JPH0723924A - 磁気共鳴イメージング方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング方法

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JPH0723924A
JPH0723924A JP5168775A JP16877593A JPH0723924A JP H0723924 A JPH0723924 A JP H0723924A JP 5168775 A JP5168775 A JP 5168775A JP 16877593 A JP16877593 A JP 16877593A JP H0723924 A JPH0723924 A JP H0723924A
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JP
Japan
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frequency
chemical shift
image
magnetic resonance
measurement
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Application number
JP5168775A
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English (en)
Inventor
Tomotsugu Hirata
智嗣 平田
Yukari Onodera
由香里 小野寺
Etsuji Yamamoto
悦治 山本
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Hitachi Ltd
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学シフトによるスライスずれを補正し、正
確な原子核密度画像あるいは化学シフト画像を得る磁気
共鳴イメージング方法を提供すること。 【構成】 複数のスペクトルを有する被検体に、スライ
ス磁場を印加するとともに、高周波パルスの周波数帯域
を最も近接している二種類の化学シフトの周波数差(fb
−fc)以下に、中心周波数を各共鳴周波数(fa,fb,
fc)に設定して、合計三回の化学シフト画像計測を行
い、得られた磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、上
記中心周波数を中心とする上記周波数帯域内に共鳴周波
数を持つ画像データのみを抽出し、化学シフト軸方向に
繋ぎ合わせて、3種類の化学シフト画像あるいは上記3
種類の化学シフト画像を積算した原子核密度画像を構成
するようにした磁気共鳴イメージング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴イメージング方
法に関し、特に化学シフトによるスライスずれを補正し
て、正確な磁気共鳴画像あるいは化学シフト画像を得ら
れるようにした磁気共鳴イメージング方法方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴信号により被検体内の特定の原
子核の化学シフトスペクトルの画像情報を得る方法とし
て、従来、ラジオロジー(Radiology)第149巻:第197-20
1頁(1983年)等に記載された3D−CSI法やラジオロ
ジー(Radiology)第153巻:第189-194頁(1984年)等に記
載されたディクソン法等が知られている。これらの方法
では、スライス選択用の傾斜磁場を印加するとともに高
周波パルスを照射し、特定のスライス内の原子核のみを
励起して、その選択されたスライスからの磁気共鳴信号
を検出し化学シフト情報を得ている。しかしながら、複
数の化学シフトが存在する場合には、上記化学シフトの
影響により、そのシフト量に従って選択されるスライス
がずれてしまい、同一スライスからの信号を計測できな
いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】三種類の化学シフトが
存在する場合について、図3および図4を用いて上記事
情を示す。一例として、被検体内に図3に示すような三
個のピークを示す原子核を含む物質A,物質Bおよび物
質Cが含まれている場合を考え、これらの共鳴周波数
を、それぞれfa[Hz],fb[Hz],fc[Hz]とする。上述
の従来法において上記高周波パルスによって選択励起さ
れる領域を、図4に示す。ここで、上記高周波パルスの
帯域は Δf[Hz]、中心周波数はf0[Hz]とする。この
とき、スライス厚Zs[m]は 傾斜磁場強度をGz[T/m]と
すると、Zs=2πΔf/(γGz)で与えられる。但し、
γ[rad/(s・T)]は磁気回転比である。従って、上記従来
法では、図4に示す如く、化学シフトの影響により、物
質によって選択励起されるスライスが異なってしまうと
いう問題点があった。すなわち、上記従来技術では、複
数の化学シフトが存在する場合には、その化学シフト量
に従って選択されるスライスがずれてしまい、同一のス
