JPH0723794A - 細菌同定用培地及び細菌同定方法 - Google Patents

細菌同定用培地及び細菌同定方法

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JPH0723794A
JPH0723794A JP16488693A JP16488693A JPH0723794A JP H0723794 A JPH0723794 A JP H0723794A JP 16488693 A JP16488693 A JP 16488693A JP 16488693 A JP16488693 A JP 16488693A JP H0723794 A JPH0723794 A JP H0723794A
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bacteria
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Akihiko Maeda
彰彦 前田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検体中の菌存在確認試験と菌種菌名同定法と
の両方を短時間で測定することが可能な細菌同定法とそ
れに用いる培地の提供を目的としている。 【構成】 安定同位体(13C,D,15N)で標識した糖
を含む細菌同定用培地に検体を接種して培養し、該培地
中に生産される安定同位体標識細菌代謝物の核磁気共鳴
ケミカルシフトチャートを測定し、該検体中の菌存在の
確認とその菌の同定とを行うことを特徴とする細菌同定
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細菌を安定同位体(13
C,D,15N)標識栄養素添加培地にて培養(繁殖)さ
せ、細菌から産生される標識脂肪酸、標識アルコール等
を核磁気共鳴(NMR)分析により同定する方法とその
培地に関する。感染症の原因は全て細菌によることか
ら、医学臨床検査での応用や食品産業での品質管理等に
期待できる。
【0002】
【従来の技術】細菌確認検査は、菌存在検査と菌種、菌
名同定の精密検査とに分かれている。それら従来の検査
のうち、菌存在確認検査は、次のように行われている。 検体(通常は血液)を無菌的に処理された細菌培養ボ
トルに2〜5ml接種する。 接種後、直ちに孵卵器に入れ30〜37℃で培養す
る。 菌の発育が認められるまで14日間毎日一度観察を行
う。そして菌発育の確認方法は、培地の濁り、培地中の
気泡発生(細菌によるガス産生)、培地液のpH変化
(細菌による酸の産生)などによって判断している。
【0003】また、一例として嫌気性菌の菌種、菌名同
定法として一般的な方法は、細菌が代謝するアルコール
及び脂肪酸をGC(ガスクロマトグラフィー)で同定定
量する方法である。以下にこの方法の手順を示す。 検体(通常は血液)を一般的細菌が生育する培地(非
選択培地)に接種する。 非選択培地上には数種の細菌が生育し、それぞれ菌の
コロニーを形成する。各コロニーから菌を採取し、それ
をその菌のみ生育する選択培地(培養液)で培養する。 の操作は単一の菌が得られるまで行う。 単一菌が得られた培養液を5ml程取り出し、エーテ
ル等で細菌代謝物(アルコール、脂肪酸)を抽出する。 想定される細菌の代謝脂肪酸のうち揮発性脂肪酸のみ
検出する場合には抽出液をそのままGCで分析する。不
揮発性脂肪酸を検出する必要があると きには、抽出液
を揮発化処理(メチル化又はブチル化)しGCで分析す
る。 用意したサンプルをGCで分析する(揮発性脂肪酸、
不揮発性脂肪酸アルコールの定性、定量)。そして、G
Cによる定性、定量の結果、代謝されたアルコール及び
脂肪酸の種類と比率とによって細菌の菌種、菌名を同定
する。ただし、この分析と併用して化学的性質(還元
性、尿素活性等)の測定も実施し、これらのデータも通
常は菌名決定のデータとして用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来法には次のような問題があった。菌存在確認検査
は、菌の存在確認をするために、検体接種後の培地の変
化(培地の濁り等)が現われるまで培養を継続しなけれ
ばならず、菌により異なるが、1〜2週間存在確認する
場合もあり、判定に時間がかかる。また、培地の変化
(培養液の濁り)を目視により判断する場合、判定者の
