JPH0723663Y2 - リリーフ弁 - Google Patents

リリーフ弁

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JPH0723663Y2
JPH0723663Y2 JP4658489U JP4658489U JPH0723663Y2 JP H0723663 Y2 JPH0723663 Y2 JP H0723663Y2 JP 4658489 U JP4658489 U JP 4658489U JP 4658489 U JP4658489 U JP 4658489U JP H0723663 Y2 JPH0723663 Y2 JP H0723663Y2
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stepped piston
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豊明 佐川
紀元 吉田
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば油圧ショベル等の土木・建設機械の液
圧回路の液圧制御に使用する昇圧緩衝特性を有するリリ
ーフ弁に関する。
〔従来の技術〕
液圧モータの液圧回路においては、加速時やブレーキ時
等の液圧の上昇を制限するためにリリーフ弁が設けられ
ている。そして加速時やブレーキ時のショックを無くす
ために、昇圧緩衝用ピストンを内蔵したリリーフ弁(例
えば実公昭63−19668号公報、実公昭63−21814号公報)
が提案されている。しかしながら、これらの弁は受圧面
積の関係から、昇圧緩衝用ピストンがストロークを開始
する液圧が低圧リリーフ作動を開始する液圧よりもかな
り低かつた。
〔考案が解決しようとする課題〕
液圧モータの液圧回路には、第8図に示すように液圧モ
ータ51の圧液供給口と圧液排出口との間に2個のリリー
フ弁52,53を逆並列に接続するいわゆるクロス回路と、
第9図に示すように液圧モータ51の圧液供給口と圧液排
出口とにそれぞれリリーフ弁54,55の流入側を接続し、
これら2個のリリーフ弁の逃がし側をタンク56に接続す
るいわゆる絶対圧回路とがあるが、クロス回路はオーバ
ーロードリリーフ弁が別途必要でコスト高となるため、
絶対回路が採用される傾向にある。
ところが液圧モータの液圧回路は、加速時やブレーキ時
以外の通常時においても、ある程度の液圧を生じている
ので、絶対圧回路の場合、リリーフ弁の流入側との逃が
し側との間に差圧を生じ、昇圧緩衝用ピストンを内蔵し
たリリーフ弁では低圧リリーフ作動の開始前に昇圧緩衝
用ピストンが作動を完了してしまうことがある。このよ
うな場合、低圧リリーフ作動時に緩衝効果が全く得られ
ないから、大きなショックが発生するという不具合があ
つた。
このような不具合を解消するため、昇圧緩衝用ピストン
を付勢するばねの初期荷重を大きくすることが考えられ
るが、このようにすると低圧リリーフ作動開始圧力が高
くなることから充分な緩衝効果が得られず、ショックが
発生して、結局不具合を解消することができない。
そこで、本出願人は前記課題を解決したリリーフ弁を昭
和63年10月31日付けで実用新案登録出願(実願昭63−14
3013号(実開平2−66780号公報))をした。
しかし、この考案においては、段付ピストンの一端側の
外径とシートの流入孔の直径とを略等しくしているの
で、段付ピストンの一端側の肉厚が薄くなつて全ストロ
ークボリュームが小さくなる。このため、段付ピストン
は低圧リリーフ作動時比較的大きなストローク量となる
プランジャのストロークボリュームによつて移動させら
れることがあるから、良好なショック軽減効果が得難い
という不具合があつた。
本考案は前記の点に鑑みてなされたもので、段付ピスト
ンの全ストロークボリュームが非常に小さくても、良好
なショック軽減効果を得ることができるリリーフ弁を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本考案のリリーフ弁において
は、他端が閉塞され且つ一端側に流入孔を有する弁座と
流出孔とを設けた筒状のケーシングと、一端側に設ける
大径部で前記ケーシングの一端側の内周に摺動自在に嵌
挿し且つ一端を前記弁座に嵌脱するプランジャと、他端
部外周に段部が突設され且つ前記プランジャの他端部外
周と前記ケーシングの他端側の段部を有する内周との間
に摺動自在に嵌挿する筒状の段付ピストンと、この段付
ピストンの段部と前記ケーシングの他端側の内周の段部
とで形成されるダンピング室と、前記段付ピストンの一
端と前記プランジャの一端側との間に介装されたばね
と、前記ケーシングの他端側に内装され且つ前記プラン