ライスからの信号を計測することができないという問題
があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、従来の技術における上述の如
き問題を解消し、化学シフトによるスライスずれを補正
することによって、正確な磁気共鳴画像あるいは化学シ
フト画像の得られる磁気共鳴イメージング方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)複数の化学シフトを有する原子核を含む被検体を静
磁場中に配置し、スライス選択用の傾斜磁場を印加する
とともに高周波パルスを照射して磁気共鳴現象を生じさ
せ、前記被検体内から発生する磁気共鳴信号を検出し、
該磁気共鳴信号を用いて原子核密度画像あるいは化学シ
フト画像を得る磁気共鳴イメージング方法において、前
記高周波パルスの周波数帯域を、分離対象とするn種類
の化学シフトのうち、最も近接している二種類の化学シ
フトの周波数差以下に設定するとともに、前記高周波パ
ルスの中心周波数を各化学シフトを有する原子核の共鳴
周波数に設定して、前記被検体を励起した後、エンコー
ド用の傾斜磁場を変化させて、合計n枚の化学シフト画
像を得るために磁気共鳴信号を繰返し計測し、計測され
た磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、得られた化学
シフト画像のうち、対応する共鳴周波数が前記高周波パ
ルスの中心周波数を中心とする前記周波数帯域内に相当
する画像データのみを抽出し、該抽出された画像データ
を化学シフト軸方向に繋ぎ合わせて、n種類の化学シフ
ト画像あるいは該n種類の化学シフト画像の少なくとも
一部を積算した原子核密度画像を構成することを特徴と
する磁気共鳴イメージング方法。 (2)二種類の異なる化学シフトを有する原子核を含む被
検体を静磁場中に配置し、スライス選択用の傾斜磁場を
印加するとともに高周波パルスを照射して磁気共鳴現象
を生じさせ、前記被検体内から発生する磁気共鳴信号を
検出し、該磁気共鳴信号を用いて原子核密度画像あるい
は化学シフト画像を得る磁気共鳴イメージング方法にお
いて、前記高周波パルスの周波数帯域を、分離対象とす
る二種類の化学シフトの周波数差に設定するとともに、
前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子核の
うちの一方の原子核(原子核1)の共鳴周波数に設定し
て、前記被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁場
を変化させて、一枚目の化学シフト画像を取得するため
に磁気共鳴信号を繰返し計測し、続いて前記スライス選
択用の傾斜磁場を勾配反転させて印加し、かつ、前記高
周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子核のうちの
他方の原子核(原子核2)の共鳴周波数に設定して、前記
被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁場を変化さ
せて、二枚目の化学シフト画像を得るために磁気共鳴信
号計測を繰返し行い、該二回の化学シフト画像計測によ
り得られた磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、前記
二回の化学シフト画像計測で得られた画像データを、対
応する共鳴周波数が前記原子核1の共鳴周波数を中心と
する前記高周波パルスの周波数帯域内に相当する画像デ
ータと、対応する共鳴周波数が前記原子核2の共鳴周波
数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯域内に相当
する画像データとに分離して、合計四通りの画像データ
に分離し、前記一回目の化学シフト画像計測で得られた
前記原子核1の共鳴周波数に対応する画像データと、前
記二回目の化学シフト画像計測で得られた前記原子核2
の共鳴周波数に対応する画像データとを繋ぎ合わせ、ま
た、前記一回目の化学シフト画像計測で得られた前記原
子核2の共鳴周波数に対応する画像データと、前記二回
目の化学シフト画像計測で得られた前記原子核1の共鳴
周波数に対応する画像データとを繋ぎ合わせることによ
り、隣接する二枚の異なるスライスそれぞれについての
二種類の化学シフト画像あるいは該二種類の化学シフト
画像の和から得られる原子核密度画像を構成することを
特徴とする磁気共鳴イメージング方法。 (3)二種類の異なる化学シフトを有する原子核を含む被
検体を静磁場中に配置し、スライス選択用の傾斜磁場を
印加するとともに高周波パルスを照射して磁気共鳴現象
を生じさせ、前記被検体内から発生する磁気共鳴信号を
検出し、該磁気共鳴信号を用いて原子核密度画像あるい
は化学シフト画像を得る磁気共鳴イメージング方法にお
いて、前記高周波パルスの周波数帯域を、分離対象とす
る二種類の化学シフトの周波数差に設定するとともに、
前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子核の
うちの一方の原子核(原子核1)の共鳴周波数に設定し