個人差が生じるおそれがある。さらに、検体の接種から
菌の存在確認まで、毎日人間が観察を行うため検査に人
手がかかる問題があった。
【0005】また、菌種、菌名同定方法にあっては、細
菌の培養を数回繰り返して行うために長時間を要する問
題がある。また、病原菌を取り扱っている時間が長いた
め取扱者に感染の危険性がある。さらに、細菌培養を繰
り返す操作は人が行っているので、全体の分析システム
の全自動化が困難である、などの問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、検体中の菌存在確認検査と菌種菌名同定法との両方
を短時間で測定することが可能な細菌同定方法とそれに
用いる培地の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る細菌同定用
培地は、一部の炭素又は全ての炭素を13Cで標識した糖
と、一部の水素又は全ての水素を重水素で標識した糖
と、一部の炭素及び水素又は全ての炭素及び水素を13
と重水素で標識した糖とのいずれかを含有したことを特
徴としている。また本発明に係る細菌同定方法は、上記
の細菌同定用培地に検体を接種して培養し、該培地中に
生産される安定同位体標識細菌代謝物の核磁気共鳴ケミ
カルシフトチャートを測定し、該検体中の菌存在の確認
とその菌の同定を行うことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明方法では、安定同位体で標識した糖を含
む細菌同定用培地を用い、この培地に細菌を含む可能性
のある検体を接種して培養し、24〜48時間程度の培
養の後でその培養液をサンプリングし、このサンプルを
核磁気共鳴(以下、NMRという)装置で安定同位体元
素のNMRケミカルシフトチャートを測定し、得られた
スペクトルの脂肪酸やアルコール等の代謝物の存在比か
ら、検体中の菌の存在確認と、その菌の菌種、菌名の同
定を行うことができる。菌(特に嫌気性菌)の代謝は、
培地に接種後、48時間までに充分行われることが知ら
れている。これにより菌代謝物(アルコールや脂肪酸
等)も48時間以内に充分に生産されると考えられる。
一方代謝物は、13Cで標識された糖を用いた場合には、
NMR装置で安定同位体元素の13Cケミカルシフトチャ
ートを測定することによって、1×10-7MOL/100ml-
培養液程度の極微量の脂肪酸も定性可能であることか
ら、48時間以内の早い段階で代謝される脂肪酸等の同
定が可能である。細菌によっては、代謝脂肪酸やアルコ
ールのうち、特定の物質のみ多く生産する場合があり、
またこれら生産物は一定の組成比を示すため、数種類の
菌が混在したままのサンプルであっても同定が可能であ
る。従って、本発明に係る細菌同定用培地に検体を接種
し、48時間以内の培養を行った後、培養液をNMR分
析することで、短時間のうちに菌の存在確認や同定が可
能である。
【0009】
【実施例】本発明に係る細菌同定用培地は、一部の炭素
又は全ての炭素を13Cで標識した糖と、一部の水素又は
全ての水素を重水素で標識した糖と、一部の炭素及び水
素又は全ての炭素及び水素を13Cと重水素で標識した糖
のいずれかを含有したことを特徴とし、炭素及び水素を
13Cと重水素の一方又は両方で標識した各種の糖(ヘキ
ソースやペントースなどの単糖類や二糖類など)を使用
することができるが、培養菌の取り込み易さや価格など
から、13C標識グルコースが好ましい。これら安定同位
体で標識した糖は培地炭素源の全てであっても良いし、
炭素源の一部として添加しても良い。また、この培地の
基本組成は、安定同位体で標識した糖を添加する以外は
通常の培地と変える必要は無く、この種の培養において
通常に使用される市販の培養液中に上記の糖を添加して
調製することができる。
【0010】次に、本発明に係る細菌同定方法の一例と
して、市販の培地に13C標識グルコースを添加して作製
した細菌同定用培地を用い、血液検体中の細菌の同定を
行う場合を例示する。
【0011】血液培養用カルチャーボトル(栄研M1
号等)に、生理的食塩水(無菌処理済)で0.1g/m
l濃度に調整したD-グルコース-1-13C(13C濃縮度
99%)を0.1〜0.5g程度注入する。 細菌が存在する可能性のある検体(血液)をで調整
された培地に接種する。 細菌が生育する温度雰囲気(30〜37℃程度)にて
培養する。 検体接種後、24時間又は48時間後に、培養液0.
