JPH07238935A - 焼結含油軸受 - Google Patents

焼結含油軸受

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JPH07238935A
JPH07238935A JP3063394A JP3063394A JPH07238935A JP H07238935 A JPH07238935 A JP H07238935A JP 3063394 A JP3063394 A JP 3063394A JP 3063394 A JP3063394 A JP 3063394A JP H07238935 A JPH07238935 A JP H07238935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
sealing layer
oil
metal powder
sintered oil
Prior art date
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Pending
Application number
JP3063394A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Kanezaki
昇 兼崎
Masatoshi Kumakura
正敏 熊倉
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結含油軸受に係り、軸受特性を変化させる
ことなく、潤滑油の揮発あるいは流出の防止を図る。 【構成】 回転軸2に外嵌状態に配される円筒内面1a
を有し、その軸線1b方向の両端面に、少なくとも面取
り幅の厚さ寸法で軸受材料より硬度の低い金属粉を焼結
してなる密閉層3を設けることにより、目潰し処理によ
って密閉層3の気孔を押し潰し、軸受材料内に保有され
ている潤滑油が焼結含油軸受1の両端面から流出等する
ことを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結含油軸受に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質状の焼結合金により成形され潤滑
油を含浸させて使用される焼結含油軸受は、無給油で長
時間使用することができ、高温での耐久性に優れ、低騒
音であることから、ボールベアリングに代わる回転軸の
軸受として広く利用されている。
【0003】このような焼結含油軸受は、単一の軸受材
料よりなる多孔質状の焼結合金により円筒状に成形され
ているとともに、その内部に形成されている気孔内に含
浸させた潤滑油を保持することにより、回転軸との間に
油膜を形成して、長期に亙り潤滑状態を維持することが
できるようになっている。
【0004】軸受材料としては、種々のものが考えられ
ているが、一般に、Fe系およびCu系のものが広く使
用されている。前記Fe系の軸受材料は、Cu系の軸受
材料と比較して硬く、軸に対するなじみ性が悪いととも
に、耐食性が劣るが、機械的強度が高いことから高荷重
に耐え、しかも原料粉が安価であること等の利点があ
る。
【0005】また、前記Cu系の軸受材料は、低ノイズ
特性に優れるとともになじみ特性が高く、高いすべり速
度を確保することができる等の利点を有する反面、上記
Fe系の軸受材料と比較して、耐荷重性能が低いという
特性を有する。
【0006】したがって、Fe系の軸受材料は、一般
に、高荷重低速度用の軸受に使用され、Cu系の軸受材
料は、低荷重高速度用の軸受に使用される。また、この
他に、アルミニウム系、金属−合成樹脂系等の複合材料
を使用した軸受も考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる焼結
含油軸受は、軸受材料として使用される金属粉は、潤滑
油を保持する気孔を大きく確保する必要性から、平均粒
径75〜150μm程度とされる。しかしながら、気孔
が大きくなると、潤滑油の保有量が多くなる反面、その
気孔を通して、揮発あるいは流出する潤滑油量も多くな
るという難点がある。特に、焼結含油軸受が円筒状に形
成されている場合には、内周面および外周面は、回転軸
およびケーシング等によって閉塞状態とされるが、両端
面は開放状態とされるため、該端面から揮発・流出する
潤滑油量を防止することができない。その結果、潤滑油
が失われた場合には、焼結含油軸受の軸受性能の低下、
焼き付け等の不都合が発生することが考えられる。
【0008】かかる不都合を防止するためには、例え
ば、切れの悪いバイトやローラ等によって、両端面の軸
受材料を押し潰すことにより気孔を塞ぐ目潰し処理がな
される。しかし、軸受材料によっては、例えば、その硬
度が高い等の理由により、上記目潰し処理によっても気
孔の閉塞を確実に実施することが困難な場合がある。こ
のような場合に、軸受材料の硬度を低下させると、軸受
特性に影響を与えることとなり不都合である。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、軸受特性を変化させることなく、潤滑油
の揮発・流出を防止することができる焼結含油軸受を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の手段は、回転軸に外嵌状態に配され
る円筒内面を有し、その軸線方向に沿う両端面に、軸受
材料より硬度の低い金属粉を焼結してなる密閉層を設け
た焼結含油軸受を提案している。
【0011】また、本発明の第2の手段は、回転軸に外
