JPH07238458A - 弾性網状体と製法及びそれを用いた製品 - Google Patents
弾性網状体と製法及びそれを用いた製品Info
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- JPH07238458A JPH07238458A JP2798494A JP2798494A JPH07238458A JP H07238458 A JPH07238458 A JP H07238458A JP 2798494 A JP2798494 A JP 2798494A JP 2798494 A JP2798494 A JP 2798494A JP H07238458 A JPH07238458 A JP H07238458A
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Abstract
ション性の優れた蒸れ難い、クッション用ワディング材
に適した弾性網状体と製法及び弾性網状体をワディング
材として用いた布団、家具、ベッド、車両用クッション
等の製品を提供することを目的とする。 【構成】繊度が50デニ−ルから10000デニ−ルの
熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条を曲がりくねら
せ互いに接触させて該接触部の大部分が融着した3次元
立体構造体を形成し、表面が実質的にフラット化された
厚みが2mm以上50mm以下である網状体の50%圧縮時
反発力が40kgf/φ150mm以下である弾性網状体と
その製法およびその弾性網状体を用いた製品。
Description
耐熱耐久性及び振動吸収性とを有し、リサイクルが可能
な弾性網状体と製法および弾性網状体をワディング層に
用いた布団、家具、ベッド、車両用クッション材等の製
品に関する。
ワディング層やクッション材に、発泡ウレタン、非弾性
捲縮繊維詰綿、及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や
硬綿などが使用されている。
ディング層やクッション材としての耐久性は極めて良好
だが、透湿透水性に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、
かつ、熱可塑性では無いためリサイクルが困難となり焼
却される場合、焼却炉の損傷が大きく、かつ、有毒ガス
除去に経費が掛かる。このため埋め立てされることが多
くなったが、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が
限定され経費も高くなっていく問題がある。また、加工
性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題なども
ある。また、熱可塑性ポリエステル繊維詰綿では繊維間
が固定されていないため、使用時形態が崩れたり、繊維
が移動して、かつ、捲縮のへたりで嵩高性の低下や弾力
性の低下が問題になる。
綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭6
0−11352号公報、特開昭61−141388号公
報、特開昭61−141391号公報等がある。又、架
橋性ウレタンを用いたものとして特開昭61−1377
32号公報等がある。これらのクッション材は耐久性に
劣り、且つ、熱可塑性でなく、単一組成でもないためリ
サイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑さや製
造中に使用される薬品の公害問題などもある。
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの
耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する
方法が特開平4−245965号公報等で提案されてい
るが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大き
い問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接
着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しに
くい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つ
ある程度変形しても回復するポリエステルエラストマ−
を用い、芯成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着繊
維が特開平4−240219号公報で、同繊維を用いた
クッション材がWO−91/19032号公報、特開平
5−156561号公報、特開平5−163654号公
報等で提案されている。この繊維構造物に使われる接着
成分がポリエステルエラストマ−のソフトセグメントと
してはポリアルキレングリコ−ルの含有量が30〜50
重量%、ハ−ドセグメントの酸成分にテレフタル酸を5
0〜80モル%含有し、他の酸成分組成として特公昭6
0−1404号公報に記載された繊維と同様にイソフタ
ル酸を含有して非晶性が増すことになり、融点も180
℃以下となり低溶融粘度として熱接着部分の形成を良く
してアメーバー状の接着部を形成しているが塑性変形し
やいため、及び芯成分が非弾性ポリエステルのため、特
に加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が低
下する問題点がある。これらの改良法として、特開平5
−163654号公報にシ−ス成分にイソフタル酸を含
有するポリエステルエラストマ−、コア成分に非弾性ポ
リエステルを用いた熱接着複合繊維のみからなる構造体
が提案されているが上述の理由で加熱下での塑性変形が
著しくなり、耐熱抗圧縮性が低下し、ワディング層やク
ッション材に使用するには問題がある。他方、硬綿の母
材にシリコ−ン油剤を付与して繊維の摩擦係数を下げて
耐久性を向上し、風合いを良くする方法が特開昭63−
158094号公報で提案されている。が、熱接着繊維
の接着性に問題があり、耐久性が劣るのでワディング層
やクッション材に使用するには好ましくない。
ン網状体が特開昭47−44839号公報に開示されて
いる。が、細い繊維から構成したクッションとは異なり
表面が凸凹でタッチが悪く、素材がオレフィンのため耐
熱耐久性が著しく劣りワディング層やクッション材には
使用ができないものである。また、特公平3−1766
6号公報には繊度の異なる吐出線条を互いに融着してモ
−ル状物を作る方法があるがクッション材には適さない
網状構造体である。特公平3−55583号公報には、
ごく表面のみ冷却前に回転体等の細化装置で細くする方
法が記載されている。この方法では表面をフラット化で
きず、厚みのある細い線条層を作ることできない。した
がって座り心地の良好なクッション材にはならない。特
開平1−207462号公報では、塩化ビニ−ル製のフ
ロアマットの開示があるが、室温での圧縮回復性が悪
く、耐熱性は著しく悪いので、ワディング材やクッショ
ン材としては好ましくないものである。なお、上述構造
体は振動減衰に関する配慮が全くなされていない。
振動を遮断し、耐熱耐久性、形態保持性、クッション性
の優れた蒸れ難い、クッション用ワディング材に適した
弾性網状体と製法及び弾性網状体をワディング材として
用いた布団、家具、ベッド、車両用クッション等の製品
と製法を提供することを目的とする。
の手段、即ち、本発明は、 繊度が50デニ−ルから1
0000デニ−ルの熱可塑性弾性樹脂からなる連続した