2mlをサンプリングしてNMRチューブに注入する。
このNMRチューブにはサンプル液以外に0.7mlの
重水(D濃縮度99%)及び内部標準としてジオキサン
(試薬特級グレード)を0.1ml注入しておく。 作製したNMRサンプルをNMR装置で13Cケミカル
シフトチャートを測定する(磁場強度270MHz)。測定シ
ーケンスはプロトンコンプリートデカップリング法によ
る。13 Cケミカルシフトチャートから代謝産物(アルコー
ル、脂肪酸)の種類及び量的比率を確認し細菌代謝物の
パターン文献等と照会して、検体中の菌の存在確認と、
菌種、菌名の確認とを行う。尚、脂肪酸の定性定量は、
特定位置の13Cを観測することにより行う。
【0012】以上の操作によって、検体中の菌の存在確
認と、菌種、菌名の確認とを迅速に行うことが可能であ
る。
【0013】(実験例)既知の代謝物及び代謝物の産生
比を有する細菌を想定し、その代謝パターンに相当する
組成比で脂肪酸を含むサンプルを調製し、NMRで計測
し、安定同位体標識代謝物のNMR分析による菌の同定
の可能性を確認した。サンプルの材料は次の通りであ
る。 脂肪酸:米国ISOTEC社製、化学純度99%、13C濃縮度
99% 1,2-13C酢酸ナトリウム(13CH3 13COONa)、
分子量約84 1-13Cイソカプロン酸ナトリウム((CH32CHC
2CH2 13COONa分子量約139 1,4-13Cコハク酸(HOO13CCH2CH213COO
H)、分子量約120 1-13Cプロピオン酸ナトリウム(CH3CH2 13COO
Na)、分子量約97 内部標準(ジオキサン);関東化学社製 試薬特級 化
学純度95%、分子量約88 NMR溶媒(重水;D2O);米国ISOTEC社製 化学純
度99%、重水素濃縮度99.9%、分子量約20。
【0014】・実施例1:Peptostreptococcus anaerob
iusの代謝パターン (酢酸:イソカプロン酸=7:6の代謝比に特徴を持つ
パターン)1,2-酢酸13C酢酸ナトリウムを1375μg、1-
13Cイソカプロン酸ナトリウムを1960μg、1,4-13Cコ
ハク酸を840μg、1-13Cプロピオン酸ナトリウムを1590
μg秤量し、これらを0.9mlの重水(D2O)に溶解
した。これに内部標準用ジオキサンを0.123g加え
た後、5mm径のNMRサンプルチューブに注入し約1
mlの液体サンプルを作製した。ここで、サンプル中の
脂肪酸のモル比は、酢酸:イソカフ゜ロン酸:コハク酸:フ゜ロヒ゜オン
酸=7:6:3:7である。
【0015】カルボキシル基を13Cで標識した脂肪酸サ
ンプルを用いた理由は、1-13C標識グルコースを培地に
組み込んだ場合の細菌代謝物を想定したことによる。つ
まり、1-13C標識グルコースを炭素栄養源にして細菌が
生産する脂肪酸は、カルボキシル基に13Cが標識された
ものが主になると予想されるためである。このサンプル
をJEOL製NMR GSX−400(磁場強度400MH
z)で13C核測定を行った。尚、測定シーケンスはプロ
トンコンプリートデカップリング法により行い、13Cケ
ミカルシフトチャートを測定した。その結果を図1に示
す。
【0016】この測定の結果、4種混合した脂肪酸及び
内部標準のジオキサンがきれいに分離したスペクトルが
得られた。しかもPeptostreptococcus anaerobiusの代
謝の特徴である酢酸:イソカプロン酸=7:6の代謝比
(モル比)をほぼ精度良く検知できた。また残り2種の
脂肪酸のモル比(当量比)もほぼ精度良く検知できた。
尚、コハク酸はカルボキシル基の炭素に関して2当量で
あるため、カルボキシル基の炭素を13Cケミカルシフト
チャートで定量する場合には、コハク酸のモル数の2倍
の炭素が観測される。以上の結果からして、1-13Cグル
コースを含有した培地に血液等の検体を接種して24時
間〜48時間程度培養した後、その培養液をサンプリン
グし、重水及び内部標準(ジオキサン)とともにNMR
チューブに入れ、NMR装置で13Cケミカルシフトチャ
ートを測定し、得られるスペクトルから菌(Peptostrep
tococcus anaerobius)の存在確認と、この菌種の同定
とが可能であることが分かる。
【0017】・実施例2:Bacteroides fragilis等に見
られる代謝パターン (酢酸:コハク酸=4:23の特徴を持つパターン) 1,2-13C酢酸ナトリウムを550μg、1-13Cイソカプロン
酸ナトリウムを230μg、1,4-13Cコハク酸を4500μg、1
-13Cプロピオン酸ナトリウム160μg秤量し、これらを
0.9mlの重水(D2O)に溶解した。これに内部標準