ジャの他端と前記段付ピストンの他端とに液室を介して
対向するピストン機構と、前記プランジャに貫設されて
前記流入孔と前記液室とを連通する貫通孔と、この貫通
孔に設ける絞り部とを備え、前記段付ピストンの一端側
の外径と前記流入孔の直径とを略等しくし、且つ前記ピ
ストン機構は、シリンダ部とこのシリンダ部に嵌挿する
ピストンとこのピストンを段付ピストン側へ押付けるば
ねとで構成すると共に、ピストンの受圧面積およびばね
の寸法を低圧リリーフ作動時プランジャのストロークボ
リュームを吸収するように設定したことを特徴とするも
のである。
ケーシングの他端には、ピストン機構のばねの初期荷重
を調整するばね調整機構を設けるとよい。
〔作用〕
段付ピストン11の一端側の外径d3と弁座4の流入孔3の
直径d1とを略等しくしたので、段付ピストン11がストロ
ークを開始する圧力とプランジャ8が低圧リリーフ作動
を開始する圧力との差を小さくすることができる反面、
段付ピストン11の一端側の肉厚が薄くなり、その全スト
ロークボリュームが小さくなつている。そこで、低圧リ
リーフ作動時、段付ピストン11がプランジャ8のストロ
ークボリュームによって動かされないように、ピストン
機構27によつてプランジャ8のストロークボリュームを
吸収している。
従つて、段付ピストン11はプランジャ8のストロークボ
リュウムに影響されることなしにダンピング力及びばね
21の荷重に抗して移動し、その移動速度は絞り部10前後
の差圧力が小さいので遅く、緩衝時間を長くとることが
できる。
尚、ケーシングの他端部にピストン機構のばねの初期荷
重を調整するばね調整機構を設けるようにすれば、プラ
ンジャのストロークボリューム吸収率の調整が容易とな
る。
〔実施例〕
本考案の実施例を第1図に基づいて説明する。
1はケース2に取付けた略円筒状のケーシング本体で、
一端部には圧液の流入孔3を形成する略環状の弁座4が
同芯状に固着されており、他端部側内周に螺設された雌
ねじには調圧プラグ5の一端側が螺合されている。調圧
プラグ5は、その他端側内周に螺設された雌ねじに鍔付
蓋体6を螺合しており、又、他端側外周に螺設された雄
ねじにケーシング本体1の他端に当接するロックナット
7を螺合している。
ケーシング本体1の一端側内周には、一端側が大径部で
その先端部が先細り状の裁頭直円錐体に形成されたプラ
ンジャ8の大径部が摺動自在に嵌挿されており、このプ
ランジャ8には中心部に軸芯方向に沿う貫通孔9が形成
されている。又、貫通孔9の他端近傍には所定長の絞り
部10が形成されている。調圧プラグ5の一端側の段部を
有する内周には、他端部外周に段部28を突設した段付ピ
ストン11が摺動自在に嵌挿され、この段付ピストン11の
内周にはプランジャ8の他端部外周が摺動自在に嵌挿さ
れている。段付ピストン11はその他端面に放射状の溝11
aを形成し、上限において鍔付スリーブ12を介し鍔付蓋
体6に当接している。
鍔付スリーブ12は他端面に放射状の溝12bを形成すると
共に他端外周に鍔部を突設し、その鍔部で調圧プラグ5
の中間内周の段部に当接した状態で密嵌され、その内周
にはピストン13の大径部を摺動自在に嵌挿している。そ
して、この鍔付スリーブ12は段付ピストン11、プランジ
ャ8、調圧プラグ5及びピストン13とで液室14を形成し
ている。
段付ピストン11はその段部28と調圧プラグ5の内周の段
部とでダンピング室19を形成すると共に、ダンピング室
19と液室14とを連通孔20で連通している。
ピストン13は、鍔付蓋体6内のばね室15に縮設されてピ
ストン13を押圧するコイルばね16と、ピストン13を摺動
自在に嵌挿するシリンダ部である鍔付スリーブ12と、ピ
ストン13をばね座18に当接するだけの弱いコイルばね17
等でピストン機構27を構成しており、ピストン13前進限
(下限)においてばね座18が鍔付スリーブ12の鍔部端面
に当接する。
ピストン機構27のピストン13の受圧面積及びばね16の寸
法は、低圧リリーフ作動時、ストロークボリュームの小
さな段付ピストン11が液室14内のプランジャ8のストロ
ークボリュームで動かされることによつて有効な低圧緩
衝特性が得られなくなることを防ぐため、段付ピストン
11が動くのと同時にピストン13が動き、液室14内のプラ
ンジャ8のストロークボリュームを吸収するように設定
されている。
段付ピストン11の一端にはばね座11bが固着されてお
り、このばね座11bとプランジャ8の大径部との間には
コイルばね21が縮設されている。ケーシング本体1の一
端側にはコイルばね21が位置するばね室22を図外のタン
ク側に連通するための複数の孔1aが放射状に形成されて
いる。又、ケーシング本体1の孔1aよりさらに一端寄り
