ホッパ
78に回収でき、その回収性能を低下させることはな
い。また、室120が大気に連通しているので、この室
120内が加圧されることもない。
【0040】中心軸18の一端は、シールディスク22
により開閉可能となっているので、万一、中心軸18の
室120内にて固形成分の詰まりが発生しても、シール
ディスク22を取り外せば、中心軸18の一端開口から
清掃ブラシを室120内に挿入して、その詰まりを簡単
に除去でき、室120内の清掃をも同時に行うことがで
きる。
【0041】上述した原水の濾過処理は、複数の固液分
離装置にて同様にして繰り返され、これにより、原水中
の固液は所望のレベルまで分離される。固液分離装置が
長時間使用されると、濾過ドラム26内の底には、原水
中の固形成分が徐々に堆積することがある。このような
固定成分の堆積は、濾布42の目詰まりを促進し、濾過
性能を大きく低下させると同時に、濾過ドラム26の回
転抵抗をも増大させることになる。
【0042】このような状況に至ると、排水ポンプ13
0が駆動され、この排水ポンプ130は、排出パイプ1
26の下端開口から濾過ドラム26の底に堆積している
固形成分を原水とともに吸い上げ、これらを中心軸18
の室122および排出配管128を通じ、前記固液分離
装置外に排出する。このように濾過ドラム26の底に堆
積する固形成分が原水とともに定期的に排出されれば、
その濾布42の目詰まりを防止して、その濾過性能を安
定して維持することができ、濾過ドラム26の回転抵抗
が増大することもない。
【0043】この発明は、上述した一実施例に制約され
るものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、
図9を参照すると、中心軸18の変形例が示されてい
る。この変形例の中心軸18は、その室120内にスク
リューコンベア164を備えており、このスクリューコ
ンベア164は、回収ホッパ78の下端開口から配管1
24の開口部を越えて延びている。スクリューコンベア
164の軸は、中心軸18の一端から突出し、電動モー
タ166に連結されている。
【0044】電動モータ166によりスクリューコンベ
ア164が回転されると、回収ホッパ78から中心軸1
8の室120に濾過水とともに流入する固形成分は、ス
クリューコンベア164により強制的に配管124の開
口部まで運ばれ、そして、この配管124を通じて排出
される。スクリューコンベア164を使用すると、原水
中の固形成分の濃度が濃く、中心軸18の室120に導
入された固形成分を濾過水のみでは流せない場合や、ま
た、固定成分が濾過水とともにスラリー状になってしま
う場合でも、これらを中心軸18から配管124に向け
て確実に導くことができる。
【0045】スクリューコンベア164は、前述した通
気パイプ24とも併用することができ、また、スクリュ
ーコンベア164の代わりに、中心軸18の仕切壁11
8に室120に向けて突出したエアノズルを設け、この
エアノズルから室120内に圧縮空気を噴出し、この圧
縮空気の流れにより、固形成分やスラリーの排出を行う
にようにしてもよい。
【0046】さらに、上述した濾過ドラム26の場合に
あっては、原水導入路がシールリング66、すなわち、
リップシール70により形成されているが、このリップ
シール70は、濾過ドラム26の回転中、隔壁4のシー
ル板14に常時摺接されているため、その摩耗を避ける
ことができない。このため、固液分離装置の使用に際し
ては、リップシール70の交換作業が必要となる。
【0047】しかしながら、この交換作業に関しては、
前述したように濾過ドラム26自体が軸受28,30上
をその軸方向に移動可能であるから、図1中Lで示す範
囲内で濾過ドラム26を移動させれば、この濾過ドラム
26と隔壁4との間にスペースを確保でき、このスペー
スを利用してリップシール70の交換作業を行うことが
できる。したがって、リップシール70の交換のため
に、濾過ドラム26の全体を処理槽2の外側に取り出す
必要がなく、リップシール70の交換を簡単に行うこと
ができる。
【0048】この発明の固液分離装置は、いろいろな用
途に使用することができる。たとえば、湖水や河川水の
固液分離装置に使用することができる。また、活性汚泥
処理装置で副生される余剰汚泥のような、いわゆる懸濁
系の汚泥や、生物膜処理装置から排出される、いわゆる
固着系の汚泥など、汚水処理によって生ずる汚泥、スカ
ム、フロック、洗浄水、スラッジなどの濾過、濃縮する
ような場合に使用することができる。さらに、紙パル