嵌状態に配される円筒内面を有し、その軸線方向に沿う
両端面に、軸受材料より延性の高い金属粉を焼結してな
る密閉層を設けた焼結含油軸受を提案している。
【0012】さらに、上記焼結含油軸受においては、密
閉層が、面取り幅以下の厚さ寸法に形成されている構成
とすれば効果的である。
【0013】
【作用】本発明の第1の手段に係る焼結含油軸受によれ
ば、両端面に軸受材料より硬度の低い金属粉を焼結して
なる密閉層を設けたので、ローラ等によって目潰し処理
がなされると、密閉層を構成する金属粉が軸受材料を目
潰しするよりも容易に潰されて、金属粉間の気孔が潰さ
れることになる。
【0014】また、本発明の第2の手段に係る焼結含油
軸受によれば、両端面に軸受材料より延性の高い金属粉
を焼結してなる密閉層を設けたので、焼結後に目潰し処
理が実施されると、密閉層を構成する金属粉が扱かれる
ことにより、軸受材料よりも容易に伸ばされて、金属粉
間の気孔が閉塞されることになる。
【0015】さらに、上記密閉層を面取り幅以下の寸法
に形成することとすれば、面取りによって密閉層が回転
軸に接触しないように配されるので、軸受特性を変化さ
せないように維持することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る焼結含油軸受1の一実施
例について図1ないし図3を参照して説明する。本実施
例の焼結含油軸受1は、図1に示すように、回転軸2に
外嵌される円筒内面1aを有する円筒状に形成されてお
り、その軸線1b方向の両端面に、密閉層3を具備して
いる。
【0017】この焼結含油軸受1は、例えば、高荷重低
速度の用途に使用されるFe系の軸受材料よりなり、そ
の平均粒径は50ないし150μmである。これによ
り、軸受材料の粒の間には、充分な気孔が形成され、該
気孔内に、充分な量の潤滑油が保持されるようになって
いる。また、密閉層3は、前記軸受材料よりも硬度の低
い材料、例えば、Cu等の金属粉を焼結することによっ
て成形され、その平均粒系は、前記軸受材料と同程度で
ある。
【0018】このような焼結含油軸受1は、例えば、図
2の方法により成形される。すなわち、水平に配される
ダイ4の上下に貫通する孔5を、下部に配される下パン
チ6によって閉塞状態とする。下パンチ6には、前記孔
5の半径方向内方に間隔を開けて配されるロッド部7が
設けられている。これにより、該ロッド部7と孔5の内
面との間に円筒状の空間8が形成されるようになってい
る。
【0019】この状態で、まず、(a)焼結含油軸受1
の一端に配される密閉層3を成形するための金属粉Aを
所定厚さとなるように充填し、次いで、(b)軸受材料
よりなる金属粉Bを所定厚さとなるように充填し、さら
に、(c)焼結含油軸受1の他端側に配される密閉層3
を成形するための上記と同様の金属粉Aを充填した後
に、(d)ダイ4の上方に配した上パンチ9を下降させ
て、上記金属粉A、Bを圧縮する。これにより、両端に
密閉層3となる金属粉Aの層を有する焼結含油軸受1の
圧粉体が成形される。
【0020】そして、焼結炉に投入して焼結された後
に、密閉層3には、例えば、押圧ローラ(図示略)等に
よって、目潰し処理が行われることにより、密閉層3の
外面近傍の金属粉が、図3に示すように塑性変形させら
れ、金属粉間に形成されていた気孔が押し潰されるよう
にして、焼結含油軸受1の端面が閉塞されることにな
る。この場合に、前記密閉層3は、軸受材料よりも硬度
の低い材料により構成されているので、目潰し処理によ
って、軸受材料よりも容易に押し潰される。
【0021】しかも、焼結含油軸受1の軸線1b方向両
端の内外周に形成されるエッジ部10には、通常、焼結
後における切削加工等によって、面取りが実施される。
この面取り寸法は、例えば、C0.1ないしC1程度で
あって、焼結含油軸受1のエッジ部10におけるバリの
排除あるいは回転軸2の挿入容易性の向上等を図る目的
で適宜設定される。
【0022】この場合に、本実施例の焼結含油軸受1で
は、前記密閉層3が、上記面取りの幅寸法と同等の厚さ
寸法に形成されているので、焼結含油軸受1の両端のエ
ッジ部10においても、その部分の面取りによって前記
密閉層3が失われず、目潰し処理によって気孔を閉塞す
ることができる。
【0023】このように、本実施例の焼結含油軸受1
は、両端面に、軸受材料よりも硬度の低い金属粉を焼結
してなる密閉層3を有しているので、目潰し処理によっ
て両端面を容易に閉塞することができる。したがって、
軸受材料内に保有されている潤滑油は、密閉層3によっ
て両端面から揮発あるいは流出しないように保持するこ
とができる。
【0024】しかも、密閉層3は、面取りの幅寸法と同
等の厚さ寸法に形成されているので、面取りが行われる
ことによっても当該面取り部分に残存することになる。
したがって、当該面取り部分における潤滑油の流出防止
を図ることができる。また、当該部分の密閉層3は、面
取りによって回転軸2に接触しないように配されること
となるので、焼結含油軸受1の軸受特性は、単一の軸受
材料によって成形した場合と同一のものとすることがで
きる。
【0025】なお、本実施例においては、軸受材料をF
e系のものとしたが、これに代えて、他の任意の軸受材
料を採用することとしてもよい。また、この軸受材料お
よび密閉層3を構成する金属粉の粒度は任意でよい。ま
た、本実施例では、密閉層3を構成する金属粉を軸受材
料よりも硬度の低い材料としたが、これに代えて、軸受
材料よりも延性の高い材料としてもよい。この場合に
は、例えば、切れの悪いバイトやローラ等によって扱く
ように金属粉を押し潰す場合に、特に有効に気孔を閉塞