て、前記被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁場
を変化させて、一枚目の化学シフト画像を取得するため
に磁気共鳴信号を繰返し計測し、続いて前記スライス選
択用の傾斜磁場を勾配反転させて印加し、かつ、前記高
周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子核のうちの
他方の原子核(原子核2)の共鳴周波数に設定して、前記
被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁場を変化さ
せて、二枚目の化学シフト画像を得るために磁気共鳴信
号計測を繰返し行い、該二回の化学シフト画像計測によ
り得られた磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、前記
二回の化学シフト画像計測で得られた画像データを、対
応する共鳴周波数が前記原子核1の共鳴周波数を中心と
する前記高周波パルスの周波数帯域内に相当する画像デ
ータと、対応する共鳴周波数が前記原子核2の共鳴周波
数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯域内に相当
する画像データとに分離して、合計四通りの画像データ
に分離し、前記一回目の化学シフト画像計測で得られた
前記原子核1の共鳴周波数に対応する画像データと、前
記二回目の化学シフト画像計測で得られた前記原子核1
の共鳴周波数に対応する画像データとを足し合わせ、ま
た、前記一回目の化学シフト画像計測で得られた前記原
子核2の共鳴周波数に対応する画像データと、前記二回
目の化学シフト画像計測で得られた前記原子核2の共鳴
周波数に対応する画像データとを足し合わせることによ
り、励起されたスライス全体についての二種類の化学シ
フト画像あるいは該二種類の化学シフト画像の和から得
られる原子核密度画像を構成することを特徴とする磁気
共鳴イメージング方法。によって達成される。
【0005】
【作用】本発明に係る第1の磁気共鳴イメージング方法
においては、複数の化学シフトを有する原子核を含む被
検体に対して、高周波パルスの周波数帯域を、分離対象
とするn種類の化学シフトのうち、最も近接している二
種類の化学シフトの周波数差以下に設定して上記被検体
に照射することにより、上記高周波パルスの照射時に、
異なる原子核毎に、互いに重複しないスライスが選択励
起されることになる。更に、上記高周波パルスの中心周
波数を各化学シフトを有する原子核スピンの共鳴周波数
に設定して、上記被検体を励起した後、エンコ−ド用の
傾斜磁場を変化させて、合計n枚の化学シフト画像を得
るために磁気共鳴信号を繰返し計測することにより、測
定対象とするスライスについて、n種類すべての化学シ
フトを有する原子核からの磁気共鳴信号が得られること
になる。また、該n回の化学シフト画像計測により得ら
れた磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、得られた化
学シフト画像のうち、対応する共鳴周波数が上記高周波
パルスの中心周波数を中心とする上記高周波パルスの周
波数帯域内に相当する画像デ−タのみを抽出して、上記
抽出された画像デ−タを化学シフト軸方向に繋ぎ合わせ
て、n種類の化学シフト画像あるいは上記n種類の化学
シフト画像の少なくとも一部を積算した原子核密度画像
を構成するすることにより、上記測定対象とするスライ
スについて、スライスずれの補正された正確な原子核密
度画像あるいは化学シフト画像を得ることが可能とな
る。本発明に係る他の磁気共鳴イメージング方法の作用
および効果については、以下の実施例の説明中において
明らかにされる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1に、本発明が適用される磁気共鳴イメ
ージング装置の構成を示す。まず、被検体1を、静磁場
発生マグネット2により生成された一様な静磁場中に配
置する。次に、傾斜磁場発生コイル3を用いてスライス
選択用の傾斜磁場を印加するとともに、プローブ4によ
り、高周波パルスを上記被検体1に照射する。これによ
り、観測したいスライスを選択励起し、磁気共鳴現象を
生じさせて、上記被検体1内から発生する磁気共鳴信号
を、上記プローブ4により検出する。更に、計算機5を
用いて、上記磁気共鳴信号から画像情報を生成し、ディ
スプレイ6に表示させる。なお、上記傾斜磁場発生コイ
ル3用の駆動用電源部7,送信器8および受信器9は、
シーケンス制御装置10により制御される。
【0007】図2は、本発明の第1の実施例を示すパル
スシーケンスであり、スピンエコーを用いた3D−CS
I法の例を示している。まず、初めに、従来法での同シ
ーケンスの作用について、簡単な説明を行う。スライス
選択用の傾斜磁場Gs1と高周波パルスRF1(SINC
波形等)とにより、観測したいスライス内の原子核スピ
ンを90°倒す。更に、Te/2後に、Gs2とRF
2(SINC波形等)により、原子核スピンを180°反
転させる。これにより、Te後に磁気共鳴エコー信号Si
g.を発生させる。また、選択励起されたスライス内の二
