JPH07238130A - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
ブロック共重合体の製造方法Info
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- JPH07238130A JPH07238130A JP5530994A JP5530994A JPH07238130A JP H07238130 A JPH07238130 A JP H07238130A JP 5530994 A JP5530994 A JP 5530994A JP 5530994 A JP5530994 A JP 5530994A JP H07238130 A JPH07238130 A JP H07238130A
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- butadiene
- isoprene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶融粘度の経時変化が少なく、特に、熱溶融
型の粘着剤組成物のベースポリマーとして好適なブロッ
ク共重合体の製造方法に関する。 【構成】 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニ
ル化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を
重合する一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の製造方法(式中、Sは、芳香族ビニル化合物
の重合体ブロックである。Bは、ブタジエン重合体ブロ
ックである。Iは、イソプレン重合体ブロックであ
る。)。
型の粘着剤組成物のベースポリマーとして好適なブロッ
ク共重合体の製造方法に関する。 【構成】 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニ
ル化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を
重合する一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の製造方法(式中、Sは、芳香族ビニル化合物
の重合体ブロックである。Bは、ブタジエン重合体ブロ
ックである。Iは、イソプレン重合体ブロックであ
る。)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なブロック共重合
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、溶融粘度の経時
変化が少なく、特に、熱溶融型の粘着剤組成物のベース
ポリマーとして好適なブロック共重合体の製造方法に関
する。
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、溶融粘度の経時
変化が少なく、特に、熱溶融型の粘着剤組成物のベース
ポリマーとして好適なブロック共重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧接着剤(粘着剤)や熱溶融型
粘着剤(ホットメルト型粘着剤)のベースポリマーとし
てスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック
共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)
ブロック共重合体なとの熱可塑性エラストマーが使用さ
れ、また、ベースポリマーとして、SISブロック共重
合体とSBSブロック共重合体の両者を併用した粘着剤
組成物も知られている(特公昭53−42345号)。
しかしながら、従来公知のブロック共重合体系の熱可塑
性エラストマーは、熱安定性が悪く、例えば、SIS型
ブロック共重合体の場合には、溶融加工時に熱劣化を受
けて溶融液の粘度が急低下し、一方、SBS型ブロック
共重合体の場合には、溶融加工時に架橋結合して溶融液
の粘度が急上昇する。また、これら両者のブレンド系で
も、加熱時に溶融粘度が経時変化により急上昇を示す。
そのため、これらのブロック共重合体をベースポリマー
とするホットメルト型粘着剤は、加工時および塗工作業
時の品質の安定を確保することが難しい。
粘着剤(ホットメルト型粘着剤)のベースポリマーとし
てスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック
共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)
ブロック共重合体なとの熱可塑性エラストマーが使用さ
れ、また、ベースポリマーとして、SISブロック共重
合体とSBSブロック共重合体の両者を併用した粘着剤
組成物も知られている(特公昭53−42345号)。
しかしながら、従来公知のブロック共重合体系の熱可塑
性エラストマーは、熱安定性が悪く、例えば、SIS型
ブロック共重合体の場合には、溶融加工時に熱劣化を受
けて溶融液の粘度が急低下し、一方、SBS型ブロック
共重合体の場合には、溶融加工時に架橋結合して溶融液
の粘度が急上昇する。また、これら両者のブレンド系で
も、加熱時に溶融粘度が経時変化により急上昇を示す。
そのため、これらのブロック共重合体をベースポリマー
とするホットメルト型粘着剤は、加工時および塗工作業
時の品質の安定を確保することが難しい。
【0003】かかる要求性能を満たすべく、出願人は先
にブタジエン重合体ブロックとイソプレン重合体ブロッ
クとを有し、溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に
優れたブロツク共重合体ついて出願した(特願平4−2
62807号)。このブロツク共重合体は芳香族ビニル
化合物(S)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)お
よび芳香族ビニル化合物(S)を順次添加して重合する
か、あるいは、ブタジエンとイソプレンとの添加順序を
逆にして重合するものである。このとき、S←I←B←
Sの順でモノマーを添加し、ブタジエンを重合した後
に、最後に芳香族ビニル化合物を添加して重合する場合
には、ブタジエンの重合速度が遅いために、未反応ブタ
ジエンが消費される迄、充分な反応時間が必要とされ、
そのため、生産効率を著しく低下させる。もし、生産性
