JPH0723672Y2 - ロータリー管継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、流体圧機器への取付け
部とワンタッチ・チューブ保持部が回転可能なロータリ
ー管継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】圧力流体を供給する合成樹脂製のチュー
ブを流体圧機器に接続するに際し、そのチューブの回転
を許容する必要がある場合には、ロータリー管継手が用
いられている。このロータリー管継手は、チューブをワ
ンタッチで接続できるようにしたチューブ保持部を、ね
じ等によって流体圧機器に取付けられる取付け部に対し
て回転可能に連結したものである。このように、ロータ
リー管継手は、チューブが回転することを前提として用
いられる。

【０００３】一方、ワンタッチでチューブを接続するチ
ューブ保持部においては、挿入したチューブに対して係
止爪を係止し、それによってチューブの抜け出しを抑止
するチューブ接続構造をとっている。このチューブ接続
構造では、チューブの保持機能がチューブ抜け方向にの
み作用し、チューブの回転方向に対しては保持機能が作
用しない。しかも、チューブに対して係止爪を係止させ
ているので、チューブが回転すると、その係止爪により
チューブの周囲にきずがつき、破損することになる。

【０００４】従って、チューブが回転することを前提と
して用いられる上記ロータリー管継手において、チュー
ブ保持部が取付け部に対して回転し難くなって、チュー
ブがチューブ保持部に対して回転すると、上述のように
チューブが破損し、そのためチューブとチューブ保持部
の回転を規制し、できるだけチューブ保持部と取付け部
との間で回転させる必要がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案の技術的課題
は、流体圧機器への取付け部とワンタッチ・チューブ保
持部が回転可能な上記ロータリー管継手において、チュ
ーブがチューブ保持部に対して回転することにより生じ
る破損を防止することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本考案のロータリー管継手は、挿入したチューブに対
して係止する係止爪を有し、その係止によってチューブ
の抜け出しを抑止して接続するチューブ保持部を、流体
圧機器に取付けられる取付け部に対して回転可能に連結
した管継手において、上記チューブ保持部内のチューブ
嵌入筒部内面に、チューブの回転を抑止するためのチュ
ーブ挿入方向に沿う複数の突条を設けることによって構
成される。

【０００７】

【作用】流体圧機器に取付けられたロータリー管継手に
おけるチューブ保持部にチューブを挿入すると、その外
面への係止爪の係止により、チューブが抜け出しを抑止
された状態で接続される。このチューブの接続に際し、
チューブは、チューブ保持部内のチューブ嵌入筒部に挿
入され、このチューブ嵌入筒部内面には突条を設けてい
るが、この突条は、チューブの回転を抑止するためにチ
ューブ挿入方向に沿うように設けているので、チューブ
挿入の際の抵抗になることはない。

【０００８】挿入したチューブが回転した場合、上記突
条によりチューブ保持部に対するチューブの回転が規制
され、そのため、何らかの原因でチューブ保持部が取付
け部に対して回転し難くなるようなことがあっても、チ
ューブがチューブ保持部に対して回転することなく、通
常、チューブ保持部が取付け部に対して回転することに
なる。従って、チューブがチューブ保持部に対して回転
することにより生じる破損が防止される。

【０００９】

【実施例】図１及び図２には、本考案にかかるロータリ
ー管継手の実施例を示している。このロータリー管継手
は、適宜流体圧機器に取付けられる取付け部１に、チュ
ーブへの係止爪の係止によって該チューブをワンタッチ
で接続するようにしたチューブ保持部２を、回転連結部
３を介して回転可能に連結したものである。

【００１０】上記取付け部１は、流体圧機器に取付ける
ためのねじ４及びそのねじ４の螺挿に利用するスパナ掛
け５を備え、また、回転連結部３においてベアリング７
及びシール８が外嵌する支持筒部６を、該回転連結部３
内に延設している。

【００１１】また、上記取付け部１に対して回転連結部
３により回転自在に連結したチューブ保持部２は、外筒
９内において軸方向に若干量だけ摺動可能に支持された
支持部材１０に、挿入チューブに対して係止する係止爪
１１を保持させている。この係止爪１１は、内向きに折
曲した先端縁を中心のチューブ挿入孔に向けて突出さ
せ、その先端縁のチューブに対する係止によってチュー
ブの抜け出しを抑止するもので、チューブに抜け出し方
向の力が作用したときには、係止爪１１とその支持部材
１０の摺動により係止爪１１が一層チューブに深く食い
込むように、支持部材１０の背後に傾斜押圧面１０ａを
形設している。