次元の空間情報は、位相エンコード用傾斜磁場Ge1(ス
テップ数m1回)およびGe2(ステップ数m2回)により、
位相エンコードされる。なお、Gs1’は 選択励起され
たスライスに含まれる原子核スピンの位相戻し用として
印加しているものである。上記測定によって得られた
(m1×m2)個の計測データに、三次元フーリエ変換等の
再構成処理を施すことにより、選択励起されたスライス
の化学シフトイメージが得られる。
【0008】本発明に係る磁気共鳴イメージング方法に
おいては、「従来の技術」で述べたスライスずれを補正す
るために、上記測定の各エンコードステップ毎に、以下
の計測手順を加える。すなわち、複数の化学シフトを有
する原子核を含む被検体を測定する場合、上記高周波パ
ルスRF1およびRF2の周波数帯域を、分離対象とする
n種類の化学シフトのうち、最も近接している二種類の
化学シフトの周波数差以下に設定し、更に上記高周波パ
ルスRF1およびRF2の中心周波数を、各化学シフトを
有する原子核スピンの共鳴周波数に設定して上記被検体
を励起した後、合計n回の磁気共鳴信号計測を行い、該
n回の磁気共鳴信号計測を上記エンコード回数分繰り返
す。そして、同一の中心周波数で励起して得られた上記
エンコード回数分の磁気共鳴信号に、例えば、フーリエ
変換等の画像再構成処理を施す。このとき、ある中心周
波数で励起して得られた磁気共鳴信号から再構成された
各化学シフトの二次元イメージは、各々異なるスライス
の化学シフト画像に対応するものとなる。
【0009】従って、上記各化学シフトの二次元イメー
ジのうち、対応する共鳴周波数が上記高周波パルスの中
心周波数を中心とする上記高周波パルスの周波数帯域内
に相当する信号のみを抽出することにより、選択励起し
たいスライス、つまり、スライス選択用の傾斜磁場の値
が0の地点を含むスライスの化学シフトイメージのみを
取り出すことができる。上記画像再構成処理および抽出
処理を、n種類の中心周波数で励起して得られた磁気共
鳴信号の各々について行い、抽出されたn種類の化学シ
フト画像を化学シフト軸方向に繋ぎ合わせることによ
り、上記選択励起したいスライスのみに含まれるn種類
の化学シフトの二次元イメージが得られる。以下、1エ
ンコード当りの上記測定の繰り返し回数,上記高周波パ
ルスRF1およびRF2の周波数帯域,各測定時の中心周
波数の決定方法について、図面に基づいて説明する。
【0010】一例として、プレスキャン、すなわち、予
め本測定を行う以前に、図2からエンコード用の傾斜磁
場を排除したパルスシーケンスを用いた計測を行うこと
によって、被検体内に図3に示すような三個のピークを
示す原子核スピンが含まれていることがわかっている場
合を考える。この場合には、周波数帯域を、最も近接し
ている二種類の化学シフトの、ピークBおよびピークC
の周波数差(fb−fc)[Hz]に設定する。各測定時の中
心周波数の値は、各々のピークの共鳴周波数fa[Hz],
fb[Hz]およびfc[Hz]に設定する。従って、1エンコ
ード当りの測定の繰り返し回数は、三回となる。図5
は、上記実施例において、上記高周波パルスRF1およ
びRF2によって選択励起される領域を、各中心周波数
毎に示したものである。ここで、選択励起したいスライ
スS0に注目すると、測定1(中心周波数:fa[Hz])で
はスライスS0内の物質Aに含まれる核スピンが励起さ
れる。このとき、スライス厚Zs[m]は傾斜磁場強度をG
z[T/m]とすると、Zs=2π(fb−fc)/(γGz)で与え
られる。但し、γ[rad/(s・T)]は、磁気回転比である。
【0011】物質Bおよび物質Cに関しては、傾斜磁場
の印加により スライスS0以外の領域で励起される。従
って、この測定1を、上記エンコード回数分繰り返して
得られた磁気共鳴信号に、三次元フーリエ変換を施し、
その共鳴周波数が上記高周波パルスの中心周波数fa[H
z]を中心とする上記高周波パルスの周波数帯域(fb−f
c)[Hz]内に相当する信号だけを取り出すことにより、
スライスS0のみに含まれる 物質Aの二次元イメージを
抽出できる。同様にして、測定2ではスライスS0内の
物質Bの二次元イメージ、測定3ではスライスS0内の
物質Cの 二次元イメージが抽出できることになる。そ
して、測定対象とするスライスS0について 上記三回分
の抽出された二次元イメージを化学シフト軸方向に 繋
ぎ合わせることにより、上記測定対象とするスライスS
0についての三種類の化学シフト画像、あるいは、上記
三種類の化学シフト画像のうち少なくとも2枚を積算し
て得られる原子核密度画像がスライスずれを生じること
なく得られる。
【0012】なお、上記実施例では、ある特定の一枚の
スライスについてのみ、化学シフト画像あるいは上記化
学シフト画像を積算して得られる原子核密度画像を得る
場合について述べたが、更に、中心周波数をシフトさせ
て計測を行い、スライス間の内挿による補間等を加える
ことにより、複数のスライスについても、すべての化学
シフトイメージを得られるようにすることが可能であ
る。図6は、本発明の第2の実施例を示すパルスシーケ
ンスである。前述の、測定1,測定2および測定3で
は、各測定ごとに選択励起される核スピンが異なるた