を上げる目的で芳香族ビニル化合物の添加時期を急ぐ
と、ブタジエンと芳香族ビニル化合物とがランダムに共
重合した部分が多量に生成することが考えられ、そのた
めに、このような芳香族重合体ブロツクを有するブロツ
ク共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物は、粘
着物性の保持力が極端に低下してしまう。
にブタジエン重合体ブロックとイソプレン重合体ブロッ
クとを有し、溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に
優れたブロツク共重合体ついて出願した(特願平4−2
62807号)。このブロツク共重合体は芳香族ビニル
化合物(S)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)お
よび芳香族ビニル化合物(S)を順次添加して重合する
か、あるいは、ブタジエンとイソプレンとの添加順序を
逆にして重合するものである。このとき、S←I←B←
Sの順でモノマーを添加し、ブタジエンを重合した後
に、最後に芳香族ビニル化合物を添加して重合する場合
には、ブタジエンの重合速度が遅いために、未反応ブタ
ジエンが消費される迄、充分な反応時間が必要とされ、
そのため、生産効率を著しく低下させる。もし、生産性
を上げる目的で芳香族ビニル化合物の添加時期を急ぐ
と、ブタジエンと芳香族ビニル化合物とがランダムに共
重合した部分が多量に生成することが考えられ、そのた
めに、このような芳香族重合体ブロツクを有するブロツ
ク共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物は、粘
着物性の保持力が極端に低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性エラストマーとしての特性を有すると共に、加熱溶
融加工時における溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定
性に優れた新規なブロック共重合体を効率良く製造する
方法を提供することにある。本発明者らは、前記従来技
術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、(S−
B−I−S)型のブロック共重合体を製造する際に、ブ
タジエンとイソプレンとの添加順序の違いによって、得
られるブロツク共重合体を用いた粘着剤組成物の粘着物
性に差が生じることを見いだし、この知見に基づいて完
成するに至った。
塑性エラストマーとしての特性を有すると共に、加熱溶
融加工時における溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定
性に優れた新規なブロック共重合体を効率良く製造する
方法を提供することにある。本発明者らは、前記従来技
術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、(S−
B−I−S)型のブロック共重合体を製造する際に、ブ
タジエンとイソプレンとの添加順序の違いによって、得
られるブロツク共重合体を用いた粘着剤組成物の粘着物
性に差が生じることを見いだし、この知見に基づいて完
成するに至った。
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル化合
物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さらに、イ
ソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を重合す
ることを特徴とする一般式(S−B−I−S)で示され
るブロック共重合体の製造方法(式中、Sは、芳香族ビ
ニル化合物の重合体ブロックである。Bは、ブタジエン
重合体ブロックである。Iは、イソプレン重合体ブロッ
クである。)が提供される。
ば、有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル化合
物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さらに、イ
ソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を重合す
ることを特徴とする一般式(S−B−I−S)で示され
るブロック共重合体の製造方法(式中、Sは、芳香族ビ
ニル化合物の重合体ブロックである。Bは、ブタジエン
重合体ブロックである。Iは、イソプレン重合体ブロッ
クである。)が提供される。
【0005】本発明で製造するブロック共重合体は、一
般式(S−B−I−S)で示される構造を有するもので
ある。式中、Sは、芳香族ビニル化合物の重合体ブロッ
ク、Bは、ブタジエン重合体ブロック、また、Iは、イ
ソプレン重合体ブロックである。
般式(S−B−I−S)で示される構造を有するもので
ある。式中、Sは、芳香族ビニル化合物の重合体ブロッ
ク、Bは、ブタジエン重合体ブロック、また、Iは、イ
ソプレン重合体ブロックである。
【0006】本発明において使用する芳香族ビニル化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジメチルス
チレン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。こ
れらの中でも、入手のし易さ、反応性、及びブロック共
重合体の物性の観点等から見て、特に、スチレンが好ま
しい。
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジメチルス
チレン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。こ
れらの中でも、入手のし易さ、反応性、及びブロック共
重合体の物性の観点等から見て、特に、スチレンが好ま
しい。
【0007】本発明で製造するブロック共重合体におい
て、結合芳香族ビニル化合物の割合は、合計で10〜5
0重量%であり、結合ブタジエンの割合が10〜60重
量%、結合イソプレンの割合が10〜60重量%であ
る。また、結合ブタジエンと結合イソプレンとの重量比
は、通常、15/85〜85/15、好ましくは20/
80〜80/20である。
て、結合芳香族ビニル化合物の割合は、合計で10〜5
0重量%であり、結合ブタジエンの割合が10〜60重
量%、結合イソプレンの割合が10〜60重量%であ
る。また、結合ブタジエンと結合イソプレンとの重量比