用ジオキサンを0.123g加えた後、5mm径のNM
Rサンプルチューブに注入し約1mlの液体サンプルを
作製した。ここでサンプル中のモル比は、酢酸:イソカフ゜ロ
ン酸:コハク酸:フ゜ロヒ゜オン酸=4:1:23:1である。
【0018】このサンプルをJEOL製NMR GSX
−400(磁場強度400MHz)で13C核測定を行った。
尚、測定シーケンスはプロトンコンプリートデカップリ
ング法により行い、13Cケミカルシフトチャートを測定
した。その結果を図2に示す。この13Cケミカルシフト
チャートでは、脂肪酸のカルボキシル基の13Cが観測さ
れ、4種混合した脂肪酸及び内部標準のジオキサンがき
れいに分離したスペクトルが得られた。しかもBacteroi
des fragilis等に見られる代謝の特徴である酢酸:コハ
ク酸=4:23の代謝比(モル比)を検知できた。以上
の結果からして、1-13Cグルコースを含有した培地に血
液等の検体を接種して24時間〜48時間程度培養した
後、その培養液をサンプリングし、重水及び内部標準
(ジオキサン)とともにNMRチューブに入れ、NMR
装置で13Cケミカルシフトチャートを測定し、得られる
スペクトルから菌(Bacteroides fragilis)の存在確認
と、この菌種の同定とが可能であることが分かる。
【0019】・実施例3 生理的食塩水(無菌処理済)で0.1g/ml濃度に調整した
D-グルコース-1-13C(13C濃度99%)を0.3g注入した
血液培養用カルチャーボトル(栄研M1号)を準備し、
これに大腸菌を接種(106個)した実験サンプルボト
ルを作製した。このサンプルボトルから大腸菌のD-グ
ルコース-1-13Cの取り込みと、D-グルコース-1-13
Cを栄養源として菌から産生される代謝物の観測を13
-NMRケミカルシフトチャートにより行った。13C-N
MRケミカルシフトチャート計測は、菌接種時、24時間
経過時及び48時間経過時の3回行った。NMRサンプル
作製は、ボトルから直接内容物(液体)を0.2mlシリン
ジにて採取しこれをNMRサンプルチューブに移送し
た。又、同時に重水0.7mlと内部標準用にジオキサン0.1
mlを注入し、これをサンプルとした。13C-NMRケミ
カルシフトチャート測定の結果、図3に示す菌接種時の
サンプルチャートでは内部標準用のジオキサンのスペク
トル(67.4PPM)が1本と、D-グルコース-1-13Cのス
ペクトル(96.753PPM、92.933PPM)2本のみが外乱の影
響をほとんど受けずに、はっきりとしたピークとして観
測された。接種後24時間経過時(図4)及び48時間経過
時(図5)のサンプルチャートでは、D-グルコース-1
-13Cのスペクトルが消失し(24時間経過時では僅かに
残っているが)内部標準用のジオキサンのスペクトル
(67.4PPM)が1本と、13Cで標識された細菌代謝物の
スペクトル(32.478PPM,23.05PPM,20.85PPM,17.641P
PM)4本のみが外乱の影響をほとんど受けずにはっきり
としたピークとして観測された。これらチャートから本
サンプルボトルでの菌代謝が時間経過と共に明確に観測
されたと考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、安定
同位体で標識した糖を含む細菌同定用培地を用い、この
培地に細菌を含む可能性のある検体を接種して培養し、
その培養液をサンプリングしてNMR装置で安定同位体
元素のケミカルシフトチャートを測定し、得られたスペ
クトルの脂肪酸やアルコール等の代謝物の存在比から検
体中の菌の存在確認と、その菌の同定とを行う。菌の代
謝は培地に接種後48時間までに充分行われ、アルコー
ルや脂肪酸等の代謝物生産も48時間以内に充分に生産
される。一方、安定同位体で標識された菌代謝物をNM
R装置で安定同位元素のケミカルシフトチャートを測定
することによって、1×10-7MOL/100ml-培養液程度
の極微量の脂肪酸も定性可能であることから、細菌同定
用培地に検体を接種し、48時間以内の培養を行った
後、培養液をNMR分析することで、短時間のうちに菌
の存在確認が可能となり、菌の存在確認の所要時間を大
幅に短縮することができる。なお使用するNMR装置
は、さらに低磁場型の90MHzの装置でも検出可能であ
る。
【0021】また、本発明によれば、代謝脂肪酸及びア
ルコール等はNMRケミカルシフトチャートで定性的に
区別されるので、客観データで菌存在を判定することが
でき、従来法での目視による判定に比べ、より確実な結
果を得ることができる。
【0022】また、従来法で使用される培地はボトルタ