線条を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部の大部
分が融着した3次元立体構造体であり、表面が実質的に
フラット化されており、厚みが2mm〜50mmであり、5
0%圧縮時反発力が40kgf/φ150mm以下である弾
性網状体、複数のオリフィスを持つ多列ノズルより熱可
塑性弾性樹脂をその融点より10℃〜60℃高い溶融温
度で、該ノズルより下方に向けて吐出させ、溶融状態で
互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引
取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめることにより5
0%圧縮時反発力が40kgf/φ/φ150mm以下の弾
性網状体を得る製法および前記弾性網状体を用いた製品
である。
フトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ
−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリ
カ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端を
カルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等を
ブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリ
アミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、
ポリオレフィン系エラストマ−などが挙げられる。熱可
塑性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能と
なるため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエス
テル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルを
ハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフ
トセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重
合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメント
とするポリエステルエステルブロック共重合体が例示で
きる。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具
体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカル
ボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダ
イマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエス
テル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少な
くとも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ
−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ
−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリ
コ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメ
タノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環
族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体など
から選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平
均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重
合体等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種
から構成される三元ブロック共重合体である。ポリエス
テルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボ
ン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000の
ポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくと
も各1種から構成される三元ブロック共重合体である。
熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮する
と、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及び
ナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては
1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとして
はポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合
体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの
3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、
ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも
使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラス
トマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの、ポ
リオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も
本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。ポリアミド系
エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイ
ロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が
約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプ
ロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、
エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポ
リアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成さ
れるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して
用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンド
されたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在
または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜60