は、通常、15/85〜85/15、好ましくは20/
80〜80/20である。
【0008】結合芳香族ビニル化合物の割合が10重量
%未満であると、ブロック共重合体を粘着剤のベースポ
リマーとした場合に、保持力が低下し、逆に、50重量
%を越えると、タッキネス(粘着性)が低下する。ま
た、結合ブタジエンの割合が10重量%未満だとブロッ
ク共重合体の溶融粘度が経時変化により小さくなると共
に、保持力が低下し、逆に、60重量%を超えると溶融
粘度が経時変化により増大するので好ましくない。結合
イソプレンの割合が10重量%未満だとブロック共重合
体の溶融粘度が経時変化により増大し、逆に、60重量
%を超えると溶融粘度が経時変化により小さくなるので
好ましくない。結合スチレン、結合ブタジエン及び結合
イソプレンの割合が前記範囲内にあることによって、得
られるブロック共重合体を粘着剤のベースポリマーとし
て使用した場合に、タック、接着力及び保持力のいずれ
もが良好、かつ、低温特性に優れた粘着剤を得ることが
できる。また、結合ブタジエン及び結合イソプレンの割
合が前記範囲内にあることによって、耐熱性に優れ、溶
融加工時に溶融粘度の変化の少ないブロック共重合体を
得ることができる。
%未満であると、ブロック共重合体を粘着剤のベースポ
リマーとした場合に、保持力が低下し、逆に、50重量
%を越えると、タッキネス(粘着性)が低下する。ま
た、結合ブタジエンの割合が10重量%未満だとブロッ
ク共重合体の溶融粘度が経時変化により小さくなると共
に、保持力が低下し、逆に、60重量%を超えると溶融
粘度が経時変化により増大するので好ましくない。結合
イソプレンの割合が10重量%未満だとブロック共重合
体の溶融粘度が経時変化により増大し、逆に、60重量
%を超えると溶融粘度が経時変化により小さくなるので
好ましくない。結合スチレン、結合ブタジエン及び結合
イソプレンの割合が前記範囲内にあることによって、得
られるブロック共重合体を粘着剤のベースポリマーとし
て使用した場合に、タック、接着力及び保持力のいずれ
もが良好、かつ、低温特性に優れた粘着剤を得ることが
できる。また、結合ブタジエン及び結合イソプレンの割
合が前記範囲内にあることによって、耐熱性に優れ、溶
融加工時に溶融粘度の変化の少ないブロック共重合体を
得ることができる。
【0009】本発明で製造するブロック共重合体は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)が1
0,000〜500,000、好ましくは50,000
〜300,000の範囲にある。重量平均分子量が1
0,000未満であると、保持力が低下し、一方、50
0,000を越えると、タッキネスが低下すると共に、
塗工性及び加工性が悪くなる。
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)が1
0,000〜500,000、好ましくは50,000
〜300,000の範囲にある。重量平均分子量が1
0,000未満であると、保持力が低下し、一方、50
0,000を越えると、タッキネスが低下すると共に、
塗工性及び加工性が悪くなる。
【0010】本発明で製造するブロック共重合体は、通
常、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合の割合が15
%以下で、イソプレン部分の3,4−ビニル結合の割合
が10%以下である。また、本発明で製造するブロック
共重合体は、粘弾性測定における貯蔵弾性率(G′)
が、0℃〜50℃の範囲において、105 〜3×108
Paで、かつ、ブタジエン重合体ブロック及びイソプレ
ン重合体ブロックに起因する損失正接(tanδ)のピ
ークが、−80℃〜−50℃の範囲において、1つだけ
存在する。例えば、S−I−S型ブロック共重合体とS
−B−S型ブロック共重合体をブレンドした場合には、
ブタジエン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロッ
クのそれぞれに起因する損失正接(tanδ)のピーク
が、−80℃〜−50℃の範囲において2つ現れる。貯
蔵弾性率(G′)が105 Pa未満のブロック共重合体
を粘着剤のベースポリマーとした場合は、保持力が低下
し、逆に、3×108 Paを越えると、低温タッキネス
(粘着性)が低下する。
常、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合の割合が15
%以下で、イソプレン部分の3,4−ビニル結合の割合
が10%以下である。また、本発明で製造するブロック
共重合体は、粘弾性測定における貯蔵弾性率(G′)
が、0℃〜50℃の範囲において、105 〜3×108
Paで、かつ、ブタジエン重合体ブロック及びイソプレ
ン重合体ブロックに起因する損失正接(tanδ)のピ
ークが、−80℃〜−50℃の範囲において、1つだけ
存在する。例えば、S−I−S型ブロック共重合体とS
−B−S型ブロック共重合体をブレンドした場合には、
ブタジエン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロッ
クのそれぞれに起因する損失正接(tanδ)のピーク
が、−80℃〜−50℃の範囲において2つ現れる。貯
蔵弾性率(G′)が105 Pa未満のブロック共重合体
を粘着剤のベースポリマーとした場合は、保持力が低下
し、逆に、3×108 Paを越えると、低温タッキネス
(粘着性)が低下する。
【0011】本発明によって(S−B−I−S)型ブロ
ック共重合体を製造する方法は、従来公知の有機リチウ
ム化合物を重合開始剤として使用し、炭化水素溶媒中、
先ず芳香族ビニル化合物を重合し、次いで、ブタジエン
を重合し、さらに、イソプレンを添加して重合し、イソ
プレンの重合転化率がほぼ100%になってから、具体
的には、未反応イソプレンの残留濃度が約500ppm
以下、好ましくは400ppm以下に減少した後に、芳
香族ビニル化合物を添加して、最後に芳香族ビニル化合
物を重合させるものである。このとき、ブタジエンの重
合とイソプレンの重合との順番を逆にすると、ブタジエ
ンの重合速度が遅いために、未反応ブタジエンが消費さ
れる迄、充分な反応時間が必要とされ、そのため、生産
効率を著しく低下させる。もし、生産性を上げる目的で
芳香族ビニル化合物の添加時期を急ぐと、ブタジエンと
芳香族ビニル化合物とがランダムに共重合した部分が多
量に含有する芳香族ビニル化合物の重合体ブロツクが生
成し、そのために、このようなブロツク共重合体をベー
