JPH0724082Y2 - 内視鏡の収納ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、内視鏡を保護するために用いられる内視鏡の
収納ケースに関するものである。

［従来の技術］ 医療用，工業用として用いられる内視鏡は、その出荷時
及び持ち運び時や運搬時等には、それを保護するため
に、収納ケースに収納されるようになっている。而し
て、この収納ケースとしては、内視鏡を保護するため
に、硬質堅牢な樹脂材で形成した一対の開閉可能なケー
ス本体に手堤部を取り付けると共に、施錠機構等を設け
た、所謂トランク型のケースとして構成したものが従来
から用いられていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、前述したように、内視鏡の収納ケースを硬質
堅牢な樹脂材で形成することは、ケース全体が重量化す
ることになって、持ち運び及び運搬に不便であるだけで
なく、内視鏡を収納するときに、誤って閉じられたりす
ると、ケース本体の重量によって内視鏡を損傷させた
り、指を挟んだりする不都合があるだけでなく、このケ
ースの外装を見栄えの良いものとしたり、また施錠機構
やその他特殊な付属品が設けられている関係等から、収
納ケースが極めて高価になるという問題点がある。

ここで、内視鏡は頻繁に持ち運ぶものではなく、通常は
病院内においてケースから取り出して、診察室等に設置
されるものであり、収納ケースを必要とするのは、製品
の出荷時と、ある程度長期間使用しない場合や、病院外
に持ち出す時等極めて稀である。しかも、病院外に持ち
出すときには、小包，宅配便等によって運搬するのが一
般的であるために、必ずしも前述したように、堅牢かつ
高価で、外観上見栄えのある過剰品質のものは必要とし
ないだけでなく、むしろ可及的に計量化を図り、しかも
内部に収納した内視鏡が損傷したりしないように確実に
保護されるようになっていることが肝要となる。本考案
はこのような点に鑑みてなされたものであって、極めて
安価で、しかも軽量な構造の内視鏡の収納ケースを提供
することをその目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 前述した目的を達成するために、本考案に係る収納ケー
スは、内部に内視鏡を収納する収納凹部を備えた収容部
と、この収容部に接合される蓋部とからケース構成体を
形成し、これら収容部及び蓋部の本体部分は発泡樹脂で
形成されて、前記収納凹部の形成面以外にはカバー布を
被着させると共に、このカバー布は前記収容部と蓋部と
の各一辺間に架け渡されており、またループ状の帯片で
形成した手提部をカバー布の架け渡し部を横切るように
装着させて、架け渡し部とは反対側から所定の長さ分だ
け延在させ、さらに収容部及び蓋部の接合部周縁部に
は、この布の架け渡し部分以外の三辺部に相互に係合す
る面ファスナを設ける構成としたことをその特徴とする
ものである。

［作用］ このように、内視鏡を収納するためのケース構成体の本
体部分を発泡樹脂で形成すると、ケース全体を軽量化す
ることができると共に、内視鏡を収納するための収納凹
部を構成する壁の部分が軟性構造となっているので、運
搬時や持ち運び時等において多少乱暴に取り扱って、内
視鏡が壁の部分と衝当したとしても、内視鏡に傷が付い
たりするのを確実に防止することができる。また、収容
部と蓋部とからなるケース構成体は、その外面に被着さ
れるカバー布を、相互の一辺部分で架け渡すことによっ
て、蓋部を収容部に対して開閉可能に連結されており、
さらにループ状帯片からなる手提部がこのカバー布の架
け渡し部分を横切るようにして設けられていることによ
って、別途蓋部と収容部との間を開閉可能に連結するた
めに、蝶番等の部材を設けなくても、蓋体と収容部との
連結部分に十分な強度を持たせることができることから
も、ケースを安価に製造することができるようになる。

また、ケース本体が軽量になることは、ケース内に内視
鏡を収納させたり、内視鏡を取り出したりする作業も容
易になり、かつ作業中において、ケース本体に内視鏡の
構成部分や指等が挟まれたとしても安全である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

図面において、第１図はケースの蓋部を開いた状態の状
態の外観図、第２図及び第３図には蓋部と収納部とを閉
じた状態の正面図及び側面図、また第４図にはケース蓋
部の断面図がそれぞれ示されている。

図面から明らかなように、ケース１におけるケース構成
体は収納部２と蓋部３との２部材から構成され、このケ
ース本体には手堤部４が設けられている。そして、収納
部２側の内面2a、即ち蓋部３との接合面には内視鏡Ｓを
安定した状態に収納するための収納凹部５が形成されて
いる。

収納部２及び蓋部３は、例えば発泡ポリウレタン等の発
泡樹脂から形成した本体部20,30を有し、これら各本体
部20,30は、収納部２側の本体部20における収納凹部５
が形成されている内面2aを除いた他の各面には防水コー
ティングが施されたナイロン製のカバー布６が貼り付け
られている。このカバー布６は収納部２及び蓋部３にお
ける底部で架け渡されるようになっており、これによっ
て収納部２と蓋部３とはこのカバー布６の架け渡し部6a
によって相互に開閉可能に連結されている。

手堤部４は一本のループ状の帯体を収納部２及び蓋部３
の外側表面から架け渡し部6aを設けた底面を横切るよう
にして設け、その適宜位置において、止着用布片７をカ
バー布６に縫い付けることにより固定し、かつ所定の長
さ分を収納部２側及び蓋部３側の上端部から上方に延在
させることによって、この上方への延在部分を手で把持
したり、また肩にかけたりすることができるようになさ
れている。

