JPH0723840B2 - 管と管板との接続構造 - Google Patents

管と管板との接続構造

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JPH0723840B2
JPH0723840B2 JP60093782A JP9378285A JPH0723840B2 JP H0723840 B2 JPH0723840 B2 JP H0723840B2 JP 60093782 A JP60093782 A JP 60093782A JP 9378285 A JP9378285 A JP 9378285A JP H0723840 B2 JPH0723840 B2 JP H0723840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、セラミックス製管を用いた熱交換器やフィル
ター装置などに適用される管と管板との接続構造に関す
る。
「従来技術およびその問題点」 従来、金属管を使用した熱交換器などにおいては、管は
管板に直接溶接されたり、あるいは拡管によって取付け
られていた。したがって、加熱流体と被加熱流体との気
密性は充分に保持されていた。しかしながら、800℃以
上の高温流体の熱交換を金属管で行なうのは困難であ
る。このような場合にはセラミックス製管が利用される
が、この場合、溶接や拡管による接続ができないのはい
うまでもない。また、セラミックス製管の接続に際して
は、セラミックス製管と金属製の管板あるいは缶体との
間に生ずる熱膨張差や機械的衝撃を吸収する構造とする
ことが必要となる。
セラミックス製管との管板との接続構造として、本出願
人は、既に、金属ベローズを用いてセラミックス製管と
水冷管板とを接続した構造や、サンド層を介してセラミ
ックス製管と管板とを接続した構造などを提案してい
る。しかしながら、金属ベローズを用いた接続構造で
は、金属ベローズが高価であること、腐食や摩耗に対し
て耐久性が不足することなどの問題点がある。また、サ
ンド層を用いた接続構造では、例えばフィルター装置な
どで逆洗が必要なときなどにシール性が劣るという問題
点がある。
「発明の目的」 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、セラ
ミックス製管と管板との間に生ずる熱膨張差や機械的衝
撃を吸収し、しかも充分なシール性が確保された管と管
板との接続構造を提供することにある。
「発明の構成」 本発明による管と管板との接続構造によれば、セラミッ
クス製管の接続部外周を無機質の断熱層が囲み、さらに
上記無機質の断熱層の外周を有機ゴム系の緩衝層が囲
み、上記断熱層と上記緩衝層とを介して上記セラミック
ス製管が管板に保持されており、無機質の断熱層は、セ
ラミックス質のファイバー、ペーパーまたは織布からな
る内層とキャスタブルからなる外層とによって構成され
ている。
したがって、無機質の断熱層によりその外側に設けられ
た緩衝層が弾性を保持できる程度まで温度が下げられ、
有機ゴム系の緩衝層により管と管板あるいは缶体との間
に生じる熱膨張差や機械的衝撃が効果的に吸収されると
共に、流体間のシールがなされる。
本発明についてより具体的に説明すると、断熱層は、セ
ラミックス質のファイバー、ペーパー、織布などからな
る内層と、キャスタブルからなる外層とによってセラミ
ックス製管を囲むように例えば筒状に形成される。この
場合、断熱層はセラミックス管と熱膨張差が生じないよ
うな材質とすることが好ましい。断熱層をキャスタブル
などの層だけで構成すると、始動時などの過渡的な状態
において、セラミックス製管の熱膨張に断熱層の熱膨張
が追随せず、セラミックス製管に周囲から圧縮応力がか
かって割れたり、逆にセラミックス製管と断熱層との間
に隙間が生じ、シール性がなくなる可能性がある。しか
るにこの断熱層をこのような内層と外層との二重構造と
することにより、内層のクッション性および耐熱性とに
よってかかる不都合を防止できる。
有機ゴム系の緩衝層としては、例えばシリコーンゴム系
やフッ素ゴム系のものが耐熱性、高弾力性、または高温
ガス中の腐食性成分に対する耐性などの観点から好まし
く使用される。緩衝層は、好ましくは上記のような有機
ゴム系の物質を、無機質の断熱層と管板を構成する金属
壁との間に注入したり、あるいは断熱層の外周や管板の
金属壁内周に予め塗布しておくことにより、断熱層と管
板との隙間を埋めてシールするように形成される。
緩衝層を形成するさらに別の方法としては、有機ゴム系
の円筒状成形品や、有機ゴム系の板を筒状に巻いたもの
を、断熱層と管板との隙間に挿入してもよく、さらにま
た、その表面の一部または全部を不定形有機ゴムで接着