スポリマーとする粘着剤組成物は、粘着物性の保持力が
極端に低下してしまう。
ック共重合体を製造する方法は、従来公知の有機リチウ
ム化合物を重合開始剤として使用し、炭化水素溶媒中、
先ず芳香族ビニル化合物を重合し、次いで、ブタジエン
を重合し、さらに、イソプレンを添加して重合し、イソ
プレンの重合転化率がほぼ100%になってから、具体
的には、未反応イソプレンの残留濃度が約500ppm
以下、好ましくは400ppm以下に減少した後に、芳
香族ビニル化合物を添加して、最後に芳香族ビニル化合
物を重合させるものである。このとき、ブタジエンの重
合とイソプレンの重合との順番を逆にすると、ブタジエ
ンの重合速度が遅いために、未反応ブタジエンが消費さ
れる迄、充分な反応時間が必要とされ、そのため、生産
効率を著しく低下させる。もし、生産性を上げる目的で
芳香族ビニル化合物の添加時期を急ぐと、ブタジエンと
芳香族ビニル化合物とがランダムに共重合した部分が多
量に含有する芳香族ビニル化合物の重合体ブロツクが生
成し、そのために、このようなブロツク共重合体をベー
スポリマーとする粘着剤組成物は、粘着物性の保持力が
極端に低下してしまう。
【0012】ブロック共重合体の製造に使用する炭化水
素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、及びこれ
らとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの混
合溶媒等が挙げられる。
素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、及びこれ
らとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの混
合溶媒等が挙げられる。
【0013】重合開始剤として用いられる有機リチウム
化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘ
キシルリチウム、iso−ヘキシルリチウム、フェニル
リチウム、ナフチルリチウムなどが挙げられ、通常、モ
ノマー100重量部当り0.01〜1重量部の範囲で用
いられる。
化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘ
キシルリチウム、iso−ヘキシルリチウム、フェニル
リチウム、ナフチルリチウムなどが挙げられ、通常、モ
ノマー100重量部当り0.01〜1重量部の範囲で用
いられる。
【0014】なお、本発明で製造するブロック共重合体
は、粘着剤のベースポリマーとして使用することがで
き、特に、熱可塑性エラストマーとしての特性と熱安定
性を利用して、熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマー
として好適に使用することができる。かかる粘着剤組成
物は、前記ブロック共重合体100重量部と、粘着付与
剤50〜300重量部を含有する。また、軟化剤を0〜
100重量部の割合で配合してもよい。
は、粘着剤のベースポリマーとして使用することがで
き、特に、熱可塑性エラストマーとしての特性と熱安定
性を利用して、熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマー
として好適に使用することができる。かかる粘着剤組成
物は、前記ブロック共重合体100重量部と、粘着付与
剤50〜300重量部を含有する。また、軟化剤を0〜
100重量部の割合で配合してもよい。
【0015】粘着付与剤としては、数平均分子量が30
0〜3,000、JIS K−2207に定められた環
球法に基づく軟化点が60〜130℃の低分子量の樹脂
が好ましく使用できる。具体例としては、例えば、ロジ
ン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テ
ルペン樹脂及びそれらの水素化物、テルペンフェノール
樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳
香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族・芳香族共重
合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びそ
の水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重
合体などが挙げられる。
0〜3,000、JIS K−2207に定められた環
球法に基づく軟化点が60〜130℃の低分子量の樹脂
が好ましく使用できる。具体例としては、例えば、ロジ
ン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テ
ルペン樹脂及びそれらの水素化物、テルペンフェノール
樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳
香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族・芳香族共重
合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びそ
の水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重
合体などが挙げられる。
【0016】粘着付与剤の中でも、とくに、ブロック共
重合体のブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重
合体ブロックに相溶するものが好ましく、例えば、ポリ
テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の
水素化物などが好ましい。また、粘着剤組成物の凝集力
を向上させる目的で、芳香族ビニル化合物重合体ブロッ
クに相溶するクマロン・インデン樹脂あるいはスチレン
や置換スチレンの低分子量重合体を、前記共役ジエン重
合体ブロックと相溶する粘着付与剤と共に、配合しても
よい。
重合体のブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重
合体ブロックに相溶するものが好ましく、例えば、ポリ
テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の
水素化物などが好ましい。また、粘着剤組成物の凝集力
を向上させる目的で、芳香族ビニル化合物重合体ブロッ
