JPH07238650A - 壁用パネル - Google Patents

壁用パネル

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JPH07238650A
JPH07238650A JP6030405A JP3040594A JPH07238650A JP H07238650 A JPH07238650 A JP H07238650A JP 6030405 A JP6030405 A JP 6030405A JP 3040594 A JP3040594 A JP 3040594A JP H07238650 A JPH07238650 A JP H07238650A
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JP
Japan
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wall
wall material
panel body
base
convex portion
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JP6030405A
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English (en)
Inventor
Toshiro Fujiwara
原 俊 郎 藤
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TOHOKU SHIZAI KOGYO KK
Original Assignee
TOHOKU SHIZAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 左官工事のための下地を取付けることなく、
断熱性能に優れ、かつ腐蝕することのないパネル本体の
外面に直接セメントモルタルやプラスター等を塗り付け
ることによって、断熱構造の壁を容易かつ迅速に構築す
ることができるようにする。 【構成】 樹脂発泡体からなるパネル本体10の表面
に、平坦な壁材塗布面11を形成するとともに、この壁
材塗布面11に、下方に向かって徐々に肉厚内方に傾斜
して壁材を保持する多数の下地溝12を該塗布面11の
ほぼ全域に亘って形成し、これによって、パネル本体1
0自体に高い断熱性能を持たせるとともに、下地溝12
の内部に壁材塗布面11に塗布した壁材の一部を入り込
ませて、壁材をパネル本体10自体で確実に保持して壁
を構築するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば建築物の外壁を
構築するのに使用して最適な壁用パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば建築物の外壁において、外
装材(壁材)としてセメントモルタルやプラスター等の
塗布材を使用した場合、ひび割れ、剥離、むら等の発生
を防止するために、左官工事のための下地を取付けた
後、壁材(塗布材)を塗り付ける必要があった。
【0003】即ち、図19に示すように、土台(図示せ
ず)上に立設した複数の柱1の室外側に、下地板2を一
面に張設し、必要に応じてアスファルトフェルト3で前
記下地板2の表面を覆った後、この表面にワイヤラス4
あるいはメタルラス(図示せず)を取付け、しかる後、
このワイヤラス4(あるいはメタルラス)を下地として
この表面に壁材としてのセメントモルタル5を塗布した
り、図20に示すように、複数の柱1間に胴縁6を掛け
渡し、この胴縁6を介してラスボード7を取付け、しか
る後、このラスボード7を下地としてこの表面に壁材と
してのプラスター8を塗布することが広く行われてい
た。
【0004】ここに、前記ワイヤラスは、例えば、直径
0.9mm(♯20)〜2.0mm(♯14)の亜鉛メ
ッキ鋼線または鋼線を網状に編んだものであり、メタル
ラスは、薄鋼板に切れ目を入れ引き伸ばして製造したも
のである。
【0005】また、ラスボードは、石膏を原料とした半
水石膏に適量の混和材料及び水を加えてペースト状に練
り混ぜ、その両面を原紙を用いて被覆し、必要に応じて
その表面に凹みを付けたものである。
【0006】その他、亜鉛鉄板を角波状に加工した面に
前記メタルラスを溶接したラスシートを下地として使用