プ、食品、酒、味噌などの製造工程における固液分離
や、化学プロセスにおける有価物の回収などに使用する
ことができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の回転ド
ラム型固液分離装置は、排出手段を備えているので、濾
過ドラムの底に原水中の固形成分が堆積したとしても、
排出手段により、その堆積した固形成分を原水ととにも
濾過ドラムの外側に排出することができる。したがっ
て、濾過ドラムの濾材の濾過性能を固形成分の堆積によ
って低下させることなく、長期にわたって安定して維持
することができ、また、固形成分の堆積による濾過ドラ
ムの回転抵抗の増大をも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の回転ドラム型固液分離装置を示した
概略的な縦断面図である。
【図2】図1の濾過ドラムの補強リブに対する濾布中央
部の接続を示した断面図である。
【図3】補強リブに対する濾布両端の接続を示した断面
図である。
【図4】補強リブに対する濾布中央部の他の方式による
接続を示した断面図である。
【図5】濾過ドラムを示した概略的斜視図である。
【図6】濾過ドラムと隔壁との間のリングシールの一部
を示した断面図である。
【図7】洗浄スプレイおよびバックアップスプレイへの
濾過水の供給系を示した図である。
【図8】バックアップスプレイから噴射された濾過水の
作用を示した図である。
【図9】中心軸の室に収容されたスクリューコンベアを
示す断面図である。
【符号の説明】
2 処理槽 4 隔壁 6 放流堰 8 原水槽 10 濾水槽 12 放流槽 14 シール板 16 連通口 18 中心軸 20 閉塞プレート 22 シールディスク 24 通気パイプ 26 濾過ドラム 28,30 軸受 32 支持枠 34 リングギヤ 36 駆動ギヤ 38 リング枠 40 補強リブ 42 濾布(濾材) 44 面ファスナ 46,48 バンド 50,56 押さえバンド 52,58 取付ボルト 54 ゴムシート 60 押さえバー 62,64 端面 66 リングシール 68 取付リング 70 リップシール 72 取付ボルト 74 ナット 76 バックアップスプレイ 78 回収ホッパ 80,100 洗浄スプレイ 82,84,102,108 ノズル 86,90,96,110,116,124 配管 88 内部通路 94,98,114 供給ポンプ 104 分岐配管 112 薬液タンク 118 仕切壁 120 室 122 室(排出路) 126 排出パイプ 128 排出配管 130 排出ポンプ 170,171 Y型ストレーナ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴に濾材を装着してなる濾過ドラムを備
    え、この濾過ドラムの内側に導入された原水を前記濾過
    ドラムを回転させながら前記濾材を通過させて前記原水
    中の固液を分離するようにした固液分離装置において、
    前記濾過ドラムの底に堆積する固形成分を原水とともに
    排出する排出手段を設けたことを特徴とする回転ドラム
    型固液分離装置。
  2. 【請求項2】 前記排出手段は、前記濾過ドラムを回転
    自在に支持する中心軸内に形成された排出路と、前記濾
    過ドラム内に配置され、一端が前記排出路に接続され、
    他端が前記濾過ドラムの底に向けて開口した排出パイプ
    と、前記濾過ドラムの外側から前記排出路に接続された
    排出配管と、この排出配管に介挿された排出ポンプとを
    備えていることを特徴とする、請求項1の回転ドラム型
    固液分離装置。
JP6036746A 1994-03-08 1994-03-08 回転ドラム型固液分離装置 Pending JPH07241412A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009112915A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Tadashi Miyamoto 破砕分離システム

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JP2009112915A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Tadashi Miyamoto 破砕分離システム

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