め、各測定の測定間隔Tr'を 測定対象とする原子核ス
ピンの縦緩和時間に比べて十分短い時間にすることがで
きる。従って、全体の計測時間を増加させることなく測
定が行える。図7は、本発明の第3の実施例を示すパル
スシーケンスであり、ディクソン法の例を示している。
まず、初めに、従来法での同シーケンスの作用について
簡単な説明を行う。
【0013】エコー時間の異なる二回の計測(計測Aお
よび計測Bとする)が、一組の計測ステップとなってい
る。計測Aでは、スライス選択用の傾斜磁場Gs1と高周
波パルスRF1により、観測したいスライス内の原子核
スピンを90°倒し、Te/2後にGs2とRF2により原
子核スピンを180°反転させる。更に、Te/2後
に、磁気共鳴エコー信号Sig.1が発生するように 読み
出し用の傾斜磁場Grを勾配反転させて、印加し上記磁
気共鳴エコー信号Sig.1を取り込む。計測Bでは、計測
Aと同様に Gs1とRF1により観測したいスライス内の
原子核スピンを90°倒し、Te/2後に、Gs2とRF2
により原子核スピンを180°反転させる。更に、(Te
/2+Td)後に、磁気共鳴エコー信号Sig.2が発生する
ように、読み出し用の傾斜磁場Grを勾配反転させて印
加する。但し、Tdは二種類の化学シフトの周波数差の
逆数の2分の1である。また、選択励起されたスライス
内の空間情報は、上記読み出し用の傾斜磁場Grによる
周波数エンコードおよび位相エンコード用の傾斜磁場G
e(ステップ数m回)による 位相エンコードにより付加す
る。
【0014】なお、Gs1’は選択されたスライス内に含
まれる原子核スピンの位相戻し用として印加している。
上記計測Aおよび計測Bについて得られたm個の計測デ
ータそれぞれに二次元フーリエ変換等を施すことによ
り、計測Aのデータからは二種類の原子核スピンによる
信号の和が得られ、計測Bのデータからは二種類の原子
核スピンによる信号の差が得られる。従って、二つのフ
ーリエ変換結果を加減算することによって、選択励起さ
れたスライスについて、二種類の化学シフトイメージが
得られる。本発明に係る磁気共鳴イメージング方法にお
いては、「従来の技術」で述べたスライスずれを補正する
ために、上記測定の各エンコードステップ毎に、以下の
計測手順を加える。すなわち、二種類の異なる化学シフ
トを有する原子核を含む被検体を測定する場合、上記高
周波パルスRF1およびRF2の周波数帯域を、分離対象
とする二種類の化学シフトの周波数差に設定する。
【0015】そして、一回目の測定では、図7のパルス
シーケンスを用いて上記高周波パルスRF1およびRF2
の中心周波数を、一方の化学シフトを有する原子核の共
鳴周波数に設定して計測を行い、二回目の測定では、図
8のパルスシーケンスを用いて、上記スライス選択用の
傾斜磁場Gs1,Gs2およびGs1’を勾配反転させて印加
し、上記高周波パルスRF1およびRF2の中心周波数
を、他方の化学シフトを有する原子核の共鳴周波数に設
定して計測を行う。この二回の計測を上記計測Aおよび
計測Bについてそれぞれ行い、更に、上記エンコード回
数分繰り返す。そして、測定1および測定2のデータ毎
に二次元フーリエ変換等を施し、二種類の化学シフト毎
の二次元イメージを構成する。このとき、測定1のデー
タから得られた二種類の化学シフトは、各々隣接した異
なるスライスからの信号に対応することとなる。また、
測定2のデータから得られた二種類の化学シフトは、互
いに測定1で選択されたスライスと反対のスライスから
の信号に対応することとなる。
【0016】従って、以上の変換結果を組み合わせるこ
とにより、二枚のスライスそれぞれについてのみ含まれ
る、二種類の化学シフトの二次元イメージが得られる。
以下、上記高周波パルスRF1およびRF2の周波数帯域
および各測定時の中心周波数の決定方法について図面に
基づいて説明する。一例として、プレスキャン、すなわ
ち予め本測定を行う以前に、図7からエンコード用の傾
斜磁場を排除したパルスシーケンスを用いた計測を行う
ことによって、被検体内に図9に示すような二個のピー
クを示す原子核が含まれていることがわかっている場合
を考える。この場合には、二種類の化学シフトのピーク
AおよびピークBの周波数差(fa−fb)[Hz]に 周波数
帯域を設定する。そして、一回目の測定時の中心周波数
の値は、ピークAの共鳴周波数fa[Hz]に設定し、二回
目の測定時の中心周波数の値は、ピークBの共鳴周波数
fb[Hz]に設定して計測を行う。
【0017】図10は、上記実施例において、上記高周
波パルスによって選択励起される領域を、中心周波数毎
に示したものである。測定1では スライスS2内の物質
Aに含まれる原子核スピンと、スライス傾斜磁場Gz印
加時の 共鳴周波数がfa[Hz]と等しいスライスS1内の
物質Bに含まれる原子核スピンが励起される。このと
き、スライス厚Zs[m]は 傾斜磁場強度をGz[T/m]とす
ると、Zs=2π(fa−fb)/(γGz)で与えられる。但
し、γ[rad/(s・T)]は磁気回転比である。従って、この
測定1を上記エンコード回数繰り返して得られた信号
に、例えば、フーリエ変換等の画像再構成処理を施し、