イプが主であって、多くのサンプルを一度に培養するに
は大きすぎ、培養スペースが大きくなるとともに、検査
の自動化が困難であるが、本発明では培養容器として、
例えばφ5mm×180mm程度の小型のNMRチュー
ブを用いることもでき、これにより培養スペースを大幅
に削減することができるとともに、培養後の検査もオー
トサンプラー使用により自動化が可能となり、検査の自
動化、省力化を図ることができる。
【0023】さらに、従来法の菌種、菌名同定法では、
細菌培養を数回繰り返すため多大の時間を要していた
が、本発明では安定同位体標識代謝物をNMR分析し、
各代謝物の組成比に基いて菌の同定を行うことにより、
1,2回の培養で菌の同定が可能である。即ち、細菌に
よっては代謝脂肪酸やアルコールの内特定の物質のみ多
く生産する場合があり、またこれら代謝生産物は一定の
組成比を示すため、数種の菌が混在したままのサンプル
であっても、代謝物の組成比を調べることによって特定
菌の同定が可能となることから、1度又は2度の培養で
菌の同定が可能となり、その結果、菌の同定のための培
養時間を大幅に短縮することができる。
【0024】また、本発明では、小型のNMRチューブ
に培養液を入れ、ここに検体を接種して培養することが
でき、このサンプル中に数種の菌が生育してそれぞれか
ら代謝物が生産されても、特定の代謝物の生産が多い菌
については直接NMRで判定が可能である。従って分析
サンプル作製の手間を大幅に削除することができる。
【0025】また、本発明では、NMRサンプルチュー
ブに一度検体を接種すれば、その後複雑な菌操作を行う
必要がなく直接測定できる。従って従来法に比べ、病原
菌を取り扱う時間が短くなり、作業者の安全性を格段に
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の結果を示す13C-NM
Rケミカルシフトチャートである。
【図2】本発明に係る実施例2の結果を示す13C-NM
Rケミカルシフトチャートである。
【図3】本発明に係る実施例3の結果を示し、菌接種直
後の培地の13C-NMRケミカルシフトチャートであ
る。
【図4】同じく24時間培養後の13C-NMRケミカルシ
フトチャートである。
【図5】同じく48時間培養後の13C-NMRケミカルシ
フトチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部の炭素又は全ての炭素を13Cで標識
    した糖と、一部の水素又は全ての水素を重水素で標識し
    た糖と、一部の炭素及び水素又は全ての炭素及び水素を
    13Cと重水素で標識した糖とのいずれかを含有したこと
    を特徴とする細菌同定用培地。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した細菌同定用培地に検
    体を接種して培養し、該培地中に生産される安定同位体
    標識細菌代謝物の核磁気共鳴ケミカルシフトチャートを
    測定し、該検体中の菌存在の確認とその菌の同定とを行
    うことを特徴とする細菌同定方法。
JP16488693A 1993-07-02 1993-07-02 細菌同定用培地及び細菌同定方法 Withdrawn JPH0723794A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MD2286C2 (ro) * 2001-02-14 2004-06-30 Тудор ГЕОРГИЦА Imunoreactiv pentru indicarea toxigenităţii microbiene
JP2008534027A (ja) * 2005-04-05 2008-08-28 エルベル・アクチエンゲゼルシヤフト 高度に同位体標識された二次微生物代謝産物の生産および対応する代謝産物
WO2011024156A1 (en) * 2009-08-31 2011-03-03 Brain Watch Ltd. Isotopically labeled neurochemical agents and uses thereof for diagnosing conditions and disorders
US10745735B2 (en) 2013-11-22 2020-08-18 National Research Council Of Canada Detection, isolation and identification of microorganisms

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