00の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリ
エステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とする
ポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−
ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分と
するポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラスト
マ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステ
ル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000
〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチ
レンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリ
コ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレ
ングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド
共重合体等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、
(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリ
イソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメ
タン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ
−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト
等を微量添加使用してもよい。(C)のポリアミンとし
ては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等
公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリア
ミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウ
レタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用
いてもよい。なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は
耐熱耐久性が保持できる140℃以上が好ましく、16
0℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでよ
り好ましい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を
添加して耐久性を向上させることができる。本発明の目
的である振動や応力の吸収機能をもたせる成分を構成す
る熱可塑性弾性樹脂のソフトセグメント含有量は好まし
くは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上で
あり、耐熱耐へたり性からは80重量%以下が好まし
く、より好ましくは70重量%以下である。即ち、本発
明の弾性網状体の振動や応力の吸収機能をもたせる成分
のソフトセグメント含有量は好ましくは20重量%以上
80重量%以下であり、より好ましくは40重量%以上
70重量%以下である。
性樹脂からなる線条は、示差走査型熱量計にて測定した
融解曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するのが
好ましい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱
耐へたり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上
する。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可塑
性樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあ
るテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを
90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタ
ル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量は95モ
ル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル成
分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次い
で、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分
子量が500以上5000以下、特に好ましくは100
0以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを
15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重
量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−ドセ
グメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタ
レン2・6ジカルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメ
ントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱
抗へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融点より少
なくとも10℃以上低い温度でアニ−リング処理すると
より耐熱抗へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してか
らアニ−リングすると更に耐熱抗へたり性が向上する。
このような処理をした網状構造体の線条を示差走査型熱
量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸
熱ピークをより明確に発現する。なおアニ−リングしな
い場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピ−クを発
現しない。このことから類推するに、アニ−リングによ
り、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似結晶化様の架
橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向上しているのでは
ないかとも考えられる。(この処理を疑似結晶化処理と
定義する)この疑似結晶化処理効果は、ポリアミド系弾
性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効である。
00デニ−ルの熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条