その共鳴周波数が原子核1の共鳴周波数fa[Hz]を中心
とする 上記高周波パルスの周波数帯域(fa−fb)[Hz]
内に相当する信号と、その共鳴周波数が原子核2の共鳴
周波数fb[Hz]を中心とする上記高周波パルスの周波数
帯域(fa−fb)[Hz]内に相当する信号とに 分離するこ
とにより、スライスS2のみに含まれる物質Aの二次元
イメージとスライスS1のみに含まれる物質Bの二次元
イメージが得られる。
【0018】また、測定2では、スライスS2内の物質
Bに含まれる 原子核スピンと、勾配反転させたスライ
ス傾斜磁場Gz印加時の 共鳴周波数がfbと等しいスラ
イスS1内の物質Aに含まれる原子核スピンが励起され
る。従って、この測定2を上記エンコード回数繰り返し
て得られた信号にフーリエ変換を施し、その共鳴周波数
が原子核1の共鳴周波数fb[Hz]を中心とする上記高周
波パルスの 周波数帯域(fa−fb)[Hz]内に相当する信
号と、その共鳴周波数が原子核2の共鳴周波数fa[Hz]
を中心とする上記高周波パルスの周波数帯域(fa−fb)
[Hz]内に相当する信号とに分離することにより、スラ
イスS2のみに含まれる物質Bの 二次元イメージとスラ
イスS1のみに含まれる物質Aの二次元イメージが得ら
れる。
【0019】そして、上記測定1で得られたスライスS
1内の 物質Aの二次元イメージと上記測定2で得られた
スライスS1内の 物質Bの二次元イメージとを繋ぎ合わ
せ、また、上記測定1で得られたスライスS2内の 物質
Bの二次元イメージと上記測定2で得られたスライスS
2内の 物質Bの二次元イメージとを繋ぎ合わせることに
より、上記二枚のスライス毎に、二種類の化学シフト画
像あるいは上記二種類の化学シフト画像の和から得られ
る原子核密度画像がスライスずれを生じることなく得ら
れる。また、上記測定1で得られたスライスS1内の 物
質Aの二次元イメージと上記測定2で得られたスライス
2内の 物質Aの二次元イメージとを足し合わせ、ま
た、上記測定1で得られたスライスS2内の 物質Bの二
次元イメージと上記測定2で得られたスライスS1内の
物質Bの二次元イメージとを足し合わせることにより、
励起されたスライス全体についての二種類の化学シフト
画像、あるいは、上記二種類の化学シフト画像の和から
得られる原子核密度画像が、スライスずれを生じること
なく得られる。
【0020】なお、測定1および測定2では、選択励起
される核スピンが異なるので、両測定の測定間隔を、測
定対象とする原子核スピンの縦緩和時間に比べて十分短
い時間にすることができる。従って、全体の計測時間を
増加させることなく測定が行える。また、上記実施例に
おいて、特開平4-357935号「磁気共鳴診断装置における
二倍スライス撮影方法」に記載された高周波パルス波形
を用い、本発明の磁気共鳴イメージング方法を用いて磁
気共鳴信号を繰り返し計測する際に、同じエンコード用
傾斜磁場での計測を繰り返し、複数回の信号積算を行
い、奇数回目の計測では前記高周波パルスの波形にCO
S成分を中心としたフーリエ成分を持つものを用い、偶
数回目の測定にはSIN成分を中心としたフーリエ成分
を持つものを用いて被検体を励起させることができる。
図11は、励起に用いる上記高周波パルスの波形および
励起される領域を複素平面上で示したものである。奇数
回目の計測で得られる磁気共鳴信号には、物質Aに関し
ては、異なる2枚のスライス(スライスS3およびスライ
スS4)から発生する同じ位相の信号の和が含まれ、ま
た、物質Bに関しては、上とは異なる2枚のスライス
(スライスS1およびスライスS2)から発生する同じ位相
の信号の和が含まれる。
【0021】偶数回目の計測で得られる磁気共鳴信号に
は、物質Aに関しては、前述の異なる2枚のスライス
(スライスS3およびスライスS4)から発生する互いに1
80°位相の異なる信号の和が含まれ、物質Bに関して
は、前述の上とは異なる2枚のスライス(スライスS1
よびスライスS2)から発生する互いに180°位相の異
なる信号の和が含まれる。得られた二種類の信号に対し
て、複素数領域での加減算を行うことにより、各物質毎
に、異なる二枚のスライスからの信号に分離できる。全
計測に対して、同様の操作を行うことにより、最終的に
器計四枚のスライスについて、二種類の化学シフト画像
あるいは上記二種類の化学シフト画像の和から得られる
原子鼓密度画像がスライスずれを生じることなく得られ
るようにすることができる。また、下記(1),(2),
(3)に記載された二倍スライス撮影法を用いることによ
っても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0022】(1)エイチ ピー ハフネル,マグネティッ
ク レゾナンス イン メディスン,13巻(1990),279頁(H.
P.Hafner,Magnetic Resonance in Medicine,vo
l.13(1990),pp.279) (2)ジイ エイチ グロウバア,「ポンプ イメージング :
ア ニュー ハイ エフィシェンシイ テクニック」、ソサ
イアティ オブ マグネティック レゾナンス インメディ
スン、第7回大会予稿集、第1巻(1988),241頁 (G.H.