クに相溶するクマロン・インデン樹脂あるいはスチレン
や置換スチレンの低分子量重合体を、前記共役ジエン重
合体ブロックと相溶する粘着付与剤と共に、配合しても
よい。
【0017】軟化剤としては、例えば、パラフィン系プ
ロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プ
ロセスオイルなどの石油系プロセスオイル;ひまし油、
トール油などの天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキ
ル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子
量液状ポリマー;が挙げられる。これらの中でも、パラ
フィン系プロセスオイルや液状ポリブテンを用いると、
熱や紫外線に対し特に安定で色合いの優れた粘着剤を得
ることができる。
ロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プ
ロセスオイルなどの石油系プロセスオイル;ひまし油、
トール油などの天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキ
ル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子
量液状ポリマー;が挙げられる。これらの中でも、パラ
フィン系プロセスオイルや液状ポリブテンを用いると、
熱や紫外線に対し特に安定で色合いの優れた粘着剤を得
ることができる。
【0018】粘着剤組成物において、粘着付与剤の使用
割合は、ブロック共重合体100重量部に対し、50〜
300重量部、好ましくは30〜180重量部である。
粘着付与剤の割合が50重量部未満であると、タッキネ
スが低下し、逆に、300重量部を越えると、保持力が
低下する。軟化剤の使用割合は、0〜100重量部、好
ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜13
0重量部である。この比率を逸脱すると、粘着剤として
バランスのとれた物性を得ることが難しい。粘着剤組成
物には、本発明の目的を妨げない範囲で他のゴム成分を
配合してもよく、さらに、所望に応じて、酸化防止剤、
顔料、充填剤などの添加剤を適宜配合することができ
る。
割合は、ブロック共重合体100重量部に対し、50〜
300重量部、好ましくは30〜180重量部である。
粘着付与剤の割合が50重量部未満であると、タッキネ
スが低下し、逆に、300重量部を越えると、保持力が
低下する。軟化剤の使用割合は、0〜100重量部、好
ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜13
0重量部である。この比率を逸脱すると、粘着剤として
バランスのとれた物性を得ることが難しい。粘着剤組成
物には、本発明の目的を妨げない範囲で他のゴム成分を
配合してもよく、さらに、所望に応じて、酸化防止剤、
顔料、充填剤などの添加剤を適宜配合することができ
る。
【0019】粘着剤組成物の製造方法は、特に限定され
るものではなく、ロール、バンバリーミキサー、ダルト
ン混練機などを用いた機械的混合法、撹拌機を備えた溶
融釜あるいは一軸または二軸の押出機を用いて加熱混合
することを特徴とするホットメルト法、適当な溶剤に配
合成分を投入し、これを攪拌することによって粘着剤組
成物の均一な溶液を得る溶剤法など、いずれの方法も用
いることができる。粘着剤組成物は、無溶剤で、あるい
はその溶液を、紙、プラスチックフィルムなどの支持体
に適当な塗布機を用いて均一に塗布し、必要に応じて乾
燥することによって、各種の粘着テープや粘着シートを
製造することができる。
るものではなく、ロール、バンバリーミキサー、ダルト
ン混練機などを用いた機械的混合法、撹拌機を備えた溶
融釜あるいは一軸または二軸の押出機を用いて加熱混合
することを特徴とするホットメルト法、適当な溶剤に配
合成分を投入し、これを攪拌することによって粘着剤組
成物の均一な溶液を得る溶剤法など、いずれの方法も用
いることができる。粘着剤組成物は、無溶剤で、あるい
はその溶液を、紙、プラスチックフィルムなどの支持体
に適当な塗布機を用いて均一に塗布し、必要に応じて乾
燥することによって、各種の粘着テープや粘着シートを
製造することができる。
【0020】本発明で製造するブロック共重合体は、熱
安定性に優れており、加熱溶融時における溶融粘度の経
時変化が少ないため、これらをベースポリマーとする粘
着剤組成物は、特に、熱溶融型粘着剤組成物として好適
に使用することができる。本発明の熱溶融型粘着剤組成
物は、溶融温度を高めても溶融粘度の経時変化が少ない
ため、溶融させることにより、無溶剤でも流動性良く支
持体上に塗工することができる。また、粘着剤組成物を
支持体に塗布することなく、熱で溶融させるか適当な溶
剤に溶解するなどの方法で流動化させることによって、
接着剤あるいはシーラントとして使用することもでき
る。
安定性に優れており、加熱溶融時における溶融粘度の経
時変化が少ないため、これらをベースポリマーとする粘
着剤組成物は、特に、熱溶融型粘着剤組成物として好適
に使用することができる。本発明の熱溶融型粘着剤組成
物は、溶融温度を高めても溶融粘度の経時変化が少ない
ため、溶融させることにより、無溶剤でも流動性良く支
持体上に塗工することができる。また、粘着剤組成物を
支持体に塗布することなく、熱で溶融させるか適当な溶
剤に溶解するなどの方法で流動化させることによって、
接着剤あるいはシーラントとして使用することもでき
る。
【0021】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の
例において、部および%は、特に断りのない限り重量基
準である。以下の例における物性の測定法は、次の通り
である。 <結合スチレン量、結合ブタジエン量、結合イソプレン
量>NMR(核磁気共鳴吸収)法により測定した(単
位:重量%)。 <重量平均分子量>ブロック共重合体の重量平均分子量
は、高速液体クロマトグラフィー(HCL−802A、
東ソー社製)を用いて測定された分子量分布曲線から、
分子量既知の標準ポリスチレンの分析結果より求められ
る検量線をもとに算出した。測定には、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムG−4000HとG−5000を組
み合わせて用い、カラム温度40℃、キャリア(テトラ
ヒドロフラン)流量1.3m1/min、試料濃度0.