することができる。
【0026】また、本実施例では、密閉層3の厚さ寸法
を面取りの幅寸法と同等の寸法に設定したが、厳密にこ
の寸法に限定されるものではなく、少なくとも、面取り
がなされる部分において面取りの幅寸法以上の厚さに成
形されていればよい。すなわち、焼結含油軸受1の半径
方向の中間位置近傍においては、潤滑油の密封性を維持
できる範囲内において、その厚さ寸法を任意に設定する
ことができる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る焼結
含油軸受は、回転軸に外嵌状態に配される円筒内面を有
し、その軸線方向に沿う両端面に、軸受材料より硬度の
低い金属粉を焼結してなる密閉層を設けたので、当該密
閉層に目潰し処理を施すことによって、金属粉が容易に
変形させられ、気孔を押し潰して、軸受材料内に保有さ
れている潤滑油の両端面からの揮発あるいは流出が回避
することができる。その結果、長期間に亙って良好な潤
滑状態を維持することができるという効果を奏する。
【0028】また、密閉層を軸受材料よりも延性の高い
材料としても、上記と同様にして、両端を容易に閉塞し
得る焼結含油軸受を構成することができる。
【0029】また、密閉層を面取り幅以下の厚さ寸法で
成形することとすれば、面取りによって密閉層が回転軸
に接触しないように形成されるので、単一の軸受材料の
みで成形した場合の軸受特性と同一の軸受特性を有する
焼結含油軸受を構成することができる。つまり、軸受特
性を変化させることなく、潤滑油の流出防止効果を付加
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼結含油軸受の一実施例を示す縦
断面図である。
【図2】図1の焼結含油軸受の成形方法を説明するため
の図である。
【図3】図1の焼結含油軸受の面取り部分における密閉
層を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 焼結含油軸受 1a 円筒内面 1b 軸線 2 回転軸 3 密閉層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の手段は、回転軸に外嵌状態に配され
る円筒内面を有し、その軸線方向両端面に、軸受材料
より硬度の低い金属粉を焼結してなる密閉層を設けた焼
結含油軸受を提案している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、本発明の第2の手段は、回転軸に外
嵌状態に配される円筒内面を有し、その軸線方向両端
面に、軸受材料より延性の高い金属粉を焼結してなる密
閉層を設けた焼結含油軸受を提案している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る焼結
含油軸受は、回転軸に外嵌状態に配される円筒内面を有
し、その軸線方向両端面に、軸受材料より硬度の低い
金属粉を焼結してなる密閉層を設けたので、当該密閉層
に目潰し処理を施すことによって、金属粉が容易に変形
させられ、気孔を押し潰して、軸受材料内に保有されて
いる潤滑油の両端面からの揮発あるいは流出が回避する
ことができる。その結果、長期間に亙って良好な潤滑状
態を維持することができるという効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に外嵌状態に配される円筒内面を
    有し、その軸線方向に沿う両端面に、軸受材料より硬度
    の低い金属粉を焼結してなる密閉層を設けたことを特徴
    とする焼結含油軸受。
  2. 【請求項2】 回転軸に外嵌状態に配される円筒内面を
    有し、その軸線方向に沿う両端面に、軸受材料より延性
    の高い金属粉を焼結してなる密閉層を設けたことを特徴
    とする焼結含油軸受。
  3. 【請求項3】 密閉層が、面取り幅以下の厚さ寸法に形
    成されていることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の焼結含油軸受。
JP3063394A 1994-02-28 1994-02-28 焼結含油軸受 Pending JPH07238935A (ja)

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JP3063394A JPH07238935A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 焼結含油軸受

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JP3063394A JPH07238935A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 焼結含油軸受

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JPH07238935A true JPH07238935A (ja) 1995-09-12

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JP3063394A Pending JPH07238935A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 焼結含油軸受

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010918