することも一般に行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、モルタルコンクリートやプラスター等
の壁材(塗布材)を塗布して壁を構築する際に、予め各
種ラス等の下地を取付けておく必要があるため、この作
業がかなり面倒であるばかりでなく、その施工にもかな
りの時間を要し、しかも下地の移動や腐蝕等に伴って、
壁材にクラックが発生してしまうことがあった。
【0008】更に、ここで使用されている下地は、モル
タルコンクリート等を付着させて保持するといった機能
を有するものの、断熱性能は殆どなく、このため、建物
全体を断熱材で覆った断熱構造とする時には、断熱材を
別途用意して、これを建屋全体を包囲する如く壁の内部
あるいは周囲に取付ける必要があるといった問題点があ
った。
【0009】本発明は上記に鑑み、左官工事のための下
地を取付けることなく、断熱性能に優れ、かつ腐蝕する
ことのないパネル本体の外面に直接セメントモルタルや
プラスター等を塗り付けることによって、断熱構造の壁
を容易かつ迅速に構築することができるようにしたもの
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る壁用パネルは、樹脂発泡体からなるパ
ネル本体の表面に、平坦な壁材塗布面を形成するととも
に、この壁材塗布面に、下方に向かって徐々に肉厚内方
に傾斜して壁材を保持する多数の下地溝を該塗布面のほ
ぼ全域に亘って形成したことを特徴とするものである。
【0011】ここに、前記下地溝を、上方に開口した形
状に形成するとともに、この下地溝の周壁面と前記壁材
塗布面のなす平面とが互いに鋭角に交わるようにした
り、前記パネル本体の裏面に、全長または全幅に亘って
直線状に延びる凸状部または凹条部の少なくとも一方を
形成することもできる。
【0012】
【作用】上記のように構成した本発明によれば、樹脂発
泡体によってパネル本体を形成することにより、パネル
本体自体に高い断熱性能を持たせることができ、しかも
このパネル本体の表面の壁材塗布面にそのほぼ全域に亘
って設けた下地溝の内部に、この壁材塗布面に塗布した
壁材の一部を入り込ませることにより、施工が面倒で腐
蝕や移動の恐れのある下地を設けることなく、壁材をパ
ネル本体自体で確実に保持して壁を比較的安価に構築す
ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1乃至図3は、前記従来例と同様に、建築物の
外壁を構築するようにした第1の実施例を示すもので、
同図において、付番10は、樹脂発泡体からなる矩形平
板状のパネル本体で、このパネル本体10は、例えば土
台(図示せず)上に垂直に立設した複数の柱1(図4参
照)の室外側の一面に張設される。
【0014】ここに、前記パネル本体10を構成する樹
脂発泡体は、例えば発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタ
ン、発泡ポリ塩化ビニルまたは発泡ポリオレフィン等の
ように、合成樹脂を発泡させて形成したものであり、こ
の発泡倍率は、例えば、5〜100倍、好ましくは、2
0〜80倍、更に好ましくは、30〜70倍程度であ
る。
【0015】このように、パネル本体10を樹脂発泡体
で構成することにより、パネル本体10自体に高い断熱
性能と吸音効果を持たせるとともに、軽量化を図り、更
に腐蝕の防止とコストダウンを図ることができる。
【0016】前記パネル本体10は、前述のように、例
えば外壁を構築する際には、これを柱1の室外側に平面
状に敷き並べるのであるが、この時、室外側に位置する
片面は、壁材塗布面11となされており、この壁材塗布
面11には、そのほぼ全域に亘って多数の下地溝12が
並列的に形成されている。
【0017】前記下地溝12は、下方に向かって徐々に
肉厚内方に傾斜するテーパ面13の周囲を、肉厚方向に
立ち上がる周壁面14で上方に開口する平面略コ字状に
囲繞して構成されている。
【0018】この周壁面14は、両側の上方に向かって
徐々に拡がる側面部14aとこの側面部14aの下端を
該側面部14aに連続して繋ぐ底面部14bとからな
り、これによって、前記下地溝12は、上方が拡がった
等脚台形で下方に向かって徐々に深くなり、周壁部14
の底面部14bは、下地溝12の最も狭くかつ深い位置