に複数の流出孔1bが放射状に形成されており、これら流
出孔1bを介して流入孔3を図外のタンク側に連通してい
る。
ピストン13背後のばね室15は鍔付スリーブ12に設けた放
射状の溝12b、通孔12a、調圧プラグ5に設けた通孔5a、
ばね室22、孔1aを介してタンクへ連通している。ケーシ
ング本体1の他端部内周と調圧プラグ5の中間外周との
間にはOリング23が介装されており、調圧プラグ5の他
端部外周と鍔付蓋体6の外周との間にはOリング24が介
装されており、ケーシング本体1の中間外周とケース2
の内周との間にはOリング25が介装されている。
尚、本実施例ではケーシングをケーシング本体1と調圧
プラグ5と鍔付スリーブ12と鍔付蓋体6とで構成し、調
圧プラグ5によりコイルばね21の初期荷重を変えてリリ
ーフ弁の最高設定圧力及び同時に低圧緩衝圧力を調整で
きるようにしているが、本考案はこのような構成に限定
されるものではない。又、鍔付蓋体6の底部にはピスト
ン機構のばね16の初期荷重を調整するためにばね調整機
構(図示せず)を設けてもよい。
弁座4の流入孔3の直径をd1、段付ピストン11の内径を
d2、段付ピストン11の一端側の外径(小径部の外径)を
d3、段付ピストン11の他端側の外径(大径部の外径)を
d4とすると、d3の値は可能な限りd1に近い値に設定して
いる。即ち本実施例においては、段付ピストン11の一端
側の肉厚(d3−d2)を強度上可能な限り薄く設計してい
る。
このようにすれば、段付ピストン移動開始圧力はプラン
ジャ8がばね21の弾発力に抗してリフトし始める圧力、
即ち低圧リリーフ作動を開始する圧力に略等しくするこ
とができ、従つて、従来より段付ピストンの移動開始圧
力を高く設定し、且つ低圧リリーフ作動開始圧力即ち低
圧緩衝圧力を低く設定することができる。
これを説明すると、段付ピストン11が上限にある時のば
ねの荷重(初期荷重)がW0、段付ピストン11が下降を開
始する圧力がP2では、 (π/4)(d3 2−d2 2)×P2=W0 よつて、 P2=4W0/π(d3 2-d2 2) … このときの流入孔3の圧力をP1とすると、 (π/4)d1 2×P1=W0+P2×(π/4)d2 2 … 式に式を代入すると (π/4)d1 2×P1=W0+{4W0/π(d3 2−d2 2)}(π/
4)d1 2 P1=4W0d3 2/πd1 2(d3 2−d2 2) … 式に式を代入すると P1=P2(d3 2/d1 2) 従つて、d3をd1に近づけるとP1はP2に近づく。d3の値は
(d3−d2)の肉厚限界等によつて決まるが、d3を可能な
限りd1に近付けることによつて、 P2≧0.12PS P1=0.15〜0.2PS 程度に設定することができる。尚、PSは最終リリーフ圧
力である。
しかし、段付ピストン11の一端側の外径d3を流入孔3の
直径d1に可能な限り近付けると、段付ピストン11の肉厚
が薄くなつて段付ピストン11の全ストロークボリューム
が非常に小さくなり、一方、低圧作動時のプランジャ8
のストロークボリュームは比較的大きいから、このまま
では段付ピストン11がプランジャ8のストロークボリュ
ームによつて動かされる。ところが、ピストン機構27の
ピストン13は、プランジャ8と同時に動き始めてプラン
ジャ8のリリーフ作動によるストロークボリュームを吸
収するので、段付ピストン11の動きはプランジャ8のス
トロークボリュームと無関係となり、絞り部10通過流量
に応じた速度で移動する。
次に昇圧緩衝過程の状態を数式によつて説明する。プラ
ンジャ8と弁座4のシート部面積をS1、段付ピストン内
径の断面積をS2、段付ピストン11の小径部断面積をS3
大径部断面積をS4とすると S1=πd1 2/4 S2=πd2 2/4 S3=πd3 2/4 S4=πd4 2/4 また、プランジャ8の上流部圧力(すなわちリリーフ圧
力)をP1、液室14の圧力をP2、ばね21の初期荷重をW0
し、段付ピストン11がストロークエンドに達したときの
荷重をWとする。
まず、流入孔3に供給される油圧がタンク圧から加圧さ
れる場合を考える。流入孔3は初めタンク圧であり、貫
通孔9および液室14もタンク圧であるため、段付ピスト
ン11はばね21により鍔付スリーブ12を介し鍔付蓋体16に
押付けられた状態にある。
いま、段付ピストン11にダンピング力が作用していない
場合、液室14の圧力P21は、ばね21の初期荷重W0に対す
る段付ピストン11の力学的平衡により、 P21(S3−S2)=F1 P21=F1/(S3−S2) このときのリリーフ圧力P11は P11S1=W0+P21S2 P11=(W0+P21S2)/S1 このP11は昇圧開始圧力である。段付ピストン11にダン
ピング力が作用していなければ、 ΔP=P1−P2 の圧力差で貫通孔9、絞り部10を通つて液室14に圧液が
