JPH07238565A - グラップルバケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のフォークを備えたグラップルバケット
を、フォークの先端に加わる負荷の大きさに関係なく、
各フォークが同時に作動するようにする。 【構成】 油圧ショベルの作業機１の先端に装着したブ
ラケット２に、６角形の断面の外筒３を溶着し、６角形
の断面の内筒１０を軸方向に摺動自在に嵌入する。ブラ
ケット２と内筒１０とを１本の油圧シリンダ２０で連結
する。内筒１０の先端のブラケット１２に６個のフォー
ク１３を揺動自在に軸着し、外筒３に固着したブラケッ
ト６と、フォーク１３とを連結棒２１で連結する。油圧
シリンダ２０を伸ばすとフォーク１３は開き、縮めると
２点鎖線のようにフォーク１３は閉じ、フォーク１３の
先端の負荷に関係なく対象物をつかむことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベル等の作業
機の先端に装着され、油圧シリンダにより作動される複
数のフォークを備えたグラップルバケットに関し、特に
はオレンジグラップルの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】複数のフォークを備えたグラップルバケ
ット装置については、第１例として実開昭５７−１５１
３８２があり、第２例として実開平１−１８０５５１が
ある。

【０００３】第１例は、ブラケットに一端に複数個のフ
ォークを揺動可能に軸着し、ブラケットとフォークとを
それぞれ油圧シリンダにより連結し、各油圧シリンダを
パラレル回路で接続して油圧シリンダを伸縮することに
よりフォークの開閉を行うようにしたものである。

【０００４】第２例は、第１ブラケットにワイヤシーブ
を装着し、ワイヤシーブを装着した第２ブラケットの周
囲に放射線状に７個のフォークを揺動可能に装着し、第
１ブラケットとフォークとをそれぞれ連結棒で連結し、
第１ブラケットと第２ブラケットのワイヤシーブをワイ
ヤで接続し、ワイヤで第２ブラケットを昇降させること
によりフォークを開閉させるものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成においては、第１例では、各油圧シリンダをパラレル
回路で接続してあるため、フォークで荷をつかむ時に、
油圧負荷の軽いものから先に閉じるため、オレンジのよ
うな小さな物を多量につかむ時や、つかみたい対象物を
かきよせる作業をする場合、負荷の大きい部分は作動が
遅くなり不都合であり、つかみたい対象物をつかめない
場合が生ずる。また、横にすると上側のフォークが自重
で早く閉じてしまい、常に垂直方向でしか作業ができな
いという問題がある。

【０００６】第２例では、第１ブラケットと、第２ブラ
ケットとをワイヤで接続しているため、横方向の力に弱
く、かきよせ作業はできず、第１例と同様につねに垂直
方向でしか作業できないという問題がある。

【０００７】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、オレンジのような小さいものを容易につかむこ
とができ、かきよせ作業や、グラップルを横にしての作
業も行えるグラップルバケットを提供することを目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係るグラップルバケットにおいては、断面形状が
多角形の外筒と、前記外筒に軸方向に摺動可能に嵌入さ
れた断面形状が多角形の内筒と、前記内筒先端部の多角
形の各面に、揺動自在に一端を軸着されたフォークと、
前記外筒に内設され、前記内筒を作動する一本の油圧シ
リンダと、前記外筒と前記フォークとを連結する連結棒
とにより構成したことを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、グラップルバケットを、多
角形状の外筒に多角形状の内筒を軸方向に摺動可能に嵌
入し、内筒の多角形状の各面にフォークの一端を揺動自
在に軸着し、外筒とフォークとを連結棒で連結し、一本
の油圧シリンダで内筒を作動するようにしたため、内筒
を摺動することによりフォークは先端に加わる負荷の大
きさに関係なく、対象物を自由につかむことができる。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明に係るグラップルバケットの
実施例について、図面を参照して説明する。

【００１１】図１はグラップルバケットの正面断面図で
あり、図２は平面図、図３は図１のＡ−Ａ断面図であ
る。油圧ショベル等の作業機の先端１に装着されたブラ
ケット２の下方には断面形状が６角形の外筒３が溶着さ
れている。外筒３には断面形状が６角形の内筒１０が軸
方向に摺動可能に嵌入されている。図４は図１のＢ部の
詳細図であり、内筒１０の上部にはパッド１１が装着さ
れていて、パッド１１の外面と外筒３の内面とが摺動す
るようになっており、外筒３にはパッド４がボルト５に
より締着されていて、パッド４の内面と内筒１０の外面
とが摺動するようになっている。

【００１２】ブラケット２と内筒１０とは油圧シリンダ
２０により連結されており、油圧シリンダ２０を伸縮す
ることにより内筒１０が外筒３内を軸方向に摺動するよ
うになっている。

【００１３】外筒３の６角形の各面には、図１および図
３に示すようにブラケット６が設けられており、内筒１
０の６角形の各面にはブラケット１２が設けられて、図
１および図２に示すように６個のフォーク１３がピン１
４により揺動自在に軸着されている。

【００１４】外筒３のブラケット６と、フォーク１３と
は、図１および図３に示すように連結棒２１を介して連
結されている。

【００１５】つぎに作用について説明すると、油圧シリ
ンダ２０を伸長すると、内筒１０は押し下げられて図１
の実線に示すようにフォーク１３は開く。油圧シリンダ
２０を短縮すると、内筒１０は引き上げられて図１の細
い２点鎖線に示すようにフォーク１３は閉じ、対象物を
つかむ。その場合、フォーク１３の先端は破線のような
軌跡を描いて移動し、対象物をすくいあげるような運動
をする。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明はクラップ
ルバケットを、断面形状が６角形の外筒に、断面形状が
６角形の内筒を、それぞれ対向する面が摺動して移動可
能に嵌入し、外筒と内筒とを一本の油圧シリンダにより
連結し、内筒の先端に６個のフォークを揺動自在に装着
し、外筒とフォークとを連結棒により連結して構成し
た。そのため、以下のような効果を奏する。 （１）１本の油圧シリンダにより６個のフォークが同時
に作動するため、対象物をつかみ易く、また、グラップ
ルバケット全体を上下運動させなくても対象物のすくい
こみができる。 （２）フォークの動きが負荷に左右されないため、横向
き状態でもフォークは同時に作動するので対象物を自由
につかむことができる。 （３）かきよせ作業が可能であり、作業能率が向上す
る。 （４）押し付け作業が可能なため、かさばった対象物を
圧縮することができ、処理量が増加する。 （５）摺動部が６角形のため、荷重を２面あるいは３面
で分担するので軽量化が可能である。 （６）１本シリンダであるため、コストが安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のグラップルバケットの正面断面図であ
る。

【図２】同、平面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】図１のＢ部詳細図である。

【符号の説明】

２、６、１２‥‥ブラケット、３‥‥外筒、４、１１‥
‥パッド、１０‥‥内筒、１３‥‥フォーク、１４‥‥
ピン、２０‥‥油圧シリンダ、２１‥‥連結棒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面形状が多角形の外筒と、前記外筒に
   軸方向に摺動可能に嵌入された断面形状が多角形の内筒
   と、前記内筒先端部の多角形の各面に、揺動自在に一端
   を軸着されたフォークと、前記外筒に内設され、前記内
   筒を作動する一本の油圧シリンダと、前記外筒と前記フ
   ォークとを連結する連結棒とにより構成したことを特徴
   とするグラップルバケット。