Glover,”POMP imaging : A new high efficienc
y technique”,Society of Magnetic Resonance in
Medicine,Seventh Annual Meeting and Exhibiti
on vol.1(1988),pp.241)、 (3)エイ エイ モウズリィ,ジャーナル オブ マグネテ
ィック レゾナンス,41巻(1980),112頁(A.A.Maudsl
y,Journal of Magnetic Resonance,vol.41(198
0),pp.112) なお、上記実施例は本発明の一例を示したものであり、
本発明はこれに限定されるべきものではないことは言う
までもないことである。
【0023】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、複数の化学シフトを有する原子核を含む被検体に
対して、測定時間を増加させることなく、スライスずれ
の補正された正確な原子核密度画像あるいは化学シフト
画像が得られる磁気共鳴イメージング方法を実現できる
という顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置
の構成図である。
【図2】実施例に係る3D−CSI法のパルスシーケン
スを示す図である。
【図3】三種類の原子核スピンを含む磁気共鳴スペクト
ルの例を示す図である。
【図4】図3に示す磁気共鳴スペクトルについての、従
来法で選択励起される領域を示す図である。
【図5】図3に示す磁気共鳴スペクトルについての、本
発明に係る磁気共鳴イメージング方法で選択励起される
領域を示す図である。
【図6】実施例に係る各測定の測定間隔を示すシーケン
ス図である。
【図7】ディクソン法のパルスシーケンス(測定1)を示
す図である。
【図8】ディクソン法のパルスシーケンス(測定2)を示
す図である。
【図9】二種類の原子核スピンを含む磁気共鳴スペクト
ルの例を示す図である。
【図10】図9に示す磁気共鳴スペクトルについての、
本発明に係る磁気共鳴イメージング方法で選択励起され
る領域を示す図である。
【図11】二倍スライス撮影法を適用した場合におけ
る、高周波パルス波形および励起される領域を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:被検体、2:静磁場発生マグネット、3:傾斜磁場
発生コイル、4:プローブ、5:計算機、6:ディスプ
レイ、7:傾斜磁場発生コイル3の駆動用電源部、8:
送信器、9:受信器、10:シーケンス制御装置、R
F:高周波磁場、RF1:90°パルス、RF2:180
°パルス、Gs:スライス選択用傾斜磁場、Gs1:9
0°スライス磁場、Gs2:180°スライス磁場、G
1':スライス位相戻し磁場、Ge1,Ge2:位相エン
コード用傾斜磁場、Sig.:磁気共鳴エコー信号、T
e:エコー時間、Tr:測定繰り返し時間、H:磁場強
度、Z:z軸方向の位置座標、Zs:選択スライス幅、
0:観測対象とするスライス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 悦治 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の化学シフトを有する原子核を含む
    被検体を静磁場中に配置し、スライス選択用の傾斜磁場
    を印加するとともに高周波パルスを照射して磁気共鳴現
    象を生じさせ、前記被検体内から発生する磁気共鳴信号
    を検出し、該磁気共鳴信号を用いて原子核密度画像ある
    いは化学シフト画像を得る磁気共鳴イメージング方法に
    おいて、前記高周波パルスの周波数帯域を、分離対象と
    するn種類の化学シフトのうち、最も近接している二種
    類の化学シフトの周波数差以下に設定するとともに、前
    記高周波パルスの中心周波数を各化学シフトを有する原
    子核の共鳴周波数に設定して、前記被検体を励起した
    後、エンコード用の傾斜磁場を変化させて、合計n枚の
    化学シフト画像を得るために磁気共鳴信号を繰返し計測
    し、計測された磁気共鳴信号に画像再構成処理を施し、
    得られた化学シフト画像のうち、対応する共鳴周波数が
    前記高周波パルスの中心周波数を中心とする前記周波数
    帯域内に相当する画像データのみを抽出し、該抽出され
    た画像データを化学シフト軸方向に繋ぎ合わせて、n種
    類の化学シフト画像あるいは該n種類の化学シフト画像
    の少なくとも一部を積算した原子核密度画像を構成する
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
  2. 【請求項2】 二種類の異なる化学シフトを有する原子
    核を含む被検体を静磁場中に配置し、スライス選択用の
    傾斜磁場を印加するとともに高周波パルスを照射して磁
    気共鳴現象を生じさせ、前記被検体内から発生する磁気
    共鳴信号を検出し、該磁気共鳴信号を用いて原子核密度
    画像あるいは化学シフト画像を得る磁気共鳴イメージン
    グ方法において、前記高周波パルスの周波数帯域を、分
    離対象とする二種類の化学シフトの周波数差に設定する
    とともに、前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類
    の原子核のうちの一方の原子核(原子核1)の共鳴周波数
    に設定して、前記被検体を励起した後、エンコード用の
    傾斜磁場を変化させて、一枚目の化学シフト画像を取得
    するために磁気共鳴信号を繰返し計測し、続いて前記ス
    ライス選択用の傾斜磁場を勾配反転させて印加し、か
    つ、前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子
    核のうちの他方の原子核(原子核2)の共鳴周波数に設定
    して、前記被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁
    場を変化させて、二枚目の化学シフト画像を得るために
    磁気共鳴信号計測を繰返し行い、該二回の化学シフト画
    像計測により得られた磁気共鳴信号に画像再構成処理を
    施し、前記二回の化学シフト画像計測で得られた画像デ
    ータを、対応する共鳴周波数が前記原子核1の共鳴周波
    数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯域内に相当
    する画像データと、対応する共鳴周波数が前記原子核2
    の共鳴周波数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯
    域内に相当する画像データとに分離して、合計四通りの