を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部の大部分が
融着した3次元立体構造体を形成し、表面が実質的にフ
ラット化された厚みが2mm以上50mm以下である網状体
の50%圧縮時反発力が40kgf/φ150mm以下であ
る弾性網状体である。本発明の弾性網状体は熱可塑性弾
性樹脂からなる連続した線条が接触部の大部分が融着し
た3次元立体構造体を形成し融着一体化され、表面が実
質的にフラット化されており、ワディング層として使用
された場合、外部から与えられた振動を熱可塑性弾性樹
脂の振動吸収機能で大部分の振動を吸収減衰し、局部的
に大きい変形応力を与えられた場合でも弾性網状体の面
が実質的にフラット化され接触部の大部分が融着してい
るので、弾性網状体の面で変形応力を受け止め変形応力
を分散させ、熱可塑性弾性樹脂からなる線条が3次元立
体構造体を形成し融着一体化されているので、容易に構
造体全体が変形してエネルギ−変換により変形応力を吸
収し、変形応力が解除されると熱可塑性弾性樹脂のゴム
弾性で容易に元の形態に回復する機能がある。このた
め、体型保持機能を持つクッション層の表面にワディン
グ層として本発明の弾性網状体を積層または積層接着し
て座席に形成すれば、座ったときの沈み込みが適度で、
振動を受けたときの上下運動による応力変化を床つき感
がなく適度に沈み込み臀部を低い反発力で支える好まし
いショックアブソ−バ−の働きを発現できるクッション
材としては好ましい特性を付与できる。更には、本発明
の弾性網状体はクッション層への力学的な負担を大きく
逓減できるので座席に良好な耐へたり性も付与できる。
公知の非弾性樹脂のみからなる線条で構成した網状体で
は、タッチを良好するため細い繊度の線条とすると圧縮
変形による塑性変形を生じて回復しなくなり耐久性が劣
る。弾性網状体の表面が実質的にフラット化されてない
場合、表面に局部的な外力が掛かると、表面の線条及び
接着点部分までに選択的に応力集中が発生する場合があ
り、このような外力に対しては応力集中による疲労が発
生して耐へたり性が低下する場合がある。なお、該線条
が熱可塑性弾性樹脂からなる場合は3次元構造部分で構
造全体が変形するので応力集中は緩和されるが、非弾性
樹脂では、そのまま応力が接着点に集中して構造破壊を
生じ回復しなくなる。なお、線状が連続していない場合
は、接着点が応力の伝達点となるため接着点に著しい応
力集中が起こり構造破壊を生じ前記従来技術にも例示し
た特開昭60−11352号公報、特開昭61−137
732号公報、WO91−19032号公報等に開示さ
れた構造体の如く耐熱耐久性が劣り好ましくない。融着
していない場合は、形態保持が出来ず、構造体が一体で
変形しないため、応力集中による疲労現象が起こり耐久
性が劣ると同時に、形態が変形してクッション層に大き
いダメ−ジを与え座席の耐久性を低下させるので好まし
くない。本発明のより好ましい融着の程度は、線条が接
触している部分の大半が融着した状態であり、もっとも
好ましくは接触部分が全て融着した状態である。なお、
クッション材の機能は、クッション層は基本の繊度を太
くして少し硬くして体型保持を受け持つ層と振動減衰性
の良い成分で密度を少し高くした振動吸収して振動を遮
断する層で構成し、表面層はやや繊度を細くし構成線条
本数を多くした少し柔らかな層として適度の沈み込みに
より快適な臀部のタッチを与えて臀部の圧力分布を均一
分散化させると共にクッション層で吸収できなかった振
動を吸収して人体の共振部分の振動を遮断する層が一体
化されることで、応力や振動を一体で変形し吸収させ座
り心地を向上させることができる。しかして、本発明弾
性網状体は、上記表面層の機能を付与するのが目的であ
り、線条の繊度を細くし、タッチを柔らかくして、密度
はやや高くして構成本数を多くし線条の一本が受ける応
力を少なくして応力の分散を良くし、且つ臀部を支える
クッション性も向上させ、クッション層で吸収できなか
った振動を吸収して人体の共振部分の振動を遮断するた
め振動吸収性と弾性回復性の良い熱可塑性弾性樹脂で構
成することで座り心地と耐久性を向上させることができ
る。この目的から、本発明の弾性網状体を形成する線条
の繊度は10デニ−ル未満では抗圧縮性が低くなり過ぎ
て変形による応力吸収性が低下するので好ましくなく、
10000デニ−ル以上では変形しにくくなると共に、
構成本数の低下による面の緻密性を損ない応力吸収機能
と応力分散機能が低下するので好ましくない。好ましい
弾性網状体の線状の繊度は50デニ−ル以上、8000
デニ−ル以下、より好ましくは100デニ−ル以上、6
000デニ−ル以下である。本発明の弾性網状体の厚み
は2mm以上50mm以下である。厚みが2mm未満では応力
吸収機能と応力分散機能が低下するので好ましくない。
線状の繊度が同一の弾性網状体では、50mmを越えると
表面層の機能を保持する柔らかな特性が逆に過度の沈み
込みを生じ、快適な座り心地を損なうので好ましくな
い。線状の繊度が同一の場合の本発明の弾性網状体の好
ましい厚みは力の分散をする面機能と振動や変形応力吸
収機能が発現できる厚みとして5mm以上40mm以下とす
るのが好ましく、より好ましくは10mm以上30mm以下
である。なお、厚い表面層を必要とする場合は、本発明
においては繊度の異なる線状を見掛け密度との組合せで
最適な構成とする異繊度積層構造とする方法も好ましい
実施形態として選択できる。本発明の弾性網状体は、適
度の沈み込みによる臀部への快適なタッチを与えるため
に、φ150mmの圧縮板で厚みの50%圧縮した時の抗
圧縮性を示す反発力が40kgf/φ150mm以下にする
必要がある。厚みの50%圧縮時の反発力が40kgf/
φ150mmを越えると反発力が大きくなり、適度の沈み
込みによる臀部への快適なタッチを与えられないので好
ましくない。本発明の好ましい50%圧縮時の反発力は
2kgf/φ150mm以上、30kgf/φ150mmであ
り、より好ましくは5kgf/φ150mm以上、20kgf
/φ150mmである。繊度を細くした場合は見掛け密度
をやや高くして好ましい抗圧縮性を付与できる。本発明
の弾性網状体の平均の見掛け密度は特に限定されない
が、0.005g/cm3 では反発力が失われ、振動吸収
能力や変形応力吸収能力が不充分となりクッション機能
を発現させにくくなる場合があり、0.20g/cm3 以
上では反発力が高すぎて座り心地が悪くなる場合がある
ので、好ましい見掛け密度は振動吸収能力や変形応力吸
収機能が生かせてクッション体としての機能が発現され
やすい0.01g/cm3 以上0.15g/cm3 以下、よ
り好ましくは0.03g/cm3 以上0.08g/cm3 以
下である。
には限定されないが、中空断面や異形断面にすることで
好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチを付与することが
できるので特に好ましい。抗圧縮性は繊度や用いる素材
のモジュラスにより調整して、繊度を細くしたり、柔ら
かい素材では中空率や異形度を高くし初期圧縮応力の勾
配を調整できるし、繊度をやや太くしたり、ややモジュ
ラスの高い素材では中空率や異形度を低くして座り心地
が良好な抗圧縮性を付与する。中空断面や異形断面の他
の効果として中空率や異形度を高くすることで、同一の
抗圧縮性を付与した場合、より軽量化が可能となり、自
動車等の座席に用いると省エネルギ−化ができ、布団な
どの場合は、上げ下ろし時の取扱性が向上する。好まし
い抗圧縮性(反発力)やタッチを付与することができる
他の好ましい方法として、本発明の弾性網状体の線条を
複合構造とする方法がある。複合構造としては、シ−ス
コア構造またはサイドバイサイド構造及びそれらの組合