で肉厚方向に立ち上がっている。
【0019】そして、パネル本体10を敷き並べた後、
この壁材塗布面11に、例えばセメントモルタル5等の
壁材を塗布して壁を構築するのであるが、この時、この
セメントモルタル5の一部が、前記下地溝12の内部に
入り込んで下方に流れ出さないように保持され、これに
よって左官のための下地を別途取付けることなく、セメ
ントモルタル5の塗布作業ができるようになっている。
【0020】この下地溝12によるセメントモルタル5
の保持を確実ならしめるため、この下地溝12の周壁面
14と壁材塗布面11のなす平面とが互い鋭角に交わる
よう構成されている。
【0021】即ち、図2及び図3に示すように、周壁面
14の底面部14bと壁材塗布面11とのなす角α、及
び周壁面14の側面部14aと壁材塗布面11とのなす
角βは、それぞれ約70°(α=β=70°)に設定さ
れており、これによって、この下地溝12の周囲にポケ
ット状の溝部が形成されている。
【0022】これによって、パネル本体10の壁材塗布
面11に塗布されたセメントモルタル5は、前記下地溝
12の周囲に形成されたポケット状の溝部内にこの上方
から容易に流入し、しかも周壁面14によってここから
の脱出が防止されるようになっている。
【0023】なお、これらの角度α,βは、好ましく
は、約30°〜90°程度であり、45°〜85°程度
が特に好ましい。上記パネル本体10は、例えば型内成
型や、下地溝12の形状に沿った外形を有する焼き鏝等
を使用した後加工、更には、切削加工等によって形成す
ることができる。
【0024】この実地例によれば、図4に示すように、
土台(図示せず)上に立設した柱1の室内側に、パネル
本体10を平面状に敷き並べ、この作業が終了したら直
ちにこの室内側の壁材塗布面11に、セメントモルタル
5等の壁材を塗布することによって、壁を構築すること
ができる。
【0025】これによって、左官のための下地を取付け
る作業を不要となし、しかも樹脂発泡体からなるパネル
本体自体10が高い断熱性能を有するため、断熱構造の
壁を迅速に、かつ容易かつ安価に構築することがでる。
【0026】更に、樹脂発泡体は、腐蝕性を有していな
いため、このパネル本体10が腐蝕してしまうことがな
く、またパネル本体10を突合わせつつ配置することに
よって、この移動を確実に阻止して、パネル本体10の
腐蝕や移動に伴うクラックの発生を確実に防止すること
ができる。
【0027】なお、上記実施例は、下地溝12として、
その周壁面14と壁材塗布面11とが互いに鋭角に交わ
るようにした例を示しているが、図5(a)に示すよう
に、周壁面14の底面部14bを水平面とするととも
に、その表面側端部に上方への突起14cを設けたり、
同図(b)に示すように、水平面とした底面部14bの
途中に凹部14dを設け、これらの突起14cや凹部1
4dによって、セメントモルタル等の壁材が下方に流れ
出さないようにすることもできる。
【0028】また、下地溝12の形状は、図6(a)に
示すように、側面部14aがほぼ垂直に立ち上がった矩
形状にしたり、同図(b)に示すように、側面部14a
同士が下端で交わる三角形状にしたり、同図(c)に示
すように、底面部14bを円弧状にしたり、同図(d)
に示すように、底面部14bを、パネル本体10のほぼ
全長に亘って直線状に延ばしたり、更に、図示しない
が、全体を半円状に形成する等、任意の形状に形成する
ことができる。
【0029】更に、前記実施例においては、下地溝12
を、並列的に、即ち縦及び横方向に等間隔に配置してい
るが、千鳥状に配置したり、ランダムに配置しても良い
ことは勿論である。
【0030】これらのことは、以下の各実施例において
も同様である。上記実施例は、パネル本体10として、
例えば、高さh1 が約300mm、長さl1 が約900
mm、厚さtが約35mmのものを示しているが、図7
に示す第2の実施例のように、幅h2 ×長さl2 が90
0mm×1800mmのいわゆる3×6板や、2×6
(600mm×1800mm)板等の大型パネルや任意
の大きさに設定したり、断熱性能に合わせて厚さも任意
に設定することもできる。
【0031】この実施例は、パネル本体10aの裏面側
に上下方向のほぼ全長に亘って延びる凸状部15と凹状
部16とを設け、ここに現場打ちコンクリート(図示せ
ず)を打設した時に、このコンクリートとパネル本体1