・シールしたりするなどの方法で固着したものも有効で
ある。
無機質の断熱層により、緩衝層の有機ゴムがその弾力性
を維持できる温度、例えば200℃程度まで下げられるこ
とが望まれるが、より積極的には緩衝層は水などの低温
流体により間接的に冷却される構造とされることが好ま
しい。具体的には管板を水冷構造とし、緩衝層が管板の
壁を介して間接的に水冷されるようにする。
本発明の接続構造は、例えば熱交換器におけるセラミッ
クス製伝熱管と管板との接続の他、高温ガスからの除塵
装置におけるセラミックス製フィルター管と管板との接
続などにも適用することができる。
「発明の実施例」 第1図には本発明による接続構造の一実施例が示されて
いる。セラミックス製管11はその下端部を金属製の管板
12の保持孔13内に挿入され、管板12の下面に取付けられ
た支持リング14により下端部を支持されている。この場
合、セラミックス製管11の下端と支持リング14との間に
は、リング状の金網からなるクッション15と、つば付き
リング状のステンレス板製パネル16とが介在されてい
る。クッション15はセラミックス製管11の下端部を弾性
的に支持するため設けられ、ステンレス製パネル16は支
持リング14から水室17への熱損失を減少させるために設
けられる。管板12は水室17により水冷構造とされ、セラ
ミックス製管11の接続部は水冷壁21によって囲まれてい
る。セラミックス製管11の下端部外周と水冷壁21内周と
の間にはキャスタブル成形リング18が配置されている。
キャスタブル成形リング18は、セラミックス製管11の下
端部外周との間、および管板12の水冷壁21内周との間に
所定の間隙を有するように配置されている。セラミック
ス製管11の下端部外周にはセラミックス製織布19が二重
に巻かれ、さらにその外側を図示しないビニール布が一
周巻かれ、細鋼線22により縛り付けて固定されている。
キャスタブル成形リング18とセラミックス製織布19との
間隙にはキャスタブルを流し込み成形してなるキャスタ
ブル層23が形成されている。キャスタブルの流し込みの
際、キャスタブルがセラミックス製織布19にしみ込んで
弾性を失うことがビニール布の介在によって防止され
る。なお、ビニール布は運転中、セラミックス製管11内
への高温ガスの通過により焼却される。また、キャスタ
ブル成形リング18の外周と水冷壁21の内周との間にはシ
リコーンゴムを流し込み成形してなる緩衝層24が形成さ
れている。この実施例において、緩衝層24は約3mm程度
の厚さとされている。なお、図中、25、26は管板12の上
下面に添設されたキャスタブル等の断熱材である。
この接続構造において、セラミックス製管11内を通過す
るガスの温度が700℃であるとすると、キャスタブル層2
3およびキャスタブル成形リング18が断熱層として作用
し、かつ、水冷壁21によって冷却されるため、緩衝層24
は約90℃程度に保冷されて緩衝力が保持され、熱膨張差
や機械的衝撃に伴なうセラミックス製管11と管板12との
間の相対変位を吸収する。また、始動時などの過渡的な
状態において、セラミックス製管11の熱膨張にキャスタ
ブル層23およびキャスタブル成形リング18の熱膨張が追
随せず、セラミックス製管11とキャスタブル層23および
キャスタブル成形リング18との間に応力が生ずることが
あるが、この応力はセラミックス製織布19によって吸収
される。さらに、キャスタブルをキャスタブル成形リン
グ18およびキャスタブル層23の二層としたので、熱によ
るひび割れがおきても二層の境界面で止まってガスの漏
れを防止することができ、また、かかる接続構造の組立
て作業性も良好となる。そして、キャスタブル層23およ
び緩衝層24の流し込み成形により、セラミックス製管11
端部外周と水冷壁21内周との間隙が充填されるので、流
体間のシールも確実になされる。
第2図には本発明による接続構造の他の実施例が示され
ている。セラミックス製管11の上端部が管板12の保持孔
13内に挿入されている。セラミックス製管11の上端部外
周には、セラミックス製織布19が三層に巻かれている。
また、管板12の水冷壁21内周には予め成形されたシリコ
ーンゴムからなる約8mmの厚さの筒状の緩衝層24が配置
されている。そして、セラミックス製織布19と緩衝層24
との間隙にキャスタブルを直接流し込み成形してなるキ
ャスタブル層23が形成されている。なお、図中、14は支
持リング、17は水室、25、26は断熱材である。
この接続構造において、セラミックス製管11の長さを2m
とし、セラミックス製管11上部より700℃の高温ガスを
流入させるとする。その場合、流入開始時にセラミック
ス製管11だけ高温になり、セラミックス製管11が上方向