せ構造などが挙げられる。が、特にはクッション層が大
変形してもエネルギ−変換できない振動や変形応力をエ
ネルギ−変換して回復できる立体3次元構造とするため
に線状の表面の50%以上を柔らかい熱可塑性弾性樹脂
が占めるシ−スコア構造またはサイドバイサイド構造及
びそれらの組合せ構造などが挙げられる。すなわち、シ
−スコア構造ではシ−ス成分は振動や変形応力をエネル
ギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑
性弾性樹脂とし、コア成分は抗圧縮性を示すソフトセグ
メント含有量が少ない熱可塑性弾性樹脂で構成し適度の
沈み込みによる臀部への快適なタッチを与えることがで
きる。サイドバイサイド構造では振動や変形応力をエネ
ルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可
塑性弾性樹脂の溶融粘度をソフトセグメント含有量が少
ない抗圧縮性を示す熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度より低
くして線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多
い熱可塑性弾性樹脂の割合を多くした構造(比喩的には
偏芯シ−ス・コア構造のシ−スに熱可塑性弾性樹脂を配
した様な構造)として線状の表面を占めるソフトセグメ
ント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を80%以上
としたものが特に好ましく、最も好ましくは線状の表面
を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹
脂の割合を100%としたシ−スコアである。ソフトセ
グメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の線状の表面を
占める割合が多くなると、溶融して融着するときの流動
性が高いので接着が強固になる効果があり、構造が一体
で変形する場合、接着点の応力集中に対する耐疲労性が
向上し、耐熱性や耐久性がより向上する。
た弾性網状体は実質的に面がフラット化されて、接触部
の大部分が融着していることで、弾性複合網状体と他の
網状体、不織布、編織物、硬綿、フイルム、発泡体、金
属等の被熱接着体とを接着するのに、他の熱接着成分
(熱接着不織布、熱接着繊維、熱接着フィルム、熱接着
レジン等)や接着剤等を用いて一体積層構造体化し、車
両用座席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院用等の業
務用及び家庭用ベット、家具用椅子、事務用椅子、布団
類等の製品を得る場合、被接着体面との接触面積を広く
できるので、接着面積が広くなり強固に接着した接着耐
久性も良好な製品を得ることができる。なお、弾性網状
体形成段階から製品化される任意の段階で上述の疑似結
晶化処理を施すことにより、構造体中の熱可塑性弾性樹
脂からなる線条を示差走査型熱量計で測定した融解曲線
に室温以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つようにす
ると製品の耐熱耐久性が格段に向上するのでより好まし
い。本発明の弾性網状体の線条を複合構造とした場合、
弾性網状体に熱接着層の機能も付与できる。例えば、シ
−スコア構造ではシ−ス成分の振動や変形応力をエネル
ギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑
性弾性樹脂を熱接着成分とし、コア成分の抗圧縮性を示
すソフトセグメント含有量が少ない熱可塑性弾性樹脂を
網状形態の保持機能をもたせるための高融点成分とする
構成で、熱接着成分の融点を高融点樹脂の融点より10
℃以上低くしたものを用いることにより熱接着層の機能
も付与できる。熱接着層の機能を発現させるに好ましい
弾性網状体中の線条を形成する熱接着成分の融点は高融
点成分の融点より15℃から50℃低い融点であり、よ
り好ましくは20℃から40℃低い融点である。熱接着
機能を持つ本発明の弾性網状体は実質的に面がフラット
化されて、接触部の大部分が融着していることで、網状
体、不織布、編織物、硬綿、フイルム、発泡体、金属等
の被熱接着体面との接触面積を広くできるので、熱接着
面積が広くなり、強固に熱接着した新たな成形体及び車
両用座席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院用等の業
務用及び家庭用ベット、家具用椅子、事務用椅子、布団
類になった製品を得ることができる。なお、新たな成形
体及び製品が製品化されるまでの任意の段階で疑似結晶
化処理を施すことにより、構造体中の熱可塑性弾性樹脂
からなる線条を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に
室温以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つようにする
と製品の耐熱耐久性が格段に向上したものを提供できる
のでより好ましい。熱接着時に被接着体を伸張した状態
で接着すると、被接着体は接着層のゴム弾性で伸張され
た状態が緩和しないので張りのある、皺になりにくい成
形体とすることもできる。
法は複数のオリフィスを持つ多列ノズルより熱可塑性弾
性樹脂をその融点より10℃以上高く、80℃未満高い
溶融温度で、該ノズルより下方に向けて吐出させ、溶融
状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつ
つ、引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめる弾性網
状体の製法である。熱可塑性弾性樹脂を一般的な溶融押
出機を用いて溶融し、複数のオリフィスを持つ多列ノズ
ルに供給し、オリフィスより下方へ吐出する。この時の
溶融温度は、熱可塑性弾性樹脂の融点より80℃を越え
る高い溶融温度にすると熱分解が著しくなり熱可塑性弾
性樹脂のゴム弾性特性が低下するので好ましくない。他
方、熱可塑性弾性樹脂の融点より10℃以上高くしない
とメルトフラクチャ−を発生し正常な線条形成が出来な
くなり、また、吐出後ル−プ形成しつつ接触させ融着さ
せる際、線条の温度が低下して線条同士が融着しなくな
り接着が不充分な弾性複合網状体となる場合があり好ま
しくない。好ましい溶融温度は融点より20℃から60
℃高い温度、より好ましくは融点より15℃から40℃
高い温度である。オリフィスの形状は特に限定されない
が、中空断面(例えば三角中空、丸型中空、突起つきの
中空等となるよう形状)及び、又は異形断面(例えば三
角形、Y型、星型等の断面二次モ−メントが高くなる形
状)とすることで前記効果以外に溶融状態の吐出線条が
形成する3次元構造が流動緩和し難くし、逆に接触点で
の流動時間を長く保持して接着点を強固にできるので特
に好ましい。特開平1−2075号公報に記載の接着の
ための加熱をする場合、3次元構造が緩和し易くなり平
面的構造化し、3次元立体構造化が困難となるので好ま
しくない。弾性網状体の特性向上効果としては、見掛け
の嵩を高くでき軽量化になり、また抗圧縮性が向上し、
弾発性も改良できへたり難くなる。中空断面では中空率
が80%を越えると断面が潰れ易くなるので、好ましく
は軽量化の効果が発現できる10%以上70%以下、よ
り好ましくは20%以上60%以下である。オリフィス
の孔間ピッチは線状が形成するル−プが充分接触できる
ピッチとする必要がある。緻密な構造にするには孔間ピ
ッチを短くし、粗密な構造にするには孔間ピッチを長く