0aとの結合が確実なものとなるようにしている。即
ち、凸状部15は、このパネル裏面側に打設されたコン
クリートの内部に埋設され、更にこの打設されたコンク
リートが凹状部16内に入り込むようになっている。
【0032】更に、前記凸状部15は、リブとしての役
割を果たして、パネル本体10aを補強し、凹状部16
は、この内部に配筋を施すことによって、パネル本体1
0aのコンクリートとの結合が更に確実なものとなるよ
うになっているが、これらの内の一方または双方を省略
しても良いことは勿論である。
【0033】なお、前記第1の実施例及び第2の実施例
に示したパネル本体は、通常の工法による断熱コンクリ
ート構造に使用できることは勿論である。図8乃至図1
4は、第3の実施例を示すもので、この実施例は、前記
第1の実施例におけるパネル本体10をその壁材塗布面
11を外側に向けて互いに対峙して略平行に配置すると
ともに、これらのパネル本体10をその対向面で複数の
リブ部21を介して樹脂発泡体で一体に連結して型枠ブ
ロック20を構成したものである。
【0034】前記リブ部21は、所定のピッチp1 で配
置されて、互いに隣接するリブ部21間に上下方向に連
通する中空部22が形成されているとともに、最外方に
位置する両リブ部21は、パネル本体10の端面から前
記ピッチp1 の半分の距離a(=p1 /2)だけ内方に
配置され、これによって2個の型枠ブロック20を左右
方向に突き合わせて配列した時、図9に示すように、互
いに隣接する型枠ブロック20間にも中空部22が形成
されるようになっている。
【0035】更に、前記リブ部21は、その高さH2
パネル本体10の高さH1 よりも低く(H2 <H1)設
定されているとともに、該パネル本体10の高さ方向中
央に配置され、これによって、型枠ブロック20のリブ
部21の上方及び下方に横方向に連通する空間23がで
きるよう構成されている。
【0036】前記中空部22は、信号分配のためのEP
S(電気配管配線スペース)、空調ダクトのためのDS
(ダクトスペース)及び給排水管路のためのPS(配管
スペース)等として利用するとともに、図11乃至図1
3に示すように、この内部に上下方向に延びる縦筋24
を挿通させるためのものである。
【0037】また、前記空間23は、前記中空部22を
互いに連通させるとともに、この内部に横方向に延びる
横筋25を挿通させるためのものであるが、本実施例の
ように、リブ部21の上下両端面に所定のピッチで複数
の凹溝21aを設け、この凹溝21a内を横筋25が挿
通するようにすることもできる。
【0038】即ち、型枠ブロック20を上下左右方向に
順次平面状に積み上げて建築物の壁を構築する時、これ
を補強するための縦筋24が前記上下方向に連通する中
空部22内に、横筋25が前記左右方向に連通する凹溝
21a内にそれぞれ位置し、この中空部22及び空間2
3内に現場打ちコンクリート26を打設して該コンクリ
ート26内に前記縦筋24及び横筋25を埋設するよう
になっている。
【0039】ここに、前述のように、樹脂発泡体によっ
て型枠ブロック20を構成することにより、この軽量化
を図ることができるため、この型枠ブロック20は、例
えばその長さLが約900mm、その高さH1が約28
0mm、その上端における幅T1 が約190mm、下端
における幅T2 が約200mmにそれぞれ設定されてい
る。
【0040】そして、この型枠ブロック20を上下方向
に積み重ねた時、図9に示すように、下方に位置する1
個の型枠ブロック20の上面に、上方に位置する1の型
枠ブロック20の2/3が、他の型枠ブロック20の1
/3がそれぞれ乗るようになっており、この時、前記中
空部22が上下方向に直線状に連通するようにするた
め、前記リブ部21は、合計3個設けられている。
【0041】このように積み重ねた状態で、型枠ブロッ
ク20の両面にセメントモルタル5等の塗布材を塗布す
ることによって、外壁及び内壁を構成するのであるが、
この時、前述のように、パネル本体10の壁材塗布面1
1に塗布されたセメントモルタル5等の塗布材は、下地
溝12の周囲に形成されたポケット状の溝部内にこの上
方から容易に流入し、しかも周壁面14によってここか
らの脱出が防止されるようになっている。
【0042】この実施例では、型枠ブロック20を該型
枠ブロック20自体で相互に位置決めを行いつつ積み重