【００１２】チューブ保持部２の外筒９内における係止
爪１１及びその支持部材１０の装着位置の内奥において
は、外筒９内に設けた段部１２に載置してシール部材１
３を配設している。このシール部材１３は、チューブ保
持部２に挿入されるチューブの外面に接し、その間をシ
ールするものである。また、上記段部１２により狭窄ら
れたチューブ保持部の外筒９内奥部には、チューブ径よ
りも若干大径のチューブ嵌入筒部１４を連設している。
このチューブ嵌入筒部１４は、その内底にチューブ先端
が衝当する衝当段部１５を有し、上記チューブ嵌入筒部
１４の内面には、図２に詳細に示すように、チューブＴ
の回転を抑止するためのチューブ挿入方向に沿う複数の
突条１６を設けている。この突条１６は、チューブＴの
挿入の際の格別の抵抗にはならず、挿入後はチューブＴ
の回転を規制するのに適した形状、寸法に設定されるも
のである。

【００１３】チューブ保持部２において、チューブ挿入
端側から係止爪１１の内側に挿入されるリリースブッシ
ュ１７は、係止爪１１の係止によりチューブ保持部２に
挿入保持されたチューブを抜き出すときに用いるもの
で、その押圧挿入により係止爪１１を拡開状態に保持す
るようにしている。

【００１４】上記回転連結部３は、チューブ保持部２の
外筒９と一体の連結筒部１８内において、前記取付け部
１における支持筒部６との間にベアリング７を介在させ
ることにより、回転連結部３を取付け部１に対して回転
可能に連結するものであり、また、連結筒部１８と支持
筒部６との間に介装したシール８により、それらの間の
シールを行っている。

【００１５】上記構成を有するロータリー管継手におい
ては、チューブ保持部２にチューブを挿入すると、その
外面への係止爪１１の係止により、チューブが抜け出し
を抑止された状態で接続される。この接続に際し、チュ
ーブの先端は、チューブ保持部２内の嵌入筒部１４に挿
入されるが、このチューブ嵌入筒部１４内面に設けた突
条１６は、チューブの回転を抑止するためにチューブ挿
入方向に沿って設けているので、チューブ挿入の際の抵
抗になることはない。

【００１６】挿入したチューブが回転した場合、上記突
条１６によりチューブ保持部２に対するチューブの回転
は規制され、そのため、何らかの原因でチューブ保持部
２が取付け部１に対して回転し難くなるようなことがあ
っても、チューブがチューブ保持部２に対して回転する
ことなく、チューブ保持部２が取付け部１に対して回転
することになる。従って、チューブがチューブ保持部２
に対して回転することにより生じる破損が防止される。

【００１７】

【考案の効果】以上に詳述した本考案のロータリー管継
手によれば、流体圧機器への取付け部とワンタッチ・チ
ューブ保持部が回転可能な管継手において、チューブ嵌
入筒部内面に突条を設けるという簡単な手段により、チ
ューブがチューブ保持部に対して回転するのを抑止し、
その回転により生じるチューブの破損を防止することが
でき、しかも上記突条をチューブ挿入方向に沿って設け
ているので、チューブ挿入の際の抵抗になることもな
く、通常のロータリー管継手と同様に使用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す半断面図である。

【図２】図１における要部横断面図である。

【符号の説明】

１ 取付け部、 ２ チューブ保
持部、３ 回転連結部、 １１ 係止
爪、１４ 嵌入筒部、 １６ 突条１
６、Ｔ チューブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入したチューブに対して係止する係止爪
   を有し、その係止によってチューブの抜け出しを抑止し
   て接続するチューブ保持部を、流体圧機器に取付けられ
   る取付け部に対して回転可能に連結した管継手におい
   て、 上記チューブ保持部内のチューブ嵌入筒部内面に、チュ
   ーブの回転を抑止するためのチューブ挿入方向に沿う複
   数の突条を設けた、 ことを特徴とするロータリー管継手。