6g/1の条件で測定した(単位:×104)。 <粘弾性の測定>G′(貯蔵弾性率)、G″(損失弾性
率)、及びtanδ(損失正接)の測定条件は、次のと
おりである。 装置:レオメトリックス・ダイナミック・アナライ
ザーII(RDA II)(レオメトリックス社製) 試験方法:トウション・レクタンギュラー・テスト 試験片:長さ42mm×幅12.5mm×厚さ2m
mの短冊状試験片 振動数:6.28 ラジアン/秒 測定温度範囲:−100℃〜120℃
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の
例において、部および%は、特に断りのない限り重量基
準である。以下の例における物性の測定法は、次の通り
である。 <結合スチレン量、結合ブタジエン量、結合イソプレン
量>NMR(核磁気共鳴吸収)法により測定した(単
位:重量%)。 <重量平均分子量>ブロック共重合体の重量平均分子量
は、高速液体クロマトグラフィー(HCL−802A、
東ソー社製)を用いて測定された分子量分布曲線から、
分子量既知の標準ポリスチレンの分析結果より求められ
る検量線をもとに算出した。測定には、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムG−4000HとG−5000を組
み合わせて用い、カラム温度40℃、キャリア(テトラ
ヒドロフラン)流量1.3m1/min、試料濃度0.
6g/1の条件で測定した(単位:×104)。 <粘弾性の測定>G′(貯蔵弾性率)、G″(損失弾性
率)、及びtanδ(損失正接)の測定条件は、次のと
おりである。 装置:レオメトリックス・ダイナミック・アナライ
ザーII(RDA II)(レオメトリックス社製) 試験方法:トウション・レクタンギュラー・テスト 試験片:長さ42mm×幅12.5mm×厚さ2m
mの短冊状試験片 振動数:6.28 ラジアン/秒 測定温度範囲:−100℃〜120℃
【0022】<粘着物性>不揮発分濃度50%の粘着剤
溶液を調製し、この溶液を25μm厚のポリエステルフ
ィルム上に糊厚25μmになるように塗布して粘着テー
プを作成し、得られた粘着テープのタッキネス、粘着力
及び保持力を測定した。 (1) タッキネスは、JIS Z−0237に準じ、2
3℃および5℃において、傾斜角30度のステレンス板
上の斜面に、長さ10cmの粘着テープを粘着面を上に
して貼りつけ、斜面の上方10cmの位置より直径3/
32インチから32/32インチまでの30種類の大き
さの鋼球を初速度0でころがして、粘着テープ上で停止
する最大径の球の大きさで表示した(5個のボールナン
バーの平均値)。 (2) 粘着力は、JIS Z−0237に準じ、280
番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、幅10mm
×長さ100mmとして粘着テープを貼りつけ、23℃
において200mm×分の速度で180度の方向に剥離
して測定した(単位:g/cm)。 (3) 保持力は、JIS Z−0237に準じ、前記と
同様に処理したステンレス板に25mm×10mmの面
積が接するように粘着テープを貼りつけ、23℃におい
て1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板よ
り脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。
溶液を調製し、この溶液を25μm厚のポリエステルフ
ィルム上に糊厚25μmになるように塗布して粘着テー
プを作成し、得られた粘着テープのタッキネス、粘着力
及び保持力を測定した。 (1) タッキネスは、JIS Z−0237に準じ、2
3℃および5℃において、傾斜角30度のステレンス板
上の斜面に、長さ10cmの粘着テープを粘着面を上に
して貼りつけ、斜面の上方10cmの位置より直径3/
32インチから32/32インチまでの30種類の大き
さの鋼球を初速度0でころがして、粘着テープ上で停止
する最大径の球の大きさで表示した(5個のボールナン
バーの平均値)。 (2) 粘着力は、JIS Z−0237に準じ、280
番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、幅10mm
×長さ100mmとして粘着テープを貼りつけ、23℃
において200mm×分の速度で180度の方向に剥離
して測定した(単位:g/cm)。 (3) 保持力は、JIS Z−0237に準じ、前記と
同様に処理したステンレス板に25mm×10mmの面
積が接するように粘着テープを貼りつけ、23℃におい
て1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板よ
り脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。
【0023】(実施例1〜3)乾燥窒素雰囲気下、3リ
ットルのオートクレーブにて、1500gのシクロヘキ
サン溶媒中、n−ブチルリチウム5.7ミリモルを重合
開始剤として使用し、60℃、5時間でスチレン(S
T)、ブタジエン(BD)、イソプレン(IP)を順次
添加して重合し、イソプレンの添加が終了した時を起点
として、10分、15分、20分後に、それぞれスチレ
ンを添加して重合することによって、3種類の(S−B
−I−S)型ブロック共重合体を製造した。この時の未
反応イソプレンの残留濃度は表1に示したとおりである
(単位:ppm)。なお、ブロツク共重合体の組成は、
ST:BD:IP:ST=20:25:35:20であ
る。また、使用したST、BD及びIPの総重量は40
0gであった。ブロック共重合体の重量平均分子量は、
いずれも8万である。また、得られた3種類のブロック
共重合体の粘弾性測定結果から、ブタジエン重合体ブロ
ック及びイソプレン重合体ブロックに起因する損失正接
(tanδ)のピークが、いずれも−62℃に1つだけ
存在した。次に、上記3種類のブロツク共重合体を用い
て、以下の配合処方により粘着剤組成物を調製し(以下
の例においても同様)、粘着物性を測定した。具体的に
は、下記の配合処方により、各成分をダルトン混練機に
て混練した後、得られた組成物をトルエンに溶解し(不
揮発分濃度50%)、この溶液を25μm厚のポリエス
テルフィルム上に糊厚25μmになるように塗布して粘
着テープを作成した。結果を一括して表1に示す。 〔粘着剤組成物の配合〕 ブロック共重合体 100部 粘着付与剤(芳香族系石油樹脂の水素化物) 170部 軟化剤(パラフィン系プロセスオイル) 65部 酸化防止剤 1部
ットルのオートクレーブにて、1500gのシクロヘキ
サン溶媒中、n−ブチルリチウム5.7ミリモルを重合
開始剤として使用し、60℃、5時間でスチレン(S
T)、ブタジエン(BD)、イソプレン(IP)を順次
添加して重合し、イソプレンの添加が終了した時を起点
として、10分、15分、20分後に、それぞれスチレ
ンを添加して重合することによって、3種類の(S−B
−I−S)型ブロック共重合体を製造した。この時の未
反応イソプレンの残留濃度は表1に示したとおりである
(単位:ppm)。なお、ブロツク共重合体の組成は、
ST:BD:IP:ST=20:25:35:20であ
る。また、使用したST、BD及びIPの総重量は40
0gであった。ブロック共重合体の重量平均分子量は、