する。本発明の孔間ピッチは好ましくは3mm〜20mm、
より好ましくは5mm〜10mmである。本発明では所望に
応じ異密度化や異繊度化もできる。列間のピッチ又は孔
間のピッチも変えた構成、及び列間と孔間の両方のピッ
チも変える方法などで異密度層を形成できる。また、オ
リフィスの断面積を変えて吐出時の圧力損失差を付与す
ると、溶融した熱可塑性弾性樹脂を同一ノズルから一定
の圧力で押し出される吐出量が圧力損失の大きいオリフ
ィスほど少なくなる原理を使って長手方向の区間でオリ
フィスの断面積が異なる列を少なくとも複数有するノズ
ルを用い異繊度線条からなる網状構造体を製造すること
ができる。本発明では、このような方法または単孔吐出
量を少なくして細い線条で緻密な網状構造体とするのが
特に好ましい。次いで、該ノズルより下方に向けて吐出
させ、ル−プを形成させつつ溶融状態で互いに接触させ
て融着させ3次元構造を形成し、引取りネットで溶融状
態の3次元立体構造体両面を挟み込み、網状体の両面の
溶融状態の曲がりくねった吐出線条を45°以上折り曲
げて変形させて表面をフラット化すると同時に曲げられ
ていない吐出線条との接触点を接着して構造を形成後、
連続して冷却媒体(通常は室温の水を用いるのが冷却速
度を早くでき、コスト面でも安くなるので好ましい)で
急冷して本発明の3次元立体網状構造体化した弾性複合
網状体を得る。ノズル面と引取り点の距離は少なくとも
40cm以下にすることで吐出線条が冷却され接触部が融
着しなくなることを防ぐのが好ましい。吐出線条の吐出
量5g/分孔以上と多い場合は10cm〜40cmが好まし
く、吐出線条の吐出量5g/分孔未満と少ない場合は5
cm〜20cmが好ましい。弾性網状体の厚みは溶融状態の
3次元立体構造体両面を挟み込む引取りネットの開口幅
(引取りネット間の間隔)で決まる。本発明では上述の
理由から引取りネットの開口幅は3mm以上50mm以下と
する。次いで水切り乾燥するが冷却媒体中に界面活性剤
等を添加すると、水切りや乾燥がしにくくなったり、熱
可塑性弾性樹脂が膨潤することもあり好ましくない。本
発明の好ましい方法としては、一旦冷却後、一体成形し
て製品化に至る任意の工程で熱可塑性弾性樹脂の融点よ
り少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングよる疑似
結晶化処理を行い熱接着複合網状体又は製品を得るのが
より好ましい製法である。疑似結晶化処理温度は、少な
くとも融点(Tm)より10℃以上低く、Tanδのα
分散立ち上がり温度(Tαcr)以上で行う。この処理
で、融点以下に吸熱ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しな
いもの(吸熱ピ−クを有しないもの)より耐熱耐へたり
性が著しく向上する。本発明の好ましい疑似結晶化処理
温度は(Tαcr+10℃)から(Tm−20℃)であ
る。単なる熱処理により疑似結晶化させると耐熱耐へた
り性が向上する。が更には、10%以上の圧縮変形を付
与してアニ−リングすることで耐熱耐へたり性が著しく
向上するのでより好ましい。また、一旦冷却後、乾燥工
程を経する場合、乾燥温度をアニ−リング温度とするこ
とで同時に疑似結晶化処理を行うができる。また、製品
化する工程で別途疑似結晶化処理を行うができる。次い
で所望の長さまたは形状に切断してクッション材に用い
る。尚、ノズル面と樹脂を固化させる冷却媒体上に設置
した引取りコンベアとの距離、樹脂の溶融粘度、オリフ
ィスの孔径と吐出量などにより所望のループ径や線径を
きめられる。冷却媒体上に設置した間隔が調整可能な一
対の引取りコンベアで溶融状態の吐出線条を挟み込み停
留させることで互いに接触した部分を融着させ、連続し
て冷却媒体中に引込み固化させ網状構造体を形成する
時、上記コンベアの間隔を調整することで、融着した網
状体が溶融状態でいる間で厚み調節が可能となり、所望
の厚みのものが得られる。コンベア速度も速すぎると、
接触点の形成が不充分になったり、融着点が充分に形成
されるまでに冷却され、接触部の融着が不充分になる場
合がある。また、速度が遅過ぎると溶融物が滞留し過
ぎ、密度が高くなるので、所望の見掛け密度に適したコ
ンベア速度を設定する必要がある。
ング層に用いる場合、その使用目的、使用部位により使
用する樹脂、繊度、ル−プ径、嵩密度を選択する必要が
ある。例えば、ソフトなタッチと適度の沈み込みと張り
のある膨らみを付与するためには、低密度で細い繊度、
細かいル−プ径にするのが好ましく、中層のクッション
体機能も併用させるには、共振振動数を低くし、適度の
硬さと圧縮時のヒステリシスを直線的に変化させて体型
保持性を良くし、耐久性を保持させるために、中密度で
太い繊度、やや大きいル−プ径の層と低密度で細い繊
度、細かいル−プ径の層を積層一体化した構造にするの
が好ましい。また、3次元構造を損なわない程度に成形
型等を用いて使用目的にあった形状に成形して側地を被
せ車両用座席、船舶用座席、ベット、椅子、家具等に用
いることができる。勿論、用途との関係で要求性能に合
うべく他の素材、例えば中層のクッション体機能をもつ
網状体、短繊維集合体からなる硬綿クッション材、不織
布等と組合せて用いることも可能である。また、樹脂製
造過程以外でも性能を低下させない範囲で製造過程から
成形体に加工し、製品化する任意の段階で難燃化、防虫
抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等の機能付与
を薬剤添加等の処理加工ができる。
た。 融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク 島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使
用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸
熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。 Tαcr ポリマ−を融点+10℃に加熱して、厚み約300μm
のフイルムを作成して、オリエンテック社製バイブロン
DDVII型を用い、110Hz、昇温速度1℃/分で測
定したTanδ(虚数弾性率M”と弾性率の実数部分
M’との比M”/M’)のゴム弾性領域から融解領域へ
の転移点温度に相当するα分散の立ち上がり温度。 見掛け密度 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さ
を測定し、体積を求め試料の重さを体積で徐した値で示
す。(n=4の平均値) 線条の繊度 試料を10箇所から各線条部分を切り出し、アクリル樹
脂で包埋して断面を削り出し切片を作成して断面写真を
得る。各部分の断面写真より各部の断面積(Si)を求
める。また、同様にして得た切片をアセトンでアクリル
樹脂を溶解し、真空脱泡して密度勾配管を用いて40℃
にて測定した比重(SGi)を求める。ついで次式より
線状の9000mの重さを求める。(単位cgs) 繊度=〔(1/n)ΣSi×SGi〕×900000 融着 試料を目視判断で融着しているか否かを接着している繊
維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないもの
を融着していると判断する。 50%圧縮時反発力 試料を30cm×30cmの大きさに切り出し、オリエンテ
ック社製テンシロンにて、圧縮ロ−ドセルを繋いだφ1
50mmの円盤で1cm/分の速度にて試料の中心を65%
まで圧縮したときの圧縮圧力を連続して測定し、50%
圧縮時の圧縮圧力を求め、50%圧縮時の反発力とし