そして、収納部２の内面2aには、カバー布６の架け渡し
部6aが位置する辺以外の３つの辺には面ファスナ辺8aが
貼り付けられており、また蓋部３のうち収納部２と接合
される内面3aのこれに対応する３つの辺にも面ファスナ
片8bが貼り付けられている。従って、蓋部３を収納部２
に接合すると、面ファスナ片8a,8b間が係着して収納部
２と蓋部３とを接合させて閉鎖状態に保持されるように
なる。

さらに、蓋部３の内面3aに貼り付けられるカバー布６の
うち、第１図に点線で囲まれた部分は非接着部分となっ
ており、この非接着部分の上部にスリット９を形成する
ことによって、ポケット10が形成されている。従って、
このポケット10には、内視鏡Ｓの取扱説明書等の書類Ｂ
や小物等を収納することができるようなっている。さら
にまた、蓋部３の外面3bには、所有者，ケース１に内蔵
されている内視鏡の種類その他各種のデータを書き込ん
だ票等を挿入するための透明ポケット11が接着等の手段
で取り付けられており、該透明ポケット11の上部の開口
にはホック等の開閉部12が形成されている。

前述のように構成されるケース１におけるケース本体を
構成する収納部２と蓋部３との本体部20,30は発泡樹脂
で形成されており、しかもこの本体部20,30にカバー布
６を貼り付け、また手堤部４も帯片で形成して、これを
カバー布６に止着する構成となし、かつ収容部２と蓋部
３との間はカバー布６の架け渡し部6aと手提部４とによ
り、格別連結するための部材を設けることなく、開閉可
能に確実に連結されているから、全体としての構造が簡
単になり、ケース１を極めて安価に製造することができ
る。

しかも、ケース１を構成するケース本体の材質は発泡樹
脂といる極めて軽量なものからなるもので、その重量が
著しく軽減されることになる。従って、このケース１内
に内視鏡Ｓを収納させて、該ケース１を持ち運ぶのに至
便であるだけでなく、運送も容易で、運送費用も安価と
なる。しかも、持ち運び，運送時において、多少乱暴に
取り扱って、内視鏡Ｓを構成する各部が収納部２に形成
した収納凹部５や、蓋部３の内面3a等に衝当したとして
も、該収納部２及び蓋部３を構成する本体部20,30は軟
質の発泡樹脂で形成されているから、該内視鏡Ｓを損傷
させるおそれはない。

また、ケース１の開閉は収納部２と蓋部３との設けた面
ファスナ片8a,8b間を係着したり、剥離したりすること
により行うことができ、しかもこの収納部２及び蓋部３
は共に軽量に出来ているから、蓋部３を開放して内視鏡
Ｓを収納するときや、それを取り出すときにおいて、誤
って蓋部３を閉じられて、該蓋部３と収納部２との間に
内視鏡Ｓの一部や手が挟まれたとしても、内視鏡Ｓや手
の指等を傷付けるおそれはない。

さらに、蓋部３の内面にはポケット10が設けられている
から、このポケット10内に例えば内視鏡Ｓの取扱説明書
等、内視鏡Ｓを用いる際に必要な物を収納させるように
しておけば、その紛失防止に役立つ。一方、蓋部３の外
面3bに設けた透明ポケット11には、内視鏡Ｓの所有者
や、内視鏡の種類等を記載した票を挿入しておけば、そ
の認識に役立つ。また、小包，宅配便における宛先を表
示する票を挿入することもできる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案は、発泡樹脂で形成したケ
ース構成体にカバー布を貼り付けることによって、収納
ケースを構成したので、ケース全体が著しく軽量なもの
となり、持ち運び及び運送等に至便であり、かつ内部に
収納した内視鏡の保護が図られ、しかも収容部と蓋部と
に外装されるカバー布をこれら収容部と蓋部との間を開
閉可能に連結する連結部として利用し、さらにこのカバ
ー布の架け渡し部にループ状帯片からなる手提部を横切
るように配置しているから、最も損傷のおそれのある収
容部と蓋部との連結部分に、格別の連結用の補強部材を
設けなくても、高い強度を持たせることができるように
なり、さらに収容部と蓋部との間を閉鎖状態にするため
に、面ファスナを用いていることからも、内視鏡を収納
するためのケースを極めて安価に製造することができる
等の諸効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はケース
の蓋部を開いた状態の状態の外観図、第２図及び第３図
は蓋部と収納部とを閉じた状態の正面図及び側面図、第
４図は蓋部の断面図である。 1:ケース、2:収納部、3:蓋部、4:手堤部、5:収納凹部、
6:カバー布、6a:架け渡し部、8a,8b:面ファナ片、20,3
0:本体部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に内視鏡を収納する収納凹部を備えた
   収容部と、この収容部に接合される蓋部とからケース構
   成体を形成し、これら収容部及び蓋部の本体部分は発泡
   樹脂で形成されて、前記収納凹部の形成面以外にはカバ
   ー布を被着させると共に、このカバー布は前記収容部と
   蓋部との各一辺間に架け渡されており、またループ状の
   帯片で形成した手提部をカバー布の架け渡し部を横切る
   ように装着させて、架け渡し部とは反対側から所定の長
   さ分だけ延在させ、さらに収容部及び蓋部の接合部周縁
   部には、この布の架け渡し部分以外の三辺部に相互に係
   合する面ファスナを設ける構成としたことを特徴とする
   内視鏡の収納ケース。