いずれも8万である。また、得られた3種類のブロック
共重合体の粘弾性測定結果から、ブタジエン重合体ブロ
ック及びイソプレン重合体ブロックに起因する損失正接
(tanδ)のピークが、いずれも−62℃に1つだけ
存在した。次に、上記3種類のブロツク共重合体を用い
て、以下の配合処方により粘着剤組成物を調製し(以下
の例においても同様)、粘着物性を測定した。具体的に
は、下記の配合処方により、各成分をダルトン混練機に
て混練した後、得られた組成物をトルエンに溶解し(不
揮発分濃度50%)、この溶液を25μm厚のポリエス
テルフィルム上に糊厚25μmになるように塗布して粘
着テープを作成した。結果を一括して表1に示す。 〔粘着剤組成物の配合〕 ブロック共重合体 100部 粘着付与剤(芳香族系石油樹脂の水素化物) 170部 軟化剤(パラフィン系プロセスオイル) 65部 酸化防止剤 1部
【0024】(比較例1、2)実施例1と同様に、乾燥
窒素雰囲気下、3リットルのオートクレーブにて、15
00gのシクロヘキサン溶媒中、n−ブチルリチウム
5.7ミリモルを重合開始剤として使用し、60℃、5
時間でスチレン(ST)、イソプレン(IP)、ブタジ
エン(BD)を順次添加して重合し、ブタジエンの添加
が終了した時を起点として、10分、20分後に、それ
ぞれスチレンを添加して重合することによって、2種類
の(S−I−B−S)型ブロック共重合体を製造した。
この時の未反応ブタジエンの残留濃度は表1に示したと
おりである(単位:ppm)。なお、ブロツク共重合体
の組成は、ST:IP:BD:ST=20:35:2
5:20である。また、使用したST、BD及びIPの
総重量は400gであった。ブロック共重合体の重量平
均分子量は、いずれも8万である。また、得られた4種
類のブロック共重合体の粘弾性測定結果から、ブタジエ
ン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックに起因
する損失正接(tanδ)のピークが、いずれも−62
℃に1つだけ存在した。次に、上記4種類のブロツク共
重合体を用いて、実施例1と同様に粘着剤組成物を調製
し、粘着物性を測定した。結果を表1に示す。
窒素雰囲気下、3リットルのオートクレーブにて、15
00gのシクロヘキサン溶媒中、n−ブチルリチウム
5.7ミリモルを重合開始剤として使用し、60℃、5
時間でスチレン(ST)、イソプレン(IP)、ブタジ
エン(BD)を順次添加して重合し、ブタジエンの添加
が終了した時を起点として、10分、20分後に、それ
ぞれスチレンを添加して重合することによって、2種類
の(S−I−B−S)型ブロック共重合体を製造した。
この時の未反応ブタジエンの残留濃度は表1に示したと
おりである(単位:ppm)。なお、ブロツク共重合体
の組成は、ST:IP:BD:ST=20:35:2
5:20である。また、使用したST、BD及びIPの
総重量は400gであった。ブロック共重合体の重量平
均分子量は、いずれも8万である。また、得られた4種
類のブロック共重合体の粘弾性測定結果から、ブタジエ
ン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックに起因
する損失正接(tanδ)のピークが、いずれも−62
℃に1つだけ存在した。次に、上記4種類のブロツク共
重合体を用いて、実施例1と同様に粘着剤組成物を調製
し、粘着物性を測定した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から、本発明の製造方法によれ
ば、短時間で(S−B−I−S)型ブロック共重合体が
得られ、かかるブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着テープは、タック、粘着力及び保持力ともに高水
準の物性を有することが分かる。一方、ブタジエンの重
合とイソプレンの重合とを逆にした場合は、粘着剤組成
物のベースポリマーとして使用できるブロツク共重合体
を得るためには長時間の重合時間が必要であり、生産性
がきわめて低いことが分かる。
ば、短時間で(S−B−I−S)型ブロック共重合体が
得られ、かかるブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着テープは、タック、粘着力及び保持力ともに高水
準の物性を有することが分かる。一方、ブタジエンの重
合とイソプレンの重合とを逆にした場合は、粘着剤組成
物のベースポリマーとして使用できるブロツク共重合体
を得るためには長時間の重合時間が必要であり、生産性
がきわめて低いことが分かる。
【0027】なお本発明の具体的な態様は以下のとおり
である。 (1) 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル
化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を
重合することを特徴とする一般式(S−B−I−S)で
示されるブロック共重合体の製造方法。(式中、Sは、
芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。Bは、ブ
タジエン重合体ブロックである。Iは、イソプレン重合
体ブロックである。) (2) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物がスチレンである
(1)のブロツク共重合体の製造方法。 (3) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物の割合が10〜50
重量%、結合ブタジエンの割合が10〜60重量%、結
合イソプレンの割合が10〜60重量%、粘弾性測定に
おける貯蔵弾性率(G′)が、0℃〜50℃の範囲にお
いて、105 Pa〜3×108 Pa未満である、(1)
のブロツク共重合体の製造方法。 (4) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビ&重量平均分子量が10,00
0〜500,000である(1)のブロツク共重合体の
製造方法。 (5) 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル
化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合し、未反応イソプレンの残留濃度
が500ppmになった後に、芳香族ビニル化合物を添
加して、芳香族ビニル化合物を重合することを特徴とす
る(1)のブロツク共重合体の製造方法。
である。 (1) 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル
化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合物を
重合することを特徴とする一般式(S−B−I−S)で
示されるブロック共重合体の製造方法。(式中、Sは、
芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。Bは、ブ
タジエン重合体ブロックである。Iは、イソプレン重合
体ブロックである。) (2) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物がスチレンである