ねるようにするため、前記各パネル本体10の上下両端
面には、以下の構成が備えられている。
【0043】即ち、パネル本体10の上端面には、その
長さ方向に沿って所定のピッチp2で第1の凸部30と
第2の凸部31とがその肉厚方向に2列に亘って互い違
いに、かつパネル本体10の第1の凸部30同士及び第
2の凸部31同士が互いに対峙する位置に形成されてい
る。
【0044】この各凸部30,31の長さbは全て等し
く、共に前記ピッチp2 の半分(b=p2 /2)に設定
されているとともに、外側に位置する第1の凸部30の
幅W1 の方が内側に位置する第2の凸部31の幅W2
り狭く(W1 <W2 )設定されている。更にこの凸部3
0,31の互いに向かい合う側の立上り面30a,31
a及び長さ方向両側の立上り面30b,31bは、高さ
に方向に沿って徐々に外方に拡がるテーパ面となるよう
に、即ち前記凸部30,31の長さbは上方に向かって
徐々に長くなり、且つこの幅W1 ,W2 も上方に向かっ
て徐々に厚くなるようになっている。
【0045】一方、前記パネル本体10の各下端面に
は、その長さ方向に沿って、前記上端面と同じ所定のピ
ッチp2 で、且つ同じ長さbの第1の凸部32と第2の
凸部33とがその肉厚方向に2列に亘って互い違いに形
成されている。
【0046】この外側に位置する第1の凸部32は前記
第2の凸部31と、内側に位置する第2の凸部33は前
記第1の凸部30とそれぞれ同じ形状に形成されてお
り、この凸部32,33の互いに向かい合う側の立上り
面32a,33a及び長さ方向両側の立上り面32b,
33bは、高さ方向に沿って徐々に外方に拡がるテーパ
面となるように、即ち凸部32,33の長さは下方に向
かって徐々に長くなり、且つその幅も下方に向かって徐
々に厚くなるようになっている。
【0047】また、各パネル本体10の上下両端面にお
いて、外側に位置する第1の凸部30,32同士及び内
側に位置する第2の凸部31,33同士は、互いにその
長さb(=p2 /2)分だけ位相をずらした状態に配置
されている。
【0048】これにより、図9及び図10に示すよう
に、型枠ブロック20を上下方向に積み上げた時、下方
に位置する型枠ブロック20の外側の第1の凸部30
は、上方に位置する型枠ブロック20の外側の第1の凸
部32の間に入り込むとともに、この下方に位置する凸
部30の立上り面30aが上方に位置する型枠ブロック
20の第2の凸部33の立上り面33aと対面する。
【0049】一方、下方に位置する型枠ブロック20の
内側の第2の凸部31は、図10及び図14に示すよう
に、上方に位置する型枠ブロック20の内側の第2の凸
部33の間に入り込むとともに、この下方に位置する凸
部31の立上り面31aが上方に位置する型枠ブロック
20の第1の凸部32の立上り面32aと対面するよう
構成されている。
【0050】この時、型枠ブロック20は、図8に示す
ように、その下端における幅T2 の方が上端における幅
1 より大きく(T2 >T1 )、かつ上下に重ね合わせ
た時に下方に位置する型枠ブロック20の第1の凸部3
0の立上り面30aと上方に位置する型枠ブロック20
の第2の凸部33の立上り面33aとが、下方に位置す
る型枠ブロック20の第2の凸部31の立上り面31a
と上方に位置する型枠ブロック20の第2の凸部32の
立上り面32aとが互いに係合するよう構成されてい
る。
【0051】これにより、各凸部30,31,32,3
3は、その3つの立上り面30a,30b,30b、3
1a,31b,31b、32a,32b,32b、33
a,33b,33bで互いに係合して、相互の位置決め
が行われ、しかも、これらの立上り面30a,30b、
31a,31b、32a,32b、33a,33bを外
方に向かって徐々に拡がるテーパ面とすることにより、
この係合を確実なものとして、両者の連結を行うことが
できるようになっている。
【0052】そして、前述のように、下方に位置する1
個の型枠ブロック20の上端面に上方に位置する1の型
枠ブロック20の2/3が、他の型枠ブロック20の1
/3がそれぞれ乗るようするため、前記各凸部30,3
1,32,33は、所定のピッチp2 で3の倍数の合計
6個相当分設けられている。
【0053】このようにして上下に積み重ねると、型枠
ブロック20の1/3または2/3が側方に突き出た形
となるため、パネル本体10の表面の該パネル本体10