流入し、それによつて段付ピストン11は下方へ移動させ
られる。段付ピストン11がストロークエンドに達する直
前の液室14の圧力をP22とすると、 P22(S3−S2)=W P22=W/(S3−S2) このときのリリーフ圧力P12は P12=(F2+P22S2)/S1 ところが、段付ピストン11がストロークエンドに達した
瞬間、液室14の圧力P2とリリーフ圧力P1は同圧力になる
ため、リリーフ圧力P1は急激に上昇する。
即ち、第4図および第5図に示す如き圧力上昇過程をと
る。
このような状態では、到底ゆるやかな昇圧とはいえな
い。このため、段付ピストン11と調圧プラグ5とで段付
箇所にダンピング室19を設けることによつて段付ピスト
ン11にダンピング室19の背圧を作用させる。
即ち、段付ピストン11がストロークするにしたがつて大
きなダンピング力が段付ピストン11に作用するように第
3図のように絞り30を構成している。
このときのダンピング室19の背圧をP3とする。そして
P1,P2,P3各圧力の時間変化を表わす方程式は以下のよ
うになる。
P1(t) ・・・・・リリーフ圧力の時間関数 P2(t) ・・・・・液室圧力の時間関数 P3(t) ・・・・・ダンピング室19の圧力の時間関数 W(t) ・・・・・ばね21の弾発力の時間関数 X ・・・・・段付ピストン11のストローク量 プランジャ8に働く力学的平衡式 S1P1(t)=S2P2(t)+W(t)… 段付ピストン11に働く力学的平衡式 (S4−S2)P2(t)=(S4−S3)P3(t)+W(t)…
絞り部10から液室14へ流入する流量の時間関数をQ
(t)とすると Q(t)=(S3−S2)dx/dt … 絞り部10がオリフィスとすると、ベルヌーイの式より P1(t)−P2(t)=ρ{Q(t)}2/2C2f2 … ただし、Cは流量係数、ρは作動油密度、fは絞り断面
積 また、ばね21の弾発力の時間関数F(t)は、ばね定数
をKとすると、 W(t)=W0+Kdx … 以上〜式から、P1(t),P2(t),P3(t),F
(t),Q(t)の5変数が求められる。そして得られた
結果から以下のように結論できる。
P1(t)およびP2(t)が最終設定圧力まで上昇するの
に要する時間は、段付ピストン11がストロークを開始し
てからストローク端に達するまでの時間であるが、これ
は絞り部10を通つて圧液が液室14へ流入する流量Q
(t)に支配される(6式)。
一方、流量Q(t)はP1(t)とP2(t)の差圧に支配
されている(7式)。
式より P1(t)−P2(t)=(S2P2(t)+F(t))/S1
P2(t)=F(t)/S1−(1−S2/S1)P2(t) 一方、P2(t)は式より明らかなように、ダイピング
が作用している時、即ち、 P3(t)が作用している時、求められる。
P2(t)はダンピングがない時と比べ大きくなる。ま
た、前式で 1−S2/S1>0であるので、ダンピングが作用している
時、即ち、P3(t)が作用している時はP1(t)−P
2(t)が小さくなる。
したがつて、段付ピストン11にダンピングが作用してい
る時は、液室14へ流入する流量の時間関数Q(t)が小
さくなる。
即ち、段付ピストン11がストロークを開始してからスト
ローク端に達するのに要する時間は、ダンピングが作用
している場合の方が長くなる。また、絞り30を適切に選
ぶことによつて昇圧過程において、P2(t)およびP
1(t)は第6図および第7図に示すごとく最終設定圧
力Psetに至るまで滑らかに連続するようにできる。
このように、最終設定圧力に至るまでの昇圧時間tdはダ
ンピングがないときの昇圧時間toと比べてtd>toとな
り、かつ、最終設定圧力に至るまで略直線的で緩やかな
昇圧となるようにすることができる。
このような条件で段付ピストン11がストロークを開始す
るとき、流入孔3の圧液は絞り部10を通つて液室14に流
入する。この液室14に流入する圧液の流量Qは、絞り部
10の断面積をfとすると Q=Cf{2(P1−P2)/ρ}1/2 なおQ、P1、P2は時間tの関数であり、このQによつて
段付ピストン11のストローク開始から終了までの時間、
即ち昇圧緩衝時間が決まる。ここで、d3が可能なかぎり
d1に近付くように設定したので、段付ピストン11のスト
ロークボリュームが小さくなり、昇圧緩衝時間が短くな
つたのではないかと思われるかもしれないが、実際に
は、P1−P2も小さいので、Qが小さくなり、従つて昇圧
緩衝時間は短くならない。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案によれば、段付ピストンのス
トローク開始圧力とプランジャが低圧リリーフ作動を開