(1)のブロツク共重合体の製造方法。 (3) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物の割合が10〜50
重量%、結合ブタジエンの割合が10〜60重量%、結
合イソプレンの割合が10〜60重量%、粘弾性測定に
おける貯蔵弾性率(G′)が、0℃〜50℃の範囲にお
いて、105 Pa〜3×108 Pa未満である、(1)
のブロツク共重合体の製造方法。 (4) 一般式(S−B−I−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビ&重量平均分子量が10,00
0〜500,000である(1)のブロツク共重合体の
製造方法。 (5) 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル
化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、さら
に、イソプレンを重合し、未反応イソプレンの残留濃度
が500ppmになった後に、芳香族ビニル化合物を添
加して、芳香族ビニル化合物を重合することを特徴とす
る(1)のブロツク共重合体の製造方法。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性エラストマー
としての特性を有すると共に、加熱溶融加工時における
溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に優れた新規な
ブロック共重合体を効率よく得るための製造方法が提供
される。また、本発明によれば、粘着剤組成物、特に、
熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマーとして好適な新
規なブロック共重合体が提供される。さらに、本発明で
製造する新規なブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着剤組成物は、特に、塗工作業性、流動性、さらに
低温特性に優れた熱溶融型粘着剤組成物として有用であ
る。
としての特性を有すると共に、加熱溶融加工時における
溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に優れた新規な
ブロック共重合体を効率よく得るための製造方法が提供
される。また、本発明によれば、粘着剤組成物、特に、
熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマーとして好適な新
規なブロック共重合体が提供される。さらに、本発明で
製造する新規なブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着剤組成物は、特に、塗工作業性、流動性、さらに
低温特性に優れた熱溶融型粘着剤組成物として有用であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族
ビニル化合物を重合し、次いで、ブタジエンを重合し、
さらに、イソプレンを重合した後に、芳香族ビニル化合
物を重合することを特徴とする一般式(S−B−I−
S)で示されるブロック共重合体の製造方法。(式中、
Sは、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックである。B
は、ブタジエン重合体ブロックである。Iは、イソプレ
ン重合体ブロックである。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05530994A JP3339171B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | ブロック共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05530994A JP3339171B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | ブロック共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238130A true JPH07238130A (ja) | 1995-09-12 |
JP3339171B2 JP3339171B2 (ja) | 2002-10-28 |
Family
ID=12994974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05530994A Expired - Fee Related JP3339171B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | ブロック共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3339171B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003073434A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-03-12 | Kuraray Co Ltd | ブロック共重合体の製造方法 |
JP2003073433A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-03-12 | Kuraray Co Ltd | 成形体用ブロック共重合体 |
JP2010510379A (ja) * | 2006-11-20 | 2010-04-02 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | スチレンテトラブロックコポリマーおよびそのようなコポリマーをベースとするポリマーブレンド組成物 |
-
1994
- 1994-02-28 JP JP05530994A patent/JP3339171B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003073434A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-03-12 | Kuraray Co Ltd | ブロック共重合体の製造方法 |
JP2003073433A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-03-12 | Kuraray Co Ltd | 成形体用ブロック共重合体 |
JP2010510379A (ja) * | 2006-11-20 | 2010-04-02 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | スチレンテトラブロックコポリマーおよびそのようなコポリマーをベースとするポリマーブレンド組成物 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3339171B2 (ja) | 2002-10-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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