を長さ方向に3等分した位置には、切込み線34が設け
られ、この切込み線34に沿って切断することにより、
端部が揃うようになっている。
【0054】更に、前記パネル本体10の各上端面に
は、図11に詳細に示すように、例えば金属製のセパレ
ータ40を挿入するための該セパレータ40の厚さに見
合った深さの凹部35がその厚さ方向に沿って形成され
ている。
【0055】このセパレータ40は、パネル本体10間
に跨がってこの内部に現場打コンクリート26を打設し
た際にこの間隔を一定に保持するとともに、セメントモ
ルタル5等の壁材の塗布厚さの目安とするためのもので
あり、矩形平板状の板体を屈曲して形成されている。
【0056】即ち、前記セパレータ40には、互いに対
峙する凸部30間の長さを有する連結板部41の両端に
段部42を介して一段立上った平坦部43が形成されて
いるとともに、この平坦部43に上方に立ち上がった鉛
直板部44が一体に連接されている。
【0057】これにより、前述のように、型枠ブロック
20を上下方向に重ね合わせると、その上下方向の接合
部に段差d(図10参照)が生じるが、この型枠ブロッ
ク20内に現場打コンクリート26を打設すると、この
力を受けて型枠ブロック20は外方に拡がるように変形
する。すると、図12に示すように、上方に位置する型
枠ブロック20は、その下端面に設けた第2の凸部33
の立上り面33aが前記セパレータ40の段部42に当
接し、一方、下方に位置する型枠ブロック20の第2の
凸部31の立上り面31aと上方に位置する型枠ブロッ
ク20の第1の凸部32の立上り面32aとが互いに圧
接し、これらの相互作用によって、型枠ブロック20が
面一に揃うようになっている。
【0058】更に、型枠ブロック20内に現場打コンク
リート26を打設すると、このコンクリート26の内圧
によって、型枠ブロック20の一部に突出部が生じて、
ここでの平坦度が担保されないおそれがあるが、この内
圧によってもセパレータ40の長さは変形しないため、
このセパレータ40の鉛直板部44のなす平面は、常に
一定となり、この鉛直板部44のなす平面を目安とし
て、セメントモルタル5を平坦に打設することができ
る。
【0059】そして、前記段部42と鉛直板部44との
間隔は、前記パネル本体10の肉厚よりも厚く、かつ壁
材塗布面11にセメントモルタル5等の壁材を塗布した
時に前記鉛直板部44の表面が外部に露出する大きさに
設定されている。
【0060】更に、前記セパレータ40には、縦筋24
を上下方向に挿通させるための複数の切欠溝45が形成
されている。そして、前記セパレータ40の鉛直板部4
4は、前述のように、セメントモルタル5等の壁材を塗
布した時にその表面が外部に露出するように構成されて
おり、この鉛直板部44を介して外装板50及び内装板
51の取付けが行えるようになっている。つまり、例え
ばこの鉛直板部44に雌ねじを刻設し、この雌ねじに螺
合するビス等を介して、外装板50や内装板51の取付
けが行えるようになっている。
【0061】なお、前記セパレータ40には、縦筋24
を挿通させるための切欠溝45が設けられているが、型
枠ブロック20のリブ部21の上方(または下方)に位
置する場合には、縦筋24を挿通させる必要がないの
で、図15に示すように、内部に切欠溝45を有さない
セパレータ40aを使用しても良い。
【0062】また、図16に示すように、連結板部41
の端面に垂直に立ち上がる立上り片46を一体に連接
し、この立上り片46の上部に前記切欠溝45と直交す
る方向に延びる第2の切欠溝47を設けてセパレータ4
0bを構成し、この第2の切欠溝47内を横筋25を挿
通させることにより、縦筋24と横筋25とをこのセパ
レータ40bを介して結束させるようにすることもでき
る。
【0063】この実施例によれば、内部に縦筋24及び
横筋25を配筋しつつ型枠ブロック20を上下左右に積
み重ね、この中空部22及び空間23内にコンクリート
26を打設し、しかる後、室外側の壁材塗布面11及び
室内側の壁材塗布面11にセメントモルタル5等の壁材
を塗布し、更に外装板50及び内装板51を取付けるこ
とによって建築物の壁を構築することができる。
【0064】これによって、通常の型枠ブロックとほぼ
同じ要領で、しかも樹脂発泡体からなる型枠ブロック2
0は、軽量でそれ自体が断熱性能を有しているため、か