始する圧力との差を小さくするために、段付ピストンの
一端側の外径と弁座の流入孔の直径とを略等しくすると
共に、これにより全ストロークボリュームが小さくなつ
た段付ピストンがプランジャのストロークボリュームで
動かされないようにするため、このプランジャのストロ
ークボリュームを吸収するピストン機構を設けるように
したので、段付ピストンの全ストロークボリュームを小
さく設定しても、従来よりも段付ピストンのストローク
開始圧力を設定し、且つリリーフ作動開始圧力、即ち、
低圧緩衝開始圧力を低く設定することができる。従つ
て、本考案を絶対圧回路に適用した場合でも、リリーフ
作動開始前に段付ピストンのストロークが終了してしま
うようなことがなく、良好なショック軽減効果を得るこ
とができる。
尚、ピストン機構にそのばねの初期荷重を調整するばね
調整機構を備えることによつて、プランジャのストロー
クボリューム吸収率の調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例の縦断面図、第2図は同実施例
のダンピング機構の要部断面図、第3図は同ダンピング
機構の作用説明図、第4図はダンピング室がない場合に
段付ピストンがストロークエンドに達した瞬間に段付ピ
ストンに作用する液圧の変動状態の説明図、第5図は同
リリーフ圧力の変動状態の説明図、第6図はダンピング
室を有する場合にリリーフ弁始動時における段付ピスト
ンに作用する液圧力と時間との関係の説明図、第7図は
同リリーフ圧力と時間との関係の説明図、第8図は従来
の液圧モータの液圧回路に使用されるクロス回路の説明
図、第9図は同絶対圧回路の説明図である。 1……ケーシング本体、1b……流出孔、3……流入孔、
4……弁座、8……プランジャ、9……貫通孔、10……
絞り部、11……段付ピストン、13……ピストン、14……
液室、16,21……ばね、19……ダンピング室、27……ピ
ストン機構、28……段部。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】他端が閉塞され且つ一端側に流入孔を有す
    る弁座と流出孔とを設けた筒状のケーシングと、一端側
    に設ける大径部で前記ケーシングの一端側の内周に摺動
    自在に嵌挿し且つ一端を前記弁座に嵌脱するプランジャ
    と、他端部外周に段部が突設され且つ前記プランジャの
    他端部外周と前記ケーシングの他端側の段部を有する内
    周との間に摺動自在に嵌挿する筒状の段付ピストンと、
    この段付ピストンの段部と前記ケーシングの他端側の内
    周の段部とで形成されるダンピング室と、前記段付ピス
    トンの一端と前記プランジャの一端側との間に介装され
    たばねと、前記ケーシングの他端側に内装され且つ前記
    プランジャの他端と前記段付ピストンの他端とに液室を
    介して対向するピストン機構と、前記プランジャに貫設
    されて前記流入孔と前記液室とを連通する貫通孔と、こ
    の貫通孔に設ける絞り部とを備え、前記段付ピストンの
    一端側の外径と前記流入孔の直径とを略等しくし、且つ
    前記ピストン機構は、シリンダ部とこのシリンダ部に嵌
    挿するピストンとこのピストンを段付ピストン側へ押付
    けるばねとで構成すると共に、ピストンの受圧面積およ
    びばねの寸法を低圧リリーフ作動時プランジャのストロ
    ークボリュームを吸収するように設定したことを特徴と
    するリリーフ弁。
  2. 【請求項2】ケーシングの他端にピストン機構のばねの
    初期荷重を調整するためのばね調整機構を設けた請求項
    1記載のリリーフ弁。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0964194A2 (en) 1998-06-12 1999-12-15 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Relief valve

Cited By (1)

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EP0964194A2 (en) 1998-06-12 1999-12-15 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Relief valve

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JPH02136871U (ja) 1990-11-15

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