    画像データに分離し、前記一回目の化学シフト画像計測
    で得られた前記原子核1の共鳴周波数に対応する画像デ
    ータと、前記二回目の化学シフト画像計測で得られた前
    記原子核2の共鳴周波数に対応する画像データとを繋ぎ
    合わせ、また、前記一回目の化学シフト画像計測で得ら
    れた前記原子核2の共鳴周波数に対応する画像データ
    と、前記二回目の化学シフト画像計測で得られた前記原
    子核1の共鳴周波数に対応する画像データとを繋ぎ合わ
    せることにより、隣接する二枚の異なるスライスそれぞ
    れについての二種類の化学シフト画像あるいは該二種類
    の化学シフト画像の和から得られる原子核密度画像を構
    成することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
  3. 【請求項3】 二種類の異なる化学シフトを有する原子
    核を含む被検体を静磁場中に配置し、スライス選択用の
    傾斜磁場を印加するとともに高周波パルスを照射して磁
    気共鳴現象を生じさせ、前記被検体内から発生する磁気
    共鳴信号を検出し、該磁気共鳴信号を用いて原子核密度
    画像あるいは化学シフト画像を得る磁気共鳴イメージン
    グ方法において、前記高周波パルスの周波数帯域を、分
    離対象とする二種類の化学シフトの周波数差に設定する
    とともに、前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類
    の原子核のうちの一方の原子核(原子核1)の共鳴周波数
    に設定して、前記被検体を励起した後、エンコード用の
    傾斜磁場を変化させて、一枚目の化学シフト画像を取得
    するために磁気共鳴信号を繰返し計測し、続いて前記ス
    ライス選択用の傾斜磁場を勾配反転させて印加し、か
    つ、前記高周波パルスの中心周波数を前記二種類の原子
    核のうちの他方の原子核(原子核2)の共鳴周波数に設定
    して、前記被検体を励起した後、エンコード用の傾斜磁
    場を変化させて、二枚目の化学シフト画像を得るために
    磁気共鳴信号計測を繰返し行い、該二回の化学シフト画
    像計測により得られた磁気共鳴信号に画像再構成処理を
    施し、前記二回の化学シフト画像計測で得られた画像デ
    ータを、対応する共鳴周波数が前記原子核1の共鳴周波
    数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯域内に相当
    する画像データと、対応する共鳴周波数が前記原子核2
    の共鳴周波数を中心とする前記高周波パルスの周波数帯
    域内に相当する画像データとに分離して、合計四通りの
    画像データに分離し、前記一回目の化学シフト画像計測
    で得られた前記原子核1の共鳴周波数に対応する画像デ
    ータと、前記二回目の化学シフト画像計測で得られた前
    記原子核1の共鳴周波数に対応する画像データとを足し
    合わせ、また、前記一回目の化学シフト画像計測で得ら
    れた前記原子核2の共鳴周波数に対応する画像データ
    と、前記二回目の化学シフト画像計測で得られた前記原
    子核2の共鳴周波数に対応する画像データとを足し合わ
    せることにより、励起されたスライス全体についての二
    種類の化学シフト画像あるいは該二種類の化学シフト画
    像の和から得られる原子核密度画像を構成することを特
    徴とする磁気共鳴イメージング方法。
  4. 【請求項4】 磁気共鳴信号を繰り返し計測する際に、
    同じエンコード用傾斜磁場での計測を繰り返し、複数回
    の信号積算を行い、奇数回目の計測では前記高周波パル
    スの波形にCOS成分を中心としたフーリエ成分を持つ
    ものを用いて被検体を励起させて磁気共鳴信号を得、偶
    数回目の計測ではSIN成分を中心としたフーリエ成分
    を持つものを用いて被検体を励起させて磁気共鳴信号を
    得、得られた二種類の磁気共鳴信号に対して複素領域で
    加減算を行うことにより、各物質毎に、異なる二枚のス
    ライスからの信号に分離し、全計測に対して同様の操作
    を行うことにより、最終的に合計四枚のスライスについ
    ての二種類の化学シフト画像あるいは前記二種類の化学
    シフト画像の和から得られる原子核密度画像を構成する
    ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の
    磁気共鳴イメージング方法。
  5. 【請求項5】 前記合計n回の化学シフト計測を実行す
    る前に、プレスキャン、すなわち、本測定を行う以前に
    エンコード用の傾斜磁場を排除したパルスシーケンスを
    用いた測定により、前記被検体内に含まれる化学シフト
    スペクトルを予め計測しておくことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング方法。
  6. 【請求項6】 前記合計n回の化学シフトイメージング
    計測の繰り返し時間を、測定対象とする原子核スピンの
    縦緩和時間に比べて十分短い時間とすることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の磁気共鳴イメージン
    グ方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013027964A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for simultaneously generating multi-type magnetic resonance images
CN108387856A (zh) * 2018-02-22 2018-08-10 奥泰医疗系统有限责任公司 一种磁共振中心频率和射频功率校正扫描序列及方法

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WO2013027964A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for simultaneously generating multi-type magnetic resonance images
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WO2019161587A1 (zh) * 2018-02-22 2019-08-29 奥泰医疗系统有限责任公司 一种磁共振中心频率和射频功率校正扫描序列及方法

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