なり大型の型枠ブロックを使用して、断熱構造の壁を迅
速かつ容易に構築することができる。更に、セメントモ
ルタル5等の壁材で壁の外部への露出面を容易に被覆
し、必要に応じて外装板や内装板を取付けることによっ
て、外壁及び内壁を形成することができる。
【0065】図17及び図18は、内部に配筋を行う必
要がない場合における壁の構築例を示すもので、この例
は、セパレータ40cとして、所定の長さを有する連結
板部41の両端に段部42を介して一段立上った平坦部
43を形成するとともに、この平坦部43に下方に延び
る鉛直板部44aを一体に連接したものを使用したもの
である。
【0066】
【発明の効果】本発明は上記のような構成であるので、
パネル本体自体に高い断熱性能を持たせ、しかもこのパ
ネル本体に壁材を直接塗り付けて該壁材をパネル本体自
体で保持することができ、これによって、左官工事のた
めの下地を取付けることなく、樹脂発泡体の表面を壁材
で被覆した断熱構造の壁を容易かつ迅速に構築すること
ができる。
【0067】しかも、樹脂発泡体は腐蝕性がなく、移動
不能に容易に配置することができるので、腐蝕や移動に
伴うクラックの発生を防止するとともに、安価に製造し
てコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す斜視図。
【図2】壁材を塗布した状態の図1のA−A線断面図。
【図3】同じく、B−B線断面図。
【図4】同じく、外壁を構築する時の状態を示す斜視
図。
【図5】下地溝の断面形状の変形例を示す断面図。
【図6】同じく、平面形状の変形例を示す平面図。
【図7】第2の実施例を示す斜視図。
【図8】第3の実施例を示す斜視図。
【図9】図8に示す型枠ブロックを上下左右に敷き並べ
た状態を示す斜視図。
【図10】図9における上下方向の接合部の拡大断面
図。
【図11】同じく、上部を拡大して示す斜視図。
【図12】図8に示す型枠ブロックを使用して壁を構築
した状態を示す縦断面図(図13のC−C線断面図)。
【図13】同じく、図12のD−D線断面図。
【図14】同じく、図12のE−E線断面図。
【図15】セパレータの変形例を示す斜視図。
【図16】セパレータの他の変形例を示す斜視図。
【図17】セパレータの更に他の変形例を示す斜視図。
【図18】図17に示すセパレータを使用して壁を構築
した状態を示す図12相当図。
【図19】従来の外壁の構築例を示す斜視図。
【図20】従来の外壁の他の構築例を示す斜視図。
【符号の説明】
5 セメントモルタル(壁材) 10,10a パネル本体 11 壁材塗布面 12 下地溝 13 テーパ面 14 周壁面 15 凸状部 16 凹状部 20 型枠ブロック 21 リブ部 30,31,32,33 凸部 30a,30b,31a,31b,32a,32b,3
3a,33b 立上り面 40,40a,40b,40c セパレータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂発泡体からなるパネル本体の表面に、
    平坦な壁材塗布面を形成するとともに、この壁材塗布面
    に、下方に向かって徐々に肉厚内方に傾斜して壁材を保
    持する多数の下地溝を該塗布面のほぼ全域に亘って形成
    したことを特徴とする壁用パネル。
  2. 【請求項2】前記下地溝を、上方に開口した形状に形成
    するとともに、この下地溝の周壁面と前記壁材塗布面の
    なす平面とが互いに鋭角に交わるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の壁用パネル。
  3. 【請求項3】前記パネル本体の裏面に、全長または全幅
    に亘って直線状に延びる凸状部または凹条部の少なくと
    も一方を形成したことを特徴とする請求項1または2記
    載の壁用パネル。
JP6030405A 1994-02-28 1994-02-28 壁用パネル Pending JPH07238650A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103741862A (zh) * 2014-01-03 2014-04-23 东莞市利鹏建材有限公司 一种内外表面不同材质的墙体材料

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