た。(n=3の平均値) 耐熱耐久性(70℃残留歪) 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮し
て70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き
1日放置後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)か
ら次式、即ち(a−b)/a×100より算出する:単
位%(n=3の平均値) 繰返し圧縮歪 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製
サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%
の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万
回後の試料を1日放置後の厚み(b)を求め、処理前の
厚み(a)から次式、即ち(a−b)/a×100より
算出する:単位%(n=3の平均値) 座り心地 東洋紡績製熱接着繊維4−64−TE5と東洋紡績製立
体巻縮ステープル10−64−745を30/70重量
比で混合開繊して得たカ−ドウエッブを見掛けの密度が
0.05g/cm3 となるように熱成形用雌金型に入れ、
牡金型で圧縮して詰め込み200℃の熱風にて10分間
熱接着成形してバケットシ−ト状に成形した硬綿をクッ
ション材の芯として、バケットシ−トのワディング層と
して作成した弾性網状体を硬綿の芯を包みこめるように
バケットシ−トの形状に切断して積層し、クレハテック
社製の融点120℃の熱接着性ポリエステル不織布にて
芯材とワディング層とを130℃の熱風で熱接着したク
ッションに東洋紡績製ハイムからなるポリエステルモケ
ットの側地を被って、座席用フレ−ムにセットして座部
は4か所、背部は6か所の側地止めを入れた座席を作成
し、30℃RH75%室内で作成した座席にパネラ−を
座らせ以下の評価をおこなった。(n=5) (1) 床つき感:座ったときの「どすん」と床に当たった
感じの程度を感覚的に定性評価した。感じない;◎、殆
ど感じない;○、やや感じる;△、感じる;× (2) 蒸れ感:2時間座っていて、臀部やふと股の内側の
座席と接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価し
た。殆ど感じない:◎、僅かに蒸れを感じる;○、やや
蒸れを感じる;△、蒸れを著しく感じる;× (3) 8時間以内でどの程度我慢して座席に座っていられ
るか:1時間以内;×、2時間以内;△、4時間以内;
○、4時間以上;◎ (4) 4時間座席に座らせたときの腰の疲れ程度を感覚的
に定性評価した。無し;◎、殆ど疲れない;○、やや疲
れる;△、非常に疲れる;× (5) 総合評価: (1)から(4) までの評価の◎を4点、○
を3点、△を2点、×を1点として12点以上で△を含
まないもの;非常に良い(◎)、12点以上で△を含む
もの;良い(○)、10点以上で×を含まないもの;や
や悪い(△)、×を含むもの;悪い(×)として評価し
た。
レ−ト(DMT)又は、ジメチルナフタレ−ト(DM
N)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触
媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメ
チレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつ
つ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エ
ラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤2%を添加混合
練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得
られた熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表1に示す。
幅方向の孔間ピッチ5mm、長さ方向の孔間ピッチ4mmの
千鳥配列としたオリフィス形状は外径2mm、内径1.6
mmでトリプルブリッジの中空形成性断面としたノズル
に、得られた熱可塑性弾性樹脂原料A−1及びA−2を
溶融温度210℃及び245℃にて単孔当たりの吐出量
0.8g/分にてノズル下方に吐出させ、ノズル面12
cm下に冷却水を配し、幅60cmのステンレス製エンドレ
スネットを平行に3cm間隔で一対の引取りコンベアを水
面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融
着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1mの速度で25
℃の冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風
乾燥機中で20分疑似結晶化処理した後、所定の大きさ
に切断して得られた弾性複合網状体の特性を表2に示
す。実施例1の弾性網状体は断面形状が三角おむすび型
の中空断面で中空率が40%、繊度が3600デニ−ル
の線条で形成しており、平均の見掛け密度が0.045
g/cm3 であった。実施例2も断面形状が三角おむすび
型の中空断面で中空率が38%、繊度が3500デニ−
ルの線条から形成されており、網状体の平均の見掛け密
度が0.045g/cm3であった。表2で明らかなごと
く、実施例1は柔らかい弾性樹脂の特性が生かせた緻密
な網状構造のため耐熱性、常温での耐久性、座り心地と
もに優れたクッション材用ワディング層であった。実施
例2はやや硬い弾性樹脂の特性が生かせた緻密な網状構
造のため耐熱性、常温での耐久性、座り心地ともに優れ
たクッション材用ワディング層であった。評価用に作成
した座席も性能が優れていることが判る。
80モル%及び1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を
少量の触媒と仕込み、実施例1の方法と同様にして得た
ポリエステル系熱可塑性弾性樹脂の処方を表1に示す。
オリフィスの孔形状を孔径φ1mmの丸断面としたノズル
を用い以外実施例1と同様にして得た弾性複合網状体の
特性を表2に示す。なお、中実丸断面の繊度が3600
デニ−ルの線条から形成されており、網状体の平均の見
掛け密度が0.044g/cm3 であった。表2で明らか
なごとく、実施例2は耐熱性と常温での耐久性は実用上
使用可能で、座り心地の優れたクッション用ワディング
層であった。評価用に作成した座席も優れていることが
判る。
ルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とPTMG及び鎖
延長剤として1・4BDを添加して重合し次いで抗酸化
剤2%を添加混合練込み後ペレット化し真空乾燥してポ
リエ−テル系ウレタンポリマ−の処方を表3に示す。
0℃とした以外実施例1と同様にして得た弾性複合網状
体の特性を表2に示す。実施例3は線条の断面形状が三
角おむすび型の中空断面で中空率は41%、繊度が39
00デニ−ルの線条から形成されており、網状体の平均
の見掛け密度が0.045g/cm3 であった。実施例3
は柔らかいウレタンの特性を生かした緻密な網状体で耐
熱性、常温での耐久性、座り心地ともに優れたクッショ
ン材用のワディング層であった。評価用に作成した座席
も優れていることが判る。
T)及びメルトインデックス12のポリプロピレン(P
P)を溶融温度を280℃及び250℃とし、疑似結晶
化処理しなかった以外、実施例3と同様にして得た線条