に約1.5mm伸び、流入後1時間程で缶体鉄皮が約70℃に
昇温し、膨張してセラミックス製管11の伸びに追い着い
てくることになるが、この間の軸方向および半径方向の
熱膨張差をセラミックス製織布19および緩衝層24が吸収
し、セラミックス製管11の破損が防止される。なお、緩
衝層24は、例えばその下部外周を水冷壁21内周部に接着
され、その上部内周をキャスタブル層23外周部に接着保
持ないしはゴム弾性を利用した圧着保持をされるように
し、緩衝層24の上下方向中央部はキャスタブル層23にも
水冷壁21にも接着されていないようにすれば、水冷壁21
に対し、セラミックス製管11がその軸方向により大きな
相対変位を起こしても、これを吸収することが可能とな
る。それと共に流体間のシールもより確実となる。
第3図には、本発明による接続構造のさらに他の実施例
が示されている。この実施例では、セラミックス製管11
の上端部が、水室17を備える管板12の保持孔13内に挿入
され、セラミックス製管11の上端部外周にセラミックス
製織布19が巻き付けられている。さらに、セラミックス
製織布19の外周には筒状のキャスタブル層23が配置され
ている。そして、水冷壁21の内周には断面円弧状の凹部
27が形成されている。また、シリコーンゴムからなる筒
状の緩衝層24は、中間部に屈曲部28を形成されており、
上部内周をキャスタブル層23に固着され、下部外周を水
冷壁21に接着されている。緩衝層24の屈曲部28は水冷壁
21の凹部27に位置している。したがって、この接続構造
では、管板12を保持する缶体とセラミックス製管11との
間の熱膨張差が半径方向のみならず軸方向にも大きいよ
うな場合にあっても、緩衝層24に予め屈曲部28が形成さ
れているので、緩衝層24の弾力に無理がかかることな
く、熱膨張差を吸収することができる。なお、この実施
例では、断熱材25がフェルール状の形状をなしている。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明によれば、無機質の断熱層
により緩衝層がその弾力性を維持できる程度に温度が低
下され、断熱層が、セラミックス質のファイバー、ペー
パー織布などからなるクッション性のある内層を有して
いることによって、セラミックス製管と断熱層との間に
発生する応力によってセラミックス製管が割れたり、セ
ラミックス製管と断熱層の間に隙間が生じてシール性が
なくなるなどの不都合を防止できる。また、緩衝層によ
り熱膨張差や機械的衝撃を吸収し、流体間のシールを確
実にすることができる。そして、セラミックス製管の採
用により、例えば1000℃を超すような高温のガスも処理
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による接続構造の一実施例を示す要部断
面図、第2図は本発明による接続構造の他の実施例を示
す要部断面図、第3図は本発明による接続構造のさらに
他の実施例を示す要部断面図である。 図中、11はセラミックス製管、12は管板、17は水室、18
はキャスタブル成形リング、19はセラミックス製織布、
21は水冷壁、23はキャスタブル層、24は緩衝層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐竹 正弘 東京都千代田区丸の内2丁目1番2号 旭 硝子株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−12094(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス製管の接続部外周を無機質の
    断熱層が囲み、さらに上記無機質の断熱層の外周を有機
    ゴム系の緩衝層が囲み、上記断熱層と上記緩衝層とを介
    して上記セラミックス製管が管板に保持されており、上
    記無機質の断熱層は、セラミックス層のファイバー、ペ
    ーパーまたは織布からなる内層と、キャスタブルからな
    る外層とによって構成されていることを特徴とする管と
    管板との接続構造。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、前記有機ゴム系の緩衝層は、シリコーンゴム系また
    はフッ素ゴム系の少なくとも一つからなる管と管板との
    接続構造。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
    れか一において、前記緩衝層は水などの低温流体により
    間接的に冷却されている管と管板との接続構造。
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