の繊度が比較例1は3600デニ−ル、比較例2は95
00デニ−ルで、平均の見掛け密度が共に0.045g
/cm3 の網状体の特性を表2に示す。比較例1は繊度の
やや低い非弾性ポリエステルからなる網状体のため耐熱
耐久性が悪く、硬くて座り心地も悪いクッション材用ワ
ディング層に適さない例である。比較例2は繊度がやや
太い非弾性オレフィンからなる網状体のため、耐熱耐久
性が悪く、比較例1より少し柔らかいが、座席のワディ
ング層に必要な柔らかさに比較して硬くクッション材用
ワディング層に適さない例である。
取ったあと疑似結晶化処理をしなかった以外、実施例3
と同様の方法で得た弾性網状体の特性の一部を表2に示
す。なお、接着状態が不良で形態保持が悪いため、50
%圧縮時反発力、見掛け密度、70℃残留歪、繰返圧縮
歪み、及び座り心地の評価はしていない。比較例3は形
態が固定されていないのでクッション材用ワディング層
に適さない例である。
ッチを5mm、幅方向に孔間ピッチを10mmとした千鳥配
列で丸断面の直径φ1mmのオリフィスをもつノズルよ
り、単孔当たりの吐出量2.0g/分にて吐出させ、ノ
ズル面25cm下に引取りコンベアネットを配して0.4
0m/分にて引き取り、疑似結晶化処理しない以外、実
施例3と同様にして得た線条の繊度は9100デニ−
ル、平均の見掛け密度は0.11g/cm3 の弾性網状体
の特性を表2に示す。比較例4は50%圧縮時反発力が
67kgfと硬くなり過ぎて座り心地がやや劣りクッショ
ン材用ワディング層としては好ましくない例である。
25cm下に引取りコンベアネットを配して1m/分にて
引き取った以外、比較例4と同様にして得た線条の繊度
は134000デニ−ルで、平均の見掛け密度は0.0
44g/cm3 の弾性網状体の特性を表2に示す。比較例
5は繊度が著しく太く密度斑のある弾性網状体のため、
耐熱耐久性が悪くなり、座り心地もやや悪くなるクッシ
ョン材用ワディング層としては好ましくない例である。
取りコンベアネットの速度を1m/分とした以外、比較
例4と同様にして得た線条繊度が9000デニ−ルで、
弾性網状体の平均見掛け密度が0.034g/cm3 の弾
性網状体の特性を表2に示す。比較例6は弾性網状体表
面のフラット化が悪い状態のため、見掛け密度が低いの
に耐久性が劣り、熱接着が不充分になり、少し異物感を
感じる座り心地のやや劣るクッション材用ワディング層
としては好ましくない例である。
ッチを4mm、幅方向に孔間ピッチを4mmとした千鳥配列
のノズルを用い、単孔当たりの吐出量0.2g/分にて
吐出させて、ノズル面5cm下に引取りコンベアネットを
配して引取りコンベアネットの間隔(開口幅)を6cmと
し、引取りコンベアネットの速度を1m/分とした以
外、比較例4と同様にして得た線条繊度が900デニ−
ルで、弾性網状体の平均見掛け密度が0.014g/cm
3 の弾性網状体の特性を表2に示す。比較例7は繊度が
細く緻密な構造ではあるが、厚みが厚すぎて沈み込みが
大きくなり、床つき感を感じる座り心地の劣るクッショ
ン材用ワディング層としては好ましくない例である。
間ピッチを3mm、幅方向に孔間ピッチを4mmとした千鳥
配列のノズルを用い、単孔当たりの吐出量0.012g
/分にて吐出させて、ノズル面5cm下に引取りコンベア
ネットを配して引取りコンベアネットの間隔(開口幅)
を3cmとし、引取りコンベアネットの速度を1m/分と
した以外、比較例4と同様にして得た線条繊度が40デ
ニ−ルで、弾性網状体の平均見掛け密度が0.012g
/cm3 の弾性網状体の特性を表2に示す。比較例8は繊
度が細く緻密な構造ではあるが、繊度が細過ぎて沈み込
みが大きくなり、床つき感を感じる座り心地のやや劣る
クッション材用ワディング層としては好ましくない例で
ある。
体巻縮ステープル10−64−745を30/70重量
比で混合開繊して得たカ−ドウエッブを厚みが7cmで見
掛け密度が0.05g/cm3 となるように積層圧縮して
200℃の熱風にて10分間一体熱成形して厚み7cmの
クッション芯材を4枚作成した。実施例1で得た複合網
状体を長さ120cmに切断して、クッション芯材の表面
に積層接着して得られたクッションを厚み10cm、幅1
20cm、長さ50cm毎にキルティングした幅120cm、
長さ200cmの側地に入れマットレスを作成した。この
マットレスをベッドに設置し、25℃RH65%室内に
てパネラ−4人に7時間使用させて寝心地を官能評価し
た。なお、ベットにはシ−ツを掛け、掛け布団は1.8
kgのダウン/フェザ−:90/10を中綿にしたもの、
枕はパネラ−が毎日使用しているものを着用させた。評
価結果は、床つき感がなく、沈み込みが適度で、蒸れを
感じない快適な寝心地のベットであった。比較のため、
密度0.04g/cm3 で厚み10cmの発泡ウレタン板状
体で同様のマットレスを作成し、ベットに設置して寝心
地を評価した結果、床つき感は少ないが沈み込みが大き
くやや蒸れを感じる寝心地の悪いベットであった。
トの多い熱可塑性弾性樹脂から成る線条が3次元網状構
造を形成し融着一体化した、面が実質的にフラット化さ
れている本発明の弾性網状体は、振動遮断性、耐熱耐久
性、嵩高性、座り心地のより改善された、適度の圧縮反
発力を持ち、蒸れにくいクッション材用ワディング層に
適したリサイクルが容易な弾性網状体及び、他の素材と
の併用による上記の好ましい特性を付与した車両用座
席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院やホテル等の業
務用ベット、家具用クッション、寝装用品等の製品を提
供できる。更には、車両用や建築資材としての内装材や
断熱材等にも有用なものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 繊度が50デニ−ルから10000デニ
−ルの熱可塑性弾性樹脂からなる連続した線条を曲がり
くねらせ互いに接触させて該接触部の大部分が融着した
3次元立体構造体であり、表面が実質的にフラット化さ
れており、厚みが2mm〜50mmであり、50%圧縮時反
発力が40kgf/φ150mm以下である弾性網状体。 - 【請求項2】 連続した線条の断面形状が中空断面ある
いは異形断面である請求項1記載の弾性網状体。 - 【請求項3】 連続した線条を構成する熱可塑性弾性樹
脂が示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融
点以下の温度に吸熱ピークを有する請求項1記載の弾性
網状体。 - 【請求項4】 複数のオリフィスを持つ多列ノズルより
熱可塑性弾性樹脂をその融点より10℃〜60℃高い溶
融温度で、該ノズルより下方に向けて吐出させ、溶融状
態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつ
つ、引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめることに
より、50%圧縮時反発力が40kgf/φ/φ150mm
以下の弾性網状体を得る製法。 - 【請求項5】 一旦冷却後、熱可塑性弾性樹脂の融点よ
り少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングする請求
項4に記載の弾性網状体の製法。 - 【請求項6】 請求項1に記載の弾性網状体を用いた車
両用座席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院用等の業
務用及び家庭用ベット、家具用椅子、事務用椅子および
布団のいずれかの製品。
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